JP2005292214A - 円筒面露光装置とそのシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 円筒面に精度よくパターンを転写できる円筒面露光装置とそのシステムを提供することである。
【解決手段】 光源部2と、この光源部2からの光を開口部を備えて通過させるスリット3と、このスリット3の下方に配置されスリット3を通過する光を集光するレンズと、このレンズの下方に配置され所望のパターンを形成するマスク4と、マスク4の下方に配置され円筒部5を着脱可能に支持する回転部8と、マスク4を駆動させる第1のモータ12と、回転部8を駆動させる第2のモータ12とを有し、レンズはスリット3の写像をマスク4面と略同一面に結像する位置に配設されるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 光源部2と、この光源部2からの光を開口部を備えて通過させるスリット3と、このスリット3の下方に配置されスリット3を通過する光を集光するレンズと、このレンズの下方に配置され所望のパターンを形成するマスク4と、マスク4の下方に配置され円筒部5を着脱可能に支持する回転部8と、マスク4を駆動させる第1のモータ12と、回転部8を駆動させる第2のモータ12とを有し、レンズはスリット3の写像をマスク4面と略同一面に結像する位置に配設されるものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ステント等の円筒面にパターンを転写する円筒面露光装置とそのシステムに係わり、特に、光の拡散を防止して精度よくパターンを転写する円筒面露光装置とそのシステムに関する。
一般に、非平面である円筒面への微細なパターンの転写は、レジストをコーティングした円筒面上にパターンを形成するマスクを配置し、光を照射してレジストを感光させることによって行われる。この露光方法を用いたステントの製造工程について図3を参照しながら説明する。図3(a)〜(d)は円筒面露光方法の通常のステント製造工程を示す概念図である。
まず、図3(a)に示すように、ステントの原形となる金属チューブ21にレジスト22を均一にコーティングする。次に、図3(b)に示すように、露光によりパターンを円筒面上に転写する。そして、図3(c)のように、現像後、処理液に浸漬してパターンが転写された金属部分をエッチングする。最後に、図3(d)においてレジスト22を剥離すると、所望の形状を有するステント23が完成する。
まず、図3(a)に示すように、ステントの原形となる金属チューブ21にレジスト22を均一にコーティングする。次に、図3(b)に示すように、露光によりパターンを円筒面上に転写する。そして、図3(c)のように、現像後、処理液に浸漬してパターンが転写された金属部分をエッチングする。最後に、図3(d)においてレジスト22を剥離すると、所望の形状を有するステント23が完成する。
ここで、図3(b)の露光方法について詳しく説明する。図3(b)において、照明光17は、スリット3の開口部18を通過し、スリット3の下方に設置されるマスクガラス16上のマスク4のパターンが無い部分を通過して金属チューブ21上のレジスト22を感光するようになっている。そして、マスクガラス16には金属チューブ21一周分のパターンが形成されており、このマスクガラス16は図中では右方向に速度vで移動する。また、この移動速度vと同期して、金属チューブ21は図中時計回りに角速度ωで回転し、金属チューブ21の周方向が感光されるのである。
しかしながら、この円筒面への露光では、図4に示すような原因で分解能の低下が生じている。図4(a)は、光の回折による分解能の低下を説明するための概念図であり、図4(b)は多重反射による分解能の低下を説明するための概念図である。
図4(a)では、照明光17が通過するスリットの開口部の端部において、マスクガラス16上のマスク4とワーク5円筒面との間の距離が離れることにより光が回折し、パターンのボケが発生している。
また、図4(b)では、マスクガラス16と円筒面が平行でないために光が多重反射し露光範囲が拡大している。このような分解能の低下は、図3(b)に示されるスリットの開口幅18を狭くすることにより改善されることがわかっているが、図4(c)に示すようにマスクガラス16の厚さ方向においても光の回折が生じるため、スリットの開口幅18を狭小とするのみでは分解能を向上させることが困難であった。
このような露光における分解能の向上に関しては、円筒面に対する露光技術に限定されないものの種々の技術が提案されている。
図4(a)では、照明光17が通過するスリットの開口部の端部において、マスクガラス16上のマスク4とワーク5円筒面との間の距離が離れることにより光が回折し、パターンのボケが発生している。
