JP2005306753A - ケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤及びエアゾール剤 - Google Patents

ケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤及びエアゾール剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 有用なケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤を得ること、及びこれをエアゾール剤に適用して、好ましくは、殺虫効力面で遜色なく、かつ噴射引火性において旧高圧ガス取締法に基づく燃性区分が弱燃性又はそれより低い燃性の水性エアゾール剤を提供すること。
【課題の解決手段】芳香族アミド系化合物、好ましくはN,N−ジエチル−m−トルアミドであるケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤。また、ケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤を含むエアゾール原液と、噴射剤とを含有するエアゾール剤であって、好ましくは、エアゾール原液が、(a)
イミプロトリン又はフタルスリン、(b)N,N−ジエチル−m−トルアミド、(c)非イオン系界面活性剤、及び(d)水を含み、(b)のエアゾール原液全体量に対する配合量が2.0〜10重量%であるエアゾール剤。
【選択図】なし。































Description

本発明は、殺虫成分として有用なイミプロトリンあるいはフタルスリン等のケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤、及びこれを含有するエアゾール剤の改良に関するものである。
イミダゾリジン環やフタルイミド環を有するイミプロトリンやフタルスリンのようなピレスロイド化合物は、害虫、特にハエやゴキブリに対して卓越したノックダウン効果を示し、ハエ・蚊用あるいはゴキブリ用エアゾール剤の殺虫成分として有用であるが、油性殺虫剤の溶剤として一般的なケロシンに溶けにくい物性を具備する。このため、その製剤化にあたっては、通常、特公平7−64687号公報に開示されている如く、補助溶剤としてミリスチン酸イソプロピルのような高級脂肪酸エステル系溶剤が配合されている。ただし、油性エアゾール剤であれば、ケロシンを併用するので、殺虫効力の面でさほどの問題を生じない。
ところで、近年、エアゾール剤の火災に対する危険性を軽減し、また環境問題への配慮から、水を配合した水性エアゾール剤への要望が高まっている。これまで、水性エアゾール剤に関する提案は数多くなされてきたが、課題の一つとして、水を含まない油性エアゾール剤に比べ、対象害虫の種類によっては殺虫効力が劣る傾向を示すことがあげられる。その理由は殺虫成分の害虫皮膚表面からの浸透性が低下するものと考えられる。
また、従来の水性エアゾール剤の大部分は、エアゾール容器内で乳化液の相と噴射剤の相が分離しており、このため使用する前に容器を振とうして内容液を均一に分散させなければならないという不便さを有していた。これを改善する方法として、例えば特公昭61−45601号公報や特公平7−121848号公報では、噴射剤にジメチルエーテルを使用する均一タイプの水ベース殺虫剤が提案されているが、効力面で満足のいくものではなかった。
本発明者らは、先に特開2003−40704号公報において、(a) 殺虫成分、(b) ソルビタン脂肪酸エステル類及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類を配合してなる界面活性剤、(c)
炭素数が8〜16個の脂肪族炭化水素、及び(d) 水を含有するエアゾール原液と、(e) 噴射剤としてのLPG(液化石油ガス)からなるマイクロエマルジョンエアゾール組成物を開示した。この発明は、(c)炭素数が8〜16個の脂肪族炭化水素を(d)水より多く含み、かつ(e)噴射剤としてのLPG(液化石油ガス)を配合したものであり、実用的な殺虫効力を保持するものの可燃性の範疇を免れ得なかった。
更に、本発明者らは、特願2003−295793号において、上記(e)噴射剤としてのLPG(液化石油ガス)を圧縮ガスに替えたエアゾール剤を開示したが、この発明においても、(c)炭素数が8〜16個の脂肪族炭化水素の配合量は(d)水より多く、噴射引火性の点で問題を残している。
このように、イミプロトリンやフタルスリンを含み、かつ実用的な殺虫効力を示す従来の水性エアゾール剤は、いずれも炭素数が8〜16個の脂肪族炭化水素を水より多く含有する処方であり、言い換えれば、エアゾール剤、特に水性エアゾール剤に適したケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤は未だ知られていないのが現状である。
特公平7−64687号公報 特公昭61−45601号公報 特公平7−121848号公報 特開2003−40704号公報 特願2003−295793号
