JP2005290332A - フィルムロール - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に厚いフィルムにおいて発生する、巻き芯付近の巻き始めの部分の段差により残る歪みを最小限にし、フィルムに形状的および光学的な歪みを残存しないフィルムロールを提供する。
【解決手段】 フィルムが巻き芯にロール状に巻き取られたフィルムロールであって、当該フィルムのヘーズが5%以下であり、巻き芯付近から巻き芯外周の2倍以上でかつ全フィルム巻き長さの10%以下の長さにわたり、フィルムの幅方向端部近傍の少なくとも片面に凹凸部が存在することを特徴とするフィルムロール。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロール状に巻き取られたフィルムに関する。詳しくは、本発明は、特に光学用等に用いられる透明なフィルムに関し、特に厚いフィルムの場合に起こる、巻き芯に巻き始めた付近の段差により残る歪みを最小限にし、光学的な歪みを持たない、ロール状のフィルムに関するものである。
製膜工程から送り出されるフィルムは、最終的には巻き取り機によってロール状に巻き取られ、製品となる。巻き取りにおいては、巻き芯に巻きつける方法で行われるが、その巻きつけ開始部において、フィルム厚み分および場合によってその固定のために用いられる粘着剤や粘着テープなどの厚み分が加わるために段差が生じ、その上に巻きつけられるフィルムに影響を及ぼすようになってしまう。具体的には、形状的な段差跡や、局部的に伸びてしまったことによる光学的な歪が残存し、その影響が解消されるまで何周もフィルムを巻きつけなければならず、コスト的および効率的に問題が大きく、この問題を簡便に解消できる方法が望まれている。
二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐薬品性などに優れ、包装材料、電気絶縁材料、金属蒸着材料、製版材料、磁気記録材料、表示材料、転写材料、窓貼り材料などを始めとして多くの用途で使用されている。特に最近では、透明タッチパネル用、液晶表示装置に用いられるプリズムシートや拡散シート用のベースフィルムやブラウン管、LCD、PDP等のいわゆるフラットディスプレイの前面パネルガラス表面貼り付け用に、帯電防止、反射防止、電磁波シールド等の機能層を設けた保護フィルムのベースフィルム用、あるいはかかる光学用の板状部材の保護フィルム用や粘着剤塗布後の離型フィルムなどの光学に関連する各種用途に広く用いられている。かかる用途に用いられるポリエステルフィルムは、異物がフィルム中に存在したり、フィルムの間に挟まっていたりすると、品質の低下に直接影響するため極めてクリーンなフィルムであることが必要である。例えばロール製品とする上で巻き芯が紙製およびその表面処理タイプであったりすると、巻き芯から発生する紙粉が原因で欠陥となったりすることがあり、かかる問題を解決するためにプラスチック製の巻き芯を使用することが多い。この場合、巻き芯表面が硬いため、特に巻き始めに存在する段差が原因で巻き芯近傍の部分は段差跡が残り光学用途に使用できなくなる問題がある。
一方、特に表面が平坦で滑り性が不足し、上記した巻き取りが難しい場合、フィルムの端部近傍に凹凸部を設け、巻きズレや帯電、キズの発生などを防止する方法が種々提案されている(特許文献1〜4等)。しかしながら、これらに提案された方法の場合、目的が巻きズレやキズ発生の防止などであるため、フィルムの長さ方向全部にわたって実施する必要がある。この場合、フィルムを使用する段階、すなわち、フィルム上に塗布層や蒸着層を設けたり、印刷を行ったりする工程で、凹凸部が削れの原因になったり、塗布の均一性を得るため切り落とさなければならなかったりするなどの問題がある。いずれにしてもこの凹凸部は、製品として使用できない範囲となり、この方法の改善が望まれる状況にある。
特開昭63−74850号公報 特開平8−175708号公報 特開平9−124199号公報 特開平9−244180号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、特に厚いフィルムにおいて発生する、巻き芯付近の巻き始めの部分の段差により残る歪みを最小限にし、フィルムに形状的および光学的な歪みを残存しないフィルムロールを提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、フィルムの長さ方向の特定の範囲において、フィルムの幅方向端部近傍の少なくとも片面に凹凸部を形成して巻き取る方法によれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、フィルムが巻き芯にロール状に巻き取られたフィルムロールであって、当該フィルムのヘーズが5%以下であり、巻き芯付近から巻き芯外周の2倍以上でかつ全フィルム巻き長さの10%以下の長さにわたり、フィルムの幅方向端部近傍の少なくとも片面に凹凸部が存在することを特徴とするフィルムロールに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のフィルムロールは、各種プラスチックフィルムの場合で適用できる。特に透明性が必要とされる光学的な用途に使用されるフィルムにおいて効果が発揮され、例えばポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、トリアセチルセルロース系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリオレフィン系フィルムなどが適用できる例として挙げられる。
