JP2005283299A - 放射線像変換パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐傷性に優れ、かつ高画質の放射線画像を与える放射線像変換パネルを提供する。
【解決手段】 蛍光体層およびその上に設けられた保護層を有する放射線像変換パネルにおいて、保護層の表面のユニバーサル硬度が53N/mm2以上で、表面粗さが0.10乃至0.50μmの範囲にあり、そして層厚が1乃至40μmの範囲にある。
【選択図】 なし



Description

本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像情報記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルに関するものである。
X線などの放射線が照射されると、放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからなる、放射線画像記録再生方法が広く実用に供されている。読み取りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基本構造として、支持体とその上に設けられた蛍光体層とからなる。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるもの、気相堆積法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで蓄積性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、および蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているものなどが知られている。
また、上記放射線画像記録再生方法の別法として特許文献1には、従来の蓄積性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能とを分離して、少なくとも蓄積性蛍光体(エネルギー蓄積用蛍光体)を含有する放射線像変換パネルと、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する蛍光スクリーンとの組合せを用いる放射線画像形成方法が提案されている。この方法は、被検体を透過などした放射線をまず、該スクリーンまたはパネルの放射線吸収用蛍光体により紫外乃至可視領域の光に変換した後、その光をパネルのエネルギー蓄積用蛍光体にて放射線画像情報として蓄積記録する。次いで、このパネルに励起光を走査して発光光を放出させ、この発光光を光電的に読み取って画像信号を得るものである。このような放射線像変換パネルも、本発明に包含される。
放射線画像記録再生方法(および放射線画像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度であって、かつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な放射線画像を与えるものであることが望まれている。
特許文献2には、放射線画像の画質を低下させることなく高い防傷性を有する放射線像変換パネルとして、保護層の表面の平均表面粗さRaが関係式:0.10μm≦Ra≦0.45μmを満たすパネルが開示されている。
特許文献3には、画像ムラの無い鮮鋭度に優れた放射線画像を与える放射線像変換パネルとして、支持体と輝尽性蛍光体層を有する蛍光体シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムの該蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層の表面粗さ、および蛍光体面の表面粗さがそれぞれ独立に、0.10μm≦Ra≦1.00μmでかつ0.10μm≦Rt≦2.50μmであり、更に該最外層の樹脂層の表面のSm値が50μm〜500μmであるパネルが開示されている。ここで、Raはカットオフ値0.08mmで測定したJIS B 0601で規定される中心線平均粗さであり、Rtは同じくJIS B 0601で規定される最大高さ粗さであり、Smはカットオフ値0.8mmで測定したJIS B 0601で規定される凹凸の平均間隔である。
特開2001−255610号公報 特開2000−346996号公報 特開2002−286895号公報
放射線像変換パネルは、たとえ高画質の放射線画像を与えうるものであっても、その表面(画像情報の読み取り側表面)に傷がつくと画像上にアーティファクトが発生することがあり、それが画像診断の際に誤診の原因となりうる。よって、パネル表面の耐傷性ができる限り高いことが要求されている。また、パネルの画質と耐傷性を両立させることは重要な課題である。
従って、本発明は、耐傷性の優れた放射線像変換パネルを提供することにある。
特に、本発明は、耐傷性に優れ、かつ高画質の放射線画像を与える放射線像変換パネルを提供することにある。
本発明者は、放射線像変換パネルの表面の耐傷性について検討を重ねた結果、パネル表面である保護層表面の表面粗さを調整しただけでは不十分であり、更には放射線画像の画質の低下を招きうることが分かった。そして、保護層の表面粗さに加えて、表面硬度および層厚を一定範囲内とすることにより、耐傷性の優れた放射線像変換パネルが得られることを見い出した。さらに、高い画質を低下させることなく耐傷性の優れたパネルが得られることを見い出し、本発明に到達したものである。
