JP2005289055A - 物質の空間精密配置技術 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリマー等の基板表面に、予めセラミックス薄膜を形成して、下地の基板表面の影響を受け難くすることにより、基板表面の所定の位置に、固定化される物質を選択的に析出させることを可能とした自己組織化単分子膜形成基板を提供する。
【解決手段】機能性物質等を、その表面上の空間に精密に配置することが可能な基板であって、基板の表面に、セラミックス前駆体の一種又はそれ以上の薄膜を気相から形成した後、この薄膜に、プラズマ、紫外線又は電子線を照射することにより形成したセラミックス薄膜に、自己組織化単分子膜を形成した基板、及びその製造方法。
【効果】本発明は、表面エネルギーの低い、ポリマー等にも適用可能であり、高密度、高配向な自己組織化単分子膜を密着良く、セラミックス薄膜上に形成した基板を提供できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、基板の、表面特性を改善することにより、機能性物質等を、基板上に、精密に配置・固定化することを可能とする、空間精密配置技術に関するものであり、更に詳しくは、基板表面に、セラミックス前駆体の膜を形成した後、この膜に、プラズマ、紫外線、電子線等を照射して、セラミックス化することを特徴とする、セラミックス薄膜を、その表面に有する基板及びその製造方法に関するものである。また、本発明は、基板表面の特性を改善することにより、セラミックス、金属、生体関連高分子、ダイヤモンド、ポリマー等の機能性物質を、基板上の所定の位置に、選択的に、精密に、配置し、固定化する技術に関するものであり、基板表面の所定の位置に配置された官能基は、固定化される物質との間で働く分子認識機能を利用して、当該物質を基板の所望の位置に選択的に析出させることを可能とし、マイクロアレイ等を形成する技術に応用が可能である。
本発明は、化学、エネルギー、生物、医学等の幅広い分野で、次世代の、わが国の産業を推進させる技術として期待される、ナノテクノロジーの技術分野において、基板のナノ構造を、更に機能化し、発現する、特異な、化学的、電気的、生物的な機能を、人為的に制御して、新たな機能を生かした、高次ナノ構造のデバイス等に応用が可能な、基盤技術の一環として、新たな基板表面の改善技術を提供し、基板へ機能性物質を、空間的に精密に配置することを可能とするものであり、例えば、マイクロセンサー、バイオセンサー、バイオチップ、実装基盤等のデバイスを製造する技術として有用である。
マイクロアレイ作製に関する研究は、米国ハーバード大学のWhitesides教授らのグループを中心に、世界中で精力的な研究が行われている(非特許文献1)。シリコン樹脂に画像を描き込んだ"スタンプ"を利用して、金属、ポリマー、生体関連高分子等を固相表面に選択的に固定化する技術、いわゆる「マイクロコンタクトプリンティング法」がすでに開発されている。これまでの報告では、固定化する基板は、金属、シリコンといった無機基板に特化しており、プリント配線基板等で実用価値が高い、ポリマー基板上への応用例はほとんどない。更には、その研究の大半が、1種類の材料の空間配置に留まっている。金属酸化物のパターンニングに関する先行技術としては、例えば、基板上に、昇華性有機金属錯体とケイ素系高分子化合物とを含む感光層を形成し、前記感光層の所定の領域を選択的に露光し、薄膜パターンの潜像を形成し、前記薄膜パターンの潜像が形成された感光層を加熱乾燥することによって、未露光部の昇華性有機金属錯体を除去し、金属酸化物薄膜パターンを形成する手法が報告されている(特許文献1)。
金属元素のアルコキシド又はアルコキシアルコレートとアルコール又はアルコキシアルコールとの混合物に、光、レーザ光、電子線、X線等により酸を発生する酸発生剤を混合したゾルにより薄膜を形成し、前駆状態で光等による露光、現像してパターン化した後、熱処理で焼成し、金属酸化物薄膜のパターンを形成する方法が報告されている(特許文献2)。金属粒子を固定化する手法としては、例えば、マイクロコンタクトプリンティング法によって、サブマイクロメーターの精度でパターニングされた自己組織化膜を形成し、シリコンナノパーティクルを基板上に供給し、サブマイクロメーターの精度で、シリコンナノパーティクル層をパターニングする手法が報告されている(特許文献3)。
また、バイオアレイを作製する先行技術としては、例えば、片面に金属薄膜を形成した光透過性担体の当該金属薄膜上に、第一層として、一方の末端に、上記の金属薄膜に結合し得る官能基を有する、直線状疎水性分子から形成された、自己組織化単分子膜層を設け、その表面に、リガンド(分子識別素子)を化学結合するための第二層として、自己組織化単分子膜層に疎水性部分を配向した両親媒性分子から形成された、平面単分子膜層を設けて成るバイオセンサー用センサーチップ及び当該センサーチップ表面に、リガンドを化学結合して成る表面プラズモン共鳴用バイオセンサーを作製する手法が報告されている(特許文献4)。また、材料の空間配置を実現するために、基板表面に分子認識機能を付与する目的で、自己組織化単分子膜を利用した研究が行われている(非特許文献2)。
これまで、自己組織化単分子膜の形成は、主として、金属、シリコンといった無機基板に特化しており、ポリマー表面への、自己組織化単分子膜形成に関する報告は数少ない。これは、ポリマーの表面は化学的に不活性なうえ、プラズマ等により改質して活性化したポリマー表面が非常に不安定であることと、活性化により生成する極性基の種類が不均一で、ランダムに配向していることから、高密度/高配向な自己組織化単分子膜を形成することが困難であることに起因する。
