JP2005297461A - 基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材 - Google Patents

基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材 Download PDF

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Abstract

【課題】厚み2.0mm未満であっても成形可能な板状原部材を作成でき、また、ホットメルトシートを用いなくても板状原部材と基布とを強固に接着でき、更に、気泡の均一性を保持しつつ、連泡性を向上させることのできる基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を提供する。
【解決手段】少なくとも熱可塑性樹脂、還元パラチノース、水溶性気泡形成剤を配合し成形してなる板状原部材と、織編物又は不織布からなる基布とを、重ね合わせて一体化したシート体から、前記還元パラチノース及び水溶性気泡形成剤を除去して得られる基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材。
【選択図】図1

Description

本発明は、インク内蔵タイプの回転印用の無端印字ベルトに使用するための連続気泡を有する基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材に関するものである。
特開昭54−103127や実開昭54−118210等に開示されている連続気泡を有する多孔質印材を用いた無端印字ベルトからなる回転印は、自身にインクを内蔵できるので、使用の度にインクを付着させなくても連続して押印することができ、大変有用である。
従来、このような無端印字ベルトの素材には主にスポンジ化したゴムが用いられていたが、本出願人は過去に多孔質印材を熱可塑性樹脂に変更した特開平11−129595号と特開平11−129596号を出願した。これら特開平11−129595号や特開平11−129596号は、熱可塑性樹脂及び水溶性気泡形成剤等を配合し混練したものを厚み2mm程度の板状原部材に成形し、その後ホットメルトシートと共に台座を彫刻した金型にて加圧加熱して一体化したシート体を得た後、このシート体から水溶性気泡形成剤を除去して基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を製造するものであった。
しかしながら、従来の押し出し成形方法では2mm未満の厚みの板状原部材を成形しようとすると、たわみによる押し出し成形不良や強度不足による破断等の問題が生じるので、前記板状原部材は厚み2mm程度にすることが限界であって、それよりも薄型の板状原部材は作成できなかった。
また、前記板状原部材が厚み2mm未満になると基布との一体成型時に基布の変形や破れが発生し、基布との接着性も悪化するので、別途ホットメルトシート等の接着剤が必要となっていた。
また、多孔質無端印字ベルトは、構成上厚みが限定されるので、多量のインキを内蔵できない欠点があった。
そこで、インキ含有量を向上させるために、水溶性気泡形成剤の粒子を大きくしたり、配合量を多くすると、一つ一つの気泡は大きくなるのであるが、連泡性は全く向上しない上、気泡の均一性が崩れ、多孔質印材の強度やバランスが低下してしまう問題を引き起こしていた。よって、水溶性気泡形成剤の大きさ及び配合量を制限せざるを得ず、気泡の大きさや連泡性に限界があり、インキ含有量やインキ吐出量に影響を与えていた。
特開昭54−103127号公報 実開昭54−118210号公報 特開平11−129595号公報 特開平11−129596号公報
本発明は、回転印用無端印字ベルトに使用する基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材であって、厚み2.0mm未満であっても成形可能な板状原部材を作成でき、また、ホットメルトシートを用いなくても板状原部材と基布とを強固に接着でき、更に、気泡の均一性を保持しつつ、連泡性を向上させることのできる基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を提供することを目的としている。
少なくとも熱可塑性樹脂、還元パラチノース、水溶性気泡形成剤を配合し成形してなる板状原部材と、織編物又は不織布からなる基布とを、重ね合わせて一体化したシート体から、前記還元パラチノース及び水溶性気泡形成剤を除去して得られる基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材。
本発明の板状原部材は、還元パラチノースを配合させたことにより容易に押し出し成形可能となり、たとえ厚みが2.0mm未満の薄さの板状原部材であっても破損することなく容易に押し出し成形可能であった。また、この板状原部材を用いたので、板状原部材と基布とが強固に接着してなる基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を得ることができた。