本発明は、蛍光体層およびその上に設けられた保護層を有する放射線像変換パネルにおいて、該保護層の表面のユニバーサル硬度が53N/mm2以上であって、表面粗さが0.10乃至0.50μmの範囲にあり、そして層厚が1乃至40μmの範囲にあることを特徴とする放射線像変換パネルにある。
ここで、保護層表面のユニバーサル硬度とは、DIN50359、ISO14577に準処した硬度HUである。また、表面粗さとは、JIS B 0601で規定された表面粗さRaである。
本発明の放射線像変換パネルは、パネル表面の耐傷性が顕著に優れ、画像上のアーティファクトの発生を有効に防ぐことができる。特に、本発明の放射線像変換パネルは、耐傷性に優れ、かつ高画質の放射線画像を与えることができる。従って、医療用放射線画像診断などに有利に使用することができる。
本発明の放射線像変換パネルの好ましい態様は、以下の通りである。
(1)保護層表面のユニバーサル硬度が55N/mm2以上である。
(2)放射線像変換パネルの長さ20cmに対する撓み量が20mm未満である。
(3)蛍光体層が蓄積性蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結合剤からなり、該蓄積性蛍光体粒子の充填率が65容量%以上である。
(4)結合剤と蓄積性蛍光体粒子の重量混合比(前者/後者)が1/25以下である。
(5)蛍光体層の層厚が250μm以上である。
(6)蛍光体層の保護層とは反対側の表面に光反射層が設けられていて、蓄積性蛍光体粒子の発光ピーク波長における該光反射層の反射率が70%以上である。
以下に、本発明の放射線像変換パネルについて、図面を参照しながら詳細に述べる。
図1は、本発明の放射線像変換パネルの基本的な構成の例を概略的に示す断面図である。放射線像変換パネルは、順に支持体11、蛍光体層12、および保護層13から構成される。
図2は、本発明の放射線像変換パネルの代表的な構成の例を概略的に示す断面図である。放射線像変換パネルは、順に第二支持体14、接着層15、第一支持体11、導電層16、光反射層17、蛍光体層12、および保護層13から構成され、パネルの周囲側面には縁貼り18が設けられている。
本発明において、保護層13は、その表面13aのユニバーサル硬度が53N/mm2以上を示し、通常は70N/mm2以下である。好ましくは、ユニバーサル硬度が55N/mm2以上を示す。ここで、ユニバーサル硬度は、DIN50359、ISO14577に準処した硬度HUを意味し、負荷した荷重Fとくぼみの表面積A(h)との商として定義される。具体的には、保護層表面を微小硬度計(フィッシャースコープH100C)を用いて、ビッカース圧子、荷重F100mN、荷重アプリケーション時間50秒の条件にて測定して得られた値(押し込み深さh)と、負荷荷重Fとから、下記(1)式により求められる値である(くぼみの表面積A(h)は、押し込み深さhから(2)式により算出される)。
[数1]
HU = F/A(h) = F/{26.43×h2} …(1)

A(h) = 4×sin(α/2)/cos2(α/2) × h2 …(2)
(α:136゜)
また、保護層13は、その表面13aの表面粗さが0.10乃至0.50μmの範囲にある。好ましくは、表面粗さは0.12乃至0.30μmの範囲にある。ここで、表面粗さは、JIS B 0601で規定された表面粗さRa(中心線平均粗さ)であり、粗さ曲線からその平均線の方向の基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し平均して得られる値である。
さらに、保護層13は、その層厚が1乃至40μmの範囲にある。好ましくは、層厚は2乃至20μmの範囲にある。
上述したように、保護層13の表面硬度、表面粗さおよび層厚をそれぞれ特定の範囲内とすることにより、保護層表面に傷がつきにくくなり、また傷がついたとしても目立ちにくくなり、よって耐傷性を顕著に高めることができる。特に、放射線画像の高い画質を維持しながら、耐傷性を向上させることができる。
さらに、耐傷性の点から、放射線像変換パネルは、その端部から長さ20cmの部分を支持して端部を撓ませたときに、支持部からの鉛直方向の長さで表した撓み量が20mm未満であることが好ましい。好ましくは、撓み量は10mm以下である。撓み量は、例えば図2に示したように、第一支持体11裏面に硬い第二支持体14を設けることにより小さくすることができる。このようにパネルの撓み量を小さくして柔軟性を低くすることによって、パネルの取扱いが容易になり、結果としてパネル表面の耐傷性を高めることができる。
蛍光体層12は、一般には蓄積性蛍光体を含む層であり、通常は蓄積性蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結合剤からなる層である。画質の点から、蛍光体層中の蛍光体粒子の充填率は65容量%以上であることが好ましく、特に好ましくは70容量%以上である。同様に画質の点から、結合剤と蛍光体粒子の重量混合比(前者/後者)は1/25以下であることが好ましく、そして蛍光体層の層厚は250μm以上であることが好ましい。これらにより、X線等の放射線に対する吸収率を高めることができる。
