JP2005283608A - 有機el発光素子の経時劣化予測方法、駆動方法およびプリエージング方法 - Google Patents

有機el発光素子の経時劣化予測方法、駆動方法およびプリエージング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機EL発光素子の輝度の経時劣化を、正確かつ簡単に予測する。
【解決手段】 有機EL発光素子10を定電流駆動回路11により定電流駆動し、その時の輝度L (t)〔tは駆動時間〕を輝度計12で測定する。そして、この測定された輝度L (t)の経時劣化特性を
c(t) = L(t)/L(0) = 1 − A log { ( t + τ) / τ}
なる関数c(t)でフィッティングして輝度の経時劣化関数を同定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL発光素子の経時劣化を予測する方法に関するものである。
また本発明は、有機EL発光素子の経時劣化を補償できるように該素子を駆動する方法に関するものである。
さらに本発明は、有機EL発光素子の経時劣化を抑制できるように、該素子を実使用に先立ってエージングする方法に関するものである。
有機EL発光素子は、輝度が駆動時間とともに低下することが知られている。そこで従来、このような輝度の経時劣化(単に「経時劣化」と言うこともある)の特性をある関数でフィッティング(近似)し、この関数に基づいて、有機EL発光素子の輝度の経時劣化を予測したり、輝度の経時劣化を補正したり、さらには有機EL発光素子をプリエージングする条件を最適に設定することがなされている。なおこのプリエージングとは、有機EL発光素子の実使用時における輝度の経時劣化をより小さくするために、実使用に先立って予め該素子を所定時間エージングしておく工程のことである。
特許文献1には、有機EL発光素子を定電流駆動した時に測定された輝度L (t)〔tは駆動時間〕の経時劣化特性を、
c(t) = L(t)/L(0) = Σ Ai exp(−ki t),(i=1→n)
〔c(t)は、L(t)をその初期値L(0)で除して規格化した規格化輝度〕
でフィッティングし、プリエージングの最適条件を設定する方法が記載されている。なおここでのプリエージングは、最もkiの小さいi=nに対してL(t)/L(0) がAn付近の値になる条件で行われるようになっている。
上記引用文献1に記載された方法では、有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性を関数 Σ Ai exp(−ki t),(i=1→n)に近似させているものであるが、この種のフィッティングを行うための関数としては、これ以外にも、
c(t) = exp(−k t)、
c(t) = exp{−(k t)^β}(「^β」はβ乗を示す)
のような単独のexp関数や、単独の拡張exp関数、さらには、
c(t) = Σ Ai exp(−ki t)
c(t) = Σ Ai exp{−(ki t)^β}
のようなexp関数または拡張exp関数の有限個の複数の和である関数等も考えられている。
特許第3250561号公報
しかし、上述した単独のexp関数や単独の拡張exp関数は、有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性に良くフィッティングしないことが認められている。また、この輝度の経時劣化特性は有機EL発光素子の材料、構造により大きく変化することが知られているが、上記単独のexp関数や単独の拡張exp関数は、このように変化する経時劣化特性の全般に対して良くフィッティングするものではない。したがって、このような関数によるフィッティング結果に基づいて有機EL発光素子の輝度の経時劣化を予測する場合は、その予測の精度が低くなってしまう。また、輝度の経時劣化を補正する場合には補正の精度が低くなり、プリエージング条件を求める場合にはプリエージング条件が不適なものになってしまう。
他方、exp関数または拡張exp関数の有限個の複数の和である関数にフィッティングする場合は、フィッティングの方法によって関数中のA、kの値が大きく変化するため、この関数に基づいてプリエージングの条件を設定する場合には、条件が一定に定まらないという問題がある。またこの関数に基づいて輝度の経時劣化を補正する場合には、関数が複数であるために補正の計算が複雑で、補正を行う駆動回路の負担、コストが大きくなってしまうという問題が認められる。