また、還元パラチノースを配合させたことにより、気泡の均一性を保持したまま連泡性を向上させた基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を得ることができた。よって、多量のインキを含有することができると共に多くのインキを一度の捺印で吐出可能となった。また、連泡性向上に伴い、インキを含浸させるときの時間も短縮することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。まず使用する材料について説明する。
本発明において用いることができる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリウレタン、ポリ−1,2−ブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリブチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化物系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂をあげることができる。前記熱可塑性樹脂は、融点が40℃〜250℃のものが好ましく用いられる。
前記熱可塑性樹脂の中で、耐侯性、耐薬品性、成形性等物理的側面からポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーが最も好ましく用いられる。
本発明において用いることができる還元パラチノースとしては、砂糖に転移酵素を作用させて製造したパラチノースを水素添加によって還元させて製造する糖アルコールをあげることができ、α−D−glucopyranosyl−1,6−sorbitol(GPS)及びα−D−glucopyranosyl−1,6−mannitol(GPM)という白色・無臭の結晶が混在したものを用いることができる。具体的には、パラチニット(商品名:新三井製糖株式会社製)などを例示することができる。
還元パラチノースは、無毒で安全性が高く、水への溶解性が優れているので、水によって容易に除去することができる。また、前記水溶性気泡形成剤を水に溶解させて除去する際に水溶性気泡形成剤に作用して水への溶解を補助するので、多孔質熱可塑性樹脂印字体中の水溶性気泡形成剤残存量を0%又は極めて少量にすることが可能となり連泡性が向上すると考えられる。特に、水溶性気泡形成剤に分子量の大きい糖を用いる場合などは、その効果が大である。
また、還元パラチノースは融点が40℃以上であって常温では固体なので、後述するシート体を作成すると固結化した硬質シート体を得ることができ、手指で押しても変形しないので取り扱いが簡便となる利点がある。
還元パラチノースの使用比率は、熱可塑性樹脂100部に対し約5〜50部であり、好ましくは10〜30部である。
本発明において用いることができる水溶性気泡形成剤としては、塩や糖などの微粉末をあげることができる。
塩は、微粉末化が容易で、樹脂の加工温度(40℃〜180℃)において分解ガス化せず、かつ、水によって容易に除去できる無機化合物を用い、具体的には塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどの金属塩が好ましく用いられる。直径は、通常1〜500μmのものを使用する。
糖は、ペントースやヘキトースなどの単糖類、サッカロースやマルトースなどの二糖類、デンプンやグリコーゲンなどの多糖類のいずれも使用でき、更に、これらを併用して使用することもできる。粒径は、通常1〜500μmのものを使用する。その中でも特に、デンプンが水溶性において優れているうえ、均一な所要粒径を有する粉末が容易に得られ、また、安価であるため好ましく使用される。
水溶性気泡形成剤の使用比率は、熱可塑性樹脂100部に対し、約50〜1500部であり、好ましくは100〜800部である。水溶性気泡形成剤は、塩と糖をそれぞれ単独で用いてもよいし、併用して用いてもよく、用途によって適宜選択すればよい。
更に、本発明では添加物等も必要に応じて使用することができる。例えば、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体・ポリエチレングリコールアルキルエーテル・ポリプロピレングリコールアルキルエーテル・ポリビニルアルコール・ポリアリルアミン・パラフィン・ワックス・高級脂肪酸・フッ素系界面活性剤・シリコーン系界面活性剤・非イオン界面活性剤などの滑剤、アミン系の老化防止剤、ワセリン・可塑剤などの軟化剤、カーボンブラック・ニグロシン・弁柄・群青等の任意の顔料や染料といった着色剤などを有効量添加することができる。
上記滑剤の中でも融点が40℃以上であって、前記熱可塑性樹脂の融点(40℃〜180℃)において分解せず、かつ、分子量700〜30000程度のポリエチレングリコールが印字体を作成する上で最も好ましく用いられる。当該ポリエチレングリコールも融点が40℃以上であって常温では固体なので、後述するシート体を作成すると固結化した硬質シート体を得ることができ、手指で押しても変形しないので取り扱いが簡便となる利点がある。また、当該ポリエチレングリコールは水溶性なので、後述するシート体を洗浄する際に除去される。