画質の点から更に、図2に示したように、蛍光体層12の片面には光反射層17が設けられていることが好ましい。光反射層17は、蓄積性蛍光体粒子の発光ピーク波長における反射率が70%以上であることが好ましい。これにより、発光光の取出し効率を高めることができる。
なお、本発明の放射線像変換パネルにおいて、保護層13は、単層である必要はなく、二層以上の層から構成されていてもよい。また、図3に示すように(支持体21、蛍光体層22、保護層23、保護層表面23a)、保護層23が蛍光体層22の表面のみならず側面も覆う(縁貼りを兼ねる)構造であってもよい。あるいは、図4に示すように(裏面保護層39、支持体31、蛍光体層32、保護層33、保護層表面33a)、蛍光体層32よりも面積の大きな保護層33が、パネル裏面(支持体31裏面)に設けた保護層39と周囲端部で接着されて、蛍光体層32を完全に密封する構造であってもよい。
また、本発明の放射線像変換パネルは、図1〜図4に示した構成に限定されるものではなく、例えば後述する各種の補助層が付設されていてもよい。
本発明の放射線像変換パネルは、例えば以下のようにして製造することができる。
支持体は通常、柔軟な樹脂材料からなる厚みが50μm乃至1mmのシートあるいはフィルムである。支持体は透明であってもよく、あるいは支持体に、励起光もしくは発光光を反射させるための光反射性材料(例、アルミナ粒子、二酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子)を充填してもよく、あるいは空隙を設けてもよい。または、支持体に励起光もしくは発光光を吸収させるため光吸収性材料(例、カーボンブラック)を充填してもよい。支持体の形成に用いることのできる樹脂材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂などの各種樹脂材料を挙げることができる。さらに、画像の鮮鋭度を高める目的で、支持体の蛍光体層が形成される側の表面(支持体表面に下塗層、光反射層あるいは光吸収層等の補助層が設けられる場合には、それら補助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が形成されていてもよい。必要に応じて、支持体は金属シート、セラミックシート、ガラスシートなどであってもよい。
支持体の片面(蛍光体層または光反射層が設けられる側とは反対側の表面)には、前述したようにパネルの柔軟性を低くするために、カーボンシートなど硬くて軽量の材料からなる第二の支持体が設けられてもよい。
支持体上には、光反射性物質と結合剤とからなる光反射層が設けられてもよい。光反射性物質の例としては、Al23、ZrO2、TiO2、MgO、BaSO4、SiO2、ZnS、ZnO、CaCO3、Sb23、Nb25、2PbCO3・Pb(OH)2、PbF2、BiF3、Y23、YOCl、MIIFX(MIIはBa、Sr及びCaのうちの少なくとも一種であり、XはCl及びBrのうちの少なくとも一種である)、リトボン(BaSO4+ZnS)、ケイ酸マグネシウム、塩基性ケイ硫酸鉛、塩基性リン酸鉛、ケイ酸アルミニウムなどの白色顔料、および中空ポリマーを挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは組み合わせて用いてもよい。これらのうちでも高い屈折率を有する好ましい物質は、Al23、Y23、ZrO2、TiO2である。
光反射層は、前述したように蓄積性蛍光体の発光ピーク波長における反射率が70%以上であることが好ましい。また、励起光に対する散乱長(励起光が一回散乱するまでに直進する平均距離を意味し、散乱長が短いほど光散乱性が高い。散乱長は、光反射層の透過率の測定値から、クベルカ・ムンクの理論に基づく計算方法により決定することができる)が5μm以下であることが好ましく、そのためには、光反射性物質の平均粒子径は励起光の波長の1/4乃至2倍の範囲にあることが好ましい。通常使用される励起光の波長は500〜800nmの範囲にあるので、光反射性物質の平均粒子径は0.1乃至2.0μmの範囲にあることが好ましい。
また、光反射性物質のBET比表面積(単位質量当たりの表面積)は、一般には1.5m2/g以上であり、好ましくは2乃至10m2/gの範囲であり、より好ましくは2.5乃至8m2/gの範囲にある。光反射性物質の嵩密度(粉体の質量を、粉体を振動によって最密に充填したときの嵩体積で割った値)は、1mg/cm3以下であることが好ましく、より好ましくは0.6mg/cm3以下である。
光反射層の形成は、上記の微粒子状の光反射性物質を結合剤と共に有機溶剤に分散溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を支持体の表面に均一に塗布し、乾燥することにより行う。塗布液中の結合剤と光反射性物質の比率は、一般に1:10乃至1:50(重量比)の範囲にあり、好ましくは1:10乃至1:20(重量比)の範囲にある。結合剤および有機溶剤としては、後述する蛍光体層形成用の塗布液に使用できる結合剤および溶剤の中から任意に選択して用いることができる。塗布液には更に、光反射性物質の分散性を高める目的で、アルミニウム系カップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシランカップリング剤などの分散剤を添加してもよい。塗布操作は、通常の塗布手段、例えばドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いる方法により行うことができる。光反射層の層厚は、一般には5乃至100μmの範囲にある。
