JP2005293226A - 工作機械の送り速度設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マシン追従限界を加味した上で切削体積制御本来の送り速度にできるだけ近い送り速度の設定を行うことで、加工精度維持と加工効率向上とを両立して達成する。
【解決手段】 ワーク形状情報および加工経路情報に基づいて、加工経路における工具の所定単位当りの加工量が目標加工量となるように工具の初期送り速度を求め、工作機械において加工条件に関連させて設定した複数の要求追従精度を保つ加工経路の各折れ角に対応する送り速度限界値を設定し、各折れ角部分において、初期送り速度と送り速度限界値とを比較し、初期送り速度が送り速度限界値を越えるときには、当該折れ角直前部分での送り速度を送り速度限界値に設定するとともに、工具の回転速度を初期送り速度と送り速度限界値との差に対応して低下させた所定値に設定し、初期送り速度が送り速度限界値以下のときには、送り速度を初期送り速度に設定する。
【選択図】図18
【解決手段】 ワーク形状情報および加工経路情報に基づいて、加工経路における工具の所定単位当りの加工量が目標加工量となるように工具の初期送り速度を求め、工作機械において加工条件に関連させて設定した複数の要求追従精度を保つ加工経路の各折れ角に対応する送り速度限界値を設定し、各折れ角部分において、初期送り速度と送り速度限界値とを比較し、初期送り速度が送り速度限界値を越えるときには、当該折れ角直前部分での送り速度を送り速度限界値に設定するとともに、工具の回転速度を初期送り速度と送り速度限界値との差に対応して低下させた所定値に設定し、初期送り速度が送り速度限界値以下のときには、送り速度を初期送り速度に設定する。
【選択図】図18
Description
この発明は、例えば切削加工等に使用する工作機械における送り速度の設定方法に関する。
例えば、プレス用やダイカスト用の金型の成形面などを切削加工する場合、エンドミル等の切削工具を用いて荒加工及び仕上げ加工の切削加工が行われる。特に、仕上げ加工では、形状及び寸法や表面粗さ等について非常に高い精度が求められる。このような切削加工等に使用する工作機械において、工具の送り速度を如何に適正に設定するかは重要である。
図21は、エンドミルTmを用いて行う平面加工の一例を説明するための平面説明図である。この図から良く分かるように、工具Tmの送り速度を大きく設定するほど、送り粗さが大きくなり加工面の仕上げ精度は低下する。従って、仕上げ精度を維持する観点からは、送り速度が低いほうが好ましい。しかしながら、送り速度が低いほど加工効率が低下し、加工時間が長くなる。また、送り速度が過度に低い場合には、加工箇所での温度上昇が顕著になるので、工具寿命の低下を招き、極端な場合には切削刃の焼き付きが生じるという問題もある。
図21は、エンドミルTmを用いて行う平面加工の一例を説明するための平面説明図である。この図から良く分かるように、工具Tmの送り速度を大きく設定するほど、送り粗さが大きくなり加工面の仕上げ精度は低下する。従って、仕上げ精度を維持する観点からは、送り速度が低いほうが好ましい。しかしながら、送り速度が低いほど加工効率が低下し、加工時間が長くなる。また、送り速度が過度に低い場合には、加工箇所での温度上昇が顕著になるので、工具寿命の低下を招き、極端な場合には切削刃の焼き付きが生じるという問題もある。
切削加工等に使用する工作機械において工具の送り速度を設定する方法としては、工具の切削刃に過大な負荷が掛かることを防止する等の観点から、切削負荷が最も大きくなる箇所での送り速度を切削負荷限界値とし、この限界値をそのまま送り速度として一律に設定する方法が知られている。
しかしながら、このように切削負荷限界値を一律の送り速度として設定したのでは、加工効率の向上を図ることは難しい。
しかしながら、このように切削負荷限界値を一律の送り速度として設定したのでは、加工効率の向上を図ることは難しい。
この問題に関して、例えば特許文献1には、工具の切削刃に過大な負荷が掛かることを防止しながら加工効率の向上を図るために、工具の1回転に伴う1刃当りの切削量(1刃1回転当りの切削体積量)が一定の目標切削体積量となるように送り速度を制御する、所謂、切削体積制御が提案されている。
尚、切削負荷限界との対比を特に意識したものではないが、特許文献2には、加工形状の変化による工具への負荷変動に応じて、送り速度等の切削条件を変化させるように制御することが開示されている。
尚、切削負荷限界との対比を特に意識したものではないが、特許文献2には、加工形状の変化による工具への負荷変動に応じて、送り速度等の切削条件を変化させるように制御することが開示されている。
