JP2005308863A - 偏向ミラー、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

偏向ミラー、光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005308863A
JP2005308863A JP2004122688A JP2004122688A JP2005308863A JP 2005308863 A JP2005308863 A JP 2005308863A JP 2004122688 A JP2004122688 A JP 2004122688A JP 2004122688 A JP2004122688 A JP 2004122688A JP 2005308863 A JP2005308863 A JP 2005308863A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
substrate
deflection
mirror substrate
deflection mirror
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004122688A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4416117B2 (ja
Inventor
Mitsuyoshi Fujii
光美 藤井
Yukito Sato
幸人 佐藤
Tomohiro Nakajima
智宏 中島
Yoshinori Hayashi
善紀 林
Eiji Mochizuki
栄二 望月
Tetsuo Saito
哲郎 齋藤
Yukimoto Sasaki
幸基 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004122688A priority Critical patent/JP4416117B2/ja
Priority to US11/102,658 priority patent/US7529011B2/en
Publication of JP2005308863A publication Critical patent/JP2005308863A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4416117B2 publication Critical patent/JP4416117B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)

Abstract

【課題】偏向ミラーのミラー基板の動的撓みの抑制。
【解決手段】ねじり梁23の非支持端は一対の連結部材24,24を介しミラー基板と連結される。ミラー基板をねじり梁23と直接結合して振動させた場合の動的撓み量のピーク位置より、回転中心軸から遠い位置においてミラー基板と連結部材24が結合される。このような連結部材の介在によりミラー基板の動的撓み変形が抑制され、動的歪み量の小さい領域が拡大し、かつ、その領域内の動的撓み量も減少する。ねじり梁23の支持端33が結合した支持部50が、ねじり梁の回転に伴って同じ方向に弾性変形することによりミラー基板に作用する曲げモーメントが減少し、これによってもミラー基板の動的撓み変形が抑制される。
【選択図】 図29

Description

本発明は、マイクロマシニング技術により実現される微小光学系に係り、より詳細には、ミラー基板を一端を支持されたねじり梁をねじり回転軸として往復振動させるタイプの偏向ミラーに関する。また、本発明は、かかる偏向ミラーの応用装置、例えば光走査装置や画像形成装置等に関する。
非特許文献1に、一直線上に設けられた2本の梁で支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の静電引力によって、2本の梁をねじり回転軸として往復振動させる偏向ミラーが記載されている。マイクロマシニング技術で形成されるこの偏向ミラーは、従来のモーターを使ってポリゴンミラーを回転させる光走査装置と比較し、構造が簡単で半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低く、また単一の反射面を利用するため、ポリゴンミラーのように反射面ごとの精度のばらつきがなく、さらに往復走査であるため高速化にも対応できる等の効果を期待できる。
このような静電駆動のねじり振動型偏向ミラーに関しては、ねじり梁をS字型として剛性を下げることにより、小さな駆動力で大きな振れ角を得られるようにしたものが特許文献1に、梁の厚さをミラー基板及びフレーム基板よりも薄くしたものが特許文献2に、固定電極をミラー部の振動方向に重ならない位置に配置したものが特許文献3及び非特許文献2に、対向電極をミラーの振れの中心位置から傾斜させて配置することにより、ミラーの振れ角を変えずに駆動電圧を下げたものが非特許文献3に、それぞれ記載されている。
また、特許文献4に、ミラー基板(ミラー形成部)とフレームとを連結するねじれ梁(ねじり連結部)の幅を、ミラー形成部と結合される部分では相対的に広くし、フレームに至るまでの少なくとも途中までは、ミラー形成部から離れるに従って徐々に狭くすることによって、ミラー基板の法線周りの回転を抑制した偏向ミラーが記載されている。
また、特許文献5には、ミラー基板(振動構造体)と、ねじり梁(ねじりばねエレメント)との間に、ミラー基板に外部より加わった衝撃力をねじり梁の軸方向への力に変換するための変換器構造体を設けた偏向ミラー(マイクロ振動装置)が記載されている。
さらに、特許文献6には、偏向ミラーのミラー面と、それに対峙させたミラー面との間で光ビームを複数回反射させてから出射させる構成の光走査装置が記載されている。
特許第2981600号公報 特開平7−92409号公報 特許第3011144号公報 特開2003−15064号公報 特表2003−503754号公報 特開2002−48998号公報 K.E.Petersen,"Silicon Tortional Scanning Mirror",IBM Journal of Research and Development 24,(1980),pp.631-637 Harald Schenk,"An Electrostatically Excited 2D-Micro-Scanning-Mirror with an In-Plane configuration of the Driving Electrodes",The 13th Annual International Workshop on MEMS2000,(2000),pp.473-478 Harald Schenk et al,"A New Driving Principle for Micromechanical Torsional Actuators",The 1999 ASME International Mechanical Engineering Congress and Exposition,Nov.14-19,1999,pp.333-338
偏向ミラーのミラー基板は、往復振動時に慣性力により動的撓み変形を生じる。均等厚で長さ2Lの矩形のミラー基板の2辺の中央をねじり梁の非支持端と直接結合し、ねじり梁をねじり回転軸としてミラー基板を往復振動させた場合のミラー基板の動的撓み変形について、図1により説明する。
図1において、(a)はミラー基板の動的撓み変形の様子を模式的に示した図であり、(b)はミラー基板の長さ方向における動的撓み量の計算値と実測値の変化を示した図である。(a)に示すように、動的撓み量の計算値は、変形したミラー基板の曲面から最小2乗法により理想平面を求め、この理想平面とミラー基板の曲面との差をとった値であり、ミラー基板の慣性力を考慮した数値計算により求めた。動的撓み量の実測値は、ホログラフィー法により測定した値である。なお、ここではミラー基板の長さ方向における動的撓み量の変化の様子を示すことを意図しているので、計算値及び実測値の絶対値は示さない。
(b)に見られるように、ミラー基板の回転中心軸(ねじり梁の中心軸の延長線と一致する)から略L/3だけ離れた位置付近に、動的撓み量のピークが現れる。具体的な数値の例を挙げると、板厚20μm、4mm×4mmサイズの単結晶シリコンからなるミラー基板を、2本のねじり梁で直接支持し、2.5kHzで±5°の振れ角で往復振動させた場合には、回転中心軸からL/3の距離の付近における撓み量は約1μmにも達する。
このようなミラー基板の動的撓み変形は、ミラー基板上に金属薄膜などとして形成されるミラー面により反射された光ビームの光学特性を悪化させるため、可能な限り抑制する必要がある。
ミラー基板の動的撓み変形を減らすために、ミラー基板の厚さを大きくしてミラー基板の剛性を高める方法がある。しかし、かかるアプローチには、ミラー基板の慣性モーメントの増加によりミラー基板の振れ角(偏向角)が減少し、あるいは、同じ振れ角を得るために必要な駆動エネルギーの増加(静電駆動型の偏向ミラーでは駆動電圧の高電圧化)を招くという別の問題がある。
よって、本発明の目的は、反射光ビームの光学特性に悪影響を及ぼすミラー基板の動的撓み変形が効果的に抑制されるなどの優れた特徴を持つ新規な構成の偏向ミラーと、その応用装置を提供することにある。
請求項1の発明は、ミラー基板が、一端を支持されたねじり梁をねじり回転軸として往復振動する偏向ミラーであって、前記ミラー基板と前記ねじり梁の非支持端は一対の同一長の連結部材を介して連結され、前記一対の連結部材の第1の端は、前記ミラー基板の回転中心軸に対して対称な特定位置において前記ミラー基板の辺にそれぞれ結合され、前記一対の連結部材の第2の端は前記ねじり梁の非支持端にそれぞれ結合され、前記一対の連結部材及び前記ミラー基板の辺とが全体として前記ねじり梁の非支持端を頂点とする略2等辺三角形状の構造をなし、前記一対の連結部材の第1の端が前記ミラー基板の辺と結合される前記特定位置は、前記ミラー基板を前記ねじり梁の非支持端に直結して往復振動させた場合における前記ミラー基板の動的撓み量のピーク位置より、前記ミラー基板の回転中心軸から遠い位置に選ばれたことを特徴とする偏向ミラーである。
請求項2の発明は、前記連結部材が前記ねじり梁より高い剛性を持つ部材からなることを特徴とする請求項1の発明による偏向ミラーである。
請求項3の発明は、前記一対の連結部材に、その補強のための部材が設けられたことを特徴とする請求項1の発明による偏向ミラーである。
請求項4の発明は、前記ねじり梁の支持端が支持手段により回転弾性を持たせて支持されていることを特徴とする請求項1,2又は3の発明による偏向ミラーである。
請求項5の発明は、前記ねじり梁の支持端が、その回転に伴って同じ方向に弾性変形する支持部材に結合されていることを特徴とする請求項1,2又は3の発明による偏向ミラーである。
請求項6の発明は、前記ミラー基板が、裏面に複数の凹部を形成され、回転中心軸から離れるに従って曲げ剛性が減少することを特徴とする請求項1,2,3,4又は5の発明による偏向ミラーである。
請求項7の発明は、前記ミラー基板を駆動するための手段として、前記ミラー基板の自由端に設けられた可動電極と、該可動電極と微小ギャップを介して対向する固定電極とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項の発明による偏向ミラーである。
請求項8の発明は、前記ミラー基板を駆動するための手段として、前記連結部材に設けられた可動電極と、該可動電極と微小ギャップを介して対向する固定電極とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項の発明による偏向ミラーである。
請求項9の発明は、前記ミラー基板を駆動するための手段として、前記ミラー基板の自由端に設けられた可動電極、及び、該可動電極と微小ギャップを介して対向する固定電極、並びに、前記連結部材に設けられた可動電極、及び、該可動電極と微小ギャップを介して対向する固定電極を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項の発明による偏向ミラーである。
請求項10の発明は、前記固定電極が、前記可動電極の移動方向にずらして設けられた複数の電極からなることを特徴とする請求項7,8又は9の発明による偏向ミラーである。
請求項11の発明は、前記連結部材に設けられた前記可動電極と微小ギャップを介して対向する前記固定電極は、前記ミラー基板の回転中心軸の方向に、絶縁分離された複数の部分に分割されていることを特徴とする請求項8,9又は10の発明による偏向ミラーである。
請求項12の発明は、前記固定電極及び前記可動電極のための電極パッドが同一平面に設けられたことを特徴とする請求項7,8,9又は10の発明による偏向ミラーである。
請求項13の発明は、前記ミラー基板を駆動するための手段として、前記ミラー基板に設けられた駆動コイルと、該駆動コイルが鎖交する静磁界を発生する磁石とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項の発明による偏向ミラーである。
請求項14の発明は、封止手段を有し、該封止手段により少なくとも前記ミラー基板の振動空間が減圧状態に封止されたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項の発明による偏向ミラーである。
請求項15の発明は、前記ミラー基板に対向し、前記ミラー基板に入射した光ビームを前記ミラー基板との間で複数回反射させるための固定したミラーを有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項の発明による偏向ミラーである。
請求項16の発明は、請求項1乃至14のいずれか1項の発明による偏向ミラーと、光源と、前記光源より出射された光ビームを前記偏向ミラーに入射させる光学系と、前記偏向ミラーのミラー基板との間で光ビームを複数回往復反射するミラーと、前記複数回往復反射の後の光ビームを被走査面に結像させる光学系とを有することを特徴とする光走査装置である。