例えば、ポリマー基板の場合、その表面エネルギーは、金属やセラミックスと比較すると低く、疎水性を示す場合が多いため、上述した自己組織化単分子膜を形成する場合、基板を予め、薬品、プラズマ、コロナ放電、紫外線、イオン等を用いて処理することにより、水酸基やカルボキシル基等の酸素含有極性基を形成することにより、親水化させる必要がある。しかしながら、上述の手法により改質したポリマー基板表面は、非常に不安定であるため、親水化した基板を大気中で保持した場合、表面に形成された極性官能基が基板中へ潜り込み、時間の経過とともに、基板が再び疎水化するという問題点があった。また、活性化により生成する極性基の種類が不均一で、ランダムに配向していることから、高密度/高配向な自己組織化単分子膜を形成することが困難であった。自己組織化単分子膜の密度が低いと、固定化する物質の密度も低くなるとともに、下地の基板の表面特性の影響を受けるため、物質の選択的析出が困難になるといった問題点があった。
特開2000−9955号公報 特開平5−116454号公報 特開2002−353436号公報 特開平11−6834号公報 (Y. Xia and G. M. Whitesides,Angew Chem. Int. Ed. 1998, 37, 550-575 [Review]) (A. Ulman, Chem. Rev. 1996,96, 1533-1554 [Review], J. M. Buriak, Chem. Rev. 2002, 102, 1271-1308 [Review])
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、物質の新しい空間精密配置技術を開発することを目標として鋭意研究を進めた結果、基板表面を酸素プラズマや紫外線照射により洗浄、親水化した後、この基板表面に、セラミックス前駆体からなる1種又はそれ以上の物質を、気相から付着させることにより、膜厚が0.5〜500nmの膜が形成され、その後、その膜にプラズマ、紫外線、電子線を照射すると、膜中の炭素等の不純物が除去されて、室温付近でセラミックス薄膜に化学変化することを見出した。また、基板に、このセラミックス薄膜を被覆することにより、例えば、ポリマー基板では、その表面にのみガラス等と同等の化学的特性を付与することができることを見出した。更に、当該セラミックス薄膜基板表面に、高密度/高配向な自己組織化単分子膜が密着性よく形成することが可能であり、その表面には、機能性物質の固定化が容易であることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成させるに至った。
本発明の目的は、基板表面に、不純物が少ない、セラミックス薄膜を形成して、基板表面の特性が改善された基板を提供することである。また、本発明の目的は、基板の特性の影響を受けない、独自の表面特性を有する基板を提供することである。また、本発明の目的は、表面に存在する水酸基等の官能基が、均一に分布した基板表面を提供することである。また、本発明の目的は、基板表面にセラミックス薄膜を設けることにより、基板表面の影響を受けないで自己組織化単分子膜の形成を可能とすることである。また、本発明の目的は、セラミックス薄膜を基板表面に設けることにより、その表面に、高密度で、密着性・配向性に優れた、極性基を有する自己組織化単分子膜の形成を可能とする自己組織化単分子膜形成基板を提供することである。
また、本発明の目的は、表面特性の異なる、複数の自己組織化単分子膜によって、機能性物質の基板表面上への析出を制御することである。また、本発明の目的は、従来困難であった、プラスチックの表面に、機能性物質を配置することを可能とすることである。また、本発明の目的は、機能性物質の、ナノないしマイクロメータスケールでの析出を可能とすることである。また、更に、本発明の目的は、マイクロセンサー、バイオセンサー、バイオチップ、実装基板等のデバイス作製において、特に有効で新規な、空間精密配置技術を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)無機薄膜で被覆した基材上に、末端官能基を有する自己組織化単分子膜を形成したことを特徴とする自己組織化単分子膜形成基板。
(2)基材上に、膜厚が0.5〜500nmの無機薄膜を被覆した前記(1)に記載の自己組織化単分子膜形成基板。
(3)無機薄膜としてセラミックス薄膜で被覆した基材上に、末端官能基を有する自己組織化単分子膜を形成した前記(1)に記載の自己組織化単分子膜形成基板。
(4)基材が、金属、セラミックス、ガラス、プラスチックの内から選択される1種以上である前記(1)に記載の自己組織化単分子膜形成基板。
(5)末端官能基が、アミノ基、水酸基、メルカプト基、メチル基、カルボキシル基、フルオロアルキル基、アルデヒド基、シアノ基、スルフォン酸基、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、水素基の内から選択される1種以上である前記(1)に記載した自己組織化単分子膜形成基板。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載の自己組織化単分子膜形成基板上に、2種以上の官能基の終端がナノ〜マイクロメーターオーダーで配置されていることを特徴とするヘテロ構造体。
(7)自己組織化単分子膜のドメイン領域に、2種以上の官能基の終端がナノ〜マイクロメーターオーダーで交互に配置されている前記(6)に記載のヘテロ構造体。
