JP2005298888A - 金属薄膜の製法 - Google Patents

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真吾 日比野
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哲士 山本
Yuji Wada
雄二 和田
Shozo Yanagida
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Abstract

【課題】塗工液や塗工設備の維持、管理等が不要で生産性に優れ、被塗工物(基材)側の形状の制約を受けることなく、均質なナノサイズの金属薄膜を容易に成膜することができる金属薄膜の製法を提供する。
【解決手段】金属塩を溶媒中に溶解または分散させて調整液を調製する工程と、この調整液にマイクロ波を照射する工程とを有する金属薄膜の製法であって、マイクロ波の照射前または照射後の調整液に基材を接触させ、上記金属塩中の金属から構成される金属薄膜を基材の表面に直接成膜するという構成をとる。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属薄膜の製法に関するものであり、詳しくは、所望の形状の基材表面に、nmサイズ(ナノサイズ)やサブミクロンサイズ等の膜厚の金属薄膜を直接成膜することができる金属薄膜の製法、および生成した金属薄膜に対し、ナノサイズ効果等により、例えば、200℃以下の温度で焼結を施し導電性金属薄膜化する金属薄膜の製法に関するものである。
近年、電子機器の小型化が進む中、例えば、配線基板の小型化に対し、金属薄膜からなる配線回路もファインピッチ化に向け取り組みが盛んになってきている。また、電磁波環境問題の観点から、例えば、プラズマテレビには電磁波遮蔽機能を持つ金属薄膜を用いた前面パネル等が用いられている。
このような金属薄膜を得るために、従来は、スパッタ法、蒸着法、ロールコート法、スピンコート法、スクリーン印刷法、ディップコート法、インクジェット法等の手法の改善や、コーティングに用いられる塗工液の改良、開発等が試みられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−103158号公報
しかしながら、スパッタ法や蒸着法のような手法は、設備償却費やランニングコスト等の面から、コスト高な金属薄膜になるという難点がある。また、ロールコート法、スピンコート法、スクリーン印刷法、ディップコート法、インクジェット法等の手法は、塗工液を作製した後にこれを塗工するというコーティング工程が必要であるため、塗工方法や塗工液を用途に適した状態にコントロールする必要がある。特にサブミクロンサイズの薄膜を作製する場合には、塗工液中に、分散剤を存在させ、金属微粒子を高分散させそれを維持しておく必要があり、管理が煩雑になる。また、上記ロールコート法等の手法は、塗工液を被塗工物にコーティングして金属薄膜を成膜する手法であるため、被塗工物側の形状にも制約が発生する等の難点もある。また、メッキに代表されるようなディップコート法によると、被塗工物(基材)側の形状の制約は解消されるが、膜厚の面では、現在求められているような、ナノサイズやサブミクロンオーダーでの均質な薄膜を成膜することは困難であるため、基材が精細な形状を持つ場合にはその形状に追従した膜を作製することは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、工程数が少なく、塗工液中に、金属微粒子を高分散させ維持することなく、金属薄膜の成膜を可能とすることによって生産性を向上でき、しかも基材の形状の制約を受けることなく、均質な、ナノサイズ等の薄い金属薄膜を、基材表面に直接かつ容易に得ることができる金属薄膜の製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の金属薄膜の製法は、金属塩を溶媒中に溶解または分散させて調整液を調製する工程と、この調整液にマイクロ波を照射する工程とを有する金属薄膜の製法であって、マイクロ波の照射前または照射後の調整液に基材を接触させ、上記金属塩中の金属から構成される金属薄膜を基材の表面に直接成膜するという構成をとる。
ここで、基材表面に直接成膜するとは、従来のように塗工液中に分散剤を存在させて金属微粒子を高分散させ、分散剤の存在下で成膜(分散剤が基材表面近傍に分布して成膜の障害となったり、場合によって分散剤の一部が膜中に取り込まれる)するのではなく、分散剤の不存在下で基材表面に成膜することをいう。
また、マイクロ波の照射後の調整液に基材を接触させるとは、文字通り、マイクロ波を照射した後に基材を接触させるような場合を含む以外に、マイクロ波の照射と同時、ならびに照射している過程において基材を調整液に接触させることを意味する。
