JP2005300763A - 拡散転写フイルムユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】最高濃度が高く、カブリが低く、拡散転写が速いカラー拡散転写フイルムユニットを提供する。
【解決手段】透明支持体上に受像層、白色反射層、遮光層、色素像形成物質と組み合わされたハロゲン化銀乳剤層を有する感光シート、支持体上に中和層、中和タイミング層を有する透明カバーシート、及び前記感光シートと前記透明カバーシートの間に展開されるカーボンブラック含有のアルカリ処理組成物、これらが透明カバーシートを通して露光するように配置された拡散転写フイルムユニットにおいて、下記一般式(I)で表される化合物より選ばれる少なくとも1種の化合物と、一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物の両者を、前記アルカリ処理組成物中に含有する拡散転写フイルムユニット。
【化1】
Figure 2005300763

【選択図】なし

Description

本発明は拡散転写フイルムユニットに関する。更に詳しくは、一体型カラー拡散転写フィルムユニットに関するものである。また、本発明は、最高濃度が高く、カブリが低く、拡散転写が速いカラー拡散転写フイルムユニットに関する。
カラー拡散転写フイルムユニットには、一体型と分割型がある。分割型の代表的な一つの例はいわゆるピールアパートタイプであり、これは感光要素と色素受像要素とが別の支持体上に塗設されており画像露光後、感光要素と色素受像要素とを重ね合わせ、その間に処理組成物を展開しその後色素受像要素を剥しとる事により色素受像層に転写された色素画像を得るものである。この形態の特長は、後述の一体型の様に支持体を通して画像を観察するのではなく、色素画像を直接観察できるため画質の低下がなく優れた色再現性を示す事にある。しかしながら、この形態では感光要素と受像要素とをカメラの中で重ね合わせるという操作上の不便さ、また剥離後アルカリ性の処理液がベタつき周囲に付着しやすいという処理済みフィルムの取扱い上の不便さがある。
この操作上、取扱い上の不便さを改善したものが一体型の形態である。一体型の拡散転写フイルムユニットは、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure),1976年,151巻No.15162やフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photographic Science and Engineering),1976年7月18日,20巻4号等多くの文献によく知られている。一体型では透明な支持体ともう一方の支持体との間に色素受像要素、感光要素、中和タイミング要素が塗設されており、感光要素が受像要素と同一の透明支持体上に塗設される形態と(以下、前者という)、別の支持体上に塗設される形態とがある(以下、後者という)。
前者の場合には受像要素と感光要素の間に白色反射層が塗設され、後者の場合には受像要素と感光要素の間に展開される処理組成物に白色顔料を含有させる事により受像層に転写した色素画像を反射光で観察できるようにしている。本発明は前者の形態に関し、透明支持体上に受像層、白色反射層、遮光層、少なくとも1つの色素像形成物質と組み合わされた少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する感光シート、透明支持体上に少なくとも中和層、中和タイミング層を有する透明カバーシート、及び前記感光シートと前記透明カバーシートの間に展開されるようになっている遮光性のアルカリ処理組成物を含むカラー拡散転写フイルムユニットに関する。
一体型拡散転写フイルムユニットは、プロのみならずアマチュアの一般ユーザーにも幅広く使用されている。これらのユーザーは、撮影もしくはプリントアウトした画像を早く見たいという強い要望を有しており、この要望を実現するためにはカラー拡散転写フイルムユニットの拡散転写速度を速めることが重要である。カラー拡散転写フイルムユニットの拡散転写速度を速めるためには銀現像活性を高めることが有効だが、同時にカブリも上昇してしまうという問題が存在する。
この問題を解決する為に、アルカリ処理組成物中に現像抑制剤を含有させる方法が従来から知られている。従来から知られている現像抑制剤としては、(a) 特開平5−127332号、特開2000−347373などに開示された化合物や、(b) 特開2000−305233等に開示されたメルカプト基を有する化合物などを挙げることができる。
しかしながら、化合物(a)については十分にカブリを下げるためには多量に添加しなければならない上に、多量の添加による最高濃度の低下、拡散転写の遅れ、といった欠点を有しており、化合物(b)についてはカーボンブラックを含有するアルカリ処理組成物に添加すると逆にかぶりが上昇するために、これまでカーボンブラックを含有するアルカリ処理組成物に添加できないと考えられており、これらの諸問題の解決が求められていた。特に銀現像活性が高く、拡散転写速度が速いネガ型ハロゲン化銀からなるカラー拡散転写フイルムユニットでは、ポジ型に対してカブリが高くなる傾向があり、これらの諸問題の解決が強く求められていた。
リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure),1976年,151巻No.15162 フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photographic Science and Engineering),1976年7月18日,20巻4号 特開平5−127332号公報 特開2000−347373公報 特開2000−305233公報
従って、本発明は、最高濃度が高く、カブリが低く、拡散転写が速いカラー拡散転写拡散フイルムユニットを提供することを目的とする。
上記課題は、
(1)透明支持体上に受像層、白色反射層、遮光層、色素像形成物質と組み合わされたハロゲン化銀乳剤層を有する感光シート、支持体上に中和層、中和タイミング層を有する透明カバーシート、及び前記感光シートと前記透明カバーシートの間に展開されるカーボンブラック含有のアルカリ処理組成物、これらが透明カバーシートを通して露光するように配置された拡散転写フイルムユニットにおいて、下記一般式(I)で表される化合物より選ばれる少なくとも1種の化合物と、下記一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物の両者を、前記アルカリ処理組成物中に含有することを特徴とする拡散転写フイルムユニット、
Figure 2005300763
(式中、Qは炭素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を構成要素とする5員または6員の複素環を形成するために必要な原子群を表し、該含窒素複素環は置換基を有していてもよいが、置換基としてメルカプト基を有することはない。Mは水素原子、アルカリ金属原子、四級アンモニウム基、またはアルカリ条件下で水素原子もしくはアルカリ金属原子となりうる基を表し、nは0又は1を表す。)
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
(式中、Q1、Q2、Q3、Q4またはQ5は、置換基を有してもよい5員もしくは6員の複素環を形成するために必要な原子群、または置換基を有してもよいベンゼン環と縮合した5員もしくは6員の複素環を形成するために必要な原子群を表す。R1は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、および置換もしくは無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。Lは水素原子またはアルカリ金属原子を表す。)
(2)(1)に記載の拡散転写フイルムユニットにおいて、一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物が、一般式(II−1)で表される化合物であることを特徴とする拡散転写フイルムユニット、
(3)(1)または(2)に記載の拡散転写フイルムユニットにおいて、該拡散転写フイルムユニット感光シート中のハロゲン化銀乳剤が、ネガ型ハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする拡散転写フイルムユニット、
(4)(1)または(2)に記載の拡散転写フイルムユニットにおいて、 該拡散転写フイルムユニット感光シート中のハロゲン化銀乳剤が、内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする拡散転写フイルムユニット、
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の拡散転写フイルムユニットにおいて、複数個の特定波長域で発光する異なる光源を有する露光ヘッドを用いて露光されることを特徴とする拡散転写フイルムユニット、