本発明は、有用なケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤を得ること、及びこれをエアゾール剤に適用して、好ましくは、殺虫効力面で遜色なく、かつ噴射引火性において旧高圧ガス取締法に基づく燃性区分が弱燃性又はそれより低い燃性の水性エアゾール剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
(1)芳香族アミド系化合物であるケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤。
(2)芳香族アミド系化合物がN,N−ジエチル−m−トルアミドである(1)に記載のケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤。
(3)ケロシン難溶性ピレスロイド化合物が、イミプロトリン又はフタルスリンである(1)又は(2)に記載のケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤。
(4)ケロシン難溶性ピレスロイド化合物並びにその溶解剤としての芳香族アミド系化合物を含むエアゾール原液と、噴射剤とを含有するエアゾール剤。
(5)芳香族アミド系化合物がN,N−ジエチル−m−トルアミドである(4)に記載のエアゾール剤。
(6)ケロシン難溶性ピレスロイド化合物が、イミプロトリン又はフタルスリンである(4)又は(5)に記載のエアゾール剤。
(7)エアゾール原液が、(a) イミプロトリン又はフタルスリン、(b)N,N−ジエチル−m−トルアミド、(c)非イオン系界面活性剤、及び(d)水を含み、(b)のエアゾール原液全体量に対する配合量が2.0〜10重量%である(6)に記載のエアゾール剤。
(8)エアゾール原液が、更に(e)ケロシンを含み、(e)のエアゾール原液全体量に対する配合量が0〜20重量%までの範囲である(7)に記載のエアゾール剤。
(9)噴射剤がジメチルエーテル及び/又はLPGで、エアゾール原液/噴射剤の容量比率が15/85〜65/35の範囲である(4)ないし(8)のいずれかに記載のエアゾール剤。
(10)噴射剤が圧縮ガスである(4)ないし(8)のいずれかに記載のエアゾール剤。
本発明の溶解剤は、イミプロトリンやフタルスリンのようなケロシン難溶性ピレスロイド化合物に対して優れた溶解性を示し、エアゾール剤への利用価値が大きい。特に、水性エアゾール剤に適用した場合、ケロシン難溶性ピレスロイド化合物の害虫皮膚表面からの浸透性を助長するため、油性エアゾール剤と比べて遜色のない殺虫効力を保持し、かつ旧高圧ガス取締法に基づく燃性区分が弱燃性又はそれより低い燃性の水性エアゾール剤を提供することが可能となる。
本発明で用いられるイミプロトリンやフタルスリンのようなピレスロイド化合物は、害虫、特にハエやゴキブリに対して卓越したノックダウン効果を示し、ハエ・蚊用あるいはゴキブリ用エアゾール剤の殺虫成分として有用である。しかしながら、ケロシン難溶性のため、油性エアゾール剤を調製するに際しては、ケロシンと共に補助溶剤としてミリスチン酸イソプロピルのような高級脂肪酸エステル系溶剤が併用されることが多い。この高級脂肪酸エステル系溶剤は、油性エアゾール剤においては、イミプロトリンやフタルスリンの好適な溶解剤であるが、水性エアゾールに適用した場合、殺虫効力の低下を招く傾向を有する。かかる現状を鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、本発明の溶解剤を知見するに至ったものである。
本発明で溶解剤として用いられる芳香族アミド系化合物は、イミプロトリンやフタルスリンのようなケロシン難溶性ピレスロイド化合物に対して優れた溶解性を示し、かかるピレスロイド化合物の害虫皮膚表面からの浸透性を助長するため、エアゾール剤、特に水性エアゾール剤への利用価値が大きい。代表的な化合物としては、N,N−ジエチル−m−トルアミド、N,N−ジメチル−ベンズアミド、N,N−ジエチル−ベンズアミドなどがあげられるが、溶解性能や忌避剤としての使用実績等の点から、N,N−ジエチル−m−トルアミドが好ましい。N,N−ジエチル−m−トルアミドは蚊に対する忌避剤として広く用いられているが、害虫、特にハエやゴキブリに対する殺虫効果は知られていない。従って、N,N−ジエチル−m−トルアミドをケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤として用いる本発明は、従来の技術から想到しえない驚くべき全く新規な知見である。
なお、これらの溶解剤は、引火点が高く安全性にも優れているので使いやすく、本発明の趣旨を損なわない限り、公知の他の各種溶剤と一緒に用いても構わない。
本発明の溶解剤は、当然のことながら、ケロシン難溶性ピレスロイド化合物以外の種々の殺虫成分も良く溶解する性質を有し、係る殺虫成分としては、フェノトリン、ぺルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、レスメトリン、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン、エトフェンプロックス等のピレスロイド系殺虫成分、シラフルオフェン等のケイ素系殺虫成分、フェニトロチオン等の有機リン剤、プロポクスル等のカーバメート剤等があげられる。
