JP2005281593A - 異方導電性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 150℃程度の低温でも流動性および反応性を有し、かつ高い接着強度と接続信頼性を有する異方導電性フィルムを提供すること。
【解決手段】 本発明に係る異方導電性フィルムは、(A)分子量が30万以下、ガラス転移温度が0℃以上であって、1分子中にエポキシ基とラジカル反応性基とを有するバインダー樹脂、(B)導電性フィラー、(C)シランカップリング剤、および(D)熱重合開始剤を含有する。この異方導電性フィルムは、さらに、前記ラジカル反応性基と反応可能な官能基を1つ有する反応性希釈剤(E)を含有することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面に配線パターン(電気的接続部)が設けられた少なくとも2枚の基板を互いの配線パターンが対面するように熱圧着する際に、この2枚の基板間に介装され、熱圧着によりこの2枚の基板の配線パターンを加圧方向にのみ電気的に導通させるための異方導電性フィルムに関する。
フレキシブルプリント基板(FPC)とITO端子が形成された液晶パネルのガラス基板との組み合わせなど、表面に配線パターンが形成された2枚の配線基板を、互いの配線パターンが対面した状態で接着し、同一基板内の配線パターン間を絶縁するとともに、対面する配線パターン間では電気導通性を確保するための接着剤、すなわち、基板平面方向には絶縁性を確保し、厚さ方向にのみ導電性を確保するための接着剤として、異方導電性接着剤が知られている。異方導電性接着剤は、通常、熱接着性および電気絶縁性を有する接着性成分(絶縁性接着剤;バインダー樹脂)中に導電性粒子が分散されているフィルムとして提供される。
2枚の配線基板を異方導電的に接着するには、このような異方導電性フィルムを2枚の配線基板の間に挾み、この2枚の配線基板を熱圧着することにより行なわれる。異方導電性フィルムを挟んだ配線基板を熱圧着すると、配線パターンが形成された部分の接着剤成分は配線パターンが形成されていない部分に移動し、2枚の基板の対面する配線パターン間は、導電性粒子により加圧方向に電気的に接続され、2枚の基板間での電気的接続を確保することができる。
従来、異方導電性フィルムとしては、エポキシ樹脂をバインダー樹脂とする異方導電性接着剤からなるフィルムが使用されてきた。しかしながら、エポキシ樹脂からなる異方導電性接着剤は硬化温度が高く、FPCの接着のような低温、短時間での接合には不向きであった。このため、低温、短時間での接合が可能な異方導電性フィルムの開発が求められてきた。
特許文献1には、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、エポキシ樹脂、硬化剤および熱可塑性エラストマーからなる絶縁性接着剤を用いた低温加熱硬化型異方導電性接着剤が開示されている。また、特許文献2には、(メタ)アクリル系ポリマー、有機過酸化物、アクリロキシ基含有化合物およびエポキシ基含有化合物からなる接着剤を用いた異方導電性フィルムが開示されている。これらの異方導電性フィルムは、エポキシ基を有する樹脂または化合物とアクリロキシ基などのラジカル重合性基を有する樹脂または化合物とを併用することにより、接着強度を向上させ、接続信頼性を高めている。
しかしながら、特許文献1の異方導電性接着剤のようにラジカル重合性樹脂とエポキシ樹脂とを併用すると、低温、短時間での接合が可能となるが、この場合、ラジカル重合性樹脂が選択的に架橋し、エポキシ樹脂の架橋度は上昇しにくい。その結果、接着剤層に硬化収縮の集中による架橋度分布、すなわち内部応力が発生し、接着強度の低下の原因となっていた。
また、特許文献2の実施例においてラジカル重合性化合物として用いられている多官能アクリレート化合物は、分子量が小さいため反応性が高く、低分子量の多官能アクリレート化合物を含む異方導電性フィルムを50μm以下のFPCの接着に使用すると、樹脂がFPCの凹部に十分に流動する前に硬化し、高い接着強度と優れた接続信頼性を両立する
ことが困難であった。さらに、特許文献2の実施例で使用されているアクリル系共重合体は反応性がなく、加熱後も接着剤層にゾル成分として存在する。このため、接着剤層の耐熱性、耐溶剤性を向上させる、すなわち、接着剤層の架橋度を上げるためにはラジカル重合性化合物の架橋度を上げる必要があるが、この場合にも接着剤層に架橋度分布が発生し、接着強度の低下の原因となっていた。
特開平10−168412号公報 特開平10−338844号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、150℃程度の低温でも流動性および反応性を有し、かつ高い接着強度と接続信頼性を有する異方導電性フィルムを提供することを課題としている。
本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、1分子中にエポキシ基とラジカル反応性基を有する、低分子量かつ高ガラス転移温度の樹脂を使用することによって、異方導電性フィルム中の接着剤成分が低温で優れた流動性および反応性を示し、かつ得られる異方導電性フィルムが高い接着強度および接続信頼性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る異方導電性フィルムは、分子量が30万以下、ガラス転移温度が0℃以上であって、1分子中にエポキシ基とラジカル反応性基とを有するバインダー樹脂(A)、導電性フィラー(B)、シランカップリング剤(C)、および熱重合開始剤(D)を含有することを特徴としている。この異方導電性フィルムは、さらに、前記ラジカル反応性基と反応可能な官能基を1つ有する反応性希釈剤(E)を含有することが好ましく、この反応性希釈剤(E)の分子量は150〜1000の範囲にあることが好ましい。
前記バインダー樹脂(A)は、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体または共重合体であることが好ましく、前記ラジカル反応性基は(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
本発明に係る異方導電性テープは、上記異方導電性フィルムをテープ状に形成したものである。
本発明に係る異方導電性フィルムは、150℃程度の低温でもその接着剤成分が優れた流動性および反応性を有し、かつ高い接着強度および接続信頼性で配線基板を異方導電接着することができ、ファインピッチに適応した接着が可能となる。
本発明に係る異方導電性フィルムは、エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A)、シランカップリング剤(C)および熱重合開始剤(D)からなる接着剤成分と、導電性フィラー(B)とを含有し、必要に応じて反応性希釈剤(E)をさらに含有する。以下、各成分について詳細に説明する。
(A)エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A)(以下、「バインダー樹脂(A)」という)は、1分子中にエポキシ基とラジカル反応性基とを含有する。バインダー樹脂(A)がエポキシ基を有することにより、異方導電性フィルムと基板との接着性が向上す
る。これは、エポキシ基の極性が作用しているものと考えられる。また、バインダー樹脂(A)がエポキシ基とラジカル反応性基とを1分子中に有することによって、異方導電性フィルムの低温、短時間での熱硬化が可能となり、さらには耐久性、耐湿耐熱性、接着性に優れた異方導電性フィルムを得ることができる。ラジカル反応性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基などの炭素−炭素間不飽和二重結合を有する基が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