本発明は上記の事情に鑑みて、有機EL発光素子の輝度の経時劣化を正確かつ簡単に予測できる方法を提供することを目的とするものである。
また本発明は、有機EL発光素子の輝度の経時劣化を精度良く補正することができる、有機EL発光素子の駆動方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性に適合した最適条件で該素子をプリエージングすることができる、有機EL発光素子のプリエージング方法を提供することを目的とする。
本発明は、有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性に良くフィッティングする簡単な形式の関数を提案することで、上述の目的を達成したものである。
すなわち、本発明による有機EL発光素子の経時劣化予測方法は、より詳しくは、
有機EL発光素子を定電流駆動した時に測定された輝度L (t)〔tは駆動時間〕の経時劣化特性を
c(t) = L(t)/L(0) = 1 − A log { ( t + τ) / τ}
なる関数c(t)でフィッティングして、輝度の経時劣化関数を同定することを特徴とするものである。なおこの関数c(t) = L(t)/L(0)は、駆動時間tにおける輝度L(t)をその初期値L(0)で除して規格化した規格化輝度を示すものである。
また、本発明による有機EL発光素子の駆動方法は、
有機EL発光素子を定電流駆動した時に測定された輝度L (t)〔tは駆動時間〕の経時劣化特性を、上記と同様に、
c(t) = L(t)/L(0) = 1 − A log { ( t + τ) / τ}
なる関数c(t)でフィッティングし、
有機EL発光素子をパルス駆動する際に、パルス幅に1/c(t)を乗じることにより、輝度の経時劣化を補正することを特徴とするものである。
また、本発明による有機EL発光素子のプリエージング方法は、
有機EL発光素子を定電流駆動した時に測定された輝度L (t)〔tは駆動時間〕の経時劣化特性を、上記と同様に、
c(t) = L(t)/L(0) = 1 − A log { ( t + τ) / τ}
なる関数c(t)でフィッティングし、
有機EL発光素子の実使用下での輝度の経時劣化を抑制するために該素子をプリエージングする際に、プリエージング時の輝度をL’(t)として、
L(τ/2)/L(0) ≦L’(t)/L’(0) ≦L(2τ)/L(0)
を満足する時間tだけプリエージングを行うことを特徴とするものである。
本発明における上記関数c(t) = L(t)/L(0) = 1 − A log { ( t + τ) / τ}は、従来用いられている関数と比べると、有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性に良くフィッティングするものとなっている。以下、その点について詳しく説明する。
有機EL発光素子を定電流駆動し、そのときの駆動時間と発光輝度との関係を調べた。その関係を図1において、横軸を時間t(ただし、ある時間で規格化してある)とし、縦軸を規格化輝度c(t) = L(t)/L(0)としたグラフ(輝度の経時劣化特性)で示す。この図1では、有機EL発光素子の材料および構造の異なる4種の素子の経時劣化特性を示しているが、該特性は材料や構造により大きく様子が異なっていることが分かる。
この経時劣化特性を、前述した拡張exp関数
c(t) = exp{−(k t)^β}・・・(1)
でフィッティングした結果を図2に示す。この場合はフィッティング性自体が良くなく、また、材料や構造が異なる有機EL発光素子の間でフィッティング性にばらつきを生じていることも分かる。
ここで、図1に示した規格化輝度c(t)から輝度劣化速度(規格化輝度の時間微分値)dc(t)/dtを求め、それら両者の関係を図3のグラフに示す。なおこの図3では、横軸に規格化輝度c(t)を、対数軸である縦軸に輝度劣化速度dc(t)/dtを示してある。この図3から、有機EL発光素子の材料および構造に応じて直線の傾きは異なるものの、各値のプロットがほぼ直線上に存在することが分かる。
この関係を式で表すと、
dL(t) / dt = −k exp { ( L(t)−L(0) ) ^ β}
この微分方程式を解くと、
L(t) = L(0)〔 1 − A log { ( t + τ) / τ}〕
両辺をL(0)で割ると
L(t) / L(0) = c(t) = 1− A log { ( t + τ) / τ}・・・(2)
となる。