請求項17の発明は、請求項1乃至15のいずれか1項の発明による偏向ミラーと、光源と、前記光源より出射された光ビームを前記偏向ミラーに入射させる光学系と、前記偏向ミラーにより偏向された光ビームを被走査面に結像させる光学系とを有することを特徴とする光走査装置である。
請求項18の発明は、感光体と、画像信号で変調された光ビームにより前記感光体の表面を走査して静電潜像を形成する請求項16又は17の発明による光走査装置と、前記感光体上の静電潜像をトナー像に現像する現像手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
(1)請求項1〜15の発明に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板の動的撓み変形を効果的に抑制し、ミラー基板の動的撓み量の小さい領域を拡大し、かつ、その領域内、特にミラー基板の回転中心軸付近の動的撓み量を減少させることができるため、偏向された光ビームのビーム径などの光学特性が改善される。また、ミラー基板の動的撓み量の小さい領域が拡大されるため、ルーフミラーなどの固定ミラーとミラー基板との間で光ビームを往復反射させ光てこの原理により光ビームの偏向角を増大させる場合にも光ビームの良好な光学特性を得ることができる。また、ミラー基板の板厚を増加させることによって動的撓み変形を抑制するアプローチと違ってミラー基板全体の慣性モーメントの増加を伴わないため、ミラー基板の振れ角の減少や駆動エネルギーの増大を招かない。
(2)請求項2,3の発明に係る偏向ミラーにおいては、連結部材の変形が起こりにくくなるため、ミラー基板の動的撓み変形の抑制効果が向上する。
(3)請求項4,5の発明に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板の往復振動時に、ねじり梁のねじり回転に伴い、ねじり梁の支持端も同じ方向に回転するため、ミラー基板に作用する曲げモーメントが減少し、ミラー基板の動的撓み変形がさらに抑制される。
(4)請求項6の発明に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板全体の慣性モーメントを増加させることなく、ミラー基板の偏向に利用される領域の曲げ剛性を高めて動的撓み量を小さくすることができる。
(5)請求項8の発明に係る偏向ミラーにおいては、駆動用電極がミラー基板の回転中心軸に近づくため、ミラー基板の振れ角の大きい時にも静電トルクの減少が小さく、その分だけミラー基板の振れ角を大きくすることができる。また、ミラー基板の自由端に電極を設ける必要がないため、ミラー基板をその自由端近傍まで光ビームの偏向に利用可能である。
(6)請求項9の発明による偏向ミラーにおいては、上記(5)に述べた理由に加え、駆動用電極面積が増加するため、低い駆動電圧でミラー基板を大きな振れ角で振動させることができる。
(7)請求項10の発明に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板の移動方向にずれた2段以上の固定電極を適切なタイミングで駆動することにより、ミラー基板を大きな振れ角で振動させることができ、また、ミラー基板が含まれる共振系の共振点から外れた周波数で大きな安定した振れ角でミラー基板を振動させることができる。
(8)請求項11の発明に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板の回転中心軸に近い固定電極と遠い固定電極とを適当なタイミングで駆動することにより、ミラー基板の振れ角が小さい時点から大きい時点まで連続的に静電トルクを作用させ、低い駆動電圧でミラー基板を大きな振れ角で振動させることができる。
(9)請求項12の発明に係る偏向ミラーにおいては、駆動電極の電極パッドが同一平面にあるため、封止を含む実装プロセスの信頼性が向上する。
(10)請求項13の発明に係る偏向ミラーにおいては、容易に大きな電磁トルクを発生させてミラー基板を大きな振れ角で振動させることができる。
(11)請求項13の発明に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板の振動時の粘性抵抗を減らし、小さな駆動エネルギーでミラー基板を大きな振れ角で振動させることができ、また、ミラー基板振動空間への塵埃などの異物の侵入を阻止し偏向ミラーの信頼性を高めることができる。
(12)請求項15の発明に係る偏向ミラーは、ミラー基板の振れ角より大きな偏向角を得ることができる。
(13)請求項16,17の発明に係る光走査装置は、光学特性の良好な光ビームにより被走査面を走査することができ、また、往復走査による高速走査も可能である。また、ポリゴンミラーを用いる光走査装置に比べ静粛性や省電力性に優れている。請求項17の発明に係る光走査装置によれば、大きな走査角での走査が可能である。
(14)請求項18の発明に係る画像形成装置によれば、光学特性の良好な光ビームにより感光体に光書込みを行って高品質の画像形成が可能であり、また、往復走査による高速な光書込みが可能であるため高速な画像形成が可能である。また、ポリゴンミラーを用いる光走査装置に比べ、静粛性や省電力性などに優れている、等々の効果を得られるものである。
以下、本発明の実施の形態について、本発明の主要な特徴と関連付けながら詳細に説明する。
<特徴の説明(1)>
本発明に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板とねじり梁(ねじりばね)の非支持端とは一対の同一長の連結部材を介して連結される。この一対の連結部材の第1の端は、ミラー基板の回転中心軸に対して対称な特定位置においてミラー基板の辺にそれぞれ結合され、一対の連結部材の第2の端はねじり梁の非支持端にそれぞれ結合され、一対の連結部材とミラー基板の辺は全体として、ねじり梁の非支持端を頂点とする略2等辺三角形状の構造をなす。かかる連結部材をミラー基板とねじり梁の非支持端との間に介在させることにより、ミラー基板の動的撓み量のピーク位置は、ミラー基板とねじり梁の非支持端を直接結合した場合の動的撓み量のピーク位置より外側に移動し、ミラー基板の動的撓み量の小さい領域が拡大し、かつ、その領域内の、特にミラー基板の回転中心軸近傍の動的撓み量が減少する。
このような本発明に係る偏向ミラーの特徴的構成について、図2〜図6を参照し、より具体的に説明する。
図2は本発明に係る偏向ミラーの特徴的構成を説明するための斜視図であり、図3はその一部の拡大図である。図2において、20はフレーム、21はミラー基板、23は一端がフレーム20に支持されたねじり梁、24はねじり梁23の非支持端とミラー基板21とを連結する連結部材である。
図3に明確に示されるように、各ねじり梁23の非支持端とミラー基板21とを結合する一対の連結部材24,24と、それが結合したミラー基板21の辺は全体として、ねじり梁23の非支持端を頂点とした略2等辺三角形状(正三角形状も含む)の構造をなす。
このような偏向ミラーにおいて、ミラー基板20の長さを2Lとすると、ミラー基板20の往復振動時に図4に実線で示すような動的撓みが発生する。図4中の破線は、ねじり梁23の非支持端をミラー基板21に直接結合してミラー基板21を往復振動させた場合の動的撓みを示しであり、これは図1に関連して述べた通りである。
実線と破線を対比すれば明らかなように、本発明に係る偏向ミラーにおいては、動的撓み量の小さい領域が拡大し、また、その領域内の、特にミラー基板の回転中心軸近傍における動的撓み量が減少している。
図4から容易に理解されるように、ミラー基板21の動的撓み量のピーク位置は、一対の連結部材24,24のミラー基板21との結合点の間隔(図3中の25)と関連がある。この結合点間隔を2L/3より大きく設定すると、換言すれば、ミラー基板21の回転中心軸から連結部材24の結合位置までの距離をL/3より大きく設定すると、顕著な動的撓み変形の抑制効果を得られる。ただし、これは長さ2L、均等板厚の矩形ミラー基板の場合であり、より一般的に言えば、ミラー基板21をねじり梁23の非支持端に直結して往復振動させた場合における動的撓み量のピーク位置より遠い位置を、連結部材24の前記ミラー基板21との結合位置に選ぶと効果的に動的撓み変形を抑制できる。
上に述べた動的撓み変形の抑制のメカニズムについて説明を補足する。動的撓み変形の主因はミラー基板21に作用する曲げモーメントである。この曲げモーメントを図5に示す3次元ビームモデルを用い有限要素法により計算すると、図6に示すような結果を得られる。
図6に見られるように、ミラー基板21に作用する曲げモーメントは、連結部材24の結合点間の領域84では小さく、その外側で増大する。このような曲げモーメントの分布となるため、図4で述べたような、動的撓み量の小さい領域の拡大と同領域内、特にミラー基板の回転中心軸近傍での動的撓み量の減少がもたらされる。
なお、上に述べた動的撓み抑制効果を達成するためには、連結部材24の剛性を考慮する必要があり、一般的には、その剛性が高いほど動的撓み抑制効果が顕著になる。したがって、所要の剛性が得られるように連結部材の材質や寸法を選ぶ必要がある。一例を挙げれば、ミラー基板、ねじり梁、連結部材、フレームなどをシリコン基板によって一体的に形成した偏向ミラーにおいて、ねじり梁の幅が20〜40μm、長さが1〜2μm、ねじり梁の非支持端からミラー基板までの距離が1〜1.5μmの場合、連結部材の幅は例えば60〜80μmに選ぶことができる。ただし、これはあくまで例示であり、連結部材の幅等の寸法は他の部材の寸法等も考慮して決定されるものである。
<特徴の説明(2)>
本発明に係る偏向ミラーのもう一つの特徴は、ミラー基板の裏面に複数の凹部を配することにより、ミラー基板の曲げ剛性を、ミラー基板の回転中心軸から離れるに従って減少させることにある。
図7〜図10を参照し、より具体的に説明する。図7は説明のための偏向ミラーのミラー基板裏面側から見た平面形状を示し、図8はミラー基板のAA線断面を示し、図9はミラー基板のBB線断面を示している。ここに示す例では、ミラー基板21は、薄いミラー面部30の裏面に、ミラー面部30の厚さより十分大きな高さbの、幅hの複数のリブ28を立設し、これらリブ28により区画された複数の凹部27をミラー基板裏面に配した構成である。凹部27の個数及び大きさ、換言すればリブ28の配置密度が、ミラー基板21の回転中心軸近傍から自由端に至る各部位で異なっている。
このような凹部27を配したミラー基板21の各部位における断面2次モーメントを求める。ミラー面部30の厚さは十分に小さいので、その断面二次モーメントを無視して計算すると、各部位の断面2次モーメントIj はリブ28の断面2次モーメントの和として求めることができ、次式で示される。
Ij=Σbh^3/12
ミラー基板21の曲げ剛性Mjは、各部位の断面二次モーメントIj にヤング率Eを乗じた値である。すなわち、
Mj=E*Ij
よって、リブ28の本数及び間隔の調節によって、ミラー基板21の曲げ剛性Mjの値及び分布を調整可能である。
このようにして得られるミラー基板の曲げ剛性の分布の例を図10に示す。このようなミラー基板の自由端側ほど曲げ剛性が小さくなる曲げ剛性分布とすることにより、ミラー基板全体の慣性モーメントを増加させることなく、ミラー基板の偏向に利用される領域の曲げ剛性を高め、その領域における動的撓み変形を効果的に抑制可能である。
なお、上に述べたような凹部を裏面に形成して曲げ剛性分布を調整すると、ねじり梁の非支持端を直接結合してミラー基板を往復振動させた時の動的撓み量のピーク位置と、曲げ剛性分布調整を行わない場合の動的撓み量のピーク位置とに差が生じる。したがって、このピーク位置の差を、連結部材とミラー基板の結合位置の決定に際し考慮する必要がある。
以上に述べた特徴を持つ偏向ミラーの具体例について以下に説明する。
図11は、一実施例に係る偏向ミラーを説明するため示す概略斜視図である。本実施例に係る偏向ミラーは、2枚のシリコン基板41,44を絶縁膜42を介し接合したSOI基板を用いて、フォトエッチング等の半導体プロセスにより、ミラー基板21、連結部材24、ねじり梁23、フレーム20が一体的に作成されたものである。連結部材24は、ミラー基板21の自由端に近い位置に結合されている。ミラー基板21の自由端に櫛歯形状の可動電極39が形成され、これに対向するフレーム20の部位に(シリコン基板44側)、可動電極39と微小ギャップを介して噛み合う櫛歯形状の固定電極40が形成されている。すなわち、本実施例に係る偏向ミラーは、可動電極39と固定電極40との間の静電トルクによりミラー基板21を駆動する静電駆動型のものである。
少なくともシリコン基板44は低抵抗率の基板である。このシリコン基板44は、絶縁膜42に達する4つのスリット45によって、ねじり梁23を介して可動電極と電気的に導通した領域と、固定電極40と電気的に導通した領域とに絶縁分離されている。これら各領域に、可動電極39のための電極パッドと固定電極40のための電極パッドが形成されているが、図示されていない。また、ミラー基板21の一面には、ミラー面として、使用光の波長に対し高い反射率を有する金属薄膜などが形成されているが、図示されていない。
本実施例に係る偏向ミラーを駆動する場合、例えば図12に示すように、可動電極30のための電極パッドを接地し、固定電極40のための電極パッドに駆動パルス発生装置PGを接続し、この駆動パルス発生装置PGより、図13(b)に示すような振動系の共振周波数の2倍の周波数の駆動パルスを印加すると、可動電極30と固定電極40との間の静電引力によりミラー基板21に回転トルクが発生し、ミラー基板21はねじり梁23をねじり回転軸として共振周波数で往復振動する。この往復振動が安定した状態では、ミラー基板21の振れ角変化は図13(a)のようになる。