バインダー樹脂(A)は、分子量が30万以下、好ましくは5万〜20万、より好ましくは8万〜15万であり、ガラス転移温度が0℃以上、好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜40℃ある。分子量およびガラス転移温度が上記範囲にあると、バインダー樹脂(A)は熱圧着時に優れた流動性を示し、かつ基板の端部から接着剤成分がはみ出すことなく、基板を接着することができる。なお、分子量は、GPC法(カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定された標準ポリスチレン換算の分子量である。また、バインダー樹脂(A)のガラス転移温度は、下記式で表されるFox式により求めることができる。
W/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
式中、Wiはモノマーiの質量分率(%)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(K)、Wは全モノマーの質量分率の合計(=100%)、Tgはバインダー樹脂(A)のガラス転移温度(K)を表す。
このようなバインダー樹脂(A)は、エポキシ基を有するアクリル系樹脂と、エポキシ基と反応可能な官能基とラジカル反応性基とを有する化合物とを、アクリル系樹脂中にエポキシ基が残存するように、反応させることにより得ることができる。すなわち、エポキシ基と反応させる前記化合物は、エポキシ基1.0モルに対して、エポキシ基と反応可能な官能基換算で1.0モル未満、好ましくは0.01〜0.8モル、より好ましくは0.1〜0.5モルの量で反応させる。エポキシ基と反応させる前記化合物が上記範囲の量で反応するとアクリル系樹脂中にエポキシ基とラジカル反応性基とが混在し、接着性および硬化性が向上する。
エポキシ基含有アクリル樹脂としては、グリシジル(メタ)アクリレート重合体;グリシジル(メタ)アクリレートと、これと共重合可能な反応性二重結合を有するモノマーとの共重合体が挙げられる。これらのうち、経済的観点からグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体が好ましい。グリシジル(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン系モノマーおよびビニル系モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、およびエトキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等
のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレンおよびヨードスチレンなどのハロゲン化スチレン;ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンなどが挙げられる。
ビニル系モノマーとしては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ジビニルベンゼン、酢酸ビニルおよびアクリロニトリル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエンモノマー;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデンなどが挙げられる。
これらのモノマーは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ基含有アクリル樹脂が共重合体の場合、原料モノマー合計100重量部に対してグリシジル(メタ)アクリレートを通常5〜60重量部、これ以外のモノマーを合計で40〜95重量部の量で共重合させて製造される。
このようなエポキシ基含有アクリル樹脂は、通常の方法により製造することができる。たとえば上記モノマーを有機溶剤に溶解または分散させ、この溶液または分散液を窒素ガスなどの不活性ガスで置換された反応器中で反応させることにより製造することができる。ここで使用される有機溶媒としては、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコールおよびi−プロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。上記反応において有機溶媒は原料モノマー合計100重量部に対して通常50〜300重量部の量で使用される。
上記反応は、重合開始剤の存在下で加熱することにより行われる。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドおよびクメンハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。この重合開始剤は、原料モノマー合計100重量部に対して通常0.01〜10重量部の量で使用される。
上記のような有機溶剤中において、反応温度は通常50〜90℃、反応時間は通常2〜20時間、好ましくは4〜12時間である。このようにして製造されたエポキシ基含有アクリル樹脂は、反応溶剤から分離して使用することもできるが、生成した樹脂を有機溶剤に溶解または分散させた状態で使用することが好ましい。
このようにして得られたエポキシ基含有アクリル樹脂に、エポキシ基と反応可能な官能基とラジカル反応性基とを有する化合物を反応させて、エポキシ基とラジカル反応性基を有するアクリル樹脂(バインダー樹脂)を得る。エポキシ基と反応可能な官能基としては、アミノ基、カルボキシル基などが挙げられる。
エポキシ基含有アクリル樹脂と反応させる化合物としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート;アリルアミンなどのビニル基含有アミン類が挙げられる。また、アクリル酸、メタアクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、ウンゲリカ酸および桂皮酸などの付加重合性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびジヒドロムコン酸などの付加重合性不飽和ジカルボン酸なども挙げられる。さらに、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロ
ハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸などの(メタ)アクリロイル基含有モノカルボン酸も挙げられる。
上記反応は、上記エポキシ基含有アクリル樹脂の製造に引き続いて、有機溶剤中において、反応温度が通常40〜100℃、反応時間が通常1〜10時間、好ましくは1〜5時間の条件で行なうことが望ましい。
バインダー樹脂(A)の分子量およびガラス転移温度は、上記重合条件、たとえば有機溶剤や重合開始剤の種類および使用量、反応温度、反応時間を適宜選択することにより、調整することができる。
(B)導電性フィラー
本発明に係る異方導電性フィルムでは、上記バインダー樹脂(A)中に導電性フィラー(B)が分散されている。導電性フィラー(B)としては、異方導電性接着剤に用いられる導電性フィラーであれば特に限定されないが、たとえば、導電性金属粒子、導電性無機粒子、樹脂芯材の表面を導電性材料で被覆した複合粒子を挙げることができる。上記導電性金属粒子、導電性無機粒子および導電性材料は、通常100Ω以下、好ましくは10-1
Ω以下の電気抵抗値を示す、導電性金属およびこれらの金属を含有する合金、ならびに導電性セラミック、導電性金属酸化物またはその他の導電性材料である。