ここで、上記(2)式で図1の輝度の経時劣化特性をフィッティングした結果を図4に示す。この結果を、前記(1)式によるフィッティング結果(図2)と比較すると、(2)式によるフィッティングの方が、有機EL発光素子の材料、構造の変化に拘わらず良くフィッティングし、かつ、フィッティング性も優れていることが分かる。
したがって、(2)式に示した関数c(t)を用いて輝度の経時劣化特性をフィッティングして、輝度の経時劣化関数を同定するようにした本発明の有機EL発光素子の経時劣化予測方法によれば、有機EL発光素子の輝度の経時劣化を正確に予測可能となる。
また本発明の有機EL発光素子の経時劣化予測方法は、exp関数または拡張exp関数の和である関数を用いる方法と比べれば補正の計算が簡単であるから、比較的簡単な手段を用いて、簡単に有機EL発光素子の輝度の経時劣化を予測可能となる。
また、本発明による有機EL発光素子の駆動方法は、有機EL発光素子をパルス駆動する際に、パルス幅に1/c(t)を掛けることにより輝度の経時劣化を補正するものであるが、ここで用いる関数c(t)が、上述の通り有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性に良くフィッティングするものとなっているので、有機EL発光素子の輝度の経時劣化を精度良く補正可能となる。
この駆動方法は、上記(2)式に基づいて前記フィッティングがなされた有機EL発光素子と同タイプ、つまり材料および構造が同じである別の有機EL発光素子を実使用に供する際に実行されるものである。
また、本発明による有機EL発光素子のプリエージング方法においては、まず、上記各方法におけるのと同様に、下式
L(t) / L(0) = c(t) = 1− A log { ( t + τ) / τ}・・・(2)
により、有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性をフィッティングする。
ここで、この(2)式中のlog { ( t + τ) / τ}(=fとする)なるlog関数の数学的な性質から、0≦t≦τの領域においてfの時間当りの変化量(微分値)df/dtは大きいが、τ≦tの領域においてdf/dtはかなり小さくなる。したがって、t=τ付近までプリエージングを行えば、素子の実使用時の輝度の経時劣化を抑制することができる。
ただし、必ずしもt=τでなくても、つまりtはτより多少大きかったり小さかったりしても良く、具体的にはτ/2 ≦t≦2τ なる範囲にある時間tだけプリエージングを行うのが望ましい。以下、この点について詳しく説明する。上記(2)式について、その時間変化(劣化速度:c(t)をtに関して微分したもの)c(t)′=c(t)/dtを求めると、
c(t)′=c(t)/dt=−B{τ/ ( t + τ)}
となり、このc(t)′という関数にそれぞれt=0,τ/2、τ、2τを代入すると、
c(0)′=−B×1
c(τ/2)′=−B×(2/3)
c(τ)′=−B×(1/2)
c(2τ)′=−B×(1/3)
となる。
つまり、有機EL発光素子をt=τまでプリエージングすると、初期つまりt=0から素子を使用する場合と比べて、劣化速度が1/2になったところから実使用可能となる。そして、τ/2 ≦t≦2τ なる範囲にある時間tだけプリエージングを行うのであれば、素子の劣化速度が初期の劣化速度の2/3〜1/3になったところから実使用可能となる。
このプリエージングは、上記(2)式に基づいて前記フィッティングがなされた有機EL発光素子と同タイプ、つまり材料および構造が同じである別の有機EL発光素子を実使用に供する前に実行されるものである。
なお、プリエージングは短時間で行いたいという事情から、初期輝度を上げる、環境温度を上げるなどの加速プリエージングが適用されるのが一般的である。そのようにする場合、有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性を求めるに当たっては、実使用条件に近い輝度範囲や環境で輝度L (t)を測定し、加速プリエージング時には、経時劣化特性を求めた時の条件とは異なる条件で輝度L’(t)を求めることになる。そこでこの場合は、輝度L’(t)がτ/2≦t≦2τ なる条件下で下式
L’(t)/L’(0)= 1− A log { ( t + τ) / τ}
を満足するように、つまり書き換えれば、
L(τ/2)/L(0) ≦L’(t)/L’(0) ≦L(2τ)/L(0)
となる条件でプリエージングを行えば、素子実使用時の輝度の経時劣化を効果的に抑制可能となる。