なお、本実施例に係る偏向ミラーと同様な偏向ミラーを、後記実施例5と同様に、1枚のシリコン基板を用いて作成することも可能である。
また、図示しないが、本実施例に係る偏向ミラーと同様な構成において、ミラー基板21の裏面(ミラー面の形成されない側)に、図7〜図10に関連して説明したような複数の凹部を形成することにより、ミラー基板21に図10に示したような曲げ剛性分布を持たせてもよい。かかる偏向ミラーも当然に本発明に包含される。
他の実施例に係る偏向ミラーを図14を用いて説明する。本実施例に係る偏向ミラーは、前記実施例1に係る偏向ミラーと駆動電極の構成が異なるのみである。図14は、この駆動電極構成の違いを表すための簡略化された斜視図であり、図示されていない構成は前記実施例1のものと同様である。
本実施例に係る偏向ミラーにおいては、図14に示すように、連結部材24に外側に張り出した形の櫛歯形状の可動電極51が形成され、この可動電極51と微小ギャップを介して噛み合う櫛歯形状の固定電極52がフレーム20に形成されている。可動電極51と固定電極52の間に駆動パルスを印加し、両電極間の静電トルクによりミラー基板21を駆動し、ミラー基板21をねじり梁22をねじり回転軸として共振周波数で往復振動させることができる。
本実施例に係る偏向ミラーにおいては、駆動用電極がミラー基板21の回転中心軸に近い位置にあるため、前記実施例1の偏向ミラーに比べ、ミラー基板21の振れ角の大きい時にも静電トルクの減少が小さく、したがって振れ角を大きくとることができる。また、本実施例に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板21の自由端に櫛歯形状の可動電極が設けられないため、ミラー基板21の自由端近傍までミラー面として利用可能である。ミラー基板21の自由端近傍までミラー面として利用したい場合には、連結部材24をミラー基板21の自由端付近に結合するとよい。
なお、本実施例に係る偏向ミラーと同様な偏向ミラーを、後記実施例5と同様に、1枚のシリコン基板を用いて作成することも可能である。
また、図示しないが、本実施例に係る偏向ミラーと同様な構成において、ミラー基板21の裏面に、図7〜図10に関連して説明したような複数の凹部を形成することにより、ミラー基板21に図10に示したような曲げ剛性分布を持たせてもよく、かかる構成の偏向ミラーも本発明に含まれる。
他の実施例に係る偏向ミラーを図15を用いて説明する。本実施例に係る偏向ミラーは、前記実施例1に係る偏向ミラーと駆動のための電極の構成が異なるのみである。図15は、この駆動電極構成の違いを表すための簡略化された斜視図であり、図示されていない構成は前記実施例1のものと同様である。
本実施例に係る偏向ミラーにおいては、図15に示すように、ミラー基板21の自由端に形成された可動電極39とそれに対向してフレーム20に形成された固定電極40に加え、連結部材24に外側に張り出した形の櫛歯形状の可動電極51が形成され、この可動電極51と微小ギャップを介して噛み合う櫛歯形状の固定電極52がフレーム20に形成されている。
本実施例に係る偏向ミラーも、可動電極39と固定電極40の間、及び、可動電極51と固定電極52の間に駆動パルスを印加し、それら電極間の静電トルクによりミラー基板21を駆動し、ミラー基板21をねじり梁22をねじり回転軸として共振周波数で往復振動させることができる。
図16は駆動電極による静電トルクと振れ角の関係を示している。図16において、曲線88はミラー基板自由端の可動電極39と固定電極40による静電トルクの計算結果を示している。曲線89は連結部材24に設けられた可動電極51と駆動電極52による静電トルクの計算結果を示し、振れ角が大きい領域でもそれほど減少しないことが分かる。これら静電トルクを合算した静電トルク(曲線90)がミラー基板21に作用することになる。よって、本実施例に係る偏向ミラーは、前記実施例1,2に係る偏向ミラーに比べ、同じ駆動電圧でミラー基板21の振れ角を増加させることができ、また、同じ振れ角ならば駆動電圧を下げることができる。
なお、本実施例に係る偏向ミラーと同様な偏向ミラーを、後記実施例5と同様に1枚のシリコン基板を用いて作成することも可能である。また、図示しないが、本実施例に係る偏向ミラーと同様な構成において、ミラー基板21の裏面に、図7〜図10に関連して説明したような複数の凹部を形成することにより、ミラー基板21に図10に示したような曲げ剛性分布を持たせてもよく、かかる構成の偏向ミラーも本発明に含まれる。
図17は他の実施例に係る偏向ミラーの平面図であり、図18はその簡略化した斜視図である。
本実施例に係る偏向ミラーは、電磁駆動型であり、ミラー基板21のミラー面55側に、その周囲に沿って周回する駆動コイル57が例えば銅薄膜により形成され、駆動コイル57の各端のリード部58,58はフレーム20に形成された電極パッド60,60に引き出されている。本実施例に係る偏向ミラーは、駆動コイル57が横断鎖交する、ミラー基板21に略平行な静磁界を発生するための一対の永久磁石62,62を備えている。なお、永久磁石62,62を電磁石に置き換えることも可能である。ミラー基板21の裏面には、図18中に破線で示すように、ミラー基板21の剛性を維持しつつ慣性モーメントを減らすために複数の凹部(肉抜き部)が形成されている。この凹部は、ミラー基板21に図10に示したような曲げ剛性分布を持たせるような大きさ・配置としてもよい。
本実施例に係る偏向ミラーは、電極パッド60,60を通じて図19に示すような共振周波数の正弦波電流を通電することにより、駆動コイル57に電磁トルクを発生させ、ミラー基板21を共振周波数で往復振動させることができる。この時のミラー基板21の振れ角θは、以下の式で表すことができる。
f0=(1/2π)√(Kθ/I)
θ=Trq/I*K(f0,C)
ただし、K(f0、C)は、共振周波数f0及び振動空間の粘性抵抗係数Cの関数であり、f0、Cに反比例する。Kθはねじり梁のねじりバネ定数、Trqは駆動コイルに作用する電磁トルク、Iはミラー基板の慣性モーメントである。
このような電磁駆動型の偏向ミラーは容易に大きなトルクを発生されることができるため、大きな振れ角を得やすい。
本実施例に係る偏向ミラーは、例えばシリコン基板を用いて半導体プロセスにより作成されるが、ミラー基板21、連結部材24、フレーム20のいずれも電極として利用されないため、低抵抗率の基板である必要はない。
なお、ミラー基板21の裏面を平坦面とし、そこに駆動コイルを設けることもできる。この場合、ミラー基板21の表面全体をミラー面として利用可能になる。かかる構成の偏向ミラーも本発明に含まれる。
本発明に係る偏向ミラーにおいて、ねじり梁の非支持端とミラー基板とを連結する連結部材の剛性が不足した場合、ミラー基板を大きな振れ角で往復振動させた時に連結部材のねじり変形が起き十分な動的撓み変形抑制効果を得られない。ここに述べる実施例に係る偏向ミラーにおいては、そのような不都合を避けるために、連結部材に、その変形を抑えるための補強部材が設けられる。
図20は一実施例に係る偏向ミラーの、ミラー基板裏面側から見た概略平面図である。図21は、この偏向ミラーの概略中央断面図である。
ミラー基板101は、一直線上に設けられた2本のねじり梁102,102をねじり回転軸として往復振動する。各ねじり梁102の一端(非支持端)は、一対の連結部材121,121を介してミラー基板101の辺に連結されている。ミラー基板101と連結部材121の結合位置は、前述のように、ミラー基板101の動的撓み変形を効果的に抑制できるように選ばれている。一対の連結部材121,121には、その補強のための部材としてミラー基板101の辺と平行な補強梁123が設けられている。
各ねじり梁102の他端(支持端)は、ミラー基板101を囲むフレームの内側枠体104に結合されている。フレームは、この内側枠体104と、それより板厚の厚い外側枠体120とからなる一体構造である。
ミラー基板101の連結部材121と結合されない側の辺(自由端)には櫛歯形状の可動電極105,106が形成され、これと微小ギャップをへだてて噛み合う櫛歯形状の固定電極107,108が内側枠体104に形成されている。また、ミラー基板101の連結部材121が結合された辺の自由端近傍部109,110に対応して、外側枠体120の一部が延出し、その先端面に起動用電極111,112が形成されている。
フレーム(内側枠体104及び外側枠体120)、ミラー基板101、ねじり梁102、連結部材121並びに補強梁123は導電性材料(例えば低抵抗率の単結晶シリコン基板)により一体的に形成され、その表面には絶縁膜113が形成されている。外側枠体120の一部の絶縁膜113が除去されて導電性材料が露出され、この部分に可動電極105,106のための金属薄膜からなる電極パッド114(図20中図示省略)が形成されている。固定電極107,108の表面には金属薄膜が形成され、これは外側枠体120の表面に形成された金属薄膜からなる電極パッド116,117に引き出されている。起動用電極111,112の表面にも金属薄膜が形成され、これは外側枠体120の延出部表面に形成された金属薄膜からなる電極パッド118,119に引き出されている。ミラー基板101の表面には、使用光の波長に対して十分高い反射率をもつ金属薄膜からなるミラー面115が形成されている。
次に、本実施例に係る偏向ミラーの製造方法の一例を図22を参照して説明する。
工程a: 両面研磨された厚さ200μmのシリコン基板201の片面に、それを深くエッチングするためのマスクとして高粘度耐熱レジスト202を100μmの厚さで塗布する。ここで使用するマスク材は、シリコンとの密着性がよく、かつ、100μmのシリコンエッチング時にもマスクとして残る程度にエッチング選択比が大きく、かつ、エッチング後に容易に除去できるような材料であればよく、Niメッキ膜等を利用してもよい。
工程b: このレジストを露光、現像して内側枠体形状にパターニングする。
工程c: パターニングしたレジストをマスクとして、シリコン基板をエッチング速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP-RIE)を用いて、内側枠体形状に100μmの深さまでエッチング除去する。ここで形成されるエッチング端面の段差部分に、後の工程で起動用電極を形成する。
工程d: レジスト202を溶解除去した後、段差の形成された基板に再び高粘度耐熱レジスト203を100μmの厚さに塗布し、露光、現像することにより補強梁の形状にパターニングする。
工程e: レジストマスクを除去する。
工程f: シリコン基板の内フレーム形状にエッチングした面と反対側の面(裏面)に高粘度耐熱レジスト204を100μmの厚さに塗布し、裏面をミラー基板、ねじり梁及び補強梁の形状にパターニングする。
工程g: パターニング後のレジストをマスクとして、エッチング速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP-RIE)を用い、シリコン基板を貫通するまでドライエッチングする。
工程h: レジストを溶解、除去した後、基板全体を熱酸化し、表面に絶縁膜としての厚さ1μmのSiO2膜205を形成する。
工程i: フレーム内側の端面のSiO2膜上に、起動用電極及びその電極パッドのための金属薄膜206、駆動用固定電極及びその電極パッドのための金属薄膜207として、Ti薄膜を300Åの厚さに、次いでPt薄膜を1200Åの厚さに、スパッタ法でそれぞれ成膜する。さらに、ミラー面としてのAl薄膜208を成膜する。なお、成膜の際、電極以外の領域には金属薄膜が形成されないように、金属性のステンシルマスクで遮蔽し、また、同一部位で近接した駆動用固定電極は、ミラー基板をジグを用いて傾斜させた状態で斜め方向から成膜する。ここで、Ti薄膜はSiO2膜上でのPt薄膜の密着性を向上させるためのものである。なお、電極材料はPt薄膜に限られるものではなく、導電性が高くSiO2との密着性が確保できれば、他の材料(Au,Ti等)を使用してもよい。また、成膜方法はスパッタ法に限られるものではなく、真空蒸着、イオンプレーティング法等の他の方法で成膜してもよい。
工程j: 枠体裏面の一部のSiO2膜をメタルマスクを使ってエッチング除去し、コンタクトホール209を形成し、シリコンを露出させる。
工程k: このコンタクトホールに、可動電極用の電極パッドとしてのAl薄膜210を、メタルマスクを使って成膜した後、シリコン基板との間の電気抵抗を下げるため400℃で熱処理を行う。ここでは金属薄膜としてAlを成膜したが、使用するレーザー光に対し必要十分な反射率が得られる金属薄膜ならばAu等の他の材料も選択可能である。また、成膜方法としては真空蒸着法を用いたが、スパッタ法、イオンプレーティング法等の他の方法で成膜してもよい。
次に、本実施例に係る偏向ミラーの動作を図23を用いて説明する。可動電極のための電極パッド114を接地しておく。起動用電極のための電極パッド116,117に例えば50Vの電圧を印加すると、起動用電極111,112とミラー基板101の間に、ミラー基板101を図中反時計回り方向へ回転させる静電引力が働き、ミラー基板101は図23(a)に示す角度まで傾く。この時、可動電極105,106と駆動用の固定電極107,108との間に振動開始に必要な段差ができる。このように、起動用電極を設けると、ねじり梁102のねじり剛性が大きい場合にも起動が容易になる。
次に、起動用電極111,112への電圧印加を断つと同時に、駆動用固定電極107,108の電極パッド116,117に例えば50Vの電圧を印加すると、固定電極と可動電極の間の静電引力とねじり梁102のねじり剛性により、ミラー基板101は時計回りに振れる。ミラー基板101が図23(b)に示す水平位置にまで戻った時に電極パッド116,117への電圧印加を停止すると、ミラー基板101は慣性モーメントによりさらに振れ、慣性モーメントとねじり梁102のねじり剛性とがつりあった図23(c)の角度で停止する。その後、電極パッド116,117に再び電圧を印加すると、電極間の静電引力及びねじり梁102のねじり剛性により、ミラー基板101は時計回りに振れ、再び図23(d)に示す水平位置に戻る。電極パッド116,117に印加する駆動パルスの周波数を振動系の共振周波数の2倍周波数に一致させると、ミラー基板101は、起動時よりも大きな振れ角で往復振動を続ける。