本発明のフィルムロールは、特に透明性が高いフィルムにおいて、その効果が顕著に発揮される。すなわち、フィルムヘーズが5.0%以下のフィルムに適用され、好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.5%以下、特に好ましくは1.0%以下のフィルムに適用した場合、フィルム巻き始めの段差の影響による変形がその形状のみならず透明性、特に偏光を使用した場合の透過光のゆがみが発生しないという顕著な効果が得られる。かくして本発明の巻き取り方法を用いたフィルムは、その優れた透明性と均一性とを有し、かつフィルムの巻き芯付近の部分まで有効に使用できるという効果が得られる。
また、本発明のフィルムロールにおける巻き取り方法は、巻き始めの段差の影響を解消することを目的としており、フィルムの厚みが厚いほどその効果は大きくなる。またフィルムの巻き始めに粘着テープを使用することもあるので、その段差も加味する必要はあるが、通常フィルムの厚みは25μm以上であり、さらに35μm以上、特に50μm以上の場合に効率よく効果が発揮される。フィルムが薄い場合は、元々段差の影響が小さいこと、端部に凹凸部を設けると、フィルムのしわの発生を招くなどの問題も発生することがある。一方、フィルム厚みが500μmを超えるような場合は、フィルム自身の腰の強さのため、段差の問題が起こりにくくなり、もはや凹凸部を設ける必要性は非常に低くなる。
本発明においてフィルム端部近傍に凹凸部を設ける方法や、凹凸の形状は特に限定されず、公知の方法を採用できるが、ローレット加工(粗面加工)されたロールの押圧によって形成するのが好ましい。ローレット加工の形状としては、特に限定されないが、例えば綾目形状、エンボスリング形状などが挙げられる。綾目形状の場合、斜文線の交点がフィルムに凸部を形成する。すなわち、この方法においては、ローレット目を付けるローレット切り(ナーリング)によりフィルム端部近傍に傷模様を形成し、この傷模様によって端部近傍の厚みを若干厚くする効果を与える。
ローレット加工されたロール(ナーリングロール)の押圧による凹凸の形成(ナーリングまたはエンボス加工)は、ナーリングロールの内部に電熱ヒータ等の加熱手段を設ける方法や、誘電加熱によりフィルムを加熱する方法、フィルム製造工程内の熱処理ゾーンの熱を利用して、フィルムの温度が高いうちに押圧加工する方法などが挙げられる。
本発明においては、凹凸形成はフィルム生産後、一旦巻き取った幅の広いロールから、製品の幅にスリットする工程で実施されることが好ましい。かかる方法を用いるならば、製品として巻き上げられる際の巻き芯の近傍で特定長さのみの凹凸形成加工が容易に実施できる。
本発明においては、凹凸の形成を、フィルムの巻き始めの部分で巻き芯外周の2倍以上の長さ、好ましくは外周の3倍以上の長さ行う。巻き芯外周の2倍未満の場合、巻き始めの段差に対して凹凸部分が確実に2回覆うことができなくなるので、段差の影響を解消する効果が十分ではなくなる。一方、凹凸形成の長さはフィルムの全長さの10%以下とし、5%以下が好ましい。フィルムの全長にわたって凹凸部を形成することもでき、特に表面が平坦なフィルムにおいて巻き取り性を改良したり、フィルム表面に傷が発生することを防止したりすることもできるが、この場合、フィルムを加工使用して製品を得る時点で、凹凸部分が製品にならないことや、加工工程で、凹凸部分が見かけ上厚いことが理由で、フィルムの削れが発生することなどの欠点がある。従ってフィルムを使用する時点での歩留り低下を避けることが重要になり、凹凸形成の長さは特定範囲以下とすることが必要である。また、フィルム厚みが50〜150μmの場合、かかる凹凸部を設ける長さは、巻き芯外周の100倍以下が好ましく、さらに好ましくは30倍以下、特に好ましくは10倍以下が望ましい。凹凸部の形成が長過ぎると上記と同様の欠点が顕著となる。
本発明における凹凸部は、フィルムの幅方向端部近傍に形成されるが、ここで近傍とは例えばフィルムの端から20mm以内、好ましくは10mm以内の部分を指す。凹凸部がフィルムの端部近傍ではなく内側に形成されると、製品としてのフィルムの使用できる範囲が狭くなって、使用の効率が著しく低下するようになる。また凹凸部は帯状に形成されることになるが、その幅は通常3mm以上、好ましくは5mm以上であり、また通常20mm以下、好ましくは10mm以下である。凹凸部の幅が3mm以下では、本発明のフィルム巻き始めの段差の影響を抑えることができなくなる場合がある。一方、20mmを超えてもその効果は増加しないのに加え、フィルムの使用できる範囲が狭くなってしまう。
凹凸の凸部の高さは、フィルムの厚みの通常3%以上、好ましくは5%以上、さらに好ましくは8%以上であり、また通常100%以下、好ましくは70%以下、さらに好ましくは50%以下である。凸部の高さがフィルム厚みの3%未満では、本発明のフィルム巻き始めの段差の影響を抑えることができなくなることがある。一方、厚みの100%を超える場合は、例え巻き芯付近のみの形成であっても、その影響が残ってフィルムにしわが発生するなどの問題が起こったり、特にフィルムが100μm以上の厚いものであると、凸部が削れて異物の発生の原因になったりする問題となることがある。凹凸の高さは、凹凸を設ける際のローレット加工されたロールの加工形状や押圧、フィルムの温度当により調節できる。また凹凸の高さは、非接触式表面粗度計等によっても測定できるが、簡便には凹凸形成処理をしている部分の厚みと処理していない部分の厚みとを面接触式の厚み計で測定して、その差をもって高さとすることが好ましい。
