JP2005320495A - プリプレグ、並びにこれを用いて得られる金属箔張積層板及び印刷回路板 - Google Patents

プリプレグ、並びにこれを用いて得られる金属箔張積層板及び印刷回路板 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属箔と基板との接着強度及び耐熱性の両方を同時に十分に高いレベルで達成する金属箔張積層板及び印刷回路板、並びにこれらを得ることが可能なプリプレグを提供すること。
【解決手段】 溶媒と、これに溶解しているポリアミドイミド樹脂と、を含有し繊維基材に含浸しているワニスから、溶媒を除去して得られるプリプレグであって、溶媒は、ポリアミドイミド樹脂の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶媒である、プリプレグ100。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリプレグ並びにこれを用いて得られる金属箔張積層板及び印刷回路板に関する。
印刷回路板は、通常、絶縁性の基板と、この基板上に設けられた印刷回路とで構成される。基板としては、例えば、繊維基材に電気絶縁性の樹脂をマトリックスとして含浸したプリプレグを所定枚数重ね、これを加熱加圧して一体化して得られる積層板(プリント配線板用積層板)が用いられる。印刷回路(プリント回路)をサブトラクティブ法により形成して印刷回路板を得る場合には、上記の積層板からなる基板の片面又は両面に金属箔が積層された金属箔張積層板が用いられる。この金属箔張積層板は、例えば、プリプレグの表面(片面又は両面)に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧することにより製造される。電気絶縁性の樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などの熱硬化性樹脂が汎用され、フッ素樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられることもある。
パーソナルコンピュータや携帯電話等の情報端末機器の普及に伴って、これらに搭載される印刷回路板は小型化、高密度化が進んでいる。そして、その実装形態はピン挿入型から表面実装型へ、さらには上述のような積層板からなるプラスチック基板等の基板を使用した、BGA(ボールグリッドアレイ)に代表されるエリアアレイ型へと進んでいる。BGAのように、ベアチップを基板に直接実装する場合、ベアチップと基板との接続は、熱超音波圧着によるワイヤボンディングで行うのが一般的である。このため、ベアチップを実装する基板は150℃以上の高温にさらされることになり、基板に用いる電気絶縁性の樹脂にはある程度の耐熱性が要求される。
ところで、環境問題の観点から、はんだの鉛フリー化が進んでいる。しかし、鉛フリーのはんだを用いて実装する場合、その溶融温度が高温であるために、基板にはより高い耐熱性が要求される。また、基板の材料をハロゲンフリーとする要求も高まっており、臭素系難燃剤の使用が難しくなってきている。
さらに、印刷回路板には、一度実装したチップを外す、いわゆるリペア性も要求される場合があるが、チップを外すためにはチップ実装時と同程度の熱が加えられ、再度チップが実装されるときにも熱が加わることになる。したがって、リペア性の要求される印刷回路板では、繰り返し受ける高温の熱衝撃に対する耐久性(耐熱衝撃性)も要求される。耐熱衝撃性が不足すると、リペアを受けたときに繊維基材と樹脂との間で剥離等を起こしやすくなる傾向にある。
そこで、例えば、耐熱衝撃性等に優れるポリアミドイミド樹脂を必須成分とする樹脂組成物を繊維基材に含浸したプリプレグ及びこれを用いて得られる基板が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−55486号公報
上述のような積層板からなる従来の基板は、いわゆるリジッド基板と言われ、寸法安定性等の点では優れるものの、金属箔と基板との接着強度や、耐熱性の点ではまだ改良の余地があった。特に、鉛を含有しない、いわゆる鉛フリーのはんだを用いて部品実装を行う場合、リフロー工程等に要する温度が高いため、はんだ耐熱性の点で満足できる基板を得ることが困難であった。
そこで、本発明は、金属箔と基板との接着強度及び耐熱性の両方を同時に十分に高いレベルで達成する金属箔張積層板及び印刷回路板、並びにこれらを得ることが可能なプリプレグを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、溶媒と、これに溶解しているポリアミドイミド樹脂とを含有し繊維基材に含浸しているワニスから、溶媒を除去して得られるプリプレグであって、該溶媒は、上記ポリアミドイミド樹脂の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶媒であることを特徴とするプリプレグである。
上記本発明のプリプレグは、ポリアミドイミド樹脂の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶媒を用いたワニスから、混合溶媒を除去して得られるものであることにより、金属箔と基板との接着強度及び耐熱性の両方を同時に十分に高いレベルで達成する金属箔張積層板及び印刷回路板を得ることが可能である。
耐熱性の改善については、上記のような特定の混合溶媒を用いたことによって、基板内に形成される空隙の量が減少したことに起因すると、本発明者らは推察している。基板内に空隙が多く形成されると、例えばリフロー工程等において基板が260℃を超える高温に加熱されたときに、これら空隙が膨張して、金属箔の剥がれ等の欠陥の発生を招くと考えられる。
基板内の空隙の減少は、例えば、混合溶媒の使用によってワニスの粘度が大きく低下したことによると考えられる。従来、ポリアミドイミド樹脂を含有する樹脂組成物を用いた基板の製造には、ポリアミドイミド樹脂をその良溶媒からなる溶媒に溶解したワニスが用いられていたが、本発明者らは、このワニスの溶媒に着目して鋭意検討した結果、良溶媒と貧溶媒とを組み合わせた混合溶媒をワニスの溶媒として用いたときに、良溶媒のみからなる溶媒を用いたときと比較して、ワニスの粘度が大きく低下することを見出した。ワニスの粘度が低下すると、繊維基材への含浸が容易となり、プリプレグ中に未含浸部が残りにくくなる。この未含浸部が減少することにより、基板において、プリプレグ中の未含浸部に由来する空隙の量が減少すると考えられる。さらに、ポリアミドイミド樹脂の貧溶媒は、沸点が良溶媒よりも低い場合が多く、繊維基材に含浸後ワニスから容易に除去できるため、上記混合溶媒を用いることによって、残存溶媒に由来する空隙も減少すると考えられる。
一方、接着性改善の効果が発現するメカニズムについては必ずしも明らかでないが、例えば、ワニスから溶媒を除去する過程において、貧溶媒と良溶媒との比率が変化しながらポリアミドイミド樹脂が析出するために、プリプレグ中のポリアミドイミド樹脂のモルフォロジーが、良溶媒のみをワニスの溶媒とする場合とは異なるものとなっている可能性が考えられる。一般に、樹脂の他の材料との接着力は、そのモルフォロジーの変化に伴って変化し得る。
なお、本発明において、良溶媒とは、ワニスに用いるポリアミドイミド樹脂の溶解度(溶媒100gに溶解可能な溶質の量)が、室温において10g以上の溶媒のことを意味する。また、貧溶媒とは、この溶解度が10g未満の溶媒のことを意味する。