(8)前記(6)又は(7)に記載のヘテロ構造体に機能性物質を固定化したことを特徴とするマイクロ構造体。
(9)機能性物質が、セラミックス、金属、生体関連物質、ダイヤモンド、ポリマーの内から選択される1種以上である前記(8)に記載のマイクロ構造体。
(10)基材表面に、高密度/高配向な、自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法であって、1)表面改質した基材表面に、セラミックス前駆体を気相から付着させて、セラミックス前駆体薄膜を形成する、2)上記薄膜をセラミックス薄膜に変換する、3)この単分子膜の表面をパターニングする、4)上記セラミックス薄膜の表面に、所定の末端官能基を有する自己組織化単分子膜を形成する、ことにより、上記セラミックス薄膜の一部又は全部に自己組織化単分子膜を形成することを特徴とする自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(11)基材表面に、膜厚300nm以下のセラミックス前駆体薄膜を気相から形成した後、この表面を、酸素プラズマ、紫外線又は電子線で処理することにより、セラミックス前駆体をセラミックス薄膜に変換する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(12)セラミックス前駆体に、波長172nm以下の真空紫外線を、圧力10〜1000Pa、室温〜40℃の条件下で照射し、セラミックス薄膜に変換する前記(11)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(13)基材が、金属、セラミックス、ガラス、ダイヤモンド又はポリマーである前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(14)基材として、水素終端処理した、ゲルマニウム、ダイヤモンド、炭化ケイ素、又はシリコン基板を使用し、末端官能基を有するアルケン分子の自己組織化単分子膜を形成する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(15)基材の形状が、板状、粉末状、チューブ状又はフィルム状である前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(16)末端が不活性な官能基を有する単分子を用いて形成した自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜のセラミックス薄膜領域に、異なる末端官能基を有する別の自己組織化単分子膜を再度形成し、自己組織化単分子膜/自己組織化単分子膜から構成される表面を形成する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(17)セラミックス薄膜の表面に、アミノ酸、水酸基、メルカプト基、メチル基、カルボキシル基、フルオロアルキル基、アルデヒド基、シアノ基、スルフォン基、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、水素基を末端に有する化合物の中から選択される1種以上の化合物の自己組織化単分子膜を形成する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(18)単分子膜の表面に、フォトマスク又は金属メッシュを配置し、酸素プラズマ、真空紫外光、又は電子線を照射して、パターニングすることにより、自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜から構成される表面を形成する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(19)セラミックス薄膜の一部又は全部に形成した自己組織化単分子膜を有する基板を、セラミックス前駆体、金属イオン、生体関連高分子を含む溶液中に浸漬することにより、当該物質を基板表面に精密に配置する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(20)自己組織化単分子膜又はセラミックス薄膜状上に、アミノ基、水酸基、メルカプト基、メチル基、カルボキシル基、フルオロアルキル基、アルデヒド基、シアノ基、スルフォン酸基、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、又は水素基を末端に有する化合物から選ばれた1種類以上の化合物を固定化する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(21)自己組織化単分子膜又はセラミックス薄膜状上に、粒子/コロイド、薄膜、クラスター、チューブ又はファイバーの形状をした物資を固定化する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(22)末端官能基が不活性な自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜から構成される表面を有する基板を、セラミックス前駆体の溶液に浸漬し、基板表面にセラミックス前駆体を固定化した後、トルエン中で超音波洗浄し、セラミックス前駆体を上記セラミックス薄膜上に選択的に配置する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
