JP2005286315A - シリカ被覆した希土類系磁性粉末およびその製造方法並びにその用途 - Google Patents

シリカ被覆した希土類系磁性粉末およびその製造方法並びにその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温、多湿の環境下において使用されるボンド磁石用として、耐酸化性に優れ、磁気特性が低下しない極めて有用な希土類系磁石を提供する
【解決手段】 希土類系磁性粉末を加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させ、該分散液にSi含有化合物を含む溶液を、シリカ膜の最大堆積速度が50nm/hr以下の速度になるように混合する工程を含むシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法及び希土類系磁性粉末の表面に、膜厚0.5〜5nmのシリカ薄膜により多層に被覆された平均粒径が0.1〜20μmの希土類系磁性粉末であって、水に配合し50℃、6時間経過した時に磁性粉末1g当りから発生する水素ガスの体積が、5cm以下であることを特徴とするシリカ被覆希土類系磁性粉末。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐酸化性に優れた希土類系ボンド磁石用シリカ被覆磁性粉末(本発明において「シリカ」とは、Si含有化合物の加水分解生成物であるシリコンオキサイド水和物及びその脱水した二酸化珪素(SiO)の双方を意味する。)およびその製造方法に関するものである。
ボンド磁石は寸法精度が高く、複雑な形状の磁石を容易に製造することができる。その中でも、希土類系のボンド磁石は、高い磁気特性を有しており、利用製品が増加しており、通信機器、パソコンに代表される情報処理機器、家庭用電化製品、音響機器、自動車用部品等の永久磁石材料のモーター等として組み込まれている。また、各種センサーにも利用される。
このようなボンド磁石を形成するための希土類系のボンド磁石用粉末は、空気中で酸化されやすく、高温高湿環境下では保存することができないという問題がある。また、該粉末を用いて形成したボンド磁石も高温高湿環境下で使用すると酸化され、磁気特性が低下することが知られている。特に自動車エンジンルーム内で使用されるモータ等では150℃以上の使用環境になり、またハードディスク、CD−ROM用のスピンドルモーターでは高倍速化により回転数、発熱量が増加し、厳しい条件にさらされる。これらの影響は特に微粉末になると表面積が増えるためにより顕著になる。さらに磁性粉の酸化による磁気特性の低下以外にも樹脂と複合化するときに100℃以上の温度にすると微粉末が発火するという危険性もある。
このため酸化防止のためには、希土類系ボンド磁石用粉末に、(a)防錆油により表面処理を施す方法、(b)燐酸塩等により化成処理を施す方法、(c)ポリオレフィン、ポリスチレン等の高分子保護皮膜を形成する方法、或は、(d)ゾル−ゲル反応等により、粉体表面に二酸化珪素の保護皮膜を形成する方法等が提案されている。しかしながら、
(a)防錆剤による表面処理の方法では、十分な耐酸化性が得られず、
(b)燐酸塩等による化成処理の方法では、磁気特性が低下する、
等の課題があることが知られている。
また、
(c)高分子保護皮膜については、比較的低温の条件でも熱による劣化が起こり耐酸化性を失うため、使用する環境条件に限界があり、また保護機能を発揮するには、通常10μm以上の厚さが必要となるため、ボンド磁石中での磁石粉末の実効的体積分率が下がり、ボンド磁石の磁気特性が低下する点等
の課題がある。
比較的効果があるとされている(d)ゾル−ゲル反応等による二酸化珪素保護皮膜の形成方法としては、例えば、エチルシリケートと酸を溶液中で混合、SiO換算で0.1〜5質量%の溶液とした液にNdFeB系磁性粉末を浸漬する。その後80〜500℃で加熱焼成し、0.1〜2μmのSiO皮膜とする提案がある(例えば、特許文献1参照)。しかしこの場合、一般に該膜は0.1μm以上の厚い膜を形成してもガスバリアー性は向上せず、かえってクラックが発生し問題になる(特許文献2)ことが知られている。
また、高温加熱焼成によって磁性粉への酸化を促進させ、せっかく形成した膜に亀裂や剥離をもたらす恐れもあり、耐酸化性に優れた保護皮膜の形成には多くの課題が残されている。
また、100〜300g/リットルの珪酸ナトリウム等の珪酸塩をRCo系あるいはRFeB系磁性粉末に添加後、エタノールにより脱水しコート(Rは希土類元素を意味する)の提案もある(例えば特許文献3参照)。この方法ではシリカが一気に析出して、微粒子状のシリカで粉末表面が覆われ、また被覆性も悪い。従って磁性粉末の耐酸化性も劣る。
またエチルシリケートとアルカリと安定剤を溶液中で混合して、シリカゾル溶液を生成後、この処理剤にSmを含有する磁性粉末を投入し、シリカコートをしている提案もある(例えば特許文献4、特許文献6参照)。
これらの方法は、磁性粉末に必要量以上のシリカゾルのようなシリカ膜源を溶液中に生成させ、磁性粉末を投入して粉末表面にこれらを付着させる方法である。
一方、アルキルシリケートを磁性粉末に添加、ミキサーにより混合することでアルキルシリケートを分散被覆する。その後、アンモニア、水、アルコールを添加、ミキサーで混合することでシリカゾルを形成する。最後に加熱処理を行い、シリカ被覆を行っている(例えば特許文献5参照)。形成されたシリカ膜は走査型電子顕微鏡レベル(SEM)で粒子状シリカは観察されないとしている。しかしながら、この方法は、溶液中でシリカ被覆を行うのではなく、乾燥粉末に近い状態でシリカゾルを磁性粉末表面に塗りつける方法であり、シリカ被覆の均一性で問題がある。また、前述の特許と同様にシリカの生成速度が制御されておらず、シリカが一気に析出する問題もあるために、SEMレベルでの観察よりミクロな観点では、超微粒子の集合体のようになっており、膜のバリアー性は充分ではなく、磁性粉末に充分な耐酸化性、特に高温下における耐酸化性を付与するのは困難である。