により達成された。
本発明により最高濃度が高く、カブリが低く、拡散転写が速い拡散転写フイルムユニットを提供できる。
一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物は、特開2000−305233、特表平11−509649号等に開示されているが、いずれもカーボンブラックを含まないアルカリ処理組成物について記載されているのみである。遮光剤としてカーボンブラックを含むアルカリ処理組成物についての記載はない。カーボンブラックを遮光剤として含むアルカリ処理組成物において上記化合物を単独で添加するとかぶりが上昇する。発明者らはカーボンブラックを遮光剤として含むアルカリ処理組成物において上記化合物を一般式(I)の化合物と併用することによって、最高濃度の低下や拡散転写の遅れを伴うことなくかぶりを低下させることができることを見出した。添加するとかぶりが上昇する上記一般式(II−1)〜(II−4)の化合物を、一般式(I)の化合物と併用することによって、拡散転写フィルムユニットのかぶりが低下するということは、従来の知見からは予想外の驚くべきことである。
以下に請求項1に記載の一般式(I)によって表される化合物について詳しく説明する。
式中、Qは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子の少なくとも1種の原子から構成される5員又は6員の複素環を形成するのに必要な原子群を表す。またこの含窒素複素環は炭素芳香環または複素芳香環と縮合していてもよい。さらに該含窒素複素環は置換基を有していてもよいが、置換基としてメルカプト基を有することはない。
Qによって形成される複素環の具体例としては、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、アザインデン環、ピラゾール環、インドール環、トリアジン環、ピリミジン環、ピリジン環、キノリン環等があげられる。
これらの複素環はニトロ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シアノエチル基、メトキシエチル基、メチルチオエチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、4−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メチルフェニル基、3、4−ジクロロフェニル基、ナフチル基等)、アルケニル基(例えばアリル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、4−メチルベンジル基、フェネチル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、メトキシエチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモイル基、メチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば無置換スルファモイル基、メチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等)、カルボンアミド基(例えばアセトアミド基、ベンズアミド基等)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、p−トルエンスルホンアミド基等)、
アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ基等)、ウレイド基(例えば無置換のウレイド基、メチルウレイド基、エチルウレイド基、フェニルウレイド基等)、チオウレイド基(例えば無置換のチオウレイド基、メチルチオウレイド基等)、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基等)、ヘテロ環基(例えば1−モルホリノ基、1−ピペリジノ基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−チエニル基、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基等)、オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等)、オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルアミノ基等)、アミノ基(例えば無置換のアミノ基、ジメチルアミノ基、メトキシエチルアミノ基、アニリノ基)、カルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩、ヒドロキシ基などで置換されていてもよい。
Mは水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム原子、カリウム原子等)、四級アンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム基、ジメチルベンジルアンモニウム基、テトラブチルアンモニウム基、テトラメチルアンモニウム基等)、及びアルカリ条件下で当該アルカリ化合物との置換反応、または加水分解によりMが水素原子もしくはアルカリ金属原子となりうる基(例えばアセチル基、シアノエチル基、メタンスルホニル基)を表す。
アルカリ条件を与える化合物としては、例えばアルカリ金属元素の水酸化物やアルカリ土類金属元素の水酸化物などであり、好ましくはアルカリ金属元素の水酸化物であり、より好ましくは水酸化カリウムである。
好ましいMは、水素原子、アルカリ金属原子または四級アンモニウム基であり、より好ましくは水素原子またはアルカリ金属原子であり、特に好ましくは水素原子である。
nは0または1を表す。
一般式(I)で表される複素環のうち好ましいものは、ベンゾトリアゾール類、インダゾール類、ベンズイミダゾール類であり、特にベンゾトリアゾール類が好ましい。
以下に本発明に用いられる一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
本発明で用いられる化合物(I)はベリヒテ・デア・ドイツチェン・ヘミッシェン・ゲゼルシャフト(Berichte der DeutschenChemischen Gesellschaft) 22、77(1895)、特開昭50−37436号、同51−3231号、米国特許3,295,976号、同3,376,310号、ベリヒテ・デア・ドイツチェン・ヘミッシェン・ゲゼルシャフト(Berichte der DeutschenChemischenGesellschaft) 22、568(1889)、同29、2483(1896)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ(J.Chem.Soc.)32、1806、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.)71、4000(1949)、
米国特許2,585,388号、同2,541,924号、アドバイシイズ・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(AdvancesinHeterocyclic Chemistry) 9、165(1968)、オーガニック・シンセシス(OrganicSynthesis) IV、569(1963)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.)45、2390(1923)、ヘミシェ・ベリヒテ(Chemische Brichte) 9、465(1876)、特公昭40−28496号、特開昭50−89034号、米国特許3,106,467号、同3,420,760号、同2,271,229号、同3,137,578号、同3,148,066号、同3,511,663号、同3,060,028号、同3,271,154号、同3,251,691号、同3,598,599号、同3,148,066号、特公昭43−4135号、米国特許3,615,616号、同3,420,664号、同3,071,465号、同2,444,605号、同2,444,606号、同2,444,607号、同2,935,404号、特開昭57−202,531号、同57−167,023号、同57−164,735号、同60−80839号、同58−152,235号、同57−14836号、同59−162,546号、同60−130,731号、同60−138,548号、同58−83852号、同58−159,529号、同59−159,162号、同60−217,358号、同61−80238号、特公昭60−29390号、同60−29391号、同60−133,061号、同60−1431号等に記載されている方法により合成することができる。
