JP2005300749A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気光学パネルに対する温度補償機能を有する電気光学装置において、温度センサの温度検出状態を適正化することにより、装置構成の自由度を確保しつつ、電気光学パネルの温度補償性能を従来よりも向上させることのできる電気光学装置の構成を提供する。
【解決手段】 本発明の電気光学装置100は、電気光学物質を配置してなる電気光学パネル110と、該電気光学パネル110を制御するための電子部品及び温度センサを含む制御回路を有する回路基板121と、電気光学パネル110及び回路基板121を収容するケース101,102,103と、ケース内に形成された空間部とを具備する電気光学装置において、温度センサ124は、回路基板121に電気的に接続されかつ回路基板121から離間した位置で空間部内に配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明の電気光学装置100は、電気光学物質を配置してなる電気光学パネル110と、該電気光学パネル110を制御するための電子部品及び温度センサを含む制御回路を有する回路基板121と、電気光学パネル110及び回路基板121を収容するケース101,102,103と、ケース内に形成された空間部とを具備する電気光学装置において、温度センサ124は、回路基板121に電気的に接続されかつ回路基板121から離間した位置で空間部内に配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は電気光学装置及び電子機器に係り、特に、電気光学パネルと、この電気光学パネルを制御するための制御回路が構成されてなる回路基板とを具備する電気光学装置の構造に関する。
一般に、一対の基板間に電気光学材料、例えば液晶や有機エレクトロルミネッセンス材料などを配置してなる電気光学パネルが各種の表示装置などとして用いられている。このような電気光学パネルにおいては、電気光学パネルに所定の画像などを表示させるために各種の制御回路が必要になる。例えば、電気光学パネルには駆動信号を出力する駆動回路が設けられるが、この駆動回路に表示データやクロック信号を供給するために表示制御回路が用いられる。
上記の電気光学パネルにおいては、一般に、環境温度が変化するとその表示状態が変化する温度特性を有することから、上記の表示制御回路に温度補償機能が付加される場合がある。例えば、液晶表示パネルにおいて、液晶の閾値電圧は温度変化に応じて変動するので、各画素の光透過率も温度変化によって変化する。また、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)などの能動素子を画素毎に備えたアクティブマトリクス型液晶表示パネルでは、能動素子の温度特性によって画素の表示態様が温度変化と共に変化する。そして、これらの原因によってコントラストが悪化したり、正常な表示ができなったりする場合がある。そこで、通常、表示制御回路中に温度補償回路部を構成し、この温度補償回路部に含まれる温度センサの検出温度に応じて電気光学パネルに対する駆動電圧を調整することで、上記の温度変化に起因する表示態様の変化を低減するようにしている(例えば、以下の特許文献1参照)。
特開平11−7001号公報
しかしながら、前述の温度補償機能を備えた電気光学装置においては、電気光学パネルに温度センサを接触させて温度を検出しているので、電気光学パネルに対する温度センサの配置場所が限定され、電気光学装置の内部の各部材の配置構成に大きな制約が課せられるという問題点がある。
また、従来の表示制御回路では、温度センサが回路基板上に配置されているために、回路基板上の他の電子部品から伝えられる熱によって温度センサの検出温度が影響を受けることから、適切な温度制御を行うことができないという問題点がある。
さらに、液晶表示装置などの非発光素子を用いる場合にはバックライトなどの照明ユニットを電気光学パネルに併設しなければならないが、照明ユニットは電気光学装置内において最も大きな熱源であるとともに、エッジライト型の照明ユニットなどのように光源の配置が偏っていることにより温度分布にも偏りが生ずることが多いため、温度センサが照明ユニットの温度に影響されて適切な温度制御を行うことができなくなるという問題点もある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、電気光学パネルに対する温度補償機能を有する電気光学装置において、温度センサの温度検出状態を適正化することにより、装置構成の自由度を確保しつつ、電気光学パネルの温度補償性能を従来よりも向上させることのできる電気光学装置の構成を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の電気光学装置は、電気光学物質を配置してなる電気光学パネルと、該電気光学パネルを制御するための電子部品及び温度センサを含む制御回路を有する回路基板と、前記電気光学パネル及び前記回路基板を収容するケースと、前記ケース内に形成された空間部とを具備する電気光学装置において、前記温度センサは、前記回路基板に電気的に接続されかつ前記回路基板から離間した位置で前記空間内に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、制御回路に含まれる温度センサが回路基板から離間した位置でケース内に構成された空間部に配置されていることにより、温度センサが回路基板において発生した熱を受けにくくなるので、制御回路自体やその他の構成部分(例えば、後述する照明ユニットなど)により発生した熱の影響を低減することができ、正確な温度検出を行うことが可能になる。したがって、電気光学パネルに対して温度センサを直接接触させなくても外部温度に応じた適切な温度補償を行うことができる。