特開平08−111306号公報 特開平06−93120号公報 特開昭62−152107号公報 特開2001−176711号公報 特開2000−309802号公報 特開平11−111514号公報 C.JEFFERY BRINKER著、「SOL−GEL SCIENCE」、ACADEMIC PRESS.(1990)p581〜p583、
本発明の目的は、前述した問題点に鑑み磁性粉末に酸化保護膜として、磁性粉末表面に緻密なシリカ被覆を行うことによって、ボンド磁石の使用環境下、特に高温(150℃以上)、多湿な環境下の長時間使用であっても磁気特性低下を最小限に改善したシリカ被覆磁性粉末、その製造方法、それを利用した各種の用途に関する。
本発明者は上記の問題点に対して鋭意研究を行なった結果、シリカ被覆磁性粉末の耐酸化性が、水中においての水素ガス発生量と極めて密接に関連し、この量が特定条件下で1g当り5cm以下であるときは、耐酸化性が極めて優れていること(磁性特性の劣化が少ないこと。)が分かった。このようなシリカ被覆は、磁性粉末にシリカ多層膜を形成をゆっくりと形成すること、特にシリカ膜が磁性粉末を覆っていく速度に合わせてシリカ源を系内に投入するすることによって、シリカ薄膜の多層膜で磁性粉末の表面上に緻密な連続膜であるシリカ膜で被覆すること、或いはSi化合物の加水分解によるシリカの生成を磁性粉末表面で行うことにより上記の課題を解決することを見出し、本発明に到った。
すなわち本発明は、
[1] シリカで被覆した平均粒径が0.1〜20μmの希土類系磁性粉末であって、水に配合し50℃、6時間経過した時に磁性粉末1g当りから発生する水素ガスの体積が、5cm以下であることを特徴とするシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[2] 希土類系磁性粉末の表面に、膜厚0.5〜5nmのシリカ薄膜により多層に被覆された上記[1]に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
[3] シリカ多層膜の全厚が3〜900nmである上記[1]または[2]に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[4] シリカ多層膜の1150〜1250cm−1[I]と1000〜1100cm−1[I]における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比I[I=I/I]が、0.2以上であり、且つシリカ多層膜の屈折率が1.435以上であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[5] シリカ多層膜中のSi元素量が、磁性粉末質量に対して1〜10質量%である上記[1]〜[4]のいずれかに記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[6] シリカ被覆希土類系磁性粉末を150℃以上、1時間以上の条件で加熱処理したものである上記[1]〜[5]のいずれかに記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[7] シリカ被覆希土類系磁性粉末を、カップリング剤により処理した上記[1]〜[6]のいずれかに記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[8] カップリング剤が、シラン系カプリング剤、アルミニウム系カプリング剤及びチタネート系カプリング剤から選ばれた少なくとも1種である上記[7]に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[9] 希土類系磁性粉末が希土類元素Smを含むことを特徴とする上記[1]〜[8]のいずれかに記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[10] 希土類系磁性粉末が、Sm−Co系、またはSm−Fe―N系であることを特徴とする上記[1]〜[8]のいずれかに記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[11] 希土類系磁性粉末がSm−Fe―N系であり、かつ磁気異方性であることを特徴とする上記[10]に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[12] 希土類系磁性粉末を加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させ、該分散液にSi含有化合物を含む溶液を、シリカ膜の最大堆積速度が50nm/hr以下の速度になるように混合することからなるシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法、
[13] Si含有化合物を含むシリカ皮膜形成用組成物と、アルカリ処理をした希土類系磁性粉末とを混合することからなるシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法、
[14] シリカ皮膜形成用組成物が、加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含み、且つ未分解のSi含有化合物を含む組成物である上記[13]に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法、
[15] Si含有化合物が、シリコンアルコキシドである上記[12]〜[14]のいずれかに記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法、
[16] シリコンアルコキシドが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランから選ばれた少なくとも1種である上記[15]に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法、
[17] 加水分解触媒が、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムから選ばれた少なくとも1種である上記[12]〜[14]のいずれかに記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法、