本発明に用いられる一般式(I)で表される化合物の処理液への添加量は、展開時の塗布量として0.01mmol/m2〜10.0mmol/m2が好ましく、特に0.1mmol/m2〜5.0mmol/m2が好ましい。本発明に用いられる一般式(I)で表される化合物は処理液に1種類だけ添加してもよいが、2種以上添加してもよいし、従来から知られている他の現像抑制剤と併用することもできる。
次に、本発明に用いられる一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物について詳しく説明する。
式中、Q1〜Q5は互いに同じでも異なってもよく置換基を有してもよい5員、6員の複素環を形成するに必要な原子群又はベンゼン環と縮合した5員、6員の複素環を形成するに必要な原子群を表す。該複素環としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、ベンツイミダゾール環、ベンツイミダゾリン環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、チアゾリン環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾチアゾリン環、オキサゾール環、オキサゾリン環、ベンツオキサゾール環、ベンツオキサゾリン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピラジン環、チアジン環、オキサジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、テトラアザインデン環等がある。該複素環の置換基としては、置換もしくは未置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、オクチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、ジメチルアミノエチル基、エトキシカルボニルエチル基、アシルオキシエチル基、メチルチオエチル基、モルホリノメチル基等)、アリル基、置換もしくは未置換のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、カプロアミドフェニル基、ニトロフェニル基、クロルフェニル基、メチルフェニル基、エトキシフェニル基、メタンスルホニルフェニル基、カルボキシフェニル基、スルホキシフェニル基、カルバモイルフェニル基、ジメチルアミノフェニル基等)、置換もしくは未置換のアラルキル基(例えばベンジル基、クロルベンジル基、メトキシベンジル基等)、ハロゲン原子(例えばクロル、ブロム、ヨード等)、ニトロ基、置換もしくは未置換のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、置換もしくは未置換のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、メチルフェノキシ基、クロルフェノキシ基等)、置換もしくは未置換のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、メトキシエチルチオ基、ヒドロキシエチルチオ基等)、置換もしくは未置換のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基、カルボキシフェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、
−COOM11、−COOR11、−SO311、−SO311、−SO−R11、−SO211、−NH2、−NHR11、−N(R11)(R12)、−NHCOR11、−NH・CO・NH・R11、−NHCO211、−CONH−R11、−CONH2、−SO2NH2、−SO2NHR11、{M11は水素原子、NH4又はナトリウム原子、カリウム原子などのアルカリ金属原子を表わし、R11、R12は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基(例えばピリジン環、チアジアゾール環、イミダゾール環等)を表わす。}などを挙げることができる。これらの置換基の炭素数としては8以下のものが好ましい。
R1は置換もしくは未置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、オクチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、ジメチルアミノエチル基、エトキシカルボニルエチル基、アシルオキシエチル基、メチルチオエチル基、モルホリノメチル基等、好ましくは総炭素数7以下)、置換もしくは未置換のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、カプロアミドフェニル基、ニトロフェニル基、アミノフェニル基、クロルフェニル基、メチルフェニル基、エトキシフェニル基、メタンスルホニルフェニル基、カルボキシフェニル基、スルホキシフェニル基、カルバモイルフェニル基、ジメチルアミノフェニル基等、好ましくは総炭素数10以下)または置換もしくは未置換のアラルキル基(例えばベンジル基、クロルベンジル基、メトキシベンジル基等、好ましくは総炭素数10以下)、を表わす。Lは水素原子またはアルカリ金属原子(ナトリウム原子、カリウム原子など)を表わす。
以下に本発明に用いられる一般式(II−1)〜(II−4)で表わされる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005300763
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本発明に用いられる一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物のなかで、好ましいものとしては一般式(II−1)で表される化合物であり、特に好ましいものとしては上記具体例中A−28〜A−33である。
本発明に用いられる一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物の処理液への添加量は、展開時の塗布量として0.0001mmol/m2〜10.0mmol/m2が好ましく、特に0.001mmol/m2〜1.0mmol/m2が好ましい。本発明に用いられる一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物は処理液に1種類だけ添加してもよいが、2種以上添加してもよいし、従来から知られている他の現像抑制剤と併用することもできる。
以下に、本発明の拡散転写フイルムユニットに使用しうる各構成要素の例について説明する。
I.感光シート
A)支持体
本発明に用いられる感光シートの支持体は写真感光材料に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも用いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下塗り層(下引層)を設けるのが好ましい。支持体は通常ライトパイピングを防止するため微量の染料または酸化チタンの如き顔料を含有しているのが好ましい。感光シートの支持体の厚さは25〜350μm、好ましくは50〜210μm、更に好ましくは70〜150μmである。必要に応じて支持体のバック側にはカールバランスをとる層または特開昭56−78833号公報に記載の酸素遮断性の層をつけることができる。
B)受像層
本発明に用いられる感光シートの受像層(染料受像層)は親水性コロイド中に媒染剤を含むものなどである。これは単一の層であっても、また媒染力の異なる媒染剤が重ねて塗設された多層構成のものでもよい。これらについては特開昭61−252551号公報に記載されている。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。
ポリマー媒染剤とは二級および三級アミノ基を含むポリマー、含窒素複素環部分をもつポリマー、および四級カチオンを含むポリマーなどで分子量が5,000以上のもの、特に好ましくは10,000以上のものである。媒染剤の塗設量は、一般的には0.5〜10g/m2好ましくは1.0〜5.0g/m2特に好ましくは2〜4g/m2である。
感光シートの受像層に使用する親水性コロイドとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが使用されるがゼラチンが好ましい。
受像層中には、特開昭62−30620号公報や同62−30621号公報、特開昭62−215272号公報記載の退色防止剤を組み込むことができる。
本発明に用いられる受像層の厚さは特に制限されるものではない。
C)白色反射層
本発明に用いられる感光シートの白色反射層は、色画像の白背景を成すものでよいが、通常、白色顔料と親水性バインダーを含む。