導電性金属としては、Zn、Al、Sb、U、Cd、Ga、Ca、Au、Ag、Co、Sn、Se、Fe、Cu、Th、Pb、Ni、Pd、BeおよびMgを挙げることができる。上記金属は単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてもよく、さらに他の元素、化合物(たとえばハンダ)等を添加してもよい。導電性無機材料である導電性セラミックとしては、VO2、Ru2O、SiC、ZrO2、Ta2N、ZrN、NbN、VN、TiB2
、ZrB、HfB2、TaB2、MoB2、CrB2、B4C、MoB、ZrC、VCおよび
TiCを挙げることができる。また、上記以外の導電性フィラーとしてはカーボンおよびグラファイトのような炭素粒子、ならびにITO等を挙げることができる。
導電性金属粒子および導電性無機粒子は、平均粒子径が通常1〜50μm、好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは5〜15μmの範囲内にある。
また、上記複合粒子は、ガラスおよびアルミナなどの無機芯材または樹脂芯材の表面を上記導電性金属粒子や導電性無機材料などの導電性材料で被覆した粒子である。樹脂芯材は熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれから形成されていてもよい。このような樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン)、ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニルオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、エチルセルロースおよび酢酸セルロースを挙げることができる。
無機芯材および樹脂芯材は、平均粒子径が通常1〜48μm、好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは5〜10μmの範囲内にある。導電性材料からなる被覆層は、厚さが通常0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.2〜1μmの範
囲内にある。
このような複合粒子は、従来公知の方法、たとえば特開平8−3529号公報に記載の方法により製造することができる。
これらの導電性フィラーは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
導電性フィラー(B)は、異方導電性フィルム中に、バインダー樹脂(A)の固形分100重量部に対して通常1〜50重量部、好ましくは2〜20重量部の量で含有される。導電性フィラー(B)を上記量で含有することによって、異方導電性フィルムは、接着強度の低下を伴うことなく、加圧方向の導電性および基板平面方向の絶縁性に優れ、接続信頼性の高い異方導電性フィルムとなる。
(C)シランカップリング剤
シランカップリング剤(C)としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン,2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物;3−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
これらのシランカップリング剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤(C)は、異方導電性フィルム中に、バインダー樹脂(A)の固形分100重量部に対して通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で含有される。シランカップリング剤(C)を上記量で含有することにより、異方導電性フィルムの接着性を向上させることができる。
(D)熱重合開始剤
熱重合開始剤(D)としては、有機過酸化物、無機過酸化物およびアゾ系熱重合開始剤などを挙げることができる。有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイドおよび3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドを挙げることができる。また、無機過酸化物としては、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウムを挙げることができる。さらに、アゾ系熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)および4,4−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドを挙げることができる。
これらの熱重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ、また、熱圧着時の加熱温度に依存して適宜選定することにより、短時間硬化が可能になる。
熱重合開始剤(D)は、異方導電性フィルム中に、バインダー樹脂(A)の固形分100重量部に対して通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の量で含有される。熱重合開始剤(D)を上記量で含有することにより、異方導電性フィルム中の接着剤成分が熱圧着時に適度な流動性を保ちながら反応するため、異方導電性フィルムはプリント基板の端部からはみ出すことなく、優れた接着力で基板を接着できる。ここで「適度な流動性」とは、熱圧着時において基板の接合面の隅々にまで接着剤成分が十分に広がるが
、基板の端から接着剤成分がはみ出さない程度の流動性をいう。
(E)反応性希釈剤
反応性希釈剤(E)は、熱圧着によりバインダー樹脂(A)中のラジカル反応性基と反応可能な官能基を1つ有する化合物であって、異方導電性フィルムの製造時には溶剤の役割も果たす化合物である。このような単官能の反応性希釈剤(E)は、分子量が150〜1000の範囲にあるものが好ましく用いられる。なお、分子量は、GPC法(カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定された標準ポリスチレン換算の分子量である。
反応性希釈剤(E)としては、2−メタクリロキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有(メタ)アクリレートとt−ブチルアルコールや乳酸メチル、フェニルグリコールなどの水酸基含有単官能化合物との反応生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートとプロピルイソシアネートやブチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単官能化合物との反応生成物、グリシジル(メタ)クリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレートとn−プロピルアミンやn−ブチルアミンなどのアミノ基含有単官能化合物との反応生成物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレートとグリシジルメチルエーテルなどのエポキシ基含有単官能化合物との反応生成物などが挙げられる。