ミラー基板101の往復振動が安定した状態におけるミラー基板101の振れ角と駆動パルスとのタイミング関係を図24に示す。上段が振れ角、下段が駆動パルスである。図から理解されるように、振れ角(走査角)が最大となる時間からのδだけ遅れて駆動パルスは立ち上がり、走査角が0になる向きにミラー基板が振れる時間Tを経過すると駆動パルスは立ち下がる。したがって、ミラー基板の振動の1周期の間に駆動パルスが2つ発生することになる。
本実施例に係る偏向ミラーにおいては、ねじり梁121の非支持端とミラー基板101とを連結する連結部材123が補強梁123により補強されているため、ミラー基板101が大きな振れ角で振動しても連結部材123のねじり変形が生じにくく、したがってミラー基板101の動的撓み変形をより確実に抑制することができる。
連結部材121の補強構造は、様々なバリエーションをとり得る。例えば、図25に示すように、補強梁123を2本(又は3本以上)設け、連結部材121の変形をさらに抑制する構造とすることができる。また、図26又は図27に示すように、2本(又は3本以上)の補強梁123の相互間を1本又は2本以上の直交方向の補強梁124によって結合することにより補強効果を高め、より一層、連結部材123の変形を抑えることもできる。さらに、図28に示すように平板状の補強梁123を用いることにより、複数本のバー状補強梁と同等以上の補強効果を達成することも可能である。
なお、連結部材とミラー基板の結合部位や、補強梁と連結部材の結合部位、補強梁相互の連結部位における応力集中を緩和するため、図25のA部拡大図に示すように、それら部位の角部分を曲線状とするのが好ましい。
また当然のことながら、前記実施例1〜4及び後記各実施例に係る偏向ミラーにおいても、本実施例と同様に連結部材に補強部材を設けてもよい。
また、図示しないが、本実施例に係る偏向ミラーと同様な構成において、ミラー基板の裏面に、可動電極部分を避けて図7〜図10に関連して説明したような複数の凹部を形成することにより、ミラー基板に図10に示したような曲げ剛性分布を持たせてもよい。
<特徴の説明(3)>
本発明に係る偏向ミラーのもう一つの特徴は、ねじり梁の支持端を、その回転方向に弾性を持たせて支持することにある。このような回転弾性を有する支持は、ねじり梁の支持端の軸方向及びそれと直交する方向の移動を規制する軸受けなどの手段と、ねじり梁の支持端に結合した渦巻きバネの組み合わせなどによっても可能であるが、ねじり梁の支持端を、その回転に伴って同じ方向に弾性変形可能な支持部材に結合した構造によっても可能である。
後者の支持構造の例を図29により説明する。図示のように、ねじり梁23の支持端33は、フレーム20に一体形成された支持部50に結合されている。ミラー基板21の往復振動時に、ねじり梁23はねじり回転するが、この回転に伴って支持部50が同じ方向に所要の弾性変形を起こすように、支持部50の幅、厚さ、長さなどが選ばれる。この支持部50の作用効果について、図30及び図31により説明する。
図30は、ミラー基板の振動時の動的撓み変形の様子を示している。ここで、T0は振動周期、横軸は時間(t)、点線はミラー基板21の振れ角である。
図30において、
(1)0<t<T0・1/4の期間ではミラー基板21は矢印方向に回転し、t=T0・1/4の時点でミラー基板21の撓み変形は最大となる。
(2)T0・1/4<t<T0・2/4の期間ではミラー基板21は逆方向に回転し始め、振れ角が減少するに従い撓み変形量は減少し、t=T0・1/4の時点でにおいて撓み変形量は0となる。
(3)T0・2/4<t<T0・3/4の期間ではミラー基板21は同方向に回転し続け、振れ角が大きくなるに従い撓み変形量は再び増加し、t=T0・3/4の時点で撓み形量は最大になる。
(4)T0・3/4<t<T0・4/4の期間ではミラー基板21逆方向に回転し始め、振れ角が減少するに従い撓み変形量は減少し、t=T0・4/4の時点で撓み変形量は0となる。
図31は、このようなミラー基板21の往復振動中のt=0、t=T0・1/4、t=T0・2/4、t=T0・3/4、t=T0・4/4の各時点における支持部50の挙動を示す3次元ビームモデルである。図示のように、ミラー基板21の撓み変形が最大となる時点(t=T0・1/4、t=T0・3/4)で支持部50はミラー基板21の回転方向と同じ方向に変形する。このような支持部50の変形によって、ミラー基板21に作用する慣性力が減少し、したがってミラー基板21に作用する曲げモーメントが減少し、その結果、ミラー基板21の動的撓み変形量が減少する。
上に述べた特徴を持つ偏向ミラーの具体例について以下に説明する。
図32は一実施例に係る偏向ミラーの構造を説明するための概略平面図である。本実施例に係る偏向ミラーは、前記実施例1のようにSOI基板を用いて半導体プロセスにより実現することも、前記実施例5のように1枚のシリコン基板を用いて半導体プロセスにより実現することも可能であるが、ここでは特徴的な構造についてのみ説明し、それ以外の詳細な構造の説明は割愛する。
図32に見られるように、本実施例に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板21の自由端に櫛歯形状の可動電極39が形成され、これと微小ギャップを介して噛み合う櫛歯形状の固定電極40がフレーム20に形成されている。すなわち、この偏向ミラーは、可動電極39と固定電極40による静電トルクによってミラー基板21を駆動する形式のものである。
図示しないが、本実施例に係る偏向ミラーにおいて、ミラー基板裏面に、可動電極部分を避けて、図7〜図10に関連して説明したような複数の凹部を形成することにより、ミラー基板に図10に示したような曲げ剛性分布を持たせてもよい。
図33は、別の実施例に係る偏向ミラーの構造を説明するための概略斜視図である。本実施例に係る偏向ミラーは、前記実施例1のようにSOI基板を用いて半導体プロセスにより実現することも、前記実施例5のように1枚のシリコン基板を用いて半導体プロセスにより実現することも可能であるが、ここでは特徴的な構造についてのみ説明し、それ以外の詳細な構造の説明は割愛する。
図33に見られるように、本実施例に係る偏向ミラーにおいては、前記実施例2と同様に、連結部材24に外側に張り出した形の櫛歯形状の可動電極51が形成され、この可動電極51と微小ギャップを介して噛み合う櫛歯形状の固定電極52がフレーム20に形成されている。すなわち、本実施例に係る偏向ミラーは、可動電極51と固定電極52の間に駆動パルスを印加し、両電極間の静電トルクによりミラー基板21を駆動する形式である。
本実施例に係る偏向ミラーにおいては、駆動用電極がミラー基板21の回転中心軸に近い位置にあるため、前記実施例6に係る偏向ミラーに比べ、ミラー基板21の振れ角の大きい時にも静電トルクの減少が小さく、振れ角を大きくとることができる。また、本実施例に係る偏向ミラーにおいては、ミラー基板21の自由端に櫛歯形状の可動電極が設けられないため、ミラー基板21の自由端近傍までミラー面として利用可能である。ミラー基板21の自由端近傍までミラー面として利用したい場合には、連結部材24をミラー基板21の自由端付近に結合するとよい。
なお、図示しないが、本実施例に係る偏向ミラーにおいて、ミラー基板裏面に、図7〜図10に関連して説明したような複数の凹部を形成することにより、ミラー基板21に図10に示したような曲げ剛性分布を持たせてもよい。
図34は、別の実施例に係る偏向ミラーの構造を説明するための概略斜視図である。本実施例に係る偏向ミラーは、前記実施例1のようにSOI基板を用いて半導体プロセスにより実現することも、前記実施例5のように1枚のシリコン基板を用いて半導体プロセスにより実現することも可能であるが、ここでは特徴的な構造についてのみ説明し、それ以外の詳細な構造の説明は割愛する。
図34に見られるように、本実施例に係る偏向ミラーにおいては、前記実施例3と同様に、ミラー基板21の自由端に形成された可動電極39とそれに対向してフレーム20に形成された固定電極40に加え、連結部材24に外側に張り出した形の櫛歯形状の可動電極51が形成され、この可動電極51と微小ギャップを介して噛み合う櫛歯形状の固定電極52がフレーム20に形成されている。
本実施例に係る偏向ミラーも、可動電極39と固定電極40の間、及び可動電極51と固定電極52の間に駆動パルスを印加し、それら電極間の静電トルクによりミラー基板21を駆動するが、前記実施例3に関連して述べたように、低い駆動電圧でミラー基板21を大きな振れ角で振動させることができる。
図示しないが、本実施例に係る偏向ミラーにおいて、ミラー基板裏面に、図7〜図10に関連して説明したような複数の凹部を可動電極部を避けて形成することにより、ミラー基板21に図10に示したような曲げ剛性分布を持たせてもよい。
図35は別の実施例に係る偏向ミラーの構造を説明するための概略平面図、図36はその概略斜視図である。本実施例に係る偏向ミラーは、前記実施例1のようにSOI基板を用いて半導体プロセスにより実現することも、前記実施例5のように1枚のシリコン基板を用いて半導体プロセスにより実現することも可能であるが、ここでは特徴的な構造についてのみ説明し、それ以外の詳細な構造の説明は割愛する。
本実施例に係る偏向ミラーは、電磁駆動型であり、前記実施例4と同様に、ミラー基板21のミラー面55側に、その周囲に沿って周回する駆動コイル57が例えば銅薄膜により形成され、駆動コイル57の各端のリード部58,58はフレーム20に形成された電極パッド60,60に引き出されている。また、ミラー基板21に略平行な静磁界を発生するための一対の永久磁石62,62を備えている。永久磁石62,62を電磁石に置き換えることも可能である。ミラー基板21の裏面には、図36に破線で示すように複数の凹部が形成されている。駆動方法は前記実施例4に関連して説明した通りである。
<特徴の説明(4)>
本発明に係る偏向ミラーのもう1つの特徴は、駆動のための固定電極を、可動電極の移動方向にずらして配置した2以上の電極に分割した構造にある。このような2段以上の分割電極構造は、振れ角の増加及び共振点外での安定振動を可能にする。
本発明に係る偏向ミラーのもう1つの特徴は、光てこの原理により光ビームの偏向角(走査角)を拡大するためのミラーをミラー基板に対向させて設けることにある。そのミラーとミラー基板との間で入射光ビームを複数回往復反射させる関係から、ミラー基板のミラー面として利用される領域が広がるため、動的撓み変形の抑制により撓み変形量の少ない領域を拡大する必要性が高い。
上に述べた特徴を有する偏向ミラーの具体例について以下に説明する。
図37は一実施例に係る偏向ミラーの全体構造を説明するための概略分解斜視図であり、図38は偏向ミラーの本体1200の構造を説明するための概略平面図である。
偏向ミラー本体1200は、2枚のシリコン基板1206,1207を酸化膜等の絶縁膜を介して接合したSOI基板のエッチング加工により一体的に形成される。ここに示す例は固定電極が2段構造である。
第1のシリコン基板1206は例えば60μm厚の低抵抗率のシリコン基板(導体)であり、そのエッチング加工により、ミラー基板1202、ねじり梁1208、各ねじり梁1208の非支持端とミラー基板1202の辺とを連結する連結部材1209、ねじり梁1208の支持端と結合する枠状支持部1210が一体的に形成される。ミラー基板1202の自由端に櫛歯形状の可動電極1203が形成され、この可動電極1203と数μmのギャップを介して噛み合う櫛歯形状の第1の固定電極1204が枠状支持部1210に形成されている。ミラー基板1202の表面にはAu等の金属被膜が蒸着されることによりミラー面1250が形成されている。
第2のシリコン基板1207は例えば140μm厚の低抵抗率のシリコン基板(導体)であり、そのエッチング加工により、第1の駆動電極1204と平面的に重なり合う櫛歯形状の第2の固定電極1211,1212と、枠状支持部1251が一体的に形成されている。
枠状支持部1210の一部の表面の酸化膜が部分的に凹状にエッチングされてシリコン面が露出し、この部分が可動電極1203の電極パッド1253及び第1の固定電極1204の電極パッド1254とされる。また、枠状支持部1251の一部は枠状支持部1251に達するまで凹状にエッチングされてシリコンが露出し、その部分が第2の固定電極1211,1212の電極パッド1255,1256とされる。なお、枠状支持部1210には可動電極1203と第1の固定電極1204を絶縁分離するためのスリット溝1260,1261が形成され、枠状支持部1251には第2の固定電極1211,1212を絶縁分離するためのスリット溝1262,1263が形成されている。これらスリット溝はミラー基板振動空間に連通している。
このような偏向ミラー本体1200の枠状支持部1251に、ガラスなどの透明な絶縁材料からなるカバー基板1205が接合され、枠状支持部1210にベース基板1312が接合されることにより、ミラー基板1202の振動空間は気密封止される。ミラー振動空間に連通したいずれかの絶縁分離用スリット溝に非蒸発型ゲッタが配置され、これを外部からの加熱で活性化することによって、ミラー振動空間は1torr以下の減圧状態に維持される。
光ビームは、カバー基板1205に形成されたスリット窓1213を通じて入出射される。カバー基板1205の内面には、ミラー基板上のミラー面1250と対向する、ねじり梁1208と直交する方向に長い一対のミラー面1215a,1215bからなるルーフミラーが形成されている。ルーフミラーのミラー面1215a,1215bは、スリット窓1213を挟んで屋根状に144.7゜の角度をなすよう、基板面よりそれぞれ9゜,26.3゜の角度の傾斜面に、金属被膜を蒸着することにより形成される。