なお、支持体と光反射層との間には、両者の接着性を高めるために、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などからなる接着層が設けられてもよいし、あるいは帯電防止のために、これら樹脂中に導電剤が含有された導電層が設けられてもよい。
支持体(または光反射層)上には、蓄積性蛍光体粒子と結合剤とからなる蛍光体層が設けられる。蓄積性蛍光体としては、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。そのような好ましい輝尽性蛍光体の例としては、ユーロピウム又はセリウムで付活したアルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体(例、BaFBr:Eu、およびBaF(Br,I):Eu)、およびセリウム付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体を挙げることができる。
これらのうちでも、基本組成式(I):
IIFX:zLn ‥‥(I)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
上記基本組成式(I)中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEu又はCeであることが好ましい。また、基本組成式(I)では表記上F:X=1:1のように見えるが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを示すものであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示すものではない。一般に、BaFX結晶においてX-イオンの空格子点であるF+(X-)中心が多く生成された状態が、600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このとき、FはXよりもやや過剰にあることが多い。
なお、基本組成式(I)では省略されているが、必要に応じて下記のような添加物を基本組成式(I)に加えてもよい。
bA, wNI, xNII, yNIII
ただし、AはAl23、SiO2及びZrO2などの金属酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上では、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子でMIIFXとの反応性が低いものを用いることが好ましい。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これらの金属化合物としてはハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。
また、b、w、x及びyはそれぞれ、MIIFXのモル数を1としたときの仕込み添加量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3の各範囲内の数値を表す。これらの数値は、焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては最終的な組成物に含まれる元素比を表しているわけではない。また、上記化合物には最終的な組成物において添加されたままの化合物として残留するものもあれば、MIIFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもある。
その他、上記基本組成式(II)には更に必要に応じて、Zn及びCd化合物;TiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y23、La23、In23、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25、ThO2等の金属酸化物;Zr及びSc化合物;B化合物;As及びSi化合物;テトラフルオロホウ酸化合物;ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価又は2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物;V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiなどの遷移金属の化合物などを添加してもよい。さらに、本発明においては上述した添加物を含む蛍光体に限らず、基本的に希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を有するものであれば如何なるものであってもよい。