また、ε−カプロラクトンが開環付加反応した水酸基含有(メタ)アクリレート、シラン基含有(メタ)アクリレートなども反応性希釈剤(E)として用いることができる。ε−カプロラクトンが開環付加反応した水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、プラクセルFシリーズ(商品名、ダイセル化学工業(株)製)などのヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン1〜10モル付加物が挙げられる。シラン基含有(メタ)アクリレートとしては、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、上記例示した単官能反応性希釈剤以外に、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールオリゴアクリレート、エチルカルビトールオリゴアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタアクリレート、および下記式
Figure 2005281593
で表されるオリゴマーも単官能反応性希釈剤(E)として使用することができる。
これらの単官能反応性希釈剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
単官能反応性希釈剤(E)は、異方導電性フィルム中に、バインダー樹脂(A)の固形分100重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の量で含有される。単官能反応性希釈剤(E)を上記量で含有することにより、上述した作用を十分に発現させることができる。
(F)充填剤
本発明に係る異方導電性フィルムは、必要に応じて絶縁性無機粒子および/または絶縁性樹脂粒子を含有してもよい。絶縁性無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウムおよび三酸化アンチモンを挙げることができる。絶縁性樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子を挙げることができる。これらの粒子は単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、これらの粒子は平均粒子径が通常0.01〜5μmである。
この充填剤(F)は、異方導電性フィルム中のバインダー樹脂(A)100重量部に対して、通常1〜50重量部の量で使用される。充填剤(F)を上記の量で配合することにより、接着剤成分の流動性をさらに適度に調整することができ、接着後に加熱しても接着剤成分が逆流して導通性を阻害することが少なくなる。また、接着の際にプリント基板の端部からの接着剤成分のはみ出しを防止することができる。
〔異方導電性フィルムの製造方法〕
本発明に係る異方導電性フィルムは、上記成分(A)〜(D)、および必要に応じて成分(E)および(F)を混合し、この混合物を支持フィルムに塗工して乾燥することにより製造される。通常、形成された異方導電性フィルムの上にさらに支持フィルムを貼り合わせて保存される。このようにして形成された異方導電性フィルムは、膜厚が通常10〜60μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
上記2枚の支持フィルムはともに、異方導電性フィルムを使用する際に、容易に剥離で
きるものであれば特に限定されないが、たとえば、ポリエステル製剥離フィルムが挙げられる。なお、この支持フィルムは異方導電性フィルムを使用する際には剥離フィルムとなる。また、上記混合物はナイフコーター、リバースロールコーターまたはグラビアコーター等を使用して支持フィルムに塗工される。得られた塗膜は、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の温度で乾燥させる。
〔異方導電性フィルムの使用方法〕
上記方法により製造された異方導電性フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)と液晶ディスプレイ(LCD)のITO基板などの導通性を必要とする接合に使用される。
まず、上記方法により製造された、剥離フィルム/異方導電性フィルム/剥離フィルムからなるシートを所望の大きさに裁断する。次いで、一方の剥離フィルムを剥がして基板の配線パターン形成面に貼り付け、熱圧着して基板と異方導電性フィルムとを仮接合する。仮接合時の熱圧着温度は、通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃であり、圧力は、通常0.1〜5MPa、好ましくは0.1〜3MPa、より好ましくは0.1〜1MPaであり、時間は、通常10秒未満である。
その後、残りの剥離フィルムを剥がして別の基板の配線パターン形成面に貼り付け、熱圧着して接合する。この接合時の熱圧着温度は、樹脂温度として通常180℃以下、好ましくは120〜140℃であり、圧力は、通常3MPa以下、好ましくは1MPa以下であり、時間は、通常20秒以下、好ましくは5〜10秒である。
このようにして、2枚の基板はそれらの間に異方導電性フィルムを介装して、基板の配線パターンが互いに対面するように接合される。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例において、「部」および「%」は特に断りのない限り「重量部」および「重量%」を示す。
〔合成例1〕
(1)エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂の合成
窒素置換可能な四つ口フラスコに、メチルアクリレート50部、イソブチルメタクリレート30部、グリシジルメタクリレート20部およびトルエン70部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。この混合液に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1部をトルエン5部に溶解した溶液を5分間かけて滴下した。この滴下開始時を反応開始時とし、反応開始から300分の時点で反応を終了させた。このようにして得た反応溶液に、ジメチルアミノエチルメタクリレート2部を添加した後、85℃で120分間加熱し、エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液を得た。
このエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)は、GPC法(カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で90,000、Tgは30℃であった。
(2)エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂の反応性評価
上記エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.2部を熱重合開始剤として混合した。この混合
物をポリエステル製剥離フィルムMRX38(商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)上に塗布して乾燥し、膜厚15μmのバインダー樹脂塗膜を形成した。その後、この塗膜の表面にポリエステル製剥離フィルムMRF25(商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)を貼り付け、MRF25/バインダー樹脂膜/MRX38の3層からなる試験片を得た。この試験片を温度130℃、圧力0.2MPaで5秒間加熱し、エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)を硬化させた。
硬化後の試験片から2枚の剥離フィルムを剥がしてバインダー樹脂硬化物0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30cm3を加えて24時間振とうした。次いで、このサ
