JP2005309281A - 指向性拡散シート及びそれを有する液晶表示装置 - Google Patents

指向性拡散シート及びそれを有する液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 方向の異なる照明成分を独立して効率良く散乱させることができなかった。
【解決手段】 液晶パネルと表示観察面側に設けられた偏光板と、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く指向性拡散シートとを備えている。そして柱状レンズの面内断面形状は長手方向を持った方向性を有しており、柱状レンズは方向性が液晶パネルの表示面を構成する1辺と略平行であるように揃って配列されている。さらに、柱状レンズの長手方向に垂直な方向の傾斜角度を、指向性拡散シート面の垂線に対して10〜45度になるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、時計、携帯電話、オーディオ、携帯電子機器等の携帯機器に使用される液晶表示装置に関する。
近年、携帯機器等には、薄型軽量という特徴をもつ液晶表示素子が広く使われている。特に、携帯電話で用いる表示素子には、小型軽量が要求されるため、ほとんどの携帯電話に液晶表示素子が使われている。しかし、液晶表示素子は受光型のため、携帯電話に要求される暗い場所での視認性に問題がある。そこで、液晶表示素子の前面または背面に照明装置を設置することが多い。一般には、前者の照明装置をフロントライト、後者をバックライトと称している。フロントライトの導光板は反射板からの反射光が透過する構造になっているのが特徴であり、それに対してバックライトの導光板は光を拡散反射するのみで光を透過させることはできない。このようなバックライトを用いた液晶表示装置では、視認性を良くするために、微細な柱状構造が面内に複数本配列され、柱状構造の柱状中央領域はそれを取り巻く外周領域に比べて屈折率が高く形成され、厚さ方向に光を導く機能を有する柱状レンズシートである導光体シートに拡散層を組み合わせて液晶と照明装置との間に配置した液晶表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−35576号公報(第3−5頁、第7図)
しかしながら、従来の柱状レンズシートにおいては、柱状レンズシートを構成する柱状レンズがシート面に対して等方的に配向しているために、方向の異なる照明成分を独立して効率良く散乱させることができないという課題を有していた。
従って、従来の柱状レンズシートを用いた液晶表示措置においては、異なる二方向の視覚特性を独立に最適化することは困難であるという課題を有していた。
本発明では、面内の断面形状が長手方向の方向性を持つ柱状レンズを配列させた指向性拡散シートを実現することによって、方向の異なる照明成分を独立して効率良く散乱させることを可能とした。本発明の液晶表示装置においては、液晶パネルに配された偏光板の外側に、上記の指向性拡散シートを配することによって、照明装置からの光を柱状レンズの方向性に従って効率良く視角方向に散乱させることが可能となり、携帯機器で本発明の液晶表示装置を用いても視認性が良く明るい画像表示を可能とすることができ上記課題を解決することができた。このような構成によって、照明装置としてフロントライトを用いた場合においても、視認性が良く明るい画像表示を得ることができた。
本発明によれば、良好な輝度と視認性を有する薄型軽量の液晶表示装置を提供できるために、液晶表示装置の表示品質が向上するのみならず、液晶表示装置の薄型軽量化をも実現できるという効果を有する。
本発明の指向性拡散シートは、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有しており、また、柱状レンズの面内断面形状は長手方向を持った方向性を有しており、柱状レンズは面内で方向性が略揃うように配列されている。ここで、柱状レンズの面内断面形状を六角形とした。
また、本発明の液晶表示装置は、互いに対向する基板間に液晶層が配された液晶パネルと表示観察面側に設けられた偏光板を有する液晶表示素子と、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有する指向性拡散シートを備えており、さらに、柱状レンズの面内断面形状は長手方向を持った方向性を有しており、柱状レンズは、方向性が液晶パネルの表示面を構成する1辺と略平行であるように揃って配列されている。ここで、柱状レンズの長手方向に垂直な方向の傾斜角度を、指向性拡散シートの面に立てた垂線に対して10〜45度になるようにした。
