JP2005317347A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】排出ガス中の水素を大気に放出させず、燃焼させ、二酸化炭素の除去に有効利用し、燃料電池のアノード極に供給する水素濃度を上げることで燃料電池の出力密度を向上し、エネルギーの利用効率を高めた燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】本発明の燃料電池システムは、有機基質を原料とする水素ガス発生部1と、水素ガス用燃料電池5を備えた燃料電池システムにおいて、水素ガス発生部1から発生する水素ガス中に含有される二酸化炭素を化学反応により除去するための二酸化炭素除去部3と、燃料電池5のアノード出口から排出された排出ガス中の水素ガスを燃焼させるための水素ガス燃焼部7とを有し、この水素ガス燃焼部7から発生した熱源を二酸化炭素除去部3に供給するように配設させたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素ガス発生部から得られるガスが水素と発電反応に不活性な二酸化炭素を含む燃料電池システムに関する。
燃料電池はアノード極に水素を供給し、触媒酸化反応により水素はプロトン化され、カソード極に供給する酸素がアノードから電解質膜を通過してきたプロトンとカソード電極触媒上で反応し、水を生成する事によって発電する。生成物は水であり、環境にクリーンな発電方式として、注目されている。燃料電池システムは大きく、燃料電池と水素発生手段、水素精製手段から構成される。水素発生手段には炭化水素の水蒸気改質やメタノールの水蒸気改質、水素化化合物の化学反応を利用した化学的水素発生手段、有機基質から微生物の持つ酵素を触媒として水素を発生させるバイオ式水素発生手段等が挙げられる。しかしながら、これらの水素発生手段は水素以外にも燃料電池の発電に不活性なガスを生成することが多い。電極反応に不活性なガスが混入した水素ガスを供給した場合、アノード極の流路が密閉系では発電反応により水素が消費され、不活性ガス濃度が上がる。燃料電池の起電力Eは下記に示すネルンストの式から、
E=E0+(RT/2F)ln([H2][O21/2)/([H2O])
水素の濃度が減少すると、燃料電池から得られる起電力の低下が起こる。有機化合物を水素発生の燃料とした場合、二酸化炭素を発生するため、この二酸化炭素を除去し、水素濃度を上げることで、出力密度を向上させることができる。[H2],[O2],[H2O]は各々、水素、酸素、水の活量であり、Rは気体定数、Tは温度、Fはファラデー定数、E0は標準電極電位である。
また、純水素をアノード極に供給している場合においても、電極反応によりカソード極で水が生成し、生成水がアノード極に拡散すれば、アノード極側の飽和水蒸気量を超え、ガス拡散層や流路で水が結露し、ガス供給を妨げることによる発電効率の低下が起こっていた。そのための解決手段として、例えば有機基質から微生物の持つ酵素を触媒として生成されたガスの大部分が水素と二酸化炭素から構成されるバイオ式水素発生手段を備えた燃料電池システムは燃料電池のアノード極出口より未反応の水素ガスごと、二酸化炭素や水蒸気を大気中に排出していた。
また、メタンやメタノール等の炭化水素ガスや有機化合物の水蒸気改質から水素ガスを発生させる場合においては改質反応に高温を要するため、改質器をバーナーで加熱する必要があり、アノード出口からの排出ガスをバーナーの燃料として供給し、排出ガス中に含まれる水素を燃焼させていた。
このように、水素と発電に不活性な他のガスとの混合ガスの場合、未反応の水素ガスが放出される。一方、水素発生手段が高温を要する場合には未反応の水素を加熱に利用していたが、高温が必要でない場合は、特許文献1のように大気に排出していた。
特開平11−45731号公報
上記のように、バイオ式水素発生手段等のように水素発生手段に高温を要しない場合においては燃料電池の発電反応に使用された後の残留水素を含む未反応ガスを大気に排出していた。多量の水素ガスが含まれ、水素ガスを大気に排出することは密閉空間に排出されると水素濃度が爆発限界の4%以上になることもあり危険であるばかりか、金属の水素脆性を引き起こす等の問題がある。また、発電に不活性なガスが含まれる割合が多いと不活性ガス排出のためにアノード出口5aからの水素を含む排出ガス流量が増大し、発電に対する水素の利用率(発電に利用された水素/供給した水素)が著しく低下し、多くの水素を無駄に放出することになるため、貴重なエネルギーの損失でもある。炭化水素の水蒸気改質のように高温を要する水素発生手段のような場合では水素を大気放出せず、改質器の高温維持の燃料として有効利用できるが、得られるガスは水素と二酸化炭素の混合ガスであり、燃料電池での発電に対する水素利用率の低下、発電効率の低下の問題が生じるため、水素精製プロセスは重要な課題である。ここで、水素利用率とは水素の供給量に対して何%が発電に使用されたかを意味する。(水素利用率=発電に使用された水素の量÷燃料電池への水素の供給量×100)。
本発明は、このような問題を解決するため、排出ガス中の水素を大気に放出させず、燃焼させ、二酸化炭素の除去に有効利用し、燃料電池のアノード極に供給する水素濃度を上げることにより、燃料電池の出力密度を向上し、エネルギーの利用効率を高めた燃料電池システムを提供するものである。
本発明の燃料電池システムは、有機基質を原料とする水素ガス発生部と、水素ガス用燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、水素ガス発生部から発生する水素ガス中に含有される二酸化炭素を化学反応により除去するための二酸化炭素除去部と、燃料電池のアノード出口から排出された排出ガス中の水素ガスを燃焼させるための水素ガス燃焼部とを有し、この水素ガス燃焼部から発生した熱源を二酸化炭素除去部に供給するように配設させたことを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池の排出ガス中に残存する水素を燃焼させ、この燃焼により得られる熱を用いて二酸化炭素除去部を加熱する。二酸化炭素除去部が、高温時に除去速度が高まる材料、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウムや酸化ストロンチウム等のアルカリ土類酸化物や、リチウム酸化物、リチウム含有複合金属酸化物等を備える場合、二酸化炭素除去部を加熱することによって、二酸化炭素除去部の除去速度が向上する。二酸化炭素除去部の除去速度が向上すると、燃料電池に供給される水素ガス中に含まれる二酸化炭素の含有量が減少し、燃料電池の出力密度が向上する。また、排出ガス中の水素を大気に放出させず、二酸化炭素の除去に有効利用して、燃料電池の出力密度を向上させるので、エネルギーの利用効率を向上させることができる。
本発明の燃料電池システムは、有機基質を原料とする水素ガス発生部と、水素ガス用燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、水素ガス発生部から発生する水素ガス中に含有する二酸化炭素を化学反応により除去するための二酸化炭素除去部と、燃料電池のアノード出口から排出された排出ガス中の水素ガスを燃焼させるための水素ガス燃焼部とを有し、この水素ガス燃焼部から発生した熱源を二酸化炭素除去部に供給するように配設させたことを特徴とする。
1.水素ガス発生部
水素ガス発生部は、水素と二酸化炭素とを含む水素ガス(混合ガス)を発生させる。水素ガス発生部は、例えば、以下の形態で実施することができる。