混合溶媒は、その全体量を基準として1〜60質量%の貧溶媒を含有することが好ましい。貧溶媒の含有割合が1質量%未満であると、接着性や耐熱性改善の効果が低下する傾向にあり、60質量%を超えると、ポリアミドイミド樹脂の混合溶媒への溶解性が低下して、プリプレグ製造プロセスの安定性が低下する傾向にある。
良溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン及びシクロヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有することが、好ましい。
貧溶媒の沸点は、150℃以下であることが好ましい。貧溶媒として沸点が150℃のものを用いることによって、接着性や耐熱性改善の効果がより顕著に発現しやすくなる。
また、貧溶媒は、水、エーテル化合物(エーテル類)、クロロホルム、n−ヘキサン、メチルエチルケトン、アセトン及びアルコール化合物(アルコール類)からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有することが、好ましい。
繊維基材の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。このような特定の薄い厚みの繊維基材を用いることで、大きな柔軟性を有し、任意に折り曲げることが可能であり、筐体の内部に高密度に搭載可能な印刷回路板が得られる。
また、繊維基材は、プリプレグの取扱い性や、得られる印刷回路板の絶縁性に優れる点で、ガラスクロスであることが、好ましい。
ポリアミドイミド樹脂は、得られる印刷回路板の柔軟性が大きくなる等の点で、ポリシロキサン鎖からなる2価の基を有するポリアミドイミド樹脂(シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂)であることが、好ましい。
また、ポリアミドイミド樹脂は、下記化学式(1)で表される2価の基を有するポリアミドイミド樹脂であることが、好ましい。このような特定の構造を有するポリアミドイミド樹脂を用いることによって、印刷回路板における金属箔の引き剥がし強さを、さらに高めることができる。
Figure 2005320495
また、ポリアミドイミド樹脂は、シロキサンジアミン、下記化学式(2)で表される脂環式ジアミン及び下記一般式(3a)又は(3b)で表される芳香族ジアミンを含有するジアミン混合物に、無水トリメリット酸を反応させてイミド基含有ジカルボン酸を得る第一反応工程と、このイミド基含有ジカルボン酸にジイソシアネートを反応させる第二反応工程と、を備える製造方法により得られるポリアミドイミド樹脂であることが、好ましい。このような製造方法によって得られるポリアミドイミド樹脂は、ポリシロキサン鎖からなる2価の基と、上記化学式(1)で表される2価の基とを共に有する。
Figure 2005320495
Figure 2005320495
[式(3a)及び(3b)中、Xは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3の2価のハロゲン化脂肪族炭化水素基、スルホニル基、オキシ基、カルボニル基、単結合又は下記一般式(31a)若しくは(31b)で表される2価の基を示し、Xは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3の2価のハロゲン化脂肪族炭化水素基、スルホニル基、オキシ基又はカルボニル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、水酸基、メトキシ基、メチル基又はハロゲン化メチル基を示す。
Figure 2005320495
式(31a)中、Zは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3の2価のハロゲン化脂肪族炭化水素基、スルホニル基、オキシ基、カルボニル基又は単結合を示す。]
上記ワニスは、熱硬化性樹脂を更に含有することが、好ましい。ポリアミドイミド樹脂に熱硬化性樹脂を組み合わせることによって、印刷回路板の耐熱性をさらに高めることができる。さらに、この熱硬化性樹脂は、耐熱性や、寸法安定性等の点から、エポキシ樹脂であることが好ましい。
本発明の金属箔張積層板は、上記本発明のプリプレグを所定枚数積層した積層体を加熱及び加圧して得られる基板と、当該基板の少なくとも一方面上に設けられた金属箔と、を備える金属箔張積層板であり、印刷回路板を得るために好適に用いることができる。本発明の印刷回路板は、上記本発明の金属箔張積層板に回路を形成して得られることを特徴とするものである。これら金属箔張積層板及び印刷回路板は、上記本発明のプリプレグを用いて製造されることにより、金属箔と基板との接着強度及び耐熱性の両方を同時に十分に高いレベルで達成できる。
本発明によれば、金属箔と基板との接着強度及び耐熱性の両方を同時に十分に高いレベルで達成する金属箔張積層板及び印刷回路板、並びにこれらを得ることが可能なプリプレグが提供される。
図1は、本発明によるプリプレグの一実施形態を示す部分斜視図である。図1に示すプリプレグ100は、繊維基材と、これに含浸した樹脂組成物とで構成されるシート状のプリプレグである。
プリプレグ100中の繊維基材は、任意に折り曲げ可能な、可とう性を有する繊維基材であり、その厚みは5〜100μmであることが好ましい。これにより、得られる印刷回路板の柔軟性が大きくなり、任意に折り曲げることが容易となる。また、印刷回路板の柔軟性をさらに大きくするため、この厚みは5〜50μmであることがより好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。繊維基材を用いることで、製造プロセスにおける加熱、吸湿等に伴う寸法変化を小さくすることが可能となる。
電子機器の小型化、高性能化に伴い、筐体内の限られた空間に、部品実装を施された状態で収納することが必要となってきているが、任意に折り曲げることが可能な印刷回路板は、筐体内に高密度に搭載が可能である。任意に折り曲げることが可能な印刷回路板としては、これまでにも、複数の印刷回路板を多段に配し相互をワイヤーハーネスやフレキシブル配線板によって接続したものや、ポリイミドをベースとするフレキシブル基板と従来のリジッド基板とを多層化したリジッド−フレックス基板が知られている。しかし、繊維基材を用いながら任意に折り曲げることが可能な印刷回路板は、製造プロセスにおける加熱、吸湿等に伴う寸法変化が小さい点や、耐PCT性の点等で、従来の折り曲げ可能な印刷回路板と比較しても優れる。
繊維基材の形態としては、金属箔張積層板や多層印刷回路板を製造する際に用いられるものであれば特に制限されないが、通常、織布や不織布等の繊維基材が用いられる。繊維基材を構成する繊維としては、ガラス、アルミナ、アスベスト、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の無機繊維や、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カーボン、セルロース等の有機繊維、あるいはこれらの混抄系が挙げられる。これらのなかでも、ガラス繊維が好ましい。特に、繊維基材としてはガラスクロス(ガラス繊維の織布)が好ましく用いられる。