図22は、この切削体積制御における送り速度の推移を示すグラフである。このグラフから明らかなように、切削体積制御(実線曲線参照)を適用することにより、切削負荷限界値を一律の送り速度として設定した場合(1点鎖線直線参照)に比して、切削負荷が最も大きくなる一部の箇所を除いては、送り速度を大きく高めることができ、大幅な加工効率の向上を図ることが可能になる。
特開2002−200540号公報
特開平8−249042号公報
ところで、工具の進行方向(送り方向)は予め設定された切削加工の加工経路に従って変化し、その変化時に折れ角を伴って方向が変わる場合が多々ある。このように工具の送り方向が変えられる場合、送り速度が早過ぎると折れ角部をオーバランし、或いは遅過ぎるとショートカットになり、加工精度を維持する上で支障が生じる。従って、各工作機械には、このような送り方向の変化に追従して所期の加工精度を維持できるように、各工作機械には、加工条件に関連させて、送り方向変化への追従限界に対応した送り速度限界値(所謂、マシン追従限界)が設定されている。この場合、マシン追従限界は、送り方向が最も大きく変化する場合を想定して決められるのが一般的である。
そして、通常、このマシン追従誤差が最大となる箇所での送り速度をマシン追従限界値とし、この限界値をそのまま送り速度として一律に設定される。
そして、通常、このマシン追従誤差が最大となる箇所での送り速度をマシン追従限界値とし、この限界値をそのまま送り速度として一律に設定される。
従って、上述の切削体積制御を適用した場合でも、このマシン追従限界によって送り速度が制限されるので、切削体積制御の本来の利得が十分に生かすことができないという問題があった。
図23は、マシン追従限界によって制限された切削体積制御における送り速度の推移を示すグラフである。このグラフから明らかなように、切削体積制御(破線曲線参照)を適用しても、一定に設定されたマシン追従限界(1点鎖線直線参照)によって送り速度が制限されるので、実際の送り速度(実線曲線参照)は、一部の領域を除いては、切削体積制御の本来の高い送り速度を実現できず、加工効率向上効果は大きく抑制されたものとならざるを得ないのが実情であった。
図23は、マシン追従限界によって制限された切削体積制御における送り速度の推移を示すグラフである。このグラフから明らかなように、切削体積制御(破線曲線参照)を適用しても、一定に設定されたマシン追従限界(1点鎖線直線参照)によって送り速度が制限されるので、実際の送り速度(実線曲線参照)は、一部の領域を除いては、切削体積制御の本来の高い送り速度を実現できず、加工効率向上効果は大きく抑制されたものとならざるを得ないのが実情であった。
そこで、この発明は、マシン追従限界を加味した上で、切削体積制御の本来の送り速度にできるだけ近い送り速度の設定を行えるようにすることで、加工精度の維持と加工効率の向上とを両立して達成できるようにすることを目的としてなされたものである。
このため、本願発明に係る工作機械の送り速度設定方法は、ワーク形状情報および加工経路情報に基づいて、上記加工経路における工具の所定単位当りの加工量が目標加工量となるように、上記工具の初期送り速度を求め、工作機械において加工条件に関連させて設定した複数の要求追従精度を保つ加工経路の各折れ角に対応する送り速度限界値を設定し、上記加工経路の各折れ角部分において、上記初期送り速度と上記送り速度限界値とを比較し、上記初期送り速度が上記送り速度限界値を越えるときには、当該折れ角直前部分での送り速度を上記送り速度限界値に設定するとともに、工具の回転速度を上記初期送り速度と送り速度限界値との差に対応して低下させた所定値に設定し、上記初期送り速度が上記送り速度限界値以下のときには、送り速度を上記初期送り速度に設定する、ことを特徴としたものである。
この場合において、上記加工条件は荒加工条件および仕上げ加工条件であり、各加工条件に応じて異なる要求追従精度の各折れ角に対応した送り速度限界値を設定することが、より好ましい。
本願発明に係る工作機械の送り速度設定方法によれば、予め要求追従精度に対応させて設定した送り速度限界値と初期送り速度とを各折れ角部分で比較し、初期送り速度が上記送り速度限界値を越えるときには、当該折れ角直前部分での送り速度を上記送り速度限界値に設定し、上記初期送り速度が上記送り速度限界値以下のときには、送り速度を上記初期送り速度に設定することにより、各折れ角部分での加工精度の確保と、上記初期送り速度の適用領域の拡大による加工効率の向上とを、両立して達成することが可能になる。