[18] 上記[12]〜[17]のいずれかに記載の方法により製造されたシリカ被覆希土類系磁性粉末を、150℃、1時間以上の条件で加熱処理することを特徴とするシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法、
[19] 上記[12]〜[18]のいずれかに記載の方法により製造されたシリカ被覆希土類系磁性粉末、
[20] 上記[12]〜[18]のいずれかに記載の方法により製造されたシリカ被覆希土類系磁性粉末を含む樹脂またはゴムを含む組成物、
[21] 上記[19]に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末または上記[20]に記載の樹脂またはゴムを含む組成物を含む希土類系ボンド磁石、
[22] 上記[21]に記載の希土類系ボンド磁石が使用されたモーター、及び
[23] 上記[21]に記載の希土類系ボンド磁石が使用されたセンサー、を発明することにより上記の課題を解決した。
本発明の多層のシリカ薄膜で被覆されたシリカ被覆磁性粉末は、シリカ多層膜被覆磁性粉末としてもまたボンド磁石として高温、多湿の環境下において使用された時も、耐酸化性に優れ、磁気特性が低下しない磁性粉末または磁石を提供するものである。
本発明のシリカ多層膜により被覆された磁性粉末の製造方法の概略を説明する。本発明で用いる磁性粉末は、希土類系磁性粉末ならば特に限定されるものではなく、一般に使用されているNdFeB系、SmCo系、SmFeN系が使用できるが、耐熱性を考慮するときは、好ましくはSmCo系、SmFeN系またはSmFeB系、さらに好ましくはSmFeN系磁石である。これらは混合して使用することも可能である。また磁気異方性、等方性の磁性粉末の双方を好適に使用できる。
SmCo系、SmFeN系磁性粉末の組成は特に限定されるものではなく、希土類としてSmを含んでいればよい。SmFeN系合金の場合は、磁気の温度特性を向上させるためにFeの一部をCo、Zr、Vの少なくとも1種で置換しても良い。またSmの一部をLa、Y、Gd、Tb、Ce、Nd、Dy、Gd、Pm、Eu、Pr、Ho、Er、Tm、Yb、Luの少なくとも1種で置換しても良い。
SmFeN系合金の製造方法は特に限定されるものではない。一般的にはSmFe系合金が鋳造法、還元拡散法、急冷法などによって合成され、これに窒化処理を施すことによってSmFeN系合金となる。
このようにして製造されたSmCo系、SmFeN系合金はボンド磁石として成型される前に粉砕される。特に異方性SmFeN系の磁性粉末では保磁力を大きくするために平均粒径0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmまで粉砕する。平均粒径が0.1μm以下になると表面積が大きくなり発火の危険性が増大するだけでなく粉砕のコストも上昇するので好ましくない。一方20μmを超えた粗大粒子であるときには磁気特性、保磁力が小さくなり、ボンド磁石として時に性能の低下になるので好ましくない。
粉砕装置、粉砕条件等の粉砕方法は特に限定されるものではないが、有機溶媒中での湿式粉砕、不活性雰囲気下での乾式粉砕を行ってもよい。粉砕方法はスタンプミル、フェザーミル、ディスクミル、振動ミル、ボールミル等が挙げられる。この結果、磁性粉体は保磁力は大きくなり、また表面積が大きくなるため酸化されやすくなる。
磁性粉末は、乾燥粉体で使用しても良いし、乾燥粉末にすると粉塵爆発の危険性や取り扱いの困難さを伴うときは、有機溶媒を含浸したケーキやペーストを用いてもよい。また磁性粉末の表面をアルカリ剤で処理して表面をアルカリ性としておいてからシリカ被覆をしてもよい。この処理は気相でアンモニアガスなどで気相処理をしても良いし、また苛性ソーダなどのアルカリ性水溶液で処理したものであってもよい。
磁性粉末はそのまま或いは水性分散組成物として使用する。磁性粉末を分散させる分散媒としては、水、親水性有機溶媒、加水分解触媒などを含む水溶液を使用する。
親水性有機溶媒は水と親和性があり、水と混合して均一溶液を形成するものであれば、特に制限はないが、好ましい例としてはグリコール類やアルコール類が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を用いることができる。グリコール類としては、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。また、アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノールなどが挙げられる。これらの中では磁性粉末の分散性の観点からプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールが特に好ましい。
有機溶媒は、これらの内1種を単独でも、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。本発明で用いられる親水性有機溶媒には、特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものが適している。
磁性粉末をシリカ薄膜で被覆するのに用いるSi含有化合物としては、加水分解してシリカとなる化合物であれば使用できるが、中でもシリコンアルコキシド類が好ましい。シリコンアルコキシド類としては、特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものがよい。一般式 Si−(OR)(RはC1〜C5のアルキル基などの炭化水素基を示す)で示されるものや、アルコキシ基の一部をアルキル基に変えたものも用いることができる。具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等がある。また、そのシリコンアルコキシドはモノマーでも、オリゴマーでもよく、また、その混合物でも構わない。また、本発明のシリカ薄膜で被覆するのに用いるSi含有化合物として、中でも適当な加水分解速度を有するテトラエトキシシランが特に好適に用いられる。