プリプレグ100は、溶媒と、これに溶解しているポリアミドイミド樹脂とを含有し繊維基材に含浸しているワニスから、溶媒を除去して得られる。したがって、プリプレグ100中の樹脂組成物は、ポリアミドイミド樹脂を含有する樹脂組成物である。通常、プリプレグ中の樹脂組成物は、少量の溶媒を残存揮発分として含有する。
ワニスの溶媒は、ポリアミドイミド樹脂の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶媒である。ポリアミド樹脂を含有する樹脂組成物を良溶媒のみで希釈した場合に比べて、貧溶媒で希釈した場合のほうがワニスの粘度の低下が大きい。したがって、混合溶媒を用いることによって、高濃度の樹脂組成物を含有するワニスであっても低粘度とすることができ、ワニスの繊維基材への含浸が容易になる。
この混合溶媒においては、貧溶媒の含有割合が混合溶媒全体を基準として1〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。言い換えると、混合溶媒における良溶媒と貧溶媒との混合比(良溶媒/貧溶媒)が重量比で99/1〜40/60であることが好ましく、70/30〜50/50であることがより好ましい。貧溶媒の含有割合をこのような範囲とすることにより、プリプレグ中の残存揮発分の低減、金属箔との接着強度の安定化、さらには基板の耐熱性向上の効果が特に顕著に発現する。貧溶媒の含有割合が1質量%未満であるとこのような効果が減少する傾向にあり、60質量%を超えると、ポリアミド樹脂の沈殿を生じやすくなって、ワニスの安定性が低下する傾向にある。
良溶媒は、ワニスに用いるポリアミドイミド樹脂の溶解度(溶媒100gに溶解可能な溶質の量)が、室温において10g以上の溶媒である。この良溶媒は、ポリアミドイミド樹脂の溶解度が20g以上であることがより好ましく、30g以上であることがさらに好ましい。また、良溶媒の沸点は150℃を超えることが好ましい。
良溶媒は、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン及びシクロヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有することが、好ましい。
一方、貧溶媒は、ワニスに用いるポリアミドイミド樹脂の溶解度が、室温において10g未満である。この貧溶媒は、ポリアミドイミド樹脂の溶解度が5g以下であることがより好ましく、1g以下であることがさらに好ましい。また、貧溶媒は、150℃以下であることが好ましく、50〜150℃であることがより好ましい。
貧溶媒は、具体的には、水、エーテル化合物、クロロホルム、n−ヘキサン、メチルエチルケトン、アセトン及びアルコール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有することが、好ましい。さらに、これらの中でも、ハロゲンを含まず、沸点が50〜150℃である、メチルエチルケトン、アセトン又はアルコール化合物が特に好ましい。ここで、エーテル化合物としては、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられ、アルコール化合物としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブタノール等が挙げられる。
上述したように、良溶媒及び貧溶媒はワニスに用いるポリアミドイミド樹脂の溶解度によって判別されるが、より簡便な方法として、基準となるポリアミドイミド樹脂を別途準備しておいて、これの溶解度を判定基準としてもよい。基準となるポリアミドイミド樹脂としては、例えば、以下のようにして得られるポリアミドイミド樹脂を用いることができる。
まず、芳香族ジアミンであるBAPP(2.2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン))82.10g(0.20mol)と、TMA(無水トリメリット酸)80.68g(0.42mol)と、をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)中、80℃で反応させた後、反応液にトルエン100mlを投入して160℃で熱脱水閉環することで、イミド基含有ジカルボン酸を得る。次に、反応液を室温に冷却後、芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)60.07g(0.24mol)を投入し、イミド基含有ジカルボン酸と脱炭酸重付加反応させることで、溶解度の基準として用いることのできるポリアミド樹脂が得られる。このようにして得られるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量は、70,000〜90,000である。
ポリアミドイミド樹脂は、主鎖中にイミド基及びアミド基を有する高分子からなる樹脂であれば、特に限定されない。ポリアミドイミド樹脂を用いることによって、得られる金属箔張積層板及び印刷回路板の耐熱衝撃性、耐リフロー性、耐クラック性が優れるものとなり、微細配線の形成に対しても有利となる。
ポリアミドイミド樹脂は、ポリシロキサン鎖からなる2価の基を有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂であることが好ましい。また、ポリアミドイミド樹脂は、上記化学式(1)で表される2価の基を有することが好ましい。さらには、ポリシロキサン鎖からなる2価の基及び上記化学式(1)で表される2価の基を共に有するポリアミドイミド樹脂がより好ましい。
また、ポリアミドイミド樹脂は、一般に用いられる合成溶媒である、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどの、沸点が150℃を超える良溶媒を反応溶媒として用いて合成されることが好ましい。
このようなポリアミドイミド樹脂は、例えば、シロキサンジアミン、上記化学式(2)で表される脂環式ジアミン及び上記一般式(3a)又は(3b)で表される芳香族ジアミンを含有するジアミン混合物に、無水トリメリット酸を反応させてイミド基含有ジカルボン酸(イミド基を2個有するジイミドジカルボン酸)を得る第一反応工程と、このイミド基含有ジカルボン酸にジイソシアネートを反応させる第二反応工程と、を備える製造方法を採用して、好適に得ることができる。
第一反応工程で用いるジアミン混合物において、化学式(2)で表される脂環式ジアミンの量aとそれ以外のジアミン(芳香族環ジアミン及びシロキサンジアミン)の量bとの比率(a/b)は、モル比で0.1/99.9〜99.9/0.1であることが好ましく、10/90〜50/50であることがより好ましく、20/80〜40/60であることがさらに好ましい。
化学式(2)で表される脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンである「ワンダミン」(商品名、新日本理化株式会社製)等が市販品として入手可能である。
芳香族ジアミンとしては、芳香族環を2個以上有するジアミンが好ましい。具体的には、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,6,2’,6’−テトラメチル−4,4’−ジアミン、5,5’−ジメチル−2,2’−スルフォニル−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル−4,4’−ジアミン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルスルホン、(4,4’−ジアミノ)ベンゾフェノン、(3,3’―ジアミノ)ベンゾフェノン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルメタン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(3,3’―ジアミノ)ジフェニルエーテル等が例示できる。芳香族ジアミンとして、これらを単独で又は複数組み合わせて用いることができる。