(23)末端官能基が不活性な自己組織化単分子膜/末端がアミノ基からなる自己組織化単分子膜から構成される表面を有する基板を、タンパク質の溶液中に浸漬し、基板表面にタンパク質を固定化して、タンパク質を上記アミノ基終端自己組織化単分子膜上に選択的に配置する前記(10)に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、様々な基板の表面を、予め、プラズマ、紫外線、オゾンで処理することにより、不純物を除去し、親水化した後、処理基板の表面上に、セラミックス前駆体から選ばれた1種又はそれ以上の物質を、気相から付着させて、0.5〜500nm厚の膜を形成した後、プラズマ、紫外線、電子線等を照射することにより、膜中の炭素等の不純物を除去し、セラミックス薄膜に化学変化させて、基板表面のみを無機化させることを特徴とするものである。更に、本発明は、セラミックス薄膜表面に、種々の末端官能基を有する有機化合物を化学反応せることにより、セラミックス薄膜を被覆した基板の表面に、高密度、密着性、配向性に優れた自己組織化単分子膜を形成させることを可能とするものである。
まず、基板及び基板表面の親水化について説明すると、本発明で使用しうる基板としては、金属として、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、鉄が例示され、セラミックスとして、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカが例示され、ポリマーとして、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等、その他の材料として、ガラス、ダイヤモンドが例示され、これらの材料を任意に使用することができる。また、基板の形状としては、板状、粉末状、チューブ状等の、任意な形状を使用することができ、具体的には、フレキシビリティーを有する、自由度の高いポリマー基板、例えば、平板等が好適なものとして例示される。本発明では、基板表面を、予め、酸素プラズマ、真空紫外光、オゾン等の処理により、基板表面に付着した有機物を除去すると共に親水化する。好ましくは、例えば、波長172nm以下の真空紫外光(Xeエキシマランプから放射された紫外線)を使用する。ゲルマニウム、ダイヤモンド、炭化ケイ素、シリコンを基板とする場合には、水素終端処理したものを用いてもよい。
次に、基板表面への被覆膜の形成及びその組成について説明すると、上記処理によって、水酸基、水素、酸素含有極性官能基等が生成した基板表面に、セラミックス前駆体として、例えば、金属アルコキシド、有機金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、具体的には、例えば、オルトケイ酸テトラエチル、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等、から選ばれる1種又はそれ以上の物質を付着させる。反応方法としては、長い処理時間、高い処理温度を必要とせず、少量の原料で処理が可能な気相法を用いるが、その反応条件は、原料、基板の性質等に応じて適宜選定することができる。セラミックス薄膜を形成する際に用いる、セラミックス前駆体は、液体で蒸気圧が高いことが好ましい。特に、ポリマー基板へ処理する場合には、例えば、処理温度は80〜150℃、処理時間は3時間以上であることが好ましい。吸着膜の膜厚は処理時間により0.5〜500nmまで任意に制御することが可能であるが、膜厚は300nm以下であることが好ましく、更に好ましくは、1〜100nmである。膜厚が300nmを越えると、セラミックス薄膜への化学変化の効率が低下する。
次に、被覆膜のセラミックス化について説明すると、膜形成後に、酸素プラズマ、紫外線、電子線等で膜表面を処理することにより、セラミックス薄膜に化学変化させる。好ましくは、波長172nm以下の真空紫外光や電子線を利用するが、これらは、赤外線を含まないため、室温〜40℃で処理することができる。例えば、真空紫外光を使用する場合には、10〜1000Pa下で、10分以上処理するのが好ましい。大気圧下では、真空紫外光は雰囲気中の酸素分子に吸収されてしまうため、処理時間が真空下での処理と比較して長くかかる。セラミックス薄膜は300nm以下であるのが好ましい。
次に、自己組織化単分子膜の組成について説明すると、基板表面に分子認識機能を付与するために、セラミックス薄膜表面に、各種末端官能基、例えば、アミノ基、水酸基、メルカプト基、メチル基、アルコキシ基、カルボキシル基、フルオロアルキル基、アルデヒド基、シアノ基、スルフォン酸基、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、又は水素基を末端に有する化合物、例えば、有機シラン化合物、具体的には、オクタデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシル−1−トリメトキシシラン、N−6−アミノヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を化学的に反応させて、表面に自己組織化単分子膜を形成する。また、最初に、自己組織化単分子膜を形成する際に用いる有機シランには、フッ化炭素やメチル基といった、反応性の低い官能基が一つ入っていることが好ましい。反応性が高い有機シランを最初に用いると、二番目に形成する有機シラン等の自己組織化単分子膜と反応するので、自己組織化単分子膜/自己組織化単分子膜から構成される、異なる性質を有する表面の形成が困難になる。