ンプル瓶の内容物を目開き74μmのステンレス製金網でろ過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥重量を測定した。次式によりエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のゲル分率を求めたところ、80%であった。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/硬化物採取重量)×100
〔合成例2〕
トルエン70部の代わりにトルエン55部と酢酸エチル15部とを用いた以外は合成例1と同様にしてエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A2)のトルエン溶液を得た。このエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A2)は、GPC法により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で230,000、Tgは29℃であった。また、合成例1と同様にしてゲル分率を求めたところ、90%であった。
〔合成例3〕
イソブチルメタクリレート30部とグリシジルメタクリレート20部の代わりに、グリシジルメタクリレート50部を用いた以外は、合成例1と同様にしてエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A3)のトルエン溶液を得た。このエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A3)は、GPC法により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で100,000、Tgは27℃であった。また、合成例1と同様にしてゲル分率を求めたところ、83%であった。
〔合成例4〕
イソブチルメタクリレート30部とグリシジルメタクリレート20部の代わりに、イソブチルメタクリレート43部とグリシジルメタクリレート7部を用いた以外は、合成例1と同様にしてエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A4)のトルエン溶液を得た。このエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A4)は、GPC法により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で90,000、Tgは30℃であった。また、合成例1と同様にしてゲル分率を求めたところ、81%であった。
〔合成例5〕
窒素置換可能な四つ口フラスコに、メチルアクリレート80部、イソブチルメタクリレート20部、トルエン35部、および酢酸エチル35部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。この混合液に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5部をトルエン5部に溶解した溶液を5分間かけて滴下した。この滴下開始時を反応開始時とし、反応開始から300分の時点で反応を終了させ、バインダー樹脂(a1)のトルエン溶液を得た。
このバインダー樹脂(a1)は、GPC法により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で300,000、Tgは30℃であった。
〔合成例6〕
メチルアクリレートを80部から50部に変更し、イソブチルメタクリレートを20部から50部に変更し、トルエン35部と酢酸エチル35部の代わりにトルエンを70部用
いた以外は合成例5と同様にしてバインダー樹脂(a2)のトルエン溶液を得た。このバインダー樹脂(a2)は、GPC法により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で120,000、Tgは27℃であった。
〔合成例7〕
イソブチルメタクリレート50部の代わりにイソブチルメタクリレート30部とグリシジルメタクリレート20部とを用いた以外は合成例6と同様にしてエポキシ基含有バインダー樹脂(a3)のトルエン溶液を得た。このエポキシ基含有バインダー樹脂(a3)は、GPC法により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で90,000、Tgは29℃であった。
〔合成例8〕
イソブチルメタクリレート30部とグリシジルメタクリレート20部の代わりに、イソブチルメタクリレート47部とグリシジルメタクリレート3部とを用い、ジメチルアミノエチルメタクリレートを2部から1部に変更した以外は、合成例1と同様にしてエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A5)のトルエン溶液を得た。このエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A5)は、GPC法により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で90,000、Tgは30℃であった。また、合成例1と同様にしてゲル分率を求めたところ、30%であった。
〔調製例1〕
(1)単官能反応性希釈剤の合成
窒素置換可能な四つ口フラスコに、t−ブチルアルコール32.5部と2−メタクリロキシエチルイソシアネート67.5部とトルエン100部とを仕込み、窒素雰囲気下で80℃まで昇温し、12時間反応させて単官能反応性希釈剤(E1)のトルエン溶液を得た。この単官能反応性希釈剤(E1)はGPC法(カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で230であった。
〔調製例2〕
t−ブチルアルコールの代わりにフェニルグリコール45.5部を用い、2−メタクリロキシエチルイソシアネートを67.5部から55.5部に変更した以外は調製例1と同様にして単官能反応性希釈剤(E2)のトルエン溶液を得た。この単官能反応性希釈剤(E2)のGPC法により測定された重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で293であった。
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.2部、導電性フィラー(ポリメタクリル酸エステル粒子に金−ニッケルを被覆したもの、粒子径5μm、日本化学工業(株)製ブライトGNRシリーズ)10部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品名:KBM403)0.2部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)40部を混合した。この混合物をポリエステル製剥離フィルムMRX38(商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)上に塗布して乾燥し、膜厚15μmの異方導電性フィルム(1)を形成した。その後、異方導電性フィルム(1)の表面にポリエステル製剥離フィルムMRF25(商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)を貼り付け、MRF25/異方導電性フィルム(1)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを1.5mm×30mmのテープ状に裁断した後、MRF25フィルムを剥離して、ITO蒸着ガラスの蒸着面に貼り付け、温度80℃、圧力0.1MPaで2秒間加熱して異方導電性フィルム(1)とITO蒸着ガラスの蒸着面とを仮接合した。次いで、MRX38フィルムを剥離して、異方導電性フィルム(1)と70μmピッチのフレキシブルプリント配線板(FPC)とを貼り合わせ、温度130℃、圧力0.2MPaで5秒間加熱し、異方導電性フィルム(1)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(1)を得た。この導電性試験片(1)を用いて異方導電性フィルム(1)の導電性および接着性を評価した。