また、図4(b)では、マスクガラス16と円筒面が平行でないために光が多重反射し露光範囲が拡大している。このような分解能の低下は、図3(b)に示されるスリットの開口幅18を狭くすることにより改善されることがわかっているが、図4(c)に示すようにマスクガラス16の厚さ方向においても光の回折が生じるため、スリットの開口幅18を狭小とするのみでは分解能を向上させることが困難であった。
このような露光における分解能の向上に関しては、円筒面に対する露光技術に限定されないものの種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して被処理基板上に転写する際に、マスクの投影領域をスリットによって制限し、このスリットをマスク及び基板と相対的に少なくとも2回露光条件を変えて走査することによって、マスクのパターン領域全体を基板上に転写する「走査型露光方法」が開示されている。
この特許文献1に開示された発明では、マスク全体の1回目と2回目での露光において、投影光学系の焦点位置を変えたり、マスクと基板とを相対的に傾けたり、スリットの相対的走査方向を逆にしたり、露光量を変えたり、照明光学系のコヒーレンシーファクタや開口数を変えたりして多重露光を行うことができる。また、この技術では多重露光の最適化に必要な焦点位置毎の照明系のコヒーレンシーファクタや露光量の調整によって、パターンの転写精度を向上させることができる。そして、1回目と2回目の走査方向を逆にすることによって所要時間を短縮することもできる。
この特許文献1に開示された発明では、マスク全体の1回目と2回目での露光において、投影光学系の焦点位置を変えたり、マスクと基板とを相対的に傾けたり、スリットの相対的走査方向を逆にしたり、露光量を変えたり、照明光学系のコヒーレンシーファクタや開口数を変えたりして多重露光を行うことができる。また、この技術では多重露光の最適化に必要な焦点位置毎の照明系のコヒーレンシーファクタや露光量の調整によって、パターンの転写精度を向上させることができる。そして、1回目と2回目の走査方向を逆にすることによって所要時間を短縮することもできる。
また、特許文献2には、電子放出面の中央部が凹形状となっている電子源を有する電子銃と、この電子銃から照射されマスクを透過した電子線をウェハに縮小投影するための投影レンズとを有する「電子線転写露光装置」が開示されている。
この特許文献2に開示された発明では、中央部が凹状となっている電子放出面の周縁部から照射されるリング状の電子を露光に利用することによって、電子線のボケを除去し、露光領域を拡大することができる。また、このリング状の電子線は輝度が高く、露光領域を拡大しても露光に必要な電子線強度を得ることができるので、生産性の高い電子線転写露光装置を実現することができる。さらに、電子銃とマスクとの間に円弧形状のスリット部材を配置することによって、電子銃から照射されるリング状の電子線を効率的に利用することができる。
この特許文献2に開示された発明では、中央部が凹状となっている電子放出面の周縁部から照射されるリング状の電子を露光に利用することによって、電子線のボケを除去し、露光領域を拡大することができる。また、このリング状の電子線は輝度が高く、露光領域を拡大しても露光に必要な電子線強度を得ることができるので、生産性の高い電子線転写露光装置を実現することができる。さらに、電子銃とマスクとの間に円弧形状のスリット部材を配置することによって、電子銃から照射されるリング状の電子線を効率的に利用することができる。
そして、特許文献3には、光源と、所要のパターンが形成されたフォトマスクと、このフォトマスクからの光を制限するスリットと、スリット光をワークに投影する投影レンズと、フォトマスクをスリットに対して移動させる手段と、このフォトマスクの移動と同期してワークを移動させる手段と、フォトマスクとワークの移動速度比を変化させる変速手段とを備える「走査型投影露光装置」が開示されている。
この特許文献3に開示された発明では、フォトマスクの移動速度とワークの移動速度を変化させる変速手段を備えているので、両者の相対的な移動速度を変化させることにより、移動方向における投影倍率を任意に変化させることができる。したがって、一つのフォトマスクでワーク上の投影パターンの縦横比を任意に調整することができる。
この特許文献3に開示された発明では、フォトマスクの移動速度とワークの移動速度を変化させる変速手段を備えているので、両者の相対的な移動速度を変化させることにより、移動方向における投影倍率を任意に変化させることができる。したがって、一つのフォトマスクでワーク上の投影パターンの縦横比を任意に調整することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された従来の技術では、投影光学系であるレンズをマスクとスリットの下方に設置し、レンズによってマスクの像を被処理基板上へ結像させて投影している。この方法では、ある程度露光範囲を狭めることは可能であるが、動くマスクに固定されたスリットを略同一面に設けることは困難であり、円筒面に適用した場合には、スリットの開口部の端部においてボケが発生するという課題は残るものである。