シリコンアルコキシド類の使用量は、用いる磁性粉末の種類、目的などによって異なるため一概には規定できないが、シリカ膜中のSi原子量が磁性粉末に対して1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%、さらに好ましくは2〜4質量%となるように使用量を設定する事が望ましい。
シリコンアルコキシド類の使用量が少ない場合は、シリカ膜のバリアー性が不充分となり、ボンド磁石に適用した場合は耐酸化性が不十分となり磁気特性の低下が起こる。またシリコンアルコキシド類の使用量が多すぎる場合には、磁性粉末の表面にシリカが付き過ぎ、ボンド磁石中での磁性粉末の実効的体積分率が下がりボンド磁石の磁気特性が低下する弊害が起こる。
シリカ薄膜の膜厚は、シリカ(SiO)分子1層以上であればよいが、約0.5〜10nm、好ましくは約0.5〜5nmである。また、シリカ薄膜は、磁性粉末表面の少なくとも一部分を被覆していればよく、シリカ薄膜が重なりあって多層状態をつくり、シリカ多層膜が結果的に磁性粉末の全表面を被覆していればよい。シリカ多層膜は均一でも不均一でもよく、緻密な(密度が高く、欠陥がない)連続した膜であればよい。
シリカ多層膜の膜厚に関してはバリアー性の観点から、約3〜900nmであり、より好ましくは約3〜300nm、さらに好ましくは約3〜100nmである。なお、シリカ膜厚は透過型電子顕微鏡像より求めることができる。
加水分解速度は、用いる水のシリコンアルコキシドとのモル比や濃度、及び、加水分解触媒のシリコンアルコキシド類とのモル比や濃度によって調整される。シリコンアルコキシド類が加水分解されシラノール性−OH基が形成され、磁性粉末表面にある−OH基等と縮合反応し、また、シリコンアルコキシド類の重合反応によりSi−O−Si結合ができるため、磁性粉末表面にシリカ皮膜が形成されると考えられる。
本発明で用いるSi含有化合物を加水分解するための加水分解触媒は、特に限定はなく、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ塩類、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピリジン、アニリン、コリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、グアニジン等の有機アルカリ類、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、乳酸ピリジン、グアニジノ酢酸、酢酸アニリン等の有機酸アルカリ塩を用いることができる。特に、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
本発明で用いられる加水分解触媒には特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものがよい。
本発明でのシリカ皮膜形成用組成物に用いる水は、特に制限はなく、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水、超純粋が使用できる。好ましくは濾過等により粉末を除去した水である。水中に粉末が含まれると、製品中に不純物として混入するので好ましくない。
水は、有機溶媒/水比が容量比で0〜40の範囲、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜10の範囲である。この範囲を外れ有機溶媒が大量であるときは、加水分解の進行が不十分となり成膜できない場合や、成膜速度が極端に落ちる場合がある。有機溶媒/水比が2未満では、アルカリ金属を含まない加水分解触媒、例えば、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等を用いれば成膜ができる。
加水分解触媒は、これらの内1種を単独でも、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。加水分解触媒の添加量は、例えば炭酸ナトリウムの場合0.002モル/リットル程度の微量添加で成膜可能であるが、1モル/リットル程度の大量の添加を行ってもかまわない。しかし、固形触媒成分を溶解しない量添加すると、磁性粉末中に不純物として混入するので好ましくない。アルカリ金属を主成分として含まない加水分解触媒を用いることにより、アルカリ金属含有量の少ないシリカ皮膜を形成できる。中でも、成膜速度、残留物除去のし易さから、特にアンモニア、エチレンジアミン、無機アンモニウム塩(例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム)が好ましい。
本発明の、保磁力に優れる耐酸化性の優れたシリカ被覆磁性粉末は、平均粒径が0.1〜20μmであって、水に配合し50℃、6時間経過した時にシリカ被覆磁性粉末の磁性粉末1g当りから発生する水素ガスの体積が、5cm以下であることが必要である。
本発明のシリカ皮膜形成用組成物を用いた、シリカ多層膜で被覆された磁性粉末の製造方法について説明する。
通常は、磁性粉末をシリカゾルとなっているシリカ皮膜形成用組成物に浸漬し、所定温度に保持しておくことによりシリカ皮膜を形成させている。これはまずシリカ皮膜形成用組成物(シリカゾル)を予め調製しておき、その中に磁性粉末を投入し、シリカ皮膜を粉末表面に堆積させる方法、磁性粉末を容器に入れておき、シリカ皮膜形成用組成物をそこで調製して表面に堆積する方法等の手法を用いることが用いられている。この場合シリカ皮膜形成用組成物原料、磁性粉末を投入する順番は、何れが先でも皮膜形成が可能である。しかし析出したシリカゾルは吸着してシリカ皮膜となることは抵抗が大きく、遊離のシリカの混入を防ぐことが困難である。
これに対し本発明者らは、シリカゾルを経由せずに、磁性粉末と溶媒と水と加水分解触媒によりなる懸濁液を作り、これにSi含有化合物(例えばテトラアルコキシシラン)の濃度をコントロールしながら連続的に投入すると、生成する加水分解物(シリカ)は磁性粉末表面に堆積し、そこをベースとしてシリカ膜を成長させ、遊離のシリカを含むことが極めて少ない緻密性の良好なシリカ皮膜を形成でき、工業的に有用な連続プロセスを構成できることも見いだした。