一方、上記と同様にして異方導電性フィルム(1)とITO蒸着ガラスの非蒸着面とを仮接合した後、MRX38フィルムを剥離して、異方導電性フィルム(1)とFPCとを貼り合わせ、温度130℃、圧力0.2MPaで5秒間加熱し、異方導電性フィルム(1)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(1)を得た。この導電リーク試験片(1)を用いて異方導電性フィルム(1)の導電性リークを評価した。
導電性試験片(1)および導電リーク試験片(1)の電極間抵抗値はそれぞれ4Ωおよび絶縁抵抗値であった。導電性試験片(1)および導電リーク試験片(1)を80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持した後、電極間抵抗値を測定したところ、それぞれ6Ωおよび絶縁抵抗値であった。
また、導電性試験片(1)からFPCを剥離し、異方導電性フィルム(1)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度を長手方向の90度剥離試験(引張速度:50mm/分)により測定したところ、670N/mであった。
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A2)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(2)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(2)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(2)と、異方導電性フィルム(2)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(2)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(2)および導電リーク試験片(2)の電極間抵抗値はそれぞれ4Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(2)および導電リーク試験片(2)の電極間抵抗値はそれぞれ5Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(2)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は630N/mであった。
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A3)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(3)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(3)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(3)と、異方導電性フィルム(3)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(3)
を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(3)および導電リーク試験片(3)の電極間抵抗値はそれぞれ3Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(3)および導電リーク試験片(3)の電極間抵抗値はそれぞれ4Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(3)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は730N/mであった。
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A4)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(4)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(4)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(4)と、異方導電性フィルム(4)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(4)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(4)および導電リーク試験片(4)の電極間抵抗値はそれぞれ4Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(4)および導電リーク試験片(4)の電極間抵抗値はそれぞれ7Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(4)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は620N/mであった。
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、単官能反応性希釈剤(E1)を固形分で20部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.2部、導電性フィラー(ポリメタクリル酸エステル粒子に金−ニッケルを被覆したもの、粒子径5μm、日本化学工業(株)製ブライトGNRシリーズ)10部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品名:KBM403)0.2部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)40部を混合した。この混合物を使用した以外は、実施例1と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(5)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(5)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(5)と、異方導電性フィルム(5)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(5)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(5)および導電リーク試験片(5)の電極間抵抗値はそれぞれ4Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(5)および導電リーク試験片(5)の電極間抵抗値はそれぞれ6Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(5)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は670N/mであった。
