JP2005281228A - 美白化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 パラオ共和国のウルクターブル島の海泥熱水抽出物を精製して得られ、水溶液濃度100μg/mLで80%以上のチロシナーゼ阻害活性を示す海泥エキスを含有することを特徴とする美白化粧料。
【選択図】 なし
Description
すなわち、本発明は
(1) パラオ共和国のウルクターブル島の海泥熱水抽出物を精製して得られ、水溶液濃度100μg/mLで80%以上のチロシナーゼ阻害活性を示す海泥エキスを含有することを特徴とする美白化粧料、
(2) 海泥エキスを0.001〜5.0質量%含有することを特徴とする、前記(1)記載の美白化粧料、及び
(3) パラオ共和国のウルクターブル島の海泥熱水抽出物を精製して得られ、水溶液濃度100μg/mLで80%以上のチロシナーゼ阻害活性を示す海泥エキスを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤、
に関する。
本発明の美白化粧料は、高活性のチロシナーゼ阻害活性成分を含有するので、メラニン産生による色素沈着、例えば日焼け後の色素沈着、ホルモンバランスの変化によりおこる色素沈着、扁平母斑、そばかす、あるいは化粧品かぶれ、ニキビ、ヤケド、アトピー性皮膚炎又は体を洗う際に使うナイロンタオルやブラシ等の外的刺激による炎症後に生じる色素沈着、老人性色素斑、又はレーザー治療等の後に起こる色素沈着等を予防、抑制できる。また、本発明の美白化粧料は、従来品に比べてメラニン産生阻害効果において著しく優れているのみならず、海泥が有する美白、肌荒れ防止、クスミの予防等、肌の美白効果を保持している。
本発明の美白化粧料に配合される海泥エキスは、パラオ共和国のウルクターブル島の海泥熱水抽出物とは異なり、例えば塩化ナトリウム等の塩を含有していないため、エマルジョンやクリーム等の製剤が塩により分離等しないので、製剤化が容易となり、かつ経時的に安定な美白化粧料を製造できる。
本発明の美白化粧料に使用される海泥エキスは、海泥から抽出、精製又は分離等の手段により採取されたエキスであり、水溶液濃度100μg/mLで80%以上のチロシナーゼ阻害活性を示すものであれば、その精製又は分離、あるいは抽出方法の如何に関わらず、いずれも本発明の海泥エキスとして使用できる。なお、上記水溶液濃度とは、チロシナーゼ阻害活性を測定する反応液中における海泥エキスの濃度をいうが、該反応液には、測定に影響を与えない範囲であれば、必要に応じてジメチルスルホキシドやエタノール等の溶解補助剤等が含有してもよい。本発明において、「精製」というときは、海泥熱水抽出物にさらに手段を加えてチロシナーゼ阻害活性を高めたものにすることをいう。精製の程度は、精製前の海泥熱水抽出物と同等のチロシナーゼ阻害率を示す被検物の水溶液濃度が通常約1/10以下、好ましくは約1/10〜1/10000程度に減少されていることが好ましい。また、本明細書において「画分」とは、熱水抽出物の成分を種々の分離手段で溶出し、溶媒を除去して得られる乾固物(例えば減圧乾固物又は凍結乾燥物等)をいう。
次いで、画分dを、分子篩クロマトグラフィーにて、メタノール/水〔1:1(V/V)〕混合溶媒を用いて溶出する。分子篩クロマトグラフィーに用いる樹脂としては、例えばセファデックスLH−20(東ソー株式会社製)等を用いることができる。溶出液の一部は、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと略記する。)で、クロロホルム/メタノール/水/酢酸〔3:3:1:0.1(V/V)〕混合溶媒を用いて展開し、ニンヒドリン試薬で呈色及びUV254mmでの発光を指標にしながら溶出液を分画する。
チロシナーゼ阻害活性の高い画分d3は、さらにシリカゲルクロマトグラフィーにて、クロロホルム/メタノール/水〔5:4:1(V/V)〕混合溶媒を用いて溶出し、溶出液の一部を、TLCでクロロホルム/メタノール/水〔2:4:1(V/V)〕混合溶媒を用いて展開し、ニンヒドリン試薬による呈色を指標にして溶出液を分画する。ニンヒドリン試薬で呈色しない画分d3−1、Rf値0.3に呈色スポットを示す画分d3−2、Rf値が0.2及び0.4に呈色スポットを示す画分d3−3を分取後、溶出液をクロロホルム/メタノール/水〔4:4:1(V/V)〕混合溶媒に換えさらに溶出する。クロロホルム/メタノール/水〔4:4:1(V/V)〕混合溶媒で溶出される画分d3−4を回収する。シリカゲルとしては、例えばシリカゲル60N(63−210μm;関東化学株式会社製)等を用いることができる。画分d3−3及び画分d3−4のチロシナーゼ阻害活性は、共に100μg/mLの水溶液濃度で、阻害率は80%以上であり、本発明に使用する海泥エキスとすることができる。
上記海泥エキスは、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤等の剤型で提供することができる。また、化粧水、乳液、クリーム、パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション、メイクアップベースクリーム、乳液状又はクリーム状或いは軟膏型のファンデーション、アイカラー、チークカラーといったメイクアップ化粧料、ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション等の身体用化粧料などとしても提供することができる。また、入浴剤等として提供することもできる。
本発明の美白化粧料は、自体公知の化粧料の製造方法に従い、例えば海泥エキスを水又は/及び化粧品基剤に溶解又は攪拌し製造し得る。攪拌は自体公知の方法、例えばキルンやミキサーによる攪拌、パドル攪拌、超音波による攪拌、磁気力を利用する攪拌等いずれの方法も適宜に使用しうる。美白化粧料中における海泥エキスの配合量としては、化粧料の全質量に対し、約0.001〜5質量%程度が好ましく、特に好ましくは約0.005〜2質量%程度である。
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、ホスホベタイン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール及びこれらのリゾ体の他、ホスホファチジン酸とその塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