シリカ皮膜は、シリカ皮膜形成用組成物からの加水分解物(シリカ)の堆積により成長するので、成膜時間を長くすれば膜厚を厚くできる。勿論、皮膜形成用組成物中のシリコンアルコキシドが、皮膜の形成により大部分消費された場合には、成膜速度は著しく低下するが、消費されたシリコンアルコキシド相当分を順次添加することにより、連続して実用的な成膜速度で皮膜の堆積を行なうことができる。また、皮膜形成用組成物中に磁性粉末を所定時間保持し、シリコンアルコキシド成分を消費せしめ、シリカ皮膜を堆積させ、シリカ被覆磁性粉末製品として系外に取り出した後、シリコンアルコキシド成分(所望のシリカ皮膜となるようなシリコンアルコキシド成分)を添加すれば、引き続いてシリコンアルコキシド成分を添加することにより、該組成物を次の磁性粉末のシリカ皮膜の堆積に用いることができるので、生産性の高い連続プロセスを構築できる。
また別法として、未分解のSi化合物を含む溶媒、水及び加水分解触媒からなるシリカ皮膜形成用組成物懸濁液にアルカリ処理をした磁性粉末を添加する。この場合には、磁性粉末表面のアルカリによりSi化合物が加水分解されて表面に加水分解物(シリカ)が析出する。この加水分解物は表面のアルカリとの反応により析出したものであるため、磁性粉末表面に強固に固着できるものと推定される。この磁性粉末表面の加水分解物が必要厚さのシリカ皮膜を形成するのに不足している時は、上記のように必要な量のSi化合物を含むシリカ皮膜形成用組成物を連続的に添加することにより必要な厚さのシリカ皮膜を形成できる。この場合においては、以降のシリカ皮膜の成長は、上記と同様にシリカ皮膜形成用組成物からのシリカの堆積により成長するので、成膜時間を長くすれば膜厚を厚くできる。
このようにして磁性粉末表面に形成されたシリカ皮膜層は、緻密であるためか水に配合し50℃、6時間経過した時にシリカ被覆磁性粉末の磁性粉末1g当りから発生する水素ガスの体積が、確実に5cm以下、好ましくは3cm以下、より好ましくは1cm以下となる。
後者の別法では、磁性粉末の表面はアルカリ性化合物でカバーされているため、未分解のSi化合物はまずこれと反応してシリカとなり、これは選択的に磁性粉末表面に析出し、このシリカが液中に懸濁しているシリカゾルを吸着してシリカ多層膜を形成していくのではないかと想像している。
従来のシリカ皮膜形成においては、磁性粉末表面に直接Si化合物(有機金属アルコキサイド)をコーティングし、そのまま加水分解する方法(特許文献3、特許文献5参照)、或いはコーティングするシリカゾルなどの懸濁液を予め調製しておき、これに磁性粉末を混入する方法(特許文献1、特許文献4,特許文献6等参照)等の方法が開示されている。
前者の方法では、シリカ皮膜の厚さの均一性に欠け、また被覆の完全性にも欠ける方法である。後者の方法ではシリカゾルが磁性粉末表面に塗り重なるように付着するだけであり、たとえ電子顕微鏡レベルで膜状になっていても、さらに分子レベルの大きさで考えると隙間が多いと考えられる。一方、本発明方法で開示する方法では、分子レベルで少しずつ膜を積み重ねていく方法のため、非常に緻密な膜になると考えられる。
本発明方法においても、耐酸化性の優れたシリカ被覆磁性粉末を製造するためには、シリコンアルコキシドは経時的になるべく低速度で投入することが好ましい。所定量のシリコンアルコキシドを一気に投入すると、均一核生成によりシリカ粉末が生成し、これが磁性粉末に付着することになり膜のバリアー性は著しく低下する。一方、低速度でシリコンアルコキシドを投入すると膜のバリアー性は向上するが、生産性の面では好ましくないため、膜物性と生産性を考慮してシリコンアルコキシドの投入速度を決めれば良い。
具体的な例を挙げると、シリカ被覆磁性粉末の使用目的にもよるが、テトラエトキシシランを用いてシリカ被覆磁性粉末中の磁性粉末質量に対してシリカ被覆量が10質量%の成膜を行う場合は、テトラエトキシシラン(有機溶剤で希釈して用いる。)を4時間以上、好ましくは8時間以上、バリアー性の面からは12時間以上かけて添加するのが良いが、要求される物性値、生産性との関係で通常は8時間くらいで行うことになる。
水に配合し50℃、6時間経過した時にシリカ被覆磁性粉末の磁性粉末1g当りから発生する水素ガスの体積が、5cm以下であるシリカ被覆希土類磁性粉末のシリカ被膜の堆積速度は、有機溶媒の種類、有機溶媒と水との比、加水分解触媒の種類、その量、温度等にもよるが、成膜の最大堆積速度は50nm/hr以下、より好ましくは10nm/hr以下、さらに好ましくは3nm/hr以下にすることである。
シリカ膜の堆積速度の測定には、成膜中に磁性粉末を抜きだし、透過電子顕微鏡等で厚みを測定して求める。あるいは、皮膜形成用組成物中にシリコンウェーハ等の平坦な基材を浸漬し、この膜厚を段差計で求めることも可能である。
シリカ膜の堆積速度について詳細に説明する。
堆積速度を考える場合、皮膜形成用組成物中でのSi含有化合物濃度が重要となる。Si含有化合物濃度はシリカの均一核生成領域以下を保持することが重要となる。均一核生成により被膜形成用液中にシリカ粉末が生成すると、これが磁性粉末に付着することになりシリカ多層膜のバリアー性は著しく低下する。最も理想的にはSi含有化合物濃度を不均一核生成領域に保持し、シリカ膜をSiO分子1層づつ積み上げていくことがよいが、生産性の面からはさらに早い堆積速度が望まれ、実用上はシリカ多層膜性能と生産性のバランスを考えて決定することになる。
シリカ濃度はシリカの供給速度と消費速度(シリカ多層膜の形成速度)で決定される。供給速度に関してはSi含有化合物(シリコンアルコキシド)の供給速度、加水分解速度が関係する。さらに加水分解速度は有機溶媒の種類、触媒種類、濃度、皮膜形成用組成物の温度、水の量、Si含有化合物の種類等により決まる。消費速度は反応系温度、シリカの重縮合速度、基材表面積(磁性粉末量、平均粒子径)等により決められる。
皮膜形成反応中の皮膜形成用組成物の温度は、特に限定しないが、好ましくは0℃から100℃の範囲、より好ましくは、10℃〜50℃、さらに好ましくは20〜35℃である。成膜温度が高い程成膜速度が増加するが、高すぎるとシリカ多層膜の不均一性の発生、該皮膜形成用組成物中の成分の揮発などのため溶液組成を一定に保つことが困難になる。