1−1.第1の実施形態(バイオ式)
第1の実施形態に係る水素ガス発生部は、有機基質を分解して水素と二酸化炭素とを含むガスを発生させる微生物と、微生物に有機基質を供給する有機基質供給部とを備える。 有機基質が蟻酸の場合、嫌気性細菌を用い、グルコースの場合、光合成細菌を用いる。有機基質が蟻酸の場合の微生物は、具体的には、例えば蟻酸脱水素酵素遺伝子(F.Zinoni,et al.,Proc.Natl.Acid.Sci.USA,Vol.83,PP4650-4654,JuLy 1986 Biochemistry)およびヒドロゲナーゼ遺伝子(R.Boehm,et al.,Molecular Microbiology(1990) 4(2),231-243)を組み込んだ大腸菌である。微生物は、通常、容器に収められる。 有機基質供給部は、例えば、有機基質を収容する容器と、容器に入った有機基質を微生物に(又は微生物の入った容器に)有機基質を供給するポンプを備える。
第1の実施形態に係る水素ガス発生部は、通常は、有機基質に蟻酸用い、上記記載の酵素を有した嫌気性大腸菌を用いた場合、25〜40℃程度といった低温で効率よく動作する。従って、燃料電池からの排出ガスに含まれる水素を用いて加熱する必要がない。従来は、水素ガス発生部がバイオ式である場合は、燃料電池からの排出ガスに含まれる水素を有効に活用することができなかった。本発明は、このような水素の有効な活用方法を提案するものであるので、本発明は、水素ガス発生部がバイオ式である場合に、特に意義ある。
1−2.第2の実施形態(触媒式)
第2の実施形態に係る水素ガス発生部は、炭化水素系化合物の水蒸気改質反応であり、通常、脱硫器、改質器、CO変成器、CO除去器からなる。脱硫器は炭化水素系化合物に含まれる硫黄分を水素と反応させて硫化水素にする触媒と、硫化水素を吸着する(吸着脱硫)物質とを備える。改質器は炭化水素系化合物を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素、一酸化炭素等を含む水素ガスを発生させる触媒と、触媒に炭化水素系化合物を供給する炭化水素系化合物供給部と触媒に水蒸気を供給する水蒸気供給部とを備える。CO変成器は一酸化炭素を高温で二酸化炭素に変成する触媒と一酸化炭素を低温で二酸化炭素に変成する触媒を備える。CO除去器は一酸化炭素と酸素を反応させて二酸化炭素を生成する触媒を備える。
この場合、炭化水素系化合物は、例えば、メタン、メタノール又はブタンなどからなる。水添脱硫の触媒には通常、Ni−Mo系触媒またはCo−Mo系触媒を用い、吸着脱硫物質は酸化亜鉛を用いる。水蒸気改質触媒には、例えば、有機化合物にメタンを用いる場合、Ru系、またはNi系触媒を用いる。CO変成器には高温ではFe−Cr系触媒が用いられ、低温ではCu−Zn系触媒が用いられる。CO除去器にはルテニウム系の触媒を用いる。これらの触媒は、ズードケミー触媒株式会社から購入可能である。なお、炭化水素系化合物も、本発明における「有機基質」に含まれる。
第2の実施形態に係る水素ガス発生部は、通常は、次のように高温で反応する。脱硫器の反応では350℃程度、有機基質にメタンを用いた水蒸気改質反応の場合、改質器では500〜800℃程度、CO変成器の反応では220〜450℃程度、CO除去器の反応では100〜150℃程度といった高温で反応する。従って、反応させるために、水素ガス発生部を加熱することが必要である。また、この場合、得られる水素ガスの温度は、通常は、室温よりも高い。水素ガス燃焼部は、水素ガス発生部をさらに加熱することが好ましい。本実施形態では、水素ガス燃焼部が加熱するのは、二酸化炭素除去部のみであってもよく、水素ガス発生部のみであってもよく、又はこの両方であってもよい。例えば、二酸化炭素除去部の温度が十分に高いときに、水素ガス燃焼部が水素ガス発生部を加熱するような構成にすることにより、排出ガス中の水素を効率的に利用することができる。
また、水素ガス発生部で発生する熱で二酸化炭素除去部を加熱してもよい。
2.二酸化炭素除去部
2−1.二酸化炭素除去部の機能
二酸化炭素除去部は、水素ガス中の二酸化炭素を除去(又は吸収)して、水素ガス中の二酸化炭素の含有量を減少させる。また、二酸化炭素除去部は、その二酸化炭素除去速度が温度依存性を有する。温度依存性とは、例えば、特定の温度までは温度上昇と共に二酸化炭素除去速度が高くなるが、さらに温度を上げると、二酸化炭素除去速度が低下するような場合をいう。この場合、二酸化炭素除去部を好適な温度に制御することにより、二酸化炭素除去部の二酸化炭素除去速度を高くすることができる。二酸化炭素の除去速度を高くすると、カラムなどの短縮が可能となり、装置の小型化の効果もある。
二酸化炭素除去速度は、例えば、二酸化炭素除去部の出口から得られる水素ガス中の二酸化炭素濃度を測定することにより、求めることができる。
2−2.二酸化炭素除去物質
二酸化炭素除去部は、通常、二酸化炭素除去物質を備える。この場合、二酸化炭素除去部は、化学反応により二酸化炭素を除去する。二酸化炭素除去物質は、例えば、アルカリ土類酸化物(酸化カルシウム、酸化マグネシウム又は酸化ストロンチウム等)、リチウム酸化物、およびリチウム含有複合金属酸化物からなる群より選ばれた化合物である。これらの化合物は、発熱を伴って二酸化炭素を除去して、炭酸化物を形成する。活性化エネルギーや、二酸化炭素の内部拡散抵抗のため、ある温度までは高温になるにつれて二酸化炭素の除去速度が速くなるが、発熱反応の熱力学的化学平衡であるために、高温になるにつれて二酸化炭素の平衡圧力が高まる。放出される二酸化炭素を排出することで、除去前の状態に再生される。
二酸化炭素除去物質は、好ましくは、粉体である。粉体とすることで、比表面積が多くなるため、反応速度が速くなる。また、粉体にすると、液体の場合に比べ、ガスの拡散が均一なる。また、粉体は、固体であるので取り扱いやすく、蒸気や沸騰の危険が無いため加熱も容易であり、無機の酸化物であるため、有機物に比べ耐熱性も高く、安全に二酸化炭素の除去除去が可能となる。二酸化炭素除去部は、具体的は、例えば、ガス入口とガス出口とを有するカラムと、カラム内に詰められた二酸化炭素除去物質とからなる。
2−3.二酸化炭素除去セクション
二酸化炭素除去部は、複数の二酸化炭素除去セクションを備えてもよい。この場合、各二酸化炭素除去セクションは、水素ガス中の二酸化炭素を除去して、水素ガス中の二酸化炭素の含有量を減少させる。また、各二酸化炭素除去セクションは、通常、二酸化炭素除去物質を備える。二酸化炭素除去物質の説明は、上述の通りである。
3.温度制御部
本実施形態のシステムは、二酸化炭素除去部の温度を制御する温度制御部をさらに備えることが好ましい。温度制御部は、例えば、二酸化炭素除去部の温度を測定する温度測定部と、二酸化炭素除去部を冷却する冷却部とを備え、測定した温度に基づいて冷却部を制御して二酸化炭素除去部の温度を制御する。冷却部は、冷却ファンなどである。また、本実施形態のシステムが排出ガス流量を制御する排出弁をさらに備える場合、温度制御部は、測定した温度に基づいて排出弁をさらに制御して二酸化炭素除去部の温度を制御してもよい。この場合、二酸化炭素除去部の温度制御がさらに容易である。
二酸化炭素の除去反応は、通常は、発熱反応であるので、温度が高くなると、二酸化炭素の平衡圧力が高くなる。例えば、二酸化炭素除去物質に酸化カルシウムを用いる場合、898℃での二酸化炭素の平衡圧力は1atmであり、500℃では1×10-4atmである。このように、二酸化炭素除去部は、その温度が高すぎると、かえって二酸化炭素除去能力が低下する場合がある。この場合、温度制御部が二酸化炭素除去部の温度を適切な値に制御することが重要である。