異なる表面特性を有する自己組織化単分子膜は、ナノないしマイクロメータスケールで基板上に配置できる。また、セラミックス薄膜表面と強固な化学結合を得るためには、反応性官能基、OR:R=C2n+1、(例えば、メトキシ基)、が三つ以上入っていることが好ましい。なぜならば、反応性官能基が少ないと、セラミックス薄膜表面と自己組織化単分子膜との界面で十分な密着性が得られない。自己組織化単分子膜は、基板表面のセラミックス薄膜の、例えば、水酸基、水素、酸素含有極性基、ハロゲン等の間で化学結合を介して結合している。なお、膜厚は、例えば、セラミックス薄膜と低表面エネルギー薄膜、例えば、シリカ薄膜と自己組織化単分子膜、をあわせて350nm以下であることが好ましい。350nm以下の膜厚ならば、基板表面の形状や光学特性に変化を起こすことがない。
次に、自己組織化単分子膜の形成について説明すると、反応方法は特に限定されるものではないが、好ましくは、高価な反応装置、長い処理時間、高い処理温度を必要せず、少量の原料で処理可能な気相法を用いる。特に、ポリマー基板へ処理する場合は、例えば、処理温度は80〜150℃、処理時間は3時間以上の条件であることが好ましい。この処理により、セラミックス薄膜表面に、各種末端官能基を有する自己組織化単分子膜が形成される。単分子膜の膜厚は用いる分子の長さにより1〜10nm、好ましくは、0.5〜3nm、の範囲で、任意に制御することが可能である。膜厚が10nmを越えると、下記に示すリソグラフィーの時間が長くかかる。
次に、自己組織化単分子膜のリソグラフィーについて説明すると、自己組織化単分子膜を被覆した基板上に、フォトマスクや金属メッシュを設置し、酸素プラズマ、紫外線、電子線等をマスクやメッシュ越しに照射する。好ましくは、波長172nm以下の真空紫外光を利用する。真空紫外光は赤外線を含まないため、室温〜40℃で処理することができる。例えば、真空紫外光を使用する場合には、10〜1000Pa下で、10分以上処理することが好ましい。大気圧下では、真空紫外光は雰囲気中の酸素分子に吸収されてしまうため、処理時間が真空下での処理と比較して長くかかるため好ましくない。フォトマスクや金属メッシュが設置された領域は、真空紫外光が当たらないため、表面の自己組織化単分子膜は分解されない。
一方、それ以外の領域は、真空紫外光が当たるため、光分解により基板表面から除去され、下地のセラミックス薄膜が露出する。この処理により、自己組織化単分子膜及びセラミックス薄膜から構成される表面が形成される。この基板をそのまま利用することも可能であるが、自己組織化単分子膜の末端が不活性な官能基、例えば、メチル基やフルオロアルキル基、を有している場合は、異なる末端官能基を有する別の自己組織化単分子膜を、セラミックス薄膜領域に再度形成することができる。セラミックス薄膜領域は反応性が高いが、不活性な末端官能基を有する自己組織化単分子膜の領域は反応性がないために、この処理により、二つの異なった官能基を有する自己組織化単分子膜/自己組織化単分子膜から構成される表面の形成が可能である。
次に、機能性物質の析出については、上記リソグラフィー処理によって、例えば、自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜、自己組織化単分子膜/自己組織化単分子膜のパターンが構成されている表面を有する基板を作製することができる。これを、例えば、セラミックス前駆体、金属イオン、あるいは生体関連高分子が含まれる溶液中に、室温〜80℃で1分〜50時間、浸漬させると、例えば、末端官能基がメチル基の自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜から構成される表面を有する基板を用いた場合には、セラミックス前駆体は、基板上の全面に、均一に吸着する。このセラミックス薄膜上に析出したセラミックス前駆体は、セラミックス薄膜の水酸基と、セラミックス前駆体の水酸基間の脱水縮合反応により固定化される。一方、自己組織化単分子膜上に析出したセラミックス前駆体は、物理吸着され、トルエン中での超音波洗浄により、容易に除去されるため、セラミックス前駆体を、セラミックス薄膜が露出させてある、所望の位置に選択的に配置することができる。また、例えば、末端官能基がメチル基の自己組織化単分子膜/末端官能基がアミノ基の自己組織化単分子膜から構成される表面を有する基板を用いた場合は、タンパク質は、生体活性なアミノ基終端自己組織化単分子膜上に選択的に析出する。
上述したとおり、基板表面に300nm以下のセラミックス薄膜を形成することにより、当該処理基板、特に、ポリマー基板の表面のみを無機化することで、その上に、高密度で、密着性、配向性に優れた自己組織化単分子膜を形成することができるという作用効果が得られる。この現象は、基板表面、特にポリマー表面に、セラミックス薄膜を形成する場合に著しい。本発明において、最も重要なプロセスである、セラミックス薄膜を形成する際に用いるセラミックス前駆体は、液体で蒸気圧が高いこと、及び気相法を用いて製膜することが重要であり、それにより、ポリマー基板表面の親水性能の持続性を向上させるとともに、処理基板表面と自己組織化単分子膜との密着性を著しく向上させることが可能になる。上記の処理基板上で、高密度で、密着性、配向性に優れた自己組織化単分子膜が形成できるのは、セラミックス薄膜の被覆により、下地の基板の影響を受けにくくなることと、セラミックス薄膜表面に存在する、水酸基等の官能基が、均一であるという化学的な効果による。