シロキサンジアミンは、ポリシロキサン鎖を有するジアミン化合物であれば特に制限されず、例えば、下記一般式(4a)、(4b)、(4c)又は(4d)で表されるものが挙げられる。
Figure 2005320495
上記式(4a)〜(4d)において、n、n、n及びnは、それぞれ独立に正の整数を示す。n、n、n及びnは、それぞれ1〜50であることが好ましい。
上記一般式(4a)で表されるシロキサンジアミンとしては、「X−22−161AS」(アミン当量450)、「X−22−161A」(アミン当量840)、「X−22−161B」(アミン当量1500)(以上商品名、信越化学工業株式会社製)、「BY16−853」(アミン当量650)、「BY16−853B」(アミン当量2200)(以上商品名、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(4d)で表されるシロキサンジアミンとしては、「X−22−9409」(アミン当量700)、「X−22−1660B−3」(アミン当量2200)(以上商品名、信越化学工業株式会社製)等が市販品として入手可能である。
第一反応工程に用いるジアミン混合物には、以上のジアミンに加えて、脂肪族ジアミンを含有させることもできる。脂肪族ジアミンを用いることによって、ガラス転移温度を高く維持しながら基板中の樹脂の弾性率を低下させることが可能であり、印刷回路板を折り曲げることがより一層容易になる。また、アミン混合物全体に占める脂肪族ジアミンの割合を増減することにより、樹脂の弾性率を調整することも可能である。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。式(5)中、Xはメチレン基、スルホニル基、オキシ基(エーテル基)、カルボニル基又は単結合を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、pは1〜50の整数を示す。
Figure 2005320495
及びRとしては、水素原子、炭素数が1〜3のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。フェニル基の置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子等が例示できる。樹脂の低弾性率及び高いTgを両立させるため、上記一般式(5)におけるXは、オキシ基であることが好ましい。Xがオキシ基である脂肪族ジアミンの市販品としては、「ジェファーミンD−400」(商品名、サンテクノケミカル社製、アミン当量400)、「ジェファーミンD−2000」(商品名、サンテクノケミカル社製、アミン当量1000)等が例示できる。
上記第二反応工程に用いるジイソシアネートとしては、例えば、下記一般式(6)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2005320495
一般式(6)で表されるジイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネート又は芳香族ジイソシアネートを用いることができるが、芳香族ジイソシアネートを用いることが好ましく、両者を併用することがより好ましい。
芳香族ジイソシアネートの場合、一般式(6)におけるDは、少なくとも1つ(好ましくは2個以上)の芳香環を有する2価の有機基である。この場合、Dは−C−CH−C−で表される2価の基、トリレン基及びナフチレン基からなる群より選ばれることが好ましい。より具体的には、芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等が例示でき、MDIを用いることが特に好ましい。芳香族ジイソシアネートとしてMDIを用いることにより、ポリアミドイミド樹脂を含有する樹脂の可とう性が向上し、印刷回路板の柔軟性をより大きくすることができる。
脂肪族ジイソシアネートの場合、一般式(6)におけるDは、2価の脂肪族炭化水素基である。この場合、Dは、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基及びイソホロン基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基であることが好ましい。すなわち、脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が好ましい。
芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートを併用する場合は、脂肪族ジイソシアネートを、芳香族ジイソシアネートに対して5〜10モル%添加することが好ましい。かかる併用により、得られるポリアミドイミド樹脂の耐熱性を更に向上させることができる。
以上のような原料を用いて、上記第一及び第二反応工程を備える製造方法を採用することにより、本発明のプリプレグに好適に用いることができるポリアミドイミド樹脂が得られる。なお、第一及び第二反応工程は、それぞれ従来公知の反応条件により、行うことができる。
ワニスには、溶媒及びポリアミドイミド樹脂の他に、熱硬化性樹脂を更に含有させることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアジン−ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミドイミド樹脂中のアミド基と反応し得る官能基としてエポキシ基を有する熱硬化性樹脂である、エポキシ樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂の含有量は、ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して1〜200重量部であることが好ましく、3〜100重量部であることがより好ましく、10〜60重量部であることがさらに好ましい。この含有量が1重量部未満の場合は耐溶剤性が低下する傾向にあり、200重量部を超えた場合は未反応の熱硬化性樹脂により基板中の樹脂のTgが低下したり、可とう性が低下したりする傾向にある。