また、特許文献2に記載された従来の技術は、半導体製造分野における微細加工を目的として、電子放出面の形状を工夫して電子線を効率よく必要な箇所に集めるものであり、転写面に円筒形状を想定したものではなく、やはり円筒面における分解能の低下を解消できないという課題があった。しかも、マスク及び転写面が走査する構造ではないので、円筒面の露光を周方向に連続して行うことができないという課題もあった。
そして、特許文献3に記載された従来の技術では、確かに、スリットの後方にレンズを備えて転写面にマスク像を投影しているが、このレンズは任意の投影倍率でマスク像を結像させるものであり、光の回折による広がりを直接防止できないという課題があった。
特開2002−43214号公報
特開平11−86766号公報
実開平5−81840号公報
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、円筒面に精度よくパターンを転写できる円筒面露光装置とそのシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である円筒面露光装置は、光源部と、この光源部からの光を開口部を備えて通過させるスリットと、このスリットの下方に配置されスリットを通過する光を集光するレンズと、このレンズの下方に配置され所望のパターンを形成するマスクと、マスクの下方に配置され円筒部を着脱可能に支持する回転部と、マスクを駆動させる第1のモータと、回転部を駆動させる第2のモータとを有し、レンズはスリットの写像をマスク面と略同一面に結像する位置に配設されるものである。
上記構成のステント円筒面露光装置では、スリットの開口部を通過する光は、レンズによって集光されてスリットの写像をマスク面と略同一面に結像するという作用を有する。また、第2のモータによって回転する円筒部と同期して、マスクは第1のモータによって直動するという作用を有する。
上記構成のステント円筒面露光装置では、スリットの開口部を通過する光は、レンズによって集光されてスリットの写像をマスク面と略同一面に結像するという作用を有する。また、第2のモータによって回転する円筒部と同期して、マスクは第1のモータによって直動するという作用を有する。
また、請求項2に記載の発明である円筒面露光システムは、光源部と、この光源部からの光を開口部を備えて通過させるスリットと、このスリットの下方に配置されスリットを通過する光を集光するレンズと、このレンズの下方に配置され所望のパターンを形成するマスクと、マスクの下方に配置され円筒部を着脱可能に支持する回転部と、マスクを駆動させる第1のモータと、回転部を駆動させる第2のモータと、スリットの位置を調整する第1の位置調整部と、マスクの位置を調整する第2の位置調整部と、モータに接続されモータの駆動条件を入力する入力部と、この入力部に接続され駆動条件を表示及び/又は出力する表示部とを有するものである。
上記構成のステント円筒面露光システムでは、第1の位置調整部及び第2の位置調整部によってマスクとスリットが適切な位置に調整されるという作用を有し、その結果、スリットとマスクの間に位置するレンズによって、スリットの開口部を通過する光が集光され、スリットの写像をマスク面と略同一面に結像するという作用を有する。また、マスクと円筒部は各々第1のモータ及び第2のモータによって駆動し、同期した直進及び回転運動を行うという作用を有する。
上記構成のステント円筒面露光システムでは、第1の位置調整部及び第2の位置調整部によってマスクとスリットが適切な位置に調整されるという作用を有し、その結果、スリットとマスクの間に位置するレンズによって、スリットの開口部を通過する光が集光され、スリットの写像をマスク面と略同一面に結像するという作用を有する。また、マスクと円筒部は各々第1のモータ及び第2のモータによって駆動し、同期した直進及び回転運動を行うという作用を有する。
本発明の請求項1記載の円筒面露光装置では、光源から投光される光は、スリットの開口部を通過すると、スリットの下方のレンズによって集光されてマスク面と略同一面にスリットの写像を結像するので、マスクガラスの厚さに起因する光の回折を抑制することができる。したがって、曲面である円筒面においてもマスクのパターンを精度よく転写することができる。
また、本発明の請求項2に記載の円筒面露光システムでは、位置調整部においてスリットとマスクが最適な位置に調整されるので、光源から投光されてスリットの開口部を通過する光はレンズによって集光される。その結果、マスクガラスの厚さに起因する光の回折が抑制されるので、円筒面における転写を精度よく行うことができる。