本発明のフィルムロールは、いかなる透明性のフィルムにおいても適用できるが、中でもポリエステルフィルムは、透明性や強度、耐熱性、コストパフォーマンスの点で優れるため多くの種類の部材として使用されており、本発明の効果を特に有効に発揮することができる。以下ポリエステルフィルムを主体として説明する。
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト(PEN)等が例示される。また、本発明で用いるポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体である。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、および、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
本発明にいうポリエステルフィルムとは、通常上記したポリエステルを押出口金から溶融押し出される、いわゆる押出法により、押し出されたポリエステルフィルムであって、必要に応じ、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフィルムである。またフィルムは2台以上の押出機を用いて、いわゆる共押出法を用いて積層構造とされたものであってもよい。かかる積層構造は、A/Bの2層構造、A/B/AまたはA/B/Cの3層構造、あるいはさらに積層数の多い構造であってもよい。
ポリエステルフィルムには、表面の滑り性を向上してブロッキング等の問題が起こらず取り扱い性を良好とするために、フィルム中に微粒子を含有させて適度な突起を形成させることができる。かかる微粒子の例としては、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機粒子、スチレン系、アクリル系などの架橋高分子粒子、ポリエステル製造工程において触媒、助剤を析出させて得られる、いわゆる析出粒子などが挙げられる。また、配合する微粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、通常0.02μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜5μm、さらに好ましくは0.05μm〜4μmの範囲である。平均粒径が0.02μm未満の粒子を用いた場合には、フィルム表面に有効な高さの突起を形成することができず、平坦化し、フィルム製造工程における巻き特性が劣る傾向がある。また、平均粒径が10μmを超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎてフィルムの透明性が不十分となったり、フィルム表面が削れやすくなったりする場合がある。
本発明においては、かかる方法で表面に突起を形成したり、後述する塗布層に粒子を配合したりするなどの方法で表面に粗度を与えたフィルムとするが、その表面粗度は、例えば、Raが0.05μm以下、好ましくは0.001μm〜0.04μm、さらに好ましくは0.001〜0.03μmの範囲、またRtが1.2μm以下、好ましくは0.01〜1.0μm、さらに好ましくは0.02〜0.8μmの範囲にある場合、凹凸部を形成することによる歪の解消効果が顕著に発揮される。すなわち、Ra,Rtの値が上記した範囲より大きい場合は、本発明の凹凸部を設けた場合と設けない場合との差が殆ど無くなり、もはや凹凸部形成の効果を得ているとは言えない状態となる。一方Ra、Rtの値が低すぎる場合は、歪の問題が解消されても巻き取り工程で傷の発生や巻き取り性が悪くなる等の問題が発生することがある。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などに
以下、本発明のフィルムロールに関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
また、本発明のポリエステルフィルムは、各種塗布層や印刷、蒸着等フィルム表面に形成される層との接着性を向上させたり、帯電防止機能を付加したりする等の目的で、表面に塗布層を設けることができる。かかる塗布層の形成に当たっては、フィルムを製造する工程内、特に縦方向に延伸した後、横方向の延伸の前に行う方法が、極めて薄い塗布層を形成できる点、塗布液の乾燥や硬化反応を製膜工程内で実施できることなどの点で好ましい。かかる塗布層としては、架橋剤と各種バインダー樹脂との組み合わせからなるものが好ましく、バインダー樹脂としては接着性の観点から、ポリエステル、アクリル系ポリマーおよびポリウレタンの中から選ばれた少なくとも1つのポリマーを併用する。上記のポリマーは、それぞれそれらの誘導体をも含むものとする。ここでいう誘導体とは、他のポリマーとの共重合体、官能基に反応性化合物を反応させたポリマーを指す。なお、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン等も強靱な被膜を形成し上塗り剤と良好な接着性を示すが、これらは塩素を含有するため、燃焼時に塩素を含む有害なダイオキシン化合物を発生する可能性があり、この点で好ましくない。また、塗布フィルムのスクラップを再利用する際に、着色、腐食性ガスの発生という問題があり、この点でも好ましくない。