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A2)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例5と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(6)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(6)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(6)と、異方導電性フィルム(6)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(6)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(6)および導電リーク試験片(6)の電極間抵抗値はそれぞれ5Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(6)および導電リーク試験片(6)の電極間抵抗値はそれぞれ8Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(6)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は650N/mであった。
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A3)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例5と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(7)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(7)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(7)と、異方導電性フィルム(7)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(7)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(7)および導電リーク試験片(7)の電極間抵抗値はそれぞれ3Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(7)および導電リーク試験片(7)の電極間抵抗値はそれぞれ5Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(7)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は800N/mであった。
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A4)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例5と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(8)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(8)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(8)と、異方導電性フィルム(8)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(8)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(8)および導電リーク試験片(8)の電極間抵抗値はそれぞれ4Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(8)および導電リーク試験片(8)の電極間抵抗値はそれぞれ6Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(8)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は730N/mであった。
単官能反応性希釈剤(E1)の代わりに単官能反応性希釈剤(E2)を固形分で20部用いた以外は実施例5と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(9)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(9)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(9)と、異方導電性フィルム(9)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(9)
を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(9)および導電リーク試験片(9)の電極間抵抗値はそれぞれ4Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(9)および導電リーク試験片(9)の電極間抵抗値はそれぞれ6Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(9)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は750N/mであった。
単官能反応性希釈剤(E1)の代わりにプラクセルFM5(商品名、ダイセル化学工業(株)製、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのカプロラクトン5モル付加物、分子量686)を20部用いた以外は実施例5と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(10)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(10)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(10)と、異方導電性フィルム(10)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(10)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(10)および導電リーク試験片(10)の電極間抵抗値はそれぞれ6Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(10)および導電リーク試験片(10)の電極間抵抗値はそれぞれ9Ωおよび絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(10)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は640N/mであった。
[比較例1]
バインダー樹脂(a1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、多官能反応性オリゴマーTMP−A(商品名、共栄社化学(株)製、3官能アクリレート)20部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.2部、導電性フィラー(ポリメタクリル酸エステル粒子に金−ニッケルを被覆したもの、粒子径5μm、日本化学工業(株)製ブライトGNRシリーズ)10部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品名:KBM403)0.2部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)40部を混合した。この混合物を使用した以外は、実施例1と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(a)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(a)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(a)と、異方導電性フィルム(a)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(a)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(a)および導電リーク試験片(a)の電極間抵抗値はともに絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(a)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は200N/mであった。