温度制御部は、二酸化炭素除去部の二酸化炭素量を減少させるように、二酸化炭素除去部の温度を制御してもよい。二酸化炭素除去部の温度を上昇させて、二酸化炭素の平衡圧力を高くし、この状態で保持すると、二酸化炭素が二酸化炭素除去部から排出され、二酸化炭素除去部に含まれる二酸化炭素の含有量が減少し、二酸化炭素除去部を再生することができる。例えば、二酸化炭素除去部に酸化カルシウムを用いる場合、酸化カルシウムは、二酸化炭素を除去して炭酸カルシウムになるが、温度が所定値以上になると、炭酸カルシウムが二酸化炭素を排出して、酸化カルシウムになり、二酸化炭素除去部が再生する。
4.重量監視部
本実施形態のシステムは、二酸化炭素除去部の重量を監視する重量監視部をさらに備えてもよい。重量監視部は、例えば、二酸化炭素除去部の重量を測定して、この測定値を出力するか、又は測定値が基準値以上又は以下であることを出力する。この出力を利用すると、二酸化炭素除去部の残り寿命を予測することができる。また、二酸化炭素除去部の再生プロセスでは、再生の程度又は再生が完了したか否かなどを判断することができる。
5.二酸化炭素濃度監視部
本実施形態のシステムは、二酸化炭素除去部からの二酸化炭素濃度を監視する二酸化炭素濃度監視部をさらに備えてもよい。二酸化炭素濃度監視部は、二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度測定部を備え、その測定値に基づいて制御信号を生成する。二酸化炭素濃度測定部は、二酸化炭素除去部と燃料電池との間に設けられたガスクロマトグラフ又は赤外線ガス分析器などからなる。本実施形態のシステムは、好ましくは、排出ガス流量を制御する排出弁をさらに備え、この場合、二酸化炭素濃度監視部は、測定した二酸化炭素濃度に基づいて排出弁を制御して、排出ガスの流量を制御する。例えば、二酸化炭素濃度が低い場合には、二酸化炭素濃度監視部は、排出弁を制御してガス流量を減少させる。この場合、水素ガスが燃料電池中に滞在する時間が長くなり、水素ガス中の水素の利用効率が向上する。また、二酸化炭素濃度が高い場合には、二酸化炭素濃度監視部は、排出弁を制御してガス流量を増加させる。この場合、水素ガスが燃料電池中に滞在する時間が短くなり、排出ガス中の水素の濃度が高くなる。この水素を燃焼させて、二酸化炭素除去部を加熱する。これにより、二酸化炭素除去部の除去能力が向上し、水素ガス中の二酸化炭素濃度が低下する。
なお、二酸化炭素除去部が複数の二酸化炭素除去セクションを備える場合、二酸化炭素濃度監視部は、好ましくは、各二酸化炭素除去セクションからの二酸化炭素濃度をそれぞれ監視する。
6.除去能力監視部
本実施形態のシステムは、二酸化炭素除去部の二酸化炭素除去能力を監視する除去能力監視部をさらに備えてもよい。
また、二酸化炭素除去部が複数の二酸化炭素除去セクションを備える場合、本実施形態のシステムは、各二酸化炭素除去セクションの二酸化炭素除去能力を監視する除去能力監視部をさらに備えてもよい。また、この場合、水素ガス発生部と二酸化炭素除去部との間に切り替え弁をさらに備えてもよい。切り替え弁は、前記二酸化炭素除去セクションの何れか1つに水素ガス発生部からの水素ガスを供給する。また、除去能力監視部は、除去能力監視部で測定された二酸化炭素除去能力が所定の基準以下になると切り替え弁を制御して、水素ガスの供給先を別の二酸化炭素除去セクションに切り替える。
除去能力監視部は、例えば、以下の形態で実施することができる。
6−1.第1の実施形態
第1の実施形態に係る除去能力監視部は、上記二酸化炭素濃度監視部を備え、二酸化炭素濃度監視部は、測定した二酸化炭素濃度が所定の基準値以上の場合に排出弁を制御して排出ガス流量を増大させ、排出ガス流量を増大させたときから所定時間内に二酸化炭素濃度が前記基準値以下にならない場合に、除去能力監視部は、二酸化炭素除去能力が、所定の基準以下であると判断する。
例えば、二酸化炭素濃度が高くなった場合、二酸化炭素濃度監視部は、排出弁を制御して排出ガス流量を増大させる。そして、所定時間が経過しても二酸化炭素濃度が基準値以下にならない場合に、除去能力監視部は、二酸化炭素除去能力は、所定の基準以下であると判断する。除去能力監視部からの出力に基づいて、二酸化炭素除去部を交換することができる。
6−2.第2の実施形態
第2の実施形態に係る除去能力監視部は、上記二酸化炭素濃度監視部を備え、二酸化炭素濃度監視部が測定した二酸化炭素濃度が、一旦、第1の基準値以下になった後、第1の基準値よりも高い第2の基準値以上になると、除去能力監視部は、二酸化炭素除去能力が所定の基準以下であると判断する。例えば、第1の基準値を3%とし、第2の基準値を10%とする。システムの起動時は、通常、二酸化炭素濃度が高くなるが、二酸化炭素濃度が一旦第1の基準値以下になった後、第2の基準値以上になった場合のみ、除去能力が低下したと判断するため、システム起動時にシステムの動作を不安定にしない。さらに具体的には、二酸化炭素濃度が第1の基準値以下になったとき、その旨をメモリに記憶する。そして、二酸化炭素濃度が第2の基準値以上になった場合、メモリの記憶事項を参酌して、除去能力低下か否かを判断する。
6−3.第3の実施形態
第3の実施形態に係る除去能力監視部は、重量監視部を備え、重量監視部が測定した重量が基準値以上になると、除去能力監視部は、二酸化炭素除去能力が所定の基準以下であると判断する。二酸化炭素除去部が二酸化炭素を除去すると、その分だけ二酸化炭素除去部の重量が増加するので、その増加した重量を求めることにより、既に除去した二酸化炭素の重量を求めることができ、二酸化炭素除去部の残り寿命を判断することができる。
6−4.その他
除去能力監視部は、二酸化炭素除去部が複数の二酸化炭素除去セクションを有しているときに特に利点がある。通常、複数の二酸化炭素除去セクションのうちの1つだけが使用される。そして、その二酸化炭素除去セクションの除去能力が所定の基準以下になると、除去能力監視部は、切り替え弁を制御して、水素ガスの供給先を別の二酸化炭素除去セクションに切り替える。除去能力の低下した二酸化炭素除去セクションは、交換又は再生することができる。この場合、この二酸化炭素除去セクションには、水素ガスが流れていないので、システムを停止させることなく、除去能力の低下した二酸化炭素除去セクションを交換することができる。
また、本実施形態のシステムは、各二酸化炭素除去セクションの温度をそれぞれ制御する温度制御部をさらに備えてもよく、温度制御部は、二酸化炭素除去能力が低下した二酸化炭素除去セクションに含まれる二酸化炭素量を減少させるように、その二酸化炭素除去セクションの温度を制御する。具体的には、二酸化炭素の平衡圧力が高くなる温度にまで、その二酸化炭素除去セクションを加熱する。これにより、その二酸化炭素除去セクションが再生する。また、後述する切り替え弁などを併用することにより、1つの二酸化炭素除去セクションを用いてシステムを稼動しつつ、他の二酸化炭素除去セクションを再生させることができる。また、本実施形態のシステムは、各二酸化炭素除去セクションの重量をそれぞれ監視する重量監視部をさらに備えてもよく、重量監視部は、二酸化炭素除去能力が低下した二酸化炭素除去セクションの重量が所定値以下になると、その二酸化炭素除去セクションの再生が完了したと判断する。この構成により、二酸化炭素除去セクションの再生が完了したか否かを容易に判断することができる。