すなわち、本発明者らは、塗工液や塗工設備の維持、管理等が不要で生産性に優れ、被塗工物(基材)側の形状の制約を受けることなく、均質なナノサイズの金属薄膜を容易に成膜することができる金属薄膜の製法を得るため鋭意研究を重ねた。その結果、金属塩を溶媒中に溶解または分散させて調整液を調製するとともに、この調整液にマイクロ波を照射することによって金属薄膜を成膜するに際し、マイクロ波の照射前の調整液に基材を接触させるか、もしくはマイクロ波の照射後の調整液に基材を接触させると、分散剤を用いて金属微粒子を高分散させ、その状態を維持することなく、金属塩中の金属から構成される金属薄膜を基材の表面に直接成膜することができ、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。また、生成した金属薄膜は、ナノサイズ効果により融点が低下していることから、例えば200℃以下の比較的低い温度で焼結させ導電性金属薄膜とすることができることも併せて見いだした。これらの理由は明らかではないが、マイクロ波の照射によって調整液中で金属微粒子が形成される際に、基材が予め調整液中に存在していると、金属微粒子が基材表面に、静電気力や分子間力等の力で引き付けられ、そこへ連続的に金属微粒子が引き寄せられ集合体となり、基材表面に膜を直接形成するか、あるいは基材の表面に、直ちに金属微粒子が析出し、連続的に析出が起こり膜を形成するものと考えられる。また、マイクロ波を照射した後の調整液中に金属微粒子が存在している場合、この金属微粒子が高い活性エネルギーを持っているため、液の温度が常温に低下した後であっても、この液中に基材を浸漬する等して接触させると、基材表面に金属薄膜を直接成膜することができる。このことは、耐熱性が低い基材に対しても金属薄膜を形成することができることを意味する。
このように、本発明の金属薄膜の製法によると、金属塩を溶媒中に溶解または分散させてなる調整液中に、単に、基材を浸漬等により調整液と接触させマイクロ波を照射することによって、金属塩中の金属から構成される金属薄膜を、分散剤による悪影響を受けることなく、基材の表面に直接成膜することができる。また、このようなマイクロ波の照射は、調整液を直接加熱する内部加熱方式の原理であるため、調整液を均一かつ急激に加熱できる。そのため、成膜スピードが向上し、生産性をより向上させることができる。その結果、従来のようなコーティング工程が不要となるため、塗工液の維持管理や、塗工設備側の管理、改善が不要となり、低コストでより生産性に優れるという効果が得られる。また、調整液中に、基材を浸漬等により接触することによって、基材の表面に金属薄膜を直接成膜できるため、従来のように、被塗工物(基材)側の形状の制約を受けることがない。さらにディップコート法で得られる金属膜に比べて、格段に薄く均質な、ナノサイズ等の膜厚の金属薄膜を形成することができるという効果を奏する。
また、金属薄膜の導電化は、ナノサイズ効果により、例えば200℃以下の低い温度での焼結を施すことにより行うことができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の金属薄膜の製法は、金属塩を溶媒中に溶解または分散させて調整液を調製する工程と、この調整液にマイクロ波を照射する工程とを有する金属薄膜の製法であって、マイクロ波の照射前または照射後の調整液に基材を接触させ、上記金属塩中の金属から構成される金属薄膜を基材の表面に直接成膜するという構成をとる。
本発明の金属薄膜の製法は、マイクロ波が調整液に照射される前に基材を調整液に接触させ、その状態の調整液にマイクロ波を照射するという製法(第1の製法)と、マイクロ波の照射と同時、またはマイクロ波が照射されている間、ないしマイクロ波が調整液に照射された後、マイクロ波の照射を止め、調整液に基材を接触させるという製法(第2の製法)の2通りに大別することができる。第1の製法および第2の製法は、いずれも塗工液の作製後にコーティングを施すという工程をとらず、基材上に直接に膜を生成するという点で、低コストであるという利点を持つ。第1の製法によると、第2の製法のうちの、マイクロ波の照射後の調整液に基材を接触させる場合に比べ、より短時間で金属薄膜を成膜できるという利点がある。また、第2の製法のうちの、上記マイクロ波照射後の調整液に基材を接触させる場合によると、第1の製法に比べて成膜時間は多少長くなるが、調整液を常温にしてから基材を接触させることにより、耐熱性の低い基材に対してでも金属薄膜を成膜できるという利点がある。
まず、本発明の金属薄膜の第1の製法について、具体的に説明する。すなわち、膜として得たい金属を含む出発原料(金属塩)と、必要に応じて触媒、還元剤等とを適宜に溶媒中に溶解または分散させて調整液を調製する。ついで、この調整液にPETフィルム等の基材を浸漬等により接触した後、マイクロ波照射装置等を用いてマイクロ波を照射し、調整液の温度を反応(「活性化」、以下同様)温度まで昇温させる。そして、この調整液の温度を反応(活性化)温度に制御しながら、所定時間、反応(活性化)させることにより、上記金属塩中の金属から構成される金属薄膜を基材の表面に直接成膜することができる。この第1の製法によると、前述のように、より短時間で金属薄膜を成膜できるという利点がある。