また、液晶表示素子は、液晶パネルを挟むように設けられた一対の偏光板と、その背後に設けられた反射板を備えており、指向性拡散シートが液晶表示素子の表示観察面の外方に設けられている。
あるいは、液晶表示素子は、液晶パネルの表示観察面側に設けられた第一の偏光板と、液晶パネルの背後側に設けられた第二の偏光板と、第二の偏光板の背後に設けられた反射板を備えており、指向性拡散シートは第二の偏光板と反射板の間に設けられている。
あるいは、液晶パネルは内面に反射層を有する反射型液晶パネルであり、指向性拡散シートが液晶表示素子の表示観察面の外方に設けられている。
以下に本発明の照明装置に関して図面を参照しながら説明する。図1に本発明の指向性散乱シートの平面図を模式的に示す。図1に示すように、本発明の指向性散乱シートは低屈折率領域1の中に高屈折率領域2が面内に配列した構造となっている。この高屈折率領域2と低屈折率領域1とをシート断面から見ると、高屈折率領域2の周りが低屈折率領域1で取り囲まれた柱状レンズ構造となっている。
すなわち、本発明の指向性散乱シートは、微細な柱状構造が面内に複数本配列され、柱状構造の柱状中央領域はそれを取り巻く外周領域に比べて屈折率が高く形成され、厚さ方向に光を導く機能を有している。すなわち、屈折率が中心に向かう程連続的に大きくなっているグレイディッドインデックス型柱状レンズ、または中心部分の屈折率がそれを取り巻く外周領域の屈折率よりも高い2層構造になっているステップインデックス型柱状レンズが平面状に複数配列されているフィルム構造になっている。
図8に柱状レンズシートの構造断面図を模式的に示す。図8に示すように、指向性散乱シートは、柱状の高屈折率領域2が低屈折率領域1に囲まれて面内に配列されており、この柱状構造が柱状レンズを形成している。図では高屈折率領域20と低屈折率領域21とは明確な領域を形成していないグレイディッドインデックス型柱状レンズの場合が示されているが、ステップインデックス型柱状レンズの場合は、高屈折率領域2と低屈折率領域1とは明確な境界を持っている。図8では、より黒い色で示されている領域ほど屈折率が高くなっていることを意味している。すなわち、屈折率は低屈折率領域1から高屈折率領域2にかけてなだらかに大きくなっている。その変化の仕方は、製造方法や製造条件によって異なるが正規分布あるいは2次関数などの偶数関数的に変化する。
グレイディッドインデックス型柱状レンズの場合においても、ステップインデックス型柱状レンズの場合においても、それらを構成する柱状レンズの光軸の方向を柱状レンズの配向方向と呼ぶことにする。本発明で用いる柱状レンズシート2は、柱状レンズの配向方向が柱状レンズシートの面に立てた垂線の方向を基準として傾斜して形成されている。柱状レンズシートの面に立てた垂線の方向に対して配向方向がなす角度を傾斜角と呼ぶことにすると、その傾斜角は10〜45度の範囲内にある。
このとき、図8の17で示されるように、柱状レンズの配向方向から入った光は、19に示すように柱状レンズ内でより屈折率の高い方へと光路を曲げられる。そして、柱状レンズが厚い場合は正弦曲線的に内部で繰り返し光路を変えながら伝播して入射面との対向面に達する。この対向面への入射角は、柱状レンズ内で光路を曲げられているために、入射面への入射角とは異なったものとなっている。18で示される光の出射角は、17で示される光の入射角、入射位置、指向性散乱シートの厚み、および柱状レンズ内部での屈折率分布によって異なる。従って、図8の18に示したように、指向性散乱シートからの出射角は入射角と全く異なったものとなり、光はあたかも散乱して出射されるかのように見える。このように柱状レンズ内部を伝播して散乱出射される光の入射角は、ある特定の範囲に限定される。この入射角の範囲はおよそ0〜±45度となっている。このように入射した光が散乱出射される角度範囲を散乱入射角と呼ぶことにする。この散乱入射角の範囲と、見かけの散乱角の範囲とは同じ値となる。一方、散乱入射角よりも大きな入射角で指向性散乱シートに入射した光は、柱状レンズ内部で光路を曲げられるが、充分光路が曲がり切らずに隣の柱状レンズ内部へと伝播する。この光は次々と柱状レンズ間を横切って伝播して、対向面から出射する。このような光は、多少の偏向を受けるがあたかも指向性散乱シートを直線的に透過したかのように見える。このような光の入射角の範囲を直線透過角と呼ぶことにする。