エポキシ樹脂としては、ポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエステル、ポリグリシジルアミン(N−グリシジル誘導体)、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。ポリグリシジルエーテルは、例えば、ビスフェノールA、ノボラック型フェノール樹脂及びオルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等の多価フェノール、又は1,4−ブタンジオール等の多価アルコールと、エピクロルヒドリンとを反応させて得られ、ポリグリシジルエステルは、例えば、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られ、N−グリシジル誘導体は、例えば、アミン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いることにより、180℃以下の温度で硬化が可能で、ポリアミドイミド樹脂のアミド基と反応して熱的、機械的及び電気的特性が特に良好な印刷回路板が得られる。エポキシ樹脂は、グリシジル基を通常2個以上有するが、3個以上有することがより好ましい。エポキシ樹脂の好適な含有量は、その有するグリシジル基の数によって異なる。エポキシ樹脂が有するグリシジル基の数が多いほど、その含有量を少なくすることができる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、ワニス中に、エポキシ樹脂の硬化剤及び/又は硬化促進剤を更に含有させることが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤及び硬化促進剤は、それぞれ、エポキシ樹脂と反応するもの、または、エポキシ樹脂の硬化を促進させるものであれば特に限定されない。あるいは、硬化剤及び硬化促進剤の両方の働きを有するものを用いてもよい。
硬化剤としては、例えば、アミン類、イミダゾール類、多官能フェノール類、酸無水物類等が使用できる。アミン類としては、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が使用でき、多官能フェノール類としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA及びこれらのハロゲン化合物、さらにホルムアルデヒドとの縮合物であるノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが使用でき、酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が使用できる。硬化促進剤としては、例えば、アルキル基置換イミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が使用できる。
硬化剤がアミン類である場合、その配合量は、その活性水素の当量と、エポキシ樹脂のエポキシ当量とがほぼ等しくなるような量であることが好ましい。また、硬化促進剤がイミダゾールの場合、その配合量は、単純に活性水素との当量比とするよりも、エポキシ樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部とするほうが、経験的に好ましい。硬化剤が多官能フェノール類や酸無水物類の場合、その配合量は、エポキシ樹脂1当量に対して、フェノール性水酸基やカルボキシル基0.6〜1.2当量の比率となる量であることが好ましい。これらの硬化剤または硬化促進剤の量が少ないと、未反応のエポキシ樹脂が基板中に残存してTg(ガラス転移温度)の低下を招く傾向にあり、多すぎると未反応の硬化剤及び硬化促進剤が残存して絶縁性が低下する傾向にある。また、エポキシ樹脂のエポキシ基はポリアミドイミド樹脂のアミド基とも反応することができるので、このことを考慮して硬化剤の量を設定することが好ましい。
ワニスは、難燃性の向上を目的に添加型の難燃剤を更に含有してもよい。この難燃剤としては、リンを含有するリン含有フィラーが好ましい。リン含有フィラーは、例えば、「OP930」(商品名、クラリアント社製、リン含有量23.5質量%)、「HCA−HQ」(商品名、三光株式会社製、リン含有量9.6質量%)や、ポリリン酸メラミンである「PMP−100」(リン含有量13.8質量%)、「PMP−200」(リン含有量9.3質量%)、「PMP−300」(リン含有量9.8質量%)(以上商品名、日産化学株式会社製)等が市販品として入手可能である。リン含有フィラーの添加量は多ければより難燃性が向上するが、同時に基板の柔軟性が低下したり、印刷回路板としたときの耐熱性が低下したりする傾向にある。したがって、リン含有フィラーの添加量は、ワニス中の樹脂固形分(溶媒以外の成分)の量を基準として0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。このようなリン含有フィラーを用いることによって、ハロゲンフリーで十分な難燃性を有する印刷回路板が得られる。
ワニスは、上述の混合溶媒にポリアミドイミド樹脂を溶解し、さらに、必要に応じて上述したようなポリアミドイミド樹脂以外の成分をさらに溶解又は分散することにより、調製できる。あるいは、良溶媒中でポリアミドイミド樹脂を合成し、合成反応後の反応液に貧溶媒を加えてもよい。この場合、貧溶媒の他に、濃度や粘度の調整等のために、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン等の良溶媒を加えてワニスとすることが好ましい。
ここで、ワニス中のポリアミドイミド樹脂は、混合溶媒に完全に溶解していることが好ましい。ただし、ワニスが繊維基剤の全体へ本質的に均一に含浸することができる程度の流動性及び均一性を有していれば、ポリアミドイミド樹脂の一部が混合溶媒中に微粒子状で均一に分散する等した状態であってもよい。ワニス中に析出したポリアミドイミド樹脂の粗大粒子が存在すると、繊維基材に本質的に均一に含浸することが困難となる。このようにポリアミドイミド樹脂が溶解したワニスを用いることによって、樹脂組成物が繊維基材全体に本質的に均一に含浸したプリプレグが得られる。
プリプレグ100は、例えば、以上説明したようなワニスを繊維基材に含浸する含浸工程と、含浸したワニスから溶媒を除去する溶媒除去工程とを備える製造方法により、好適に作製できる。
このような製造方法によって得られるプリプレグは、通常、樹脂組成物を所定の厚さの繊維基材に含浸してなるプリプレグであって、該樹脂組成物が、ポリアミドイミド樹脂と、溶媒と、場合により熱硬化性樹脂と、を必須成分として含む樹脂組成物であるプリプレグである。ここで、プリプレグが残存揮発分として含有する溶媒の量は、プリプレグ全体の質量を基準として2質量%以下であることが好ましい。
含浸工程において、ワニスを含浸する方法は特に限定されず、ワニスに繊維基材を浸漬させる等、従来公知の方法によって含浸することができる。ワニスの含浸量は、ワニス中の樹脂固形分(溶媒以外の成分)及び繊維基材の合計量に対して、樹脂固形分が30〜80質量%になるような量とすることが好ましい。
溶媒除去工程においては、ワニスが含有する溶媒を除去する。言い換えると、プリプレグを乾燥する。溶媒の除去は、ワニス中の溶媒のうち80質量%以上が揮発するように乾燥することが好ましい。具体的には、80〜180℃に加熱して溶媒を除去することが好ましい。また、加熱する時間はワニスのゲル化時間を考慮して、ワニスがゲル化しないような時間の範囲内とすることが好ましい。
ここで、ワニスが、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂100重量部と熱硬化性樹脂1〜200重量部とを含有するものである場合、ワニス中の溶媒の揮発速度を特に速くすることができる。溶媒の揮発速度が高いと、溶媒除去工程において、熱硬化性樹脂の硬化反応があまり促進されない150℃以下の低温で溶媒を除去して、その残存揮発分を例えば5質量%以下のような低いレベルにすることが可能となる。残存揮発分を少なくすることにより、繊維基材及び金属箔(銅箔等)と、樹脂組成物の硬化物との密着性の良好な金属箔張積層板を得ることができる。また、残存揮発分が少ないと、銅箔等の金属箔との積層工程において、溶媒の揮発によるフクレの発生が抑制され、また、得られる金属箔張積層板のはんだ耐熱性もさらに優れるものとすることができる。