この場合、上記折れ角直前部分での送り速度を上記送り速度限界値に設定した際には、工具の回転速度を上記初期送り速度と送り速度限界値との差に対応して低下させた所定値に設定するので、送り速度を低下させることによる当該切削箇所での昇温を抑制し、工具寿命に悪影響を及ぼすことが回避できる。
この場合、上記折れ角直前部分での送り速度を上記送り速度限界値に設定した際には、工具の回転速度を上記初期送り速度と送り速度限界値との差に対応して低下させた所定値に設定するので、送り速度を低下させることによる当該切削箇所での昇温を抑制し、工具寿命に悪影響を及ぼすことが回避できる。
この場合において、上記加工条件は荒加工条件および仕上げ加工条件であり、各加工条件に応じて異なる要求追従精度の各折れ角に対応した送り速度限界値を設定することにより、仕上げ加工および荒加工のそれぞれについて、加工精度の確保と加工効率の向上とを、両立して達成することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の送り速度設定方法の説明に先立って、所謂、切削体積制御による送り速度の設定方法の概略を説明する。
図1〜図8は、本実施形態に係る切削体積制御を説明するための説明図で、図1は切削体積制御が適用される被加工物(ワーク)の被加工部をモデル化した加工前ソリッドSaの説明図、図2はワークを加工する加工工具としてのエンドミルTmとその加工経路を示す説明図、図3は上記加工経路を拡大して示す説明図、図4は上記加工経路の一部に構成点Pcを追加した状態を示す説明図、図5(a)〜(c)は構成点間の送り設定方法を説明する一連の説明図、図6は加工後ソリッドSbの説明図、図7は切削体積制御を適用して送り速度が設定されたエンドミルの加工経路を示す説明図、また、図8は上記切削体積制御を説明するためのフローチャートである。
本実施形態の送り速度設定方法の説明に先立って、所謂、切削体積制御による送り速度の設定方法の概略を説明する。
図1〜図8は、本実施形態に係る切削体積制御を説明するための説明図で、図1は切削体積制御が適用される被加工物(ワーク)の被加工部をモデル化した加工前ソリッドSaの説明図、図2はワークを加工する加工工具としてのエンドミルTmとその加工経路を示す説明図、図3は上記加工経路を拡大して示す説明図、図4は上記加工経路の一部に構成点Pcを追加した状態を示す説明図、図5(a)〜(c)は構成点間の送り設定方法を説明する一連の説明図、図6は加工後ソリッドSbの説明図、図7は切削体積制御を適用して送り速度が設定されたエンドミルの加工経路を示す説明図、また、図8は上記切削体積制御を説明するためのフローチャートである。
この切削体積制御による送り速度の設定方法について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。
システムがスタートすると、まず、ステップ#51でデータ入力が行われる。このステップ#51で入力されるデータは、切削体積制御が適用される被加工物(ワーク)の被加工部をモデル化した加工前ソリッドSa(図1参照)と、ワークを加工する加工工具としてのエンドミルTmとその加工経路(図2参照)と、条件テーブルデータである。
システムがスタートすると、まず、ステップ#51でデータ入力が行われる。このステップ#51で入力されるデータは、切削体積制御が適用される被加工物(ワーク)の被加工部をモデル化した加工前ソリッドSa(図1参照)と、ワークを加工する加工工具としてのエンドミルTmとその加工経路(図2参照)と、条件テーブルデータである。
図1に示されるように、上記加工前ソリッドSaは四角柱状のはりHの集まりとして形成されたもので、上記エンドミルTmは、このソリッドSaを上方から平面加工する。
また、上記条件テーブルデータとしては、工具の直径,首下長さ,刃長,刃数、1刃当りの加工体積、最大および最小送り、工具回転数、計算区間、送り変化率などが挙げられる。尚、本実施形態では、好ましくは、送り変動は指定単位で変更することができるようになっている。
また、上記条件テーブルデータとしては、工具の直径,首下長さ,刃長,刃数、1刃当りの加工体積、最大および最小送り、工具回転数、計算区間、送り変化率などが挙げられる。尚、本実施形態では、好ましくは、送り変動は指定単位で変更することができるようになっている。
次に、ステップ#52で、条件テーブルの指定区間で加工する体積を計算する。具体的には、1指定区間で工具形状とはりとの交点を求め、1はり分の体積減少を加算し、1区間体積を求める。この指定区間は、図3に例示されるように、加工経路の構成点Pcの間を区切るようにして設定されるものである。
そして、ステップ#53で、所定の計算式(F=V*S*E*L/X)を用いて、1刃当りの加工体積が指定体積になる送り速度Fが求められる。