カバー基板1205と偏向ミラー本体1200とは精密な位置合わせが必要であるため、偏向ミラー本体1200の枠状支持部1251の四隅にアライメント用指標1214がエッチングにより形成されている。この指標1214にカバー基板1205のエッジを合わせことにより、ルーフミラーと偏向ミラー本体とを主走査方向に精密に位置合わせすることができる。
ベース基板1312には回路基板に実装する際の電気的接続手段としてのリード端子1316が設けられている。このリード端子1316と、偏向ミラー本体1200側の凹状の各電極パッドとは、例えばはんだボールにより電気的に接続される。
本実施例に係る偏向ミラーの動作について以下に説明する。可動電極1203は接地され、2つの第1の固定電極1204には同位相の電圧パルスが印加される。一方の第2の固定電極1211には、第1の固定電極の電圧パルスより位相の進んだ電圧パルスが、もう一方の第2の固定電極1212には、第1の固定電極1204の電圧パルスより位相が遅れた電圧パルスが印加される。
図39に、ミラー基板1202の振れ角に対応して可動電極と第1、第2固定電極の間に発生する静電トルクの様子を示す。図40に電極部分を拡大して示すが、図中、左回り方向の静電トルクを正方向とする。
ミラー基板1202は初期状態では水平であるが、固定電極1211に電圧を印加すると、対向した可動電極1203との間で負方向の静電トルクを生じ、ねじり梁1208をねじって回転し、ねじり梁1208の戻り力と釣り合う振れ角まで傾く。上記電圧が断たれると、ねじり梁の戻り力でミラー基板1202は水平に戻るが、水平に戻る直前に第1の固定電極1204に電圧を印加することによって正方向の静電トルクを生じ、ミラー基板1202は加速される。続いて、固定電極1212に電圧を印加することによって、さらに正方向の静電トルクを増加させる。このような電圧を印加する固定電極を切り換える操作の繰り返しにより、ミラー基板1202を、その可動電極1203が第1の固定電極1204を抜ける振れ角(本実施例では約2゜)で往復振動させることができる。
ここで、ミラー基板1202の慣性モーメント、ねじり梁1208の幅と長さを、所望の駆動周波数に合わせ、ねじり梁1208をねじり回転軸とした1次共振モードの帯域にかかるよう設計することによって、可動電極1203が第2の固定電極1211を抜ける振れ角まで、振動振幅を拡大させることができる。これによって、第2の固定電極1211を抜けた振れ角でも、ミラー基板1202を水平に戻す方向の静電トルク、つまり固定電極1211では正の方向の静電トルク力が生じるので、静電トルクの働く振れ角範囲を拡大できる。したがって、本実施例におけるような2段電極構造によれば、共振点を外れた駆動周波数においても大きな振れ角で振動を行わせることができる。
図41に、駆動周波数に対する振れ角の特性を示す。駆動周波数を共振点に一致させれば、最も振れ角が大きくとれるが、共振点付近においては急峻に振れ角が変化することが分かる。すなわち、起動段階では、固定電極の駆動周波数を共振点に合うよう設定することができるが、温度変化等で共振点が変動すると振れ角が激減してしまうため、経時的な安定性に乏しい。また、複数の偏向ミラーを利用する場合には、各偏向ミラーの共振点がばらつくため、共振点で駆動しようとすると、全ての偏向ミラーを共通の駆動周波数で駆動することができない。
したがって、駆動周波数を、ミラー基板とねじり梁からなる振動系固有の共振点の近傍で、共振点より高い周波数の周波数帯域に設定することにより安定した振れ角で駆動することができる。本実施例において、図41に示すように、例えば共振点が2kHzの偏向ミラーで、駆動周波数を2.5kHzとし、印加電圧パルスの電圧値(ゲイン)を調整することにより、±5゜の振れ角で安定に振動させることができた。この際、偏向ミラーの加工誤差による共振点のばらつき(本実施例では300Hz)と、温度による共振点の変動(本実施例では3Hz)があっても、駆動周波数がいずれの共振点にもかからないような周波数帯域内に駆動周波数を設定することが望ましい。例えば、共振点が2kHzであれば、2.303kHz以上、又は1.697kHz以下に駆動周波数を設定することが望ましい。
いま、ミラー基板の寸法を縦2a、横2b、厚さdとし、ねじり梁部の長さをL、幅cとし、シリコン基板の密度をρ、材料定数をGとすると、
慣性モーメントI=(4abρd/3)・a^2
バネ定数K=(G/2L)・{cd(c^2+d^2)/12}
で表され、共振周波数fは
f=(1/2π)・(K/I)^1/2 =(1/2π)・{Gcd(c^2+d^2)/24LI}^1/2
で表される。ここで、梁の長さLと振れ角θは比例関係にあるため
θ=A/I・f^2 、Aは定数
で表され、振れ角θは慣性モーメントIに反比例し、共振振動数fを上げるには慣性モーメントを低減しないと振れ角θが小さくなってしまう。
そこで、本実施例ではミラー基板1202のミラー面のない裏面に、基板厚dと同じ厚みを持つ格子状のリブを残し、それ以外をd/10以下の厚さまでエッチングにより肉抜きすることで、慣性モーメントを約1/5に低減している。
一方、空気の誘電率ε、電極長さH、印加電圧V、電極間距離δとすると
電極間の静電力Fは
F=ε・H・V^2/2δ
となり、振れ角θ=B・F/I(Bは定数)とも表されるので、電極長さHが長いほど振れ角θが大きくなる。そこで、本実施例では、電極を櫛歯状とし、櫛歯数nに対して2n倍の駆動トルクを得ている。このように外周長をできるだけ長くして電極長をかせぐことで、低電圧でより大きい静電トルクが得られるように配慮している。
ところで、ミラー基板の速度υ、面積Eに対して、空気の密度ηとすると
空気の粘性抵抗
P=C・η・υ^2・E^3(Cは定数)
がミラー基板の回転の負荷として働く。したがって、ミラー基板の振動空間を減圧状態に封止することが望ましい。そこで、本実施例においては、振動空間に連通した絶縁分離用スリット溝に非蒸発型ゲッタを配置し、これを外部から加熱して活性化することで振動空間を1torr以下に減圧している。
さて、本実施例に係る偏向ミラーにおいて、光ビームはカバー部1205に形成されたスリット窓1213通じて入出射される。ミラー部1205に、ねじり梁部1208を含む副走査断面内で法線に対し約20゜傾けて光ビームが入射されるとすると、図42に模式的に示すように、ミラー面1205で反射された光ビームは対向ミラー面1215bに入射しミラー面1205へ向けて反射され、そこで反射された光ビームはスリット窓1213を超えて対向ミラー面1215aに入射し、このミラー面1215aとミラー面1205の間で3往復しながら反射位置を副走査方向に徐々に移動し、ミラー面1205で合計5回反射されてからスリット窓1213から射出される。
このように、本実施例の偏向ミラーにおいては、ミラー基板のミラー面とルーフミラーのミラー面との間で光ビームを複数回反射させることにより、ミラー基板の振れ角より光ビームの偏向角(走査角)を拡大することができる。ここで、総反射回数をN、振れ角をαとすると、走査角θは2Nαとなる。本実施例ではN=5、α=5°であるから最大走査角は50゜となる。
また、光ビームの反射点はミラー基板のミラー面上を副走査方向に移動するため、その移動領域におけるミラー基板の撓み変形(=ミラー面の撓み変形)は出射光ビームの光学特性を悪化させる。本実施例によれば、ねじり梁の非支持端とミラー基板の辺とを連結部材を介し連結した構造によって、ミラー基板の撓み量の小さい領域を拡大し、また、その領域内における撓み量を減少させることができるため、出射光ビームの光学特性が向上する。
本実施例に係る偏向ミラー本体1200においては、第2の固定電極は第1の固定電極の電極パッドなどとは異なった面に形成されたが、全ての電極パッドを同一面に形成することも可能である。そのような例を図43及び図44により説明する。
図43は偏向ミラー本体の第1のシリコン基板1206側から見たやや模式的な平面図であり、図44は図43のAA’線概略断面図である。ここに示す変形例では、第2の固定電極1211,1212のための電極パッド1255,1256は、可動電極用の電極パッド1253、第1の固定電極用の電極パッド1261と同様に、第1のシリコン基板1206の表面に形成されている。そして、電極パッド1255,1256は、第1のシリコン基板1206を貫通し第2のシリコン基板1207に達する導電材料1255b,1256bによって第2の固定電極1211,1212と電気的に接続されている。また、第1のシリコン基板1206には、電極パッド1255,1256を他の部分から絶縁分離するためのスリット溝1255c,1256cが形成されている。この例のように全ての電極パッドを同一面に形成した構成は、封止を含む実装プロセスの信頼性が向上し、また外部との電気的接続を含む実装プロセスが容易になる。
また、本実施例に係る偏向ミラー本体1200においても、前記実施例2,3,7,8と同様に、ねじり梁とミラー基板の間の連結部材に可動電極を設け、それに対応する2段構造の固定電極を設ける構成とすることも可能である。そのような変形例を図45及び図46により簡単に説明する。なお、説明の簡略化のため、図45及び図46において図38と対応する部分には同一又は同様の符号を付して説明に代える。
図46に示す変形例においては、第1のシリコン基板1206に相当するシリコン基板には、同図(a)に示すように、連結部材1209に外向きに延出した可動電極1203aが形成され、これに対する櫛歯形状の固定電極(第1の固定電極)1204aが枠状支持部1210に形成される。追加された固定電極1204aの部分は、図示のように、ミラー基板1202の回転中心軸の方向に、スリット溝により絶縁分離された複数の部分に分割され、分割されたそれぞれの部分のための電極パッド1261c〜1261fが形成される。図45(b)に示すように、第2のシリコン基板1207に相当するシリコン基板には、第1のシリコン基板側に追加された固定電極部分に対応した固定電極(第2の固定電極)1211aが形成され、これもミラー基板の回転中心軸の方向に、スリット溝により絶縁分離された複数の部分に分割され、分割されたそれぞれの部分のための電極パッド1255d,1255e,1256d,1256eが形成される。
この変形例では、ミラー基板を取り囲むように駆動用電極が設けられるため、電極面積が増加し静電トルクが増大する。また、前記実施例2に関連して説明したように、連結部材1209に設けられた可動用電極1203aはミラー基板1202の回転中心軸に近い位置にあるため、ミラー基板の振れ角の大きい時にも静電トルクの減少が小さく、この点でも振れ角の増大に有利である。さらに、固定電極1204a,1211a,1212aは、ミラー基板の回転中心軸の方向に分割されているため、それら分割された電極毎に駆動タイミングを調整することができ、その調整を適切に行うことによって、ミラー基板の振れ角が小さい時点から大きい時点まで連続的に静電トルクを作用させ、ミラー基板を効率的に駆動することができる。
図46に示す変形例と図45に示す変形例との違いは、可動電極及び固定電極の電極パッドをシリコン基板の一辺に沿って集約した点であり、実装時の電極パッドの外部接続が容易になる。また、図46の(a)と(b)を対比すると明らかなように、2枚のシリコン基板のスリット溝で分離された島状領域が交差する位置関係となるため、偏向ミラー本体の強度(基板強度)が向上する。
なお、本実施例及びその上記各変形例においても、前記実施例6,7,8などと同様に、ねじり梁の支持端を回転弾性を持たせて支持する構造すること可能である。また、本実施例における偏向ミラー本体1200を、前記実施例1〜9に係る偏向ミラーと置き換えることも可能である。
<特徴の説明(5)>
本発明に係る光走査装置の主たる特徴は、以上に説明したような本発明に係る偏向ミラーを光偏向手段として用いることにある。本発明に係る光走査装置は、光ビームの光学特性が良好であり、また、偏向角(走査角)を大きくとることができるため、イメージスキャナ装置などにおける読み取り走査や、画像形成装置における光書込み走査などの用途に好適である。本発明に係る画像形成装置の主たる特徴は、本発明に係る光走査装置を光書込み走査手段として用いることである。
本発明に係る光走査装置の基本的な構成例を図47に示す。図47において、301は本発明に係る偏向ミラーである。ただし、この偏向ミラー301はルーフミラーを内蔵していないタイプである。光源としての半導体レーザ302より出射したレーザ光ビームは、カップリングレンズ303、シリンダレンズ304及び入射ミラー305からなる光学系を経由してルーフミラー306のスリット窓より偏向ミラー301のミラー面に入射する。入射したレーザ光ビームは、偏向ミラー301のミラー面とルーフミラー305との間で複数回反射された後、ルーフミラー305のスリット窓から出射し、fθレンズなどからなる結像光学系(補正光学系)306によって被走査面307にスポット状に結像される。この走査スポットは、偏向ミラー301のミラー基板の往復振動に従って主走査方向Xに移動する。
本発明に係る偏向ミラー301は、前述のようにミラー基板の動的撓み変形が効果的に抑制され、ミラー基板の(したがってミラー基板上のミラー面の)動的撓み量が小さい領域が拡大され、その領域内の動的撓み量も減少するため、反射されるレーザ光ビームの光学特性(ビーム径など)が優れている。したがって、被走査面307の高精度な光走査が可能である。
なお、偏向ミラー301として、前記実施例10に係る偏向ミラーのようなルーフミラーを内蔵した偏向ミラーを用いる場合には、外付けのルーフミラー306は設けられない。また、偏向ミラー301がルーフミラーを内蔵していない場合においても、ルーフミラー306を設けない構成とすることも可能である。
ここでは、本発明に係る光走査装置の他の実施例と、それを光書込み走査に利用した画像形成装置の一実施例について説明する。