上記基本組成式(I)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、通常はアスペクト比が1.0乃至5.0の範囲にある。本発明に用いられる蓄積性蛍光体粒子は一般に、アスペクト比が1.0乃至2.0(好ましくは、1.0乃至1.5)の範囲、粒子サイズのメジアン径(Dm)が2μm乃至10μm(好ましくは、2μm乃至7μm)の範囲、そして粒子サイズ分布の標準偏差をσとしたときのσ/Dmが50%以下(好ましくは、40%以下)のものである。また、粒子の形状としては、直方体型、正六面体型、正八面体型、14面体型、これらの中間多面体型および不定型粉砕粒子などがあるが、それらのうちでは14面体型が好ましい。
ただし、本発明において蓄積性蛍光体は、上記基本組成式(I)で表される輝尽性蛍光体に限定されるものではない。
蓄積性蛍光体粒子は、粒状性などの画質の点から、粒子径の異なる二種類以上の蛍光体粒子の混合物であることが好ましい。その場合に、最小の蛍光体粒子の平均粒子径Dma(メジアン粒径:蛍光体粒子について粒径と頻度とからなる分布曲線を得たときに累積分布が全体粒子数の50%を示す粒径(分布の中心値)を意味する)が1.0乃至3.5μmの範囲にあり、最大の蛍光体粒子の平均粒子径DmbとDmaの比(Dmb/Dma)が2.0以上であることが好ましい。混合物中における最小の蛍光体粒子の割合は重量比で10%以上、50%以下であることが好ましく、最大の蛍光体粒子の割合は重量比で50%以上、90%以下であることが好ましい。
蛍光体層の形成は、まず上述した蓄積性蛍光体粒子、好ましくは粒子径の異なる二種類以上の蛍光体粒子の混合物を、結合剤と共に適当な有機溶剤に分散溶解して塗布液を調製する。塗布液中の結合剤と蛍光体の比率は、一般に1:1乃至1:100(重量比)の範囲にあり、好ましくは1:25乃至1:50(重量比)の範囲にある。
蓄積性蛍光体粒子を分散支持する結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどのような合成高分子物質を挙げることができる。なお、これらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
塗布液調製用の有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;そして、それらの混合物を挙げることができる。
塗布液にはさらに、塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤、蛍光体層の変色を防止するための黄変防止剤、硬化剤、架橋剤など各種の添加剤が混合されていてもよい。
この塗布液を次に、支持体の表面に前記の塗布手段を用いて均一に塗布して塗膜を形成する。この塗膜を乾燥して、支持体上への蛍光体層の形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによっても異なるが、一般には20μm乃至1mmの範囲にあり、好ましくは250乃至500μmの範囲にある。
蛍光体層には更にカレンダー処理などの圧縮処理を施してもよく、これにより、蛍光体層中の蓄積性蛍光体粒子の充填率をより一層高めて65容量%以上とすることができる。
蛍光体層は、必ずしも一層である必要はなく、二層以上で構成されていてもよく、その場合には各層の蛍光体の種類や粒子径、結合剤と蛍光体との混合比を任意に変えて、用途に応じて蛍光体層の発光特性および放射線や励起光に対する吸収・散乱特性を変更することができる。また、必ずしも蛍光体層を支持体(または光反射層)上に直接形成する必要はなく、別に用意した基板(仮支持体)上に蛍光体層を形成した後、蛍光体層を基板から引き剥がし、支持体上に接着剤などを用いて接着してもよい。
蓄積性蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層が設けられる。本発明において保護層は、前述したように、表面のユニバーサル硬度が53N/mm2以上であり、表面粗さが0.10乃至0.50μmの範囲にあるものである。また、保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護することができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
保護層としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムからなる保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。保護層の層厚は、一般に1乃至40μmの範囲にあり、好ましくは2乃至20μmの範囲にある。
保護層は二層以上から構成されていてもよく、例えば上記の層の表面に更に、耐汚染性および表面硬度を高めるためにフッ素樹脂塗布層が設けられてもよい。フッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を上記層の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。また、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパーフルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することもできる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などのような添加成分を用いることができる。特に架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有利である。
