JP2005320453A - アニオン電着塗料 - Google Patents

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茂樹 松原
Yoshitaka Mizoguchi
佳孝 溝口
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Abstract


【課題】 低VOCで、焼付け時に塗膜からホルムアルデヒドの発生が少なく、硬化性、ラッピング付着性、ダイスマーク隠蔽性に優れる艶消しアニオン電着塗料を見出すこと。【解決手段】
1.水酸基含有樹脂(A)、メラミン樹脂(B)、多価アルコール(C)、並びにリン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)を含有することを特徴とするアニオン電着塗料。
2.水酸基含有樹脂(A)とメラミン樹脂(B)の固形分合計100重量部に対して、多価アルコール(C)を0.1〜20重量部含有する請求項1に記載のアニオン電着塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低VOCで、焼付け時に塗膜からホルムアルデヒドの発生が少なく、ラッピング付着性やダイスマーク隠蔽性に優れるアニオン電着塗料に関する。
アルミニウムは軽量で加工性が容易であることや耐蝕性に優れるといった性質を利用して、建材関係の材料として多く使用されるようになってきている。
該アルミニウムの熱間押し出し方法は、通常、円柱形のアルミニウム鋳塊を加熱して溶融させ、次いでこの溶融物を押し出し機に入れ、所定の断面形状の孔を持つダイスに押し付け、ところてん式に孔を通過させて所定の形状を持つ型材を得る方法である。
また通常、アルミニウム材は、それ自体、防食性、耐摩耗性、耐薬品性などが劣ることからアルミニウムを陽極酸化処理した後、アニオン電着塗料により艶消しの塗膜が被覆されているのが一般的である。
しかしながら、上記のアニオン電着塗料を陽極酸化処理したアルミニウム型材に電着塗装した場合に、素材であるアルミニウム型材のダイスマークが目立ち易く商品価値が劣るといった問題点がある。
このようなアニオン電着塗料には、塗膜の増膜性を維持するために、通常、沸点が140℃未満の低沸点有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン(80℃)、イソプロピルアルコール(82℃)、メチルイソブチルケトン(116℃)、n−ブチルアルコール(118℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(121℃)などが配合されている。しかしながら低沸点有機溶剤は、低VOC(揮発性有機化合物、volatile organic compounds)やHAPs(有害性大気汚染物質、Hazardous Air Pollutants)規制によって使用が制限されてきている。
また架橋剤として用いられているメラミン樹脂は、焼き付け硬化時にメラミン樹脂が自己架橋するとホルムアルデヒド(揮発性有機化合物)を発生することがわかっており、環境規制面からの改善が重要課題となってきた。
従来、水分散性樹脂とメラミン樹脂を含有し、樹脂のSP値の差によって艶消し塗膜を得る発明がある[特許文献1]。この発明によると、メラミン樹脂が塗膜表面に局在化して艶消し塗膜が得られるものの、アニオン電着塗料中には沸点が140℃以下の低沸点有機溶剤を7〜10重量%含有し、焼き付け硬化時にはメラミン樹脂同志の自己硬化に起因するホルムアルデヒドの放散が多く、製品の塗膜表面においてはラッピング付着性が不十分であった。
特開2001−131494号公報
解決しようとする課題は、低VOCで、焼き付け時に塗膜からホルムアルデヒドの放散が少なく、硬化性、ラッピング付着性やダイスマーク隠蔽性に優れる艶消しのアニオン電着塗料を見出すことである。
本発明者等は、上記した問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水酸基含有樹脂(A)、メラミン樹脂(B)、多価アルコール(C)、並びにリン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)を含有するアニオン電着塗料によって解決できることを見出し、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1. 水酸基含有樹脂(A)、メラミン樹脂(B)、多価アルコール(C)、並びにリン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)を含有することを特徴とするアニオン電着塗料、
2.水酸基含有樹脂(A)とメラミン樹脂(B)の固形分合計100重量部に対して、多価アルコール(C)を0.1〜20重量部含有する請求項1に記載のアニオン電着塗料。
3.アニオン電着塗料における有機溶剤の含有量が4重量%以下である1項、又は2項に記載のアニオン電着塗料。
4.アニオン電着塗料における沸点140℃以下の有機溶剤の含有量が3重量%以下である1項〜3項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料、
5.アクリル樹脂(A)とメラミン樹脂(B)の固形分合計100重量部に対して、リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)を0.1〜10重量部含有する1項〜4項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料、
6.陽極酸化処理したアルミニム基材に、1項〜5項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料を塗装してなる塗膜面の60度鏡面光沢度が10以下の塗装物品、
に関する。