図48は、本実施例に係る画像形成装置(レーザプリンタ)の概略構成図である。この画像形成装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のステーションを有し、各ステーションにおいて、本発明に係る光走査装置2500によって、対応した感光体ドラム(像担持体)2504に記録信号により変調されたレーザ光ビームによる光書き込み走査を行って静電潜像を形成し、それぞれの感光体ドラム2504に形成された静電潜像を異なった色のトナー像に現像し、そのトナー像を転写ベルト2501に重ねて転写するタンデム方式のものである。転写ベルト2501は駆動ローラと2本の従動ローラとで支持され移動するもので、その移動方向に沿って均等間隔で感光体ドラム2504が配列されている。各感光体ドラム2504の周囲には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したトナーを補給する現像ローラ2502及びトナーホッパ部2503が配備され、また、感光体ドラム2504上の転写後の残留トナーをブレードで掻き取り備蓄するクリーニング部2508が一体的に配備される。
転写ベルト2501の端に形成されたレジストマークを検出するセンサ2505の信号をトリガとして、副走査方向の書出しタイミングをずらして、各光走査装置2500によって各色の静電潜像が書き込まれ、現像部にてトナーをのせて転写ベルト2501上で順次画像を重ねていく。用紙は給紙トレイ2507から給紙コロ2506により供給され、4色目の画像形成のタイミングに合わせてレジストローラ2510により送り出され、転写部2511にて転写ベルト2501から4色同時に転写される。トナー像が転写された用紙は搬送ベルト2515により定着ローラ2512に送られ、トナー像を定着した後に排紙ローラ2513によって排紙トレイ2514に排出される。
図49は各ステーションの光走査装置2500の概略構成図、図50は光走査装置2500の詳細構造を示す分解斜視図、図51は光走査装置2500の副走査断面構造を示す断面図である。
図49に示すように、本実施例に係る光走査装置2500は、本発明に係る偏向ミラー2130を3個使用している。ここでは、偏向ミラー2130として、光てこの原理を応用して光ビームの偏向角を拡大した前記実施例10係る偏向ミラーを想定するが、他の実施例に係る偏向ミラーを用いることも可能であることは当然である。
各偏向ミラー2130に対応して、半導体レーザ2101、カップリングレンズ2110、シリンダレンズ2136、第1の走査レンズ2116、第2の走査レンズ2117が装備され、各偏向ミラー2130により被走査面(感光体ドラム2504の表面)を分割走査する。図49において、xは主走査方向、yは副走査方向である。第2の走査レンズ2117の近傍には主走査の同期検知のために、走査光ビームをプリント基板2112に実装された同期検知センサ2113へ向けて反射するためのミラー2128が配設されている。各偏向ミラー2130を含む副走査断面における断面構造は図51に示す通りである。図51において、図37又は図38と同一の符号は同一部分を示す。
以下、光走査装置2500の構成及び動作について詳細に説明する。半導体レーザ2101から射出した光ビームは、カップリングレンズ2110、シリンダミラー2136を介して、偏向ミラー2130のミラー面に、ねじり梁を含む副走査断面内で法線に対して副走査方向に約20゜傾けて、カバー基板1205のスリット窓1213より入射される。ミラー基板1202のミラー面で反射された光ビームは、そのミラー面と、カバー基板1205のミラー面1205a,1205bとの間で反射位置を副走査方向に移動しながら合計5回反射を繰り返した後、スリット窓1213より射出される。この実施例では、このように複数回反射を繰り返すことで振動ミラーの振れ角が小さくても大きな走査角が得られるようにし、光路長を短縮している。
先に述べたように、総反射回数をN、振れ角をαとした場合、走査角θは2Nαで表される。この実施例ではN=5、α=5°であるから最大走査角は50゜となり、その内、35゜を画像記録領域としている。偏向ミラーの共振を利用することで駆動のための印加電圧は低くて済み、発熱も少ないが、前記式から明らかなように記録速度、つまり振動周波数が速くなるに従って、ねじり梁のばね定数Kを高める必要があり振れ角がとれなくなってしまう。そこで、上記したようにカバー基板1205の内面側にルーフミラーを構成するミラー面1215a,1215bを設けることで走査角を拡大し、高速記録の場合でも必要十分な走査角が得られるようにしている。
また、屋根状のミラー面1215a,1215bを設け、ミラー基板のミラー面への副走査方向での入射角度が反射の各回毎に正負(言いかえれば、反射に伴う進行方向が右向き、左向き)に振り分けるようにすることで、斜入射に伴う被走査面での走査線の曲がりを抑え、直線性を維持するとともに、光軸と直交する面内での光束の回転が射出時には元の姿勢に戻るようにして、結像性能の劣化がおきないよう配慮している。
光源である半導体レーザ2101は、フレーム部材2102に立設された壁に配備された段付きの貫通穴2103に反対側からステム外周を基準に圧入され、段差部に鍔面を突き当てて光軸方向を位置決めする。U字状の凹部2105にはUV接着剤を介してカップリングレンズ2110の光軸が半導体レーザ2101からの射出軸と合うように、また、射出光束が平行光束となるように発光点との光軸方向の位置決めを行い、凹部とカップリングレンズとの隙間のUV接着剤を硬化させて固定する。
カップリングレンズ2110より射出した光ビームは、一対の取付斜面2109に接合配備され副走査方向に負の曲率を有するシリンダミラー2136に入射され、偏向ミラー2130に、副走査方向においてミラー基板のミラー面で集束する集束光束としてカバー基板1205のスリット窓1213から入射される。
偏向ミラー2130は、そのねじり梁の方向が光軸方向に合うように、フレーム底面側に設けられた段付きの角穴2104の裏側よりベース基板1312の外縁を基準に位置決めされ、段差部に鍔面を突き当ててミラー面の位置を合わせる。本実施例においては、3つの偏向ミラー2130が、単一のフレーム部材2102により均等間隔に位置決めされる。
各偏向ミラー2130は、そのベース基板1312の底面から突出したリード端子1316をプリント基板2112のスルーホールに挿入して半田付けすることにより、フレーム部材2102の下側開口をふさぐように基板上面を当接して固定され、かつ、回路接続がなされる。
プリント基板2112には、偏向ミラー2130のほかに、半導体レーザ2101の駆動回路、偏向ミラー2130の駆動回路を構成する電子部品、及び、前記同期検知センサ2113が実装されており、外部回路との配線が一括してなされる。一端をプリント基板2112に結線されたケーブル2115は半導体レーザ2101のリード端子と接続される。
フレーム部材2102は、ある程度の剛性を確保できるガラス繊維強化樹脂やアルミダイキャスト等からなり、その両端部には画像形成装置本体の構造体に取付けるためのフランジ部2131,2133が形成されている。一方のフランジ部2131は、基準穴を備え、その内径に固定ネジ2132の軸部をかん合させ、もう一方のフランジ部2133は、長穴を備え、固定ネジ2132を貫通して各々バネ座金2134を介して感光体に対向させて固定する。この際、基準穴を回転軸としたガタ分で、被走査面(感光体)において、各光走査装置のいずれかで走査された走査線が被走査面の移動方向yと直交する方向xに平行となるよう調節される。
フレーム部材2102の上面は角穴2104の裏側に設けられた各偏向ミラー2130のミラー法線方向の突き当て面と平行な面となし、走査レンズを収納するハウジング2106の底面より突出した2本の突起2135をフレーム部材の係合穴に挿入して同面上での位置決めを行い、4隅をネジ止めして配備される。本実施例では、ネジ2137はフレーム部材の貫通穴を介してプリント基板2112に螺合され、フレーム部材を挟むように3部材一体に結合され、この後に上記半田付けがなされる。
ハウジング2106には結像手段を構成する第1の走査レンズ2116、第2の走査レンズ2117が主走査方向に配列され、各々の走査領域がわずかに重なるように位置決めされて一体的に保持される。
第1の走査レンズ2116は、副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起2120、及び、両端を係合して光軸方向の位置決めを行う平押面2119を入射面側、出射面側各々に備え、ハウジングに一体形成された溝2122に突起2120を係合し、一対の切欠2121の各々に各端の平押面2119を挿入し波板バネ2143で入射面側に押し付け、同面内での姿勢を保持することで、光軸と直交する同一面に走査レンズ同士の相対的な配置を合わせ、副走査方向基準面をハウジングから突出した一対の突起2142の先端に突き当てることで、光軸と直交する面内での位置決めがなされて副走査方向の設置高さが決定され、カバー2138と一体形成された板バネ2141で押圧支持される。
一方、第2の走査レンズ2117は、同様に副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起2123、両端に光軸方向の位置決めを行う平押面2144を備え、ハウジングに一体形成された溝2122に突起2123を係合し、切欠2121に平押面2144を挿入し、波板バネ2143で出射面側に押し付け姿勢を保持するとともに、副走査方向基準面をハウジングから突出した突起2145及び副走査方向に繰り出し自在な調節ネジ2146の先端に突き当てて設置高さを位置決めし、カバー2138と一体形成された板バネ2141で押圧支持される。2147はカバー2138を固定するネジである。
なお、本実施例においては、3個の偏向ミラー2130を主走査方向に配列したが、偏向ミラー2130の個数は必要に応じて増減し得ることは当然である。
ミラー基板をねじり梁と直接結合した場合のミラー基板の動的撓みを説明する図である。 本発明に係る偏向ミラーの特徴的構成を説明するための斜視図である。 本発明に係る偏向ミラーの特徴的構成を説明するめたの部分拡大平面図である。 本発明によるミラー基板の動的撓み変形の抑制効果を示すグラフである。 ミラー基板に作用する曲げモーメントを計算するための3次元ビームモデルを示す斜視図である。 ミラー基板に作用する曲げモーメントの計算結果を示す図である。 ミラー基板に形成される凹部を説明するための概略平面図である。 図7のAA線で切断したミラー基板の断面を示す図である。 図7のBB線で切断したミラー基板の断面を示す図である。 ミラー基板の曲げ剛性分布の例を示す図である。 実施例1に係る偏向ミラーの概略斜視図である。 実施例1に係る偏向ミラーの駆動方法の説明図である。 実施例1に係る偏向ミラーのミラー基板の振れ角と駆動パルスの関係を示す波形図である。 実施例2に係る偏向ミラーを説明するための概略斜視図である。 実施例3に係る偏向ミラーを説明するための概略斜視図である。 可動電極と駆動電極による静電トルクを説明するためのグラフである。 実施例4に係る偏向ミラーの概略平面図である。 実施例4に係る偏向ミラーの概略斜視図である。 実施例4に係る偏向ミラーの駆動電流の波形図である。 実施例5に係る偏向ミラーの概略平面図である。 図20のAA線断面図である。 実施例5に係る偏向ミラーの製造方法の一例を説明するための工程説明図である。 実施例5に係る偏向ミラーの動作説明図である。 実施例5に係る偏向ミラーのミラー基板偏向角と駆動パルスの関係を示す波形図である。 実施例5の変形例を説明するための部分平面図である。 実施例5の変形例を説明するための部分平明図である。 実施例5の変形例を説明するための部分平面図である。 実施例5の変形例を説明するための部分平面図である。 本発明に係る偏向ミラーの特徴的構成を説明するための概略斜視図である。 ミラー基板の振動中における撓み変形の様子を示す図である。 ねじり梁の支持端を回転弾性を持たせて支持する支持部の挙動を説明するための3次元ビームモデルを示す図である。 実施例6に係る偏向ミラーの概略平面図である。 実施例7に係る偏向ミラーの概略斜視図である。 実施例8に係る偏向ミラーの概略斜視図である。 実施例9に係る偏向ミラーの概略平面図である。 実施例9に係る偏向ミラーの概略斜視図である。 実施例10に係る偏向ミラーの分解斜視図である。 実施例10に係る偏向ミラーを説明するための概略平面図である。 実施例10に係る偏向ミラーの駆動電極による静電トルクと振れ角の関係を示すグラフである。 実施例10に係る偏向ミラーにおけるの2段構造の固定電極による静電トルクと振れ角の関係を説明するための模式的な部分断面図である。 2段電極構造の偏向ミラーにおける駆動周波数と振れ角の関係を示すグラフである。 ミラー基板とハーフミラーによる複数回反射の説明図である。 実施例10の変形例に係る偏向ミラーを説明するための概略平面図である。 図43に示す偏向ミラーのAA’線概略断面図である。 実施例10の別の変形例に係る偏向ミラーを説明するための概略平面図である。 実施例10の別の変形例に係る偏向ミラーを説明するための概略平面図である。 実施例11に係る光走査装置の構成図である。 実施例12に係る画像形成装置の概略構成図である。 実施例12に係る光走査装置の概略構成図である。 実施例12に係る光走査装置の分解斜視図である。 実施例12に係る光走査装置の副走査断面構造を示す概略断面図である。
符号の説明
20 フレーム
21 ミラー基板
23 ねじり梁
24 連結部材
27 凹部
28 リブ
39 可動電極
40 固定電極
51 可動電極
52 固定電極
57 駆動コイル
62 永久磁石
101 ミラー基板
102 ねじり梁
105,106 可動電極
107,108 固定電極
111,112 起動用電極
121 連結部材
123 補強梁
124 補強梁
50 ねじり梁の支持部
1202 ミラー基板
1203 可動電極
1204 第1の固定電極
1205 カバー基板
1208 ねじり梁
1209 連結部材
1210 枠状支持部
1211,1212 第2の固定電極
1213 スリット窓