そして、ステップ#53で、所定の計算式(F=V*S*E*L/X)を用いて、1刃当りの加工体積が指定体積になる送り速度Fが求められる。
更に、ステップ#54で、エンドミルTmの先端の折損を防止するために、加工経路の垂直移動部に構成点Pcを追加する。図4は、このように垂直移動部に構成点Pcが追加された加工経路を示している。
次に、ステップ#55で、加工機械(工作機械)の制御を滑らかなものとするために、指定単位で送り値を丸める処理が行われる。この場合、送り値が小さい領域については送り変化量を小さく設定する一方、送り値が大きい領域については送り変化量を大きくするように設定される。
次に、ステップ#55で、加工機械(工作機械)の制御を滑らかなものとするために、指定単位で送り値を丸める処理が行われる。この場合、送り値が小さい領域については送り変化量を小さく設定する一方、送り値が大きい領域については送り変化量を大きくするように設定される。
図5(a)〜(c)は構成点間の送り設定方法を説明するものであるが、図5(a)に示される2個の構成点Pcの間の加工経路について、送り値が小さい場合には、図5(b)に示されるように、複数の指定区間に区切り、隣り合う指定区間での送り値の変化が一定以下となるように設定される。また、送り値が大きい場合には、図5(c)に示されるように、途中に構成点Pcを追加し、隣り合う指定区間での送り値の変化が一定(例えば変化量10%)以上とるように設定される。
そして、ステップ#56で、以上のような切削体積制御を適用して設定された加工後ソリッドSb(図6参照)及び切削体積制御を適用して送り速度が設定されたエンドミルの加工経路が、データとして出力されるようになっている。
次に、本実施形態に係る送り速度設定方法について、図9〜図12のフローチャートを参照しながら説明する。
システムがスタートすると、まず、ステップ#1で加工マシンの入力を行う。ここでは、例えば図13に例示されるような最高回転数や最高切削送り速度などの仕様を備えた2種類のマシンA及びマシンBのうち、何れか(例えばマシンA)が選択され入力される。次に、ステップ#2で、被削材の入力を行う。つまり、加工対象ワークの材料を入力する。ここでは、例えば図14に例示されるように、被削材Aおよび被削材Bの2種類の材料が用意されており、このうちの何れか(例えば被削材B)が選択され入力される。
更に、ステップ#3で、切削体積制御用のソリッドを入力する。つまり、前述の図8におけるステップ#51で説明したような、切削体積制御用のソリッドSa(図1参照)が入力される。
システムがスタートすると、まず、ステップ#1で加工マシンの入力を行う。ここでは、例えば図13に例示されるような最高回転数や最高切削送り速度などの仕様を備えた2種類のマシンA及びマシンBのうち、何れか(例えばマシンA)が選択され入力される。次に、ステップ#2で、被削材の入力を行う。つまり、加工対象ワークの材料を入力する。ここでは、例えば図14に例示されるように、被削材Aおよび被削材Bの2種類の材料が用意されており、このうちの何れか(例えば被削材B)が選択され入力される。
更に、ステップ#3で、切削体積制御用のソリッドを入力する。つまり、前述の図8におけるステップ#51で説明したような、切削体積制御用のソリッドSa(図1参照)が入力される。
次に、ステップ#4で、NCデータを切削順に入力する。ここでは、例えば、ツール(工具)名,加工工程名,品質タイプ,工具半径,刃数などのNCデータ情報およびNCコードなどのNCデータが入力される。ここでは、例えば図15に示されるように、品質タイプとしてA,B2種類の品質タイプと、加工工程としてA(荒),S(仕上げ)の2種類の加工工程が用意されており、これらの種類ごとに、何れかが選択され入力される。
次に、ステップ#5で、NCデータ情報からツール名,加工工程名,品質タイプが読み出される。そして、ステップ#6で、ツール名,加工工程名,被削材名を元に基本条件情報(図14参照)から、回転数上限値,回転数下限値,1刃切削量,送り上限値,送り下限値が読み出される。また、ステップ#7で、加工マシン名を元に加工マシン情報(図13参照)から、マシン最高回転数,最高切削送り速度が読み出される。
次に、ステップ#5で、NCデータ情報からツール名,加工工程名,品質タイプが読み出される。そして、ステップ#6で、ツール名,加工工程名,被削材名を元に基本条件情報(図14参照)から、回転数上限値,回転数下限値,1刃切削量,送り上限値,送り下限値が読み出される。また、ステップ#7で、加工マシン名を元に加工マシン情報(図13参照)から、マシン最高回転数,最高切削送り速度が読み出される。