本発明では、上述のプロセスにより、無機薄膜で被覆した基材上に、末端官能基を有する自己組織化単分子膜を形成した自己組織化単分子膜形成基板、この自己組織化単分子膜形成基板上に、2種以上の官能基の終端がナノ〜マイクロメーターオーダーで配置されているヘテロ構造体、自己組織化単分子膜のドメイン領域に、2種以上の官能基の終端がナノ〜マイクロメーターオーダーで交互に配置されているヘテロ構造体、及び上記へテロ構造体に機能性物質を固定化したマイクロ構造体を作製し、提供することが可能となる。本発明は、上述の空間精密配置技術を用いることにより、基板上に所定の材料を順次載置していく手法で、末端官能基を有する自己組織化単分子膜、該単分子膜のドメイン領域に2種以上の官能基の終端をデュアルに配置したヘテロ構造体、該ヘテロ構造体に機能性物質を固定化したマイクロ構造体等を作製することが可能であり、それにより、上記ヘテロ構造体等から成るマイクロセンサー、バイオセンサー、バイオチップ及び実装基盤等のデバイスを提供することができる。
本発明により、(1)基板表面に、不純物が少ないセラミックス薄膜を形成して、基板表面特性を改善することができる、(2)基板の特性の影響を受けない表面特性を形成することができる、(3)表面に存在する水酸基等の官能基が均一に分布しているセラミックス薄膜を基板表面に設けることができる、(4)基板表面に設けた、セラミックス薄膜上に、自己組織化単分子膜を形成するにあたり、基板表面の性質の影響を緩和することができる、(5)セラミックス薄膜を基板表面に設けることにより、その表面に、高密度で、密着性・配向性に優れた、極性基を有する自己組織化単分子膜を形成することができる、(6)表面特性の異なる、複数の自己組織化単分子膜を形成することによって、機能性物質の析出を制御することができる、(7)従来困難であった、ポリマーの表面に、機能性物質を配置することを可能とする、(8)機能性物質を、ナノないしマイクロメータスケールでの析出を可能とする、(9)マイクロセンサー、バイオセンサー、バイオチップ、実装基板等のデバイス作製において、特に有効で新規な、空間精密配置技術を提供することが可能である、という格別の効果が奏される。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は、本発明の好適な例を示すものであり、本発明は、実施例によって何ら限定されるものではない。
ポリイミド基板(東レ・Dupont製、Super300V)を、1000Pa下で30分間、波長172nmの真空紫外光に暴露して親水化した基板表面に、オルトケイ酸テトラエチル((CO)Si、和光製)の蒸気を利用して、80℃で1時間の処理条件で、気相から、オルトケイ酸テトラエチルを吸着させ薄膜を形成した。この試料表面に再度、同じ光源を利用して、1000Paで30分間、真空紫外光を照射し、膜厚、2nmのセラミックス超薄膜に変換した。このセラミックス表面に、n−オクタデシルトリメトキシシラン(HC[CH17Si[OCH)の自己組織化単分子膜(ODS−SAM)を150℃、3時間で、CVD処理することにより形成した。この基板表面に、フォトマスクをのせ、マスク越しに真空紫外光を10Paで30分間照射した後、これを、0.05mol/Lの塩化スズ(II)二水和物を、0.4mol/Lの塩酸に溶解した溶液中に設置し、65℃、50時間攪拌することにより、パターン化基板全面に、スズ水酸化物を含む粒子状の酸化スズから構成される薄膜を形成した。この基板を、ヘキサンあるいは無水トルエン中で30分間超音波洗浄したところ、真空紫外光が当たり、セラミックス超薄膜が露出している領域上には酸化錫薄膜が形成された。
ポリイミド基板(東レ・Dupont製、Super300V)を、1000Pa下で30分間、波長172nmの真空紫外光に暴露して親水化した基板表面に、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(C16Si:アズマックス製)の蒸気を利用して、80℃で3時間の処理条件で、気相から1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを物理吸着させて薄膜を形成した。この試料表面に、再度、同じ光源を利用して、1000Paで30分間、真空紫外光を照射して、膜厚、2nmのセラミックス薄膜とした後、この基板表面に、気相から、N−(6−アミノヘキシル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(HN[CHNHCHCHCHSi[OCH)の自己組織化単分子膜を形成した。この表面にフォトマスクをのせ、マスク越しに真空紫外光を10Paで30分間照射した後、この基板を、pH5に調整した塩化パラジウム溶液中に20分間浸漬した後、25℃の無電解銅メッキ浴(上村工業製)に1分間浸漬した。基板表面の、真空紫外光が当たっていない、自己組織化単分子膜が露出している領域上には、銅メッキが形成された。
シリコン基板を10Pa下で30分間、波長172nmの真空紫外光に暴露して親水化した基材表面に、トリエトキシシリルウンデカナール(HOC[CH10Si[OC)を気相から130℃で3時間吸着させることでアルデヒド基終端自己組織化単分子膜(アルデヒドSAM)を作製した。この基材表面にフォトマスクをのせ、マスク越しに真空紫外光を10Paで30分間照射し、アルデヒドSAMを局所的に分解した。その後、超純水、硝酸銀、アンモニア水を、モル比0.1:0.11:100で混合・調整した水溶液に被膜面を下にして浸漬し、70℃で180分間静置した。反応終了後、超純水で洗浄し、Nガス気流下で乾燥させた。
(比較例1)
