JP2005317321A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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弘之 橘
Morio Fujitani
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Abstract

【課題】書込み特性の安定化したプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
【解決手段】前面基板1上に互いに平行となるように配置しかつ誘電体層4で覆った走査電極6と維持電極7とからなる複数の表示電極と、前面基板1に放電空間3を挟んで対向配置される背面基板2上に表示電極と交差する方向に配置した複数のデータ電極9と、背面基板2上に配置し走査電極6との間で放電を行う複数のプライミング電極14とを有し、表示電極およびデータ電極9で形成される複数の放電セル11毎に誘電体層4の表面に凹部17を形成することで、書込み時の放電遅れを小さくして書込み特性を安定させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPあるいはパネルと呼ぶ)は、大画面、薄型、軽量であることを特徴とする視認性に優れた表示デバイスである。PDPの放電方式としてはAC型とDC型とがあり、電極構造としては3電極面放電型と対向放電型とがある。しかし現在は、高精細化に適し、しかも製造の容易なことからAC型かつ面放電型であるAC型3電極PDPが主流となっている。
AC型として代表的な交流面放電型のPDPは、一般に、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルを形成している。前面板は、走査電極と維持電極とからなる表示電極が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極を覆うように誘電体層および保護膜が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁がそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向、密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。
このような構成のパネルにおいて、データ電極、表示電極に印加される周期的な電圧によって各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線でR、G、Bの各色の蛍光体を励起して発光させることによりカラー表示を行っている(例えば、特許文献1など)。
このPDPを駆動する方法としては、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって駆動し階調表示を行う、いわゆるサブフィールド法が一般的である。ここで、各サブフィールドは初期化期間、書込み期間および維持期間をもつ。画像データを表示するためには、初期化期間、書込み期間および維持期間でそれぞれ異なる信号波形を各電極に印加している。
初期化期間では、例えば、正のパルス電圧を全ての走査電極に印加し全ての放電セルで一斉に初期化放電を行い、それ以前の個々の放電セルに対する壁電荷の履歴を消すとともに、続く書込み動作のために、走査電極および維持電極を覆う誘電体層上の保護膜および蛍光体層上に必要な壁電荷を蓄積する。加えて、書込み放電を安定に発生させるためのプライミング(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させるという働きを有する。
書込み期間では、全ての走査電極に順次走査パルスを印加するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した正の書込みパルスを印加し、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を起こし、走査電極上の保護膜の表面に壁電荷の形成を行う。
続く維持期間では、一定の期間、走査電極と維持電極との間に放電を維持するのに十分な電圧で所定の回数の維持パルスを印加する。これにより、書込み放電による壁電荷形成を行った放電セルを選択的に放電させ、蛍光体層を励起発光させる。書込み期間においてデータ電極にパルスが印加されなかった放電空間では、放電は発生せず蛍光体層の励起発光は起こらない。
このようなPDPにおいて、画像を正しく表示するためには書込み期間における選択的な書込み放電を確実に行うことが重要であるが、回路構成上の制約から書込みパルスに高い電圧が使えないこと、データ電極上に形成された蛍光体層が放電を起こりにくくしていることなど、書込み放電に関しては放電遅れを大きくする要因が多い。したがって、書込み放電を安定に発生させるためのプライミングが非常に重要となる。しかしながら、放電によって生じるプライミングは時間の経過とともに急速に減少する。そのため、上述したパネルの駆動方法において、初期化放電から長い時間が経過した書込み放電に対しては初期化放電で生じたプライミングが不足し放電遅れが大きくなり、書込み動作が不安定になって画像表示品質が低下するといった課題があった。あるいは、書込み動作を安定に行うために書込み時間を長く設定し、その結果、書込み期間に費やす時間が大きくなりすぎるといった課題があった。
これらの課題を解決するために、前面板に補助放電電極を設け前面板側の面内補助放電によって生じたプライミングを用いて放電遅れを小さくするパネルとその駆動方法が提案されている(例えば、特許文献2など)。
また、効率向上の手法の1つとして、放電ガス中のXe分圧を上昇する方法が一般的に知られている。しかし、Xe分圧を上昇させると放電電圧が上昇するだけではなく、発光強度が急増するために輝度飽和が発生する問題が生じる。この輝度飽和を抑制するために、誘電体層の膜厚を厚くする方法が知られ、例えば表示電極を形成する金属電極上の誘電体層膜厚を厚くすることにより、金属電極でマスクされる部分の発光を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献3など)。しかし、単に誘電体層の膜厚を厚くすると、誘電体層の透過率が低下し輝度が低下し、放電電圧も上昇するという問題が発生する。
特開2001−195990号公報 特開2002−297091号公報 特開平8−250029号公報
しかしながら、このようなPDPにおいて、走査電極数を増やして画面の高精細化を図ると、書込み時間に費やす時間が長くなり維持期間に費やす時間が不足するので、結果的に輝度が低下するという課題が生じてしまう。また、高輝度・高効率化を達成するためにキセノン分圧を上げると放電開始電圧が上昇し、さらに放電遅れが大きくなって書込み動作が不安定になるという課題があった。また、書込み特性は製造プロセスの影響も大きいため、製造バラツキの影響を受けないように書込み時の放電遅れを小さくして書込み時間を短くすることが求められている。
このような要求に対し、従来の前面板面内で補助放電を行うPDPは、補助放電自体の放電遅れが大きいため書込み時の放電遅れを十分に短縮できないという課題や、補助放電の動作マージンが小さいためにパネルによっては誤放電を誘発する課題、さらには隣接する放電セルへプライミングに必要な粒子以上のプライミング粒子が供給されてクロストークを生じるなどの課題がある。プライミング粒子を供給するための安定した補助放電を実現するには所定電極間距離が必要となる。したがって、前面板面内での補助放電では補助放電セルが大きくなり、パネルの高精細化ができないという課題を有している。
また、効率向上に関する従来の構造では、表示電極の金属電極上の誘電体層の膜厚を厚くした部分で発光を抑制するためには、放電を十分に抑制できる程度まで膜厚を厚くする必要がある。したがって、走査電極は背面板からの距離が離れることとなり、書込み時の電圧が上昇する恐れがある。また、表示電極に対して垂直な方向の放電は抑制されるが、表示電極と平行方向の放電は抑制されず、隔壁近傍まで放電が広がる。さらに、隔壁により電子温度の低下や、電子とイオンの再結合が発生するため効率が低下する恐れもある。
その他の対策としては、蛍光体からの発光の取り出し効率(開口率)を上げる方法が挙げられるが、前面板には電極の抵抗を下げる目的で形成される金属電極はメタルで形成されているため、その部分は光を通さず開口率が低下する。このため、金属電極を可能な限り発光領域から離す必要がある。その場合、平行に走る隣の放電セルの電極との距離が狭くなるため、電荷の移動が容易に起こり、非表示領域が発光する、いわゆるクロストークが発生し、表示品質が著しく低下する。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、高精細化した場合でも書込み動作を安定かつ高速に行うことができ、歩留りよく発光効率の高いPDPを実現することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のPDPは、互いに平行に配置され誘電体層に覆われた複数の走査電極および複数の維持電極よりなる一対の表示電極を有する第1の基板と、平行に配置された複数のデータ電極とデータ電極と交差する方向に配置された複数のプライミング電極とを有する第2の基板とを、第1の基板上の走査電極および維持電極と第2の基板上のデータ電極とが交差する方向に対向配置して放電空間を形成するとともに、走査電極および維持電極とデータ電極とを備えた複数の主放電セルと、主放電セルに隣接して隔壁により区画された隙間部および走査電極とプライミング電極とを備えたプライミング放電セルとを形成し、誘電体層の放電空間側の表面に主放電セル毎に凹部を形成している。