シリカ皮膜形成後、固・液の分離を行なう。分離方法は濾過、遠心沈降、遠心分離等の一般的な分離法を用いることができる。固・液分離後はシリカ被覆磁性粉末に加熱処理を行うことで積層したシリカの脱水縮合を促進し、緻密で強固な膜とすることもできる。加熱処理はできるだけ高温で長時間処理をすることがシリカの脱水・縮合反応には好ましいが、本発明においては150℃以上、1時間以上に相当する熱処理が必要である。具体的には150℃以上700℃、好ましくは150〜500℃、より好ましくは150〜350℃である。加熱処理時間は150℃の場合は1時間以上であるが、これより温度が高い場合は1時間以下でも構わず、必要とする耐酸化性が顕現すればよい。加熱処理はシリカ被覆工程以降、直ちに行ってもよくまたシリカ被覆磁性粉末と樹脂のコンパウンド化やボンド磁石の使用環境下でもよく温度が確保できればよい。
あるいは固・液分離後はシリカ被覆磁性粉末を有機溶媒中に懸濁し上記のような温度で熱処理を行なうことでシリカの脱水縮合を促進し、緻密で強固な膜をつくることもできる。有機溶媒は特に限定されるものではなく、例えばアルコール、グリコール、炭化水素、カルボン酸、アミン等のシリカ皮膜形成用組成物に例示した親水性有機溶媒のうちの高沸点のものを使用することができる。
この場合皮膜形成後のシリカ被覆磁性粉末を含むシリカ皮膜形成用組成物は、水、有機溶媒、加水分解触媒、シリコンアルコキシドから副生したアルコールが含まれているため、低沸点成分をまず減圧蒸留等で除去することにより溶液の沸点を上げ、そのまま熱処理を行うことによりシリカ皮膜を緻密化し、次いで固液分離をしてシリカ被覆希土類磁性粉末とすることも可能である。
上記の方法で得られるシリカ被覆磁性粉末は、1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピークの吸光度の比I[I=I/I:Iは1150〜1250cm−1の吸収ピーク強度(吸光度)、Iは1000〜1100cm−1の吸収ピーク強度であり、ベースラインを差し引いた値である]が0.2以上、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上である。シリカ膜の赤外吸収スペクトルはシリカ被覆磁性粉末のKBr錠剤を作成し、透過法で測定することができるが、磁性粉末により分析が妨害されたり、スペクトルが読みとりにくい場合は、例えば酸化チタンに膜をつけて赤外吸収スペクトルを測定することもできる。
通常、ゾル−ゲル法等で焼成して得られる、あるいはCVD法で得られるシリカ皮膜は、1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比Iが一般に0.2未満である。そして、Iの値は一般に焼成により、化学結合あるいは官能基が変化し、シリカ皮膜の親水性、吸油性の特性が変化することが知られている。本発明のシリカ被覆磁性粉末は0.2以上となる。Iの値が小さいほどシリカ膜のバリアー性が向上するため、磁性粉としても物性(耐酸化性)も向上する。このIの値は加熱温度が高いほど小さくなる。
本発明のシリカ被覆磁性粉末のシリカ皮膜の屈折率は1.435以上であることが好ましく、1.440以上が更に好ましい。屈折率が1.435未満であると緻密性が低いこととなり、好ましくない。また、通常の触媒として酸を使用するゾル−ゲル法で焼成をしないで得られるシリカ皮膜は、屈折率が1.435未満であり、緻密性が低く実用的ではない。ここで、一般にシリカ皮膜の緻密性と屈折率は正の相関があるとされている(例えば非特許文献1参照)。本発明のシリカ被覆磁性粉末の屈折率は一般的にn20D=1.440以上である。屈折率n20Dの値が大きいほど磁性粉末の特性は向上する。これは熱処理温度により変化する。
屈折率は、シリカ被覆磁性粉末を合成する際にシリカ皮膜形成用組成物中に同時に浸漬したシリコンウエハー上に形成されるシリカ膜を用いて測定する。すなわち、このシリコンウエハーには、磁性粉末と同じシリカ皮膜が形成されているとみなす。シリコンウエハー上のシリカ皮膜の屈折率は、エリプソメーター(ULVAC社製;LASSER ELLIPSOMETER ESM−1A)により測定できる。
本発明のシリカ多層膜で被覆された磁性粉末の表面は、そのシリカ多層膜のため親水性である。ボンド磁石に成型する時は、使用する親油性結合材など、その種類によっては結合材への分散性や密着性が悪い場合がある。その場合には、表面の性質を変更するためにシラン系、アルミニウム系、チタネート系などのカプリング剤により表面処理を実施することによって必要とする表面物性とすることも可能である。
この場合に用いるカプリング剤には特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものであってよい。好ましくはシラン系カプリング剤、アルミニウム系カプリング剤或いはチタネート系カプリング剤が使用できる。例えばシランカプリング剤としては、一般式RSiX(R:ビニル、グリシドキシ、メタクリル、アミノ、メルカプト基、X:ハロゲン、アルコキシ基)で示される化合物、アルミニウム系カプリング剤としては(アルキルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロピレート、チタネート系カプリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートなどがある。
本発明のシリカ膜で被覆された磁性粉末は公知、慣用の樹脂に配合して使用することができる。ボンド磁石用の結合材には各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴムが使用できる。例えば、ナイロン6、ナイロン1、2等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、エポキシ、ポリイミド、トリアジン、ビスマレイミド、フェノール、ポリブタジエン、アクリル、ユリア、メラミン、フラン、珪素、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーエチレンアクリレート共重合体、フッ素系樹脂等が使用される。またニトリルブチルゴム等の合成ゴムが使用できる。ボンド磁石の成型方法は射出、押し出し、圧縮、圧延成型等で行うことができる。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