ポリイミド基板(東レ・Dupont製、Super300V)を、1000Pa下で30分間、波長172nmの真空紫外光に暴露して親水化した基板表面に、n−オクタデシルトリメトキシシラン(HC[CH17Si[OCH)の自己組織化単分子膜(ODS−SAM)を150℃、3時間でCVD処理することにより形成した。この基板表面にフォトマスクをのせ、マスク越しに真空紫外光を10Paで30分間照射した後、この基板を、0.05mol/Lの塩化スズ(II)二水和物を、0.4mol/Lの塩酸に溶解した溶液中に設置し、65℃、50時間攪拌することにより、パターン化基板全面に、スズ水酸化物を含む粒子状の酸化スズから構成される薄膜を形成した。この基板を、ヘキサンあるいは無水トルエン中で30分間超音波洗浄したところ、基板表面上には酸化錫の薄膜は形成されなかった。
(比較例2)
ポリイミド基板(東レ・Dupont製、Super300V)を、1000Pa下で30分間、波長172nmの真空紫外光に暴露して親水化した基板表面に、気相から、N−(6−アミノヘキシル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(HN[CHNHCHCHCHSi[OCH)の自己組織化単分子膜を形成した。この基板表面にフォトマスクをのせ、マスク越しに真空紫外光を10Paで30分間照射した後、基板をpH5に調整した塩化パラジウム溶液に20分間浸漬した後、25℃の無電解銅メッキ浴(上村工業製)に1分間浸漬した。基板表面上には銅メッキが形成されなかった。
以上の、2つの実施例、2つの比較例で作製した試料を相対的に評価すると、セラミックス、金属の選択析出、いずれの場合においても、ポリマー基板にセラミックス薄膜を形成した後に、自己組織化単分子膜を被覆した基板のみが、物質の空間精密配置を実現していることが分かった。一方、自己組織化単分子膜を直接、ポリマー基板に被覆した基板では、物質の選択的な析出は実現できなかった。また、実施例3では、還元性を示すアルデヒド基で、シリコン基板を被覆することにより、銀イオンが還元され、アルデヒド基終端領域にのみ、選択的に銀が析出した。
以上詳述したように、本発明は、基板表面に気相から付着させたセラミックス前駆体等を、紫外線等を利用して化学的にセラミックス薄膜に化学変化さて、基板表面に300nm以下のセラミックス薄膜を形成することにより、基板、特に、ポリマー基板上に、高密度/高配向性の自己組織化単分子膜が、密着性良く形成されることを可能とし、それによって、機能性物質の空間精密配置を可能とする本発明は、基板表面の所定の位置に配置された官能基と、固定化される物質との間で働く分子認識機能を利用して、当該物質を基板の所望の位置に選択的に析出させることを可能とするものであり、マイクロアレイ等を形成するのに有用である。また、本発明は、高次ナノ構造のデバイス等に応用が可能な、基盤技術の一環として注目されている、基板上に、機能性物質を、空間的に、精密に、配置する技術として有用であり、例えば、マイクロセンサー、バイオセンサー、バイオチップ、実装基盤等のデバイスを製造する技術として有用である。
実施例1の、アルキル基終端自己組織化単分子膜/セラミックス超薄膜から構成される、ポリイミド基板上に作製された酸化スズ薄膜の光学顕微鏡写真を示す。 比較例1の、アルキル基終端自己組織化単分子膜/ポリイミドから構成される、ポリイミド基板上に作製された酸化スズ薄膜の光学顕微鏡写真を示す。 実施例2の、アミノ基終端自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜から構成される、ポリイミド基板上に作製された銅薄膜の光学顕微鏡写真を示す。 比較例2の、アミノ基終端自己組織化単分子膜/ポリイミドから構成される、ポリイミド基板上に作製された銅薄膜の光学顕微鏡写真を示す。 実施例及び比較例に係わる金属酸化物薄膜と金属薄膜のパターン製造方法を模式的に示したものである。 実施例5のアルデヒド基終端自己組織化単分子膜/シリコン表面から構成されるシリコン基板上に作製した銀薄膜の光学顕微鏡写真を示すものである。

Claims (23)

  1. 無機薄膜で被覆した基材上に、末端官能基を有する自己組織化単分子膜を形成したことを特徴とする自己組織化単分子膜形成基板。
  2. 基材上に、膜厚が0.5〜500nmの無機薄膜を被覆した請求項1に記載の自己組織化単分子膜形成基板。
  3. 無機薄膜としてセラミックス薄膜で被覆した基材上に、末端官能基を有する自己組織化単分子膜を形成した請求項1に記載の自己組織化単分子膜形成基板。
  4. 基材が、金属、セラミックス、ガラス、プラスチックの内から選択される1種以上である請求項1に記載の自己組織化単分子膜形成基板。
  5. 末端官能基が、アミノ基、水酸基、メルカプト基、メチル基、カルボキシル基、フルオロアルキル基、アルデヒド基、シアノ基、スルフォン酸基、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、水素基の内から選択される1種以上である請求項1に記載した自己組織化単分子膜形成基板。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の自己組織化単分子膜形成基板上に、2種以上の官能基の終端がナノ〜マイクロメーターオーダーで配置されていることを特徴とするヘテロ構造体。
  7. 自己組織化単分子膜のドメイン領域に、2種以上の官能基の終端がナノ〜マイクロメーターオーダーで交互に配置されている請求項6に記載のヘテロ構造体。
  8. 請求項6又は7に記載のヘテロ構造体に機能性物質を固定化したことを特徴とするマイクロ構造体。
  9. 機能性物質が、セラミックス、金属、生体関連物質、ダイヤモンド、ポリマーの内から選択される1種以上である請求項8に記載のマイクロ構造体。