従来からのアニオン電着塗料は、架橋剤としてメラミン樹脂を過剰に配合し、塗膜中での相分離によって艶消し塗膜を得ていたが、この過剰のメラミン樹脂が自己縮合によってホルムアルデヒドの放散が多くなったり、ラッピング付着性が劣ることがあった。
本発明のアニオン電着塗料は、低VOCで、焼き付け時には塗膜からホルムアルデヒドの放散を減少させ、製品においては、硬化性、ラッピング付着性やダイスマーク隠蔽性に優れた60度鏡面光沢度が10以下の艶消し塗膜を得ることができる。
本発明は、水酸基含有樹脂(A)、メラミン樹脂(B)、多価アルコール(C)、並びにリン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)を含有するアニオン電着塗料である。以下に詳細に説明する。
水酸基含有樹脂(A):
水酸基含有樹脂(A)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有し且つ好ましくはさらに少なくとも1個のカルボキシル基を有する樹脂である。
具体的には、例えば、水酸基及び場合によりカルボキシル基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂が挙げられ、この中でも耐候性の面からアクリル樹脂が好適である。
アクリル樹脂は、(1)アルコキシシリル基含有不飽和単量体、(2)水酸基含有不飽和単量体、(3)カルボキシル基含有不飽和単量体、(4)その他の不飽和単量体等の重合性不飽和単量体成分を通常の条件で共重合せしめることによって製造することができる。
好ましくは、(1)アルコキシシリル基含有不飽和単量体、(2)水酸基含有不飽和単量体、(3)カルボキシル基含有不飽和単量体を必須成分とし、必要に応じて(4)その他の不飽和単量体と共重合したものが好適に使用される。 これらの単量体成分としては、下記のものを挙げることができる。
(1)アルコキシシリル基含有不飽和単量体:例えば、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等
(2)水酸基含有不飽和単量体:例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及びこれ以外にプラクセルFM1(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルFM2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセルFA1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセルFA3(同左)等
(3)カルボキシル基含有不飽和単量体:例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等
(4)その他の不飽和単量体:例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル類、スチレンなどの芳香族ビニルモノマ−類、(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体類、(メタ)アクリロニトリル化合物類等
このようなアクリル樹脂の重量平均分子量(注1)は500〜50,000、特に2,000〜35,000の範囲が好ましく、水酸基価は20〜200mgKOH/g、酸価20〜200mgKOH/gが好ましい。
(注1)重量平均分子量:JIS K 0124−83に準じて行ない、分離カラムにTSK GEL4000HXL+G3000HXL+G2500HXL+G2000HXL(東洋曹達(株)製)を用いて40℃で流速1.0ml/分、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用いて、RI屈折計で得られたクロマトグラフとポリスチレンの検量線から計算により求めた。
メラミン樹脂(B):
メラミン樹脂としては、メラミン樹脂のメチロール基の一部もしくは全部がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の1種もしくは2種以上の1価アルコールで変性されたものを使用することができる。
メラミン樹脂は1〜5核体のものが50重量%以上を占めるものが好ましい。また、メラミン樹脂中にはイミノ基、メチロール基等のその他の官能基を含んでも良い。
また本発明のアニオン電着塗料には、C以上の1価アルコール、特にC〜C18の1価アルコールで変性されたエーテル基がトリアジン環1核当たり平均約2.0個以上、特に2.0〜5.0個含有することが好ましい。
上記のメラミン樹脂の市販品としては、例えば、ユーバン20SE−60、ユーバン225(以上、いずれも三井化学社製、商品名)、スーパーベッカミンG840、スーパーベッカミンG821(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製、商品名)などのブチルエーテル化メラミン樹脂;スミマールM−100、スミマールM−40S、スミマールM−55(以上、いずれも住友化学社製、商品名)、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370(以上、いずれも日本サイテックインダストリーズ社製、商品名)、ニカラックMS17、ニカラックMX15、ニカラックMX430、ニカラックMX600、(以上、いずれも三和ケミカル社製、商品名)、レジミン741(モンサント社製、商品名)等のメチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル235、サイメル202、サイメル238、サイメル254、サイメル272、サイメル1130(以上、いずれも三井サイテック社製、商品名)、スマミールM66B(住友化学社製、商品名)等のメチル化とイソブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂;サイメルXV805(三井サイテック社製、商品名)、ニカラックMS95(三和ケミカル社製、商品名)等のメチル化とn−ブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げることができる。メラミン樹脂(B)の使用量は、一般に、水酸基含有樹脂(A)の固形分100重量部あたり30〜60重量部程度が好ましい。