例えば、ゴキブリ用殺虫剤には、ノックダウン効果が卓越したイミプロトリンと、残効性に優れたフェノトリン、ぺルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン等を組み合わせる処方が好適である。なお、前記殺虫成分の化学構造中に不斉炭素あるいは二重結合等を含みこれに基づく光学異性体や幾何異性体等が存在する場合は、これらの各々または任意の混合物も本発明に含まれることはもちろんである。
本発明の溶解剤、好ましくは、N,N−ジエチル−m−トルアミドを用いて、イミプロトリンやフタルスリンのようなケロシン難溶性ピレスロイド化合物を溶解した液は、エアゾール剤への利用価値が大きく、これを含むエアゾール原液と、噴射剤とからエアゾール剤が調製される。
エアゾール原液は、(a) イミプロトリン又はフタルスリン、(b)N,N−ジエチル−m−トルアミド、(c)非イオン系界面活性剤、及び(d)水を含み、(b)のエアゾール原液全体量に対する配合量は2.0〜10重量%が好適である。また、このエアゾール原液は、更に(e)ケロシンを含んでもよく、そのエアゾール原液全体量に対する配合量は、0〜20重量%までの範囲が好ましい。
噴射剤としては、ジメチルエーテル、液化石油ガス(LPG)、圧縮ガス(窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等)があげられ、ジメチルエーテル及び/又はLPGを用いる場合は、エアゾール原液/噴射剤の容量比率を15/85〜65/35の範囲に設定するのが好ましい。
また、噴射剤として圧縮ガスを採用すれば、不燃性の水性エアゾール剤を提供することが可能となり、火気に対する安全性の点で更に好ましい。なお、圧縮ガスの充填量は、エアゾール原液に対して0.2〜5重量%程度が適当である。
好ましい形態の水性エアゾール剤を具体的に示すと、そのエアゾール原液は、エアゾール原液全体量に対して(a) イミプロトリン又はフタルスリンを0.01〜3.0重量%、(b)N,N−ジエチル−m−トルアミドを2.0〜10重量%、(c)非イオン系界面活性剤を1.0〜15重量%、(d)水を52〜96重量%、及び(e)ケロシンを0〜20重量%含むものである。
前記水性エアゾール剤は、殺虫成分としてイミプロトリン又はフタルスリンをエアゾール原液全体量に対して0.01〜3.0重量%含有する。0.01重量%未満であると所望の殺虫効力が得られないし、一方、3.0重量%を超えるとエアゾール内容液の乳化もしくは可溶化(以降、広義の意味で併せて可溶化という)安定性の点で困難を伴う。
また、ケロシン難溶性ピレスロイド化合物以外の前記種々の殺虫成分や殺ダニ剤、カビ類、菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤、あるいはピレスロイド系殺虫剤の共力剤、安定剤、香料、賦形剤等を、可溶化安定性に支障を来たさない限りにおいて適宜配合してもよい。殺ダニ剤としては、5−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミド安息香酸メチル、サリチル酸フェニル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート等があり、一方、防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、トリホリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール等を例示できる。
前記水性エアゾール剤では、ケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤であるN,N−ジエチル−m−トルアミドが、エアゾール原液中に2.0〜10重量%の範囲で配合される。2.0重量%未満の場合殺虫効力面で所望の効果が得られず、一方、10重量%を越えるとエアゾール内容液の可溶化安定性の点で好ましくない。
なお、エアゾール内容液の可溶化安定性と噴射引火性を阻害しない範囲で、他の溶剤を配合することは何ら差し支えなく、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール系、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、アルキルベンゼン、フェニルキシリルエタン等を例示できる。