また、使用している二酸化炭素除去セクションから発生した熱は、待機中の二酸化炭素除去セクションの加熱に利用することができる。この場合、切り替え後、すぐに高純度の水素ガスを燃料電池に供給することができる。
7.燃料電池
燃料電池は、アノード極と、カソード極と、これらに挟まれた電解質層とを備える。アノード極に水素が供給されると、触媒酸化反応により水素はプロトン化され、カソード極に供給される酸素がアノード極から電解質膜を通過してきたプロトンとカソード電極触媒上で反応し、水を生成する。アノード極は、通常、アノード極入口とアノード極出口とを有する容器に収められる。アノード極入口から流入した水素は、通常は、その一部がアノード極で反応して発電に寄与し、残りは、アノード極出口から排出される。本発明は、この排出された水素を有効に活用しようとするものである。従って、本発明での燃料電池は、水素を燃料として動作するものを用いることができる。
8.排出弁
本発明のシステムは、排出ガス流量を制御する排出弁を備えてもよい。排出弁は、通常、燃料電池と水素ガス燃焼部との間に設けられる。
9.タイマー
本実施形態のシステムは、定期的に排出弁を開閉させるタイマーをさらに備えてもよい。排出弁を閉じて本実施形態のシステムを長時間動作させると、燃料電池内部の湿度が高くなり、結露が発生して水素ガスの供給を妨げることがあるが、定期的に排出弁を開閉させるタイマーを備えることにより、定期的に排出弁を開放して燃料電池内の湿度を下げて、このような問題が発生するのを防止することができる。
10.水素ガス燃焼部
水素ガス燃焼部は、排出ガス中の水素の燃焼により得られる熱を用いて二酸化炭素除去部を加熱する。水素ガス燃焼部は、外部から供給される燃料の燃焼により得られる熱をさらに用いて二酸化炭素除去部を加熱してもよい。この場合、排出ガス中の水素の分量が十分でない場合でも、二酸化炭素除去部を十分に加熱することができる。また、水素ガス発生部が高温で好適に動作する場合、水素ガス燃焼部は、水素ガス発生部も加熱することが好ましい。水素ガス燃焼部は、バーナーなどからなる。
11.外部加熱部
本発明のシステムは、二酸化炭素除去部を加熱する外部加熱部をさらに備えてもよい。
外部加熱部は、特に始動時に稼動させることにより、短時間で二酸化炭素除去部の温度を上げることができる。外部加熱部は、例えば別途に用意された炭化水素ガスを燃料とするバーナーや電熱線などからなる。また、水素の排出量が少なく、二酸化炭素除去部の温度上昇や維持が困難な場合に温度コントロールを補助し、二酸化炭素除去速度を高めることが可能となる。また、水素ガス発生部が高温で好適に動作する場合、外部加熱部は、水素ガス発生部も加熱することが好ましい。
12.集熱器
本発明のシステムは、二酸化炭素除去部、水素ガス燃焼部及び外部燃料加熱部の少なくとも1つから得られる熱を集める集熱器をさらに備えてもよい。集熱器は、熱回収フィン又はヒートパイプなどからなる。集熱器で回収した熱は、給湯や暖房に利用する事ができる。
13.その他
本実施形態のシステムは、マイクロコンピュータなどからなる制御部を備え、温度制御部又は二酸化炭素濃度監視部などの制御を行う構成要素は、それぞれ、この制御部を用いて制御を行うことができる。また、制御を行う構成要素のそれぞれが、マイクロコンピュータなどからなる制御部を備え、この構成要素が、それぞれ、その対応する制御部を用いて制御を行ってもよい。
図1は、実施例1に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、水素ガス発生部1と、二酸化炭素除去部3と、燃料電池5と、水素ガス燃焼部7とを備える。水素ガス発生部1は、水素と二酸化炭素とを含む水素ガスを発生させる。二酸化炭素除去部3は、水素ガス中の二酸化炭素を除去して、水素ガス中の二酸化炭素の含有量を減少させる。また、二酸化炭素除去部3は、その二酸化炭素除去速度が温度依存性を有し、所定の温度までは温度上昇と共に二酸化炭素除去速度が高くなり、その温度を超えると二酸化炭素を放出するようになる。燃料電池5は、二酸化炭素の含有量が減少した水素ガスを燃料として発電し、水素の一部が残留する排出ガスを排出する。水素ガス燃焼部7は、排出ガス中の水素を燃焼させ、水素の燃焼により得られる熱を用いて二酸化炭素除去部3を加熱する。このように排出ガス中の水素を有効に利用して、二酸化炭素除去部3を加熱することにより、二酸化炭素除去部3での二酸化炭素除去速度を高め、二酸化炭素含有量の少ない水素ガスを燃料電池5に供給する。
水素ガス発生部1は、バイオ式であり、図2に示すように、容器11に収容された微生物13と、微生物13に有機基質を供給する有機基質供給部15とを備える。本実施例では、有機基質は、蟻酸であり、微生物は、蟻酸を分解して水素と二酸化炭素とを含む水素ガスを発生させる酵素を有する大腸菌である。また、容器11には、微生物に与える栄養が入った培地も収容されている。有機基質供給部15は、有機基質用容器17と、ポンプ18とを備える。
大腸菌の酵素反応により、下記反応式のように、蟻酸が、水素と二酸化炭素に分解される。
HCOOH → H2 + CO2
1モルの蟻酸から水素と二酸化炭素が1モルずつの割合で発生する。燃料電池の効率が42%とすると、1kWhあたり約700L(標準状態)の水素が必要となる。水素ガス発生部1は、図2に示すように、圧力調整部19を備える。圧力調整部19は、密閉時に容器11内の圧力が5kPaになるように調整し、水素と二酸化炭素とを含む水素ガスを二酸化炭素除去部3へ供給する。
この水素ガスを二酸化炭素除去部3、本実施形態では、平均粒径1μmの酸化カルシウム粉末を入れたカラムに通す。酸化カルシウムの場合、下記化学反応により、二酸化炭素が除去される。
CaO + CO2 ←→ CaCO3
二酸化炭素が除去される化学反応は発熱反応であり、除去の結果、酸化カルシウムの温度は上昇する。常温では酸化カルシウム粉末の表面のみ二酸化炭素が除去され、生成した炭酸カルシウムのために、粉末内部の酸化カルシウムへの二酸化炭素の拡散速度が遅く、炭酸化が促進されないために二酸化炭素の除去速度は遅い。
また、左から右への反応速度式は以下のように与えられる。
V=k[CaO][CO2
ここで、Vは反応速度、kは速度定数、[CaO] 、[CO2]は各々の活量を表す。反応速度は二酸化炭素の分圧に比例する。
また、kはアレニウスの式により、以下のように表される。
k=k0exp(−ΔG/RT)
ここで、k0は反応の頻度係数、ΔGは活性化ギブスエネルギー、Rは気体定数、Tは
絶対温度である。これらのことから、二酸化炭素分圧が高く、温度が高いと反応速度は増加する。しかしながら、この反応は発熱反応であるため、化学平衡は高温になるにつれて、左側へ進行する。そのため、この反応における各温度による平衡定数に注意する必要がある。高温で反応速度は増加するが、二酸化炭素が供給されなければ、最終的には左側への反応と右側への反応の速度が等しくなり、その温度での平衡濃度に落ち着く。酸化カルシウムの場合、二酸化炭素の平衡圧力は500℃で約1×10-4atm、600℃で約2.1×10-3atm、700℃で約3×10-2atm、800℃で約2×10-1atm、898℃で1atm、1000℃で約40atmである。高温にしすぎると、平衡圧力以下に二酸化炭素の分圧は下がらなくなる。常温では二酸化炭素の除去速度が遅く、分離が不十分であるため、水素ガス中の二酸化炭素の含有率が高い。そのため、アノードにおける水素の消費に伴う二酸化炭素の濃度の上昇を抑制するために、アノード出口5aを開放し、二酸化炭素を含むオフガスをアノードから放出することでアノード極に二酸化炭素が蓄積しないようにする。