架橋剤樹脂としては、メラミン系、エポキシ系、オキサゾリン系樹脂が一般に用いられるが、塗布性、耐久接着性の点で、メラミン系樹脂が特に好ましい。メラミン系樹脂は、特に限定されるものではないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。
本発明において、滑り性、固着性などをさらに改良するため、塗布層中に無機系粒子や有機系粒子を含有させることが好ましい。塗布剤中における粒子の配合量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。かかる配合量が0.5重量%未満では、耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、10重量%を超えると、フィルムの透明性を阻害し、光学的な用途に使用した場合、支障となる傾向がある。用いる無機粒子としては、二酸化ケイ素、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化バリウム、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモン等が挙げられる。これらの中では、二酸化ケイ素が安価でかつ粒子径が多種あるので利用しやすい。有機粒子としては、炭素−炭素二重結合を一分子中に2個以上含有する化合物(例えばジビニルベンゼン)により架橋構造を達成したポリスチレンまたはポリアクリレートポリメタクリレートが挙げられる。
また、塗布層は、帯電防止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
塗布剤の塗布方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
塗布層は、ポリエステルフィルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。片面にのみ形成した場合、その反対面には必要に応じて上記の塗布層と異なる塗布層を形成して他の特性を付与することもできる。なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとして、通常0.02〜0.5μm、好ましくは0.03〜0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.02μm未満の場合は、本発明の効果が十分に発揮されない恐れがある。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フィルムが相互に固着しやすくなったり、特にフィルムの高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。上記の固着の問題は、特にフィルムの両面に同一の塗布層を形成する場合に顕著に現れる
また、本発明のポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、蛍光増白剤、潤滑剤、遮光剤、マット化剤、および染料、顔料などの着色剤等を配合してもよい。
本発明は、巻き芯付近のフィルム巻き始め部の段差によりフィルムに残る歪みを最小限にし、ポリエステルフィルムに形状的な歪みを発生させず、また光学的にも歪を残さず、特にフィルムの透明性が高く、かつ厚い場合にその効果を発揮するフィルムロールを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
(3)最大高さ(Rt)および中心線平均粗さ(Ra)(μm)
(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜きとり、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次式で与えられた値を中心線平均粗さ(Ra)とし、〔μm〕で表した。
Ra=(1/L)∫|f(x)|dx
最大高さ(Rt)は、上記で得られたフィルム断面曲線の抜き取り部分の、平均線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定した値を最大高さ(Rt)とし、〔μm〕で表した。最大高さ、中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分のそれぞれの値の平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
(4)フィルム巻き取り時の段差の影響評価
フィルムを平坦な面を有する台上に広げた状態で形状を観察し、変形が残存しているかどうか確認した。またフィルムを2枚の偏光板の間に置いて、透過光をクロスニコル状態にして観察し、光学的に歪が残っているかどうかの判定を行った。巻取りを行って得たロール製品を解体し、フィルムの巻き付け開始部分から巻き芯の外周を周期として観察し、段差跡が解消されるまでのフィルム長さを判定した。より短い長さで解消されたものが良好となる。
以下の実施例および比較例で用いたポリエステルの製造方法は次のとおりである。
〈ポリエステルの製造〉