前記水性エアゾール剤は、可溶化剤として(c)非イオン系界面活性剤を、エアゾール原液中に1.0〜15重量%含有する。非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類などのエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類などの脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、脂肪酸のポリアルカロールアミドなどがあげられるがこれらに限定されない。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類及び/又はポリエチレングリコール脂肪酸エステル類を主成分としてなるものが好ましい。なお、非イオン系界面活性剤の配合量が1重量%未満では十分な可溶化性能が得られず、一方15重量%を超えると使用時のベタツキを生じるなど、使用性の面で好ましくない。
また、前記水性エアゾール剤では、所望の作用・効果を得るために、エアゾール原液中の(d) 水の配合量は52〜96重量%に設定される。52重量%未満であるとエアゾール剤での噴射引火性の問題が解消されず、一方、96重量%を超えると殺虫効力の改善が難しくなる。
また、殺虫効力をより高めるために(e)ケロシンを配合してもよく、この場合、エアゾール内容液の可溶化安定性と噴射引火性の点から、その配合量は20重量%までの範囲に抑えられる。
前記水性エアゾール剤は、噴射剤としてジメチルエーテル及び/又はLPGを用いてもよいが、
圧縮ガスを使用して不燃性処方とするのが好ましい。圧縮ガスの中では、環境面や組成物に対する影響を考慮すると、窒素ガスが特に好ましい。本発明では、耐圧容器内にエアゾール内容液と噴射剤が混在しているタイプのほかに、二重構造容器の内容器内に内容液が、内容器と外容器との空間内に圧縮ガスが封入されるタイプにも使用できる。
前記水性エアゾール剤は、その用途、使用目的、対象害虫等に応じて、適宜バルブ、噴口、ノズル等の形状を選択することができ、種々の実施の形態が可能である。
例えば、耐圧容器を二重構造容器とし、内容器内にエアゾール内容液を充填するとともに、外容器内には圧縮ガスとこの圧縮ガスを吸着する吸着剤を充填して使用経過に伴う噴射圧の低下を低減させることができる。このような吸着剤は、圧縮ガス、好ましくは窒素ガスや炭酸ガスを脱着させうる活性炭、ゼオライト、木炭などが適当であり、その物性としては、細孔半径分布において、1〜100Åのものが80%以上を占め、かつBET法による比表面積が1000〜3000m2/gの範囲のものが好ましい。
こうして得られた本発明の前記水性エアゾール剤は、従来の油性エアゾール剤と比べて遜色のない殺虫効力を奏し、一液性処方では使用前に容器を振とうする必要がない。また、火気に対する危険性が顕著に軽減され、エアゾール剤の噴射引火性試験においては、火炎長が認められないか、認められてもわずかで、旧高圧ガス取締法の燃性区分によれば弱燃性又はそれより低い区分に該当する。特に、噴射剤として不燃性の圧縮ガスを使用した場合、現行高圧ガス保安法の告示で定める「不燃性」相当のエアゾール剤が可能となる。
本発明のエアゾール剤が有効な害虫としては、例えば、ゴキブリ類、アリ類、ヤスデ、ムカデ類、シロアリ類、コナダニ、チリダニ等の屋内塵性ダニ類や、アカイエカ、ネッタイシマカ、ユスリカ類、イエバエ、チョウバエ、ブユ類、アブ類等の双翅目害虫があげられ、その実用性は極めて高い。
つぎに具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明のケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤、及びこれを含有するエアゾール剤を更に詳細に説明する。
本発明の各種溶解剤を用い、これに殺虫成分としてのイミプロトリン又はフタルスリン(ラセミ体)を5〜20重量%の範囲で溶解させ、溶解状態を調べた。また、比較のために、ケロシン、ミリスチン酸イソプロピル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを用いて同様に試験を行った。その結果を表1に示す。なお、評価基準は次のとおりである。
○:完全に溶解、 ×:完全に溶解せず。
Figure 2005306753
試験の結果、本発明の溶解剤は、殺虫成分のイミプロトリンやフタルスリンを実用上十分高い濃度まで溶解し、後記するように、水性エアゾール剤に適用しても、油性エアゾール剤と遜色のない殺虫効力を保持した。
これに対し、ケロシンは溶解度が小さく、またミリスチン酸イソプロピルやジエチレングリコールモノブチルエーテルについては、実用的な溶解性を有したが、水性エアゾール剤に用いた場合、殺虫効力の低下が避けられなかった。
エアゾール原液全体量に対して、イミプロトリン0.14重量%、フェノトリン0.35重量%、N,N−ジエチル−m−トルアミド5.0重量%、ポリオキシエチレンオレイルエーテル系非イオン界面活性剤6.0重量%、ポリエチレングリコールモノオレエート系非イオン界面活性剤3.0重量%、及び水85.51重量%からなるエアゾール原液(マイクロエマルジョン組成物)をエアゾール容器に入れた。該容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて、圧縮窒素ガス(エアゾール原液に対して0.5重量%)を、該エアゾール剤の容器内圧が0.9MPaに設定されるように加圧充填して、本発明の水性エアゾール剤を得た。