また、本発明の指向性散乱シートは面内の断面形状が長手方向の異方性を持っている。したがって、図8に示した断面図が短径方向を示すものであれば、長手方向に関しては、外周部の低屈折率領域1の屈折率と高屈折率領域2の中心部の屈折率とは同一であるが、径が大きくなっている。すなわち、径が大きい分だけ屈折率勾配が緩くなっている。そのため、図8の17と同じ入射角で入ってきた光は柱状レンズ内部で充分な偏向を受けないため、柱状レンズ内部を伝播することができなくなり、散乱入射角の範囲が狭くなってしまう。言いかえれば、長径方向に入射した光に対しては、短径方向に入射した光に対して広い直線透過角を持っている。
図9に指向性散乱シートの光入射方向による透過光の違いを模式的に示す。図9(a)に示すように、柱状レンズの短径方向から光17が散乱入射角で入射すると、その光は内部を透過して柱状レンズの配向方向に光18として散乱出射される。この散乱角の範囲は散乱入射角の範囲と同じである。一方、図9(b)に示すように、柱状レンズの長径方向から図9(a)の光17と同じ角度で入射した光は、上記のように直線透過角での入射となり、図9(b)の光19で示されるように直線的に透過する。上記に示した柱状レンズの短径方向と長径方向の両方向の成分を持った入射光に対してはそれぞれの成分が受ける偏向が合成されたのと同じ偏向を受ける。
また、図1に示した柱状レンズは、高屈折率領域2の断面が長径を持つ六角形の形をしている。このように、六角形形状とすることによって、柱状レンズの面内の断面に異方性を持たしても低屈折率領域1の幅を一定にした状態で最密充填をすることができ、光利用効率が向上する。柱状レンズの面内の断面形状を長方形としても良い。もちろん、低屈折率領域1の幅が一様ではなくなるが、柱状レンズの面内での断面形状を長円形など他の異方性形状としても同様の効果が得られる。
この柱状レンズシートの製造は、例えば、屈折率の異なる2種類以上の光重合性化合物からなる液状反応層に、グラデーション加工を施したフォトマスクを介して紫外線を照射することによって、光照射強度による光重合性化合物の光重合速度の違いによって屈折率の分布状態を制御することによって行う。傾斜角の制御は、照射する紫外線の照射角を制御することによって容易に実現することができる。
図10に本発明で用いた柱状レンズシートの光透過特性を示す。図10において、横軸は指向性散乱シートへの光の入射角、縦軸は各入射角に対する光透過強度を表している。図中、柱状レンズの短径方向特性30と柱状レンズの長径方向特性31を表す。ただし、測定雰囲気は大気中であり、柱状レンズシート単体で評価した結果である。短径方向特性30の場合は、柱状レンズシートは角度±αで光強度がほぼゼロになっていることがわかる。入射角が−α〜αの範囲内では光は散乱透過され、入射角の絶対値α以上の範囲内では光は散乱されずに直線的に透過する。すなわち、αは散乱入射角の境界値である。
一方、長径方向特性31は、短径方向特性30に比べて、散乱入射角の範囲が狭まり−β〜βの範囲となる。そのとき、散乱光のピーク位置はほとんど変化しない。従って、入射角―α〜―βおよびα〜βの範囲で入射した光は、短径方向では散乱透過するが、長径方向では直線透過する。αとβの値は、指向性散乱シートの層厚、柱状レンズの長径方向と短径方向の径、あるいは柱状レンズの屈折率差などを調整することによって、10〜45度程度までの任意の値に制御することができる。また、柱状レンズの傾斜角γは、製造時の光照射角度を傾斜させることによって、0〜70度程度の任意の角度に設定することができる。このように、柱状レンズの傾斜角をγとすることによって、図10に示した透過特性30および31のピークはγだけシフトする。その結果、散乱光の散乱角中心もγだけシフトする。
次に、本発明の指向性散乱シートを用いた液晶表示装置について説明する。図2に本発明の液晶表示装置に関する断面構成を模式的に示す。図示するように、両面を偏光板で挟持された液晶パネル1と、第一偏光板5aの上に配された指向性散乱シート4、および第二偏光板5bの下に配置された反射板6とを備えている。液晶パネル3は、ガラス基板の間に液晶が配向封入されており、外部からの画像信号に対応した電圧を図示していないマトリックス状に配列した画素電極に印加して液晶を励起することによって光を位相変調する作用を持っている。第一偏光板5aと第二偏光板5bは、液晶パネル3で位相変調された光を強度分布に変換して画像を可視化する。この配置において、第二偏光板5bは省略しても良い。図2において、外部環境やフロントライトなどの照明装置から入射した入射光13は、図示するように液晶表示装置に斜入射する。指向性散乱シート4を構成する柱状レンズの配向方向は指向性散乱シートに立てた垂線に対して視点方向に傾けて形成されているために、それと逆側から入射した入射光は指向性散乱シート4には直線透過角で入射することになり直線的に透過する。また、指向性散乱シート4を構成する柱状レンズの長径方向は図2の紙面に垂直な方向となっている。そして、入射光13は、第一偏光板5a、液晶パネル3、第二偏光板5bを順に透過した後、反射板4で反射されて再び同様の光路をたどって柱状レンズシート2の裏面から入射する。このとき、指向性散乱シート4に入射する光は散乱入射角で入射することになり、柱状レンズシート2から出射された光はシート表面で視点11方向に散乱角の中心を持って散乱され、広い視野角で視点11に達する。