特に、電気光学パネルと温度センサとの位置関係に大きな制約が課せられないので、電気光学装置の装置構成の自由度を確保することができる。例えば、電気光学パネルと回路基板とを隣接配置させる必要がなくなり、例えば、後述するように、電気光学パネルと回路基板との間に照明ユニットを配置することも可能になる。
また、回路基板をケース内に収容していることにより、電気的信頼性や安全性を向上させることができるとともに、電気光学装置の取り扱い性が向上し、電気光学装置の設置(例えば電子機器内部への取り付けなど)が容易になる。
なお、上記発明において、回路基板に構成された制御回路に含まれる電子部品としては、半導体ICチップ、コンデンサ、インダクタ、電気抵抗などが挙げられる。また、制御回路に含まれる温度センサとしては、サーミスタ、ダイオード、熱電対、CMOS温度センサなど、制御回路において結果的に温度に対応する検出値を導き出すことの可能な各種の素子が挙げられる。
本発明において、前記ケースには外部と連通する開口部を有することが好ましい。これによれば、ケースには外部と連通する開口部が設けられているので、開口部を通した空気の流通によってケースの内部に外気が導入されることにより、ケース内に形成された空間部に配置された温度センサによる検出温度を外部温度(電気光学パネルの温度)に近づけることができる。
また、本発明の別の電気光学装置は、電気光学物質を配置してなる電気光学パネルと、該電気光学パネルを制御するための電子部品及び温度センサを含む制御回路を有する回路基板と、前記電気光学パネル及び前記回路基板を収容するケースとを具備する電気光学装置において、前記温度センサは、前記回路基板に電気的に接続されかつ前記回路基板から離間した位置で前記ケースの外部に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、温度センサが回路基板から離間した位置でケースの外部に配置されていることにより、温度センサが回路基板による熱的な影響をさらに受けにくくなるとともに、外部温度を反映した温度検出が可能になるため、より正確な温度検出を行うことが可能になる。
本発明において、前記温度センサは、前記回路基板に電気的に接続された別基板上に配置されていることが好ましい。これによれば、回路基板と別基板との間の熱伝導性を低下させることが可能になるため、温度センサの温度検出環境をより向上させることができる。また、温度センサを別基板に実装することにより、温度センサの位置決め、設置、交換や修理などのメンテナンス作業などが容易になる。
本発明において、前記別基板は、前記回路基板上に配置されたコネクタを介して電気的に接続され、前記回路基板に対して立設されていることが好ましい。別基板が回路基板上に配置されたコネクタを介して電気的に接続されることにより、装置の組立作業などを容易に行うことが可能になる。また、別基板が回路基板に対して立設されていることにより、温度センサが回路基板の表面から離反した位置に配置されることになるとともに、温度センサの周囲空間に対する露出度も高められることから、外部温度をより正確に検出することが可能になる。
本発明において、前記電気光学パネルと前記回路基板の間に配置された照明ユニットをさらに具備することが好ましい。これによれば、電気光学パネルに対して照明ユニットの背後に回路基板が配置されるので、回路基板の基板面積を充分に確保することができるとともに、電気光学装置をコンパクトに構成することが可能になる。また、照明ユニットの一方側に電気光学パネルが配置され、照明ユニットの他方側に回路基板が配置されるので、照明ユニットの熱的影響が電気光学パネルと回路基板に対してほぼ均等に与えられるように構成することが可能になり、その結果、電気光学パネルの温度環境をより正確に反映した計測値を温度センサによって得ることができる。
次に、本発明の電子機器は、上記のいずれかに記載の電気光学装置と、該電気光学装置を制御する制御手段とを有することを特徴とする。特に、電子機器としては、携帯電話、携帯型情報端末、電子時計などの携帯型電子機器であることが好ましい。
なお、上記各発明においては、上記電気光学パネルと回路基板とは別々のケース内に収容されていてもよく、また、一体のケース内に収容されてはいるが、電気光学パネルと回路基板との間に仕切りが構成されていてもよい。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明に係る第1実施形態の電気光学装置100の縦断面図、図2は電気光学装置100の図1とは直交する断面を示す縦断面図である。この電気光学装置100は、電気光学パネル110と、制御回路系120と、照明ユニット130とを有する。
[第1実施形態]