上記金属塩中の金属(薄膜として得たい金属)としては、特に限定はなく、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、電気特性の点で、銀が好ましい。
このような金属を含む金属塩としては、特に限定はなく、例えば、脂肪酸金属塩、金属アルコキシド、金属のアセチルアセトン錯塩、カプロン酸金属塩等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記脂肪酸金属塩としては、例えば、酢酸金属塩,酪酸金属塩,ヘキサン酸金属塩,カプリル酸金属塩,カプリン酸金属塩,ラウリン酸金属塩,ミリスチン酸金属塩,パルミチン酸金属塩,ステアリン酸金属塩等の飽和脂肪酸金属塩や、オレイン酸金属塩,リノール酸金属塩,リノレン酸金属塩等の不飽和脂肪酸金属塩等があげられる。これらのなかでも、汎用性の点で、飽和脂肪酸金属塩が好ましい。
また、上記金属アルコキシドとしては、例えば、金属イソプロポキシド、金属エトキシド等があげられる。また、上記金属のアセチルアセトン錯塩としては、例えば、金属アセチルアセトネート等があげられる。
本発明において、このような金属塩を溶解または分散させる溶媒としては、金属塩を溶解または分散させ得るものであれば特に限定はなく、例えば、アルコール類、有機アミン類、ケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ラウリルアルコール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記有機アミン類としては、例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミンや、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリン等の脂環式アミンや、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミンや、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、フェネチルアミン、キシリレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルキシリレンジアミン等のアラルキルアミン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
なお、前述したように、上記調整液には、金属塩および溶媒に加えて、触媒、還元剤等を必要に応じて適宜に配合しても差し支えない。
上記触媒としては、特に限定はなく、例えば、塩化白金酸、塩化金酸、塩化ロジウム、塩化パラジウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記還元剤としては、特に限定はなく、例えば、水素化ホウ素ナトリウム塩,水素化ホウ素カリウム塩等の水素化ホウ素金属塩、水素化アルミニウムカリウム塩,水素化アルミニウムセシウム塩,水素化アルミニウムベリリウム塩,水素化アルミニウムマグネシウム塩,水素化アルミニウムカルシウム塩等の水素化アルミニウム金属塩や、ヒドラジン化合物、クエン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、アスコルビン酸およびその塩、アミン類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
なお、上記還元剤として例示したアミン類は、前述の溶媒で記述したと同様の、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、アラルキルアミン等が用いられる。
このような調整液を入れる容器としては、調整液中に浸漬等した基材に、マイクロ波を照射できるものであれば特に限定はないが、基材にマイクロ波を効率よく照射できる点で、石英ガラス容器,テフロン(登録商標)容器等が好適に用いられる。
また、上記調整液に接触させる基材としては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ガラス,シリコーン,ポリエチレン等からなる基材があげられる。なお、本発明に用いる基材は、前述のような調整液を入れた容器そのものであっても差し支えない。
なお、本発明において、調整液に基材を接触させるとは、狭義の接触に限定されるものではなく、調整液中に基材を浸漬等によって接触させることや、調整液を入れた容器を基材とし、両者を接触させること等を含む広い意味である。
本発明におけるマイクロ波の照射は、例えば、マイクロ波照射装置を用いて行われる。このようなマイクロ波照射装置は、特に限定はなく、例えば、市販の電子レンジ等を適宜用いることができる。