(磁性粉末の評価方法)
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた磁性粉末を下記の方法で評価した。
(1)磁気特性の測定
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたシリカ被覆希土類系磁性粉末またはそれより得たボンド磁石を、温度65℃、相対湿度95%の高温高湿空気雰囲気中に900時間保持し、外観、質量変化、磁気特性等を測定し、耐酸化性を評価した。その結果を表1に示す。磁気特性については、粉末の場合アクリル容器にて秤量し、まず蝋で固めた。そして振動試料型磁力計(理研電子(株)製)を用いて保磁力や残留磁束密度を測定し、初期状態に対して放置後の値を求め、その低下率(%)を算出した。成形体の場合は、成形体をそのまま着磁し、同様な測定を行った。
(2)IRスペクトル測定
シリカ膜の赤外吸収スペクトルは実施例の条件で酸化チタン(昭和タイタニウム製、スーパータイタニアF−1)にシリカ被覆した磁性粉末をKBr法を用いて日本分光(株)製FT−IR−8000で測定した。1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの透過率より吸収ピークの吸光度を算出し、吸収ピーク強度の比I(I=I/I:Iは1150〜1250cm−1の吸収ピークの吸光度、Iは1000〜1100cm−1の吸収ピークの吸光度)を求める。
(3)屈折率測定
シリカ被覆磁性粉末を合成する際に系内に浸漬したシリコンウエハー上に形成されるシリカ膜を用いて、エリプソメーター(ULVAC社製;LASSER ELLIPSOMETER ESM−1A)により測定した。
(4)水素ガス発生テスト
磁性粉末分が1gとなるようにシリカ被覆磁性粉末を試験管に投入し、蒸留水10gを加えてよく撹拌し、水スラリーを調合した。この試験管にガス捕集器付きの栓をし、これを50℃の恒温水槽に入れ、6時間の水素ガス累積発生量を測定した。
(5)錆の観察
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたシリカ被覆希土類系磁性粉末またはそれより得たボンド磁石を温度65℃、相対湿度95%、の高温度、高湿度の空気雰囲気中に900時間保持し、試験後の磁性粉末を肉眼で観察した。
(実施例1)
平均粒径3μm、BET比表面積0.9m/gの磁気異方性SmFeN系磁性粉末をガラスビーカーに123g取り、エタノール778gに分散、攪拌し、液温は25℃に保持した。次にイオン交換水212g、25質量%アンモニア水を40g添加した。テトラエトキシシラン23.5gをエタノール35gで希釈し、この液を12時間かけて、一定速度で滴下し、成膜を行なった。滴下後は12時間攪拌を継続し、温度は25℃に保持した。その後、ろ過し、ろ過ケーキをエタノールで洗浄後、ケーキを得た。ケーキは真空乾燥器内で40℃で乾燥し、シリカ被覆磁性粉末とした。
電子顕微鏡像(SEM)及びEDX(エネルギー分散形X線分析装置)でシリカ被覆磁性粉末を観察したところ、SEM像の粉末全面からSiが検出され、磁性粉全面がシリカに覆われているのを確認できた。シリカ膜の屈折率は1.443、シリカ膜の赤外吸収スペクトルの強度比Iの値は0.45であった。テトラエトキシシランの滴下開始から4hr、8hr、12hrでサンプルを抜き出し、透過型電子顕微鏡でシリカ膜厚(シリカ多層膜)を観察したところ、それぞれ7nm、16nm及び25nmとなった。0−4時間:1.75nm/hr、4−8時間:2.25nm/hr、8−12時間:2.25nm/hrと算出できこれより、最大堆積速度は2.25nm/hrと計算される。このシリカ多層膜はシリカが分子レベルで堆積してゆくと考えているが、多層膜の最大堆積速度が2.25nm/hrということは、シリカ薄膜の厚みは、2.25nm以下ということができる。Siの含有量はICP(プラズマ発光分析法)より、磁性粉末に対し、2.6質量%であった。
(実施例2)
実施例1で作成した本発明の希土類系ボンド磁石用粉末97gに対して、予めアセトンに溶かしたエポキシ樹脂を3g添加混合し、乾燥した後、圧力5t/cmで常温圧縮成形し、10m/m角の正方形を作製し、この成形体をアルゴン雰囲気中で温度150℃、1hr保持の条件で樹脂硬化させたところ、良好な成形体が得られた。
(実施例3)
実施例1で得られたシリカ被覆磁性粉末をるつぼに入れ、これを縦型電気炉に挿入した。雰囲気をArに置換後、150℃、1hrの熱処理を行った。
(比較例1)
テトラエトキシシランを使用しないで、無添加とした以外は、実施例1と同様の処理をし、磁性粉末を得た。
(比較例2)
テトラエトキシシランを一定速度で滴下することなく一度に投入した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例3)
950gのエタノールに、テトラエトキシシラン40gを投入し撹拌しながら、触媒として0.1質量%硝酸水溶液を1質量%添加し、一般的にいわゆるゾル−ゲル法の表面処理液を作製した。該表面処理液中に、磁性粉末12gを投入し、温度条件20℃にて撹拌しながら浸漬し、磁性粉末表面に皮膜を形成した。その後、皮膜形成用液より濾別し、エタノールにて洗浄し、真空乾燥器内、40℃で乾燥し、ボンド磁石用粉末とした。皮膜の透過赤外線吸収スペクトルを測定したところ、1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比Iは、0.7であった。形成した皮膜の屈折率は1.430であった。
以上のサンプルの評価テストの結果を表1に示す。
Figure 2005286315