図1は本発明に係る第1実施形態の電気光学装置100の縦断面図、図2は電気光学装置100の図1とは直交する断面を示す縦断面図である。この電気光学装置100は、電気光学パネル110と、制御回路系120と、照明ユニット130とを有する。
電気光学パネル110は、ガラスやプラスチックなどで構成される基板111と112を図示しないシール材などによって貼り合わせてなり、その内部に液晶などの電気光学物質を配置したものである。図示例では液晶表示パネルを構成する例を示してあり、基板111,112の外面には偏光板113,114が貼着されている。また、基板111における基板112の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部上には駆動回路を内蔵する電子部品115(図2参照)が実装され、基板112における基板111の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部上には駆動回路を内蔵する電子部品116(図1参照)が実装されている。
電気光学パネル110は、外部ケース101及び内部ケース102の内部に配置されている。具体的には、内部ケース102の上部に電気光学パネル110が平面方向に位置決めされた状態で収容され、電気光学パネル110の観察側から外部ケース101が内部ケース102に対して嵌合固定されている。
電気光学パネル110としては、種々の構成のものを用いることができるが、本実施形態では、液晶表示パネルを採用している。また、各画素に対応して能動素子を備えたアクティブマトリクス型液晶表示パネルであることが好ましい。液晶表示パネルの場合、温度によって液晶の配向状態が変化するので、コントラストが温度特性を持つことになる。また、能動素子もまた温度特性を有する場合がある。特に、本実施形態ではMIM(金属−絶縁体−金属)構造などを有するTFD(薄膜ダイオード)を能動素子として用いている。このTFD素子の温度特性は比較的大きいことが知られている。
また、制御回路系120は、内部ケース102の外側に配置された回路基板(メインコントロール基板)121と、この回路基板121と上記電気光学パネル110とを導電接続する配線基板122とを有する。ここで、回路基板121はフェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂などを基材とするリジッド基板で構成されることが好ましい。また、配線基板122はポリイミド樹脂などを基材とするフレキシブル基板(FPC)で構成されることが好ましい。配線基板122は電気光学パネル110の上記基板張出部に設けられた入力端子に導電接続され、内部ケース122の内部から導出されて上記回路基板121に導電接続されている。
上記回路基板121には、回路基板121よりも小さな断面を有する別基板123が連結固定されており、この別基板123には温度センサ124が実装されている。別基板123はリジッド基板やフレキシブル基板で構成することができる。別基板123は回路基板121の基板面上に立設されている。図示例では、別基板123は回路基板121の基板面とほぼ直交する基板面を有するように固定されている。温度センサ124は、別基板123を介して回路基板121上の後述する温度補償回路部の一部を構成するように導電接続されている。温度センサ124は温度を検出することのできるものであれば如何なるものであっても構わないが、例えば、サーミスタ、ダイオード、熱電対、CMOS温度センサなどを用いることができる。本実施形態では、温度センサとしてダイオード(小信号ダイオード、スイッチングダイオード)を用いている。
温度センサ124は、その別基板123に対する実装面以外の部分においては他部材と非接触状態になっている。すなわち、温度センサ124は、別基板123以外の他部材には接触していない。これによって、温度センサ124は周囲の外気に充分に曝されることになるため、温度センサ124の検出温度は別基板123の周囲にある空気の温度により近い値になる。
上記回路基板121及び別基板123は回路ケース103によって被覆されている。すなわち、回路基板121及び別基板123は、外部ケース101又は内部ケース102と回路ケース103とによって画成された空間内に配置されている。より具体的には、回路ケース103と照明ユニット130との間に回路基板121が収容されている。また、別基板123は、回路基板121と回路ケース103との間に形成された空間部に配置され、これによって温度センサ124が回路基板121から離間した位置で当該空間部において露出した状態になる。この回路ケース103には複数の開口部(通気孔)103aが形成され、上記空間は開口部103aを通して外部と連通している。
また、上記回路ケース103の内部には、インバータ回路125が配置されている。このインバータ回路125は、電気光学パネル110を駆動するための1又は複数の電源電位を生成するためのものである。なお、上記回路ケース103は、高電圧部分を有するインバータ回路125を被覆し、安全性を確保するためのものである。
