JP2005285413A - プロトン伝導性膜、プロトン伝導性膜の製造方法、及びプロトン伝導性膜を用いた固体高分子形燃料電池 - Google Patents

プロトン伝導性膜、プロトン伝導性膜の製造方法、及びプロトン伝導性膜を用いた固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 プロトン伝導性が十分に高く、メタノール透過性が十分に低く、且つ、十分な薄膜化に耐えられるだけの物理的強度があるプロトン伝導性膜を提供すること。
【解決手段】 無機多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を含有するプロトン伝導性膜において、該無機多孔質膜が平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成されていることを特徴とするプロトン伝導性膜。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロトン伝導性膜及びプロトン伝導性膜の製造方法及びに関し、さらに詳細には、プロトン伝導性膜を電解質として用いる燃料電池に関する。
燃料電池は、水素と酸素を反応させて電気を発生させる発電装置であり、発電反応で水しか生成されないという優れた性質を有しているので、温暖化やオゾン層破壊といった地球環境問題に対処する省エネルギーの技術として注目されている。
燃料電池には固体高分子形燃料電池、りん酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体酸化物形燃料電池の4種類がある。これらの中でも、固体高分子形燃料電池は、作動温度が低い、電解質が固体(高分子の薄膜)であるという利点がある。固体高分子形燃料電池は、メタノールを改質器を用いて水素に変換する改質型と、改質器を用いずに直接メタノールを使用する直接型(DMFC、Direct Methanol Polymer Fuel Cell)の二つに大別される。DMFCは、改質器が不要であるため、小型、軽量化が可能であり、来るべきユビキタス社会に向けた個人用の携帯情報端末(PDA、Personal Digital Assistance)等の電池や専用バッテリーとして、その実用化が期待されている。
固体高分子形燃料電池の主な構成要素は、電極触媒、電解質、セパレータである。電解質として、高分子のプロトン伝導性膜を使用する。プロトン伝導性膜は、イオン交換膜や湿度センサー等の用途に用いられているが、近年、固体高分子形燃料電池における電解質としての用途においても注目を集めている。例えば、デュポン社のナフィオン(R)を代表とするスルホン酸基含有フッ素樹脂膜は、携帯用燃料電池における電解質としての利用が検討されている。
従来より知られているこれらのフッ素樹脂系プロトン伝導性膜は、メタノール透過性が大きいという欠点がある。プロトン伝導性膜をDMFC等の固体高分子形燃料電池の新たな用途において実用化を図るには、プロトン伝導性が高く、メタノール透過性が低い膜の開発が不可欠である。また、特にDMFCとしての性能向上を図る上では薄膜化が必須であり、膜の物理的強度も要求される。
空孔を有する多孔質膜にプロトン伝導性ポリマーを含浸させて、プロトン伝導性膜を得る方法が種々提案されている。
特許文献1は、寸法安定性、取扱適性が改良され、そして同一のポリマーおよび匹敵する厚さの従来の未強化のイオン交換膜に比較して、イオン伝導性および反応体の気体のクロスオーバーが弱体化されていないイオン交換膜を提供することを目的に、ランダムに配向した個々の繊維で形成された多孔質支持体内にイオン伝導性ポリマーが埋め込まれている複合膜を開示している。
特許文献2は、メタノールの透過(クロスオーバー)をできるだけ抑制し、かつ高温(摂氏約130度以上)環境下での使用にも耐える電解質膜を提供することを目的に、メタノールおよび水に対して実質的に膨潤しない多孔性基材の細孔に、プロトン伝導性を有するポリマーを充填した電解質膜を開示している。多孔性基材としては、セラミック、ガラス、アルミナ等の無機材料、又はポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド等の耐熱性ポリマーが用いられる。また、これらの材料は、単独で用いても、2種以上を複合材料として用いてもよい、と記載されている。実施例では多孔性のフッ素樹脂を用いている。
特許文献3は、耐久性と機械的強度を有するプロトン伝導性膜を提供することを目的に、リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を側鎖に有するポリマーを多孔質膜の空孔内に担持させてなるプロトン伝導性膜を開示している。基材として用いる多孔質膜は、特に、限定されることなく、種々の樹脂からなるものを用いることができる。そのような樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、6,6−ナイロンほか、種々のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジメチルフェニレンオキサイド、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテル樹脂、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、ノルボルネン等の脂環式不飽和炭化素、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン等の(共)重合体、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂や、また、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ノルボルネンゴム等のエラストマーやそれらの水添物等の脂肪族炭化水素樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、又は2種以上を併用して、上記多孔質膜を形成していてよい、と記載されている。