図3は、実施例2に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、二酸化炭素除去部3からの二酸化炭素の濃度を監視する二酸化炭素濃度監視部21と、排出ガス流量を制御する排出弁23をさらに備え、二酸化炭素濃度監視部21は、測定した二酸化炭素濃度に基づいて排出弁23を制御する。その他の点は、実施例1と同様である。また、排出弁23には、タイマー25が取り付けられており、タイマー25は、排出弁を定期的に開閉する。図3において、点線の矢印は、信号の流れを示す。
以下、本実施例の燃料電池システムの動作を説明する。
まず、バイオ式水素ガス発生部1から水素と二酸化炭素を含む水素ガスを発生させる。 その後、二酸化炭素除去部3、本実施例では酸化カルシウムとし、酸化カルシウムの入ったカラムに水素ガスを通す。酸化カルシウムの入ったカラムは断熱構造の壁で囲われており、水素ガス燃焼部(バーナー)7による加熱により、熱しやすく冷めにくい構造とする。二酸化炭素除去部3と燃料電池5の間に二酸化炭素濃度監視部21を設けて、二酸化炭素除去部3の出口での二酸化炭素濃度をモニターし、流量調節機能付の排出弁23に信号を送る。
水素利用率は燃料電池の発電効率と供給水素流量により決定することができる。水素と二酸化炭素を含む水素ガスの場合、排出量を増やすほど、内部に残留する二酸化炭素が減少するため、発電効率は向上するが、未反応の水素が多くなり、水素利用率は低下する。このトレードオフから適度な値を設定し、燃料電池システムを動作させる。二酸化炭素の濃度が50%の時、水素利用率50%において、燃料電池の発電効率は出力密度が200mW/cm2の値で14%であった。今後発電効率は200mW/cm2の値とする。同様に二酸化炭素濃度30%の時、水素利用率70%において、発電効率は37%であった。さらに二酸化炭素濃度10%の時、水素利用率90%において発電効率は48%であった。本実施例では上記結果から、二酸化炭素除去部3の出口における二酸化炭素濃度50%の時、5550L/hの流量で排出ガスを流す。この時、水素の利用率が50%となる。二酸化炭素の濃度が各々3〜10、10〜20、20〜30、30〜40%の場合、水素と二酸化炭素を含む水素ガスの排出ガス流量を各々110、310、720、1640L/hとする。その結果、水素利用率は各々約90、約80、約70、約60%となる。
未反応水素を含む排出ガスは水素ガス燃焼部7へ供給され、その排出ガス中の未反応水素を燃焼させ、二酸化炭素除去部3を加熱する。二酸化炭素除去部3の温度が約500〜650℃になると二酸化炭素の除去スピードは著しく速くなる。十分温度が上がれば、アノードに供給される水素ガス中の二酸化炭素の濃度は低減し、アノード出口5aから排出するガスの量を減らすことができる。本実施形態では二酸化炭素除去部3出口の二酸化炭素の濃度が3%以下の濃度になれば排出弁23を密閉状態へシフトさせる。この二酸化炭素濃度計はガスクロマトグラフや赤外線ガス分析器などにより行える。3%以上になれば、再び、アノード出口5aを開き、排出ガスを水素ガス燃焼部7へに供給し、排出ガス中に含まれる水素を燃焼し、二酸化炭素除去部3を加熱する。水素と二酸化炭素を含む水素ガスを平均1554L/hの流量で二酸化炭素除去部3に供給し、二酸化炭素を除去した後、燃料電池に供給する。一日の家庭の電力稼働時間を9時間とすると、1日で約10kWの電力が必要となる。二酸化炭素除去部3において、二酸化炭素と酸化カルシウムは1:1で反応するため、重量は約18kgの酸化カルシウムをカラムに詰め、二酸化炭素の除去を行う。
一方、カソードで生成した水がアノードに拡散して来て、アノードを密閉状態にすると、水蒸気が結露する。アノードへの水素の供給を妨げないようにするため、ある一定期間で、水蒸気を排出する。図3に示すようにタイマー25を設け、発電量と水発生量を考慮し、予備実験にて最適化されたタイミングで、排出弁23に信号を送り、水蒸気を含むアノードのガスを排出する。本実施例では排出弁23を密閉状態にしてから、10分間隔で開放し、1分間120L/hの流量で排出する。この際、水蒸気とともに排出される水素を燃焼させ、発生する熱で二酸化炭素除去部3を加熱することで、二酸化炭素除去部3の高温維持も可能となり、水素の有効利用と、燃料電池の出力密度の向上を行う。
水素ガス発生部1から得られた二酸化炭素と水素を含む水素ガスをそのまま燃料電池のアノードに供給し、二酸化炭素が内部に溜まらないように、二酸化炭素と未反応の水素を外気に排出する従来のシステム(図12に示す。)に比べて、このシステムの結果、水素利用率が従来では50%で動作し、定常時においても燃料電池の発電効率が14%程度であるが、本発明により平均的な利用率を78%へ向上することができ、定常時においては燃料電池の発電効率を45%に向上できた。
図4は、実施例3に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、水素ガス発生部1が、水蒸気改質反応を用いて水素を発生させる点に特徴を有する。水素ガス発生部1では、脱硫器1cで脱硫したメタン1aと、水蒸気1bとを一定の割合で、触媒の入った改質器1dに供給する。脱硫器1cは、メタン1aに含まれる硫黄分を除去する。改質器1dは水素ガス燃焼部7で800℃付近まで加熱される。水素ガス燃焼部7には、都市ガスや、炭化水素のボンベ、酸素ボンベ等の燃料を外部から供給する。得られたガスは水素と二酸化炭素、一酸化炭素を含み、一酸化炭素は燃料電池の触媒を被毒させるため、CO変成器1e及びCO除去器1fにおいて、二酸化炭素に変性又は酸化される。得られたガスは水素:二酸化炭素が4:1の割合で得られる。得られた水素の一部は、脱硫器1cに送られ、メタン1aの脱硫に利用される。水素ガス燃焼部7は、酸化カルシウムを有する二酸化炭素除去部3を加熱し、二酸化炭素の除去速度を上げる。二酸化炭素除去部3の温度は約500〜650℃が好ましい。なお、水素ガス燃焼部7が直接、二酸化炭素除去部3を加熱してもよいし、水素ガス燃焼部7が改質器1dを加熱し、改質器1dからの輻射熱や熱風により二酸化炭素除去部3を加熱してもよい。
前記のように、家庭用1kW、1日に必要な酸化カルシウムは7.2kgが必要となる。排出量、制御方式は前記記載のように、二酸化炭素除去部3の出口に二酸化炭素濃度監視部21を備え、二酸化炭素の濃度が低下すると排出ガスの排出量を徐々に減らし、本実施例では3%以下になれば、排出弁23を閉じて、アノード出口5aを塞ぐ。こうして水素の有効利用と、燃料電池5の出力密度の向上を行う。前記記載同様、本実施例においても、アノード内部の結露防止のため、タイマー25により、10分おきに開閉弁を開け、120L/hの排出ガス流量で一分間排出し、水蒸気濃度を減少させる。この際、アノード出口5aから共に排出される水素を燃焼し、その燃焼熱は改質反応の高温維持に使用される。システムの動作は実施例2と同様であり、水素の発生手段だけが異なる。
炭化水素の水蒸気改質式水素ガス発生部1から得られた二酸化炭素と水素を含む水素ガスをそのまま燃料電池5のアノードに供給し、二酸化炭素が内部に溜まらないように、二酸化炭素と未反応の水素を外気に排出する従来のシステム(図13に示す。)に比べて、このシステムの結果、水素利用率が従来では60%で動作し、定常時における燃料電池の発電効率が19%程度であったが、本発明により平均的な利用率を78%へ向上することができ、定常時においては燃料電池の発電効率を46%に向上できた。
