JP2005297987A - ピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチおよびピレスロイド系殺虫剤散布用スプレー装置 - Google Patents
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Abstract
ピレスロイド系殺虫剤を低濃度で含有する散布液を充填しても、薬剤濃度が低下しないか、低下したとしても実用上何ら差支えない程度の僅かな低下に止まり、しかもスタンディングパウチとしての基本性能である折りたたみ可能な柔軟性を持ったピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スタンディングパウチを開発する
【解決手段】
最内層、中間層および最外層の多層構成からなり、最内層が低密度ポリエチレン層、最外層がポリエチレンテレフタレート層であり、中間層としてアスペクト比が200〜3000の無機層状化合物と高水素結合性樹脂を含み、無機層状化合物/高水素結合性樹脂=5/95〜50/50(体積比)である無機層状化合物含有樹脂層を少なくとも1層有してなることを特徴とするピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチを提供する。
【選択図】 なし
Description
かかるポリエチレンテレフタレート層は、それが薄すぎるとスタンディングパウチとしての形状保持性に劣り、厚すぎると剛性が高くなって柔軟性が乏しくなり、スタンディングパウチとしての機能を保持するためには、その厚みとしては通常5〜50μm、特に8〜30μmの範囲にあることが好ましい。
ここで、粒径とは無機層状化合物含有樹脂層を形成するために使用される原料無機層状化合物の粒径(L)であって、水等の媒体中、25℃で動的光散乱法による光子相関法から求めた中心径を意味する。
[Lは前記粒径であり、aは粉末X線回折法などによって無機層状化合物単独の測定で求められる無機層状化合物の単位厚みである。]
また、重合度は100以上5000以下、特に200以上3000以下がより好ましい。
コーティング方法としては、ダイレクトグラビア法、リバースグラビア法、マイクログラビア法、2本ロールビートコート法、ボトムフィード3本リバースコート法などのロールコーティング法、ドクターナイフ法、ディップコート法あるいはこれらの組み合わせなど任意の方法が採用される。
また、連通管の長さを消耗の長さに調整することにより、スタンディングパウチを地面等においたままで、これを逐一移動させることなく、広範囲にわたって散布することができるため、特に家庭用の殺虫剤散布作業を簡単に、容易に行うことができる。
(散布液の調整)
有機溶剤(ハイゾールSAS−296、日本石油化学社製)0.3495g、フェンプロパトリンTG(ピレスロイド系殺虫剤、住友化学社製)0.1815gおよびテトラコナゾールTG(殺菌剤、アリスタライフサイエンス社製)0.069gを混合、溶解して原体プレミックスを得、これにソルポール SM−100PW(界面活性剤、東邦化学社製)2.01g、ソルポールIT(界面活性剤、東邦化学社製)0.9gおよびハイソルブルMP(有機溶剤、東邦化学社製)30gを加え、40℃に加熱攪拌して中間液33.6gを得た。
この中間液にイオン交換水1466.4gを少量づつ添加、混合し、散布液1500gを得た。
これと全く同様の操作を繰り返して、1500gの散布液を評価試験に必要な数だけ得た。
合成マイカ(テトラシリリックマイカNA−TS、トピー工業社製、粒径:977nm、アスペクト比:1043)をイオン交換水に0.65重量%になるように分散させて分散液(A液)を得、また、ポリビニルアルコール(PVA117H、クラレ社製、けん化度:99.6%、重合度:1700)をイオン交換水に0.325重量%となるように溶解させて樹脂溶液(B液)を得た。
このA液とB液とを固形成分比(体積比)が無機層状化合物/樹脂=3/7となるように混合し、これを塗工液とした。
この塗工液を厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)上にコーティング、乾燥してなる積層フィルムを得、無機層状化合物含有樹脂層側に印刷を行い、該印刷層の上に接着剤層を介して厚さ12μmのナイロン(NY)層を、更にその上に接着剤層を介して厚さ160μmの低密度ポリエチレン(LLDPE)層を積層した多層シートを得た。
この多層シートのLLDPE層側が内側となるように重ね合わせ、公知の方法で端部同士をヒートシールして、2L容のスパウト付のスタンディングパウチを製造した。
尚、ネジ付のスパウト部はポリエチレンテレフタレート製とした。
得られたスタンディングパウチに先に得た散布液1500gを充填し、各表に示す保存条件で散布液を分析し、散布液の濃度変化を調べた。結果を表1〜表3に示す。
分析は、下記方法により検量線法によるガスクロマトグラフにより行なった。
純度既知のフェンプロパトリン約110mgを50ml容フラスコに精密に秤取し、アセトンで溶解して定容とする。この液5mlをホールピペットで正確に50ml容フラスコに分取し、アセトンで定容とする。このアセトン溶液3、4、5および6mlをホールピペットを用いて別々の100ml容ナス型フラスコに性格に分取する。