1215a,1215b ルーフミラーのミラー面
1312 ベース基板
1316 リード端子
1203a 連結部材に設けられた第1の固定電極
1211a,1212a 連結部材に設けられた第2の固定電極
302 半導体レーザ
303 カップリングレンズ
304 シリンダレンズ
305 入射ミラー
306 ルーフミラー
306 結像光学系
307 被走査面
2500 光走査装置
2504 感光体ドラム

Claims (18)

  1. ミラー基板が、一端を支持されたねじり梁をねじり回転軸として往復振動する偏向ミラーであって、
    前記ミラー基板と前記ねじり梁の非支持端は一対の同一長の連結部材を介して連結され、前記一対の連結部材の第1の端は、前記ミラー基板の回転中心軸に対して対称な特定位置において前記ミラー基板の辺にそれぞれ結合され、前記一対の連結部材の第2の端は前記ねじり梁の非支持端にそれぞれ結合され、前記一対の連結部材及び前記ミラー基板の辺とが全体として前記ねじり梁の非支持端を頂点とする略2等辺三角形状の構造をなし、
    前記一対の連結部材の第1の端が前記ミラー基板の辺と結合される前記特定位置は、前記ミラー基板を前記ねじり梁の非支持端に直結して往復振動させた場合における前記ミラー基板の動的撓み量のピーク位置より、前記ミラー基板の回転中心軸から遠い位置に選ばれたことを特徴とする偏向ミラー。
  2. 前記連結部材は前記ねじり梁より高い剛性を持つ部材からなることを特徴とする請求項1に記載の偏向ミラー。
  3. 前記一対の連結部材に、その補強のための部材が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の偏向ミラー。
  4. 前記ねじり梁の支持端は支持手段により回転弾性を持たせて支持されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の偏向ミラー。
  5. 前記ねじり梁の支持端は、その回転に伴って同じ方向に弾性変形する支持部材に結合されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の偏向ミラー。
  6. 前記ミラー基板は、裏面に複数の凹部が形成され、回転中心軸から離れるに従って曲げ剛性が減少することを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の偏向ミラー。
  7. 前記ミラー基板を駆動するための手段として、前記ミラー基板の自由端に設けられた可動電極と、該可動電極と微小ギャップを介して対向する固定電極とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の偏向ミラー。
  8. 前記ミラー基板を駆動するための手段として、前記連結部材に設けられた可動電極と、該可動電極と微小ギャップを介して対向する固定電極とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の偏向ミラー。
  9. 前記ミラー基板を駆動するための手段として、前記ミラー基板の自由端に設けられた可動電極及び該可動電極と微小ギャップを介して対向する固定電極、並びに、前記連結部材に設けられた可動電極及び該可動電極と微小ギャップを介して対向する固定電極を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の偏向ミラー。
  10. 前記固定電極は、前記可動電極の移動方向にずらして設けられた複数の電極からなることを特徴とする請求項7,8又は9に記載の偏向ミラー。
  11. 前記連結部材に設けられた前記可動電極と微小ギャップを介して対向する前記固定電極は、前記ミラー基板の回転中心軸の方向に、絶縁分離された複数の部分に分割されていることを特徴とする請求項8,9又は10に記載の偏向ミラー。
  12. 前記固定電極及び前記可動電極のための電極パッドが同一平面に設けられたことを特徴とする請求項7,8,9又は10に記載の偏向ミラー。
  13. 前記ミラー基板を駆動するための手段として、前記ミラー基板に設けられた駆動コイルと、該駆動コイルが鎖交する静磁界を発生する磁石とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の偏向ミラー。
  14. 封止手段を有し、該封止手段により少なくとも前記ミラー基板の振動空間が減圧状態に封止されたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の偏向ミラー。
  15. 前記ミラー基板に対向し、前記ミラー基板に入射した光ビームを前記ミラー基板との間で複数回反射させるための固定したミラーを有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の偏向ミラー。
  16. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の偏向ミラーと、光源と、前記光源より出射された光ビームを前記偏向ミラーに入射させる光学系と、前記偏向ミラーのミラー基板との間で光ビームを複数回往復反射するミラーと、前記複数回往復反射の後の光ビームを被走査面に結像させる光学系とを有することを特徴とする光走査装置。
  17. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の偏向ミラーと、光源と、前記光源より出射された光ビームを前記偏向ミラーに入射させる光学系と、前記偏向ミラーにより偏向された光ビームを被走査面に結像させる光学系とを有することを特徴とする光走査装置。
  18. 感光体と、画像信号で変調された光ビームにより前記感光体の表面を走査して静電潜像を形成する請求項16又は17に記載の光走査装置と、前記感光体上の静電潜像をトナー像に現像する現像手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
JP2004122688A 2004-04-12 2004-04-19 偏向ミラー、光走査装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4416117B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004122688A JP4416117B2 (ja) 2004-04-19 2004-04-19 偏向ミラー、光走査装置及び画像形成装置
US11/102,658 US7529011B2 (en) 2004-04-12 2005-04-11 Deflector mirror with regions of different flexural rigidity

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004122688A JP4416117B2 (ja) 2004-04-19 2004-04-19 偏向ミラー、光走査装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005308863A true JP2005308863A (ja) 2005-11-04
JP4416117B2 JP4416117B2 (ja) 2010-02-17

Family

ID=35437755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004122688A Expired - Fee Related JP4416117B2 (ja) 2004-04-12 2004-04-19 偏向ミラー、光走査装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4416117B2 (ja)

Cited By (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006079078A (ja) * 2004-08-18 2006-03-23 Lg Electron Inc 走査装置及びその製作方法
JP2006224224A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Fujitsu Ltd マイクロ揺動素子およびその製造方法
JP2006330399A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Seiko Epson Corp アクチュエータ
WO2007139136A1 (ja) * 2006-05-31 2007-12-06 Alps Electric Co., Ltd. アクチュエータ
JP2008083122A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Matsushita Electric Works Ltd 可動構造体及びそれを備えた光学素子
WO2009147886A1 (ja) * 2008-06-05 2009-12-10 ブラザー工業株式会社 光スキャナ
JP2010002637A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Canon Electronics Inc 光走査装置
JP2010008611A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Panasonic Electric Works Co Ltd 可動構造体及びそれを用いたマイクロミラー素子
JP2010026069A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Kyoto Univ 振動ミラー素子
EP2233961A1 (en) * 2008-01-10 2010-09-29 Konica Minolta Opto, Inc. Micro scanner and method for controlling micro scanner
WO2010113602A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 ブラザー工業株式会社 光スキャナ
WO2010113603A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 ブラザー工業株式会社 光スキャナ
JP2010244012A (ja) * 2009-03-16 2010-10-28 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
US7869110B2 (en) 2007-07-11 2011-01-11 Ricoh Company, Ltd. Optical scan apparatus and image formation apparatus
US7911669B2 (en) 2007-02-14 2011-03-22 Canon Kabushiki Kaisha Optical scanning device and image forming apparatus using the same
US8218219B2 (en) 2008-07-02 2012-07-10 Fujitsu Limited Micro-mirror array and optical switch
JP2012133242A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Mitsumi Electric Co Ltd 光走査装置
US8681410B2 (en) 2009-07-23 2014-03-25 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Optical scanner, image forming apparatus and image display apparatus
JP2014126759A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Seiko Epson Corp アクチュエーター、光スキャナーおよび画像形成装置
JP2015129867A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 パイオニア株式会社 アクチュエータ
US9091856B2 (en) 2011-09-30 2015-07-28 Panasonic Intellctual Property Management Co., Ltd. Optical reflecting element
US9575312B2 (en) 2014-11-17 2017-02-21 Ricoh Company, Ltd. Light deflector, and devices incorporating the same
JP2017058418A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 富士電機株式会社 光走査装置および内視鏡
JP2017058416A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 富士電機株式会社 光走査装置および内視鏡
JP2018041094A (ja) * 2017-10-26 2018-03-15 パイオニア株式会社 アクチュエータ
JP2019144592A (ja) * 2019-05-08 2019-08-29 パイオニア株式会社 アクチュエータ
CN110418994A (zh) * 2017-03-14 2019-11-05 浜松光子学株式会社 光模块
CN112444961A (zh) * 2019-09-04 2021-03-05 朗美通经营有限责任公司 具有三层式梳状致动器和两层式铰链的mems设备
