JP2005298459A - 3−ヒドロキシカルボン酸類およびこれに対応するラクトン類の製造法 - Google Patents
3−ヒドロキシカルボン酸類およびこれに対応するラクトン類の製造法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、医薬品や農薬などの中間体として有用な3−ヒドロキシカルボン酸類およびこれに対応するラクトン類を製造する方法に関する。
従来、3−ヒドロキシカルボン酸類およびこれに対応するラクトン類の製造方法としては、例えば以下の方法が知られている。
(1)2−デオキシ−D−リボースを臭素水により酸化して2−デオキシ−D−リボノ−1,4−ラクトンを合成する方法(非特許文献1参照。)
(2)(1)と同様にして得られる2−デオキシ−D−リボノ−1,4−ラクトンを重曹水により加水分解し2−デオキシ−D−リボン酸を合成する方法(非特許文献2参照。)
(3)L−リンゴ酸をジエステル化後、ボランジメチルスルフィド錯体で還元して得られる3,4−ジヒドロキシブタン酸エステルを環化し、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(非特許文献3参照。)
(4)L−リンゴ酸をアセタール保護化の後、金属水素化物で環元して3,4−ジヒドロキシブタン酸とした後、酸性条件下で環化し3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(特許文献1参照。)
(5)D−イソアスコルビン酸、L−アスコルビン酸を原料として多段階で3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(非特許文献4参照。)
(6)アミロペクチンもしくはマルトースを原料とし、酵素によりα―1,4結合したオリゴサッカリドを合成した後、塩基性加熱条件下で過酸化水素と反応させて3,4−ジヒドロキシブタン酸とした後、環化して3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(特許文献2参照。)
(7)4−ハロ−3−オキソブタン酸エステルを不斉還元して得られる4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを酵素により環化して3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(特許文献3参照。)
(8)2−ケトグルコン酸を過酸化水素を用いて反応し、D−アラボン酸を合成する方法(特許文献4参照。)
3−ヒドロキシカルボン酸類とは構造が異なるが、糖類の脱炭酸反応としては、例えば以下の方法が知られている。
(9)グルコン酸カルシウムを鉄触媒存在下、過酸化水素を用いて反応し、アラビノースを合成する方法(非特許文献5および非特許文献6参照。)
(10)グルコノラクトンからグルコン酸ナトリウムを経由しながら次亜塩素酸ナトリウムを用いてアラビノースを合成する方法(非特許文献7参照。)
特開平6−172256号公報
米国特許第6124122号明細書
特開平2003−299496号公報
米国特許第6,245,940号明細書
Tetrahedron,(1993),49巻,349頁
Tetrahedron Asymmetry,(1994),15 巻,2535頁
Chem.Lett.,(1984),8巻,1389頁
Synthesis,(1987),570頁
Berichte31(1898),1573.
J.Am.Chem.Soc.,72(1950),4556.
J.Am.Chem.Soc.,81,(1959),5190.
(2)(1)と同様にして得られる2−デオキシ−D−リボノ−1,4−ラクトンを重曹水により加水分解し2−デオキシ−D−リボン酸を合成する方法(非特許文献2参照。)
(3)L−リンゴ酸をジエステル化後、ボランジメチルスルフィド錯体で還元して得られる3,4−ジヒドロキシブタン酸エステルを環化し、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(非特許文献3参照。)
(4)L−リンゴ酸をアセタール保護化の後、金属水素化物で環元して3,4−ジヒドロキシブタン酸とした後、酸性条件下で環化し3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(特許文献1参照。)
(5)D−イソアスコルビン酸、L−アスコルビン酸を原料として多段階で3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(非特許文献4参照。)
(6)アミロペクチンもしくはマルトースを原料とし、酵素によりα―1,4結合したオリゴサッカリドを合成した後、塩基性加熱条件下で過酸化水素と反応させて3,4−ジヒドロキシブタン酸とした後、環化して3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(特許文献2参照。)
(7)4−ハロ−3−オキソブタン酸エステルを不斉還元して得られる4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを酵素により環化して3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを合成する方法(特許文献3参照。)