特開平10−312815号公報 WO00/54351号パンフレット 特開2002−83514号公報
プロトン伝導性膜を固体高分子形燃料電池の電解質として実用に耐えるためには、プロトン伝導性が十分に高いこと、メタノール透過性が十分に低いこと、十分な薄膜化に耐えられるだけの物理的強度があること、が重要な因子となる。さらに加えれば、工業的に品質の安定したプロトン伝導性膜を量産化できることが望まれる。
特許文献1に記載の技術では、多孔質支持体内の孔の分布が不均一になる傾向にあり、プロトン伝導性の観点において十分な性能を有するものを得ることが難しい。特許文献2に記載の技術は、メタノール透過性の改良及び摂氏約130度以上の高温での使用に耐えることに着目したものであり、また、特許文献3に記載の技術は、耐久性と機械的強度に着目したものである。特許文献2及び特許文献3を参照しても、プロトン伝導性が十分に高く、メタノール透過性が十分に低く、且つ、十分な薄膜化に耐えられるだけの物理的強度がある、といった少なくとも3つの性能を同時に満足するプロトン伝導性膜を得ることはできない。
したがって、本発明の第1の目的は、プロトン伝導性が十分に高く、メタノール透過性が十分に低く、且つ、十分な薄膜化に耐えられるだけの物理的強度がある、といった少なくとも3つの性能を同時に満足するプロトン伝導性膜を提供すること、及びこのような優れた性能を持ったプロトン伝導性膜の製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記のような優れた性能を持ったプロトン伝導性膜を電解質として有する固体高分子形燃料電池を提供することにある。
本発明の第3の目的は、本発明の第1の目的に加えて、品質が安定し量産化が可能なプロトン伝導性膜の製造方法及び該製造方法によって得られるプロトン伝導性膜並びに該プロトン伝導性膜を電解質として有する固体高分子形燃料電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の手段を採用することによって達成できる。
(1)無機多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を含有するプロトン伝導性膜において、該無機多孔質膜が平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成されていることを特徴とするプロトン伝導性膜。
(2)前記無機多孔質膜は、平均粒径が5〜50nmの無機微粒子群及び該無機微粒子群より平均粒径が20〜100nm大きい無機微粒子群を含有することを特徴とする(1)に記載のプロトン伝導性膜。
(3)前記無機多孔質膜は、50質量%以上が平均粒径の最も大きい無機微粒子群で占められていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のプロトン伝導性膜。
(4)アノード極、カソード極及び該両極に挟まれた電解質を有する固体高分子形燃料電池において、該電解質が(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜であることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
(5)可燃性支持体上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する工程と、該分散液を積層した可燃性支持体を焼成する工程と、該焼成する工程により得られる該無機微粒子から形成された多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を充填する工程、とを有するプロトン伝導性膜の製造方法であって、該無機微粒子として平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群を用いることを特徴とするプロトン伝導性膜の製造方法。
(6)前記無機微粒子が、平均粒径が5〜50nmの無機微粒子群及び該無機微粒子群より平均粒径が20〜100nm大きい無機微粒子群を含むことを特徴とする(5)記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
(7)前記無機微粒子が、50質量%以上が平均粒径の最も大きい無機微粒子群であることを特徴とする(5)又は(6)に記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
(8)前記可燃性支持体上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する工程が、塗布工程であることを特徴とする(5)乃至(7)のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