保護層の表面には、エンボスロール等を用いて温度および圧力を掛けながら表面処理を施すことが望ましい。これにより、保護層表面に微小の凹凸を設けて所望の表面粗さとすることができる。
上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。例えば、放射線画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。あるいは、更にX線などの放射線を吸収して紫外乃至可視領域に瞬時発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する層を設けてもよい。そのような蛍光体の例としては、LnTaO4:(Nb,Gd)系、Ln2SiO5:Ce系、LnOX:Tm系(Lnは希土類元素である)、CsX系(Xはハロゲンである)、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr,Ce、ZnWO4、LuAlO3:Ce、Gd3Ga512:Cr,Ce、HfO2等を挙げることができる。
[実施例1]
(1)蛍光体シートの作製
蛍光体:14面体型BaF(Br0.850.15):Eu2+蛍光体粒子
平均粒子径Dm:7.2μm 175g
平均粒子径Dm:2.4μm 75g
結合剤:HDI系ポリウレタンエラストマー(パンデックスT-5265H
[固形]、大日本インキ化学工業(株)製) 7.1g
架橋剤:HDI系ポリイソシアネート(コロネートHX[固形分
100%]、日本ポリウレタン工業(株)製) 0.90g
黄変防止剤:エポキシ樹脂(エピコート#1001[固形]、
油化シェルエポキシ(株)製) 2.0g
着色剤:群青(SM-1、第一化成工業(株)製) 0.022g
上記組成の材料をメチルエチルケトン(MEK)とともに撹拌容器に投入し、容器の周囲に冷却水を流しながら回転速度2500rpm(周速度約18m/秒)で2時間撹拌を行って、蛍光体粒子を分散させ、粘度3.0Pa・s(25℃)の塗布液(結合剤/蛍光体の重量比:1/25)を調製した。この塗布液を、シリコーン系離型剤が塗布されたポリエチレンテレフタレートシート(仮支持体、厚み:190μm)の表面に、ドクターブレードを用いて400mmの幅で塗布し乾燥したのち仮支持体から引き剥がして、蛍光体シートを作製した。
(2)導電層の形成
導電剤:SnO2(Sbドープ)針状微粒子(長軸:0.2〜2μm、
短軸:0.01〜0.02μm、FS-10P、石原産業(株)製)の
MEK分散体(固形分30重量%) 50g
樹脂:飽和ポリエステル樹脂(バイロン300、東洋紡(株)製) 6g
硬化剤:ポリイソシアネート(オレスターNP38-70S[固形分70%]、
三井化学(株)製) 2g
上記組成の材料をMEKに加え、混合分散して粘度0.02〜0.05Pa・sの塗布液を調製した。この塗布液をポリエチレンテレフタレート(PET)シート(第一支持体、厚み:188μm、ヘイズ度:約27、ルミラーS-10、東レ(株)製)の表面に、ドクターブレードを用いて塗布し乾燥して、導電層(層厚:2μm)を形成した。
(3)光反射層の形成
光反射性物質:高純度アルミナ微粒子(平均粒子径:0.4μm、
UA-5105、昭和電工(株)製) 444g
結合剤:軟質アクリル樹脂(クリスコートP-1018GS[20%トルエン
溶液]、大日本インキ化学工業(株)製) 100g
着色剤:群青(SM-03S、第一化成工業(株)製) 2.2g
上記組成の材料をMEKに加え、混合分散して粘度2〜3Pa・sの塗布液を調製した。この塗布液を導電層の表面にドクターブレードを用いて塗布し乾燥して、光反射層(層厚:約100μm)を形成した。前記蛍光体粒子の発光ピーク波長(400nm)における光反射層の反射率は98%であった。
(4)蛍光体層の付設
第一支持体の光反射層表面に、上記蛍光体シートを塗布形成時の裏面(仮支持体側)が接するようにして重ね、これをカレンダー機(金属ロール、ロール径:200μm)を用いて熱圧縮した。これにより、蛍光体層は光反射層に完全に融着した。
(5)保護層の形成
高分子物質:フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体(ルミフロン
LF504X[30%キシレン溶液]、旭硝子(株)製) 92.5g
架橋剤:ポリイソシアネート(スミジュールN3500[不揮発分
100%]、住友バイエルウレタン(株)製) 5.0g
滑り剤:アルコール変性シリコーン(X-22-2809[不揮発分66%、
キシレン含有ペースト]、信越化学(株)製) 0.5g
フィラー:メラミン−ホルムアルデヒド微粒子(平均粒子径:
0.6μm、エポスターS6、(株)日本触媒製) 6.5g
カップリング剤:アセトアルコキシアルミニウムイソプロピレート