多価アルコール(C):
本発明のアニオン電着塗料には、多価アルコール(C)を配合することによって、低VOCで、かつメラミン樹脂の自己縮合を防ぐことから、焼き付け時には塗膜からホルムアルデヒドの放散を減少させ、塗膜の硬化性や塗膜表面のラッピング付着性を向上を図ることができる。
多価アルコール(C)は、2価のアルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等;3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等;脂環族多価アルコールとしては、1,4−シクロへキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
この中でも、塗料安定性と塗膜性能の面からエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が好ましい。
アニオン電着塗料における多価アルコール(C)の配合量としては、水酸基含有樹脂(A)とメラミン樹脂(B)の固形分100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部が塗料安定性や塗膜性能の面から好ましい。
リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D):
本発明のアニオン電着塗料としては、リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエ
ポキシ樹脂(D)を配合することによって塗膜の硬化性が向上し、塗膜硬度やラッピング付着性に寄与することを見出せた。
リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)は、リン酸モノエステル及び一塩基酸とエポキシ樹脂との反応物である。(以下、 リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)を「変性エポキシ樹脂(D)」と称する。)
上記のリン酸モノエステルとしては、例えば、オルソリン酸モノメチルエステル、オルソリン酸モノエチルエステル、オルソリン酸モノプロピルエステル、オルソリン酸モノブチルエステル、オルソリン酸モノステアリルエステルなどのオルソリン酸のモノアルキルエステルが挙げられる。
一塩基酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸などの脂肪酸及び安息香酸、p−ter−ブチル安息香酸などの芳香族酸が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、エポキシ当量100〜4,000であって1分子中に1個以上のエポキシ基を有するエピクロルヒドリンとビスフェノールとの縮合物で、例えば、商品名としてエピコート828、同左1001、同左1004、同左1007、同左1009(以上、ジャパンエポキシレジン社製)が挙げられる。
変性エポキシ樹脂(D)の製造は、例えば、エポキシ樹脂1モルに対してリン酸モノエステル0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モル、及び一塩基酸0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モルの割合で反応させる。
変性エポキシ樹脂(D)の配合割合は、水酸基含有樹脂(A)とメラミン樹脂(B)の樹脂固形分100重量部当たり、0.1〜10重量部、好ましくは約0.2〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
変性エポキシ樹脂(D)は、例えば、水酸基含有樹脂(A)を水分散化する前に配合しておくことが可能であり、また変性エポキシ樹脂(D)を塩基性化合物(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノールなど)を用いて水中に分散した水分散液を塗料中に配合するのも可能である。
本発明のアニオン電着塗料は、適宜に、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などの高級アルキルアリールスルホン酸類及びこれらの塩類(例えば、アミン化合物、アンモニアなど)等のスルホン酸系化合物;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ペンタメチルジエチレントリアミン、2−メチル−1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン等の3級アミン等のアミン化合物;等を配合することができる。
本発明のアニオン電着塗料で使用するエマルションの製造は、水酸基含有樹脂(A)にメラミン樹脂(B)を加え、水酸基含有樹脂(A)のアニオン性基に対して0.1〜1.5当量、好ましくは0.2〜1.2当量の中和剤(塩基性化合物)を配合した後、混合分散し、次いで脱イオン水を加え、固形分10〜60重量%、好ましくは10〜40重量%になるように滴下し、次いでpHを7.0〜8.0になるように中和剤で調整してエマルションを得ることができる。
上記の中和剤としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミントリエチルアミンなどがある。
またアニオン電着塗料には、必要に応じて、顔料、染料、硬化触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤を加えて、pH調整を行い、脱イオン水を加えて固形分5〜20重量%のアニオン電着塗料を得ることができる。