(9)前記プロトン伝導性有機物質が重合性化合物であり、前記多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を充填する工程に続いて、多孔質膜中で該プロトン伝導性有機物質をIn−situ重合する工程を有することを特徴とする(5)乃至(8)のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
(10)可燃性支持体上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層させた後、焼成することにより得られる該無機微粒子から形成された多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を含有するプロトン伝導性膜であって、該多孔質膜が平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成されていることを特徴とするプロトン伝導性膜。
(11)前記多孔質膜は、平均粒径が5〜50nmの無機微粒子群及び該無機微粒子群より平均粒径が20〜100nm大きい無機微粒子群を含有することを特徴とする(10)に記載のプロトン伝導性膜。
(12)前記多孔質膜は、50質量%以上が平均粒径の最も大きい無機微粒子群で占められていることを特徴とする(10)又は(11)に記載のプロトン伝導性膜。
(13)アノード極、カソード極及び該両極に挟まれた電解質を有する固体高分子形燃料電池において、該電解質が(10)乃至(12)のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜であることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
プロトン伝導性が十分に高く、メタノール透過性が十分に低く、且つ、十分な薄膜化に耐えられるだけの物理的強度がある、といった少なくとも3つの性能を同時に満足するプロトン伝導性膜を提供することができる。また、本発明のプロトン伝導性膜を電解質とした固体高分子形燃料電池は、メタノールによる起電力の低下が改良され高い出力を有する。
本発明のプロトン伝導性膜は、無機多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を含有するプロトン伝導性膜において、該無機多孔質膜が平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成されていることが特徴である。その製造方法としては、可燃性支持体上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する工程と、該分散液を積層した可燃性支持体を焼成する工程と、該焼成する工程により得られる該無機微粒子から形成された多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を充填する工程、とを有するプロトン伝導性膜の製造方法であって、該無機微粒子として平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群を用いることが好ましい。
可燃性支持体としては、濾紙などの紙、不織布などの布、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子フィルム等、可燃性であれば任意の素材で形成した支持体を用いることができる。支持体の表面は平滑であることが好ましい。平滑であれば、得られるプロトン伝導性膜の面も平滑となり、固体高分子形燃料電池の電解質とした場合に、電極とプロトン伝導性膜との界面での接触が密となる。支持体の表面粗さは特に制限はないが、無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する面の表面粗さRzが3μm以下であることが好ましい。表面粗さRzは、JISのRz(最大高さ)に相当する十点平均面粗さのことをいい、粗さの曲面から基準面積分だけ抜き取った部分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均値との距離を入力換算したものである。測定には、例えば、東京精密(株)製の触針式の3次元粗さ計(サーフコム570A−3DF)を用いることができる。また、無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層することによる支持体の反り(カール)、たわみなどを防ぐために、分散液を積層する面とは反対側の面に、バッキング層を設けることが好ましい場合もある。
無機微粒子としては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ホウ素(B23)、チタニア(TiO2)等や、Ti、Al、B、Zrの水酸化物が挙げられる。本発明においては、シリカ(SiO2)が好ましい。また、シリカ(SiO2)の中でも非晶質シリカが好ましく、乾式法、湿式法、エアロゲル法いずれの製法によるものでも良いが、湿式法のコロイダルシリカが最も好ましい。平均粒径が異なるものでれば、同一種類の無機微粒子であっても、異なる種類の無機微粒子であってもかまわないが、好ましくは同一種類の無機微粒子である。