JP2021092783A (ja) * 2021-01-19 2021-06-17 パイオニア株式会社 アクチュエータ
CN113728263A (zh) * 2019-04-26 2021-11-30 富士胶片株式会社 微镜器件
US11487104B2 (en) 2017-03-14 2022-11-01 Hamamatsu Photonics K.K. Optical module
US11513339B2 (en) 2017-03-14 2022-11-29 Hamamatsu Photonics K.K. Optical module
US11561388B2 (en) 2017-03-14 2023-01-24 Hamamatsu Photonics K.K. Light module

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6056179B2 (ja) 2012-04-18 2017-01-11 セイコーエプソン株式会社 光スキャナーおよび画像形成装置

Cited By (44)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006079078A (ja) * 2004-08-18 2006-03-23 Lg Electron Inc 走査装置及びその製作方法
US8142670B2 (en) 2005-02-16 2012-03-27 Fujitsu Limited Micro-oscillating element and method of making the same
JP2006224224A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Fujitsu Ltd マイクロ揺動素子およびその製造方法
JP4573664B2 (ja) * 2005-02-16 2010-11-04 富士通株式会社 マイクロ揺動素子およびその製造方法
JP2006330399A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Seiko Epson Corp アクチュエータ
WO2007139136A1 (ja) * 2006-05-31 2007-12-06 Alps Electric Co., Ltd. アクチュエータ
US7876002B2 (en) 2006-05-31 2011-01-25 Alps Electric Co., Ltd. Actuator
JP4832517B2 (ja) * 2006-05-31 2011-12-07 アルプス電気株式会社 アクチュエータ
JP2008083122A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Matsushita Electric Works Ltd 可動構造体及びそれを備えた光学素子
JP4626596B2 (ja) * 2006-09-26 2011-02-09 パナソニック電工株式会社 可動構造体及びそれを備えた光学素子
US7911669B2 (en) 2007-02-14 2011-03-22 Canon Kabushiki Kaisha Optical scanning device and image forming apparatus using the same
US7869110B2 (en) 2007-07-11 2011-01-11 Ricoh Company, Ltd. Optical scan apparatus and image formation apparatus
EP2233961A1 (en) * 2008-01-10 2010-09-29 Konica Minolta Opto, Inc. Micro scanner and method for controlling micro scanner
US8717652B2 (en) 2008-01-10 2014-05-06 Konica Minolta Opto, Inc. Micro scanner device and method for controlling micro scanner device
EP2233961A4 (en) * 2008-01-10 2011-08-24 Konica Minolta Opto Inc MICROSCANNER AND CONTROL METHOD THEREFOR
WO2009147886A1 (ja) * 2008-06-05 2009-12-10 ブラザー工業株式会社 光スキャナ
JP2010002637A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Canon Electronics Inc 光走査装置
JP2010008611A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Panasonic Electric Works Co Ltd 可動構造体及びそれを用いたマイクロミラー素子
US8218219B2 (en) 2008-07-02 2012-07-10 Fujitsu Limited Micro-mirror array and optical switch
JP2010026069A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Kyoto Univ 振動ミラー素子
JP2010244012A (ja) * 2009-03-16 2010-10-28 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
WO2010113603A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 ブラザー工業株式会社 光スキャナ
WO2010113602A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 ブラザー工業株式会社 光スキャナ
US8681410B2 (en) 2009-07-23 2014-03-25 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Optical scanner, image forming apparatus and image display apparatus
JP2012133242A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Mitsumi Electric Co Ltd 光走査装置
US8837029B2 (en) 2010-12-22 2014-09-16 Mitsumi Electric Co., Ltd. Optical scanning device
US9091856B2 (en) 2011-09-30 2015-07-28 Panasonic Intellctual Property Management Co., Ltd. Optical reflecting element
JP2014126759A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Seiko Epson Corp アクチュエーター、光スキャナーおよび画像形成装置
JP2015129867A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 パイオニア株式会社 アクチュエータ
US9575312B2 (en) 2014-11-17 2017-02-21 Ricoh Company, Ltd. Light deflector, and devices incorporating the same
JP2017058416A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 富士電機株式会社 光走査装置および内視鏡
JP2017058418A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 富士電機株式会社 光走査装置および内視鏡
CN110418994B (zh) * 2017-03-14 2022-04-19 浜松光子学株式会社 光模块
US11561388B2 (en) 2017-03-14 2023-01-24 Hamamatsu Photonics K.K. Light module
CN110418994A (zh) * 2017-03-14 2019-11-05 浜松光子学株式会社 光模块
US11513339B2 (en) 2017-03-14 2022-11-29 Hamamatsu Photonics K.K. Optical module
US11487104B2 (en) 2017-03-14 2022-11-01 Hamamatsu Photonics K.K. Optical module
JP2018041094A (ja) * 2017-10-26 2018-03-15 パイオニア株式会社 アクチュエータ
CN113728263A (zh) * 2019-04-26 2021-11-30 富士胶片株式会社 微镜器件
CN113728263B (zh) * 2019-04-26 2023-07-07 富士胶片株式会社 微镜器件
JP2019144592A (ja) * 2019-05-08 2019-08-29 パイオニア株式会社 アクチュエータ
CN112444961A (zh) * 2019-09-04 2021-03-05 朗美通经营有限责任公司 具有三层式梳状致动器和两层式铰链的mems设备
CN112444961B (zh) * 2019-09-04 2024-06-04 朗美通经营有限责任公司 具有三层式梳状致动器和两层式铰链的mems设备
JP2021092783A (ja) * 2021-01-19 2021-06-17 パイオニア株式会社 アクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4416117B2 (ja) 2010-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4416117B2 (ja) 偏向ミラー、光走査装置及び画像形成装置
US7529011B2 (en) Deflector mirror with regions of different flexural rigidity
JP5728823B2 (ja) 光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置
JP5229704B2 (ja) 光走査装置
JP5458837B2 (ja) 光走査装置
JP5614167B2 (ja) 光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置
JP5400925B2 (ja) 揺動体装置、光偏向器、及びそれを用いた光学機器
US20090235502A1 (en) Oscillator device, optical deflector and optical instrument using the same
US8254004B2 (en) Oscillator and optical deflector having oscillator
JP6743353B2 (ja) 光偏向器、光走査装置、画像形成装置、画像投影装置及びヘッドアップディスプレイ
JP4471271B2 (ja) 偏向ミラー
US8804223B2 (en) Light beam scanning device with a silicon mirror on a metal substrate
JP2009175611A (ja) 光走査装置、光走査装置の製造方法、振動ミラーおよび画像形成装置
JP2004341364A (ja) 振動ミラーとその製造方法、光走査モジュール、光書込装置、画像形成装置
JP6682774B2 (ja) 光偏向器、光走査装置、画像形成装置、画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ装置、およびレーダ装置
JP4390596B2 (ja) 振動ミラーモジュール
JP2009031642A (ja) 揺動体装置、光偏向器およびそれを用いた画像形成装置
JP2003005124A (ja) 可動板の変位検出機能を備えた光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器
JP6648443B2 (ja) 光偏向器、2次元画像表示装置、光走査装置及び画像形成装置
JP2008020540A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4566014B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2012194283A (ja) 光偏向装置、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置
JP2006201519A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2005043612A (ja) 光走査装置、光書込装置及び画像形成装置
JP7028271B2 (ja) 光偏向器、光走査装置、画像形成装置、画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ装置、およびレーダ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131204

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees