JP2005291925A - 繊維製品の弾性力測定装置および測定方法 - Google Patents

繊維製品の弾性力測定装置および測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 弾性繊維に所要の荷重が負荷された時に発生する応力および反発力を測定する。
【解決手段】 圧縮試験機の圧縮ロードセルの先端に圧縮子を取り付けている一方、繊維製品を弛みなく張架する枠材を備えた保持具を設けると共に該保持具を往復作動させる駆動手段とを備え、前記保持具の枠部内に張架された繊維製品を前記圧縮子の先端面に接触配置し、前記駆動手段により保持具を往復作動させることにより、該保持具に張架された繊維製品で前記圧縮子に圧縮力を負荷すると共に負荷を解除し、該圧縮子に発生する応力を応力発生時点からピークを越えて応力消滅時点まで前記圧縮ロードセルにより検出して、前記繊維製品の弾力性を測定する構成としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は繊維製品の弾性力測定装置および該測定装置を用いた測定方法に関し、特に、弾性素材から人体が受ける応力や弾性素材の人体への追従性を測定できるようにするものである。
従来、衣類の生地となる繊維製品についての機械的特性の試験方法としては、繊維の伸率、引張り強さ、ヤング率、伸長弾性率の試験方法がある。伸長弾性率は、試料を引張試験機に取り付け、一定の伸び率まで引き伸ばした後、除重し、一定時間放置した後に再び同じように一定伸びまで引き延ばして測定している。(化学繊維の実際知識 第56頁〜第60頁)
また、繊維のJIS規格では、繊維製品の寸法変化測定法JIS L1909、天然繊維の引張試験方法JIS L 1069、ウレタン衣料生地試験方法JIS L 1066がある。ウレタン衣料生地試験方法JIS L 1066では、収縮率、剥離強さ、染色堅牢度の試験方法が開示されている。
前記のように、従来の繊維製品に関する試験方法には、繊維製品の弾力性の試験方法がなく、かつ、該繊維製品の弾力性を測定する装置も提供されていない。
よって、衣類の生地から人体に負荷される応力や、挙動時における生地の追従性を数値的に測定できる繊維製品の弾性力を測定することは出来なかった。
「化学繊維の実際知識」 第56頁〜第60頁 日本化学繊維協会編 発行物:東洋経済新報社 1996年12月20日 「JISハンドブック54 繊維」 日本規格協会
しかしながら、ブラジャー、ガードル等の肌着を設計する際、目的とする機能を肌着に付加しながら着用感の良いものとするには、素材の各種物性を測定しておく必要がある。例えば、弾性素材を用いる場合、これらの素材の弾力性を測定し、素材が人体に与える応力や挙動時における人体への素材の追従性を把握する必要がある。
よって、本発明は、従来提供されていなかった繊維製品、特に弾性素材が人体に負荷する応力、挙動時における追従性を測定できる装置および測定方法を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、第一に、圧縮試験機の圧縮ロードセルの先端に圧縮子を取り付けている一方、繊維製品を弛みなく張架する枠材を備えた保持具を設けると共に該保持具を往復作動させる駆動手段とを備え、前記保持具の枠部内に張架された繊維製品を前記圧縮子の先端面に接触配置し、前記駆動手段により保持具を往復作動させることにより、該保持具に張架された繊維製品で前記圧縮子に圧縮力を負荷すると共に負荷を解除し、該圧縮子に発生する応力を応力発生時点からピークを越えて応力消滅時点まで前記圧縮ロードセルにより検出して、前記繊維製品の弾力性を測定する構成としている繊維製品の弾力性測定装置を提供している。
本発明の測定装置において、測定しようとする繊維製品、例えば、肌着とする生地等を、保持具に張架している。其の際、繊維製品は初期位置において前記圧縮子の端面に接触されるだけで圧縮子に圧力を負荷しない設定としている。この状態より繊維製品を保持具と共に前記駆動手段により圧縮子側に移動させると、繊維製品からの押圧荷重により圧縮子に応力が発生し、この応力を圧縮ロードセルで測定している。この測定された圧縮子の応力は、繊維製品からなる生地に負荷が加えられて生地に変形が生じた時に該繊維製品に発生する応力と等価であると見なされる。
また、繊維製品を圧縮子側から後退させて圧縮子に負荷する荷重を減少していき、その際の圧縮子の応力を測定している。この圧縮子の応力は、繊維製品に荷重が負荷されて繊維製品が変形した後に原形に復帰する際の応力と等価であると見なされる。
このように、繊維製品を圧縮子に対して近接、離反させる往復作動させることにより、荷重負荷時に次第に増大していく応力の変移および応力発生時からピークに達するまでの時間と、荷重負荷解除時に次第に減少していく応力の変移とピークから応力消滅までに要する時間とを測定でき、繊維製品の物理的特性である弾性力を測定することができる。
具体的には、前記圧縮試験装置の本体に前記圧縮ロードセルを下向きに固定し、該圧縮ロードセルの下端面に前記圧縮子を取り付けている一方、該圧縮子の下面に接触させて前記繊維製品を配置しており、
前記繊維製品を保持する前記保持具は、取付台から立設した円筒部と、該円筒部に外嵌する円環枠あるいはゴム輪からなる環状留材とからなり、前記円筒部の上端面に前記繊維製品を被せて前記環状留材で繊維製品を前記円筒部の外周面に添わせて固定し、前記繊維製品を前記円筒部の外周壁で囲まれた空隙内に弛みなく平面状に張架しており、
前記取付台を前記駆動手段を構成するシリンダのピストン上端に固定し、ピストンを上下方向に繰り返し昇降させる構成としている。
前記保持具は円筒部と円環枠あるいはゴム輪から形成すると、円環枠内にしわを発生させることなく繊維製品を張架させることができる。枠内に張架する繊維製品は弛みなく且つ引張せず、繊維製品の原形状で張架している。
駆動手段として空圧、油圧のいずれのシリンダでもよい。また、シリンダの代わりにモータを用い、該モータの回転軸に取り付けたギアにラックを噛み合わせ、該ラックの往復移動により前記取付台を上下作動させてもよい。この作動寸法および作動速度は後述するように所要値に設定している。
本発明は、第二に、前記弾力性測定装置により弾性を有する繊維製品の弾力性測定方法を提供している。該測定方法は、
前記繊維製品により前記圧縮子に押圧荷重を負荷した時に該圧縮子に発生する応力と、応力発生時から応力がピークに達する時間との積からなる荷重負荷時の圧力積分値(A)と、
前記ピークに達した時から応力が消滅するまでの応力と、該ピークに達した時から応力が消滅するまでの時間との積からなる負荷解除時の圧力積分値(B)を求め、
前記圧力積分値(A)に対する圧力積分値(B)の比(B/A)より弾性復帰時の回復率を求めている。
前記のように、測定装置によれば、繊維製品に荷重が負荷された場合において、繊維製品が荷重により変形する際に発生する応力を測定することができ。即ち、繊維製品が良く伸びる場合には発生する応力が小さく、逆に伸びにくい場合には発生する応力が大きくなる。また、繊維製品に荷重が負荷された後に負荷が解除された際の応力を測定することにより、繊維製品の原形への戻り、即ち、回復力も速度も測定することができる。繊維製品が荷重を負荷されて変形した後、元に戻らない物性である場合には圧縮子に発生した応力は減少する。また、繊維製品の回復力が小さい場合には圧縮子の応力の減少速度は早くなり、弾性回復力が大きい場合には圧縮子の応力の減少速度は遅くなる。
前記した繊維製品に荷重が負荷された時に発生する応力積分値(A)に対して押圧力が解除された時の圧力積分値(B)が100%となると、繊維製品に荷重が負荷されて変形した時と同一速度で原形に回復しすることとなる。よって、回復率が100%に近づく程、負荷が解除された時の回復力、即ち、弾性力が強い繊維製品となる。
前記繊維製品の弾性力の測定は、特に、人間の肌に密着させて使用する繊維製品に測定した場合、該肌着から人体が受ける応力、とくに挙動に肌着が変形した際に人体が受ける応力および、人体の動きに対する肌着の追従性を測定することができる。
具体的には、人間の挙動時におけるバスト、ヒップ、腹部等の特定部位の作動寸法および作動面積を予め測定し、該測定値に基づいて、前記駆動手段による往復動作寸法と、前記保持具内に張架される繊維製品の面積とを前記特定部位毎に標準値として設定しておく一方、
前記繊維製品として衣類の素材を用い、該保持具で保持される繊維製品の面積を前記標準値の面積とすると共に、前記駆動手段による繊維製品の作動寸法を前記標準値の作動寸法とし、
前記荷重負荷時の圧力積分値(A)が挙動時における前記特定部位に対して前記繊維製品から負荷される荷重と見なしていると共に、前記回復率は前記繊維製品の人体への追従性の指標としている。
特に、肌着用の弾性素材からなる繊維製品の弾性力を測定すると、人体に対する肌着の密着性、肌着から受ける圧迫感や締付感、挙動時における人体への肌着の追従性を測定でき、目的とする肌着の機能に応じた弾性素材を選択することができる。
即ち、肌着用となる弾性素材を前記駆動手段により前記予め設定した標準値に応じて駆動して前記圧縮子に荷重を負荷し、
前記荷重負荷時の圧力積分値(A)が前記弾性素材により人体に負荷される荷重と見なしていると共に、前記回復率は前記弾性素材の人体への追従性の指標としている。
前記弾性素材がブラジャーのカップ材とした場合、挙動時、例えば、跳躍時のバストの上下揺れ寸法を測定して標準作動寸法を求めて、駆動手段による弾性素材の往復移動寸法とし、バスト面積の標準寸法を求めておき、保持具に張架する弾性素材の面積としている。 前記標準作動寸法に対応した寸法で前記駆動手段による往復作動させると、バスト挙動時における弾性素材に発生する応力と、弾性素材の回復率を測定できる。該測定値に基づいて弾性素材を選択することにより、目的として機能を有するカップ材を選らぶことができる。
即ち、造形性を目的とするカップ材とする場合には、バスト挙動時に変形しにくく、発生する応力が大きな、所謂、硬い弾性素材が選択される。一方、圧迫感や締付感がすくないカップ材とする場合には、発生する応力が小さい弾性素材が選択される。かつ、バストの挙動に応じて人体にぴったりと追従する動的快適性を有するカップ材とする場合には、発生する応力が小さく且つ回復率の高い弾性素材が選択される。
前記肌着用の弾性素材では、肌側面が前記圧縮子への接触側となるように前記保持具に取り付けることが好ましい。
例えば、カップ材の場合、該カップ材により荷重を受ける圧縮子が肌に相当することとなるため、肌と接する肌側を圧縮子に接触させると、より正確にバストが弾性素材から受ける応力を測定できる。特に、複数の素材を積層して厚みが大きなカップ材となる場合、カップ材の肌側と外側とでは、発生する応力に異なるため、肌側面を圧縮子に接触させることが好ましい。
上述したように、本発明の繊維製品の弾性力測定装置では、従来は測定することができなかった繊維製品の弾性力を測定することができ、この測定値に応じて、目的とする機能を有する繊維製品を正確に選択することができる。
よって、例えば、カップ材、ガードル材において、造形性に主眼をおく場合には応力の大きな繊維製品を選択し、リラックスした着用感を与える場合には応力が小さい繊維製品を選択し、動的快適性を求める場合には回復率が高い繊維製品を選択することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は繊維製品の弾性材反発性測定装置を示す。該測定装置は、試料となる弾性素材1を平面円形に保持する保持具2と、該保持具2を支持する取付台3と、該取付台を上下往復作動させる駆動手段となるシリンダ4と、前記保持具2で保持された弾性素材1の上面に接触させる圧縮子5と、該圧縮子5を下端面に取り付けた圧縮ロードセル6と、該圧縮ロードセル6が取り付けられた圧縮試験機本体7とを備えている。
前記保持具2は、取付台3から立設された円筒部2Aと、該円筒部2Aに外嵌する円環枠2Bとからなり、円筒部2Aの上端面に弾性素材1を被せ、この状態で弾性素材1を円筒部2Aの外周面に添わせながら円環枠2Bを被せていくことで、円筒部2Aと円環枠2Bとの間に弾性素材1を挟みこむことで、これら円筒部2Aの外周壁に囲まれた円形状の空隙内に弾性素材1を水平面を保持した状態で張架している。該張架時には弾性素材1に引っ張り力をかけず且つ弛ませない状態としている。
前記水平状の基板からなる取付台3の下面中央にシリンダ4の上端面より昇降自在に突出させるピストン4aの上端面を固定している。該シリンダ4のピストン4aを上下往復させることにより、取付台3、保持具2、該保持具に張架された弾性素材1を上下往復移動させている。
前記取付台3上の円筒部2Aの上面に張架した弾性素材1の中央位置の上面に丁度接触するように、前記固定した圧縮試験機保内7の圧縮ロードセル6から垂下する圧縮子5を位置させている。
前記保持具2の内外枠材で囲まれて張架される弾性素材の面積Sと、シリンダ4のピストン4aの上下移動寸法とは、弾性素材を密着される人体の特定部位の挙動時における作動面積と作動寸法に対応させて設定している。この特定部位の作動面積および作動寸法は、前記したように、予め測定し、該測定値に基づいて、特定部位毎に標準値を設定している。
本実施形態では、弾性素材1としてカップ材を用いており、よって、前記保持具2による張架面積を標準値としている約70cm2に設定し、シリンダ4のピストン4aの上下往復移動寸法を標準値の1.5cmに設定している。また、該ピストン4aは1分間に60回上下移動させている。
前記測定装置による測定時に、保持具2に張架した試料のカップ材1は、ピストン4aの上下往復作動に応じて圧縮子5に押圧荷重を負荷すると共に負荷した荷重を解消する作動を繰り返し行う。
即ち、ピストン4aを上昇すると、弾性素材1は圧縮子5に押圧荷重を負荷し、該負荷に対して圧縮子5に発生する応力を圧縮ロードセル6により検出している。一方、ピストン4aを下降させると、弾性素材1による圧縮子5の荷重が次第に減少していき、其の際の圧縮子の応力を測定している。
前記測定結果は、図3に示すように、縦軸を応力、横軸を時間とすると、応力の増減が山Mとなって現れる。
図3(A)は、ピストンを繰り返し上下運動させた間の3回分の山Mを示し、山Mの前半分部分Xはカップ材1が上昇して圧縮子4に押し上げ荷重を作用させた部分に該当し、山Mの後後半部分Yはカップ材1が加工して圧縮子供4への荷重を解除した部分に該当する。
図3(B)の前半部分Xの圧力積分値に対して、後半部分Yの圧力積分値が100%、即ち、前半部分Xと後半部分Yとが左右対称となると、変形挙動に対して逆の変形挙動をとりながら同一速度で原形に回復していることを表す。よって、回復率が100%に近づく程、負荷が解除された時の回復力が強いことを意味する。
前記前半部分Xの応力積分値は、縦軸で示す負荷に応じて発生する応力と、横軸で示す応力発生時から応力がピークに達する時間との積から応力積分値が求められる。後半部分Yの応力積分値は応力がピークに達した時から応力が無くなるまでの時間と応力との積から求められる。
前記した前半部分Xの応力積分値が大きくなると、カップ材に荷重が負荷された時の応力が大きく、バストに対する圧迫感や締付感が強くなる。逆に応力積分値が小さくなると、負荷に対して発生する応力が少なく、バストの動きに対して変形して追従することとなる。
「実施例」
図4に示す4種類のカップ材となる弾性素材を用意して、予め設定したバストにおける標準値に基づいて、前記弾性素材に発生する応力と、回復率とを測定した。
カップ材Aは造形美を付与することを主たる機能とする代表的なカップ材で、肌側は不織布の肌側面に天竺素材、外面側にトリコット素材を接着剤でラミネートした素材、外側はエンブロイダリー(刺繍)レースからなる。
カップ材Bは、バストが動かない状態での静的快適性を追求したカップ材で、肌側は低反発性の発泡ウレタンの表裏両面にトリコット素材をラミネートした素材、外側はエンブロイダリー(刺繍)レースからなる。
カップ材C、Dは、動的快適性を追求したカップ材である。
カップ材Cは、肌側はポリウレタン弾性糸を含むベア天竺素材、中間は低反発性の発泡ウレタンの両面にベア天竺素材を接着剤でラミネートした素材、外側は縦横方向に伸びるT/Wラッセルからなる。
カップ材Dは、肌側は低反発性の発泡ウレタンの表裏両面にベア天竺素材を接着剤でラミネートした素材、外側はストレッチラッセルレースからなる。
前記4種類のカップ材A〜Dを、夫々図1に示す測定装置の保持具2内に張架した。張架面積は約70cm2とした。其の際、カップ材A〜Dは肌側を圧縮子への接触側として張架した。
ついで、シリンダ4のピストン4aを1.5cmで上下往復作動し、該上下往復回数は1分間に60回とした。各カップ材A〜Dについてそれぞれ複数回の測定を行った。
各カップ材A〜Dの平均測定値を下記の表1に示す。
図5は測定結果のグラフを示し、縦軸が圧縮子に発生した応力、横軸が時間経過を示す。 該グラフに表されているように、発生した応力から見ると、造形美を追求するカップ材Aはバストの動きに応じて発生する応力が大きく、バストの動きに追従しにくいものであることが確認できた。
静的快適性を追求するカップ材Bも応力が比較的大きく、バストの動きに対する追従性が劣ることが分かる。
これに対して、動的快適性を追求したカップ材C、Dは応力が小さく、バストの動きに追従しやすいものであることが認められる。
バストから負荷される荷重により発生する応力は1000gfを越えると、圧迫感が比較的大きくなるため、動的快適性を求めるカップ材では応力が1000gf以下とすることが好ましいことも解明できた。
なお、前記応力が300gf未満であると、カップ材としてバストの保持性がほとんどなるなることも確認できた。
前記図5のグラフより、各カップ材A〜Dの前記山Mの前半部分Xの圧力積分値(A)と後半部分Yの圧力積分値(B)を求めた。かつ、圧力積分値(A)と(B)とから回復率(B/A)を求めた。その結果を下記の表1に示す。
該表1には、カップ材A〜Dの外面側を圧縮子に接触させた場合の測定結果も併記した。
Figure 2005291925
表1に示されるように、カップ材A〜Dにおける前半部分の圧力積分値はA>B>C>Dの関係となり、造形美を追求するためのカップ材Aの圧力積分値が最も大きかった。このことから、バスト挙動時にもカップ材Aは伸びにくいと共に変形しにくく、肌に相当する側の圧縮子に最も大きな応力がかかることが確認できた。よって、カップ材Aは変形しにくいためバスト造形性に優れているが、バスト挙動時には圧迫力、締付力が大きくなる素材であることが確認できた。
静的快適性を追求するカップ材Bは、カップ材Aよりも圧力積分値が小さいことから、カップ材Aよりはバストが動いた時に変形して伸びが生じるが、カップ材C、Dと比較して前半部分の圧力積分値が大きいことから、伸びや変形がすくなく、カップ材Aよりは圧迫感が小さいが、カップ材C,Dよりはバスト保形性を備えていることが分かる。
カップ材C,Dは前半部分の圧力積分値が最も小さいことより、バスト挙動時にバストの動きに応じて伸びると共に変形し、バストの動きと略一体となって動くものであることが確認できた。
よって、前記バスト挙動による弾性素材の変形により肌に負荷される応力積分値は、3000未満となると、カップ材ではバストの造形性、保形性が劣ることとなる。一方、25000を越えると常時圧迫感や締付感を感じることとなり、25000以下で13000を越えると締め付け感は余りないが、バストが挙動時には比較的追従しにくくなる。よって、バストの動きに抵抗なく追従しながらバストの保形性を保つには圧力積分値が3000以上13000以下が好ましい。
表1に記載した肌側を圧縮子に接触させた場合の前半部分の圧力積分値(A)と回復率との関係を図6のグラフに示す。
前記したように、回復率は100%に近づく程、バストの変形に応じて伸びたり変形したりするカップ材が、元の原形に回復する力が強いために、動的快適性が優れたものとなる。
カップ材A〜Dの回復率は、C>A>D>Bの順序となっており、カップ材Aの回復率が最大であるため、最もバスト挙動に対する追従性がよく、人体と一体となって動く素材であることが確認できた。これに対して回復率が最も低いカップ材Bは挙動追従性が遅いため、静的快適性は優れたものであるが動的快適性の点では劣ることもわかった。
カップ材A〜Dの肌側を圧縮子に接触させた場合と、外側を圧縮子に接触させた場合とでは、圧力積分値(A)(B)、回復率も相違するが、カップ材A〜Dの圧力積分値の大きさの順序、回復率の順序は同じである。
前記各カップ材の肌側と外側とを圧縮子に接触させた場合における圧力積分値と回復率の相違は、それぞれ下記の理由に因ると判断されるが、このような測定結果の相違がでることより、本発明の測定装置の測定精度が高いものであることが確認出来た。
即ち、カップ材Aでは、外側の薄くて伸びないレースよりも、肌側のやや厚みのある不織布がクッションとなるため、外側面よりも肌側面の方が応力が低くなった。
カップ材Bでは、硬さは略近い数値であったが、肌側の素材は低反発性クッションになっているため、回復率はカップ材C,Dより低かった。
カップ材Cでは、外側のみならず、肌側にもポリウレタンを多く含む弾力効果が発揮できる素材を使用しているため、肌側の回復力が高かった。
カップ材Dは肌側は低反発性クッションであり、ベア天竺で伸びるようにしてはいるが、外側よりも弾力効果自体が少ないため、回復率はカップ材Cより低く出た。
カップ材Dでは、
前記した通り、バストの動きにより荷重が負荷される前半部分の応力積分値が小さいほどバストの動きに追従して変形し、また、負荷が除去されていく後半部分の応力積分値が前半部分の応力積分値に近似する程、回復率が高くなり、変形後の原形復帰力が強く、カップ材として場合に動的快適性が優れたものとなる。
図6のグラフに示す通り、本発明のカップ材C,Dは(c、d)の領域にあり、応力積分値は3000〜13000の範囲で、回復率は85%以上に達している。よって、応力積分値と回復率との両方から、最も動的快適性が優れたカップ材と言える。
これに対して、カップ材Aは(a)の領域にあり、応力積分値が28000〜41000の範囲であるため、バストへの追従性が劣り、かつ、回復率もカップ材Cより劣っていた。
また、静的快適性を追求したカップ材Bは(b)の領域にあり、応力積分値が動的快適性から求められる13000を越えており、回復率もカップ材D,Cより劣っていた。
前記弾性素材の反発測定試験から、圧力積分値が3000〜13000の範囲内で、かつ、該圧力積分値の範囲内における回復率が85%〜100%である弾性素材を備えているカップ材が、動的快適性に優れたカップ材となることを究明され、動的快適性を求めるブラジャーのカップ材として適したものであることが測定試験により実証された。
一方、バスト造形性を求めるブラジャーのカップ材としてはカップ材Aが好ましい弾力性を備え、静的快適性を求めるブラジャーのカップ材としてはカップ材Bが好ましい弾力性を備えることも実証できた。
前記実施例ではカップ材の弾力性の測定を行ったが、ガードルの腹部押さえ布、臀部押し上げ布等の素材となる弾性素材に関しても同様な弾力性測定を行うことにより、目的とする機能を有する素材を的確に選択することができる。
本発明の弾力性測定装置では、肌着の生地のみに限らず、衣類の弾力性も測定したい箇所を測定装置の保持具内に張架できれば、簡単に、該衣類が人体に対して負荷する応力およびその反発力を測定することができる。
弾性材反発性測定装置を示す図面である。 図1の装置に弾性素材を張架する状態を示す図面である。 図1の測定装置によりカップ材を測定した場合の応力と経過時間との関係を示す線図、(B)は応力発生時と応力消滅時との関係を示す概略図である。 複数のカップ材の測定結果を示すグラフである。 (A)〜(D)は測定したカップ材の構成を示す図面である。 測定結果から求めた応力積分値と回復率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 繊維製品(弾性素材)
2 保持具
2A 円筒部
2B 環状枠
3 取付台
4 シリンダ
4a ピストン
5 圧縮子
6 圧縮ロードセル
7 圧縮試験機本体
A〜D カップ材
X 山の前半部分
Y 山の後半部分

Claims (7)

  1. 圧縮試験機の圧縮ロードセルの先端に圧縮子を取り付けている一方、繊維製品を弛みなく張架する枠材を備えた保持具を設けると共に該保持具を往復作動させる駆動手段とを備え、
    前記保持具の枠部内に張架された繊維製品を前記圧縮子の先端面に接触配置し、前記駆動手段により保持具を往復作動させることにより、該保持具に張架された繊維製品で前記圧縮子に圧縮力を負荷すると共に負荷を解除し、該圧縮子に発生する応力を応力発生時点からピークを越えて応力消滅時点まで前記圧縮ロードセルにより検出して、前記繊維製品の弾力性を測定する構成としている繊維製品の弾力性測定装置。
  2. 前記圧縮試験装置の本体に前記圧縮ロードセルを下向きに固定し、該圧縮ロードセルの下端面に前記圧縮子を取り付けている一方、該圧縮子の下面に接触させて前記繊維製品を配置しており、
    前記繊維製品を保持する前記保持具は、取付台から立設した円筒部と、該円筒部に外嵌する円環枠あるいはゴム輪からなる環状留材とからなり、前記円筒部の上端面に前記繊維製品を被せて前記環状留材で繊維製品を前記円筒部の外周面に添わせて固定し、前記繊維製品を前記円筒部の外周壁で囲まれた空隙内に弛みなく平面状に張架しており、
    前記取付台を前記駆動手段を構成するシリンダのピストン上端に固定し、ピストンを上下方向に繰り返し昇降させる構成としている請求項1に記載の繊維製品の弾力性測定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の弾力性測定装置により弾性を有する繊維製品の弾力性測定方法であって、
    前記繊維製品により前記圧縮子に荷重を負荷した時に該圧縮子に発生する応力と、応力発生時から応力がピークに達する時間との積からなる荷重負荷時の圧力積分値(A)と、 前記ピークに達した時から応力が消滅するまでの応力と、該ピークに達した時から応力が消滅するまでの時間との積からなる負荷解除時の圧力積分値(B)を求め、
    前記圧力積分値(A)に対する圧力積分値(B)の比(B/A)より弾性復帰時の回復率を求めている弾性を有する繊維製品の弾力性測定方法。
  4. 人間の挙動時におけるバスト、ヒップ、腹部等の特定部位の作動寸法および作動面積を予め測定し、該測定値に基づいて、前記駆動手段による往復動作寸法と、前記保持具で張架される繊維製品の面積とを前記特定部位毎に標準値として設定しておき、
    前記繊維製品として衣類の素材を用い、該保持具で保持される繊維製品の面積を前記標準値の面積とすると共に、前記駆動手段による繊維製品の作動寸法を前記標準値の作動寸法とし、
    前記荷重負荷時の圧力積分値(A)が挙動時における前記特定部位に対して前記繊維製品から負荷される荷重と見なしていると共に、前記回復率は前記繊維製品の人体への追従性の指標としている請求項3に記載の繊維製品の弾力性測定方法。
  5. 前記繊維製品として肌着用の弾性素材を用い、該弾性素材を前記駆動手段により前記予め設定した標準値に応じて駆動して前記圧縮子に荷重を負荷し、
    前記荷重負荷時の圧力積分値(A)が前記弾性素材により人体に負荷される荷重と見なしていると共に、前記回復率は前記弾性素材の人体への追従性の指標としている請求項4に記載の繊維製品の弾力性測定方法。
  6. 前記弾性繊維はブラジャーを含めたカップ部を有する衣類のカップ材からなり、前記バストの挙動時における前記標準値に基づいてカップ材により前記圧縮子に荷重を負荷し、
    前記荷重負荷時の圧力積分値(A)が前記カップ材によりバストに負荷される荷重と見なしていると共に、前記回復率は前記カップ材のバストへの追従性の指標としている請求項4に記載の繊維製品の弾力性測定方法。
  7. 前記肌着用の弾性素材は、肌側面が前記圧縮子への接触側となるように前記保持具に取り付けている請求項5または請求項6に記載の繊維製品の弾性力測定方法。
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