以下に、本発明に係る円筒面露光装置とそのシステムの実施の形態を図1及び図2に基づき説明する。
図1は、本発明の本実施の形態に係る円筒面露光装置システムの概略図である。
図1において、円筒面露光装置システム1は、紫外線光源2、スリット3、マスク4、ワーク5、手動ステージ6、自動直動ステージ7、自動回転ステージ8、モータコントローラ12及びコンピュータ13から構成されている。また、図示していないが、スリット3とマスク4の間にはレンズが設置されている。
マスク4はワーク5の一周分に相当するパターンをマスクガラス上に形成したものであり、自動直動ステージ7上に設置されたθステージ11aに着脱可能に取り付けられるようになっている。そして、この自動直動ステージ7にはモータコントローラ12が接続されており、取り付けられるマスク4は直進運動する。なお、自動直動ステージ7にはθステージ11aの他に、XYステージ9a及びZステージ10aが設置されており、マスク4及びマスクガラスの回転方向の他、前後左右方向及び上下方向における座標調節が手動で設定できるようになっている。
本実施の形態においては、自動直動ステージ7のみモータコントローラ12に接続して自動制御しながら駆動させているが、もちろん、θステージ11a、XYステージ9a及びZステージ10aについてもコントローラ付きのモータ駆動としてもよい。
また、ワーク5は、表面にレジストがコーティングされた金属チューブ等の円筒形状のものであり、モータコントローラ12に接続される自動回転ステージ8に着脱可能に取り付けられて回転運動を行う。なお、自動回転ステージ8にはZステージ10c及びθステージ11bが設置されており、ワーク5の回転軸に対して水平方向の座標調節及びマスク4とワーク5の間隔を調整できるようになっている。
そして、スリット3は、図示していないが照射される光を通過させる開口部を有しており、手動ステージ6に取り付けられるようになっている。また、手動ステージ6に設置されるXYステージ9b及びZステージ10bによって、スリット3の前後左右方向及び上下方向における座標調節が手動で設定できるようになっている。
なお、自動回転ステージ8のθステージ11b、Zステージ10c、手動ステージ6、この手動ステージ6に設置されるXYステージ9b及びZステージ10bについてもコントローラ付きのモータ駆動としてもよいのは同様である。
図1は、本発明の本実施の形態に係る円筒面露光装置システムの概略図である。
図1において、円筒面露光装置システム1は、紫外線光源2、スリット3、マスク4、ワーク5、手動ステージ6、自動直動ステージ7、自動回転ステージ8、モータコントローラ12及びコンピュータ13から構成されている。また、図示していないが、スリット3とマスク4の間にはレンズが設置されている。
マスク4はワーク5の一周分に相当するパターンをマスクガラス上に形成したものであり、自動直動ステージ7上に設置されたθステージ11aに着脱可能に取り付けられるようになっている。そして、この自動直動ステージ7にはモータコントローラ12が接続されており、取り付けられるマスク4は直進運動する。なお、自動直動ステージ7にはθステージ11aの他に、XYステージ9a及びZステージ10aが設置されており、マスク4及びマスクガラスの回転方向の他、前後左右方向及び上下方向における座標調節が手動で設定できるようになっている。
本実施の形態においては、自動直動ステージ7のみモータコントローラ12に接続して自動制御しながら駆動させているが、もちろん、θステージ11a、XYステージ9a及びZステージ10aについてもコントローラ付きのモータ駆動としてもよい。
また、ワーク5は、表面にレジストがコーティングされた金属チューブ等の円筒形状のものであり、モータコントローラ12に接続される自動回転ステージ8に着脱可能に取り付けられて回転運動を行う。なお、自動回転ステージ8にはZステージ10c及びθステージ11bが設置されており、ワーク5の回転軸に対して水平方向の座標調節及びマスク4とワーク5の間隔を調整できるようになっている。
そして、スリット3は、図示していないが照射される光を通過させる開口部を有しており、手動ステージ6に取り付けられるようになっている。また、手動ステージ6に設置されるXYステージ9b及びZステージ10bによって、スリット3の前後左右方向及び上下方向における座標調節が手動で設定できるようになっている。
なお、自動回転ステージ8のθステージ11b、Zステージ10c、手動ステージ6、この手動ステージ6に設置されるXYステージ9b及びZステージ10bについてもコントローラ付きのモータ駆動としてもよいのは同様である。