一方、純度既知のテトラコナゾール約60mgを50ml容フラスコに精密に秤取し、アセトンで溶解して定容とする。この液5mlをホールピペットで正確に50ml容フラスコに分取し、アセトンで定容とする。このアセトン溶液2、3、4および5mlをホールピペットを用いてフェンプロパトリンを加えた100ml容ナス型フラスコに正確に分取する。
この100ml容ナス型フラスコ中のアセトンをロータリーエバポレーターを用いて除去し、おのおの内部標準液(フタル酸ベンジルn−ブチル約50mgを200ml用メスフラスコに精密に秤取し、クロロホルムを加えて溶解後、定容したものを内部標準液とする)2mlをホールピペットを用いて正確に加え、溶解して検量線溶液とする。
各検量線溶液1μlを以下に示す操作条件でガスクロマトグラフに注入し、ガスクロマトグラムを記録する。
自動積算計を用いて、フェンプロパトリンおよびテトラコナゾールのフタル酸ベンジルn−ブチルに対するピーク面積比を求め、重量比を横軸に、ピーク面積を縦軸にとってそれじれの検量線を作成する。
カラム :2%DEGS/クロモソルブW(AW−DMCS) 60/80メッシュ
カラム温度 :190℃
注入口温度 :250℃
キャリアガス:窒素、30ml/分
水素ガス圧力:0.6kg/cm3
空気圧力 :0.6kg/cm3
検出器感度 :102×4
記録紙送り速度:5mm/分
散布液約10gを50ml容ナス型フラスコに秤取し、ロータリーエバポレーターを用いてフラスコ中の水分を除去する。残渣にアセトン3mlを加えて溶解し、クロマトグラフ用シリカゲルを2.5cmになるようにパスツールピペットに詰めた簡易カラムに添加し、クロロホルム10mlでナス型フラスコを洗浄後、溶離液として流出させ界面活性剤の除去を行う。
その後、ロータリーエバポレーターを用いてナス型フラスコ中のクロロホルムを除去し、内部標準液2mlを加えて残渣を溶解し、試料溶液とする。
以下、検量線の作成と同様に操作して、フタル酸ベンジルn−ブチル(内部標準物質)に対するフェンプロパトリン、テトラコナゾールのピーク面積を求め、検量線を用いてフェンプロパトリン、テトラコナゾール重量に換算し、次式により試料中のフェンプロパトリンおよびテトラコナゾールの含量(重量%)を算出する。
フェンプロパトリンの含量=フェンプロパトリン重量(mg)/試料採取料(mg)
テトラコナゾールの含量=テトラコナゾール重量(mg)/試料採取料(mg)
シート厚み200μmの高密度ポリエチレンのみからなるスタンディングパウチを使用する以外は実施例1と同様にして、該スタンディングパウチに充填された散布液の濃度変化を調べた。結果を表1〜表3に示す。
Claims (8)
- 最内層、中間層および最外層の多層構成からなるピレスロイド系殺虫剤散布液収納用のスパウト付スタンディングパウチであって、最内層が低密度ポリエチレン層、最外層がポリエチレンテレフタレート層であり、中間層としてアスペクト比が200〜3000の無機層状化合物と高水素結合性樹脂を含み、無機層化合物/高水素結合性樹脂=5/95〜50/50(体積比)である無機層状化合物含有樹脂層を少なくとも1層有してなることを特徴とするピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチ。
- 無機層状化合物が溶媒により膨潤、へき開されてなる無機層状化合物である請求項1記載のピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチ。
- 高水素結合性樹脂がポリビニルアルコールである請求項1記載のピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチ。
- 低密度ポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレンである請求項1記載のピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチ。
- ポリエチレンテレフタレート層の厚みが5〜50μmの範囲である請求項1記載のピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチ。
- 低密度ポリエチレン層の厚みが50〜250μmの範囲であり、ポリエチレンテレフタレート層の厚みが5〜50μmの範囲である請求項1記載のピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチ。
- 散布液中のピレスロイド系殺虫剤の濃度が50〜400ppmの範囲にある請求項1記載のピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチ。
- 請求項1記載のピレスロイド系殺虫剤散布液収納用スパウト付スタンディングパウチとトリガー型スプレーガンとが連通管で接続されてなり、該連通管の一端がトリガー型スプレーガンの液体吸入部に接続され、他端が前記スタンディングパウチのスパウト部に脱着可能な蓋部を貫通して前記スタンディングパウチの底部に位置してなることを特徴とするピレスロイド系殺虫剤散布用スプレー装置。
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2004
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