  10. 基材表面に、高密度/高配向な、自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法であって、(1)表面改質した基材表面に、セラミックス前駆体を気相から付着させて、セラミックス前駆体薄膜を形成する、(2)上記薄膜をセラミックス薄膜に変換する、(3)この単分子膜の表面をパターニングする、(4)上記セラミックス薄膜の表面に、所定の末端官能基を有する自己組織化単分子膜を形成する、ことにより、上記セラミックス薄膜の一部又は全部に自己組織化単分子膜を形成することを特徴とする自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  11. 基材表面に、膜厚300nm以下のセラミックス前駆体薄膜を気相から形成した後、この表面を、酸素プラズマ、紫外線又は電子線で処理することにより、セラミックス前駆体をセラミックス薄膜に変換する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  12. セラミックス前駆体に、波長172nm以下の真空紫外線を、圧力10〜1000Pa、室温〜40℃の条件下で照射し、セラミックス薄膜に変換する請求項11に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  13. 基材が、金属、セラミックス、ガラス、ダイヤモンド又はポリマーである請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  14. 基材として、水素終端処理した、ゲルマニウム、ダイヤモンド、炭化ケイ素、又はシリコン基板を使用し、末端官能基を有するアルケン分子の自己組織化単分子膜を形成する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  15. 基材の形状が、板状、粉末状、チューブ状又はフィルム状である請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  16. 末端が不活性な官能基を有する単分子を用いて形成した自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜のセラミックス薄膜領域に、異なる末端官能基を有する別の自己組織化単分子膜を再度形成し、自己組織化単分子膜/自己組織化単分子膜から構成される表面を形成する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  17. セラミックス薄膜の表面に、アミノ酸、水酸基、メルカプト基、メチル基、カルボキシル基、フルオロアルキル基、アルデヒド基、シアノ基、スルフォン基、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、水素基を末端に有する化合物の中から選択される1種以上の化合物の自己組織化単分子膜を形成する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  18. 単分子膜の表面に、フォトマスク又は金属メッシュを配置し、酸素プラズマ、真空紫外光、又は電子線を照射して、パターニングすることにより、自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜から構成される表面を形成する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  19. セラミックス薄膜の一部又は全部に形成した自己組織化単分子膜を有する基板を、セラミックス前駆体、金属イオン、生体関連高分子を含む溶液中に浸漬することにより、当該物質を基板表面に精密に配置する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  20. 自己組織化単分子膜又はセラミックス薄膜状上に、アミノ基、水酸基、メルカプト基、メチル基、カルボキシル基、フルオロアルキル基、アルデヒド基、シアノ基、スルフォン酸基、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、又は水素基を末端に有する化合物から選ばれた1種類以上の化合物を固定化する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  21. 自己組織化単分子膜又はセラミックス薄膜状上に、粒子/コロイド、薄膜、クラスター、チューブ又はファイバーの形状をした物資を固定化する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  22. 末端官能基が不活性な自己組織化単分子膜/セラミックス薄膜から構成される表面を有する基板を、セラミックス前駆体の溶液に浸漬し、基板表面にセラミックス前駆体を固定化した後、トルエン中で超音波洗浄し、セラミックス前駆体を上記セラミックス薄膜上に選択的に配置する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
  23. 末端官能基が不活性な自己組織化単分子膜/末端がアミノ基からなる自己組織化単分子膜から構成される表面を有する基板を、タンパク質の溶液中に浸漬し、基板表面にタンパク質を固定化して、タンパク質を上記アミノ基終端自己組織化単分子膜上に選択的に配置する請求項10に記載の自己組織化単分子膜を形成した基板の作製方法。
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