上述のように傾斜角は10〜45度、散乱入射角は±10〜45度の角度で任意に設定することができる。そのため、傾斜角を視点に合わせておくことによって、視点方向が最も明るい液晶表示装置を構成することができる。また、散乱入射角をより狭い範囲にした指向性散乱シート4を用いるほど、出射光の指向性が高くなり、明るい液晶表示装置とすることができる。
図3に本発明の液晶表示装置に関する他の構成を示す。図3の構成が図2の構成と異なる点は、指向性拡散シート4が第二偏光板5bと反射板6との間に配置されていることである。作用は図2に示した場合と同様であるので説明を省略するが、このような構成とすることで見やすい視点位置で明るい画像表示を得ることができる。ここでは、柱状レンズの短径方向のレンズ径が1μm〜100μm、長径方向のレンズ径が30μm〜1000μm、レンズ高さ(指向性拡散シート層厚)が10μm〜200μmの指向性拡散シートを用いることができる。しかしながら、製造歩留まりや光利用効率あるいはハンドリングのし易さなどを考慮すると、短径方向のレンズ径は5μm〜100μm、長径方向のレンズ径は50〜500μm、レンズ高さは20μm〜80μmとするのが好ましい。また、柱状レンズの屈折率差は0.01〜0.05のものを用いることができる。さらに柱状レンズの傾斜角は10〜70度のものが利用できるが、10〜45度のものを用いた方が、より見やすい角度で明るい画像が得られるために好ましい。
図4に本発明の液晶表示装置に関わる他の断面構成を模式的に示す。図4に示す構成では、液晶パネル3として内面反射層7を有する液晶パネルを用いている。そのため、第二偏光板は不要となり、構成が簡単になる。また、このような液晶パネルを用いることにより、視差による画像のボケがなくなり、より鮮明な画像を表示できるようになる。内面反射層7としては、液晶パネル3の下側基板に形成されている駆動電極として金属電極を用いたり、駆動電極とは別に誘電体多層膜ミラーを用いたりすることができる。
図5に照明装置としてフロントライトを用いた場合の構成を模式的に示す。このフロントライト8は、LED光源からの光を面状に液晶パネル3側に照射すると同時に、液晶パネル3側からの反射光を視点11側に透過させる機能を持っている。また、外部環境からの外光もまた、フロントライト8を透過して液晶パネル3を照明する。このような構成の液晶表示装置において、フロントライト8と第一偏光板5aとの間に、上記の指向性拡散シート4を配置した。フロントライト8からの照明光は、指向性拡散シート4に対して視点11と逆側に傾いて斜めに入射するため、指向性拡散シート4を直線透過し、液晶パネル3に達する。また、液晶パネル3側からの反射光は、散乱入射角で第一偏光板5aに戻ってくるために、指向性散乱シート4からは特定の角度範囲内で散乱されて視点11に達する。一方、指向性散乱シート4を構成する柱状レンズの長径方向は図5の紙面に対して垂直な方向となっているために、照明光の内紙面に垂直な成分は散乱角の範囲が狭くなっている。そのため、視点11から見た表示画像は明るく、視野角も視点範囲内に広く取ることができる。また、左右からの視野角を狭くして、使用者だけが限定して画像を観察できるようになるため、近年高まりつつある携帯電話の使用者の覗き見防止という要求にも答えることができる。
ここで、フロントライト方式の照明装置について説明する。フロントライト方式の模式断面図を図6に示す。図示するように、フロントライトは光源14と導光板15を有している。光源14からの光は導光板15によって下側(表示パネル側)に導かれ、液晶パネル1の背後に設けられた反射板16で反射することにより液晶パネル1の表示を視認できるようになる。また、外部からの光(外光)は、導光板15を通過して液晶パネルに入射され、前述と同様に、液晶パネル1の表示が視認される。一方、バックライト方式の表示装置の概要図を図7に示す。バックライトは光源14と導光板17を有し、液晶パネル1の下側に設置される。バックライトの光源14からの光は導光板17を通って上側に反射して液晶パネル1を照射し、表示が観察者に視認される。このように、フロントライトの導光板15は反射板16からの反射光が透過する構造になっているのが特徴であり、それに対してバックライトの導光板17は光を拡散反射するのみで光を透過させることはできない。