照明ユニット130は、白色発光ダイオードなどによって構成される光源131と、この光源131の光がその側端面にて入射し、内部を伝播しながらその電気光学パネル110側の表面から照明光として導出されるように構成された導光板132とを有する。導光板132の表面上には、必要に応じて、光拡散板や集光板などの光学フィルタ部材133や遮光シート134などが配置される。また、光源131は基板135に実装され、この基板135は上記回路基板121に導電接続されている。本実施形態では、複数の光源131が基板135上に実装されている。
導光板132は、その表面全体に亘って均一な光を出射できるように、光源131の配置されている側から反対側に向けて適宜の分布態様にて光偏向手段が形成されていることが好ましい。この光偏向手段は、例えば、導光板132の背面に形成された微細な表面凹凸形状や背面上に形成された光散乱層などによって構成される。また、導光板132の背後には光反射シートなどの光反射手段を配置することが好ましい。この場合、光反射手段として、内部ケース102の内面上に被着した金属膜などにより構成された光反射層を用いてもよい。
上記の照明ユニット130は、内部ケース120の内部に収容され、その上部において上記電気光学パネル110と接している。すなわち、内部ケース120の内部に照明ユニット130が収容され、この照明ユニット130の上方において内部ケース120の内部に上記の電気光学パネル110が収容されている。
本実施形態においては、外部ケース101と回路ケース103とによってケース体が構成され、このケース体の内部は内部ケース102によって仕切られている。この内部ケース102により構成される仕切りは、電気光学パネル110及び照明ユニット130が配置されている空間と、制御回路系120が配置されている空間との間に設けられている。
図6は、上記制御回路系120において構成された表示制御回路150の概略構成図である。表示制御回路150の主要部分は上記回路基板121(の配線パターンや電子部品など)によって構成されている。表示制御回路150は、外部の制御部、データ供給源或いは電位供給源などに接続される入力部151と、電気光学パネル110を制御するために必要なクロック信号や表示データを生成する基本制御部152と、上記電気光学パネル110に各種制御信号を出力するための出力部153とを備えている。
また、基本制御部152によって生成される表示データに対して、電気光学パネル110のコントラスト等の表示態様を調整するための表示調整部154を備えている。この表示調整部154には、上記の温度センサ134を備えた温度補償回路部が含まれる。
温度センサ134は複数のダイオード素子155によって構成されている。表示調整部154は、温度センサ134によって検出される温度に応じて基本制御部152によって生成される表示データを変調し、電気光学パネル110の表示態様の温度による変動を低減するように、電気光学物質に印加される電圧を調整する機能を有する。
本実施形態においては、温度センサ124が回路基板121から離間して配置されているため、回路基板121上に実装された電子素子などの発生する熱の影響を受けにくくなり、安定した温度検出を行うことができる。特に、回路基板121に連結された別基板123は回路基板121よりも断面が小さい小断面部を構成するので、回路基板121から温度センサ124への熱の移動量を低減することができる。さらに、温度センサ124は別基板123に対する実装面以外においては他部材に対して非接触の状態となっているので、周囲に対する露出度が高いことから、温度センサ124の周囲温度を充分に反映した温度検出が可能になっている。
本実施形態においては、上記回路基板121だけではなく、照明ユニット130の光源131においても熱が発生する。この光源131で発生した熱は、内部ケース102を介して回路基板121に伝達される。この光源131に起因する熱も、上記と同様に回路基板121から離間して配置され、また、回路基板121に対して小さな断面を有する別基板123を介して接続された温度センサ124には伝わりにくい。
特に、本実施形態では、上記のように回路基板121が回路ケース103によって覆われていることにより、回路基板121や照明ユニット130にて発生する熱によって回路基板121の温度が上昇しやすい。したがって、回路基板121に直接温度センサ124を実装すると、温度センサ124の検出温度が上記の熱源によって大きく影響を受けることになる。しかし、本実施形態では、上記構成によって回路基板121と温度センサ124との熱接触の度合を低減し、しかも、温度センサ124の露出度を高めているため、温度センサ124による温度検出の精度を確保することができる。
本実施形態の電気光学装置100では、照明ユニット130の観察側に電気光学パネル110が配置され、照明ユニット130の上記観察側とは反対側に制御回路系120が配置されているので、照明ユニット130の発生する熱に関しては、温度センサ124は電気光学パネル110と比較的近似した環境にある。したがって、温度センサ124は電気光学パネル110に直接接触しているわけではないものの、電気光学パネル110の温度環境とほぼ等しい温度を検出することが可能であり、その結果、温度センサ124によって検出された温度に基づいて電気光学パネル110の温度補償を行うことにより、電気光学パネル110の温度変化に起因する表示態様の変動を抑制できる。