本発明の金属箔張積層板は、プリプレグを所定枚数積層した積層体を加熱及び加圧して得られる基板と、当該基板の少なくとも一方面上に設けられた金属箔と、を備える金属箔張積層板である。この金属箔張積層板は、上記本発明のプリプレグを用いていることにより、金属箔と基板との接着強度及び耐熱性の両方を同時に高いレベルで達成することができる。
図2は、本発明による金属箔張積層板の一実施形態を示す部分断面図である。金属箔張積層板200は、所定枚数のプリプレグ100を積層した積層体を加熱及び加圧して得られるシート状の基板30と、基板30の両面に密着して設けられた2枚の金属箔10とで構成される。
基板30は、複数のプリプレグ100に由来する複数の繊維強化樹脂層3が積層された積層体からなる。金属箔張積層板及び印刷回路板の柔軟性を高めるため、基板30の厚みは10〜500μmであることが好ましい。それぞれの繊維強化樹脂層3においては、繊維基材に樹脂がマトリックスとして含浸している。ワニスにエポキシ樹脂を用いた場合、この樹脂においては、ポリアミドイミド樹脂とエポキシ樹脂との架橋反応等により架橋構造が形成されている。
金属箔張積層板は、所定枚数(好ましくは10枚以下)のプリプレグ100を積層した積層体の両面に金属箔を重ね、これを加熱及び加圧することにより、得られる。このとき、加熱する温度及び圧力は特に限定されないが、通常、加熱する温度は通常150〜280℃(好ましくは180〜250℃)で、圧力は通常0.5〜20MPa(好ましくは1〜8MPa)の範囲である。
金属箔10としては、銅箔やアルミニウム箔が一般的に用いられるが、銅箔が好ましい。銅箔としては、通常銅張積層板に用いられている、5〜200μmの厚さのものを使用できるが、印刷回路板の柔軟性を高めるために、その厚さは5〜18μmであることがより好ましい。あるいは、ニッケル、ニッケル−リン、ニッケル−スズ合金、ニッケル−鉄合金、鉛、鉛−スズ合金等を中間層とし、この両面に0.5〜15μmの銅層と10〜300μmの銅層を設けた3層構造の複合箔あるいはアルミニウムと銅箔とを複合した2層構造複合箔を用いることもできる。
金属箔張積層板の実施形態は、上記のような態様に限定されない。例えば、1枚のプリプレグ100を用いて、基板を1層の繊維強化樹脂層からなるものとしてもよいし、基板の片側のみに金属箔を設けてもよい。なお、金属箔を積層せずにプリプレグ100のみを加熱及び加圧して、繊維強化樹脂層で構成される積層体からなる絶縁板を得ることもできる。
図3は、本発明による印刷回路板の一実施形態を示す部分断面図である。図3に示す印刷回路板300は、上記と同様の基板30と、基板30の両面に接着された2枚の金属箔10とで主として構成され、金属箔10にはその一部が除去されて配線パターンが形成されている。さらに、印刷回路板300をその主面に略直行する方向に貫通する複数の貫通孔70が形成されており、この貫通孔70の孔壁には所定の厚さの金属めっき層60が形成されている。
印刷回路板300は、上記の金属箔張積層板200に回路を形成して得られる。回路の形成(回路加工)は、サブトラクティブ法等の従来公知の方法によって行うことができる。また、印刷回路板300には、通常、所定の回路部品(図示せず)が実装されている。
以下に実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ポリアミドイミド樹脂の合成)
下記の原料を用いて、ポリアミドイミド樹脂を合成した。
<芳香族ジアミン>
・DDS(ジアミノジフェニルスルホン、芳香族環を2個以上有する芳香族ジアミン)
<シロキサンジアミン>
・「KF−8010」(商品名、信越化学工業株式会社製、反応性シリコーンオイル、アミン当量430)
・「X−22−161A」(商品名、信越化学工業株式会社製、反応性シリコーンオイル、アミン当量900)
<脂肪族ジアミン>
・「ジェファーミンD−2000」(商品名、サンテクノケミカル社製、アミン当量1000)
<脂環式ジアミン>
・「ワンダミン」(商品名、新日本理化株式会社製)
<無水トリメリット酸>
・TMA
<ポリアミドイミド樹脂の良溶媒>
・NMP(N−メチル−2−ピロリドン、非プロトン性極性溶媒)
<水と共沸可能な芳香族炭化水素>
・トルエン
<芳香族ジイソシアネート>
・MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)
(合成例1)
<第一反応工程>
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計及び撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中に、DDS14.9g(0.06mol)、「KF−8010」43.0g(0.05mol)、「ジェファーミンD−2000」72.0g(0.36mol)、「ワンダミン」1.3g(0.054mol)、TMA80.7g(0.42mol)、及びNMP524gを投入して反応液とし、これを80℃で30分間撹拌した。そして、トルエン150mlを投入してから反応液の温度を上げて、約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約7.2ml以上たまっていること、水の留出が見られなくなっていることを確認後、水分定量受器にたまっている留出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、反応液からトルエンを除去した。
<第二反応工程>
その後、室温(25℃)に戻した反応液に、MDI55.1g(0.22mol)を投入して、190℃で2時間反応させた。反応終了後、ポリアミドイミド樹脂のNMP溶液を得た。
(合成例2)
<第一反応工程>
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計及び撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、DDS14.9g(0.06mol)、「KF−8010」51.6g(0.06mol)、「ジェファーミンD−2000」52.0g(0.26mol)、「ワンダミン」11.3g(0.054mol)、TMA80.7g(0.42mol)、及びNMP663gを投入して反応液とし、これを80℃で30分間撹拌した。そして、トルエン150mlを投入してから反応液の温度を上げて、約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約7.2ml以上たまっていること、水の留出が見られなくなっていることを確認後、水分定量受器にたまっている留出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、反応液からトルエンを除去した。
<第二反応工程>
その後、室温(25℃)に戻した反応液に、芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)55.1g(0.22mol)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、ポリアミドイミド樹脂のNMP溶液を得た。
(合成例3)
<第一反応工程>