以下に、本発明の具体例を説明する。
(具体例1)
図2に示した構成の液晶表示装置を以下のように作製した。指向性拡散シートに、散乱入射角30度で傾斜角0度の円形断面形状をしたグレイディッドインデックス型柱状レンズを一様に配列したものを比較試料とし、短径方向の散乱入射角30度で傾斜角15度、長径方向の散乱入射角10度で傾斜角0度のグレイディッドインデックス型柱状レンズで構成された指向性散乱シートを用いたものを本試料とした。また、指向性散乱シートの厚みは70μm、柱状レンズ径は長径方向100μmで短径方向30μmの長円形断面のものを用いた。液晶パネルとしては、単純マトリックス型のSTN(Super−Twisted−Nematic)液晶パネルを用いた。作製した液晶表示装置の真上から柱状レンズの配向方向に15度傾けて光検出器を固定し、照明光源からの照明光入射角を変化させて輝度を測定し図11に示した。図11に、短径方向の本試料に対する結果を曲線32で、比較試料に対する結果を曲線33で表してある。
本試料に対しては、入射角15度は照明光入射角が柱状レンズの配向方向と一致した場合に相当し、入射角−15度はそれと対称な位置に照明光が入射した場合に相当する。この結果から分かるように、入射角−15度と15度の2箇所に輝度のピークがあることが分かる。入射角−15度の場合のピークは柱状レンズシートに入射した光が液晶パネル側に散乱入射されるために生じるピークで、入射角15度の場合のピークは液晶パネル側から柱状レンズシートに戻った光が散乱出射されるために生じるピークである。本試料に対しては、柱状レンズシートの柱状レンズ配向方向を検出器側に向けた場合の方が、その逆に配置した場合に比べておよそ4倍輝度が向上していることが分かった。また、比較試料に対しては真上から光を照射したときに最も輝度が高くなるが、本試料の最大ピークに対して約半分の明るさしか得られなかった。さらに、比較試料の最大ピーク近傍よりも本試料の最大ピーク近傍の方が、広い角度範囲で輝度が向上していることが分かった。
一方、図12に本試料の特性と比較試料の特性とを長径方向に測定した結果を示す。本試料に対する結果を曲線32に、比較試料に対する結果を曲線33に示す。本試料も比較資料も真上から光を照射したときに最も輝度が高くなっており、本試料の散乱角度範囲は比較試料の散乱角度範囲よりも狭くなっていることがわかる。この結果から、図1の構成で柱状レンズシートの柱状レンズの配向方向を視点の方向と一致させることで、より明るく視野の広い表示が可能であることが分かった。また、視点方向とそれに垂直な方向に対して、散乱角度範囲と散乱強度を個別に制御できることがわかった。
(具体例2)
図3に示す配置において具体例1で示したのと同一の測定を行った。その結果、比較試料の場合も本試料の場合も実施例1で得られた結果と比較して輝度が全体的に約20%低減したが、同一の結果が得られ、図2の構成で指向性散乱シートの柱状レンズの配向方向を視点の方向と一致させることで、より明るく視野の広い表示が可能であることが分かった。
(具体例3)
図5に示した構成の液晶表示装置を以下のように作製した。液晶パネルとしては、内面反射層としてCr電極を用いた反射型TFT液晶パネルを使用した。指向性拡散シートとして、柱状レンズの短径方向の傾斜角0度、15度、30度、45度、60度のものを用いた。柱状レンズの長径は100μmで短径は30μmの六角形形状の柱状レンズのものを用いた。
構成した液晶表示装置から50cm離れた位置で測定器の角度を変化させて輝度を測定した結果を図13に示す。図13において、34〜38までの番号を付けた曲線は、各々傾斜角0度、15度、30度、45度、60度の指向性拡散シートを用いた場合の短径方向の輝度曲線を表す。いずれの場合も傾斜角を付けた場合の方が、垂直配向の指向性拡散シートの場合に比べて輝度が高くなっていることがわかる。また、傾斜角を付けた指向性拡散シートの全てが測定角0度と傾斜角に対応する位置にピークを有していることがわかる。傾斜角に対応する位置のピークは散乱光成分によるものであるが、測定角0度の位置のピークは直線透過成分によるピークと考えられる。傾斜角15度の指向性拡散シートを用いた場合、曲線35における0度の位置のピークは、直線透過成分と散乱成分の両方を含むことがわかる。