後述するが、レンズは、スリット3とマスク4の間に位置し、スリット3を通過する紫外線を集光してスリット3の写像をマスク4面と略同一面に結像する役割を担っている。そして、手動ステージ6及び自動直動ステージ7に具備されるXYステージ9a,9b、Zステージ10a,10b及びθステージ11aの各方向の位置調整ステージを用いて、マスク4とスリット3の位置を調整することによって、レンズは集光及び結像を行うのに最適な位置に配置される。
なお、レンズの集光及び結像を最適に行うことができる位置に、スリット3あるいはマスク4を固設することができれば、XYステージ9a,9b、Zステージ10a,10b及びθステージ11aの各方向の位置調整ステージは適宜それぞれ削除してもよい。
モータコントローラ12は、自動直動ステージ7及び自動回転ステージ8の駆動及び制御を行う。駆動条件及び制御条件は、接続されるコンピュータ13のディスプレイ14の表示に従って、図示していないがキーボードから入力することができる。また、コンピュータ13にプリンタ等を接続して駆動、制御条件や紫外線光源2の露光条件などを印刷できるようにすることもできる。但し、コンピュータ13は必ずしも接続しなくてもよい。
紫外線光源2は、所定量の紫外線をワーク5に向けて照射するものであり、照射量や照射時間等の条件設定及び制御は、図示していないが、接続されるコンピュータ13によって行われる。なお、光源は紫外線に限定されるものではなく、ワーク5にコーティングされるレジストを適切に感光するものであれば、取扱い性やコストなどを考慮しながら選択してよい。
なお、レンズの集光及び結像を最適に行うことができる位置に、スリット3あるいはマスク4を固設することができれば、XYステージ9a,9b、Zステージ10a,10b及びθステージ11aの各方向の位置調整ステージは適宜それぞれ削除してもよい。
モータコントローラ12は、自動直動ステージ7及び自動回転ステージ8の駆動及び制御を行う。駆動条件及び制御条件は、接続されるコンピュータ13のディスプレイ14の表示に従って、図示していないがキーボードから入力することができる。また、コンピュータ13にプリンタ等を接続して駆動、制御条件や紫外線光源2の露光条件などを印刷できるようにすることもできる。但し、コンピュータ13は必ずしも接続しなくてもよい。
紫外線光源2は、所定量の紫外線をワーク5に向けて照射するものであり、照射量や照射時間等の条件設定及び制御は、図示していないが、接続されるコンピュータ13によって行われる。なお、光源は紫外線に限定されるものではなく、ワーク5にコーティングされるレジストを適切に感光するものであれば、取扱い性やコストなどを考慮しながら選択してよい。
露光においては、ワーク5は回転運動し、マスク4はこれと同期を保ちながら直進運動する。マスク4の速度をv、ワーク5の角速度をω、ワーク5の半径をrとすると、マスク4とワーク5の速度の関係は次式で表される。
紫外線光源2から出た光はスリット3の開口部を通過し、マスク4のパターンをワーク5上のレジスト上に転写する。スリット3の開口幅とレンズの投影倍率がワーク5の照射領域を決定し、ワーク5の角速度ωは、露光時間とスリット3の開口幅及びレンズの投影倍率によって決定される。露光時間をt、スリット3の開口幅をL、レンズの投影倍率をαとすると、ワーク5の角速度ωは時式で表される。
このようにして、本実施の形態では、マスク5の複雑なパターンをワーク5上に転写する。
なお、本実施の形態は、主に、ステントの製造を対象としたものであり、露光が終了した円筒を現像処理及びエッチング処理を施して不要な金属部分を除去し、さらに、残存したレジストを剥離すると、微細な形状を有するステントが完成する。
なお、本実施の形態は、主に、ステントの製造を対象としたものであり、露光が終了した円筒を現像処理及びエッチング処理を施して不要な金属部分を除去し、さらに、残存したレジストを剥離すると、微細な形状を有するステントが完成する。
次に、レンズの集光方法について図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施の形態に係る円筒面露光システムのレンズの機能を示す概念図である。
図2において、本実施の形態では、レンズ15はスリット3とマスクガラス16の間に設置されており、照明光17を集光する作用を有している。
光源からの照射光17は、スリット3の開口部18を通過する際、開口部18の両端部では、符号19a及び符号19bに示すように回折により広がる。しかし、これらの回折した光19a,19bは、レンズ15に到達すると集光されて、符号20a及び符号20bに示すように、マスクガラス16上のマスク4のパターンの1点に再び戻ることができる。
すなわち、レンズ15は、マスクガラス16上のマスク4のパターンの位置にスリット3の写像を作成するので、パターンの位置にスリット3を配置するのと同等の効果が得られ、スリット3からの光の回折を防止する上に、マスクガラス16の厚さ方向における光の回折をも抑制し、マスク4のパターンを円筒面上のワークに精度よく転写することができるのである。