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計及び撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、DDS14.9g(0.06mol)、「X−22−161A」108.0g(0.05mol)、「ジェファーミンD−2000」72.0g(0.36mol)、「ワンダミン」11.3g(0.054mol)、TMA80.7g(0.42mol)、及びNMP728gを投入して反応液とし、これを80℃で30分間撹拌した。そして、トルエン150mlを投入してから反応液の温度を上げて、約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約7.2ml以上たまっていること、水の留出が見られなくなっていることを確認後、水分定量受器にたまっている留出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、反応液からトルエンを除去した。
<第二反応工程>
その後、室温(25℃)に戻した反応液に、芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)60.1g(0.24mol)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、ポリアミドイミド樹脂のNMP溶液を得た。
(良溶媒又は貧溶媒の希釈効果の比較)
合成例1で得たポリアミドイミド樹脂のNMP溶液228.6g(樹脂固形分32質量%)と、熱硬化性樹脂である「NC3000H」(商品名、エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製)のメチルエチルケトン(MEK)溶液(樹脂固形分50質量%)40.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌して、粘度評価用のワニス(樹脂固形分濃度34.5質量%)を調製した。
この樹脂組成物のワニスに、良溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、又は貧溶媒であるメチルエチルケトン(MEK)をそれぞれ加えて、樹脂固形分濃度が20質量%、25.0質量%、27.5質量%及び30.0質量%になるまで希釈したときの、ワニスの粘度変化を測定した結果を図4に示した。図4に示すように、良溶媒であるDMACによる希釈の場合に比べて、貧溶媒であるMEKによる希釈による場合のほうが粘度の低下が大きかった。
(実施例1)
<プリプレグ及び銅張積層板の作製>
合成例1で得たポリアミドイミド樹脂のNMP溶液228.6g(樹脂固形分35質量%)と、エポキシ樹脂である「NC3000H」のMEK溶液(樹脂固形分50質量%)40.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、さらに貧溶媒であるMEK79gを加えて、約1時間撹拌した。そして、この混合液を脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して、良溶媒(NMP)/貧溶媒(MEK)=60/40(重量比)からなる混合溶媒を含有し、樹脂固形分の濃度がワニス全体の質量基準で28.8質量%であるワニスを得た。ワニスの25℃での粘度は300mPa・秒であった。
得られたワニスを、厚さ28μmのガラスクロス(「1037」(商品名)、旭シュエーベル株式会社製)に含浸し、これを150℃で15分加熱することにより溶媒を除去して、70質量%(プリプレグ全体質量基準)の樹脂組成物が含浸したプリプレグを得た。得られたプリプレグの残存揮発分は0.5質量%(プリプレグ全体質量基準)であった。このプリプレグの両側に厚さ12μmの電解銅箔(「F2−WS−12」(商品名)、古河電工株式会社製)を接着面がプリプレグと合わさるようにして重ねた積層体を、230℃、90分、4.0MPaのプレス条件で加熱及び加圧して、両面銅張積層板を得た。
<銅張積層板の評価>
得られた両面積層板について、以下のような項目の評価を行った。評価結果を表1にまとめて示した。
(1)銅箔引き剥がし強さ
得られた両面銅張積層板について90°方向の引き剥がし試験を行い、そのときの最大荷重を銅箔引き剥がし強さとした。
(2)はんだ耐熱性
260℃、288℃又は300℃に加熱したはんだ浴に浸漬し、浸漬開始後、ふくれ、剥がれ等の異常が発生するまでの時間(秒)を測定した。
(3)柔軟性(可とう性)
銅箔をエッチングにより除去した積層板を折り曲げ、そのときの破断の有無により、下記のような基準で柔軟性を評価した。
A:破断なし、B:やや破断あり、C:破断あり。
(実施例2)
合成例2で得たポリアミドイミド樹脂のNMP溶液258.6g(樹脂固形分29質量%)と、エポキシ樹脂である「NC3000H」のMEK溶液(樹脂固形分50質量%)50.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gと、リン含有フィラー(リン系難燃剤フィラー)である「OP930」(商品名、クラリアント社製)のMEKスラリー(樹脂固形分30質量%)66.7gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、さらにMEK112gを加えて約1時間撹拌した。そして、混合液を、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して、良溶媒(NMP)/貧溶媒(MEK)=50/50(重量比)の混合溶媒を含有し、樹脂固形分の濃度が24.7質量%のワニスを得た。ワニスの室温での粘度は320mPa・秒であった。
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして、プリプレグ及び両面銅張積層板の作製と、その評価を行った。評価結果を表1にまとめて示した。
(実施例3)
合成例3で得たポリアミドイミド樹脂のNMP溶液274.2g(樹脂固形分31質量%)と、エポキシ樹脂である「DER331L」(商品名、大日本インキ株式会社製)のMEK溶液(樹脂固形分50質量%)30.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gと、リン系難燃剤フィラーである「OP930」のアセトンスラリー(樹脂固形分30質量%)66.7gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、さらにアセトン40.2gを加えて約1時間撹拌した。そして、混合液を、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して、良溶媒(NMP)/貧溶媒(MEK及びアセトン)=65/35(重量比)の混合溶媒を含有し、樹脂固形分の濃度が29.2質量%のワニスを得た。ワニスの室温での粘度は350mPa・秒であった。
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして、プリプレグ及び両面銅張積層板の作製と、その評価を行った。評価結果を表1にまとめて示した。
(比較例1)
エポキシ樹脂として「NC3000H」のDMAC溶液50.0g(樹脂固形分50質量%)を用い、MEK79gに代えてDMAC140gを用いた他は、実施例1と同様にして、良溶媒(NMP及びDMAC)のみからなる溶媒を含有し、樹脂固形分の濃度が24.5質量%のワニスを得た。ワニスの室温での粘度は、樹脂固形分の濃度が低いことを反映して、282mPa・秒と比較的低かった。