白色反射層用の白色顔料としては、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ステアリン酸バリウム、銀フレーク、ケイ酸塩類、アルミナ、酸化ジルコニウム、ジルコニウム硫酸ソーダ、カオリン、雲母、二酸化チタンなどが使用される。さらに、スチレンなどによりなる非造膜性のポリマー粒子なども使用される。また、これらは、単独で使用してもよく、好まれる反射率を得られる範囲で混合して用いることもできる。
白色顔料は、好ましくは、二酸化チタンである。
白色反射層の白色度は、顔料の種類、顔料とバインダーとの混合比率および顔料の塗布量によって変るが、光反射率が70%以上であることが好ましい。
白色顔料として二酸化チタンを用いた場合は、二酸化チタンを5〜40g/m2、好ましくは10〜25g/m2塗布し、光反射率が540nmの波長の光で78〜85%を有する白色反射層が好ましい。二酸化チタンは、市販の種々の銘柄より選んで用いることができる。
この中でも特にルチル型の二酸化チタンを用いるのが好ましい。市販品の多くは、アルミナ、シリカや酸化亜鉛などで表面処理が行なわれており、高い反射率を得るには、表面処理量が5%以上のものが好ましい。市販されている二酸化チタンとしては、例えば、デュポン社の Ti−pure R931(商品名)の他、リサーチ・ディスクロージャー誌15162号に記載のものがある。
白色反射層のとしては、アルカリ浸透性の高分子マトリックス、例えばゼラチン、ポリビニルアルコールやヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースのようなセルロース誘導体が使用できる。バインダーとしてゼラチンを用いた場合、白色顔料とゼラチンの質量比は、1/1〜20/1、好ましくは5/1〜10/1である。
白色反射層中には、特公昭62−30620号公報や同62−30621号公報のような褪色防止剤を組み込むことが好ましい。
D)遮光層
前記白色反射層と下記感光層の間には遮光剤および親水性バインダーを含む遮光層を設ける。遮光剤としては、遮光機能を有する材料のいずれも用いられるが、カーボンブラックが好ましく用いられる。また米国特許第4,615,966号公報等に記載の分解性の染料を用いてもよい。遮光剤を塗設するバインダーとしてはカーボンブラックを分散しうるものならいずれでもよく、好ましくはゼラチンである。カーボンブラック原料としては、例えば Donnel Voet “Carbon Black” MarcelDekker,Inc. (1976)に記載されているようなチャンネル法、サーマル法及びファーネス法など任意の製法のものが使用できる。カーボンブラックの粒子サイズは特に限定されないが90〜1800Åのものが好ましい。遮光剤としての黒色顔料の添加量は遮光すべき感光材料の感度に応じて量を調節すればよいが、光学濃度で5〜10程度が好ましい。
本発明に用いられる遮光層の厚さは特に制限されるものではない。
E)感光層
本発明においては、前記遮光層に隣接して、色素像形成物質(色素像形成化合物)と組合わされた少なくとも1つハロゲン化銀乳剤層から成る感光層を設ける。以下、その構成要素について述べる。
(1)色素像形成化合物
色素像形成化合物の具体例は下記の文献に記載されている。
イエロー色素の例:
米国特許3,597,200号公報、同3,309,199号公報、同4,013,633号公報、同4,245,028号公報、同4,156,609号公報、同4,139,383号公報、同4,195,992号公報、同4,148,641号公報、同4,148,643号公報、同4,336,322号公報、特開昭51−114930号公報、同56−71072号公報、Research Disclosure 17630(1978)号、及び同16475(1977)号に記載されているもの。
マゼンタ色素の例:
米国特許3,453,107号公報、同3,544,545号公報、同3,932,380号公報、同3,931,144号公報、同3,932,308号公報、同3,954,476号公報、同4,233,237号公報、同4,255,509号公報、同4,250,246号公報、同4,142,891号公報、同4,207,104号公報、同4,287,292号公報、特開昭52−106727号公報、同53−23628号公報、同55−36804号公報、同56−73057号公報、同56−71060号公報、同55−134号公報、特開平7−120901号公報、同8−286343号公報、同8−286344号公報、及び同8−292537号公報に記載されているもの。
シアン色素の例:
米国特許3,482,972号公報、同3,929,760号公報、同4,013,635号公報、同4,268,625号公報、同4,171,220号公報、同4,242,435号公報、同4,142,891号公報、同4,195,994号公報、同4,147,544号公報、同4,148,642号公報;英国特許1,551,138号公報;特開昭54−99431号公報、同52−8827号公報、同53−47823号公報、同53−143323号公報、同54−99431号公報、同56−71061号公報;ヨーロッパ特許(EP)53,037号公報、同53,040号公報;Research Disclosure 17,630(1978)号、及び同16,475(1977)号に記載されているもの。
カップリングにより色素を形成する色素像形成化合物も使用できる。例えば特開平8−286340号公報、同9−152705号公報、特願平8−357190号公報、同8−357191号公報、同9−117529号公報などに記載されている。
また、ポジ型の色素像形成化合物も使用できる。この場合、ハロゲン化銀乳剤はネガ型ハロゲン化銀乳剤を使用すればよい。この例として、特開平4−156542号公報、同4−155332号公報、同4−172344号公報、同4−172450号公報、同4−318844号公報、同356046号公報、同5−45824号公報、同5−45825号公報、同5−53279号公報、同5−107710号公報、同5−241302号公報、同5−107708号公報、同5−232659号公報、及び米国特許第5,192,649号公報に記載されている。
これらの化合物は、特開昭62−215272号公報144〜146頁記載の方法で分散することができる。またこれらの分散物には、特開昭62−215272号公報137〜144頁記載の化合物を含ませてもよい。これらの色素像形成化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。下記の化合物中のDyeは、色素基、一時的に短波化された色素基、又は色素前駆体基を表す。
Figure 2005300763
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(2)ハロゲン化銀乳剤
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、例えば塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀でよく、主にハロゲン化銀粒子表面に潜像を形成するネガ型ハロゲン化銀乳剤、またはハロゲン化銀粒子内部に潜像を形成する内部潜像型直接ポジ乳剤が好ましい。
ハロゲン化銀粒子表面に潜像を形成するネガ型乳剤は、粒子内部と粒子表層が異なる相を持ったいわゆるコアシェル乳剤であってもよく、またエピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよい。ハロゲン化銀乳剤は単分散でも多分散でもよく、特開平1−167743号、同4−223463号記載のように単分散乳剤を混合し、階調を調節する方法も用いられる。
ハロゲン化銀粒子の晶癖は立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、高アスペクト比の平板状のような変則的な結晶系を有するもの、双晶面のような結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合系その他のいずれでもよい。
具体的には、米国特許第4,500,626号第50欄、同4,628,021号、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下RDと略記する)No. 17,029(1978年)、同No. 17,643(1978年12月)22〜23頁、同No. 18,716(1979年11月)648頁、同No. 307,105(1989年11月)863〜865頁、特開昭62−253159号、同64−13546号、特開平2−236546号、同3−110555号及びグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Glafkides,Chemie et Pisique Photographique,Paul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chemistry,Focal Press,1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al.,Making and Coating Photographic Emulsion,Focal Press,1964)等に記載されている方法を用いて調製したハロゲン化銀乳剤のいずれもが使用できる。