また、選択的に赤外線を照射することによって多孔質熱可塑性樹脂印字体の印面を形成する方法を用いる場合は、赤外線を効率良く吸収する添加剤が必要であり、着色剤としても用いられるカーボンブラックが最も好ましい添加剤として用いられる。
上記添加剤の使用比率は、熱可塑性樹脂100部に対し、0.1〜1000部程度である。添加剤は用途によって適宜選択され、数種類併用して用いることができる。
次に、本発明において用いることができる基布としては、綿、絹、羊毛、アセテート、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、フッ素系フィラメント、ポリクラール、レーヨン、ナイロン、ポリエステルなどの繊維を平織りや綾織りした織物や各種編物とした布、不織布とした布、を用いることができる。特に、極微細繊維といわれる繊度1d以下の合成繊維を使用した織編物は、耐インキ性、インキの流通性、強度、ほつれ、耐熱性、接着性、回転性、耐久性などに優れているので、最も好ましい。例えば、シルフローラX(商品名:東洋紡績株式会社製)、ザヴィーナミニマックス、クラウゼンMCF、ベルセイムハイテクロス(商品名:鐘紡株式会社製)がある。
また、本発明の基布は、板状原部材の厚みと比較してバランスが取れるように、厚み0.5mm以下の織編物が好ましく用いられる。
次に、基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材の作成方法について説明する。
まず二本ロールやニーダーに還元パラチノース、水溶性気泡形成剤、必要に応じて必要量のポリエチレングリコールやカーボンブラック等の添加剤を投入し、加熱しながら撹拌する。次に、チップ化された熱可塑性樹脂を加え、熱可塑性樹脂の融点以上の温度にしながら更に混合する。次に、この混合物を押し出し機などにて平板状に成形した後、空冷して、まず板状原部材を作成する。
当該板状原部材は熱可塑性樹脂中に、還元パラチノースや水溶性気泡形成剤や添加剤などが渾然一体かつ均一に分散された状態となっており、また、固結化した硬質平板体となっており、手指で押しても容易に変形しない。
厚み20.0mm以下の板状原部材が押し出し成形可能であり、厚み2.0mm未満例えば厚み0.1〜1.9mmの板状原部材をも成形可能であった。
次に、板状原部材と基布とを、重ね合わせて型に収容し、若干圧力を加えつつ熱可塑性樹脂の融点以上の温度約40℃〜250℃に加熱して一体化したシート体を得る。圧力を加えることによって当該シート体は収縮し、前記板状原部材の厚みの99%〜5%程度に収縮する。あるいは、前記板状原部材の押し出し口に熱ロールを設置して連続的に基布と圧着しても一体化したシート体を得ることができる。
次に、温水、流水等を用いて、前記シート体から水溶性気泡形成剤や還元パラチノースや添加剤などを除去した後、これを脱水乾燥させ、本発明の基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材が作成される。
当該基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材は、ホットメルトシート等の接着剤を用いていないが、板状原部材と基布が強固に接着したものとなっている。
次に、回転印用の無端印字ベルトの作成方法について説明する。
まず、必要に応じて本発明の基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材に印面を形成する。通常本発明のような基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材は、印材表面に文字図形等の印面を形成するために、余白に相当する部分の熱可塑性樹脂を溶融固化させてインキが滲み出し不能な非多孔質印材保護被膜で非印字部を形成すると共に、文字図形等に相当する部分をインキが滲み出し可能となるように印材を溶融せずに残すことによって印面を形成する。ここで、必要に応じてというのは、この段階で印面を形成しても構わないし、無端印字ベルトを作成した後に印面を形成しても構わないためである。
印面を形成する方法としては、加熱した金型を直接押し当てて余白部分を溶融する方法、サーマルヘッドで余白部分を直接加熱して溶融する方法、炭酸ガスレーザやYAGレーザといった各種レーザ光を用いて余白部分を加熱して溶融する方法、発熱材を介在させ赤外線キセノンフラッシュランプなどによって余白部分を加熱して溶融する方法などを用いることができる。
次に、基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を所要のサイズに切断する。切断具は、刃物やレーザ加工機など公知なものでよいが、一例として超音波カッターをあげておく。