なお、本実施形態では、温度センサ124によって検出された温度に応じて電気光学パネル110の制御信号を変化させることによって電気光学パネル110の温度補償(特に、コントラスト調整による温度補償)を行っている。しかし、本発明の温度補償の態様はこのような態様に限定されるものではなく、電源電位を変化させたり、駆動回路の回路定数を変化させたりする方法であってもよく、或いはまた、制御信号や駆動信号を変化させるのではなく、別途設けられた温度制御手段(加熱抵抗やペルチェ素子など)により、電気光学パネル110の温度制御を行うものであっても構わない。すなわち、温度センサ124の検出温度に応じて温度制御手段を稼動させ、電気光学パネル110の温度変動を抑制する方法であってもよい。
[第2実施形態]
次に、図3を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態の電気光学装置200の縦断面図である。この電気光学装置200は、上記第1実施形態と同様の外部ケース101、内部ケース102、回路ケース103、電気光学パネル110及び照明ユニット130を備えているので、これらの部分について同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
次に、図3を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態の電気光学装置200の縦断面図である。この電気光学装置200は、上記第1実施形態と同様の外部ケース101、内部ケース102、回路ケース103、電気光学パネル110及び照明ユニット130を備えているので、これらの部分について同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
電気光学装置200が上記第1実施形態と異なる点は、制御回路系220において、回路基板221が照明ユニット130側ではなく、照明ユニット130とは反対側の回路ケース103の内面上に設置されている点にある。すなわち、照明ユニット130と回路基板221とは互に離間して配置され、両者の間には空間部が存在する。配線基板222は、電気光学パネル110に対する導電接続部分から内部ケース102の外側へ導出され、回路ケース103の内部を通過した後に回路基板221に導電接続されている。
回路基板221には別基板223が接続され、この別基板223には温度センサ224が実装されている。この温度センサ224が回路基板221から離間して配置されている点、温度センサ224が小さな断面積を有する別基板223を介して回路基板221に接続されている点、温度センサ224がその実装面以外においては他部材に対して非接触の状態となっている点については、上記第1実施形態と全く同様である。なお、インバータ225は、第1実施形態と同様に内部ケース102に対して固定されている。
ただし、本実施形態では、照明ユニット130と回路基板221との間に形成された上記の空間部内に別基板223が配置されている点で、上記第1実施形態とは異なる。しかしながら、温度センサ224が回路基板221から離間した位置でケースの内部に形成された空間部に配置されている点では第1実施形態と同様であり、これによって検出温度の精度を高めることができる。また、本実施形態においては、回路基板221が照明ユニット130に対して直接接していないため、照明ユニット221から回路基板121への熱伝導量を低減することができ、その結果、温度センサ224に対する照明ユニット130の熱的影響を大幅に低減することができる。
[第3実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。図4は、第3実施形態の電気光学装置300の縦断面図である。この実施形態の電気光学装置300においても、上記第1実施形態と同様の外部ケース101、内部ケース102、電気光学パネル110及び照明ユニット130を備えているので、これらの部分について同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
次に、図4を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。図4は、第3実施形態の電気光学装置300の縦断面図である。この実施形態の電気光学装置300においても、上記第1実施形態と同様の外部ケース101、内部ケース102、電気光学パネル110及び照明ユニット130を備えているので、これらの部分について同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
本実施形態の制御回路系320は、第1実施形態と同様の回路基板121及び配線基板122を備えているが、回路基板121上にコネクタ326が実装され、このコネクタ326を介して別基板323が回路基板121に着脱自在に接続されている。別基板323には上記と同様の温度センサ324が実装されている。
また、本実施形態の回路ケース303には開口部303aが設けられ、この開口部303aを通して別基板323が外部に導出された状態となっている。そして、温度センサ324は回路ケース303の外側に配置された状態となっている。すなわち、別基板323のうちの回路ケース303の外側に導出された部分に温度センサ324が実装されている。