そして、ステップ#8で、マシン最高送り速度よりも送り速度上限値の方が大きいか否かが判定され、これがYESの場合には、マシン最高送り速度を上限値に設定する(ステップ#9)。NOの場合には、更に、ステップ#10で、マシン回転数よりも回転数上限値の方が大きいか否かが判定され、これがYESの場合には、マシン回転数をベース回転数に設定し(ステップ#12)、NOの場合には、回転数上限値をベース回転数に設定する(ステップ#11)。
その後、ステップ#13で、加工工程名,品質タイプを元に品質情報(図15参照)から、送り粗さが読み出される。また、ステップ#14で、NCデータ情報から工具半径および刃数が読み出される。更に、ステップ#15で、送り粗さ,工具径,回転数から、粗度保証送り速度値が計算される。この計算は、次式(1)を式(2)に代入することで行われる。これにより、送り粗さに対応した送り速度が得られる。
f=2×√{R2−(R−h)2}…(1)
F=f×t×N…(2)
ここに、hは送り粗さ(mm),Rは工具半径(mm),fは1刃送り(mm/刃),tは刃数,Nは回転数(rpm),Fは送り速度(mm)である。
f=2×√{R2−(R−h)2}…(1)
F=f×t×N…(2)
ここに、hは送り粗さ(mm),Rは工具半径(mm),fは1刃送り(mm/刃),tは刃数,Nは回転数(rpm),Fは送り速度(mm)である。
次に、ステップ#16で、送り上限値よりも粗度保証送り速度の方が大きいか否かが判定され、これがNOの場合には、粗度保証送り速度を送り上限値に設定する(ステップ#17)。一方、NOの場合には、ステップ#18で、1刃切削体積,送り上限値/下限値,ベース回転数,体積制御用ソリッドを元に、図8のフローチャートに基づいて説明した前述の体積制御を行い、可変送りデータをNCデータへ織り込み、加工後ソリッド(図6参照)を出力する。
続いて、ステップ#19で、加工工程名,品質タイプを元に品質情報(図15参照)から、マシン追従精度が読み出され、ステップ#20でNCコードが順次読み込まれる。そして、NCコード中にSコード(つまり、仕上げ加工工程のコード)が含まれている場合には、S値を読み込んで初期回転数に設定する(ステップ#21,#22)。また、NCコード中にFコード(つまり、前述の切削体積制御で織り込まれた送り速度のコード)が含まれている場合には、F値を読み込んで初期送り速度に設定する(ステップ#23,#24)。更に、ステップ#25で、XYZコードが含まれているか否かが判定され、これがYESの場合には、そのXYZコードを読み込んでNC座標系に設定される(ステップ#26)。
そして、ステップ#27で、初期送り速度が送り速度下限値か否かが判定され、NOの場合には、NC座標値から加工経路における折れ角が計算される(ステップ#28)。また、ステップ#29で、加工マシン名,マシン追従精度を元に追従性情報から、追従送り限界速度を読み出す。ここに、図16に例示されるように、各マシン毎に、要求される追従精度に応じて、各折れ角範囲に対して送り速度限界値が定められており、図15に示された品質タイプ及び加工工程(荒または仕上げ)に応じた要求マシン追従精度が選択され、そして、計算された折れ角に応じて、追従限界送り値が読み出される。
次に、ステップ#30で、初期送り速度が追従限界送り値よりも大きいか否かが判定され、YESの場合には、更に、ステップ#31で、追従送り限界値が送り速度下限値以上であるか否かが判定され、これがYESの場合には、追従送り限界値を変更送り値に設定する(ステップ#32)。その後、ステップ#33で、加工マシン名を元に、追従情報(図16参照)から、各マシンに設定された減速度を読み出す。そして、ステップ#35で、マシンの減速度から減速開始位置を計算し、その座標を定める。
一方、ステップ#31での判定結果がNOの場合には、ステップ#34で、送り速度下限値を変更送り値に設定した後、ステップ#35が実行される。このステップ#35を実行し終えると、ステップ#36で、初期送り速度値が変更送り値に置き換えられる。
一方、ステップ#31での判定結果がNOの場合には、ステップ#34で、送り速度下限値を変更送り値に設定した後、ステップ#35が実行される。このステップ#35を実行し終えると、ステップ#36で、初期送り速度値が変更送り値に置き換えられる。
図17(a)及び(b)は折れ角部を含む加工経路を模式的に示す説明図で、図17(a)は本実施形態の送り速度設定を行った後の加工経路を示し、図17(b)は本実施形態の送り速度設定を行う前の(つまり、通常の切削体積制御により送り速度が設定された)加工経路を示している。