感光性ハロゲン化銀乳剤を調製する過程で、過剰の塩を除去するいわゆる脱塩を行うことが好ましい。このための手段として、ゼラチンをゲル化させて行うヌーデル水洗法を用いてもよく、また多価アニオンより成る無機塩類(例えば硫酸ナトリウム)、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスルホン酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘導体(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチンなど)を利用した沈降法を用いてもよい。沈降法が好ましく用いられる。
本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤は、例えば、種々の目的でイリジウム、ロジウム、白金、カドミウム、亜鉛、タリウム、鉛、鉄、オスミウムなどの重金属を含有させてもよい。これらの化合物は、単独で用いてもよいしまた2種以上組み合わせて用いてもよい。添加量は、使用する目的によるが一般的には、ハロゲン化銀1モルあたり10−9〜10−3モル程度である。また含有させる時には、粒子に均一に入れてもよいし、また粒子の内部や表面に局在させてもよい。具体的には、特開平2−236542号、同1−116637号、同5−181246号等に記載の乳剤が好ましく用いられる。
感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成段階において、ハロゲン化銀溶剤としてロダン塩、アンモニア、4置換チオエーテル化合物や特公昭47−11386号記載の有機チオエーテル誘導体または特開昭53−144319号に記載されている含硫黄化合物等を用いることができる。
その他の条件については、前記のグラフキデ著「写真の物理と化学」ポールモンテ社刊(P.Glafkides,Chemie et Pisique Photographique,Paul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chemistry,Focal Press,1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al.,Making and Coating Photographic Emulsion,Focal Press,1964)等の記載を参照すればよい。すなわち酸性法、中性法、アンモニア法のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせのいずれを用いてもよい。単分散乳剤を得るためには、同時混合法が好ましく用いられる。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる逆混合法も用いることができる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法も用いることができる。
また、粒子成長を早めるために、添加する銀塩およびハロゲン塩の添加濃度、添加量、添加速度を上昇させてもよい(特開昭55−142329号、同55−158124号、米国特許3650757号等)。さらに反応液の攪拌方法は、常用のいずれの攪拌方法でもよい。またハロゲン化銀粒子形成中の反応液の温度、pHは、目的に応じてどのように設定してもよい。好ましいpH範囲は2.3〜8.5、より好ましくは2.5〜7.5である。
感光性ハロゲン化銀乳剤は通常は化学増感されたハロゲン化銀乳剤である。
感光性ハロゲン化銀乳剤の化学増感には、通常型感光材料用乳剤で公知の硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法などのカルコゲン増感法、金、白金、パラジウムなどを用いる貴金属増感法および還元増感法などを単独又は組合わせて用いることができる(例えば特開平3−110555号、同5−241267号など)。これらの化学増感を含窒素複素環化合物の存在下で行うこともできる(特開昭62−253159号)。またカブリ防止剤を化学増感終了後に添加することができる。具体的には、特開平5−45833号、特開昭62−40446号記載の方法を用いることができる。本発明に用いられる一般式(A)で表されるカブリ防止剤は、化学増感の終了時に添加するのが好ましい。
化学増感時のpHは好ましくは5.3〜10.5、より好ましくは5.5〜8.5であり、pAgは好ましくは6.0〜10.5、より好ましくは6.8〜9.0である。本発明において使用される感光性ハロゲン化銀の塗設量は、銀換算1mg〜10g/m2の範囲であり、好ましくは、10mg〜10g/m2である。
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に緑感性、赤感性、青感性の感色性を持たせるためには、感光性ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類その他によって分光増感する。また、必要に応じて赤外感性の分光増感を施してもよい。
用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含される。具体的には、米国特許第4,617,257号、特開昭59−180,550号、同64−13546号、特開平5−45828号、同5−45834号などに記載の増感色素が挙げられる。これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合せは特に、強色増感や分光増感の波長調節の目的でしばしば用いられる。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増感を示す化合物を乳剤中に含んでもよい(例えば米国特許第3,615,641号、特開昭63−23145号等に記載のもの)。これらの増感色素を乳剤中に添加する時期は化学熟成時もしくはその前後でもよいし、米国特許第4,183,756号、同4,225,666号に従ってハロゲン化銀粒子の核形成前後でもよい。またこれらの増感色素や強色増感剤は、メタノールなどの有機溶媒の溶液、ゼラチンなどの分散物あるいは界面活性剤の溶液で添加すればよい。添加量は一般にハロゲン化銀1モル当り10−8ないし10−2モル程度である。
内部潜像型直接ポジ乳剤には、例えば、ハロゲン化銀の溶解度差を利用してつくる、いわゆる「コンバージョン型」乳剤や、金属イオンをドープするか、もしくは化学増感するか、又はその両方を施したハロゲン化銀の内部核(コア)粒子の少なくとも感光サイトをハロゲン化銀の外部殻(シェル)で被覆してなる「コア/シェル型」乳剤等があり、これについては、米国特許2,592,250号、同3,206,313号、英国特許1,027,146号、米国特許3,761,276号、同3,935,014号、同3,447,927号、同2,297,875号、同2,563,785号、同3,551,662号、同4,395,478号、***特許2,728,108号、米国特許4,431,730号などに記載されている。
また、内部潜像型直接ポジ乳剤を用いる場合には、像露光後に光もしくは造核剤を用いて表面かぶり核を与える必要がある。そのための造核剤としては、米国特許2,563,785号、同2,588,982号に記載されたヒドラジン類、米国特許3,227,552号に記載されたヒドラジン類、ヒドラゾン類、英国特許1,283,835号、特開昭52−69613号、米国特許3,615,615号、同3,719,494号、同3,734,738号、同4,094,683号、同4,115,122号等に記載された複素環4級塩化合物、米国特許3,718,470号に記載された造核作用のある置換基を色素分子中に有する増感色素、米国特許4,030,925号、同4,031,127号、同4,245,037号、同4,255,511号、同4,266,013号、同4,276,364号、英国特許2,012,443号等に記載されたチオ尿素結合型アシルヒドラジン系化合物、及び米国特許4,080,270号、同4,278,748号、英国特許2,011,391B等に記載されたチオアミド環やトリアゾール、テトラゾール等のヘテロ環基を吸着基として結合したアシルヒドラジン系化合物などが用いられる。