[エステル(A)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.67に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.67であった。
[ポリエステル(B)の製造方法]
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径1.6μmのシリカ粒子を0.2部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は、極限粘度0.65であった。
上記ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)100%の原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(A/B/A)の層構成で共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度81℃で縦方向に3.3倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で3.6倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、30m/分の生産速度でフィルムをロール状に巻き上げ、厚さ0.1μmの塗布層を有する厚さ125μm、極限粘度は0.62の積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムをスリッターにて幅1000mmのロール製品とする工程で、フィルムの端部を誘電加熱し、綾目形状に加工されたロールの押圧で凹凸形状を形成した。凹凸形状は、端部から10mm以内の範囲で幅8mmとした。巻き芯の外周は525mmであり、凹凸形状は巻き始めから形成し、長さ3mにわたって形成した。
(実施例2〜4および比較例1、2)
実施例1で得られたフィルムを、下記表1に示した条件で凹凸部を形成または形成せずにロール製品を作成した。ただし、実施例3は、外周290mmの巻き芯を使用した。実施例4は、凹凸部の幅が広い例であり、段差跡を解消する効果は、幅が狭い実施例1と同等であることがわかる。すなわちこの場合は、段差跡は無くてもフィルムの幅方向での使用できる範囲が狭くなっているという問題が一方で存在する。比較例2は、凹凸部の長さを長くした例であるが、実施例1の場合と比較して、段差跡を解消する効果はもはや増加しないのに対し、製品として使用できる範囲が狭くなることおよびフィルム加工工程で凹凸部分の削れの影響があり、端部近傍の製品の品質が低下し、歩留りが低下する問題が発生した。
(実施例5)
実施例1におけるA層を構成する原料を、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ96%、4%の割合で混合した混合原料としたこと、およびシートを縦延伸した後に、最終的に得られるフィルムの状態で厚みが0.05μmとなるような塗布層を設けたこと以外は実施例1と同様の方法で、厚み188μmのポリエステルフィルムロールを得た。塗布層の組成は以下のとおりとした。
・塗布剤A:テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムイソフタル酸/エチレングリコール/ジエチレングリコール/トリエチレングリコール=31/16/3/22/21/7モル比のポリエステル分散体
・塗布剤B:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタクリルアミド=45/45/5/5モル比の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
・塗布剤C:メラミン系架橋剤(ヘキサメトキシメチルメラミン)
・塗布剤D:無機粒子(平均粒子径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体)
上記塗布剤を使用し、塗布剤A/塗布剤B/塗布剤C/塗布剤D=45/20/30/5(重量比固形分組成として)の割合で混合した塗布液を用いた。
(比較例3,4)
実施例1において、A層原料をポリエステル(A)、(B)の配合比を50%、50%とし、表3の条件でロール製品を作成した。この場合、フィルムの表面粗度が大きく、ヘーズが高いフィルムとして得られたので、実施例1の場合よりも本発明の凹凸部形成の必要性が低いことがわかる。すなわち凹凸部を設けない場合と比較して差が無いことから、段差跡を残存させない効果はもはや必要無いと言うべきである。
表1は、各実施例、比較例で得られたフィルムの評価結果をまとめて示したものである。実施例に示したフィルムロールは、ロール巻き始めの段差跡が存在する部分が非常に少なくなり、高品質のフィルムとして得られた。
Figure 2005290332
本発明のフィルムロールは、例えば、光学用の透明フィルムとして利用することができる。

Claims (1)

  1. フィルムが巻き芯にロール状に巻き取られたフィルムロールであって、当該フィルムのヘーズが5%以下であり、巻き芯付近から巻き芯外周の2倍以上でかつ全フィルム巻き長さの10%以下の長さにわたり、フィルムの幅方向端部近傍の少なくとも片面に凹凸部が存在することを特徴とするフィルムロール。
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