これらの図に示すように、上記加工経路は、構成点P1からスタートし、第1の折れ角部(構成点P2)及び第2の折れ角部(構成点P3)を経て構成点P4まで至る経路である。上記第1の折れ角部P2では45度の折れ角で加工送り方向が変化し、上記第1の折れ角部P2では90度の折れ角で加工送り方向が変化するように設定されている。
これらの図に示すように、上記加工経路は、構成点P1からスタートし、第1の折れ角部(構成点P2)及び第2の折れ角部(構成点P3)を経て構成点P4まで至る経路である。上記第1の折れ角部P2では45度の折れ角で加工送り方向が変化し、上記第1の折れ角部P2では90度の折れ角で加工送り方向が変化するように設定されている。
本実施形態の送り速度設定を行う前では(図17(b)参照)、通常の切削体積制御に基づいて送り速度が設定されており、第1の折れ角部P2では、折れ角が比較的小さいので、マシン追従限界値以上の送り速度で支障なく方向変換が行えるが、第2の折れ角部P3では、折れ角が大きいので、送り速度がマシン追従限界値で制限されることになる。
そこで、本実施形態では、第2の折れ角部P3の所定距離手前(減速開始点:構成点P3’)で減速し、この減速開始点P3’から第2の折れ角部P3までの限られた距離のみをマシン追従限界値で送るようにすることで、マシン追従限界を加味した上で、切削体積制御の本来の送り速度にできるだけ近い送り速度の設定を行えるようにし、加工精度の維持と加工効率の向上とを両立して達成できるようにしたものである。
そこで、本実施形態では、第2の折れ角部P3の所定距離手前(減速開始点:構成点P3’)で減速し、この減速開始点P3’から第2の折れ角部P3までの限られた距離のみをマシン追従限界値で送るようにすることで、マシン追従限界を加味した上で、切削体積制御の本来の送り速度にできるだけ近い送り速度の設定を行えるようにし、加工精度の維持と加工効率の向上とを両立して達成できるようにしたものである。
上記ステップ#36を実行し終えると、ステップ#37で、初期回転数,初期送り速度値,刃数から、初期1刃当り送り量が計算される。また、ステップ#38で、この初期1刃当り送り量,上記変更送り値,刃数から、変更回転数が求められる。
そして、ステップ#39で、変更回転数が回転数下限値以上であるか否かが判定され、これがYESの場合には、この変更回転数がそのままコードに追加される(ステップ#41)。NOの場合には、回転数下限値を変更回転数に設定(ステップ#40)した後、この変更回転数がコードに追加される。
そして、ステップ#39で、変更回転数が回転数下限値以上であるか否かが判定され、これがYESの場合には、この変更回転数がそのままコードに追加される(ステップ#41)。NOの場合には、回転数下限値を変更回転数に設定(ステップ#40)した後、この変更回転数がコードに追加される。
この回転数の変更は、送り速度を低下させた場合に、この送り速度が過度に低いと、加工箇所での温度上昇が顕著になるので、工具寿命の低下を招き、極端な場合には切削刃の焼き付きが生じる惧れがあることに鑑み、工具の回転速度を上記初期送り速度と送り速度限界値との差に対応して低下させた所定値に設定するものである。
上記ステップ#41を実行し終えた場合、或いは、上記ステップ#25,#30での判定結果がNOの場合、上記ステップ#27での判定結果がYESの場合には、ステップ#42で、NCコードが残っているか否かが判定される。この判定結果がYESの場合には、設定が完了していないので、ステップ#20に戻り、それ以降の各ステップを再度実行する。NOの場合には、ステップ#43で、NCデータが残っているか否かが判定され、NOの場合には設定を終了する。YESの場合には、ステップ#44で、加工後ソリッドを体積制御用のソリッドに設定した上で、ステップ#4に戻り、それ以降の各ステップを再度実行するようになっている。
以上のような送り速度の設定を行うことにより、図18において実線曲線で示されるような実送り特性が得られる。この場合、「体積制御」を示す破線曲線と「追従性一定値」を示す1点鎖線直線とで得られるように、切削体積制御(破線曲線参照)を適用しても、一定に設定されたマシン追従限界(1点鎖線直線参照)によって送り速度が制限されることが抑制される。
すなわち、予め要求追従精度に対応させて設定した送り速度限界値と初期送り速度とを各折れ角部分で比較し、初期送り速度が上記送り速度限界値を越えるときには、当該折れ角直前部分での送り速度を上記送り速度限界値に設定し、上記初期送り速度が上記送り速度限界値以下のときには、送り速度を上記初期送り速度に設定することにより、各折れ角部分での加工精度の確保と、上記初期送り速度の適用領域の拡大による加工効率の向上とを、両立して達成することが可能になる。