この実施形態では、別基板323が回路基板121に対して着脱自在に構成されているので、製造時においても回路基板121と別基板323の連結が容易になるとともに、製造後においても回路基板121と別基板323とを簡単に分離することができるので、メンテナンス作業が容易になる。
また、温度センサ324は回路基板121から離間した位置で回路ケース303の外側に配置されているので、照明ユニット130や回路基板121の熱的影響がさらに低減され、外部温度をさらに正確に計測できるようになる。
なお、上記各実施形態において、回路基板と、温度センサが実装された別基板とは別部材として構成されているが、回路基板の一部を折り曲げて用いることにより、上記別基板に相当する部分を回路基板と一体のものとして構成することも可能である。例えば、回路基板の一部を細幅の帯状延長部として回路基板の主面から立ち上がるように配置し、この帯状延長部に温度センサを実装してもよい。
[第4実施形態]
次に、図5を参照して、本発明に係る第4実施形態について説明する。図5は、第4実施形態の電気光学装置400の縦断面図である。この実施形態の電気光学装置400においても、上記第1実施形態と同様の内部ケース102、電気光学パネル110及び照明ユニット130を備えているので、これらの部分について同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
次に、図5を参照して、本発明に係る第4実施形態について説明する。図5は、第4実施形態の電気光学装置400の縦断面図である。この実施形態の電気光学装置400においても、上記第1実施形態と同様の内部ケース102、電気光学パネル110及び照明ユニット130を備えているので、これらの部分について同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
本実施形態の制御回路系420では、回路基板421に対して別基板423が接続され、この別基板423に温度センサ424が実装されている点で、上記各実施形態と同様である。ただし、この実施形態では、回路ケース403の開口部403a及び外部ケース401の開口部401aを通して別基板423が外部へ導出され、ケース体の側面に沿って電気光学パネル110とは反対側に延長されている点で上記各実施形態とは異なる。そして、温度センサ424は外部ケース401の外側において電気光学パネル110から離間した位置にて別基板423上に配置されている。具体的には、別基板423が外部ケース401の外側で屈折若しくは曲折し、電気光学パネル110とは反対側に延設された状態で、外部ケース401の側面上に配置されている。そして、温度センサ424は、その別基板423のうち、外部ケース401から導出された位置よりも電気光学パネル110とは反対側に配置されている部分に実装されている。
この実施形態では、温度センサ424は、単に回路ケース403の外側に配置されているだけではなく、別基板423における電気光学パネル110とは反対側に延長された部分に配置されていることから、照明ユニット130による熱的影響をさらに受けにくくなるため、より正確な温度補償を行うことが可能になる。
すなわち、本実施形態のように、温度センサをケースの外部において電気光学パネルから離間させて配置することで、温度センサの検出温度を実際の外部温度により近づけることができるため、温度補償をより的確に行うことが可能になる。
なお、本実施形態において、回路基板と、温度センサが実装された別基板とは別部材として構成されているが、回路基板の一部を細幅に形成してそのまま延在するように構成することにより、上記別基板に相当する部分を回路基板と一体のものとして構成することも可能である。例えば、回路基板の一部を細幅の帯状延長部として回路基板の端部から伸びるように構成し、この帯状延長部に温度センサを実装してもよい。
[電子機器]
最後に、図7及び図8を参照して、上記実施形態の電気光学装置100を用いた電子機器の構成について説明する。図7は本実施形態の電子機器における表示系の構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、表示情報出力源1110と、タイミングジェネレータ1140とを含む表示制御部1100を有する。また、上記電気光学装置100には、上述の構成を有する電気光学パネル110、制御回路系120及び照明ユニット130が設けられている。電気光学パネル110には、上述の電子部品115,116によって構成される駆動回路110Dが形成されている。また、制御回路系120には、上記の表示制御回路150と、光源制御回路160と、電源回路170とが構成されている。
最後に、図7及び図8を参照して、上記実施形態の電気光学装置100を用いた電子機器の構成について説明する。図7は本実施形態の電子機器における表示系の構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、表示情報出力源1110と、タイミングジェネレータ1140とを含む表示制御部1100を有する。また、上記電気光学装置100には、上述の構成を有する電気光学パネル110、制御回路系120及び照明ユニット130が設けられている。電気光学パネル110には、上述の電子部品115,116によって構成される駆動回路110Dが形成されている。また、制御回路系120には、上記の表示制御回路150と、光源制御回路160と、電源回路170とが構成されている。