本発明の無機多孔質膜は、平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成されている。平均粒径が5〜50nmの無機微粒子群及び該無機微粒子群より平均粒径が20〜100nm大きい無機微粒子群を含有することが好ましい。これは、平均粒径の異なる2種の無機微粒子群から形成されている例で説明すると、例えば、平均粒径の小さい無機微粒子群の平均粒径が30nmであるとすると、平均粒径の大きい無機微粒子群の平均粒径は50〜130nmであることが好ましい、ということを意味する。
本発明においては、無機粒子群は平均粒径の異なる2種以上であればよいが、平均粒径の異なる2種の無機微粒子群から形成されていれば、所期の目的を達成することができる。また、無機多孔質膜は、50質量%以上、好ましくは50〜90質量%が平均粒径の最も大きい無機微粒子群で占められていることが好ましい。
このように、平均粒径の大きい無機粒子群に、それよりの平均粒径の小さい無機粒子群を混合させることにより、混合させない場合に比べて、プロトン伝導性は同等であっても、より膜強度の強い無機多孔質膜を得ることができる。
本発明においては、無機微粒子の平均粒径としては、一次平均粒径として測定されるものであり、走査型電子顕微鏡により観察して、無作為に無機微粒子1,000個の長径を測定し、一次平均粒径を算出する。
可燃性有機微粒子としては、最終的には燃えて無くなるものであれば任意の素材の有機微粒子を用いることができるが、分散液に用いる分散媒としての溶媒に膨潤しないものが好ましい。本発明においては、分散媒としては安全面の観点から水が好ましいので、可燃性有機微粒子としては、水に溶解ないしは膨潤しない、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、スチレン/ジビニルベンゼン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、等のポリマービーズを用いることができる。
本発明においては、可燃性有機微粒子の平均粒径は、特に制限はないが概ね50〜600nm、好ましくは100〜450nm、より好ましくは200〜300nmである。
本発明のおける無機多孔質膜を形成する好ましい形態としては、無機微粒子と可燃性有機微粒子を含む分散液を可燃性支持体上に積層し、焼成する工程を経るので、無機微粒子同志が固着して薄膜を形成し、可燃性有機微粒子が占有していた部分が薄膜内で無数の孔が形成される。このようにして形成された無機多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を含浸させて得られるプロトン伝導性膜は、高いプロトン伝導性、低いメタノール透過性、十分な薄膜化に耐えられるだけの物理的強度のものが得られる。本発明においては、平均細孔径は、特に制限はないが、概ね50〜600nm、好ましくは100〜500nm、より好ましくは200〜500nmである。平均細孔径の測定は、例えば島津製作所(株)製ポアサイザー9310を用い、水銀圧入式ポロシメーター法により測定することができる。
本発明においては、無機多孔質膜の空隙率は、特に制限はないが、概ね10〜70%であることが好ましく、より好ましくは20〜40%である。無機多孔質膜の空隙率をこの範囲内に調整することにより、高いプロトン伝導性、低いメタノール透過性、十分な薄膜化に耐えられるだけの物理的強度が更に良くなる。
空隙率は、単位面積当S(cm2)あたりの質量W(g)、平均厚みt(μm)及び密度d(g/cm3)から次式により算出することができる。
空隙率(%)=(1−(104・W/(S・t・d)))×100
無機微粒子を35〜95体積%、可燃性有機微粒子を5〜65体積%の割合で用いる(無機微粒子と可燃性有機微粒子の体積の総和を1とする)ことにより、無機多孔質膜の空隙率を上記範囲に調整することができる。
次に、本発明に係る無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液の調製方法について説明する。
無機微粒子と可燃性有機微粒子の使用割合は上記の通りであるが、分散液の濃度としては、固形分濃度として5〜80質量%、好ましくは10〜40質量%となるように調製する。
分散媒としては水系溶媒が好ましい。水系溶媒としては、水及びアルコール類など各種既知のものが使用できるが、水または水を主成分とする混合溶媒が好ましく使用される。
無機微粒子と可燃性有機微粒子を分散する分散助剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の各種の界面活性剤を用いることができる。
分散する分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等が挙げられ、これらは単独であるいは適宜組み合わせて用いることができる。
可燃性支持体上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する工程としては、分散液を減圧吸引濾過器を用いてメンブレンフィルタでろ過を行い、ろ紙上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む層を堆積させ乾燥する方法、あるいは、分散液を可燃性支持体に塗布して乾燥する方法などがある。本発明においては、分散液を可燃性支持体に塗布する方式が好ましい。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、エクストルージョン法等よく知られた塗布方式を採用することができる。