(プレンアクトAL-M、味の素(株)製) 0.1g
触媒:ジブチルチンジラウレート(KS1260、共同薬品(株)製) 0.35mg
上記組成の材料をMEKに加え、混合溶解、分散して塗布液を調製した。この塗布液をPETフィルム(厚み:6μm、ルミラー6C-F53、東レ(株)製)の表面に塗布し乾燥して、塗布層(層厚:2μm)を形成した。PETフィルムの塗布層とは反対側に、飽和ポリエステル樹脂(バイロン30SS、東洋紡(株)製)の溶液を塗布し乾燥して、接着層を設けた。このPETフィルムを接着層を介して、蛍光体層の表面にラミネートロールを用いて接着して、二層構成の保護層(層厚:8μm)を設けた。
保護層の表面を、微小の凹凸を有するロールを用いて温度50℃で圧力を掛けながら表面処理してエンボスパターンを付け、表面粗さRaを0.20μmとした。
(6)縁貼りの形成
得られた積層体を430mm×354mmのサイズに裁断した後、積層体の周囲側面にフッ素含有樹脂溶液を1mm厚で塗布し乾燥して、縁貼りを設けた。
(7)第二支持体の付設
2枚のカーボンシートの間に発泡樹脂が挟まれた構造を有する第二支持体(サイズ:440mm×364mm、厚み:4.5mm、重量:330g)を、上記積層体の第一支持体表面に両面テープを用いて接着した。
このようにして、本発明の放射線像変換パネルを製造した(図2参照)。
[実施例2]
実施例1において、以下の変更以外は実施例1と同様にして本発明の放射線像変換パネルを製造した(図2参照)。
(1)蛍光体シートの作製において、蛍光体として
14面体型BaF(Br0.850.15):Eu2+蛍光体粒子
平均粒子径Dm:8.0μm 225g
平均粒子径Dm:2.4μm 75g
を用いた。
(5)保護層の形成において、下記組成の塗布液を直接に蛍光体層の表面に塗布し乾燥して、単層の保護層(層厚:3μm)を形成し、表面処理により表面粗さRaを0.15μmとした。
高分子物質:フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体(ルミフロン
LF504X[30%キシレン溶液]、旭硝子(株)製) 92.5g
架橋剤:ポリイソシアネート(スミジュールN3500[不揮発分
100%]、住友バイエルウレタン(株)製) 9.1g
滑り剤:アルコール変性シリコーン(X-22-2809[不揮発分66%、
キシレン含有ペースト]、信越化学(株)製) 0.5g
触媒:ジブチルチンジラウレート(KS1260、共同薬品(株)製) 0.30mg
[実施例3]
実施例1において、以下の変更以外は実施例1と同様にして本発明の放射線像変換パネルを製造した(図2参照)。
(1)蛍光体シートの作製において、蛍光体として
14面体型BaF(Br0.850.15):Eu2+蛍光体粒子
平均粒子径Dm:8.0μm 240g
平均粒子径Dm:2.4μm 60g
を用いた。
(5)保護層の形成において、実施例2と同一組成の塗布液を直接に蛍光体層の表面に塗布し乾燥して、単層の保護層(層厚:3μm)を形成した。
[比較例1]
実施例1において、以下の変更以外は実施例1と同様にして比較のための放射線像変換パネルを製造した(図2参照)。
(1)蛍光体シートの作製において、蛍光体として
14面体型BaF(Br0.850.15):Eu2+蛍光体粒子
平均粒子径Dm:6.7μm 125g
平均粒子径Dm:3.8μm 125g
を用いた。
(5)保護層の形成において、実施例2と同一組成の塗布液を直接に蛍光体層の表面に塗布し乾燥して、単層の保護層(層厚:3μm)を形成し、表面処理により表面粗さRaを0.15μmとした。
[比較例2]
実施例1において、以下の変更以外は実施例1と同様にして比較のための放射線像変換パネルを製造した。
(5)保護層の形成において、PETフィルム(厚み:50μm、ルミラー6C-F53、東レ(株)製)の表面に、飽和ポリエステル樹脂(バイロン30SS、東洋紡(株)製)の溶液を塗布し乾燥して接着層を設けた後、このPETフィルムを接着層を介して蛍光体層の表面に接着して、単層の保護層(層厚:50μm)を設けた。表面処理により、表面粗さRaを0.11μmとした。
(7)第二支持体の付設を行わなかった。
[比較例3]
実施例1において、以下の変更以外は実施例1と同様にして比較のための放射線像変換パネルを製造した(図2参照)。
(1)蛍光体シートの作製において、蛍光体として
14面体型BaF(Br0.850.15):Eu2+蛍光体粒子
平均粒子径Dm:6.7μm 210g
平均粒子径Dm:3.8μm 90g
を用いた。
(5)保護層の形成において、実施例2と同一組成の塗布液を直接に蛍光体層の表面に塗布し乾燥して、単層の保護層(層厚:3μm)を形成した。保護層の表面を、微小の凹凸を有するロールを用いて温度70℃で圧力を掛けながら表面処理してエンボスパターンを付け、表面粗さRaを0.60μmとした。

[放射線像変換パネルの性能評価]
得られた各放射線像変換パネルについて、以下のようにして、保護層表面のユニバーサル硬度およびパネルの柔軟性の測定を行った。また、パネルの耐傷性、放射線画像の画質およびパネルの取扱い性の評価を行った。
(1)ユニバーサル硬度