表示情報出力源1110は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1140によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示制御回路150に供給するように構成されている。
表示制御回路150は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路110Dへ供給する。駆動回路110Dは、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。
光源制御回路160は、外部(例えば電子機器本体の主制御装置)から導入される制御信号に基づいて、電源回路170から供給される電力を照明ユニット130の光源131に供給する。光源131から放出された光は導光板132に入射して導光板132から電気光学パネル110に対して照射される。この光源制御回路160は、上記制御信号に応じて各光源131の点灯/非点灯を制御する。また、各光源131の輝度を制御することも可能である。さらに、電源回路170は、駆動回路110D、表示制御回路150及び光源制御回路160にそれぞれ所定の電圧を供給する。
図8は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話の外観を示す。この電子機器1000は、操作部1001と、表示部1002とを有し、表示部1002の筐体内部に回路基板1003が配置されている。回路基板1003上には上記の電気光学装置100が実装されている。そして、表示部1002の表面において上記電気光学パネル110の表示画面を視認できるように構成されている。
尚、本発明の電気光学装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態において電気光学パネルは基本的に液晶表示パネルであることを前提に説明してあるが、液晶表示パネルにとしては、パッシブマトリクス型の液晶表示装置、或いは、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル(例えばTFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示パネル)が挙げられる。特に、温度特性に起因する表示品位への影響が大きいものとして、TFDをスイッチング素子として備えた液晶表示パネルに本発明を適用することが効果的である。また、液晶表示装置だけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display 及び Surface-Conduction Electron-Emitter Display 等)などの各種の電気光学パネルを用いることができる。
100…電気光学装置、101…外部ケース、102…内部ケース、103…回路ケース、110…電気光学パネル、120…制御回路系、121…回路基板、122…配線基板、123…別基板、124…温度センサ、130…照明ユニット、131…光源、132…導光板、150…表示制御回路、152…基本制御部、154…表示調整部、155…ダイオード、160…光源制御回路
Claims (7)
- 電気光学物質を配置してなる電気光学パネルと、該電気光学パネルを制御するための電子部品及び温度センサを含む制御回路を有する回路基板と、前記電気光学パネル及び前記回路基板を収容するケースと、前記ケース内に形成された空間部とを具備する電気光学装置において、
前記温度センサは、前記回路基板に電気的に接続されかつ前記回路基板から離間した位置で前記空間部内に配置されていることを特徴とする電気光学装置。 - 前記ケースには外部と連通する開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 電気光学物質を配置してなる電気光学パネルと、該電気光学パネルを制御するための電子部品及び温度センサを含む制御回路を有する回路基板と、前記電気光学パネル及び前記回路基板を収容するケースとを具備する電気光学装置において、
前記温度センサは、前記回路基板に電気的に接続されかつ前記回路基板から離間した位置で前記ケースの外部に配置されていることを特徴とする電気光学装置。 - 前記温度センサは、前記回路基板に電気的に接続された別基板上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記別基板は、前記回路基板上に配置されたコネクタを介して電気的に接続され、前記回路基板に対して立設されていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
- 前記電気光学パネルと前記回路基板の間に配置された照明ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置と、該電気光学装置を制御する制御手段とを有することを特徴とする電子機器。
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