また、本発明における、マイクロ波の照射条件は、金属塩や溶媒の種類・量等によって異なるが、マイクロ波の照射強度は、1〜60W/cm3 の範囲内が好ましく、特に好ましくは2〜40W/cm3 の範囲内である。また、反応時間は、金属塩や溶媒の種類、反応温度等によって異なるが、1〜30分間が好ましく、特に好ましくは1〜10分間である。ここで、マイクロ波の照射強度は、マイクロ波の照射強度(W/cm3 )=マイクロ波出力(W)/反応溶液の体積(cm3 )で表される。
なお、反応温度の制御は、例えば、調整液中に温度センサーを漬け、この温度が一定になるように、マイクロ波照射のON/OFFを繰り返すこと等により行うことができる。
つぎに、本発明の金属薄膜の第2の製法の一例について説明する。すなわち、膜として得たい金属を含む出発原料(金属塩)と、必要に応じて触媒、還元剤等とを適宜に溶媒中に溶解または分散させて調整液を調製する。ついで、この調整液に、マイクロ波照射装置等を用いてマイクロ波を照射し、調整液の温度を反応温度まで昇温させる。つぎに、調整液を室温まで冷却し、その後、PETフィルム等の基材を浸漬等により調整液と接触させた後、さらに所定時間(例えば、3日間)、常温(室温)保管もしくは暗室にて保管等することにより、上記金属塩中の金属から構成される金属薄膜を基材の表面に直接成膜することができる。この第2の製法によると、前述したように、第1の製法に比べて成膜時間は多少長くなるが、耐熱性の低い基材に対しても低温で金属薄膜を形成できるという利点がある。
なお、上記第2の製法において、調整液の調製やマイクロ波の照射条件等は、上記第1の製法に準じて行われる。
つぎに、実施例について説明する。
石英ガラス容器中で、1−ヘキサノール100mlにヘキサン酸銀0.9gを加え、5分間超音波洗浄器にかけて均一に分散させた(第一液)。ついで、この第一液にPETフィルムを浸漬した。つぎに、マイクロ波照射装置を用いて、3W/cm3 の強度でマイクロ波(波長2.45GHz)を照射し、調整液の温度を120℃(反応温度)まで昇温させ、この調整液の温度を120℃に維持制御しながら10分間反応させた。なお、反応温度の制御は、調整液中に温度センサーを漬け、この温度が一定になるように、マイクロ波照射のON/OFFを繰り返しながら行った。この結果、得られたPETフィルムの表面は、金属光沢を持った被膜で覆われており、フィルムを純水にて洗浄しても膜が剥がれ落ちることがないことから、この膜はPETフィルム表面に単に付着しているのではなく、PETフィルム表面に密着一体化していることが確認された。また、その後、元素分析にて膜の組成を解析したところ、この膜は銀を含有した薄膜であり、その膜厚は平均膜厚200nmであることが確認された。さらに、この金属薄膜を温度120℃で焼結を行い、テスターにて導通性を確認したところ導通していることが確認できた。このことから、金属薄膜を導電性膜として得られることが確認された。
石英ガラス容器中で、1−ヘキサノール100mlにラウリン酸銀1.5gを加え、5分間超音波洗浄器にかけて均一に分散させた(第一液)。この第一液に、マイクロ波照射装置を用いて、3W/cm3 の強度でマイクロ波(波長2.45GHz)を照射し、調整液の温度を120℃(反応温度)まで昇温させ、この調整液の温度を120℃に維持制御しながら10分間反応させた(第二液)。なお、反応温度の制御は、調整液中に温度センサーを漬け、この温度が一定になるように、マイクロ波照射のON/OFFを繰り返しながら行った。その後、この第二液を常温まで冷ました後、常温に冷めた第二液中にPETフィルムを浸漬し、さらに3日間、常温で暗室に保管した。この場合、第二液は褐色に着色されており、PETフィルムの表面に金属薄膜を形成した後も、殆ど変わらなかった。この結果、得られたPETフィルムの表面は、金属光沢を持った被膜で覆われており、フィルムを純水にて洗浄しても膜が剥がれ落ちることがないことから、この膜はPETフィルム表面に単に付着しているのではなく、PETフィルム表面に密着一体化していることが確認された。また、その後、元素分析にて膜の組成を解析したところ、この膜は銀を含有した薄膜であり、その膜厚は平均膜厚150nmであることが確認された。さらに、この金属薄膜を温度160℃で焼結を行い、テスターにて導通性を確認したところ導通していることが確認できた。このことから、金属薄膜を導電性膜として得られることが確認された。
本発明の金属薄膜の製法は、例えば、ファインピッチの配線回路の形成や、バリア膜,透明膜,電磁波遮蔽膜の形成等に応用することができる。

Claims (2)

  1. 金属塩を溶媒中に溶解または分散させて調整液を調製する工程と、この調整液にマイクロ波を照射する工程とを有する金属薄膜の製法であって、マイクロ波の照射前または照射後の調整液に基材を接触させ、上記金属塩中の金属から構成される金属薄膜を基材の表面に直接成膜することを特徴とする金属薄膜の製法。
  2. 請求項1で生成した金属薄膜を、焼結工程を経由させ導電性金属薄膜化する金属薄膜の製法。
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