本発明ではこれらネガ型乳剤及び内部潜像型直接ポジ乳剤と組合わせて、分光増感色素を用いることができる。その具体例については、特開昭59−180550号、同60−140335号、リサーチ・ディスクロージャー(RD)17029、米国特許1,846,300号、同2,078,233号、同2,089,129号、同2,165,338号、同2,231,658号、同2,917,516号、同3,352,857号、同3,411,916号、同2,295,276号、同2,481,698号、同2,688,545号、同2,921,067号、同3,282,933号、同3,397,060号、同3,660,103号、同3,335,010号、同3,352,680号、同3,384,486号、同3,623,881号、同3,718,470号、同4,025,349号等に記載されている。
(3)感光層の構成
減色法による天然色の再現には、上記分光増感色素により分光増感された乳剤と同波長範囲に選択的な分光吸収をもつ色素を供与する前記色素像形成化合物との組み合わせの少なくとも二つからなる感光層を用いる。
乳剤と色素像形成化合物とは別層として重ねて塗設してもよいし、また混合し一層として塗設してもよい。前記色素像形成化合物が塗布された状態で、これと組合わされた乳剤の分光感度域に吸収を持つ場合には別層の方が好ましい。また乳剤層は複数の、感度の異なる乳剤層からなるものでもよく、また乳剤層と色素像形成化合物層との間に任意の層を設けてもよい。例えば、特開昭60−173541号公報に記載された造核現像促進剤を含む層、特公昭60−15267号公報に記載された隔壁層を設けて色像濃度を高めたり、また反射層を設け感光要素の感度をたかめることも出来る。
このような反射層としては、白色顔料および親水性バインダーを含む層であり、好ましくは白色顔料は酸化チタン、親水性バインダーはゼラチンである。酸化チタンの塗布量は0.1g/m2〜8g/m2、好ましくは0.2g/m2〜4g/m2である。反射層の例としては特開昭60−91354号公報に記載がある。
本発明における感光層の重層構成では、露光側から青感性乳剤の組合わせ単位、緑感性乳剤の組合わせ単位、赤感性乳剤の組合わせ単位が順次配置されることが好ましい。各乳剤層単位の間には必要に応じて任意の層を設ける事ができる。特にある乳剤層の現像の効果が他の乳剤層単位に及ぼす好ましくない影響を防ぐため、中間層を設置するのが好ましい。
本発明は必要に応じて、イラジエーション防止層、UV吸収剤層、保護層などが塗設される。
本発明における感光層の厚さは特に制限されるものではない。
II.透明カバーシート
本発明におけるカラー拡散転写フィルムユニットでは、透明カバーシート上に中和機能をもたせる事が好ましい。
F)支持体
本発明に用いられるカバーシートの支持体は、写真感光材料に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも用いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下塗り層を設けるのが好ましい。支持体には、ライトパイピングを防止するため微量の染料を含有しているのが好ましい。
G)中和機能を有する層
本発明に用いられる中和機能を有する層(中和層)は、後述のアルカリ処理組成物から持込まれるアルカリを中和するのに十分な量の酸性物質を含む層であり、必要に応じて、中和速度調節層(中和タイミング層)、密着強化層等の層から成る多層構成のものでもよい。
好ましい酸性物質としてはpKa9以下の酸性基(もしくは加水分解によってそのような酸性基を与える前駆体基)を含む物質であり、さらに好ましくは米国特許2,983,606号公報に記載されているオレイン酸のような高級脂肪酸、米国特許3,362,819号公報に開示されているようなアクリル酸、メタアクリル酸もしくはマレイン酸の重合体とその部分エステルまたは酸無水物;仏国特許2,290,699号公報に開示されているようなアクリル酸とアクリル酸エステルの共重体;米国特許4,139,383号公報やリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosure)No.16102(1977)に開示されているようなラテックス型の酸性ポリマーを挙げることができる。その他、米国特許4,088,493号公報、特開昭52−153739号公報、同53−1023号公報、同53−4540号公報、同53−4541号公報、同53−4542号公報等に開示の酸性物質も挙げることができる。
上記酸性物質である酸性ポリマー(ポリマー酸)の具体例としては、エチレン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル等のビニルモノマーと、無水マレイン酸との共重合体及びそのn−ブチルエステル、ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合物、セルロース、アセテート・ハイドロジエンフタレート等を挙げることができる。
前記酸性ポリマーは、親水性ポリマーと混合して用いることができる。このような親水性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリメチルピロリドン、ポリビニルアルコール(部分ケン化物も含む)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリメチルビニルエーテルなどである。なかでも、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、前記酸性ポリマーに親水性ポリマー以外のポリマー、例えばセルロースアセテートなどを混合してもよい。
前記ポリマー酸の塗布量は、後述のアルカリ処理組成物のアルカリの量により調節される。単位面積当りのポリマー酸とアルカリの当量比は0.9〜2.0が好ましい。ポリマー酸の量が少なすぎると、転写色素の色相が変化したり、白地部分にステインを生じ、又多過ぎる場合にも色相の変化、あるいは耐光性の低下などの不都合を生じる。さらに好ましい当量比は1.0〜1.3である。混合する親水性ポリマーの量も多すぎても少なすぎても写真の品質を低下させる。親水性ポリマーのポリマー酸に対する質量比は0.01〜10、好ましくは0.1〜3.0である。
本発明における中和機能を有する層には、種々の目的で添加剤を組込むことができる。たとえば、この層の硬膜を行うために当業者で周知の硬膜剤、また膜の脆性を改良するためにポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価ヒドロキシル化合物を添加することができる。その他必要に応じて、酸化防止剤、蛍光増白剤、現像抑制剤およびその前駆体などを添加することもできる。
本発明において、中和層と組合わせて用いる中和タイミング層は、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物、酢酸セルロース、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、などのようなアルカリ透過性を低くするポリマー;アクリル酸モノマーなどの親水性コモノマーを少量共重合させてつくられた、アルカリ透過の活性化エネルギーを高くするラテックスポリマー;ラクトン環を有するポリマーなどが有用である。
なかでも、特開昭54−136328号公報、米国特許4,267,262号公報、同4,009,030号公報、同4,029,849号公報等に開示されている酢酸セルロースを使用したタイミング層;特開昭54−128335号公報、同56−69629号公報、同57−6843号公報、米国特許4,056,394号公報、同4,061,496号公報、同4,199,362号公報、同4,250,243号公報、同4,256,827号公報、同4,268,604号公報等に開示されている、アクリル酸などの親水性コモノマーを少量共重合させてつくられたラテックスポリマー;特開平11−2890号に開示されている、多価アルコールのモノアクリル酸エステルもしくはモノメタクリル酸エステルを有するポリマー;米国特許4,229,516号公報に開示されたラクトン環を有するポリマー;その他特開昭56−25735号公報、同56−97346号公報、同57−6842号公報、ヨーロッパ特許(EP)31,957A1号公報、同37,724A1号公報、同48,412A1号公報などに開示されたポリマーが特に有用である。
その他、以下の文献に記載のものも使用できる。
米国特許3,421,893号公報、同3,455,686号公報、同3,575,701号公報、同3,778,265号公報、同3,785,815号公報、同3,847,615号公報、同4,088,493号公報、同4,123,275号公報、同4,148,653号公報、同4,201,587号公報、同4,288,523号公報、同4,297,431号公報、***特許出願(OLS)1,622,936号公報、同2,162,277号公報、Research Disclosure 15162,No. 151(1976年)。 これらの素材を用いた中和タイミング層は単独層もしくは二種以上の層の併用として使用しうる。