そしてこのプリエージング方法においては、関数c(t)が前述の通り、有機EL発光素子の輝度の経時劣化特性に良くフィッティングするものとなっているので、有機EL発光素子の実使用時の輝度の経時劣化を極めて良好に抑制可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
《第1実施形態》
まず、有機EL発光素子の輝度の経時劣化を予測する実施形態について説明する。複数通りの材料および構造からなる有機EL発光素子を、1通りの材料および構造について複数個ずつ用意し、図5に示す系において、それらの有機EL発光素子10を定電流駆動回路11を用いて各々定電流で駆動した。この駆動により各有機EL発光素子10を、その輝度が初期輝度の50%になるまで劣化させ、その間の各駆動時間毎の輝度を輝度計12によって測定した。
そして、輝度が初期輝度の80%に低下するまでの駆動時間と輝度との関係から、図1に示したような輝度の経時劣化特性を求めた後、その輝度の経時劣化特性を、前記2つの式
c(t) = exp{−(k t)^β} ・・・(1)
c(t) = 1− A log { ( t + τ) / τ}・・・(2)
をそれぞれ用いてフィッティングした。つまり本例では、(1)式による場合はk およびβの値が求められ、一方(2)式による場合はA およびτの値が求められて、輝度の経時劣化関数が同定される。
次に、こうして同定された2通りの経時劣化関数から、輝度が初期輝度の50%になるまでの時間を求め、それらを実際の輝度が初期輝度の50%になるまでの時間と比較した。以上のことを複数の有機EL発光素子の1個毎に行い、各素子毎に上記2つの時間の間の誤差を求めた。それらの誤差の平均を求めたところ、(1)式でフィッティングを行った場合の誤差は±11%以下であったのに対し、(2)式でフィッティングを行った場合の誤差は±5%以下に抑えられた。これにより、(1)式よりも(2)式を用いてフィッティングを行う方が、有機EL発光素子の輝度の経時劣化を正確に予測可能であることが裏付けられた。
《第2実施形態》
次に有機EL発光素子を、輝度の経時劣化を補正して駆動する実施形態について説明する。上述した第1実施形態と同様に、複数通りの材料および構造からなる有機EL発光素子を、1通りの材料および構造について複数個ずつ用意し、それらの有機EL発光素子10を、図5に示す系の定電流駆動回路11を用いて各々定電流で駆動した。この定電流駆動により、各有機EL発光素子10を輝度が初期輝度の50%になるまで劣化させ、そしてその間の各有機EL発光素子10の輝度の経時劣化特性を、第1実施形態におけるのと同様に2つの式
c(t) = exp{−(k t)^β} ・・・(1)
c(t) = 1− A log { ( t + τ) / τ}・・・(2)
をそれぞれ用いてフィッティングした。つまり本例でも、(1)式による場合はk およびβの値が求められ、一方(2)式による場合はA およびτの値が求められて、輝度の経時劣化関数が同定される。
次に、上記フィッティングに供されたものと材料および構造が同じである有機EL発光素子10を、図6に示すパルス駆動回路20を用いてパルス駆動させた。パルス駆動回路20は、本来所定のパルス幅Wで有機EL発光素子10を駆動させるものであるが、該パルス駆動回路20に接続された補正回路21により、パルス幅を駆動時間に応じて変化させる補正がなされる。すなわち補正回路21には上記経時劣化関数c(t)が入力され、該補正回路21は上記所定のパルス幅Wに1/c(t)を乗じ、各駆動時間t毎にパルス幅W’=W/c(t)で有機EL発光素子10をパルス駆動させる。
このような補正動作により有機EL発光素子10は、経時劣化による輝度低下を補償して、基本的に、常にほぼ同一の輝度(みかけの輝度)で発光することになる。このとき、輝度低下を予測する経時劣化関数c(t)が、輝度低下をより正確に予測しているほど、上記みかけの輝度は変動がより少ないものとなる。
本例では、上記フィッティングに供されたものと材料および構造が同じである有機EL発光素子10を2つ用意し、それらの一方は経時劣化関数c(t)を上記(1)式とし、他方は経時劣化関数c(t)を上記(2)式として補正をかけて駆動させた。この駆動は、輝度が初期輝度の50%になるまで行い、その間の輝度の誤差、つまり一定となるべき輝度からのばらつきを求めた。以上の測定を、材料および構造が互いに異なる4種の有機EL発光素子について行った結果を、図7および図8に示す。図7は経時劣化関数c(t)を(1)式とした場合の結果を、そして図8は経時劣化関数c(t)を(2)式とした場合の結果を示している。なおこれらの図における縦軸の輝度ばらつきは、一定となるべき輝度をDr、実際の輝度をDとして(D−Dr)/Drで規定してある。つまり輝度ばらつきが全く無い場合が、輝度ばらつき値1.0である。この輝度ばらつきの最大値は、経時劣化関数c(t)を(1)式とした場合は0.977〜1.054(偏差で示せば−2.3%〜+5.4%)であったのに対し、経時劣化関数c(t)を(2)式とした場合は0.981〜1.011(偏差で示せば−1.9%〜+1.1%)に抑えられた。これにより、(1)式よりも(2)式を用いてフィッティングを行う方が、有機EL発光素子の輝度の経時劣化を精度良く補正可能であることが裏付けられた。