(8)2−ケトグルコン酸を過酸化水素を用いて反応し、D−アラボン酸を合成する方法(特許文献4参照。)
3−ヒドロキシカルボン酸類とは構造が異なるが、糖類の脱炭酸反応としては、例えば以下の方法が知られている。
(9)グルコン酸カルシウムを鉄触媒存在下、過酸化水素を用いて反応し、アラビノースを合成する方法(非特許文献5および非特許文献6参照。)
(10)グルコノラクトンからグルコン酸ナトリウムを経由しながら次亜塩素酸ナトリウムを用いてアラビノースを合成する方法(非特許文献7参照。)
しかしながら、前記(1)および(2)の方法は、臭素水を用いるため耐酸性の反応容器を使用しなければならないこと、過剰の臭素を銀塩として除去するため大量の廃棄物が生成すること、酸に不安定な化合物では収率が大幅に低下する等の問題がある。また、(3)および(4)の方法は、高価な禁水試薬を使用しているため工業的にスケールアップするのに問題がある。(5)の方法においては、7工程と多段階であり、工程が煩雑である。(6)の方法においては、加熱条件下過酸を使用しているため爆発等の危険性がある。(7)の方法においては、(3)〜(6)のように天然から入手できる安価な原料に比べ、原料である4−ハロ−3−オキソブタン酸の価格が高価である。(8)の方法においては、(6)の方法と同様に加熱条件下過酸を使用するため爆発等の危険性がある。
このように、前記のいずれの方法も工業的な製造方法として、安全性、経済性の面で十分満足すべきものとはいえない。
従って、本発明は、前記の従来技術に比べて、収率が優れ、安価かつ安全な3−ヒドロキシカルボン酸類およびこれに対応するラクトン類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記(9)および(10)の方法に着目し、2−ケトアルドン酸類またはその塩と次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸塩との反応を鋭意検討した結果、2−ケトアルドン酸類またはその塩を次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸塩を用いて反応させることにより、驚くべきことに、非常に温和な条件で脱炭酸反応が進行し、3−ヒドロキシカルボン酸類およびこれに対応するラクトン類が収率良く得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
一般式(1)[化1]
一般式(1)[化1]
(式中、Xは水素原子又は水酸基を表す。nは0または1を表す)で表される化合物またはその塩を次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸塩を用いて反応させることを特徴とする、一般式(2)[化2]
(式中、X,nは前記の通り)で表される化合物または一般式(3)[化3]
(式中、X,nは前記の通り)で表される化合物、またはその塩の製造方法に関するものである。
本発明によれば、一般式(1)で表される化合物を非常に安価かつ安全性の高い次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸塩を反応試薬として用い、温和な条件で、収率良く脱炭酸反応が進行する。また、天然から安価で入手容易な糖類から公知の方法によって入手可能である2−ケトアルドン酸類を反応原料とし、保護基を使用せず、短い工程であり、かつ水溶媒中にて、3−ヒドロキシカルボン酸類および対応する3−ヒドロキシラクトン類が得られる利点を有しており、本発明の方法は、安全性、経済性に優れ、環境への負荷が少なく、工業的製法として非常に有用である。
さらに、本発明の方法では、反応原料である2−ケトアルドン酸の炭素数、不斉炭素の立体配置に関わらず良好な収率で反応が進行するため、原料を選択することにより同一の方法で、種々の光学活性な3−ヒドロキシカルボン酸類およびこれに対応する3−ヒドロキシラクトン類を合成できるという応用性も有している。
本発明の製造方法は、一般式(1)で表される化合物またはその塩を次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸塩を用いて反応させることを特徴とする。
一般式(1)中のXは水素原子又は水酸基を表し、nは0または1を表す。なお、一般式(1)で表わされる化合物に存在する不斉炭素に結合する水酸基の配置は限定されることはなく、また、一般式(1)で表わされる化合物は、D系列およびL系列のどちらであってもよい。
一般式(1)で表わされる化合物を具体的に例示するとすれば、例えば、一般式(1)中のXが水酸基であり、かつ、nが1である化合物としては、2−ケトグルコン酸、2−ケトマンノン酸、2−ケトガラクトン酸、2−ケトグロン酸、2−ケトイドン酸、2−ケトタロン酸、2−ケトアロン酸、2−ケトアルトロン酸が挙げられ、Xが水酸基であり、nが0の場合は、2−ケトキシロン酸、2−ケトアラボン酸などが挙げられ、一般式(1)中のXが水素原子であり、かつ、nが1である化合物としては、2−ケト−3−デオキシグルコン酸、2−ケト−3−デオキシマンノン酸、2−ケト−3−デオキシガラクトン酸、2−ケト−3−デオキシグロン酸、2−ケト−3−デオキシイドン酸、2−ケト−3−デオキシタロン酸、2−ケト−3−デオキシアロン酸、2−ケト−3−デオキシアルトロン酸が挙げられ、一般式(1)中のXが水素原子であり、かつ、nが0である化合物としては、2−ケト−3−デオキシキシロン酸、2−ケト−3−デオキシアラボン酸が挙げられる。