この構成により、誘電体層の膜厚の薄くなった凹部の底面の容量を大きくし、放電のための電荷を凹部の底面に集中するとともに、第1の基板と第2の基板との上下方向でプライミング放電を発生させることが可能になる。したがって、補助放電セルを小さくして主放電セルにおける放電を容易に制御し、放電遅れを小さくして高速かつ安定な書込み放電を実現でき、高精細化に好適な品質の高い画像を表示することができる。
本発明のPDPは、互いに平行に配置され誘電体層に覆われた複数の走査電極および複数の維持電極よりなる一対の表示電極を有する第1の基板と、平行に配置された複数のデータ電極とデータ電極と交差する方向に配置された複数のプライミング電極とを有する第2の基板とを、第1の基板上の走査電極および維持電極と第2の基板上のデータ電極とが交差する方向に対向配置して放電空間を形成するとともに、走査電極および維持電極とデータ電極とを備えた複数の主放電セルと、主放電セルに隣接して隔壁により区画された隙間部および走査電極とプライミング電極とを備えたプライミング放電セルとを形成し、誘電体層の放電空間側の表面に主放電セル毎に凹部を形成し、放電ガスとしてXe分圧が5%〜30%のXeを含む混合ガスを封入している。
この構成により、補助放電セルを小さくして主放電セルにおける放電を容易に制御し、放電遅れを小さくして高速かつ安定した書込み放電を実現でき、高精細化に好適な品質の高い画像を表示することができる。さらに、放電ガス中のXe分圧を5%〜30%と高くした場合でも、放電領域を制限して電流を制御し、輝度の飽和を防止することが可能となる。
さらに、放電ガスが、XeとNeおよび/またはHeとを含んでもよく、より高Xe分圧で高輝度のPDPを実現することができる。
さらに、凹部は円柱形状、円錐形状、楕円柱形状、楕円錐形状、角部が曲面を有する多角柱形状であることが望ましい。この構成により、誘電体層に凹部を形成して焼成する際に、凹部のコーナー部に応力が集中し凹部の形状が変形するのを抑制することが可能になる。したがって、誘電体層に安定した形状の凹部を形成することができる。
さらに、主放電セル毎に少なくとも2つの凹部を形成することが望ましく、放電を凹部の底面から放電ギャップを挟んで突出する部分を超えて放電し、放電距離を伸ばすことが可能になる。したがって、放電ガス中のXeが励起される確率が増加し、放電の制御と高効率を両立することができる。さらに、放電は凹部の底面のみで発生するため、セル内部の放電位置をセル中央から分散させることができる。
さらに、2つの凹部が溝部によって連結されていることが望ましく、溝部から放電を発生させることができ、放電の種火としての役割をもたせ、放電電圧を低下させることができ、効率を向上させることができる。
さらに、表示電極をそれぞれ放電電極と放電電極に給電するためのバス電極とにより構成するとともに、表示電極を表示ライン毎に放電ギャップを介して対向配列し、表示電極の放電電極を凹部の底部領域においてバス電極から垂直に放電ギャップに向けて突出させて形成することが望ましい。
この構成により、放電電極を隔壁から離し、隔壁付近に蓄積される電荷を抑制することが可能となる。したがって、主放電セルにおける放電を凹部の底面に制限し、効率の向上を図ることができる。
さらに、凹部の底部領域において放電ギャップを介して対向する放電電極の幅が、凹部の幅と同等またはそれよりも小さいことが望ましく、書込み時に走査電極とデータ電極との間で放電を発生しやすくすることが可能となる。したがって、PDPの駆動マージンを広く取ることができる。
さらに、凹部の底部領域において放電ギャップを介して対向する放電電極が、複数に分割されていることが望ましく、書込み時に走査電極とデータ電極との間で放電を発生しやすくすることが可能となる。したがって、PDPの駆動マージンを広く取ることができる。
さらに、凹部の底部領域において放電ギャップを介して対向する放電電極は、当該電極面がくりぬかれていることが望ましく、放電電極の面積の縮小して書込み時に走査電極とデータ電極との間で放電を発生しやすくすることが可能となる。
さらに、放電電極が透明電極であることが望ましく、放電電極の光透過率を高め、蛍光体の発光を効率よく取り出すことができる。
さらに、表示電極およびデータ電極で形成される主放電セルにおいて、表示電極を覆う誘電体層が表示電極と重なり合うように凹部を有し、凹部と走査電極とが重なり合う面積を、凹部と維持電極とが重なり合う面積より大きくなるように構成することが望ましい。
この構成により、書込み動作時において走査電極とデータ電極との間での書込み放電を確実に発生させることが可能となる。
さらに、主放電セルにおける凹部の位置を、走査電極側に片寄ったものとすることで、凹部と走査電極とが重なり合う面積を、凹部と維持電極とが重なり合う面積より大きくなるように構成することが望ましい。この構成により、簡単に凹部と走査電極とが重なり合う面積を、凹部と維持電極とが重なり合う面積より大きくなるようにすることができる。
さらに、走査電極と維持電極とはそれぞれ透明電極と金属材料のバス電極とを備え、凹部が走査電極とは少なくともバス電極と重なり合い、維持電極とは透明電極とのみ重なり合うように、走査電極側に片寄っていることが望ましい。この構成により、電気抵抗の小さい走査電極上の誘電体層に電荷がさらに溜まりやすく、書込み期間での書込み放電をさらに確実に発生させることができる。
さらに、表示電極を覆う誘電体層を少なくとも2層構造とし誘電体層の放電空間側の表面に凹部を形成することが望ましい。この構成により、誘電体層の凹部の形成が容易になる。
さらに、誘電体層は、表示電極を覆うように形成した下層の誘電体層と、その上を覆うように放電空間側に形成された上層の誘電体層とから構成し、上層の誘電体層をくりぬいて凹部を形成することが望ましい。この構成により、下層の誘電体層を形成した後、上層の誘電体層にエッチングなどを施すことにより容易に凹部を形成することができる。
また、凹部の底面が下層の誘電体層となるように上層の誘電体層をくりぬいて形成することが望ましい。この構成により、上層の誘電体層を形成する工程で露光パターンなどにより、容易に凹部を形成することができる。
さらに、誘電体層を誘電率の異なる少なくとも2層構造とすることが望ましく、主放電セルにおける放電を容易に制御することが可能となる。
さらに、上層の誘電体層の誘電率を下層の誘電体層の誘電率よりも小さくすることが望ましく、誘電体層の膜厚の薄くなった凹部の底面の容量を大きくし、放電のための電荷を凹部の底面に集中的に形成し、放電を容易に制御できる。
さらに、誘電体層を軟化点の異なる材料により形成した少なくとも2層構造とすることが望ましく、さらに上層の誘電体層を形成する材料の軟化点を下層の誘電体層を形成する材料の軟化点よりも小さくすることが望ましい。
このような構成とすることにより、下層を焼成した後に上層を塗布、乾燥し、焼成する段階や、その後の熱プロセスにより下層が再軟化することがない。したがって、安定した形状の凹部を形成することができる。
さらに、誘電体層は、ZnO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B23−SiO2−Al23系の混合物、PbO−ZnO−B23−SiO2系の混合物、Bi23−B23−SiO2系の混合物の中から選ばれるガラス粉末により構成することが望ましい。この構成により、誘電体層を形成する材料の中から誘電率の異なる材料あるいは軟化点の異なる材料を任意に選択することが可能になる。
また、本発明のPDPは、互いに平行に配置され誘電体層に覆われた複数の走査電極および複数の維持電極よりなる一対の表示電極を有する第1の基板と、平行に配置された複数のデータ電極とデータ電極と交差する方向に配置された複数のプライミング電極とを有する第2の基板とを、第1の基板上の走査電極および維持電極と第2の基板上のデータ電極とが交差する方向に対向配置して放電空間を形成するとともに、走査電極および維持電極とデータ電極とを備えた複数の主放電セルと、主放電セルに隣接して隔壁により区画された隙間部および走査電極とプライミング電極とを備えたプライミング放電セルとを形成し、誘電体層の放電空間側の表面に主放電セル毎に凹部を具備し、1フィールド期間を初期化期間、書込み期間、維持期間を有する複数のサブフィールドで構成し、サブフィールドの書込み期間において、プライミング電極の各々に対応する走査電極の走査に先だって対応する走査電極との間でプライミング放電を発生させるための電圧をプライミング電極の各々に印加している。
この構成により、サブフィールドの書込み期間において各々の走査電極の走査に先だって、第1の基板と第2の基板との上下方向でプライミング放電を発生させるとともに、誘電体層の膜厚の薄くなった凹部の底面の容量を大きくし、放電のための電荷を凹部の底面に集中させて主放電セルにおける放電を容易に制御することが可能となる。したがって、補助放電セルを小さくしてプライミング放電を安定的に形成することができる。また、各主放電セルの書込み動作の直前に発生させたプライミング放電から十分なプライミングが供給された状態で、書込み放電を行うことが可能となる。これにより、放電遅れが小さく、高速かつ安定した書込み放電を実現でき、高精細化に好適な品質の高い画像を表示することができる。
以上のように本発明によれば、プライミング放電を小さな空間で確実に、しかも、書込み動作を安定かつ高速に行うことができるため、パネルが高精細化した場合でも書込み時の放電遅れが小さく書込み特性が良好なPDPを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態におけるPDPについて、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、図1〜図4により、本発明の実施の形態1におけるPDPの構造について説明する。図1は本発明の実施の形態1におけるPDPの構造を示す断面図、図2は第1の基板である前面板側の電極配列を示す平面図、図3は前面板側の放電セル部分の構造を示す斜視図、図4は第2の基板である背面板側の構造を示す斜視図である。
図1、図2に示すように、ガラス製の前面基板1と背面基板2とが放電空間3を挟んで対向配置され、放電空間3には放電によって紫外線を放射するNe(ネオン)およびXe(キセノン)などの混合ガスが封入されている。
前面基板1上には、走査電極6と維持電極7とが放電ギャップ18を挟んで互いに平行に対をなして複数形成されている。走査電極6と維持電極7は、それぞれ透明電極6a、7aと、透明電極6a、7a上に形成され電気的に接続されたCr/Cu/CrまたはAgなどからなるバス電極6b、7bとから構成されている。また、バス電極6b、7bが形成されている側の走査電極6−維持電極7間には黒色材料からなる光吸収層8が設けられ、走査電極6のバス電極6bの突出部6b’は光吸収層8上にまで突出して形成されている。さらに、一対の走査電極6と維持電極7とからなる表示電極、および光吸収層8を覆うように誘電体層4が形成され、誘電体層4を覆って保護膜5が形成されている。ここで、図3に示すように、誘電体層4の表面には各放電セル11毎に凹部17が形成され、誘電体層4は各発光画素領域において厚みの厚い部分と薄い部分を有する構造としている。
背面基板2上には、データ電極9が互いに平行に複数形成され、このデータ電極9を覆うように誘電体層15が形成され、その上に発光画素領域となる複数の放電セル11を区画するための隔壁10が形成されている。図2に示すように、一対の走査電極6と維持電極7とからなる表示電極と隔壁10で囲まれた領域が発光画素領域19となり、隣接する放電セル11に挟まれ光吸収層8が形成された領域が非発光領域20となっている。また、隔壁10は、図4に示すように、データ電極9と平行な方向に延びる縦壁部10aと、放電セル11を形成しかつ放電セル11の間に隙間部13を形成する横壁部10bとで構成されている。そして、隙間部13にはプライミング電極14がデータ電極9と直交する方向に形成され、プライミング空間13aを構成している。そして、隔壁10により区画された放電セル11に対応する背面基板2の誘電体層15の表面と隔壁10の側面とに蛍光体層12が設けられている。
前面基板1と背面基板2を対向配置して封着する際、前面基板1上に形成された走査電極6のバス電極6bのうちの光吸収層8上に突出した突出部6b’が、背面基板2上に形成されたプライミング電極14と平行にかつプライミング空間13aを挟んで対向するように位置合わせする。すなわち、PDPは、前面基板1側に形成された突出部6b’と、背面基板2側に形成されたプライミング電極14との間でプライミング放電を行う構成となっている。
つぎに、実施の形態1における放電領域の制御に関して、図5を用いて説明する。図5(a)に示すように、誘電体層4の膜厚の薄くなった凹部17の底面は容量が大きくなるため、放電のための電荷は凹部17の底面に集中的に形成されることとなり、放電領域Aを制限することができる。また、凹部17の底面では、それ以外の部分に比べて誘電体層4の膜厚が薄いため、放電の開始はこの底面から発生することになる。逆にいえば、凹部17の底面以外は誘電体層4の膜厚が厚くなるため、その部分の容量が低下し、その部分に存在する電荷は少なくなる。さらに、誘電体層4の膜厚が厚いため放電電圧も上昇する。これらの効果により、放電は、凹部17の底面に制限されることとなる。実施の形態1では、この原理を応用することで、凹部17のサイズを変更すればその部分に形成される電荷の量を任意に制御することができる。これにより、PDPの発光効率を高め、隣接セルとのクロストークを大幅に抑制することができる。
これに対し、図5(b)に示すような凹部のない従来の構造では、誘電体層4の膜厚が一定であるため、容量が誘電体層4の面上で一定である。そのため、放電領域Bが電極付近に広がって、放電領域以外の遮蔽される部分の蛍光体を発光させるため効率が低下し、隣接セルに近い部分まで電荷が形成され隣接セルとの誤放電が発生しやすい。
ところで、PDPの高効率化を達成するためには、放電を制御し遮蔽される部分での放電を極力抑制することが必要である。この効率向上の手法の1つとして、表示電極のバス電極6b、7b上の誘電体層4の膜厚を厚くしてバス電極6b、7bでマスクされる部分の発光を抑制する方法が知られている。この場合は、電極に対して垂直な方向の発光は抑制されるが、電極と平行方向の放電は抑制されず、隔壁近傍まで放電が広がり、効率が低下する恐れがある。さらに、隔壁付近で放電を行うと隔壁が負に帯電し正イオンをひきつけるため、イオン爆撃を受けてエッチングされることが知られている。これにより、エッチングされた隔壁が蛍光体に降り積もるなどして、特性を劣化させる恐れがある。また、放電を抑制するために誘電体層4の膜厚を厚くすると、データ電極9から前面基板1の電極までの距離が長くなり、書込み時の電圧が上昇する恐れが生じる。
また、本発明の実施の形態1によれば、図4に示すように、背面基板2の隙間部13には、この隙間部13内の空間において前面基板1と背面基板2間で放電を生じさせるための第4電極となるプライミング電極14がデータ電極9と直交する方向に形成され、隙間部13によってプライミング放電セルが形成されている。また、この隙間部13は、データ電極9と直交する方向に連続的に形成されている。また、図1に示すように、このプライミング電極14は、データ電極9を覆う誘電体層15上に形成され、このプライミング電極14を覆うようにさらに誘電体層16が形成されており、データ電極9よりも隙間部13内の空間に近い位置に形成されている。そして走査電極6のバス電極6bの一部が、隙間部13に対応する位置に延長して光吸収層8上に形成されている。すなわち、隣接した走査電極6のうち、隙間部13の領域の方向に突出したバス電極6bと、背面基板2側に形成されたプライミング電極14との間でプライミング放電が行われる。
なお、図1ではプライミング電極14を覆うようにさらに誘電体層16が形成されているが、この誘電体層16は形成しなくてもよい。
また、本発明の実施の形態1では、背面基板2に隔壁10として縦壁部10aと横壁部10bとを設けて略矩形の放電セル11を形成するとともに、隙間部13は走査電極6および維持電極7と並行して形成された空間としているが、このような放電セル形状に限定されず、隔壁が蛇行して放電セルを形成している場合などでも適用可能であることはいうまでもない。
つぎに、実施の形態1におけるPDPを駆動するための構造、および駆動波形とそのタイミングについて説明する。図6はPDPの電極配列図である。列方向にm列のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極9)が配列され、行方向にn行の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極6)とn行の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極7)とが交互に配列されている。さらに、走査電極SC1〜SCnの突出部6b’と対向するようにn行のプライミング電極PR1〜PRnが配列されている。そして、一対の走査電極SCi、維持電極SUi(i=1〜n)と1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とを含む放電セルCi,j(図1の放電セル11)が放電空間内にm×n個形成され、隙間部13には走査電極SCiの突出部6b’とプライミング電極PRiとを含むプライミング空間PCi(図1のプライミング空間13a)がn行形成されている。
図7は、PDPの駆動方法を示す駆動波形図である。本実施の形態においては、1フィールド期間が初期化期間、書込み期間、維持期間を有する複数のサブフィールドから構成されているが、それぞれのサブフィールドは維持期間における維持パルスの数が異なる以外は同様の動作を行うため、1つのサブフィールドにおける動作について以下に説明する。
初期化期間前半部では、データ電極D1〜Dm、維持電極SU1〜SUnおよびプライミング電極PR1〜PRnをそれぞれ0(V)に保持し、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加する。この傾斜波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dm、プライミング電極PR1〜PRnとの間でそれぞれ1回目の微弱な初期化放電が起こり、走査電極SC1〜SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上部、維持電極SU1〜SUn上部およびプライミング電極PR1〜PRn上部には正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上部の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上に蓄積された壁電荷により生じる電圧をあらわす。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜SUnを正電圧Veに保ち、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。この間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dm、プライミング電極PR1〜PRnとの間でそれぞれ2回目の微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整され、プライミング電極PR1〜PRn上部の正の壁電圧もプライミング動作に適した値に調整される。以上により初期化動作が終了する。
書込み期間では、走査電極SC1〜SCnを一旦電圧Vcに保持する。そして、1行目のプライミング電極PR1に電圧Vpを印加する。特にこの場合、電圧Vpは走査電極SC1〜SCnの電圧変化分(Vc−Vi4)を十分に超える高い電圧である。すると、プライミング電極PR1と走査電極SC1の突出部6b’との間でプライミング放電が発生し、1行目の走査電極SC1に対応する1行目の放電セルC1,1〜C1,m内部にプライミングが拡散する。
つぎに、1行目の走査電極SC1に走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち1行目に表示すべき画像信号に対応するデータ電極Dk(kは1〜mの整数をあらわす)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このとき書込みパルス電圧Vdを印加したデータ電極Dkと走査電極SC1との交差部で放電が発生し、対応する放電セルC1,kの維持電極SU1と走査電極SC1との間の放電に進展する。そして、放電セルC1,kの走査電極SC1上部に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上部に負の壁電圧が蓄積される。この結果、1行目の走査電極SC1を含む1行目の放電セルC1,kの放電は、その直前に走査電極SC1とプライミング電極PR1との間で発生したプライミング放電から十分なプライミングが供給された状態で発生するため、放電遅れが非常に小さく、高速かつ安定な放電となる。さらに、1行目の走査電極SC1による書込み動作と同時に、2行目の走査電極SC2に対応するプライミング電極PR2に電圧Vpを印加し、プライミング放電を発生させ、2行目の走査電極SC2に対応する2行目の放電セルC2,1〜C2,m内部にプライミングを拡散させる。
以下同様に、2行目の書込み放電を行うとともに3行目のプライミング放電を発生させる。このときの一連の書込み放電はその直前に発生したプライミング放電から十分なプライミングが供給された状態で発生するため放電遅れが小さく、したがって高速かつ安定な放電となる。
同様の書込み動作をn行目の放電セルCn,kに至るまで行い、書込み動作が終了する。
維持期間においては、走査電極SC1〜SCnおよび維持電極SU1〜SUnを0(V)に一旦戻した後、走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加する。このとき、書込み放電を起こした放電セルCi,jにおける走査電極SCi上部と維持電極SUi上部との間の電圧は、維持パルス電圧Vsに加えて、書込み期間において走査電極SCi上部および維持電極SUi上部に蓄積された壁電圧が加算されるので放電開始電圧を超え維持放電が発生する。以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに維持パルスを交互に印加することにより、書込み放電を起こした放電セルCi,jに対して維持パルスの回数だけ維持放電が継続して行われる。
図8は、プライミング放電からの時間経過と放電遅れとの関係に関する実験結果を示している。これにより、プライミング放電から10μs以内に書込みを行えば放電遅れの小さい書込みが可能であることが実験的に確認できる。
なお、AC型PDPの各電極は誘電体層に囲まれており放電空間と絶縁されているため直流成分は放電そのものには何ら寄与しない。したがって、これまで説明した駆動波形に直流成分を加えた波形を用いても同様の効果が得られることはいうまでもない。
以上述べたように、実施の形態1によれば、プライミング放電を前面基板1に設けられた走査電極6と背面基板2に設けられたプライミング電極14との間で上下方向に発生させ、しかも、このプライミング電極14は隙間部13の領域にのみデータ電極9と直交して形成している。したがって、プライミング放電を隙間部13の領域のみで発生させることが可能になる。そのため、プライミング放電を前面基板1の面内で発生させる場合に比べ、隣接する放電セル11へプライミングに必要な粒子以上のプライミング粒子が供給されることによって発生するクロストークを抑制することができる。
さらに、プライミング放電を前面基板1の面内で発生させる場合には、安定したプライミング放電をさせるために電極間距離が必要となり、プライミング放電セルが大きくなる。その結果、全放電セルに占めるプライミング放電セルの面積が増加してパネル輝度が低下する。また、走査パルスを印加するタイミングで前面基板1の面内以外でプライミング放電を発生させようとすれば、走査電極6の一部を背面基板2側に配線するための構造や電極取り出し構造が複雑になったり、耐電圧を確保しにくいなどの課題がある。これに対し、前面基板1に設けられた走査電極6と背面基板2に設けられたプライミング電極14との間でプライミング放電を上下方向に発生させることで、プライミング放電セルを小さくでき、高精細化しても書込み特性に優れ、パネル輝度も向上したPDPを実現することができる。
また、プライミング放電を生じさせる隙間部13はデータ電極9と直交する方向に連続して形成されている。このため、プライミング電極14に沿って、長い隙間部13において生じるプライミング放電の放電バラツキを小さくすることができる。
また、従来の初期化放電のプライミングのみに依存した書込み放電とは異なり、各放電セルの書込み動作の直前に発生させたプライミング放電から十分なプライミングが供給された状態で隙間部の領域において確実に書込み放電を行うことができる。上記により、実施の形態1のPDPによれば、書込み時の放電遅れを効果的に低減することにより、高速かつ安定した書込み放電を実現でき、高精細化に好適な品質の高い画像を表示することができる。
なお、図9に示すように、電極配列を、維持電極SU1−走査電極SC1−走査電極SC2−維持電極SU2−・・・となるように走査電極6と維持電極7とを2本ずつ交互に配列し、走査電極6同士が隣り合う部分に対応する隙間部13にのみプライミング電極14を形成する構造であっても、実施の形態1による方法を適用可能であることはいうまでもない。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2におけるPDPについて、図10〜図12を用いて説明する。実施の形態2は、実施の形態1に適用可能な放電セルの構造に関する応用例を示している。
図10、図11は前面板121の放電セル部分を拡大して示している。図面に示すように、誘電体層127は、一対の走査電極124と維持電極125とからなる表示電極を覆うように前面基板123上に形成した下層の誘電体層127aと、その上を覆うように放電空間側に形成され、下層の誘電体層127aと誘電率が異なる上層の誘電体層127bとから形成されている。そして、誘電体層127の誘電体層127bの表面には、放電セル毎に凹部127cが形成されている。この凹部127cは、上層の誘電体層127bのみを放電セル毎にくりぬいて形成し、凹部127cの底面が下層の誘電体層127aとなるように形成してもよい。また、好ましくは下層の誘電体層127aより上層の誘電体層127bの誘電率が小さくなるように形成する。
また、この誘電体層は、焼成することによってガラス焼結体(誘電体層)となるもので、含有されるガラス粉末としては、例えばZnO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B23−SiO2−Al23系の混合物、PbO−ZnO−B23−SiO2系の混合物、Bi23−B23−SiO2系の混合物などを挙げることができる。ここで、用いられるガラスの誘電率としては、前記ZnO−B23−SiO2系ガラスが最も低く、次いでPbO−B23−SiO2系、Bi23−B23−SiO2系と続く。実施の形態2においては、この誘電率の異なるガラス粉末を使用して誘電率の異なる誘電体層を形成するものである。
実施の形態2においては、誘電体層127に凹部127cを形成することで、誘電体層の膜厚の薄くなった凹部127cの底面は容量が大きくなるため、放電のための電荷は凹部127cの底面に集中的に形成されることとなり、図11のAのように放電領域を制限することができる。また、誘電体層を2層構造として、上層の誘電体層127bの誘電率を低下させることにより容量を低下させ、上層の膜厚を厚くすることなくそこに溜まる電荷の量を減少させて放電を容易に制御できるようになる。したがって、図12に示す従来例では、放電領域が広がるために隣接セルとのクロストークなどが発生するが、本発明の実施の形態によればこれらの課題を解決することができる。
さらに、その他の高効率化として、蛍光体からの発光の取り出し効率を上げる、すなわち開口率を上げる方法があるが、前面基板123には電極の抵抗を下げる目的で形成されるバス電極124b、125bはメタルで形成されているため、その部分は光を通さず開口率が低下する。このため、バス電極124b、125bを可能な限り発光領域から離す必要がある。しかし、その場合には平行に走る隣のセルの電極との距離が狭くなるため、電荷の移動が容易に起こり、発光を望まないセルが発光する、いわゆるクロストークが発生し表示品質が著しく低下する。この観点から考えると、放電に使われる電荷がバス電極124b、125bから放電ギャップ側に抑制される必要がある。すなわち、バス電極124b、125bから非発光領域にかけては、上述したように誘電体層127の容量を小さくしてクロストークを抑制できる十分な誘電体層の厚さが必要になる。
実施の形態2においては、バス電極124b、125bから非発光領域において膜厚が厚くなる上層の誘電体層127bの誘電率を下層の誘電体層127aよりも小さくすることで、その領域の容量を小さくすることができ、そこに溜まる電荷を抑制することができる。また、容量を小さくすると、その部分での放電開始電圧もそれに伴って上昇するため、その部分での放電がさらに抑制されることとなり、これにより隣接セルとのクロストークを大幅に抑制することができる。
なお、凹部127cの形状は上記の形状以外に、円柱、円錐、三角柱、三角錐などの形状でもよく、上記実施の形態に限るものではない。
つぎに、PDPの製造方法について、説明する。
まず、前面基板123としてのガラス基板上に、ITOやSnO2などからなる透明電極材料膜をスパッタ法により一様に成膜する。透明電極材料膜の膜厚は約100nmである。つぎに、透明電極材料膜上に、ノボラック樹脂を主成分とするポジ型レジストを1.5μm〜2.0μmの膜厚で塗布し、所望のパターンの露光乾板を介して紫外線を露光し、レジストを硬化させる。つぎに、アルカリ水溶液で現像を行い、レジストパターンを形成する。その後、塩酸を主成分とする溶液に基板を浸漬させてエッチングを行い、不要部分の除去を行い、最後にレジストを剥離して透明電極124a、125aを形成する。
つぎに、RuO2などからなる黒色顔料、ガラスフリット(PbO−B23−SiO2系やBi23−B23−SiO2系など)を含有する黒色電極材料膜と、Agなどの導電性材料、ガラスフリット(PbO−B23−SiO2系やBi23−B23−SiO2系など)を含有する金属電極材料膜とからなる電極材料膜を形成する。その後、所望のパターンの露光乾板を介して紫外線を照射し露光部を硬化させ、その後、アルカリ性現像液(0.3wt%の炭酸ナトリウム水溶液)を用いて現像してパターンを形成する。その後、空気中でガラス材料の軟化点以上の温度で焼成を行い、電極を基板に固着させる。このように透明電極124a、125a上にバス電極124b、125bを形成することにより、表示電極を形成することができる。
つぎに、ガラス粉末、結着樹脂、および溶剤を含有するペースト状のガラス粉末含有組成物(ガラスペースト組成物)を、例えばダイコート法を用いて表示電極が固定されたガラス基板よりなる前面基板123の表面に塗布して乾燥し、焼成することにより、誘電体層127を形成する。なお、ガラスペースト組成物を支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾燥して膜形成材料層を形成し、支持フィルム上に形成された膜形成材料層(シート状誘電体材料)を用いて2層からなる誘電体層127を形成してもよい。この場合、誘電体層127はシート状誘電体材料のカバーフィルムを剥離した後、誘電体材料層の表面が前面基板123に接するようにシート状誘電体材料を重ね合わせながら、支持フィルム側から加熱ローラーで圧着してガラス基板に固着する。その後、ガラス基板上に固着された誘電体材料層から支持フィルムを剥離除去する。このとき、圧着に使用する手段としては、加熱ローラー以外に加熱しない単なるローラーでもよい。
また、凹部127cを形成する方法としては、放電空間側の上層に前記ガラスペースト組成物に感光性材料を添加して感光性ガラスペースト組成物を作製し、上述した方法で電極を覆った後、露光、現像して所望のパターンを形成する方法が挙げられる。
また、上層の誘電体層127bと下層の誘電体層127aに含有されるガラス粉末の誘電率は、それぞれ異なっている。そして、この誘電体層127には、エッチングなどにより放電セルとなる発光画素領域に凹部127cを形成することにより、厚みの厚い部分と薄い部分を有する構造としている。
その後、MgOを電子ビーム蒸着法により誘電体層127に一様に成膜して、膜厚約600nmの保護膜を形成することにより、上層の誘電体層127bと下層の誘電体層127aとの誘電率とが異なる所望の立体構造の誘電体層127を有するPDPが得られる。
以上のように本発明の実施の形態2におけるPDPによれば、前面板121の誘電体層127を誘電率の異なる少なくとも2層構造とし、かつ誘電体層127の放電空間側の表面に放電セル毎に凹部127cを形成することにより、放電を制御することができ、効率の向上と画質の向上を達成できる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3におけるPDPについて説明する。実施の形態3は、実施の形態2に関する応用例である。
実施の形態2に示した誘電体層127が誘電率の異なる2層構造により構成されているのに対して、実施の形態3では軟化点の異なる2層構造としている。以下、図10〜図12を用いて説明する。実施の形態3の基本構成は実施の形態2と同様である。
図10、図12に示すように、誘電体層127は下層の誘電体層127aと軟化点が異なる上層の誘電体層127bとから形成されている。好ましくは下層の誘電体層127aより上層の誘電体層127bの軟化点が低くなるように形成する。また、凹部127cは隔壁よりも内側に位置するように、例えば隔壁から少なくとも20μm離すことが好ましい。ここで、この誘電体層127の材料としては、実施の形態2における誘電体層と同様の材料などを挙げることができる。
また、上層の誘電体層127bの軟化点は、下層の誘電体層127aの軟化点より低く、上層の誘電体層127b形成後の、保護膜の形成時の温度や、封着、排気ベーキング時の温度より高いことが好ましい。これは、形成した上層の誘電体層127bが、後の熱プロセスにより再軟化することを防止するためである。
例えば、保護膜の形成時の温度や、封着、排気ベーキング時の温度が500℃程度というような高温の場合、上層の誘電体層127bの軟化点はそれよりも高いことが要求され、そのような場合には、例えば、下層の誘電体層127aの軟化点を570℃から600℃とし、上層の誘電体層127bの軟化点を540℃から570℃とする。ここで、軟化点の調整は、誘電体層127を形成する材料中のPbOの組成比やSiO2の組成比を変更することにより行う。一般的に、PbOの組成比を高くすると軟化点が低下し、また、SiO2の組成比を下げると、同様に軟化点が低下する。軟化点が600℃付近のガラス粉末としては、例えば、全体を100重量%として、酸化鉛(PbO)45重量%〜65重量%、酸化硼素(B23)10重量%〜30重量%、酸化硅素(SiO2)10重量%〜30重量%、添加物として酸化カルシウム(CaO)1重量%〜10重量%、酸化アルミニウム(Al23)0重量%〜3重量%という組成のものが挙げられ、これに対して軟化点を30℃下げるためには、PbOの重量%を5%〜10%下げることで実現できる。
また、保護膜の形成時の温度や、封着、排気ベーキング時の温度が、例えば400℃程度というような場合、上層の誘電体層127bの軟化点としては、400℃以上であればよく、上層の誘電体層127bと下層の誘電体層127aとの軟化点の温度差を大きくすることができるため、よりよい効果を発揮する。この場合、例えば、上層の誘電体層127bの軟化点を400℃から500℃とし、下層の誘電体層127aの軟化点を500℃から600℃とする。ここで、軟化点が400℃から500℃のガラス粉末の成分としては、PbOの組成比を高める、または、SiO2の組成比を下げることで作製できる。例えば、全体を100重量%として、酸化鉛(PbO)55重量%〜85重量%、酸化硼素(B23)10重量%〜30重量%、酸化硅素(SiO2)1重量%〜20重量%、添加物として酸化カルシウム(CaO)1重量%〜10重量%、酸化アルミニウム(Al23)0重量%〜3重量%などが挙げられる。また、軟化点が500℃から600℃のガラス粉末の成分としては、前述とは逆に、PbOの組成比を下げる、またはSiO2の組成比を上げることにより作製でき、例えば、全体を100重量%として、酸化鉛(PbO)45重量%〜65重量%、酸化硼素(B23)10重量%〜30重量%、酸化硅素(SiO2)10重量%〜30重量%、添加物として酸化カルシウム(CaO)1重量%〜10重量%、酸化アルミニウム(Al23)0重量%〜3重量%などが挙げられる。以上のように、軟化点の異なるガラス粉末を使用して軟化点の異なる誘電体層127を形成するものである。
さらに、誘電体層127に凹部127cを形成する方法としては、例えば誘電体層127を2層とし、下層の誘電体層127aを形成した後、その上に凹部127cを有する上層の誘電体層127bを積層することで形成するという方法が挙げられる。この場合、上層の誘電体層127bの焼成温度が下層の誘電体層127aの焼成温度と同じ温度であると、上層の誘電体層127bの焼成時に下層の誘電体層127aも再軟化してしまう。そのため、上層の誘電体層127bに形成した凹部127cの形状が保持されにくくなり、誘電体層127の凹部127cの形状が悪化してしまうという問題が生じる場合がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、表示電極を覆う下層の誘電体層127aより放電空間側の上層にある誘電体層127bの方の軟化点を低く構成しているため、下層を焼成した後に上層を塗布、乾燥し、焼成する段階において、下層が再軟化することがなく、安定した形状の凹部127cを形成することが可能となる。
以上のように、実施の形態3のPDPによれば、誘電体層127を軟化点の異なる少なくとも2層構造とし、かつ誘電体層127の放電空間側の表面に放電セル毎に凹部127cを精度よく形成することが可能となり、放電を効率よく制御して効率の向上と画質の向上を達成できる。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4におけるPDPについて、図13〜図21を用いて説明する。実施の形態4は、実施の形態1に適用可能な放電セルの構造に関する応用例を示している。
図13、図14は前面板の放電セル部分を拡大して示している。図面に示すように、誘電体層127は、表示電極126を覆うように前面基板123上に形成したものであり、この誘電体層127の放電空間側の表面には、放電セル毎に凹部100が形成されている。さらに、凹部100は隔壁よりも内側に位置するように形成されており、この場合好ましくは、隔壁から少なくとも20μm離れた位置に形成するのがよい。
また、放電空間に放電ガスとして、Xeを含む混合ガスを封入するとともに、Xe分圧を5%〜30%としている。Xe以外のガス成分としては、例えば、Ne、Heなどが挙げられ、これらのガス成分の分圧は、合計が、Xeの分圧を差し引いた70%〜95%であれば、任意に決めればよい。
ところで、PDPの高効率化を達成するために、放電ガス中のXe分圧を上昇させる方法が一般的に知られている。しかし、Xe分圧を上昇させると、放電電圧が上昇する問題が生じるとともに、紫外線の発生量が多くなり、容易に輝度飽和を起こす問題が生じる。そのために、誘電体層の膜厚を厚くして誘電体の容量を小さくし、1回のパルスで形成される電荷を低下させる必要が生じる。誘電体層の膜厚の増加に伴い、誘電体層自体の透過率が低下して効率が低下する。また、単に膜厚を増加させると、放電電圧がさらに増加する問題が生じる。
しかしながら、放電ガス中のXe分圧を5%〜30%としても、誘電体層127の放電空間側の表面に、放電セル毎に凹部100を形成して電流を制御することにより、高Xe分圧で発生する輝度飽和を防止することが可能となる。すなわち、各発光画素領域において最適なサイズの凹部100を形成することで放電領域を制限して放電電流を制御することができる。また凹部100の形状またはサイズを変えることにより任意に流れる電流量を制限することができる。また、各放電セル毎に凹部100を形成し、かつ隔壁よりも内側に凹部100を形成することで、放電を凹部100の底面のみに制御して隔壁付近での放電を抑制できる。
実施の形態4では、電流制御を誘電体層127に凹部100を形成することにより行うため、回路や駆動方法を変えることなく高いXe分圧とすることができる。また、誘電体層127を薄膜化して放電電圧を低下させても、誘電体層127の凹部100の形状を小さくすることで電流を制御することができる。なお、良好な効果を得るためには、放電ガス中のXe分圧を5%以上とすればよいが、より好ましくは、誘電体層127の膜厚低下による放電電圧の低下によって、高Xe分圧によって上昇する放電電圧をキャンセルするという観点からすると、Xe分圧は10%〜20%とするのがよい。
つぎに、誘電体層127に形成する凹部の他の構造例について説明する。
図14に示す構造例は、円柱形状の凹部101を形成したものであり、また、図15に示す構造例では、八角形の多角形状の凹部102を形成し、図16に示す構造例では、四角柱形状とするとともに、その凹部103のコーナー部が曲面103aを有して形成したものである。
上述したように、誘電体層127に凹部を形成する場合に、その形状として、円柱形状の凹部101、または八角形などの多角形状の凹部102、または四角柱形状で四角に曲面103aをもつ凹部103とすることで、誘電体層127を焼成する際のコーナー部への応力集中を抑制し、形状変形を抑制することができる。
なお、実施の形態4に適用可能な凹部の形状としては、上記のもの以外に、円錐形状、楕円柱形状、楕円錐形状や多角錐形状、または四角錐形状で四角に曲面を形成した形状のものを使用することができる。
図17に実施の形態4におけるPDPの放電セル部分の他の構造を示している。図17に示すように、誘電体層127の放電空間側の表面には、発光画素領域を形成する放電セル毎に少なくとも2つの凹部104を形成している。この凹部104は、図17に示すようにバス電極124b、125bおよび隔壁よりも内側の部分に、表示電極126に対して平行な方向に並設されるように島状に分離して形成されている。このような構成によれば、図18のAのように、放電を凹部104の底面から放電ギャップ134を挟んで突出する部分を超えて放電することになり、放電距離が伸び、そのため放電ガス中のXeが励起される確率が増加し、放電の制御と高効率を両立することができる。さらに、放電は凹部104の底面のみで発生するため、放電セル内部の放電位置をセル中央から分散させることができる。
図19〜図21にパネルの発光画素領域となる放電セル部分の構造を示している。図19に示す例は、誘電体層127に形成する凹部104を、バス電極124b、125bおよび隔壁よりも内側の部分に、表示電極126に対して直交する方向に並設されるように島状に分離して形成したものである。
また、図20、図21に示す例は、それぞれ図17、図19に対応させた例で、放電セル毎の凹部104を結ぶように少なくとも1つの溝部105を形成した形状としたものである。このように放電セル毎の凹部104を結ぶように少なくとも1つの溝部105を形成することで、その部分から放電を発生させることができ、放電の種火としての役割をもたせることができる。これにより、放電電圧を低下させることができ、効率を向上させることができる。すなわち、この場合は、溝部105から放電を開始することができ、放電電圧の低下は溝部105で確保し、放電距離の増加は2つの凹部104で確保することができる。
なお、以上述べた実施の形態4においては、誘電体層127を誘電率の異なる少なくとも2層構造とし、かつ誘電体層127の放電空間側の表面に放電セル毎に凹部100、101、102、103、104、および溝部105を形成してもよい。この場合は、凹部100、101、102、103、104の底面より放電空間側に形成される誘電体層127の誘電率を低下させることで、その上部に蓄積される電荷を低下することができる。これにより、隣接セルとの誤放電を防止することができる。
また、蛍光体層を放電セルに対応させて赤、緑、青の色を順に配列して形成し、放電セル毎の凹部100、101、102、103、104の大きさを蛍光体層の色毎に異ならせた構成としてもよい。この場合は、凹部100、101、102、103、104のサイズにより発光を制御することができるため、例えば青の凹部100、101、102、103、104の底面積を他の緑、赤の凹部100、101、102、103、104よりも大きくすることで色温度を向上させることができる。さらに、高Xeと併用することで、さらにその効果を増すことができる。
以上のように、実施の形態4のPDPによれば、放電空間に放電ガスとして、Xeを含む混合ガスを封入するとともに、Xe分圧を5%〜30%とし、かつ誘電体層の放電空間側の表面に、放電セル毎に凹部を形成しており、このことにより、放電の制御が可能となり、高Xe分圧による効率の向上を有効に活用することができ、パネルの効率の向上と画質の向上を達成することができる。
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5によるPDPについて、図22〜図37を用いて説明する。実施の形態5は、実施の形態1に適用可能な放電セルの構造に関する応用例を示している。
図22は、実施の形態5によるPDPの前面板の一部の斜視図を示している。表示電極226を覆うように前面基板223上に形成した誘電体層227の放電空間側の表面には、放電セル毎に凹部227aが形成されている。また、図23には、その凹部227aと表示電極226および隔壁232との位置関係を示しており、この図23に示すように、凹部227aは隔壁232よりも内側に形成されている。
そして、表示電極226は、表示ラインA毎に放電ギャップ224を介して対向するように配列して形成した透明電極からなる放電電極225aと、この放電電極225aに給電するためのバス電極225bとから構成され、表示電極226の放電電極225aは、凹部227aの底面において放電ギャップ224を介して対向するようにバス電極225bから垂直に放電ギャップ224に向けて突出させて形成している。この放電電極225aは、凹部227aの底面において放電ギャップ224を介して対向する部分の幅が凹部227aの幅と同等、または凹部227aの幅よりも狭くなるように構成している。図23に示す例は、放電電極225aの放電ギャップ224を介して対向する部分の幅を、凹部227aの幅よりも狭く構成した例を示したものである。
ここで、PDPの高効率化を達成するためには、各発光画素領域において放電を制御することが不可欠である。特に、表示電極226に垂直な方向の放電の広がりにおいては、バス電極225bが隔壁232からの発光光を遮ってしまい無駄となるため、遮蔽される部分にまで放電が広がらないように抑制することが有効である。
また、表示電極226に対して垂直な方向の放電だけではなく、平行な方向の放電を抑制することも、効率向上には有効となる。なぜならば、放電が表示電極226と平行な方向に広がり、隔壁232近傍まで放電が広がってしまうと、隔壁232付近で電子温度が低下してしまい、効率の低下を招く恐れがあるためである。
さらにまた、隔壁232付近で放電を行うと隔壁232が負に帯電することが知られており、これにより正イオンが隔壁232にひきつけられる。そのため、電子−イオン間の再結合の発生や、隔壁232へのイオン爆撃により隔壁232がエッチングされてしまい、このエッチングされた隔壁232が別の蛍光体層や隔壁232に降り積もるなどして特性を劣化させる恐れがある。
本発明の実施の形態5においては、各放電セル毎に凹部227aを形成し、かつ隔壁232よりも内側に凹部227aを形成しているので、放電を凹部227aの底面のみに制御することができる。したがって、放電が表示電極226に対して垂直方向に、隔壁232からの発光光を遮るバス電極225bにまで広がることや、表示電極226に対して平行方向に、隔壁232近傍にまで広がることを抑制することができる。さらに、凹部227aの側面にもMgOが形成されているため、凹部227a側面でのエッチングの恐れは少ない。さらに、表示電極226の放電電極225aは、凹部227aの底面において放電ギャップ224を介して対向するようにバス電極225bから垂直に放電ギャップ224に向けて突出して形成した構成であることから、隔壁232から放電電極225aは離れた構成となっている。そのため、隔壁232近傍に電荷が蓄積されることが抑制され、隔壁232近傍での放電を抑制する効果がさらに増すこととなる。
ここで、この放電電極225aを透明電極により作成した場合には、隔壁232での発光を効率よく取り出すことができる。
これに対して、放電電極225aをバス電極225bと同じく不透明な金属電極で構成した場合は、低コスト化を達成することができる。但しこの場合、放電電極225aで隔壁232からの発光光が遮蔽されることとなるため、放電電極225aは、放電ギャップ224は変えずにその面積を小さくすることにより、発光を取り出す効率を改善することが好ましい。そのような構成の一例として、例えば図24には、放電電極225aの、凹部227aの底面において放電ギャップ224を介して対向する部分が複数に分割された形状を示している。また、図25には、放電電極225aの、凹部227aの底面において放電ギャップ224を介して対向する部分が中空形状とした形状を示す。これらの形状によって、同時に、放電電極225aの面積の縮小による消費電流の低減の効果を得ることができ、これは放電電極225aとして透明電極を用いた場合にも同様である。
ここで、凹部227aの形状としては図23に示すような長方形に限るものではなく、その幅が、放電電極225aが放電ギャップ224を介して対向する部分の幅よりも広いものであれば、その形状は問わない。
図26に、凹部227aの他の形状の一例を示す。図26(a)には、凹部227aの角部が丸みをもったものを示している。また図26(b)には、凹部227aの形状として台形形状であるものを示している。また図26(c)には、台形形状で角部が丸みをもった、卵型や樽型の形状を含む形状を示している。
また、凹部227aは、一方の表示電極226である走査電極上に重なる部分の面積を大きくすることで、書込み操作時において前面板の表示電極226の一方である走査電極とデータ電極との間で放電が発生しやすくなり、パネルの駆動マージンを広く取ることが可能となる。
さらに電極構成の別の例を、図27に示す。図27(a)は凹部227aと表示電極226の一方である走査電極とが重なる面積を大きくするために、放電ギャップ224に対して、表示電極226の一方である走査電極側に片寄らせて凹部227aを形成した例を示し、図27(b)は、上述した効果を増すために、凹部227aは、その一部が走査電極のバス電極225b上に位置するように形成した構成を示している。なお、これらの構成においても、凹部227aの形状は図26に示すような形状とすることができる。
ここで、図27(b)に示す構成の場合、凹部227aでの誘電体層227の厚みがバス電極225bの部分で薄くなるため、この部分での誘電体層227の絶縁耐圧の信頼性が低下する恐れがある。そこで、凹部227aの、バス電極225b上に位置する部分は、できる限り小さく形成することが好ましい。このような形状の凹部227aとして、凹部227aが、その一部が突出する突出部を有することで、バス電極225b上に位置するようにした形状を挙げることができる。具体的には、例えば図28(a)には、曲面形状の突出部227bをもつ例を示し、また図28(b)には、尖った形状の突出部227bをもつ例を示す。
なお、凹部227aの形状は多角形でも、円、楕円でもよく、上記目的を達成すれば、上記説明に限るものではない。
つぎに、実施の形態5によるPDPに関し、凹部の構成が異なる応用例について、図面を用いて説明する。図29は実施の形態5におけるPDPの前面板の一部の斜視図を示している。図29において、表示電極226を覆うように、誘電体層227の放電空間側の表面には、放電セル毎に2つの凹部227c、227dが形成されている。また、図30には、その凹部227c、227dと表示電極226および隔壁232との位置関係を示しており、この図30に示すように、凹部227c、227dは隔壁232よりも内側に形成されている。表示電極226は、表示ラインA毎に放電ギャップ224を介して対向するように配列して形成した透明電極からなる放電電極225aと、この放電電極225aに給電するためのバス電極225bとから構成され、表示電極226の放電電極225aは、凹部227c、227dの底面において放電ギャップ224を介して対向するようにバス電極225bから垂直に放電ギャップ224に向けて突出させて形成している。この放電電極225aは、凹部227c、227dの底面において放電ギャップ224を介して対向する部分の幅が凹部227c、227dの幅と同等、または凹部227c、227dの幅よりも狭くなるように構成されている。なお、図30に示す例は、放電電極225aの放電ギャップ224を介して対向する部分の幅を、凹部227c、227dの幅よりも狭く構成したものである。
図31に、実施の形態5によるPDPにおいて、誘電体層227に2つの凹部227c、227dを形成した場合の効果を説明するための図を示す。図31において、実線Aは放電を示している。図31において、2つの凹部227c、227dの底面の誘電体層227の膜厚が低下するため、その部分の容量が大きくなる。そのため、放電のための電荷は凹部227c、227dの底面に集中的に形成されることとなり、放電領域を制限することができる。
さらに、図31のように放電ギャップ224を挟んで凹部227c、227dを2個形成した構成であり、放電Aは、放電ギャップ224を挟んで凹部227cの底面と凹部227dの底面との間で発生する。そのため放電距離が伸びて、放電ガスが励起される確率が増加し、放電の制御と高効率を両立することができる。これは、放電ガス中のXeの分圧を高くした場合により効果的となる。
ここで、放電電極225aの形状は、図32に示すような、放電電極225aが、凹部227c、227dの底面において放電ギャップ224を介して対向する部分が複数に分割された形状とすることや、図33に示すように、放電電極225aを中空形状とすると、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、凹部227c、227dの形状は、図30に示す長方形に限るものではなく、放電電極225aが放電ギャップ224を介して対向する部分の幅よりも広いものであればその形状は問わない。図34に、凹部227c、227dの他の形状の一例を示す。図34(a)には、凹部227c、227dのそれぞれの角部が丸みをもったものを示している。また図34(b)には、凹部227c、227dの大きさが異なるものを示している。
また、凹部227c、227dのいずれか一方は、一方の表示電極226である走査電極上に位置する部分、すなわち重なる部分の面積を大きくすることで、書込み操作時において前面板の表示電極226の一方である走査電極とデータ電極との間で放電が発生しやすくなり、パネルの駆動マージンを広く取ることが可能となる。
このような電極構成の一例を図35に示す。図35(a)には、凹部227cを凹部227dより大きく形成することで、重なる面積を大きくした構成を示す。また、図35(b)には、凹部227c、227dの大きさは同じであるが、放電ギャップ224に対して走査電極側に片寄らせて形成することで、凹部227cが放電電極225aと重なる面積を、凹部227dが放電電極225aと重なる面積より大きくした構成を示す。また、図35(c)には、上述した効果を増すために、凹部227cは、その一部が走査電極のバス電極225b上に位置するように形成した構成を示している。なお、これらの構成においても、凹部227c、227dの形状は図34に示すような形状とすることができる。
ここで、図35(c)に示すような構成の場合、凹部227cでの誘電体層227の厚みがバス電極225bの部分で薄くなるため、この部分での誘電体層227の絶縁耐圧の信頼性が低下する恐れがある。そこで、凹部227cの、バス電極225b上に位置する部分は、できる限り小さく形成することが好ましい。このような形状の凹部227cとして、凹部227cが、その一部が突出する突出部を有することで、バス電極225b上に位置するようにしたものを挙げることができる。具体的には、例えば図36(a)には、曲面形状の突出部227bをもつ例を示し、また図36(b)には、尖った形状の突出部227bをもつ例を示す。
また、図37に、凹部227c、227dの他の形態を示す。図37(a)に示す例では、放電セル毎の凹部227c、227dを結ぶように少なくとも1つの溝部227eを形成したもので、この場合は、放電開始電圧の低下と放電距離の増加の両立が可能となる。図37(b)に示す例では、2つの凹部227c、227dをバス電極225bに垂直となるように並べて形成したもので、この場合は、放電開始電圧を低下させることができる。さらに、図37(c)に示す例では、図37(b)に示すようにバス電極225bに垂直となるように並べて形成した2つの凹部227c、227dを結ぶように少なくとも1つの溝227eを形成したものである。
なお、以上の説明では、2つの凹部227c、227dを形成した例を説明したが、2つ以上形成してもよく、また凹部の形状は多角形でも、円、楕円でもよく、上記目的を達成すれば、上記説明に限るものではない。
以上のように、実施の形態5のPDPによれば、放電を制御することができるとともに、書込み期間の駆動を安定させることができ、また、高Xe分圧による効率の向上を有効に活用することができ、パネルの効率の向上と画質の向上を達成することができる。
以上述べたように、本発明のPDPによれば、高精細であっても書込み特性を安定させるとともに、隣接する放電セル間での誤放電を防止でき、かつ、走査電極とデータ電極との間での書込み放電を確実に発生させ、良好な画像表示が可能なPDPを実現することができる。
本発明にかかるPDPは、高精細でも高品質な画像表示が可能なPDPを実現し、大面積のプラズマディスプレイ装置などに有用である。
本発明の実施の形態1におけるPDPの構造を示す断面図 同PDPの前面板側の電極配列を示す平面図 同PDPの前面板側の放電セル部分の構造を示す斜視図 同PDPの背面板側の構造を示す斜視図 同PDPの放電セルにおける放電状態を示す前面板の断面図 同PDPの電極配列図 同PDPの駆動方法を示す駆動波形図 同PDPのプライミング放電からの時間経過と放電遅れとの関係を示す図 同PDPにおける他の構造例を示す断面図 本発明の実施の形態2と実施の形態3におけるPDPの放電セル部分の構造を示す斜視図 同PDPの放電セルにおける放電状態を示す前面板の断面図 従来のPDPの放電セルにおける放電状態を示す前面板の断面図 本発明の実施の形態4におけるPDPの放電セル部分の構造を示す斜視図 同PDPの放電セル部分の他の構造を示す斜視図 同PDPの放電セル部分の他の構造を示す斜視図 同PDPの放電セル部分の他の構造を示す斜視図 同PDPの放電セル部分の他の構造を示す斜視図 同PDPの放電セルにおける放電状態を示す前面板の断面図 同PDPの放電セル部分の他の構造を示す斜視図 同PDPの放電セル部分の他の構造を示す斜視図 同PDPの放電セル部分の他の構造を示す斜視図 本発明の実施の形態5におけるPDPの放電セル部分の構造を示す斜視図 同PDPの要部の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPのPDPの放電セル部分の他の構造を示す斜視図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの放電セルにおける放電状態を示す前面板の断面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの要部の他の配置関係を示す平面図 同PDPの放電セル部分の構造を示す斜視図
符号の説明
1,123,223 前面基板
2 背面基板
3 放電空間
4,15,16,127,127a,127b,227 誘電体層
5 保護膜
6,124 走査電極
7,125 維持電極
6a,7a,124a,125a 透明電極
6b,7b,124b,125b,225b バス電極
6b’,227b 突出部
8 光吸収層
9 データ電極
10,232 隔壁
10a 縦壁部
10b 横壁部
11 放電セル
12 蛍光体層
13 隙間部
13a プライミング空間
14 プライミング電極
17,100,101,102,103,104,127c,227a,227c,227d 凹部
18,134,224 放電ギャップ
19 発光画素領域
20 非発光領域
103a 曲面
105,227e 溝部
121 前面板
126,226 表示電極
225a 放電電極

Claims (23)

  1. 互いに平行に配置され誘電体層に覆われた複数の走査電極および複数の維持電極よりなる一対の表示電極を有する第1の基板と、平行に配置された複数のデータ電極と前記データ電極と交差する方向に配置された複数のプライミング電極とを有する第2の基板とを、前記第1の基板上の前記走査電極および前記維持電極と前記第2の基板上の前記データ電極とが交差する方向に対向配置して放電空間を形成するとともに、前記走査電極および前記維持電極と前記データ電極とを備えた複数の主放電セルと、前記主放電セルに隣接して隔壁により区画された隙間部および前記走査電極と前記プライミング電極とを備えたプライミング放電セルとを形成し、前記誘電体層の前記放電空間側の表面に前記主放電セル毎に凹部を形成したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 互いに平行に配置され誘電体層に覆われた複数の走査電極および複数の維持電極よりなる一対の表示電極を有する第1の基板と、平行に配置された複数のデータ電極と前記データ電極と交差する方向に配置された複数のプライミング電極とを有する第2の基板とを、前記第1の基板上の前記走査電極および前記維持電極と前記第2の基板上の前記データ電極とが交差する方向に対向配置して放電空間を形成するとともに、前記走査電極および前記維持電極と前記データ電極とを備えた複数の主放電セルと、前記主放電セルに隣接して隔壁により区画された隙間部および前記走査電極と前記プライミング電極とを備えたプライミング放電セルとを形成し、前記誘電体層の前記放電空間側の表面に前記主放電セル毎に凹部を形成し、放電ガスとしてXe分圧が5%〜30%のXeを含む混合ガスを封入したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  3. 放電ガスが、XeとNeおよび/またはHeとを含むことを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 凹部は円柱形状、円錐形状、楕円柱形状、楕円錐形状、角部が曲面を有する多角柱形状のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 主放電セル毎に少なくとも2つの凹部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 2つの凹部が溝部によって連結されていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 表示電極をそれぞれ放電電極と前記放電電極に給電するためのバス電極とにより構成するとともに、前記表示電極を表示ライン毎に放電ギャップを介して対向配列し、前記表示電極の前記放電電極を凹部の底部領域において前記バス電極から垂直に前記放電ギャップに向けて突出させて形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 凹部の底部領域において放電ギャップを介して対向する放電電極の幅が、凹部の幅と同等またはそれよりも小さいことを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 凹部の底部領域において放電ギャップを介して対向する放電電極が、複数に分割されていることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 凹部の底部領域において放電ギャップを介して対向する放電電極は、当該電極面がくりぬかれていることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 放電電極が透明電極であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  12. 表示電極およびデータ電極で形成される主放電セルにおいて、前記表示電極を覆う誘電体層が前記表示電極と重なり合うように凹部を有し、前記凹部と走査電極とが重なり合う面積を、前記凹部と維持電極とが重なり合う面積より大きくなるように構成したことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  13. 主放電セルにおける凹部の位置を、走査電極側に片寄ったものとすることで、前記凹部と前記走査電極とが重なり合う面積を、前記凹部と維持電極とが重なり合う面積より大きくなるように構成したことを特徴とする請求項12に記載のプラズマディスプレイパネル。
  14. 走査電極と維持電極とはそれぞれ透明電極と金属材料のバス電極とを備え、凹部が、前記走査電極とは少なくとも前記バス電極と重なり合い、前記維持電極とは前記透明電極とのみ重なり合うように、前記走査電極側に片寄っていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
  15. 表示電極を覆う誘電体層を少なくとも2層構造とし前記誘電体層の放電空間側の表面に凹部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  16. 誘電体層は、表示電極を覆うように形成した下層の誘電体層と、その上を覆うように放電空間側に形成された上層の誘電体層とから構成し、前記上層の誘電体層をくりぬいて凹部を形成したことを特徴とする請求項15に記載のプラズマディスプレイパネル。
  17. 凹部の底面が下層の誘電体層となるように上層の誘電体層をくりぬいて形成したことを特徴とする請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル。
  18. 誘電体層を誘電率の異なる少なくとも2層構造としたことを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  19. 上層の誘電体層の誘電率を下層の誘電体層の誘電率よりも小さくしたしたことを特徴とする請求項18に記載のプラズマディスプレイパネル。
  20. 誘電体層を軟化点の異なる材料により形成した少なくとも2層構造としたことを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  21. 上層の誘電体層を形成する材料の軟化点を下層の誘電体層を形成する材料の軟化点よりも小さくしたしたことを特徴とする請求項20に記載のプラズマディスプレイパネル。
  22. 誘電体層は、ZnO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B23−SiO2−Al23系の混合物、PbO−ZnO−B23−SiO2系の混合物、Bi23−B23−SiO2系の混合物の中から選ばれるガラス粉末により構成したことを特徴とする請求項18または20に記載のプラズマディスプレイパネル。
  23. 互いに平行に配置され誘電体層に覆われた複数の走査電極および複数の維持電極よりなる一対の表示電極を有する第1の基板と、平行に配置された複数のデータ電極と前記データ電極と交差する方向に配置された複数のプライミング電極とを有する第2の基板とを、前記第1の基板上の前記走査電極および前記維持電極と前記第2の基板上の前記データ電極とが交差する方向に対向配置して放電空間を形成するとともに、前記走査電極および前記維持電極と前記データ電極とを備えた複数の主放電セルと、前記主放電セルに隣接して隔壁により区画された隙間部および前記走査電極と前記プライミング電極とを備えたプライミング放電セルとを形成し、前記誘電体層の前記放電空間側の表面に前記主放電セル毎に凹部を具備し、1フィールド期間を初期化期間、書込み期間、維持期間を有する複数のサブフィールドで構成し、前記サブフィールドの書込み期間において、前記プライミング電極の各々に対応する前記走査電極の走査に先だって対応する前記走査電極との間でプライミング放電を発生させるための電圧を前記プライミング電極の各々に印加することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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KR100795807B1 (ko) 2006-08-24 2008-01-21 삼성에스디아이 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널
JP2009146851A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイ装置
KR101117703B1 (ko) * 2009-02-13 2012-02-29 삼성에스디아이 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널

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