《第3実施形態》
次に、有機EL発光素子を、輝度の経時劣化特性に応じた最適な条件でプリエージングする実施形態について説明する。上述した第1実施形態と同様に、複数通りの材料および構造からなる有機EL発光素子を、1通りの材料および構造について複数個ずつ用意し、それらの有機EL発光素子10を、図5に示す系の定電流駆動回路11を用いて各々定電流で駆動した。この定電流駆動により、各有機EL発光素子10を輝度が初期輝度の50%になるまで劣化させ、そしてその間の各有機EL発光素子10の輝度の経時劣化特性を、
c(t) = 1− A log { ( t + τ) / τ}・・・(2)
を用いてフィッティングした。つまり本例では、A およびτの値が求められて、輝度の経時劣化関数が同定される。
そして、上記フィッティングに供されたものと材料および構造が同じである有機EL発光素子10を実使用に供する際に、それに先立って該素子10をプリエージングする。なお本例においてこのプリエージングには、前述した加速プリエージングが適用される。その際には、上記経時劣化特性を求めた時の条件とは異なる条件で輝度L’(t)が求められ、下式
L(τ/2)/L(0) ≦L’(t)/L’(0) ≦L(2τ)/L(0)
を満足する時間tだけプリエージングがなされる。それにより、先に説明した通りの理由で、素子実使用時の輝度の経時劣化を極めて良好に抑制可能となる。
有機EL発光素子の規格化輝度の経時劣化特性を、材料および構造が相異なる複数の素子について例示するグラフ 図1の経時劣化特性を、従来の方法によりフィッティングした結果を示すグラフ 図1の経時劣化特性を、規格化輝度対劣化速度の関係に変換して示すグラフ 図1の経時劣化特性を、本発明の方法によりフィッティングした結果を示すグラフ 有機EL発光素子の輝度を測定する系の一例を示すブロック図 本発明による有機EL発光素子の駆動方法を実施する装置の一例を示すブロック図 従来法により経時劣化が補正された有機EL発光素子の輝度ばらつき特性を示すグラフ 本発明の駆動方法により経時劣化が補正された有機EL発光素子の輝度ばらつき特性を示すグラフ
符号の説明
10 有機EL発光素子
11 定電流駆動回路
12 輝度計
20 パルス駆動回路
21 補正回路

Claims (3)

  1. 有機EL発光素子を定電流駆動した時に測定された輝度L (t)〔tは駆動時間〕の経時劣化特性を
    c(t) = L(t)/L(0) = 1 − A log { ( t + τ) / τ}
    なる関数c(t)でフィッティングして輝度の経時劣化関数を同定することを特徴とする有機EL発光素子の経時劣化予測方法。
  2. 有機EL発光素子を定電流駆動した時に測定された輝度L (t)〔tは駆動時間〕の経時劣化特性を
    c(t) = L(t)/L(0) = 1 − A log { ( t + τ) / τ}
    なる関数c(t)でフィッティングし、
    有機EL発光素子をパルス駆動する際に、パルス幅に1/c(t)を乗じることにより、輝度の経時劣化を補正することを特徴とする有機EL発光素子の駆動方法。
  3. 有機EL発光素子を定電流駆動した時に測定された輝度L (t)〔tは駆動時間〕の経時劣化特性を
    c(t) = L(t)/L(0) = 1 − A log { ( t + τ) / τ}
    なる関数c(t)でフィッティングし、
    有機EL発光素子の実使用下での輝度の経時劣化を抑制するために該素子をプリエージングする際に、プリエージング時の輝度をL’(t)として、
    L(τ/2)/L(0) ≦L’(t)/L’(0) ≦L(2τ)/L(0)
    を満足する時間tだけプリエージングを行うことを特徴とする有機EL発光素子のプリエージング方法。
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