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして、プリプレグ及び銅張積層板の作製と、その評価を行った。評価結果を表1にまとめて示した。
(比較例2)
エポキシ樹脂として「NC3000H」のDMAC溶液(樹脂固形分50質量%)50.0gを用い、リン含有フィラーである「OP930」のDMACスラリー(樹脂固形分30質量%)66.7gを用い、MEK112gに代えてDMAC50.0gを用いた他は、実施例2と同様にして、良溶媒(NMP及びDMAC)のみからなる溶媒を含有し、樹脂固形分28.3質量%のワニスを得た。ワニスの室温での粘度は600mPa・秒であった。
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして、プリプレグ及び銅張積層板の作製と、その評価を行った。評価結果を表1にまとめて示した。
(比較例3)
最後に加えるMEKの量を79gから326.7gに変更した他は、実施例1と同様にして、良溶媒(NMP)/貧溶媒(MEK)=30/70(重量比)からなる混合溶媒を含んでなる樹脂組成物のワニスを得ようとしたが、樹脂が多く析出して、安定なワニスを得ることができなかった。したがって、プリプレグの作製等を行うことができなかった。
表1に、ワニス中の各成分の仕込み量(g)及び各評価結果をまとめて示す。
Figure 2005320495
表1に示すように、プリプレグにおける残存揮発分は、実施例では0.4〜0.6質量%であったのに対して、比較例では0.9〜1.5%質量であった。
実施例1〜3の場合、両面銅張積層板の銅箔引き剥がし強さは、0.9〜1.2kN/mと高い値を示し良好であり、はんだ耐熱性は300秒以上、ふくれ、剥がれ等の異常が見られなく良好であり、また、柔軟性(可とう性)に富み、任意に折り曲げることが可能であった。
これに対し、比較例1及び2の場合、平均0.6〜0.7kN/mの銅箔引き剥がし強さの値が得られたが、部分的に0.1kN/m程度のばらつきがみられた。また、はんだ耐熱性(300℃)については、180秒までは問題なかったが、それ以降、部分的にふくれがみられた。なお、良溶媒/貧溶媒=30/70の比較例3では、樹脂固形分が多く析出して、ポリアミドイミド樹脂が溶解した安定なワニスが得られず、プリプレグの作製等ができなかった。
本発明によるプリプレグの一実施形態を示す部分斜視図である。 本発明による金属箔張積層板の一実施形態を示す部分断面図である。 本発明による印刷回路板の一実施形態を示す部分断面図である。 ワニスの粘度と樹脂固形分濃度と関係を示すグラフである。
符号の説明
3…繊維強化樹脂層、10…金属箔、30…基板、60…金属めっき層、70…貫通孔、100…プリプレグ、200…金属箔張積層板、300…印刷回路板。

Claims (14)

  1. 溶媒と、これに溶解しているポリアミドイミド樹脂と、を含有し繊維基材に含浸しているワニスから、前記溶媒を除去して得られるプリプレグであって、
    前記溶媒は、前記ポリアミドイミド樹脂の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶媒である、プリプレグ。
  2. 前記混合溶媒は、その全体量を基準として1〜60質量%の前記貧溶媒を含有する、請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記良溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン及びシクロヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する、請求項1又は2に記載のプリプレグ。
  4. 前記貧溶媒の沸点が150℃以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載のプリプレグ。
  5. 前記貧溶媒は、水、エーテル化合物、クロロホルム、n−ヘキサン、メチルエチルケトン、アセトン及びアルコール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する、請求項1〜4の何れか一項に記載のプリプレグ。
  6. 前記繊維基材の厚みが5〜100μmである、請求項1〜5の何れか一項に記載のプリプレグ。
  7. 前記繊維基材はガラスクロスである、請求項1〜6の何れか一項に記載のプリプレグ。
  8. 前記ポリアミドイミド樹脂は、ポリシロキサン鎖からなる2価の基を有するポリアミドイミド樹脂である、請求項1〜7の何れか一項に記載のプリプレグ。
  9. 前記ポリアミドイミド樹脂は、下記化学式(1)で表される2価の基を有するポリアミドイミド樹脂である、請求項1〜8の何れか一項に記載のプリプレグ。
    Figure 2005320495
  10. 前記ポリアミドイミド樹脂は、シロキサンジアミン、下記化学式(2)で表される脂環式ジアミン及び下記一般式(3a)又は(3b)で表される芳香族ジアミンを含有するジアミン混合物に、無水トリメリット酸を反応させてイミド基含有ジカルボン酸を得る第一反応工程と、
    前記イミド基含有ジカルボン酸にジイソシアネートを反応させる第二反応工程と、を備える製造方法により得られるポリアミドイミド樹脂である、請求項1〜9の何れか一項に記載のプリプレグ。
    Figure 2005320495
    Figure 2005320495
    [式(3a)及び(3b)中、Xは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3の2価のハロゲン化脂肪族炭化水素基、スルホニル基、オキシ基、カルボニル基、単結合又は下記一般式(31a)若しくは(31b)で表される2価の基を示し、Xは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3の2価のハロゲン化脂肪族炭化水素基、スルホニル基、オキシ基又はカルボニル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、水酸基、メトキシ基、メチル基又はハロゲン化メチル基を示す。
    Figure 2005320495
    式(31a)中、Zは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3の2価のハロゲン化脂肪族炭化水素基、スルホニル基、オキシ基、カルボニル基又は単結合を示す。]
  11. 前記ワニスが、熱硬化性樹脂を更に含有する、請求項1〜10の何れか一項に記載のプリプレグ。
  12. 前記熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂である、請求項11に記載のプリプレグ。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載のプリプレグを所定枚数積層した積層体を加熱及び加圧して得られる基板と、
    当該基板の少なくとも一方面上に設けられた金属箔と、を備える金属箔張積層板。
  14. 請求項13に記載の金属箔張積層板に回路加工して得られる印刷回路板。

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