一般式(1)で表わされる化合物のなかでも、一般式(1)中のXが水素原子である化合物は本発明の製造方法を適用するのに好ましく、一般式(1)中のXが水素原子である化合物として、特に2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸および2−ケト−3−デオキシ−D−キシロン酸は好ましい。
一般式(1)で表される化合物、例えば、2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸は、溶液中で一般式(4)で表される化合物との平衡状態にあることが知られている[J.Carbohydro.Chem.,(1991),10巻,787頁に記載]。
したがって、本発明において、一般式(1)で表される化合物とは、一般式(1)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物との混合物をも包含するものと定義する。
一般式(1)で表される化合物は、公知の方法、例えば、(1)グルコン酸、キシロン酸、アラボン酸、フコン酸、ガラクトン酸などを酵素または微生物などにより脱水反応させる方法(Methods Enzymol.,41巻,99頁、Methods Enzymol.,42巻,301頁)、(2)酵素により酸化反応させる方法(Carbohydr.Res.,(1983),115巻,288頁)、(3)酵素によりアルドール反応させる方法(J.Am.Chem.Soc.,(1996),118巻,2117頁)、(4)保護基を用いた合成化学的方法(J.Carbohydro.Chem.,(1991),10巻,787頁やCarbohydr.Res.,(1995),275巻,107頁)により得ることができる。
なお、酵素反応により得られた一般式(1)で表される化合物は、これ含む水溶液を直接または除タンパク等の処理を必要に応じて行った後に反応原料として用いることもできる。
一般式(1)で表される化合物の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩、アミンの塩などが挙げられる。アミンとしては、例えば、(R1)(R2)(R3)N(式中、R1,R2,R3はそれぞれ、水素、C1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、またはベンジルアミンを表わす。)で表されるアルキルアミン類、ピペリジン、モルフォリン、N−メチルピペラジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルフォリンのような環状アミン類、アニリン、N,N−ジメチルアニリンのようなアニリン類、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンのようなピリジン類の塩を挙げることができる。
次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸リチウムなどを挙げることができるが、水酸化ナトリウムのような金属水酸化物と塩素により反応系内で調整した次亜塩素酸塩を使用することもできる。
一般式(1)で表される化合物またはその塩を次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸塩を用いて反応させることにより、一般式(2)で表される化合物および一般式(3)で表される化合物の混合物が得られる。
一般式(1)で表される化合物に対する次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸塩の使用量は、経済性、生産性の観点から、通常は0.8〜3.0当量、より好ましくは0.9〜1.5当量である。
反応には、溶媒を使用する。溶媒としては、前記の反応が進行するものであれば特に限定されることはないが、一般式(1)で表される化合物および次亜塩素酸などの反応原料を溶解するものが好ましい。溶媒として、水もしくは酢酸は好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されることはないが、生産性の観点から反応原料の10倍量以下、好ましくは5倍量以下である。
反応温度は溶媒が凍らない温度以上、溶媒の沸点以下、好ましくは20℃〜50℃である。
反応液のpHは4〜6、好ましくはpH4.5〜5.5である。
反応液のpH調整は、通常、次亜塩素酸塩水溶液の添加と同時に、酸を添加することで行う。
反応液のpHは4〜6、好ましくはpH4.5〜5.5である。
反応液のpH調整は、通常、次亜塩素酸塩水溶液の添加と同時に、酸を添加することで行う。
酸としては、特に限定されることはないが、例えば塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸、および酢酸、蟻酸などの炭素数1から2の低級脂肪族カルボンなどが挙げられる。
前記の反応で得られる一般式(2)で表わされる化合物を具体的に例示するとすれば、例えば、一般式(2)で表される化合物としては、例えば、一般式(2)中のXが水酸基であり、かつ、nが1である化合物としては、リボノラクトン、アラボノラクトン、キシロノラクトン、リキソノラクトンが挙げられ、一般式(2)中のXが水素原子であり、かつ、nが1である化合物としては、2−デオキシリボノラクトン、2−デオキシキシロノラクトンが挙げられる。