本発明の水性エアゾール剤は、一液性であるため使用の際に容器を振とうする必要がなく従来の水性エアゾール剤に比べて使用性に優れた。また、不燃性で火災に対する危険性が低く、更にその殺虫効果も、同量の殺虫成分を含む油性エアゾール剤とほとんど遜色ないものであった。
エアゾール缶内に、活性炭20g(細孔半径分布:1〜100Åのものが97%、BET法による比表面積:1360m2/g)を入れた後、三層積層体袋(外層:ポリエチレン樹脂、中間層:エバール樹脂、内層:ポリエチレン樹脂)を挿入した。エアゾール缶上部にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて圧縮炭酸ガス1.5gを加圧充填(容器内圧:0.6MPa)し、さらに実施例2で用いたエアゾール原液(マイクロエマルジョン組成物)70gを、三層積層体袋に封入して本発明の水性エアゾール剤を得た。
本水性エアゾール剤は、使用末期においても噴射圧は0.5MPaを保持し、従来の圧縮ガスエアゾールでみられる噴射圧低下の問題を生じなかった。
実施例2に準じて表2に示す各種エアゾール剤を調製し、下記に示す試験を行った。
(1)殺虫効力試験
側面にバターを塗ったガラス容器の中に、ワモンゴキブリ雄成虫1匹を放ち、20cmの距離から2秒間供試エアゾール剤を噴射した。ゴキブリが仰転するまでの時間を記録し、油性エアゾール剤の効力を1.0としてその相対効力を表2に示した。
(2)エアゾール剤の噴射引火性試験
高圧ガス保安法に定める試験方法に基づいてエアゾール剤の噴射引火性を調べた。火炎長が認められず「不燃性」に該当するものを(◎)、火炎長が認められるも、旧高圧ガス取締法に基づく燃性区分が弱燃性又はそれより低いものを(○)、弱燃性を超えるものを
(×)で示した。
Figure 2005306753
試験の結果、イミプロトリンやフタルスリン(d−シス/トランス体)の溶解剤としてN,N−ジエチル−m−トルアミドを使用した本発明の水性エアゾール剤は、対照の油性エアゾール(比較例1)と比べて遜色のない殺虫効力を示し、また火気に対する危険性が顕著に軽減され極めて実用的であった。特に、噴射剤として圧縮ガスを使用した場合には、「不燃性」のエアゾール剤を提供することが可能であった。
これに対し、比較例2や比較例3のように、ミリスチン酸イソプロピルやジエチレングリコールモノブチルエーテルをイミプロトリンの溶解剤に用いて水性エアゾール剤を調製すると、殺虫効力の低下が避けられなかった。これらの試験結果から、N,N−ジエチル−m−トルアミドをイミプロトリンやフタルスリンの溶解剤として用いることによる本発明の顕著な有用性が確認された。
本発明のケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤、及びこれを含有するエアゾール剤は、屋内、屋外における広範な害虫駆除を目的として利用することが可能である。更に、殺虫成分以外の有効成分を選択して、例えば芳香、消臭、抗菌用途など、害虫駆除以外の分野にも応用できる。























Claims (10)

  1. 芳香族アミド系化合物であることを特徴とするケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤。
  2. 芳香族アミド系化合物が、N,N−ジエチル−m−トルアミドである請求項1に記載のケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤。
  3. ケロシン難溶性ピレスロイド化合物が、イミプロトリン又はフタルスリンである請求項1又は2に記載のケロシン難溶性ピレスロイド化合物の溶解剤。
  4. ケロシン難溶性ピレスロイド化合物並びにその溶解剤としての芳香族アミド系化合物を含むエアゾール原液と、噴射剤とを含有するエアゾール剤。
  5. 芳香族アミド系化合物が、N,N−ジエチル−m−トルアミドである請求項4に記載のエアゾール剤。
  6. ケロシン難溶性ピレスロイド化合物が、イミプロトリン又はフタルスリンである請求項4又は5に記載のエアゾール剤。
  7. エアゾール原液が、(a) イミプロトリン又はフタルスリン、(b)N,N−ジエチル−m−トルアミド、(c)非イオン系界面活性剤、及び(d)水を含み、(b)のエアゾール原液全体量に対する配合量が2.0〜10重量%である請求項6に記載のエアゾール剤。
  8. エアゾール原液が、更に(e)ケロシンを含み、(e)のエアゾール原液全体量に対する配合量が0〜20重量%までの範囲である請求項7に記載のエアゾール剤。
  9. 噴射剤がジメチルエーテル及び/又はLPGで、エアゾール原液/噴射剤の容量比率が15/85〜65/35の範囲である請求項4ないし請求項8のいずれかに記載のエアゾール剤。
  10. 噴射剤が圧縮ガスである請求項4ないし請求項8のいずれかに記載のエアゾール剤。



















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