また、これらの素材からなる中和タイミング層に、例えば米国特許4,009,029号公報、***特許出願(OLS)2,913,164号公報、同3,014,672号公報、特開昭54−155837号公報、同55−138745号公報などに開示された現像抑制剤および/もしくはそのプレカーサーや、また、米国特許4,201,578号公報に開示されているハイドロキノンプレカーサー、その他有用な写真用添加剤もしくはそのプレカーサーなどを組み込むことも可能である。さらには、上記中和機能を有する層として、特開昭63−168648号公報、同63−168649号公報に記載の如く補助中和層を設けることが処理後経時による転写濃度の変化を少なくするという点において効果がある。
H)その他
本発明におけるカバーシートは、中和機能を有する層の他に、補助的な機能を持つ層として、バック層、保護層、フィルター染料層などを有してもよい。
バック層は、カールの調整や、滑り性の付与の為に設けられる。フィルター染料はこの層に添加してもよい。
保護層は、主としてカバーシートバック面との接着、感光材料とカバーシートとを重ね合わせたときの感光材料保護層との接着を防止する為に用いられる。カバーシートに染料を含有させて感光層の感度調整を行う事もできる。
フィルター染料は、直接カバーシートの支持体中や中和機能を有する層、さらには前記のバック層、保護層、捕獲媒染層などに添加してもよいし、単独の層を設置してもよい。
III.アルカリ処理組成物
本発明における、アルカリ処理組成物は、感光シート(感光要素)の露光後に感光要素上に均一に展開され、前記(A)支持体の背面あるいは感光層中の処理液と反対側に設置されて遮光層と対になって、感光層を外光から完全に遮断し、同時に、その含有する成分によって感光層の現像を行うものである。このために、組成物中には、アルカリ、増粘剤、遮光剤、現像薬、更に、現像を調節するための、現像促進剤、現像抑制剤、現像薬の劣化を防ぐための酸化防止剤などを含有する。遮光のために組成物中には遮光剤は必ず含まれる。
また、これらのアルカリ処理組成物は展開厚(処理液転写後のm2当りの処理液量)が10μm〜200μmで感光要素上に展開されることが好ましい。なお感光要素を処理する場合の処理温度は0〜50℃が好ましく、0〜40℃が更に好ましい。
前記アルカリは液のpHを12以上とするに足りるものであり、アルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム)、アルカリ金属のリン酸塩(例えばリン酸カリウム)、グアニジン類、四級アミンの水酸化物(例えば水酸化テトラメチルアンモニウムなど)が挙げられるが、なかでも水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
前記増粘剤は、処理組成物を均一に展開するために、また感光層/カバーシート間の密着を保つために必要である。例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が用いられ、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースが用いられる。前記遮光剤としては、染料受像層まで拡散しステインを生じるものでなければ染料あるいは顔料のいずれでも、またそれらの組合わせでも用いることができる。代表的な物としてカーボンブラックが挙げられる。
好ましい前記現像薬は、色素像形成化合物をクロス酸化し、かつ酸化されても実質的にステインを生じないものであればどのようなものでも使用できる。このような現像薬は単独でもまた二種類以上を併用してもよく、またプレカーサーの型で使用してもよい。これらの現像薬は前記感光シートの適当な層に含ませても、またアルカリ処理組成物中に含ませてもよい。具体的化合物としてはアミノフェノール類、ピラゾリジノン類が挙げられるが、このうちピラゾリジノン類がステインの発生が少ないため特に好ましい。例えば、1−フェニル−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−(3’−メチル−フェニル)−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノンなどが挙げられる。
感光シート、カバーシートあるいはアルカリ処理組成物のいずれかに特開昭62−215272号72〜91頁記載の現像促進剤、146〜155頁記載の硬膜剤、201〜210頁記載の界面活性剤、210〜222頁記載の含フッ素化合物、225〜227頁記載の増粘剤、227〜230頁記載の帯電防止剤、230〜239頁記載のポリマーラテックス、240頁記載のマット剤などを含むことができる。また特開平6−273907号公報、特開平7−134386号公報、特開平7−175193号公報、特開平7−287372号公報に記載の3級アミンラテックスを含むことができる。
本発明の拡散転写フイルムユニットの厚さは特に制限されるものではない。
本発明における色素像形成化合物が用いられる熱現像カラー感光材料(色素固定要素)及び適用される露光・加熱方法ならびに装置の詳細については、例えば特開平7−219180号公報の〔0128〕から〔0159〕に記載されている。好ましい露光方法は、複数個の特定波長域で発光する異なる光源を有する露光ヘッドを用いて露光する方法である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
1.感光シートの作製
まず、以下の表1〜表4の組成の感光要素(感光シート−101)を作製した。表中の乳剤は表5に示す方法で調製した。
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
乳剤調製に用いた化合物をまとめて以下に示す。
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
感光要素(感光シート−101)の作製に使用した化合物を以下に示す。
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
2.カバーシートの作製
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート透明支持体透明体に表6に示すような層構成にて塗布を行い、カバーシート101を作成した。
Figure 2005300763
以下にカバーシート中で用いられた化合物の化学構造式等を示す。
Figure 2005300763
Figure 2005300763
3.アルカリ処理組成物の作製
次に、下記の組成のアルカリ処理組成物(処理液−101)を作製した。
カーボンブラック(大日精化(株)製) 224.3 g
添加剤(23) 12.1 g
カルボキシメチルセルロースNa塩 43.0 g
亜硫酸カリウム(無水) 1.90g
1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル
−3−ピラゾリドン 13.6 g
水酸化カリウム 52.7 g
硝酸亜鉛 0.60g
水 合計1kgになる量を添加
上記組成の処理液を0.3gずつ、圧力で破壊可能な容器に充填した。
次に、アルカリ処理組成物(101)に一般式(I)で表される化合物(I―10)と、一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物(A−13)もしくは(A−28)を加えてアルカリ性処理組成物(102)〜(110)を作成した。これらの処理組成物をアルカリ処理組成物101と同様にして0.3gずつ、圧力で破壊可能な容器に充填した。
Figure 2005300763
前記感光シート−101と前記カバーシート−101と処理液−101〜109を用いて特開平7−159931号等の方法でカラー拡散転写写真ユニット−101〜109を作製した。このカラー拡散転写写真ユニットをカメラに装填後、カバーシート側から露光し、両材料間に処理液が55μmの厚みになるように調節された加圧ローラーにより展開して、ユニット−101〜109の露光、現像を行った。処理は25℃で行い、展開処理から5分後、1日後の反射濃度をカラー濃度計にて測定し、最高濃度、最低濃度を求めた。
結果をまとめて表7に示した。
本発明:一般式(I)で表される化合物と一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物の両者を併用した場合は、最高濃度が高いにもかかわらず最低濃度が低く、転写進行が速かった(105,106)。
比較例:それぞれ単独で用いた場合はかぶりが高い、又は転写進行が遅く最高濃度が低かった(101〜104、107〜109)。
Figure 2005300763
実施例2
実施例1のカラー拡散転写写真ユニット作製法において、感光要素を感光シート−201に変更し、処理液の展開厚みを変更したユニットを作製して、効果を評価した。
まず、以下の表8〜表11の組成の感光要素(感光シート−201)を作製した。