図5は、実施例4に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、実施例2の燃料電池システムにおいて、二酸化炭素除去部3は、複数の二酸化炭素除去セクション3a、3bを備え、各二酸化炭素除去セクション(それぞれが酸化カルシウムを有する。)3a、3bの二酸化炭素除去能力を監視する除去能力監視部29をさらに備え、水素ガス発生部1と二酸化炭素除去部3との間に切り替え弁31をさらに備え、切り替え弁31は、前記二酸化炭素除去セクション3a、3bの何れか1つに水素ガス発生部1からの水素ガスを供給し、除去能力監視部29は、除去能力監視部29で測定された二酸化炭素除去能力が所定の基準以下になると切り替え弁31を制御して水素ガスの供給先を別の二酸化炭素除去セクション3a、3bに切り替える。
除去能力監視部29は、より具体的には以下のように動作させる。まず、切り替え弁31は、二酸化炭素除去セクション3a又は3bの何れか一方を選択している。ここでは、3aを選択しているとする。また、排出弁23は、最初は、閉じているとする。二酸化炭素濃度監視部21は、二酸化炭素除去セクション3aを通過した水素ガスの二酸化炭素濃度を測定し、この測定値が3%以上となると、排出弁23を開く。排出弁23が開くと、アノードの出口から水素ガスが排出され、水素ガス燃焼部7により二酸化炭素除去セクション3aが加熱され、その温度が上昇し、二酸化炭素除去能力が上がる。そうすると、二酸化炭素除去セクション3aでの出口の二酸化炭素の濃度が低下する。しかし、起動後、一度、二酸化炭素濃度が3%以下となり、排出弁23を密閉状態にした後において、二酸化炭素濃度が再び3%以上となり、二酸化炭素除去セクション3aを加熱しても、二酸化炭素濃度が低下せず、10%以上になった場合、または、排出弁23が開いてからタイマー27が作動し、一定期間、本実施例では30分間経過しても、二酸化炭素濃度が3〜10%であった場合の2つの条件いずれかであれば能力低下と判断する。このとき、除去能力監視部29は、切り替え弁31を制御し、水素ガスの供給先を二酸化炭素除去セクション3bに変更する。
この動作ロジックについて、図6を用いて説明する。二酸化炭素濃度監視部21で測定した二酸化炭素濃度が3%以上になると、タイマー27は、動作を開始する。タイマー27が30分を計測すると、切り替え弁31へ信号を送る。二酸化炭素濃度が3%以下に復帰するとリセット信号がタイマー27へ送られ、時間の計測をリセットする。これが第1の切り替え条件である。第2の切り替え条件は、二酸化炭素濃度が3%以下になるとメモリ35に信号を送り、メモリ35に記憶される。この状態において、二酸化炭素濃度が10%以上になると切り替え弁31に信号を送る。メモリ35は二酸化炭素濃度が10%以上またはタイマー27からの切り替え信号発信時にリセットされる。メモリ35は起動時に二酸化炭素濃度が高い場合に切り替え信号を発信する誤動作を防ぐため用いられる。このような動作により能力が低下した方を新しい物と取り替えて連続運転を行う。
また、除去能力監視部29は二酸化炭素除去部3の重量を監視する方法でも良い。二酸化炭素除去部3において、酸化カルシウムが二酸化炭素を除去すれば分子量が56から90に変化する。予め酸化カルシウムのモル数は分かっているので重量変化により、何%変換したか容易に判断できる。本実施例は二酸化炭素濃度監視部21を兼用できることから前記記載の方法を採っている。本実施例における水素利用率、発電効率は実施例2と同等である。その他の動作条件は実施例2と同じである。
図7は、実施例5に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、実施例4の燃料電池システムにおいて、二酸化炭素除去部の温度を制御する温度制御部37をさらに備える。温度制御部37は、各二酸化炭素除去セクション3a、3bの温度をそれぞれ測定し、それぞれを所定の温度に制御する。また、温度制御部37は、冷却ファン(各二酸化炭素除去セクション3a,3bに取り付けられている。)を備え、冷却ファンを制御して、各二酸化炭素除去セクショ3a、3bの温度を下げる。また、温度制御部37は、排出弁23を制御することができ、加熱が必要なときに排出弁23を開放する。
各二酸化炭素除去セクション3a、3bは、それぞれ酸化カルシウムを有する。酸化カルシウムは二酸化炭素を除去し、炭酸カルシウムの化合物になるが、898℃の温度で加熱することにより、以下の反応式のような方向に反応はシフトし、二酸化炭素を1atmの平衡圧になるように放出する。この平衡圧力以下にはならないため、二酸化炭素の除去が低下する。
CaCO3 → CaO + CO2
図7のように温度制御部37を備え、二酸化炭素の放出圧力が高くなる温度まで上昇しないように水素の燃焼熱の利用を制御することで、確実に二酸化炭素を除去させる。本実施例では温度制御は冷却ファンと水素の燃焼熱による加熱のオン・オフにより行い、650℃以上にならないようにする。下側の温度は特に制御せず、酸化カルシウムの出口の二酸化炭素濃度が3%以下になる温度まで水素は燃焼されつづけ、加熱される。オフガスの水素は大気に出ないように確実に燃焼させる。本実施例における水素利用率、発電効率は実施例2と同等である。その他の動作条件は実施例4と一緒である。
図8は、実施例6に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、実施例5の燃料電池システムにおいて、二酸化炭素除去部の重量を監視する重量監視部39をさらに備える。重量監視部39は、各二酸化炭素除去セクション3a、3bの重量を測定し、各二酸化炭素除去セクションに含まれる酸化カルシウムがどの程度炭酸化されているのかを判断する。また、各二酸化炭素除去セクション3a、3bには、それぞれ排出弁41a、41bが取り付けられている。
本実施例では、まず、起動から水素ガス発生部1により水素と二酸化炭素を含む水素ガスが発生する。2つの二酸化炭素除去セクション3a、3bを有する二酸化炭素除去部3を設置し、切り替え弁31により、二酸化炭素除去セクションの一方(ここでは、3aとする。)に水素ガスを流す。前記記載のように、二酸化炭素濃度監視部21が測定した二酸化炭素の濃度に応じて、アノード出口5aの排出弁23から未反応の水素を含むガスを排出し、排出したガス中の水素を水素ガス燃焼部7の燃料として燃焼させて二酸化炭素除去セクション3aを加熱する。除去能力監視部29により能力低下が確認されるまでは、実施例2と同様である。前記記載の除去能力監視部29により、能力低下が認められた場合、切り替え弁31により、別の二酸化炭素除去セクション3bに切り替える。切り替え後、二酸化炭素除去セクション3bに水素ガスを供給する。その出口の二酸化炭素の濃度によって前記記載のように、アノード出口5aから未反応水素を含むガスを排出し、未反応水素を水素ガス燃焼部7で燃焼させることで二酸化炭素除去セクション3bを加熱する。
実施例2に記載と同様の条件で二酸化炭素濃度低下と共に排出量を減少させ、二酸化炭素濃度が3%以下になると、加熱を停止し、水素ガス燃焼部7で二酸化炭素除去能力が低下した方である二酸化炭素除去セクション3aを加熱する。二酸化炭素除去セクション3aを排出ガス中の水素の燃料熱で加熱し、温度制御部37により、650〜800℃程度に制御し、二酸化炭素の理論平衡圧力を上げる。本実施例では700℃に設定し、700℃になるとアノード出口5aの排出弁23を密閉とする。この再生温度は650〜800℃程度が妥当である。各二酸化炭素除去セクション3a、3bに二酸化炭素排出弁41a、41bを設け、排出弁41a、41bを開放にして、安全な所で排出させる。