磁性粉末に酸化保護膜として、磁性粉末表面に緻密なシリカ被覆を行うことによって、ボンド磁石の使用環境下、特に高温(150℃以上)、多湿な環境下の長時間使用しても磁気特性低下を最小限に改善した耐酸化性に優れた希土類系ボンド磁石用シリカ被覆磁性粉末、その製造方法に関する発明であって、高温、多湿の環境下において使用されるボンド磁石として、耐酸化性に優れ、磁気特性が低下しない極めて有用な希土類系磁石を提供するものであり、情報処理機器、家庭用電化製品、音響機器、自動車部品等の永久磁石材料として極めて有用なものである。

Claims (23)

  1. シリカで被覆した平均粒径が0.1〜20μmの希土類系磁性粉末であって、水に配合し50℃、6時間経過した時に磁性粉末1g当りから発生する水素ガスの体積が、5cm以下であることを特徴とするシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  2. 希土類系磁性粉末の表面に、膜厚0.5〜5nmのシリカ薄膜により多層に被覆された請求項1に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  3. シリカ多層膜の全厚が3〜900nmである請求項1または2に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  4. シリカ多層膜の1150〜1250cm−1[I]と1000〜1100cm−1[I]における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比I[I=I/I]が、0.2以上であり、且つシリカ多層膜の屈折率が1.435以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  5. シリカ多層膜中のSi元素量が、磁性粉末質量に対して1〜10質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  6. シリカ被覆希土類系磁性粉末を150℃以上、1時間以上の条件で加熱処理したものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  7. シリカ被覆希土類系磁性粉末を、カップリング剤により処理した請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  8. カップリング剤が、シラン系カプリング剤、アルミニウム系カプリング剤及びチタネート系カプリング剤から選ばれた少なくとも1種である請求項7に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  9. 希土類系磁性粉末が希土類元素Smを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  10. 希土類系磁性粉末が、Sm−Co系、またはSm−Fe―N系であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  11. 希土類系磁性粉末がSm−Fe―N系であり、かつ磁気異方性であることを特徴とする請求項10に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  12. 希土類系磁性粉末を加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させ、該分散液にSi含有化合物を含む溶液を、シリカ膜の最大堆積速度が50nm/hr以下の速度になるように混合する工程を含むシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法。
  13. Si含有化合物を含むシリカ皮膜形成用組成物と、アルカリ処理をした希土類系磁性粉末とを混合する工程を含むシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法。
  14. シリカ皮膜形成用組成物が、加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含み、且つ未分解のSi含有化合物を含む組成物である請求項13に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法。
  15. Si含有化合物が、シリコンアルコキシドである請求項12〜14のいずれか1項に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法。
  16. シリコンアルコキシドが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランから選ばれた少なくとも1種である請求項15に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法。
  17. 加水分解触媒が、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムから選ばれた少なくとも1種である請求項12〜14のいずれか1項に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法。
  18. 請求項12〜17のいずれか1項に記載の方法により製造されたシリカ被覆希土類系磁性粉末を、150℃、1時間以上の条件で加熱処理することを特徴とするシリカ被覆希土類系磁性粉末の製造方法。
  19. 請求項12〜18のいずれか1項に記載の方法により製造されたシリカ被覆希土類系磁性粉末。
  20. 請求項12〜18のいずれか1項に記載の方法により製造されたシリカ被覆希土類系磁性粉末を含む樹脂またはゴムを含む組成物。
  21. 請求項19に記載のシリカ被覆希土類系磁性粉末または請求項20に記載の樹脂またはゴムを含む組成物を含む希土類系ボンド磁石。
  22. 請求項21に記載の希土類系ボンド磁石が使用されたモーター。
  23. 請求項21に記載の希土類系ボンド磁石が使用されたセンサー。
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