なお、レンズ15は等倍だけでなく、縮小又は拡大による変倍にも対応できるようになっている。
図2は、本実施の形態に係る円筒面露光システムのレンズの機能を示す概念図である。
図2において、本実施の形態では、レンズ15はスリット3とマスクガラス16の間に設置されており、照明光17を集光する作用を有している。
光源からの照射光17は、スリット3の開口部18を通過する際、開口部18の両端部では、符号19a及び符号19bに示すように回折により広がる。しかし、これらの回折した光19a,19bは、レンズ15に到達すると集光されて、符号20a及び符号20bに示すように、マスクガラス16上のマスク4のパターンの1点に再び戻ることができる。
すなわち、レンズ15は、マスクガラス16上のマスク4のパターンの位置にスリット3の写像を作成するので、パターンの位置にスリット3を配置するのと同等の効果が得られ、スリット3からの光の回折を防止する上に、マスクガラス16の厚さ方向における光の回折をも抑制し、マスク4のパターンを円筒面上のワークに精度よく転写することができるのである。
なお、レンズ15は等倍だけでなく、縮小又は拡大による変倍にも対応できるようになっている。
このように構成された本実施の形態においては、スリットとマスクの間にレンズを配置することで、回折する光を集光し、マスクと略同一面にスリットの写像を結像するので、マスクのパターンを精度よく円筒面に転写することができる。
以上説明したように、本発明の請求項1及び請求項2に記載された発明は、円筒面への露光を精度よく行うことができる円筒面露光装置とそのシステムを提供可能であり、ステント等の微細な形状を有する円筒の製造メーカなどにおいて使用可能である。
1…円筒面露光システム 2…紫外線光源 3…スリット 4…マスク 5…ワーク 6…手動ステージ 7…自動直動ステージ 8…自動回転ステージ 9a,9b…XYステージ 10a,10c…Zステージ 11a,11b…θステージ 12…モータコントローラ 13…コンピュータ 14…ディスプレイ 15…レンズ 16…マスクガラス 17…照明光 18…スリットの開口部 19a,19b…回折した光 20a,20b…集光した光 21…金属チューブ 22…レジスト 23…ステント
Claims (2)
- 光源部と、この光源部からの光を開口部を備えて通過させるスリットと、このスリットの下方に配置され前記スリットを通過する光を集光するレンズと、このレンズの下方に配置され所望のパターンを形成するマスクと、前記マスクの下方に配置され円筒部を着脱可能に支持する回転部と、前記マスクを駆動させる第1のモータと、前記回転部を駆動させる第2のモータとを有し、前記レンズは前記スリットの写像を前記マスク面と略同一面に結像する位置に配設されることを特徴とする円筒面露光装置。
- 光源部と、この光源部からの光を開口部を備えて通過させるスリットと、このスリットの下方に配置され前記スリットを通過する光を集光するレンズと、このレンズの下方に配置され所望のパターンを形成するマスクと、前記マスクの下方に配置され円筒部を着脱可能に支持する回転部と、前記マスクを駆動させる第1のモータと、前記回転部を駆動させる第2のモータと、前記スリットの位置を調整する第1の位置調整部と、前記マスクの位置を調整する第2の位置調整部と、前記モータに接続され前記モータの駆動条件を入力する入力部と、この入力部に接続され前記駆動条件を表示及び/又は出力する表示部とを有することを特徴とする円筒面露光システム。
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JP2009528561A (ja) * | 2006-02-28 | 2009-08-06 | マイクロニック レーザー システムズ アクチボラゲット | 基材を処理し、解析する、プラットフォーム、装置、システム、及び方法 |
JP2010049222A (ja) * | 2008-08-21 | 2010-03-04 | Tokyo Denki Univ | 可撓材料の露光装置および可撓材料の露光方法 |
US8822879B2 (en) | 2005-10-26 | 2014-09-02 | Mycronic AB | Writing apparatuses and methods |
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2004
- 2004-03-31 JP JP2004103329A patent/JP2005292214A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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