本発明のアニオン電着塗料における有機溶剤量は4重量%以下、好ましくは3.5重量%以下として、この中でも沸点が140℃以下の低沸点の有機溶剤量は、3重量%以下、好ましくは2重量%以下とすることができ、低VOCで環境問題を配慮したアニオン電着塗料が得られる。
アニオン電着塗料を使用して塗膜を形成するには、上記で得られたアニオン電着塗料を浴(槽の中に入れ)とし、この浴中に該アルミニウム材を浸漬した後、被塗物として、着色もしくは無着色陽極酸化アルミニウム材を用い、乾燥膜厚が約5〜30μmになるようにアニオン電着塗装を行った後、ノンリンス(水洗を行わず)で、又はリンス(水洗)を行う。塗膜の焼き付けは、60〜190℃、好ましくは、80〜180℃で約20〜40分間により塗膜を形成することができる。
本発明のアニオン電着塗料は、メラミン樹脂の自己縮合が起こり難く焼き付け時に塗膜からホルムアルデヒドの発生が少ない。さらに水酸基含有樹脂(A)とメラミン樹脂(B)の相溶性を調整することによって容易に、60度鏡面光沢度が10以下、好ましくは8以下、さらに好ましくは6以下の艶消し塗膜を形成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
製造例1 アクリル共重合体樹脂溶液No.1の製造例
反応容器中に混合溶剤A(注2)210部を仕込み80℃に保持した中へ以下の「混合物(A)」を3時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行って、アルコキシシリル基を有する固形分70重量%のアクリル共重合体樹脂溶液No.1を製造した。アクリル共重合体樹脂溶液は、SP値9.54、Tg25℃であった。
混合物(A)
スチレン 75部
メチルメタクリレート 155部
n−ブチルアクリレート 95部
エチルアクリレート 50部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 75部
アクリル酸 35部
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 15部
アゾビスジメチルバレロニトリル 1部
(注2)混合溶剤A:プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃)/イ
ソプロピルアルコール(沸点82℃)/n−ブチルアルコール(沸点118℃)/エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点171℃)=42部/42部/42部/84部。
製造例2 アクリル共重合体樹脂No.2の製造例
反応容器中に混合溶剤B(注3)426部を仕込み80℃に保持した中へ以下の「混合物(A)」を3時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行って、アルコキシシリル基を有する固形分54重量%のアクリル共重合体樹脂溶液No.2を製造した。
混合物(A)
スチレン 75部
メチルメタクリレート 155部
n−ブチルアクリレート 95部
エチルアクリレート 50部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 75部
アクリル酸 35部
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 15部
アゾビスジメチルバレロニトリル 1部
(注3)混合溶剤B:プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃)/イソプロピルアルコール(沸点82℃)/n−ブチルアルコール(沸点118℃)=150部/117部/159部。
実施例1 アニオン電着塗料No.1の製造
上記の製造例1で得た70%のアクリル共重合体樹脂溶液No.1 85.7部(固形分60部)、ニカラックMX−430(注4)40部(固形分40部)、グリセリン(沸点290.5℃)15部、変性エポキシ樹脂1部(注5)1部、ジノニルナフタレンモノスルホン酸0.4部、トリエチルアミン1.9部(0.4当量分)を加えて水分散後、さらにトリエチルアミンにてpHを8.5とし、脱イオン水で希釈して固形分10%のアニオン電着塗料No.1を得た。
実施例2〜4
表1の配合内容にて、実施例2〜4のアニオン電着塗料No.2〜No.4を得た。
比較例1 アニオン電着塗料No.5の製造
製造例2で得た固形分54%のアクリル共重合体樹脂溶液No.2 111部(固形分60部)、ニカラックMX−430(注4)40部(固形分40部)、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点171℃)13部、変性エポキシ樹脂(注5) 1部、ジノニルナフタレンモノスルホン酸0.4部、トリエチルアミン1.9部(0.4当量分)を加えて水分散後、さらにトリエチルアミンにてpHを8.5とし、脱イオン水で希釈して固形分10%のアニオン電着塗料No.5を得た。
比較例2〜4
表1の配合内容にて、比較例2〜4のアニオン電着塗料No6〜No.8を得た。
Figure 2005320453

(注4)ニカラックMX430:三和ケミカル工業(社製、商品名、メチル/ブチルの混合エーテル化のメラミン樹脂
変性エポキシ樹脂:ヤシ油脂肪酸/エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂)/モノブチルリン酸=1/1/1モル比反応物。
試験板の作成
実施例及び比較例で得られたアニオン電着塗料を浴として、2次電解処理(脱脂−エッチング−中和−陽極酸化処理−封孔)を施した被膜厚さ約10μmのアルミニウム材(シルバー:大きさは150mm×70mm×0.5mm)を浸漬し、乾燥膜厚が10μmになるように電着塗装を行い、水洗後、170℃−20分間焼き付けた。下記の試験条件に従い試験に供した。
実施例を表2に、比較例を表3に示す。