まず、基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材の所要箇所に超音波カッターの刃を当てて位置決めをする。次に、超音波カッターの電源を入れカッター部を振動させる。これを上方から押し付けながら手前にゆっくりと引く。そうすると、基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材が切断されると同時にその切断面が溶融固化され、インキが滲み出し不能な非多孔質印材保護膜を形成する。
本発明では、1秒間に数千〜数十万回振動する超音波カッターを用いることができる。具体的には、先端にステンレスや合金のカッター刃を備えた超音波カッターを用いることができ、1秒間に4万回振動することが可能な超音波小型カッターUSW−333(商品名:本多電子株式会社製)などを例示することができる。
次に、切断した基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材の両端を重ね合わせて熱シール機にて熱融着して無端印字ベルトを作成することができる。材質が熱硬化性樹脂でなく熱可塑性樹脂であるので、特に接着剤は必要なく、そのまま熱融着が可能である。
(実施例1)
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
5〜60μmの塩化ナトリウム化合物450重量部及びカーボンブラック0.3重量部をニーダーに投入し90℃に加熱しながら撹拌する。次に、還元パラチノース(パラチニット(商品名)新三井製糖株式会社製)100重量部を少量ずつ加え混合する。そうすると、還元パラチノースは塩化ナトリウム化合物の熱によって溶融して液体となり、塩化ナトリウム化合物と還元パラチノースは渾然一体となる。次に、ポリエチレン樹脂チップ(融点120℃)100重量部を加え、熱を130℃に保ちながら混合する。そうすると、ポリエチレン樹脂も溶融し、均一に混合された混合物が得られる。次に、この混合物を押し出し機にて厚み1.0mmの板状原部材に成形し空冷する。
次に、当該板状原部材と0.5デニールのポリエステル製極微細繊維を平織りにした基布とを、重ね合わせて金型に収容し、200Kg/cm2の圧力を加えつつ140℃に加熱して一体化したシート体を得る。当該シート体の厚さは圧力の効果により0.5mmに収縮している。
以上の手順によって中間的なシート体が作成されるが当該シート体は、ポリエチレン樹脂シート体中に還元パラチノースと塩化ナトリウム化合物が均一に分散された状態となっており、また、すべての物質が固結しているので、手指で押しても全く変形しない黒色硬質シート体となる。
次に、当該シート体を流水で洗い流して還元パラチノースと塩化ナトリウム化合物を完全に除去する。そして、これを乾燥機にて乾燥させると、たわみによる押し出し成形不良や強度不足による破断等のない黒色の連続気泡を有する厚さ0.5mmの基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を得ることができた。
以下、実施例1を使用した回転印用の無端印字ベルトの作成方法について説明する。
まず、所要の文字図面等を黒地とし余白を透明地で表したポジフィルムを実施例1の多孔質熱可塑性樹脂側の面に重ね、前記フィルム側から赤外線を照射する。そうすると、ポジフィルムの黒地の部分では赤外線が印材に到達するのを妨げるので多孔質がそのまま残り、一方、ポジフィルムの透明地の部分では赤外線が透過して対応する部分の印材中のカーボンを発熱させ、印材を溶融固化させて非多孔質印材保護被膜を形成するので、インキ滲み出し可能な印字部とインキ滲み出し不可能な非印字部が形成されることになり印面が形成される。
次に、多孔質印材に超音波小型カッターUSW−333(商品名:本多電子株式会社製)の刃を当てて位置決めをする。そして、超音波カッターの電源を入れカッター部を振動させる。これを上方から押し付けながら手前にゆっくりと引く。そうすると、基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材が切断されると同時にその切断面が溶融固化されてインキが滲み出し不能な非多孔質印材保護膜を形成される。
次に、この基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材の両端を重ね合わせ、熱シール機にて熱融着すると、回転印用の無端印字ベルトを作成することができた。
当該無端印字ベルトを図1に図示する。1は印字部、2は非印字部、3は基布である。印字部1と非印字部2との高低の差は、0.01mm〜0.1程度である。
当該無端印字ベルトに50〜2000mPa・S(20℃、65%、60rpm)の油性顔料インキを吸蔵させて使用したところ、多量のインキを含有することができると共に多くのインキが一度の捺印で吐出可能であった。また、連泡性向上に伴い、インキを含浸させるときの時間も短縮することができた。更に、多孔質熱可塑性樹脂と基布が強固に接着し一体化しており、両者の剥がれが発生することがなかった。
(実施例2)