無機微粒子から形成された無機多孔質膜を形成するには、無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層した可燃性支持体を、窒素雰囲気中で電気炉で加熱処理して焼成すればよい。加熱処理は、例えばケイ化モリブデンといった発熱体を備えた電気炉を用いて行うことができ、1000℃以下、より好ましくは400〜900℃で行われる。加熱のための時間は、目的とする無機多孔質膜の大きさにより適宜設定することが可能であり、具体的には例えば2時間程度の加熱時間とすることができる。加熱時間が長すぎると焼結が進行しすぎて、平均細孔径が小さくなるおそれがある。焼成工程の後に、冷却を行うが、この冷却の温度については特に制限はないが、取扱いの容易性といった点では、無機多孔質膜を室温にまで冷却することが好ましい。無機多孔質膜を得るための加熱処理における昇温速度および降温速度は、適宜設定することができる。昇温速度及び降温速度の双方について200〜300℃/hとすることが好ましい。
平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成された無機多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を充填する方法は、特に限定されるものでない。例えば、無機多孔質膜にプロトン伝導性ポリマー溶液を塗布する方法、無機多孔質膜をプロトン伝導性ポリマー溶液に浸漬する方法などにより、無機多孔質膜の空隙にプロトン伝導性有機物質を充填することができる。その際、超音波を使用したり、減圧にすることによりプロトン伝導性有機物質を空隙に充填し易くすることができる。
また、重合性のプロトン伝導性有機物質を無機多孔質膜の空隙に充填させ、In−situ重合することもできる。具体的には、無機多孔質膜の細孔表面をプラズマ、紫外線、電子線、ガンマ線等のエネルギーにより活性化した後、その表面上にイオン交換基を持つモノマーを接触させ、または塗布し、無機多孔質膜表面上および空隙内部においてグラフト重合反応を生じさせ、空隙を実質的にプロトン伝導性ポリマーで充填する。あるいは、重合性のプロトン伝導性有機物質を気化させてプラズマ重合を行う、などの方法を行っても良い。また、重合性のプロトン伝導性有機物質に重合開始剤を添加して加熱するなどにより重合することもできる。
プロトン伝導性有機物質としては、プロトン伝導性を有するモノマーやポリマーが用いられる。酸素の溶解性および拡散性に優れたプロトン伝導性モノマーとしては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、テトラフルオロエタンジスルホン酸等のフッ素化スルホン酸の誘導体、(HO)2OP(CF2)PO(OH)2、(HO)2OP(CF22PO(OH)2等のフッ素化二リン酸の誘導体、(CF3SO2CH2SO2CF2CF22、CF3SO2NHSO249等のフッ素化スルホニル酸の誘導体が挙げられる。また、同様な性質を有するプロトン伝導性ポリマーとしては、有機系の含フッ素高分子を骨格とするイオン交換樹脂、例えばパーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂等が挙げられる。ナフィオン112(商品名、デュポン社製)、ナフィオン117(商品名、デュポン社製)やDOW膜(商品名、ダウ・ケミカル社製)等として入手できる。
その他にスルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等のスルホン化プラスチック系電解質、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィド、スルホアルキル化ポリフェニレン等のスルホアルキル化プラスチック系電解質等が有る。なお、これらの電解質材料のスルホン酸当量としては0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂程度、好ましくは0.7〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂である。スルホン酸当量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂より小さい場合はイオン伝導抵抗が大きくなり、2.0ミリ当量/g乾燥樹脂より大きい場合には水に溶解しやすくなる。
また、フッ素系電解質材料として、例えば、
一般式 CF2=CF−(OCF2CFX)m−Oq−(CF2)n−A
(式中、m=0〜3、n=0〜12、q=0又は1、X=F又はCF3、A=スルホン酸型官能基)で表されるフロロビニル化合物とテトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレン又はパーフロロアルキルビニルエーテルの如きパーフロロオレフィンとの共重合体が挙げられる。フロロビニル化合物の好ましい例としては、例えば、CF2=CFO(CF2)aSO2F、CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)aSO2F、CF2=CF(CF2)bSO2F、CF2=CF(OCF2CF(CF3))cO(CF22SO2F(ここに、a=1〜8、b=0〜8、c=1〜5の整数)を用いることもできる。