図13の結果から見ると、傾斜角が15〜45度の柱状レンズシートを用いることによって、十分高い輝度が得られることがわかり、また十分な散乱光成分を持っているために広い視野角の液晶表示装置とすることができることがわかる。また、傾斜角が45度以上においても、垂直配向の柱状レンズシートを用いる場合よりも高い輝度が得られるが、輝度ピークの角度が大きくなるために視点に達する光利用効率が低下する。また、本具体例で示した効果は、傾斜角10度の柱状レンズシートを用いることによっても得られることが分かっている。さらに、長径方向の特性は、短形方向の傾斜角によって影響を受けず図12の曲線32とほぼ同一のものが得られた。以上の結果から、柱状レンズシートの傾斜角は10〜45度とするのが望ましいことが分かった。
本発明による指向性散乱シートを模式的に示す平面図である。 本発明による液晶表示装置を示す断面図である。 本発明による液晶表示装置の構成例を示す断面図である。 本発明による液晶表示装置の構成例を示す断面図である。 本発明による液晶表示装置の構成例を示す断面図である。 従来のフロントライトを備える液晶表示装置の構成を模式的に示す断面図である。 従来のバックライトを備える液晶表示装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に用いた柱状レンズシートの構造を示す模式図である。 本発明の指向性散乱シートに関する光の透過を説明する断面図である。 本発明で用いた柱状レンズシートの特性を表すグラフである。 本発明の液晶表示装置の具体例に関する特性を示すグラフである。 本発明の液晶表示装置の具体例に関する特性を示すグラフである。 本発明の液晶表示装置の具体例に関する特性を示すグラフである。
符号の説明
1 低屈折率領域
2 高屈折率領域
3 液晶パネル
4 指向性散乱シート
5a 第一偏光板
5b 第二偏光板
6 反射板
7 内面反射層
8 フロントライト

Claims (8)

  1. 周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有するとともに、
    前記柱状レンズの面内断面形状は長手方向を持った方向性を有しており、前記柱状レンズは面内で前記方向性が略揃うように配列されたことを特徴とする指向性拡散シート。
  2. 前記柱状レンズの面内断面形状は六角形であることを特徴とする請求項1に記載の指向性拡散シート。
  3. 互いに対向する基板間に液晶層が配された液晶パネルと、少なくとも表示観察面側に設けられた偏光板とを有する液晶表示素子と、
    周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有する指向性拡散シートを備えるとともに、
    前記柱状レンズの面内断面形状は長手方向を持った方向性を有しており、前記柱状レンズは、前記方向性が前記液晶パネルの表示面を構成する1辺と略平行であるように揃って配列されたことを特徴とする液晶表示装置。
  4. 前記柱状レンズの長手方向に垂直な方向の傾斜角度は、前記指向性拡散シートの面に立てた垂線に対して10〜45度であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記液晶表示素子は、前記液晶パネルを挟むように設けられた一対の偏光板と、その背後に設けられた反射板を備えるとともに、前記指向性拡散シートが前記液晶表示素子の表示観察面の外方に設けられたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 前記液晶表示素子は、前記液晶パネルの表示観察面側に設けられた第一の偏光板と、前記液晶パネルの背後側に設けられた第二の偏光板と、前記第二の偏光板の背後に設けられた反射板を備えるとともに、前記指向性拡散シートは前記第二の偏光板と前記反射板の間に設けられたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液晶表示装置。
  7. 前記液晶パネルは内面に反射層を有する反射型液晶パネルであり、前記指向性拡散シートが前記液晶表示素子の表示観察面の外方に設けられたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液晶表示装置。
  8. 表示観察面側から前記液晶パネルに光を照射するフロントライト型の照明装置を備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
JP2004129373A 2004-04-26 2004-04-26 指向性拡散シート及びそれを有する液晶表示装置 Pending JP2005309281A (ja)

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