二酸化炭素は炭酸化した酸化カルシウムに供給されないため、二酸化炭素を外部に排出させることにより、二酸化炭素の濃度が下がり、反応平衡を酸化カルシウムと二酸化炭素側にシフトさせ、再生させる。大気中の二酸化炭素濃度は約370ppm(2001年)であるため、それ以上の二酸化炭素の平衡圧力にする。能力が低下した方の酸化カルシウムは二酸化炭素を除去する際の反応熱による発熱や水素の燃焼熱で高温になっている。温度が700℃以上であれば、二酸化炭素排出弁41a、41bを開き、二酸化炭素を大気へ放出し、炭酸化した酸化カルシウムを再生させる。700℃以下であれば、アノード排出弁23を開き、120L/hの流量で排出ガスを流し、700℃以上になるまで加熱する。700℃以上になれば、アノード排出弁23を閉じる。700℃以下で二酸化炭素除去セクション3aを加熱している間においても、水素と二酸化炭素を含む水素ガスを供給しているので二酸化炭素除去セクション3bの出口の二酸化炭素濃度が3%以上になればそちらの方を優先して、加熱する。700℃以上となり、密閉状態においては前記記載のようにアノードの水蒸気結露防止のため、密閉時からタイマー25によりカウントし、10分密閉状態のままであれば、水蒸気排出のため、110L/hの流量でアノードのガスを排出し、その中に含まれる未反応水素を燃焼させ、二酸化炭素除去セクション3aを加熱する。何らかの条件により、排出弁23が開いた場合にリセット信号がタイマー25に入力される。タイマー25が一度作動すると、リセット信号が入力されない限り、カウントし続ける。本実施例では二酸化炭素除去セクションを再生させるため、準備する酸化カルシウムの量を減らすことができる。1日おきに酸化カルシウムを交換するとし、1日の電気使用時間を9時間として見積もると約10kWの電力が必要であり、酸化カルシウムは二酸化炭素と1:1で反応するため、重量約18kgの酸化カルシウムを1カラムとし、2つ備える。
また、本実施例では重量監視部39により、重量変化から再生の変換率を監視し、再生が完了したかどうかを確認する。また、別の再生完了を確認する実施例としては二酸化炭素除去セクションの排出弁に濃度監視部を設け、排出される二酸化炭素の濃度によって再生が完了したかどうかを確認できる。再生完了後、二酸化炭素濃度監視部に戻り、前記記載の二酸化炭素の濃度条件で、排出弁を動作させる。二酸化炭素除去セクション3bも能力低下が認められたら、切り替え弁により二酸化炭素除去セクション3aに切り替える。 この動作を繰り返すことにより、二酸化炭素除去部(酸化カルシウム)を取り替えることなく、連続運転を行う。二酸化炭素を除去する新セラミック材料としてリチウム複合酸化物があり、二酸化炭素分圧が0.5atmである時、Li2ZrO3はギブスの自由エネルギー変化から見た除去反応と放出反応の境界温度が715℃であり、Li4SiO4は256℃であると東芝レビューVol.56 No.8 (2001)に報告されている。これらの再生温度を考慮し、最適なものを選択する。再生温度の低い方が再生するのが容易で好ましい。本システムの結果、水素利用率が従来では50%で動作し、定常時においても燃料電池の発電効率が14%程度であるが、本発明により平均的な利用率を68%へ向上することができ、定常時においては燃料電池の発電効率は実施例2と同等である。
図9は、実施例7に係る燃料電池システムの二酸化炭素除去部3の構成図である。本実施例の燃料電池システムは、実施例6の燃料電池システムにおいて、二酸化炭素除去セクション3a、3bがそれぞれ熱回収フィン42a、42bを備える。二酸化炭素除去セクション3a、3bは、互いに近接して配置され、一方で発生した熱を他方が熱回収フィンで回収する。一方から他方への熱の伝達は、輻射熱や熱風により行う。基本動作は、実施例6に記載した通りである。
二酸化炭素除去セクション3a、3bにおいて、酸化カルシウムが二酸化炭素を除去する反応は、発熱反応である。二酸化炭素を除去している二酸化炭素除去セクション(ここでは3aとする。)で発生した熱を別の二酸化炭素除去セクション3bの加熱に利用する。各二酸化炭素除去セクション3a、3bは、それぞれ断熱炉43a、43bで囲まれている。断熱炉43a、43bは、一部に開口を有し、開口を介して、二酸化炭素除去セクション3aから3bに熱風を送り込み、二酸化炭素除去セクション3bの温度を上げる。
また、前記記載のタイマー25による動作で水蒸気排出時に排出される未反応水素の燃焼熱で加熱しておいても良い。また、前記記載のように二酸化炭素を除去している二酸化炭素除去セクション(ここでは3aとする。)出口の二酸化炭素濃度が3%以上のとき、アノード出口5aから排出されるガス中の水素の燃焼熱で、二酸化炭素除去セクション3aを加熱するが、その際に発生する燃焼熱を輻射熱や熱風等を熱回収フィン42bで回収し、加熱しても良い。これにより水素利用率が従来の50%から平均73%に向上できた。燃料電池の発電効率は実施例2と同等である。その他の動作条件は実施例6と同様である。
図10は、実施例8に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、実施例6の燃料電池システムにおいて、外部加熱部45をさらに備える。外部加熱部45は、外部のボンベから供給される炭化水素を燃焼させて、二酸化炭素除去セクション3a、3bを加熱する。都市ガスの炭化水素ガスや、バイオマスで得られた炭化水素ガスを使用しても良い。
また、システム起動後、外部加熱部45で二酸化炭素除去セクション3aを加熱する。 前記記載のように二酸化炭素濃度監視部21により二酸化炭素除去セクション3a出口の二酸化炭素濃度をモニターし、その濃度によって、排出弁23を制御して徐々に排出ガス量を減少させていく。アノード排出ガス中に含まれる未反応水素を水素ガス燃焼部7の燃料として燃焼させ、二酸化炭素除去セクション3aを加熱する。二酸化炭素濃度が3%以下になれば、アノード出口5aの排出弁23は閉じられ、水素ガス燃焼部7及び外部加熱部45の加熱を止める信号を送る。再び二酸化炭素濃度が3%以上になったら、アノード出口5aの排出弁23を開き、アノードの排出ガスを燃料させて、再び二酸化炭素除去セクション3aを加熱する。同様に、外部加熱部45にも信号を送り、加熱を行う。二酸化炭素除去セクションに含まれる酸化カルシウムの再生に関しては前記記載のように除去能力監視部29により、能力低下が認められた場合、信号を送り、切り替え後、起動時と同様に水素ガス燃焼部7及び外部加熱部45で二酸化炭素除去セクション3bを加熱する。
前記同様、二酸化炭素濃度により排出ガス量を調整し、二酸化炭素濃度が3%以下になれば、アノード出口5aの排出弁23を密閉する。排出弁23の密閉後、水素ガス燃焼部7は燃料が供給されなくなるため停止する。また、外部加熱部45に信号が送られ、動作を停止する。重量監視部39により、二酸化炭素除去セクション3aが再生されていないと認識された場合、外部加熱部45に動作開始信号を送り、二酸化炭素除去セクション3aを加熱し、温度制御部37により700℃以上に制御し、二酸化炭素除去セクション3aを再生させる。また、アノード極での結露を防ぐため、アノード出口5aが密閉になると、タイマー25に信号が送られ、密閉状態のまま、タイマー25が10分をカウントすると、アノード出口5aの排出弁23を開き、水蒸気と未反応の水素と二酸化炭素を排出する。その排出ガス中に含まれる水素を水素ガス燃焼部7で燃焼させ、その燃焼熱を利用して、再生中の二酸化炭素除去セクション3aを加熱する。タイマー25は前記記載と同じように、アノード出口5aの排出弁23が開くたびにリセットされる。基本的に、水素ガス燃焼部7及び外部加熱部45は、二酸化炭素濃度が3%以上では二酸化炭素を除去している二酸化炭素除去セクションを加熱し、3%以下では、再生中の二酸化炭素除去セクションを加熱する動作を行う。このように、本実施例で外部加熱部45は、二酸化炭素除去セクションの再生及び温度上昇の補助の役割を果たす。再生完了に関しては前記記載のように行う。これにより水素利用率が従来の50%から84%に向上できた。燃料電池の発電効率は実施例2と同等である。