本発明に係るプロトン伝導性膜の平均膜厚は、特に制限はないが、通常は500μm以下であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは50〜200μmである。膜厚は1/10000シックネスゲージで測定できる。平均膜厚は任意の箇所を5点を測定し、その平均を算出することにより求めることができる。
本発明のプロトン伝導性膜は燃料電池に用いることができる。燃料電池の中でも、メタノール燃料電池が好ましく、特に直接メタノール形固体高分子燃料電池が好ましい。
次に、直接メタノール形固体高分子燃料電池について、図1を参照して説明する。図1は、本発明のプロトン伝導性膜を電解質膜して用いた直接メタノール形固体高分子燃料電池の一実施形態を示す概略図である。
図1において、それぞれ符号1は電解質膜、符号2はアノード極(燃料極)、符号3はカソード極(空気極)、符号4は外部回路を表す。燃料としては、メタノール水溶液Aを用いる。
アノード極2では、メタノールは水と反応して二酸化炭素と水素イオン(H+)を生成して電子(e-)を放出する。水素イオン(H+)は、電解質1を通ってカソード極3に向い、電子(e-)は外部回路4に流れる。一方、二酸化炭素を含むメタノール成分が減少した水溶液A′は系外に排出される。アノード極2での反応は下記式で表される。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e-
カソード極3では、空気B中の酸素と電解膜1を通ってきた水素イオン(H+)と外部回路4からきた電子(e-)とが反応して水を生成する。一方、水を含む酸素が減少した空気B′は系外に排出される。カソード極3での反応は下記式で表される。
3/2O2+6H++6e- → 3H2
燃料電池の全体の反応としては次式のようになる。
CH3OH+3/2O2 → CO2+2H2
アノード極2の構造は従来から知られている構造とすることができる。例えば、電解質1側から触媒層及び触媒層を支持する支持体から構成される。また、カソード極3の構造も従来から知られている構造とすることができる。例えば、電解質1側から触媒層及び触媒層を支持する支持体から構成される。
アノード極2及びカソード極3の触媒としては、公知の触媒を用いることがでる。例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、金などの貴金属触媒、また、白金−ルテニウム、鉄ーニッケルーコバルト−モリブデン−白金などの合金が用いられる。
触媒層は導電性を改善する目的で電子伝導体(導電材)材料を含むことが好ましい。電子伝導体(導電材)としては、特に限定されるものではないが、電子伝導性と耐触性の点から無機導電性物質が好ましく用いられる。なかでも、カーボンブラック、黒鉛質や炭素質の炭素材、あるいは金属や半金属が挙げられる。ここで、炭素材としては、チャネルブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。特に、白金担持カーボンなどのように触媒を担持した電子伝導体(導電材)として用いられる。
固体高分子電解質膜と電極とを接合して膜−電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を製造する方法としては、例えば、カーボン粒子に担持させた白金触媒粉をポリテトラフロロエチレン懸濁液と混合し、カーボンペーパーに塗布し、熱処理して触媒層を形成後、電解質膜と同一の電解質溶液を触媒層に塗布し、電解質膜とホットプレスして一体化する方法が有る。この他、電解質膜と同一の電解質溶液を、予め白金触媒粉にコーティングする方法、触媒ペーストを電解質膜へ塗布する方法、電解質膜に電極を無電解鍍金する方法、電解質膜に白金属の金属錯イオンを吸着させた後、還元する方法等がある。
以上の様にして作製した電解質膜と電極との接合体の外側に、燃料流路と酸化剤流路を形成する溝が形成された集電体としての燃料配流板(セパレータ)と、酸化剤配流板(セパレータ)とを配したものを単セルとし、この単セルを複数個、冷却板等を介して積層することにより、燃料電池が構成される。
本発明の燃料電池に採用できる燃料としては、水素ガス、メタノール、エタノール、1−プロパノール、ジメチルエーテル、アンモニア等が挙げられるが、メタノールが好ましい。
本発明を実施例に基づき、更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
《プロトン伝導性膜の製造》
〈無機多孔質膜の作製〉
(無機多孔質膜No.1の作製)
ポリスチレン微粒子(商品名:ポリスチレン5043、モリテックス社製、平均粒径430nm)並びに平均粒径が12nmのコロイダルシリカ20質量%及び平均粒径が45nmのコロイダルシリカ80質量%の混合物(ポリスチレン微粒子65質量%、コロイダルシリカ35質量%)を希薄界面活性剤水溶液中に高速ホモジナイザーを用いて撹拌、分散させた。分散液をポリエチレンテレフタレート支持体上に、バーコーターを用いて乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布、乾燥した後、800℃の恒温箱に入れ焼成し、無機多孔質膜No.1を作製した。