常温(25℃)にて、放射線像変換パネルの保護層表面を微小硬度計(フィッシャースコープH100C)を用いて、ビッカース圧子、荷重F100mN、荷重アプリケーション時間50秒の条件で測定し、測定値(押し込み深さh)と荷重Fとから前記(1)式によりユニバーサル硬度HU(N/mm2)を求めた。
(2)柔軟性(撓み量)
放射線像変換パネルを水平にし、その端部から長さ20cmの部分を支持して端部を撓ませ(静置60秒間)、支持部からの撓みの鉛直方向の長さを測定し、撓み量(mm)とした。
(3)耐傷性
放射線像変換パネルの保護層表面を、先端曲率が1mmφのサファイア針を用いて1cm/秒の速度で引っ掻いた。このとき、針の荷重を0〜400gの範囲で変化させた。次に、このパネルに管電圧80kVpのX線(10mR)を照射した後、半導体レーザ光(波長:660nm)で走査して、パネル表面から放射された輝尽発光光を受光器(分光感度S−5の光電子増倍管)で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像に再生して表示装置上に画像を得た。得られた再生画像上で傷が視認できなくなる荷重を決定し、相対値で表した。
(4)画質
放射線像変換パネルの表面に、MTFチャートを介してタングステン管球、管電圧80kVpのX線(10mR)を照射した後、半導体レーザ光(波長:660nm)でパネル面上の励起エネルギーが12J/m2となるように走査して、パネル表面から放射された輝尽発光光を受光器で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像に再生して表示装置上に画像を得た。得られた再生画像から鮮鋭度を測定した。パネルの表面にX線(1mR相当)を一様に照射した後、同様にして得られた画像から粒状値のウィナースペクトルを求めた。得られた鮮鋭度と粒状値から、空間周波数1サイクル/mmにおける検出量子効率(DQE)を求め、相対値で表した。なお、粒状値はX線の線量に依存するので、照射した線量値をモニタして線量1mRに補正した。
(5)取扱い性
通常の室内で放射線像変換パネルをカセッテから取り出し、パネルの保護膜表面をエタノールを染み込ませた綿布を用いて拭き(クリーニングし)、その後カセッテに挿入した。この一連の作業を50回繰り返した後、パネルに上記と同様の操作を行って画像を得た。画像上に傷等のアーティファクトが発生していない場合を「良好」とし、発生した場合を「不良」とした。
得られた結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005283299
上記に示した結果から、保護層が特定範囲の表面硬度、表面粗さおよび層厚を有する本発明の放射線像変換パネル(実施例1〜3)はいずれも、この条件を満たさない比較のための放射線像変換パネル(比較例1〜3)に比べて、耐傷性に優れ、かつ高画質の放射線画像を与えることが明らかである。比較例2のパネルでは、取扱い性の評価の際に画像上にクニックが発生した。
本発明の放射線像変換パネルの基本的な構成例を示す概略断面図である。 本発明の放射線像変換パネルの代表的な構成例を示す概略断面図である。 本発明に係る保護層の別の構造例を示す概略断面図である。 本発明に係る保護層の別の構造例を示す概略断面図である。
符号の説明
11、21、31 支持体
12、22、32 蛍光体層
13、23、33 保護層
13a、23a、33a 保護層表面
14 第二支持体
15 接着層
16 導電層
17 光反射層
18 縁貼り

Claims (7)

  1. 蛍光体層およびその上に設けられた保護層を有する放射線像変換パネルにおいて、該保護層の表面のユニバーサル硬度が53N/mm2以上であって、表面粗さが0.10乃至0.50μmの範囲にあり、そして層厚が1乃至40μmの範囲にあることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 保護層表面のユニバーサル硬度が55N/mm2以上である請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 放射線像変換パネルの長さ20cmに対する撓み量が20mm未満である請求項1または2に記載の放射線像変換パネル。
  4. 蛍光体層が蓄積性蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結合剤からなり、該蓄積性蛍光体粒子の充填率が65容量%以上である請求項1乃至3のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  5. 結合剤と蓄積性蛍光体粒子の重量混合比(前者/後者)が1/25以下である請求項4に記載の放射線像変換パネル。
  6. 蛍光体層の層厚が250μm以上である請求項1乃至5のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  7. 蛍光体層の保護層とは反対側の表面に光反射層が設けられていて、蓄積性蛍光体粒子の発光ピーク波長における該光反射層の反射率が70%以上である請求項1乃至6のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
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