すなわち、予め要求追従精度に対応させて設定した送り速度限界値と初期送り速度とを各折れ角部分で比較し、初期送り速度が上記送り速度限界値を越えるときには、当該折れ角直前部分での送り速度を上記送り速度限界値に設定し、上記初期送り速度が上記送り速度限界値以下のときには、送り速度を上記初期送り速度に設定することにより、各折れ角部分での加工精度の確保と、上記初期送り速度の適用領域の拡大による加工効率の向上とを、両立して達成することが可能になる。
また、図19及び図20は、仕上げ加工と荒加工とについて、本実施形態に係る送り速度設定を行った場合の送り速度の推移をそれぞれ例示するグラフである。これの図からも明らかなように、本実施形態の送り速度設定を行うことにより、仕上げ加工および荒加工の何れにおいても、マシン追従限界を加味した上で、切削体積制御の本来の送り速度にできるだけ近い送り速度の設定が行え、加工精度の維持と加工効率の向上とを両立して達成できるのである。
尚、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良を加え得るものであることは言うまでもない。
P2,P3 折れ角部
Tm エンドミル
Tm エンドミル
Claims (2)
- ワーク形状情報および加工経路情報に基づいて、上記加工経路における工具の所定単位当りの加工量が目標加工量となるように、上記工具の初期送り速度を求め、
工作機械において加工条件に関連させて設定した複数の要求追従精度を保つ加工経路の各折れ角に対応する送り速度限界値を設定し、
上記加工経路の各折れ角部分において、上記初期送り速度と上記送り速度限界値とを比較し、
上記初期送り速度が上記送り速度限界値を越えるときには、当該折れ角直前部分での送り速度を上記送り速度限界値に設定するとともに、工具の回転速度を上記初期送り速度と送り速度限界値との差に対応して低下させた所定値に設定し、
上記初期送り速度が上記送り速度限界値以下のときには、送り速度を上記初期送り速度に設定する、
ことを特徴とする工作機械の送り速度設定方法。 - 上記加工条件は荒加工条件および仕上げ加工条件であり、各加工条件に応じて異なる要求追従精度の各折れ角に対応した送り速度限界値を設定することを特徴とする請求項1記載の工作機械の送り速度設定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004107289A JP2005293226A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 工作機械の送り速度設定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004107289A JP2005293226A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 工作機械の送り速度設定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005293226A true JP2005293226A (ja) | 2005-10-20 |
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ID=35326087
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018173434A1 (ja) * | 2017-03-24 | 2018-09-27 | Dmg森精機株式会社 | 加工条件設定方法及び加工条件設定装置 |
JP2023534614A (ja) * | 2021-01-27 | 2023-08-10 | フロニウス・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 加工プロセスの加工パラメータを自動的に決定する方法および装置 |
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2004
- 2004-03-31 JP JP2004107289A patent/JP2005293226A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018173434A1 (ja) * | 2017-03-24 | 2018-09-27 | Dmg森精機株式会社 | 加工条件設定方法及び加工条件設定装置 |
JP2018158432A (ja) * | 2017-03-24 | 2018-10-11 | Dmg森精機株式会社 | 加工条件設定方法及び加工条件設定装置 |
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