前記の反応で得られる一般式(2)で表わされる化合物を具体的に例示するとすれば、例えば、一般式(2)で表される化合物としては、例えば、一般式(2)中のXが水酸基であり、かつ、nが1である化合物としては、リボノラクトン、アラボノラクトン、キシロノラクトン、リキソノラクトンが挙げられ、一般式(2)中のXが水素原子であり、かつ、nが1である化合物としては、2−デオキシリボノラクトン、2−デオキシキシロノラクトンが挙げられる。
なお、一般式(2)中のXが水酸基であり、かつ、nが1である化合物は、1、5−ラクトン型または1,4−ラクトン型も含まれる。
一般式(2)中のXが水酸基であり、かつ、nが0である化合物としては、2,3−ジヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが、一般式(2)中のXが水素原子であり、かつ、nが0である化合物としては、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが挙げられる。
前記の反応で得られる一般式(3)で表される化合物を具体的に例示するとすれば、例えば、一般式(3)中のXが水酸基であり、かつ、nが1である化合物としては、リボン酸、アラボン酸、キシロン酸、リキソン酸が挙げられ、一般式(3)中のXが水素原子であり、かつ、nが1である化合物としては、2−デオキシリボン酸、2−デオキシキシロン酸が挙げられる。
一般式(3)中のXが水酸基であり、かつ、nが0である化合物としては、2,3,4−トリヒドロキシブタン酸が挙げられ、一般式(3)中のXが水素原子であり、かつ、nが0である化合物としては、3,4−ジヒドロキシブタン酸が挙げられる。
なお、一般式(2)で表わされる化合物および一般式(3)で表される化合物に存在する不斉炭素に結合する水酸基の配置は限定されることはない。
一般式(2)で表わされる化合物および一般式(3)で表される化合物の混合物は酸性条件下で一般式(2)で表される化合物へ、塩基性条件下で一般式(3)で表される化合物へそれぞれ誘導できることは公知である(Tetrahedron Asymmetry,(1994),5巻,2535頁)。
一般式(2)で表わされる化合物および一般式(3)で表される化合物の混合物を、酸性条件下、すなわち、室温下、塩酸水を用いて反応することにより一般式(2)で表わされる化合物を得ることができる。
また、一般式(2)で表わされる化合物および一般式(3)で表される化合物の混合物を、塩基性条件下、すなわち、室温下、重曹水を用い反応することにより一般式(3)で表される化合物を得ることができる。
一般式(2)で表わされる化合物および一般式(3)で表される化合物の混合物から誘導される一般式(2)で表わされる化合物または、一般式(3)で表される化合物およびその塩は、それぞれ公知の方法により反応混合物から単離することができる。
一般式(2)で表される化合物の単離方法としては、化合物の物理的性質に依存されるところがあるが、例えば、有機溶媒で抽出するなどの通常の方法で行うことができる。有機溶媒での抽出が困難な場合には、イオン交換樹脂による無機塩の吸着除去操作や、アルコールなどの溶媒により無機塩を晶析しろ過操作により除去した後、濃縮することにより得ることができるが、これらの方法に限定されるものではない。精製方法としては、カラムクロマトグラフィー、蒸留による方法などが挙げられる。
一般式(3)で表される化合物およびその塩の単離方法としては、例えば、イオン交換樹脂による無機塩の吸着除去操作や、アルコールなどの溶媒により無機塩を晶析しろ過操作により除去した後、濃縮する方法、あるいは前記塩類に誘導し結晶として単離することができるが、これらの方法に限定されるものではない。精製方法としては、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶などの方法が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物の塩は、単離される一般式(3)で表される化合物をアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、または前記のアミンなどの塩基と反応させることにより得ることもできる。
以下に実施例により、本発明を更に詳細に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸の脱炭酸反応
2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸の20%水溶液25.0gを、30%水酸化ナトリウム水溶液にてpH9.0に調製した後、濃塩酸を用いてpH5.0に調製し、水冷下、濃塩酸でpH4.5〜5.0に調整しながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(12.2重量%品)22.3gを1時間かけて滴下した。反応終了後、重曹を加えpH8.0に調製し、得られた反応液を50℃にて減圧濃縮した後、残渣にメタノールを加え、無機塩を晶析除去し、濾液を回収した。本操作を2回繰り返した後、濾液の溶媒を濃縮除去し、2−デオキシ−D−リボノラクトンと2−デオキシ−D−リボン酸ナトリウムとの混合物5gを得た。得られた混合物2.7gを水27gに溶解し、陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR120plus)により脱塩した後、12NHClにてpH=0.9に調製し、室温下12時間攪拌した。得られた反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液組成:クロロホルム/メタノール=10/1〜5/1)にて精製し、2−デオキシ−D−リボノラクトンシロップ2.0gを定量的に得た。