Figure 2005320453
Figure 2005320453
(注6)有機溶剤量:各アニオン電着塗料中の有機溶剤量を、GC−15A(島津製
作所社製、商品名、ガスクロマトグラフ)を用いて測定した。
(注7)塗膜からのホルムアルデヒド放散量:図1のように、JIS A 1460に規定されるデシケータ法によって測定した。ホルムアルデヒド放散量は、試験温度23±2℃の条件下、塗板と共にデシケータ内に設置した300mlの精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度から求めた。
◎は、精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度が0.07(23℃・mg/L)未満
○は、精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度が0.07以上〜0.1未満(23℃・mg/L)
△は、精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度が0.1以上〜0.12未満(23℃・mg/L)
×は、精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度が0.12以上。
(注8)ラッピング付着性:アニオン電着塗料を塗装した試験板に接着剤(アロンUR1357:商品名)を用いて幅80mmのビニールテープ(大日本印刷製、塩ビ製フィルム)を150mmの試験板に接着し、次に試験板の中央部長さ方向に、幅25mmの平行線の切り込みを入れる(アルミニウム面まで達するもの)。図2の(5)のように、一方の端から約90mmだけフィルム層を剥離し、180度折り曲げる。
オートグラフS−D型(島津製作所社製、商品名、恒温槽付万能引張試験機)を用いて、引張り速度50mm/分で約30mm引張り(雰囲気温度25℃±5℃)、フィルムの剥離強度を測定する。
◎は、剥離強度が39.2N(4kgf)以上
○は、剥離強度が29.4以上〜39.2N未満
△は、剥離強度が20N以上〜29.4N未満
×は、剥離強度が20N未満。
(注9)鉛筆硬度:
JIS K 5600−5−4に準じて、試験塗板面に対し約45度の角度に鉛筆の芯を当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。この操作を試験箇所を変えて5回繰り返して塗膜が破れなかった場合のもっとも硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
(注10)60度鏡面光沢度:
塗膜の光沢の程度を、JIS K−5400 7.6(1990)の60度鏡面光沢度に従い、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表した。
(注11)ダイスマーク隠蔽性:
被塗物のダイスマークの状態を目視で評価した。
は、ダイスマーク隠蔽性が良好、
は、ダイスマーク隠蔽性が劣る、
×は、ダイスマーク隠蔽性が著しく劣る。
本発明のアニオン電着塗料により、低VOCで、焼き付け時のホルムアルデヒドの発生量も少なく、硬化性、ラッピング付着性やダイスマーク隠蔽性に優れる60度鏡面光沢値10以下の艶消し塗膜を得ることができる。
塗膜からのホルムアルデヒドの放散量測定のモデル図である。 ラッピング付着性試験のモデル図である。
符号の説明
1.デシケータ
2.金網
3.精製水
4.試験板
5.フィルム
6.試験板
7.添え板
8.試験板を固定するための部分








Claims (6)

  1. 水酸基含有樹脂(A)、メラミン樹脂(B)、多価アルコール(C)、並びにリン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)を含有することを特徴とするアニオン電着塗料。
  2. 水酸基含有樹脂(A)とメラミン樹脂(B)の固形分合計100重量部に対して、多価アルコール(C)を0.1〜20重量部含有する請求項1に記載のアニオン電着塗料。
  3. アニオン電着塗料における有機溶剤の含有量が4重量%以下である請求項1、又は2に記載のアニオン電着塗料。
  4. アニオン電着塗料における沸点140℃以下の有機溶剤の含有量が3重量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料。
  5. アクリル樹脂(A)とメラミン樹脂(B)の固形分合計100重量部に対して、リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂(D)を0.1〜10重量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料。
  6. 陽極酸化処理したアルミニム基材に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料を塗装してなる塗膜面の60度鏡面光沢度が10以下の塗装物品。





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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008001788A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Kansai Paint Co Ltd アニオン電着塗料組成物
US9493674B2 (en) 2013-03-12 2016-11-15 Akzo Nobel Coatings International B.V. Synergistic catalyst combination for the preparation of radiation curable oligomers

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