平均粒径が12nmのコロイダルシリカは、商品名がスノーテックス20(日産化学社製)であり、平均粒径が45nmのコロイダルシリカは、商品名がスノーテックス20L(日産化学社製)、平均粒径が80nmのコロイダルシリカは、商品名がスノーテックスZL(日産化学社製)である。
(無機多孔質膜No.2〜4の作製)
無機多孔質膜No.1の作製において、平均粒径の異なる2種類のコロイダルシリカを表1に示す質量比とした以外は、無機多孔質膜No.1と同様にして無機多孔質膜No.2〜4を作製した。
(無機多孔質膜No.5の作製)
比較試料として、平均粒径が45nmのコロイダルシリカの1種類とした以外は、無機多孔質膜No.1と同様にして、無機多孔質膜No.5を作製した。
Figure 2005285413
無機多孔質膜No.1〜5のそれぞれの空隙率は65%、平均細孔径は430nmであった。
空隙率は、単位面積当S(cm2)あたりの質量W(g)、平均厚みt(μm)及び密度d(g/cm3)から次式により算出した。1の位は四捨五入した。
空隙率(%)=(1−(104・W/(S・t・d)))×100
平均細孔径の測定は、例えば島津製作所(株)製ポアサイザー9310を用い、水銀圧入式ポロシメーター法により測定した。測定値は1の位は四捨五入した。
〈プロトン伝導性膜の製造〉
上記で作製した無機多孔質膜No.1〜5のそれぞれに、下記の方法でプロトン伝導性有機物質を充填し、プロトン伝導性膜(プロトン伝導性膜No.1〜5)を製造した。
イソプロピルアルコール:水=4:1中にモノマーとして2−アクリルアミドー2−メチルプロパンスルホン酸と架橋剤としてN,N’メチレンービスアクリルアミドと重合開始剤としてAIBN(N,N’−アゾビスイソバレロニトリル)を質量比で100:20:1となるよう混合し、混合液の中に多孔質膜を浸漬させた。この状態でゆっくり加熱し60℃で2時間保温し、更にゆっくり加熱し80℃で2時間保温した。この操作を3回繰り返し、プロトン伝導性膜を作製した。プロトン伝導性膜の平均膜厚は50μmであった。平均膜厚は1/10000シックネスゲージで任意の箇所を5点測定し、その平均を算出して求めた。また、コントロールとして膜厚50μmのナフィオン112(デュポン社製)も用意した。
《プロトン伝導性膜の評価》
〈プロトン伝導度〉
プロトン伝導性膜又はフィルムを温度25℃、相対湿度50%に調整した環境下に4時間放置した後、ヒューレットパッカード社LCRメーターHP4284Aを用いて、白金電極間に所定厚みの1cm角の試料を挟み、温度25℃、相対湿度50%の条件下で複素インピーダンス法にて測定し、虚数部の抵抗値ゼロに外挿したときの実数部の抵抗値を用いてプロトン伝導度を算出した。
〈メタノール透過性〉
図2のH型セルにプロトン伝導性膜を挟み、Aセルに入れた0.1Mの硫酸を含む2Mメタノール水溶液からBセルの純水中に透過してくるメタノールの透過係数を60℃で測定した。
〈膜強度〉
テフロン(R)板にプロトン伝導性膜を挟み、120℃、2分間、下記の圧力の条件で加熱プレスを行い、その前後でメタノール透過量を測定した。メタノールが速やかに移動し膜が破損した圧力が、4.9×104Paの試料は×で、7.8×104Paの試料は△で、15.6×104Paの試料は○で、22.6×104Paの試料は◎で表示した。なお、△、○及び◎は実用に耐えると判断した。
結果を表2に示す。
Figure 2005285413
表2の結果から、本発明に係るプロトン伝導性膜(プロトン伝導性膜No.1〜4)と比較のプロトン伝導性膜(プロトン伝導性膜No.5)は、プロトン伝導性はコントロールの試料であるナフィオンと遜色ないことがわかる。また、メタノール透過性に関しては、本発明に係るプロトン伝導性膜(プロトン伝導性膜No.1〜4)と比較のプロトン伝導性膜(プロトン伝導性膜No.5)は、コントロールの試料であるナフィオンに比べて優れていることがわかる。膜強度の試験では、今回の試料は実用に耐えない試料はなかった。比較試料であるプロトン伝導性膜No.5に比べて、無機多孔質膜が平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成されている本発明の試料であるプロトン伝導性膜No.1〜4は、膜強度が優れていることが認められる。これらの中でも、50質量%以上が平均粒径の大きい無機微粒子群で占められているプロトン伝導性膜No.1及び3は、膜強度が特に優れていることが認められる。
(実施例2)
実施例1で作製したプロトン伝導性膜(プロトン伝導性膜No.1〜5)及びナフィオン112を用いて膜−電極接合体(MEA)を下記の方法で作製した。
〈電極の作製〉
炭素繊維クロス基材に20%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)撥水処理を行ったのち、PTFEを20質量%含むカーボンブラック分散液を塗工、焼成して電極基材を作製した。この電極基材上に、Pt−Ru担持カーボンとナフィオン(デュポン社製)溶液からなるアノード電極触媒塗液を塗工、乾燥してアノード電極を、また、Pt担持カーボンとナフィオン(デュポン社製)溶液からなるカソード電極触媒塗液を塗工、乾燥してカソード電極を作製した。
〈膜−電極接合体(MEA)の作製〉