2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸の20%水溶液25.0gを、30%水酸化ナトリウム水溶液にてpH9.0に調製した後、濃塩酸を用いてpH5.0に調製し、水冷下、濃塩酸でpH4.5〜5.0に調整しながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(12.2重量%品)22.3gを1時間かけて滴下した。反応終了後、重曹を加えpH8.0に調製し、得られた反応液を50℃にて減圧濃縮した後、残渣にメタノールを加え、無機塩を晶析除去し、濾液を回収した。本操作を2回繰り返した後、濾液の溶媒を濃縮除去し、2−デオキシ−D−リボノラクトンと2−デオキシ−D−リボン酸ナトリウムとの混合物5gを得た。得られた混合物2.7gを水27gに溶解し、陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR120plus)により脱塩した後、12NHClにてpH=0.9に調製し、室温下12時間攪拌した。得られた反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液組成:クロロホルム/メタノール=10/1〜5/1)にて精製し、2−デオキシ−D−リボノラクトンシロップ2.0gを定量的に得た。
以下に物性値を示す。
2−デオキシ−D−リボノラクトン
1H 270MHzNMR(DMSO):2.22(1H,dd),2.81(1H,dd),3.4−3.6(2H,m),4.2−4.3(2H,m),5.05(1H,br),5.47(1H,br).
2−デオキシ−D−リボノラクトン
1H 270MHzNMR(DMSO):2.22(1H,dd),2.81(1H,dd),3.4−3.6(2H,m),4.2−4.3(2H,m),5.05(1H,br),5.47(1H,br).
2−ケト−3−デオキシ−D−キシロン酸の脱炭酸反応
2−ケト−3−デオキシ−D−キシロン酸ナトリウム の18.4%水溶液2.3gを、濃塩酸を用いてpH=5.0にした後、水冷下、濃塩酸でpHを4.5〜5.0に調整しながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(12.2重量%品)2.3gを1時間かけて滴下した。反応液をHPLCで分析し、3−ヒドロキシ−γ―ブチロラクトンと3,4−ジヒドロキシブタン酸ナトリウムが12.5/87.5(HPLC面積比)の混合物として生成していることを確認した。
2−ケト−3−デオキシ−D−キシロン酸ナトリウム の18.4%水溶液2.3gを、濃塩酸を用いてpH=5.0にした後、水冷下、濃塩酸でpHを4.5〜5.0に調整しながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(12.2重量%品)2.3gを1時間かけて滴下した。反応液をHPLCで分析し、3−ヒドロキシ−γ―ブチロラクトンと3,4−ジヒドロキシブタン酸ナトリウムが12.5/87.5(HPLC面積比)の混合物として生成していることを確認した。
反応液に重曹を加えpH=8.0に調製し、得られた反応液を50℃にて減圧濃縮した後、残渣にメタノールを加え、無機塩を晶析除去し、濾液を回収した。本操作を2回繰り返した後、濾液の溶媒を濃縮除去し、3,4−ジヒドロキシブタン酸ナトリウムシロップ0.41gを定量的に得た。
HPLC分析条件:ShodexAsahipackNH2−P50(昭和電工製)、50mMリン酸水素ナトリウム水溶液、流速1ml/分、検出UV210nm.
3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの保持時間(4.1min)
3,4−ジヒドロキシブタン酸ナトリウムの保持時間(6.4min)
HPLC分析条件:ShodexAsahipackNH2−P50(昭和電工製)、50mMリン酸水素ナトリウム水溶液、流速1ml/分、検出UV210nm.
3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの保持時間(4.1min)
3,4−ジヒドロキシブタン酸ナトリウムの保持時間(6.4min)
以下に物性値を示す。
3,4−ジヒドロキシブタン酸ナトリウム
1H NMR(D2O):2.2−2.4(2H,m),3.3−3.5(2H,m),3.8−3.9(1H,m).
3,4−ジヒドロキシブタン酸ナトリウム
1H NMR(D2O):2.2−2.4(2H,m),3.3−3.5(2H,m),3.8−3.9(1H,m).
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