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
Figure 2005300763
乳剤は以下に示す調製法により、表面潜像型乳剤―J、K、Lの3種類のハロゲン化銀乳剤を調製し、これを用いた。表12にまとめて示す。
乳剤−K:
臭化カリウム0.005mol、平均分子量2万以下の低分子量ゼラチン1.1gを含むゼラチン水溶液0.7リットル中に、0.58mol/リットルの濃度の硝酸銀水溶液26.5mlと臭化カリウム0.42mol/リットル及び平均分子量2万以下の低分子量ゼラチン1.5質量%を含む水溶液46.4mlを激しく撹拌しながらダブルジェット法で1分間かけて同時に混合した(1回目添加)。この間ゼラチン水溶液は35℃に保たれた。臭化カリウム0.5gを添加した後、1分間に1.5℃の勾配で75℃に昇温した。
75℃の温度に達した後、Ca含量100ppm以下の脱イオンゼラチンを16質量%含むゼラチン溶液0.16リットル(1回目添加)、4.9%硫酸水溶液5mlを添加した。続いて、1.88mol/リットルの濃度の硝酸銀水溶液と1.88mol/リットルの濃度の臭化カリウム水溶液を加速された流速(終了時の流速が開始時の流速の3.5倍)でダブルジェット法で44分かけて添加した(2回目添加、使用した硝酸銀水溶液の量は366ml、臭化カリウム水溶液の量は375mlであった)。
次に、Ca含量100ppm以下の脱イオンゼラチンを14質量%含むゼラチン溶液0.08リットル(2回目添加)、ベンゼンチオ硫酸ナトリウムを2mg添加した。引き続いて、1.88mol/リットルの濃度の硝酸銀水溶液と1.88mol/リットルの濃度の臭化カリウム水溶液を加速された流速(終了時の流速が開始時の流速の1.2倍)でダブルジェット法で11分かけて添加した(3回目添加、使用した硝酸銀水溶液の量は157ml、臭化カリウム水溶液の量は163mlであった)。
臭化カリウム4.6gを添加した後、常法のフロキュレーション法により水洗し、脱イオンゼラチン及び2−フェノキシエタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチルを添加した後、pH5.8、pAg8.8に調節して乳剤1kgあたり1.35molの銀、84gのゼラチンを含むように調節した。このようにして調製した乳剤0.74kgを加温溶解し、55℃に昇温した後、沃化カリウム0.5g、増感色素(6)を4.2×10−4モル、増感色素(7)を5.4×10−4モル添加し30分間熟成を行った。次にチオシアン酸カリウム5.0×10−4モル、四塩化金酸カリウム1.4×10−5モル、チオ硫酸ナトリウム1.2×10−5モル、を添加し60分熟成を行い、途中化合物E−4を1.0×10−3モル添加し、更に熟成終了時に化合物E−5を3.2×10−4モル添加して乳剤調製を終了した。
個々の粒子の主平面方向から見た投影面積と等しい面積の円の直径を円相当直径と言う。電子顕微鏡による観察の結果、粒子厚さhiの平均値(=Σhi×ni/Σni)0.135μm、粒子の円相当直径Diの平均値(=ΣDi×ni/Σni)1.15μmであった。円相当直径Diの平均値/粒子厚さhiの平均値で定義される平均アスペクト比は8.5であった。
乳剤−J:
乳剤−Kの調製法において、増感色素(6)、増感色素(7)の代わりに増感色素(9)を9.2×10−4モル、添加することによって乳剤−Jを調製した。
乳剤−L:
乳剤−Kの調製法において、増感色素(6)、増感色素(7)の代わりに増感色素(1)を8.4×10−4モル、増感色素(2)を2.6×10−5モル、増感色素(3)を1.7×10−4モル、添加することによって乳剤−Lを調製した。
Figure 2005300763
乳剤調製に用いた化合物をまとめて以下に示す。
Figure 2005300763
次に、アルカリ処理組成物(101)に一般式(I)で表される化合物(I―4)、(I−10)または(I−11)と一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物(A−13)、(A−28)または(A−29)を加えてアルカリ性処理組成物(202)〜(214)を作成した。これらの処理組成物をアルカリ処理組成物101と同様にして0.3gずつ、圧力で破壊可能な容器に充填した。
前記感光シート−201と前記カバーシート−101と処理液−101、202〜214を用いて特開平7−159931号公報等の方法でカラー拡散転写写真ユニット−201〜214を作製した。このカラー拡散転写写真ユニットをブルー、グリーン、レッドの三色のLED露光機を内蔵する露光展開処理機で露光から展開処理まで行った。露光展開処理機にカラー拡散転写写真ユニット−201〜214を装填後、カバーシート側からLEDを光源として露光し、両材料間に処理液が38μmの厚みになるように調節された加圧ローラーにより展開して、ユニット−201〜214の露光、現像を行った。処理は25℃で行い、展開処理から5分後、1日後の反射濃度をカラー濃度計にて測定し、最高濃度、最低濃度を求めた。
結果をまとめて表13に示した。
本発明:一般式(I)で表される化合物と一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物の両者を併用した場合は、最高濃度が高いにもかかわらず最低濃度が低く、転写進行が速かった(205〜209)。
比較例:単独で用いた場合はかぶりが高い、又は転写進行が遅く最高濃度が低かった(201〜204、210〜214)。
Figure 2005300763

Claims (5)

  1. 透明支持体上に受像層、白色反射層、遮光層、色素像形成物質と組み合わされたハロゲン化銀乳剤層を有する感光シート、支持体上に中和層、中和タイミング層を有する透明カバーシート、及び前記感光シートと前記透明カバーシートの間に展開されるカーボンブラック含有のアルカリ処理組成物、これらが透明カバーシートを通して露光するように配置された拡散転写フイルムユニットにおいて、下記一般式(I)で表される化合物より選ばれる少なくとも1種の化合物と、下記一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物の両者を、前記アルカリ処理組成物中に含有することを特徴とする拡散転写フイルムユニット。
    Figure 2005300763
    (式中、Qは炭素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を構成要素とする5員または6員の複素環を形成するために必要な原子群を表し、該含窒素複素環は置換基を有していてもよいが、置換基としてメルカプト基を有することはない。Mは水素原子、アルカリ金属原子、四級アンモニウム基、またはアルカリ条件下で水素原子もしくはアルカリ金属原子となりうる基を表し、nは0又は1を表す。)
    Figure 2005300763
    Figure 2005300763
    Figure 2005300763
    Figure 2005300763
    (式中、Q1、Q2、Q3、Q4またはQ5は、置換基を有してもよい5員もしくは6員の複素環を形成するために必要な原子群、または置換基を有してもよいベンゼン環と縮合した5員もしくは6員の複素環を形成するために必要な原子群を表す。R1は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、および置換もしくは無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。Lは水素原子またはアルカリ金属原子を表す。)
  2. 請求項1に記載の拡散転写フイルムユニットにおいて、一般式(II−1)〜(II−4)で表される化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物が、一般式(II−1)で表される化合物であることを特徴とする拡散転写フイルムユニット。
  3. 請求項1または2に記載の拡散転写フイルムユニットにおいて、該拡散転写フイルムユニット感光シート中のハロゲン化銀乳剤が、ネガ型ハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする拡散転写フイルムユニット。
  4. 請求項1または2に記載の拡散転写フイルムユニットにおいて、 該拡散転写フイルムユニット感光シート中のハロゲン化銀乳剤が、内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする拡散転写フイルムユニット。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の拡散転写フイルムユニットにおいて、複数個の特定波長域で発光する異なる光源を有する露光ヘッドを用いて露光されることを特徴とする拡散転写フイルムユニット。
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