実施例1で作製したプロトン伝導性膜(プロトン伝導性膜No.1〜5)及び実施例1で用いたナフィオン112を、それぞれアノード電極とカソード電極で狭持し加熱プレスすることで膜−電極複合体(MEA)(MEAーNO.1〜5)を作製した。この膜−電極接合体(MEA)をセパレータに挟みアノード側に3%メタノール水溶液、カソード側に空気を流して燃料電池を作動し電流電圧特性の評価を行った。電圧0.4Vでの電流密度を表3に示す。
Figure 2005285413
表3の結果から、本発明に係る膜−電極接合体(MEA)(MEA−No.1〜4)は及び比較の膜−電極接合体(MEA)(MEA−No.5)は、ナフィオン112(デュポン社製)に比べて、電流密度が大きいことがわかる。
本発明の直接メタノール形固体高分子燃料電池の一実施形態を示す概略図である。 メタノール透過性を評価するためのH型セルの概略図である。
符号の説明
1 電解質膜
2 アノード極(燃料極)
3 カソード極(空気極)
4 外部回路

Claims (13)

  1. 無機多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を含有するプロトン伝導性膜において、該無機多孔質膜が平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成されていることを特徴とするプロトン伝導性膜。
  2. 前記無機多孔質膜は、平均粒径が5〜50nmの無機微粒子群及び該無機微粒子群より平均粒径が20〜100nm大きい無機微粒子群を含有することを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導性膜。
  3. 前記無機多孔質膜は、50質量%以上が平均粒径の最も大きい無機微粒子群で占められていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロトン伝導性膜。
  4. アノード極、カソード極及び該両極に挟まれた電解質を有する固体高分子形燃料電池において、該電解質が請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜であることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  5. 可燃性支持体上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する工程と、該分散液を積層した可燃性支持体を焼成する工程と、該焼成する工程により得られる該無機微粒子から形成された多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を充填する工程、とを有するプロトン伝導性膜の製造方法であって、該無機微粒子として平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群を用いることを特徴とするプロトン伝導性膜の製造方法。
  6. 前記無機微粒子が、平均粒径が5〜50nmの無機微粒子群及び該無機微粒子群より平均粒径が20〜100nm大きい無機微粒子群を含むことを特徴とする請求項5記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
  7. 前記無機微粒子が、50質量%以上が平均粒径の最も大きい無機微粒子群であることを特徴とする請求項5又は6に記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
  8. 前記可燃性支持体上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する工程が、塗布工程であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
  9. 前記プロトン伝導性有機物質が重合性化合物であり、前記多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を充填する工程に続いて、多孔質膜中で該プロトン伝導性有機物質をIn−situ重合する工程を有することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
  10. 可燃性支持体上に無機微粒子及び可燃性有機微粒子を含む分散液を積層させた後、焼成することにより得られる該無機微粒子から形成された多孔質膜にプロトン伝導性有機物質を含有するプロトン伝導性膜であって、該多孔質膜が平均粒径の異なる2種以上の無機微粒子群から形成されていることを特徴とするプロトン伝導性膜。
  11. 前記多孔質膜は、平均粒径が5〜50nmの無機微粒子群及び該無機微粒子群より平均粒径が20〜100nm大きい無機微粒子群を含有することを特徴とする請求項10に記載のプロトン伝導性膜。
  12. 前記多孔質膜は、50質量%以上が平均粒径の最も大きい無機微粒子群で占められていることを特徴とする請求項10又は11に記載のプロトン伝導性膜。
  13. アノード極、カソード極及び該両極に挟まれた電解質を有する固体高分子形燃料電池において、該電解質が請求項10乃至12のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜であることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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