5〜60μmの塩化ナトリウム化合物450重量部及びカーボンブラック0.3重量部をニーダーに投入し90℃に加熱しながら撹拌する。次に、還元パラチノース(パラチニット(商品名)新三井製糖株式会社製)80重量部と分子量10000の固体のポリエチレングリコール(融点62℃、分解温度150℃)20重量部を少量ずつ加え混合する。そうすると、還元パラチノースとポリエチレングリコールは塩化ナトリウム化合物の熱によって溶融して液体となり、塩化ナトリウム化合物と還元パラチノースとポリエチレングリコールは渾然一体となる。次に、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー100重量部を加え、160℃まで徐々に温度を上げつつ回転力を加えながら更に混合する。そうすると、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーも溶融し、均一に混合された混合物が得られる。次に、この混合物を押し出し機にて厚み1.9mmの板状原部材に成形し空冷する。
次に、当該板状原部材と0.5デニールのポリエステル製極微細繊維を平織りにした基布とを、重ね合わせて金型に収容し、200Kg/cm2の圧力を加えつつ140℃に加熱して一体化したシート体を得る。当該シート体の厚さは圧力の効果により1.5mmに収縮している。
以上の手順によって中間的なシート体が作成されるが当該シート体は、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーシート中に還元パラチノースと塩化ナトリウム化合物とポリエチレングリコールが均一に分散された状態となっており、また、すべての物質が固結しているので、手指で押しても全く変形しない黒色硬質シート体となる。
次に、当該シート体を流水で洗い流して塩化ナトリウム化合物と還元パラチノースとポリエチレングリコールを完全に除去する。そして、これを乾燥機にて乾燥させると、たわみによる押し出し成形不良や強度不足による破断等のない黒色の連続気泡を有する厚さ1.5mmの基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を得ることができた。更に、多孔質熱可塑性樹脂と基布が強固に接着し一体化しており、両者の剥がれが発生することがなかった。
前記実施例1を使用した無端印字ベルトの作成方法と同様の方法にて作成した実施例2を使用した無端印字ベルトに50〜2000mPa・S(20℃、65%、60rpm)の油性顔料インキを吸蔵させて使用したところ、多量のインキを含有することができると共に多くのインキが一度の捺印で吐出可能であった。また、連泡性向上に伴い、インキを含浸させるときの時間も短縮することができた。
(比較例1)
実施例1に配合されている還元パラチノース(パラチニット(商品名)新三井製糖株式会社製)を、同量の5〜60μm塩化ナトリウム化合物に変更した以外は全く同様に作成したところ、たわみ及び破断を生じ、基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を得ることができなかった。
(比較例2)
実施例2に配合されている還元パラチノース(パラチニット(商品名)新三井製糖株式会社製)を、同量の5〜60μm塩化ナトリウム化合物に変更した以外は全く同様に作成したところ、たわみ及び破断を生じ、基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材を得ることができなかった。
以下、試験結果を表に示す。
(浸透時間試験)
ヒマシ油誘導体を主溶剤とする粘度700mPa・S(20℃、65%、60rpm)の油性顔料インキを多孔質熱可塑性印字体に含浸させ、インク保有量が飽和状態になるまでの時間を計測した。(気泡が均一で連泡性が向上すると浸透時間が早くなる。)
(連続押印試験)
ヒマシ油誘導体を主溶剤とする粘度700mPa・S(20℃、65%、60rpm)の油性顔料インキを多孔質熱可塑性印字体に含浸させた後、回転印に組み立て、100回連続捺印時のインキ消費量を測定した。(インキ消費量が多いほど1回当りのインキ吐出量が多いことを表し、気泡が均一で連泡性が向上していることを示す。)
(表1)
┌────────┬─────┬─────┐
│ │ 実施例1 │ 実施例2 │
├────────┼─────┼─────┤
│ 浸透時間試験 │ 3秒 │ 5秒 │
├────────┼─────┼─────┤
│ 連続押印試験 │ 5mg │ 5mg │
└────────┴─────┴─────┘
実施例1を使用した回転印用の無端印字ベルト
符号の説明
1 印字部
2 非印字部
3 基布

Claims (1)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂、還元パラチノース、水溶性気泡形成剤を配合し成形してなる板状原部材と、織編物又は不織布からなる基布とを、重ね合わせて一体化したシート体から、前記還元パラチノース及び水溶性気泡形成剤を除去して得られる基布付き多孔質熱可塑性樹脂印材。
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