[比較例2]
バインダー樹脂(a2)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、グリシジルメタクリレートを5部、多官能反応性オリゴマーTMP−Aを20部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.2部、導電性フィラー(ポリメタクリル酸エステル粒子に金−ニッケルを被覆したもの、粒子径5μm、日本化学工業(株)製ブライトGNRシリーズ)10部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品名:KBM403)0.2部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)40部を混合
した。この混合物を使用した以外は、実施例1と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(b)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(b)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(b)と、異方導電性フィルム(b)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(b)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(b)および導電リーク試験片(b)の電極間抵抗値はともに絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(b)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は230N/mであった。
[比較例3]
バインダー樹脂(a2)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、多官能反応性モノマーSR399E(商品名、日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート)100部、エポキシ基含有バインダー樹脂(a3)のトルエン溶液を樹脂固形分で20部、エポキシ樹脂用硬化剤(変性脂肪族アミン、住友化学工業(株)製、商品名:スミキュアAF)を20部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.2部、導電性フィラー(ポリメタクリル酸エステル粒子に金−ニッケルを被覆したもの、粒子径5μm、日本化学工業(株)製ブライトGNRシリーズ)10部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品名:KBM403)0.2部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)40部を混合した。この混合物を使用した以外は、実施例1と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(c)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(c)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(c)と、異方導電性フィルム(c)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(c)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(c)および導電リーク試験片(c)の電極間抵抗値はともに絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(c)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は130N/mであった。
[参考例]
エポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにエポキシ基含有ラジカル反応性バインダー樹脂(A5)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例5と同様にしてMRF25/異方導電性フィルム(d)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、異方導電性フィルム(d)を介してITO蒸着ガラスの蒸着面とFPCとを接合した導電性試験片(d)と、異方導電性フィルム(d)を介してITO蒸着ガラスの非蒸着面とFPCとを接合した導電リーク試験片(d)を作製し、電極間抵抗値および接着強度を測定した。導電性試験片(d)および導電リーク試験片(d)の電極間抵抗値はそれぞれ20Ωおよび絶縁抵抗値であった。80℃、90%RHの雰囲気下で1000時間保持後の導電性試験片(d)および導電リーク試験片(d)の電極間抵抗値はともに絶縁抵抗値であった。FPC剥離により測定した異方導電性フィルム(d)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度は300N/mであった。
以上の結果を表1〜表3に示す。
Figure 2005281593
Figure 2005281593
Figure 2005281593
本発明によると、低温かつ短時間で配線パターンを有する2枚の基板を高い接着力で接着でき、得られた接続材料の接続信頼性も高い。本発明に係る異方導電性フィルムは、たとえば、LCD(液晶ディスプレイ)とFPCとの接続、LCDパネルと半導体チップとの接続などに使用することができる。

Claims (6)

  1. 分子量が30万以下、ガラス転移温度が0℃以上であって、1分子中にエポキシ基とラジカル反応性基とを有するバインダー樹脂(A)、導電性フィラー(B)、シランカップリング剤(C)、および熱重合開始剤(D)を含有する異方導電性フィルム。
  2. さらに、前記ラジカル反応性基と反応可能な官能基を1つ有する反応性希釈剤(E)を含有することを特徴とする請求項1に記載の異方導電性フィルム。
  3. 前記反応性希釈剤(E)の分子量が150〜1000の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の異方導電性フィルム。
  4. 前記バインダー樹脂(A)が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体または共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性フィルム。
  5. 前記ラジカル反応性基が(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の異方導電性フィルムをテープ状に形成した異方導電性テープ。
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