図11に示すように、実施例9に係る燃料電池システムは、実施例8の燃料電池システムにおいて、二酸化炭素除去部3、水素ガス燃焼部7及び外部加熱部45から得られる熱を集める集熱器47と、集熱器で集めた熱を用いて、お湯を沸かして貯蔵する貯湯タンク49を備える。このように、各熱源で発生した熱を有効に利用することにより、水素利用率を向上させることができる。
実施例1に係る燃料電池システムの構成図である。 実施例1に係る水素ガス発生部の構成図である。 実施例2に係る燃料電池システムの構成図である。 実施例3に係る燃料電池システムの構成図である。 実施例4に係る燃料電池システムの構成図である。 実施例4に係る燃料電池システムの動作を示すブロック図である。 実施例5に係る燃料電池システムの構成図である。 実施例6に係る燃料電池システムの構成図である。 実施例7に係る燃料電池システムの構成図である。 実施例8に係る燃料電池システムの構成図である。 実施例9に係る燃料電池システムの構成図である。 バイオ式水素ガス発生部を用いた従来の燃料電池システムの構成図である。 水蒸気改質式水素ガス発生部を用いた従来の燃料電池システムの構成図である。
符号の説明
5a アノード出口
11 容器
13 微生物
15 有機基質供給部
17 有機基質用容器
18 ポンプ
19 圧力調整部
23 排出弁
31 切り替え弁
41a、41b 二酸化炭素排出弁
42a、42b 熱回収フィン
43a、43b 断熱炉

Claims (20)

  1. 有機基質を原料とする水素ガス発生部と、水素ガス用燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、
    水素ガス発生部から発生する水素ガス中に含有される二酸化炭素を化学反応により除去するための二酸化炭素除去部と、
    燃料電池のアノード出口から排出された排出ガス中の水素ガスを燃焼させるための水素ガス燃焼部とを有し、
    この水素ガス燃焼部から発生した熱源を二酸化炭素除去部に供給するように配設させたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 水素ガス発生部は、有機基質を分解して水素と二酸化炭素とを含む水素ガスを発生させる微生物と、微生物に有機基質を供給する有機基質供給部とを備える請求項1に記載のシステム。
  3. 二酸化炭素除去部は、アルカリ土類酸化物、リチウム酸化物、およびリチウム含有複合金属酸化物からなる群より選ばれた化合物を有する請求項1に記載のシステム。
  4. 二酸化炭素除去部の温度を制御する温度制御部をさらに備える請求項1に記載のシステム。
  5. 温度制御部は、二酸化炭素除去部の温度を測定する温度測定部と、二酸化炭素除去部を冷却する冷却部とを備え、測定した温度に基づいて冷却部を制御して二酸化炭素除去部の温度を制御する請求項4に記載のシステム。
  6. 排出ガス流量を制御する排出弁をさらに備え、温度制御部は、測定した温度に基づいて排出弁をさらに制御して二酸化炭素除去部の温度を制御する請求項5に記載のシステム。
  7. 二酸化炭素除去部の重量を監視する重量監視部をさらに備える請求項1に記載のシステム。
  8. 二酸化炭素除去部からの二酸化炭素濃度を監視する二酸化炭素濃度監視部と、排出ガス流量を制御する排出弁をさらに備え、二酸化炭素濃度監視部は、測定した二酸化炭素濃度に基づいて排出弁を制御する請求項1に記載のシステム。
  9. 二酸化炭素除去部は、複数の二酸化炭素除去セクションを備え、
    各二酸化炭素除去セクションの二酸化炭素除去能力を監視する除去能力監視部をさらに備え、
    水素ガス発生部と二酸化炭素除去部との間に切り替え弁をさらに備え、
    切り替え弁は、前記二酸化炭素除去セクションの何れか1つに水素ガス発生部からの水素ガスを供給し、
    除去能力監視部は、除去能力監視部で測定された二酸化炭素除去能力が所定の基準以下になると切り替え弁を制御して、水素ガスの供給先を別の二酸化炭素除去セクションに切り替える請求項1に記載のシステム。
  10. 排出ガス流量を制御する排出弁をさらに備え、
    除去能力監視部は、二酸化炭素除去部からの二酸化炭素濃度を監視する二酸化炭素濃度監視部を備え、
    二酸化炭素濃度監視部は、測定した二酸化炭素濃度が所定の基準値以上の場合に排出弁を制御して排出ガス流量を増大させ、
    除去能力監視部は、排出ガス流量を増大させたときから所定時間内に二酸化炭素濃度が前記基準値以下にならない場合に、二酸化炭素除去能力が所定の基準以下であると判断する請求項9に記載のシステム。
  11. 除去能力監視部は、二酸化炭素濃度監視部を備え、二酸化炭素濃度監視部が測定した二酸化炭素濃度が、一旦、第1の基準値以下になった後、第1の基準値よりも高い第2の基準値以上になると、除去能力監視部は、二酸化炭素除去能力が所定の基準以下であると判断する請求項9に記載のシステム。
  12. 除去能力監視部は、重量監視部を備え、重量監視部が測定した重量が基準値以上になると、除去能力監視部は、二酸化炭素除去能力が所定の基準以下であると判断する請求項9に記載のシステム。
  13. 各二酸化炭素除去セクションの温度をそれぞれ制御する温度制御部をさらに備え、
    温度制御部は、二酸化炭素除去能力が低下した二酸化炭素除去セクションに含まれる二酸化炭素量を減少させるように、その二酸化炭素除去セクションの温度を制御する請求項9に記載のシステム。
  14. 各二酸化炭素除去セクションの重量をそれぞれ監視する重量監視部をさらに備え、
    重量監視部は、二酸化炭素除去能力が低下した二酸化炭素除去セクションの重量が所定値以下になると、その二酸化炭素除去セクションの再生が完了したと判断する請求項13に記載のシステム。
  15. 水素ガスが供給されている二酸化炭素除去セクションは、二酸化炭素除去により発生した熱を用いて、別の二酸化炭素除去セクションを加熱する請求項9に記載のシステム。
  16. 排出ガス流量を制御する排出弁と、定期的に排出弁を開閉させるタイマーとを備える請求項1に記載のシステム。
  17. 水素ガス燃焼部は、外部から供給される燃料の燃焼により得られる熱をさらに用いて二酸化炭素除去部を加熱する請求項1に記載のシステム。
  18. 水素ガス燃焼部は、水素ガス発生部をさらに加熱する請求項17に記載のシステム。
  19. 二酸化炭素除去部を加熱する外部加熱部をさらに備える請求項1に記載のシステム。
  20. 二酸化炭素除去部、水素ガス燃焼部及び外部加熱部の少なくとも1つから得られる熱を集める集熱器をさらに備える請求項19に記載のシステム。
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