生理活性成分としては、例えばグリチルリチン酸及びその塩、塩酸ジフェンヒドラミン、胎盤抽出物、アルブチン、コラーゲン、アラントイン及びdl−α−トコフェロール等が挙げられる。溶媒としては、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、精製水及び低級アルコール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばオキシベンゾン、サリチル酸フェニル、シノキサート及び2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート剤としては、例えばエデト酸及びその塩類、並びにクエン酸及びその塩等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば安息香酸及びその塩類、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルクレゾール、クロルフェネシン、クロロブタノール、ソルビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、パラオキシエチレン安息香酸エステル及びハロカルバン等が挙げられる。
中和剤・pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等が挙げられる。
昆虫忌避剤としては、例えばジエチルトルアミド等が挙げられる。
酵素としては、例えば、塩化リゾチーム等が挙げられる。
以下に実施例、試験例によって、更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例等によって、限定されるものでないことは云うまでもない。
A:
海泥エキス 3.0重量部
酸化チタン 2.0重量部
ポリオキシエチレン(20E.0)セチルエーテル 1.0重量部
1,3ブチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 10.0重量部
パラオキシ安息香酸メチル 0.1重量部
B:
ポリビニルアルコール 1.0重量部
精製水 72.9重量部
調製方法:Aを50℃で加温し、均一に混合する。Bは常温で均一に溶解する。Aを撹拌しながらBを徐々に加え均一に混合する。撹拌しながら冷却し、35℃で撹拌を止め放置し、パック剤とする。
A:
スクワラン 25.0重量部
ホホバ油 5.0重量部
ミツロウ 5.0重量部
セタノール 3.0重量部
ステアリン酸モノグリセリン 2.0重量部
B:
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン
モノステアリン酸エステル 3.0重量部
海泥エキス 1.0重量部
グリセリン 7.0重量部
1,3ブチレングリコール 7.0重量部
パラオキシ安息香酸メチル 0.3重量部
精製水 41.7重量部
製法:A,Bそれぞれに加温し、攪拌しつつ、Aに徐々にBを加え、冷却する。
A:
モノミリスチン酸デカグリセリル 2.1重量部
水素添加大豆リン脂質 0.6重量部
ステアリン酸 0.5重量部
ベヘニルアルコール 1.6重量部
パルミチン酸セチル 0.6重量部
α−オレフィンオリゴマー 6.0重量部
2−エチルヘキサン酸セチル 6.0重量部
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 6.0重量部
海泥エキス 0.2重量部
グリセリン 5.0重量部
パラオキシ安息香酸 0.3重量部
B:
精製水 54.2重量部
C:
カルボキシビニルポリマー 0.1重量部
精製水 10.0重量部
D:
水酸化ナトリウム 0.04重量部
精製水 6.76重量部
調製方法:A、Bともに80℃で加温溶解し、BをAにホモミキサー撹拌しながら徐々に加え、5,000rpmで5分間乳化する。パドル撹拌しながらC、Dを加え、冷却し、40〜35℃で撹拌を止め、放置する。
A:
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2重量部
クエン酸 0.1重量部
クエン酸ナトリウム 0.3重量部
精製水 82.99重量部
B:
テトラオレイン酸P0E(60)ソルビトール 0.9重量部
モノオレイン酸ソルビタン 0.1重量部
オリブ油 0.1重量部
ジプロピレングリコール 5.0重量部
海泥エキス 0.01重量部
エタノール 10.0重量部
パラオキシ安息香酸 0.3重量部
調製方法:A、Bともに50℃で加温溶解し、BをAに撹拌しながら徐々に加え可溶化する。撹拌しながら冷却し、30℃で撹拌を止め、放置する。
A:
ラウリン酸 2.0重量部
ミリスチン酸 17.0重量部
パルミチン酸 4.0重量部
ステアリン酸 4.0重量部
ヤシ油脂肪酸カリウム 8.0重量部
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0重量部
N−ココイルメチルタウリンナトリウム 10.0重量部
濃グリセリン 5.0重量部
1,3−ブチレングリコール 5.0重量部
海泥エキス 0.5重量部
パラオキシ安息香酸 0.3重量部
B:
水酸化カリウム 5.5重量部
エデト酸四ナトリウム 0.2重量部
精製水 35.5重量部
調製方法:Aを80℃に加温溶解する。Bは常温溶解する。BをAに撹拌しながら徐々に加え均一溶解する。攪拌しながら冷却し、35℃で撹拌を止め、放置する。
チロシナーゼ阻害活性
チロシナーゼはきのこから分離及び精製したものを、シグマ(Sigma)社から購入して使用した。チロシナーゼを0.05M燐酸ナトリウム緩衝溶液(pH6.8)に溶かし、0.1mg/mL(200U/mL)溶液とし、チロシナーゼ溶液として使用した。試験管に被検液0.5mLと、基質L−dopa溶液(0.03質量%、1/15Mリン酸緩衝液、pH6に溶解)を0.5mL加え、25℃、10分間加温した。次に、チロシナーゼ溶液0.5mLを加え、25℃、5分間加温した後、吸光度を475nmで測定した(D1)。基質を加えず同様の操作をした吸光度をD2、被検液を添加せず同様の操作をした吸光度をD3とし、阻害率を以下の式で求めた。
阻害率(%)=((D3−D2)−(D1−D2))/(D3−D2)×100
海泥エキスの分離
(1) 海泥熱水抽出物
海泥1kgに、精製水3Lを加え、100℃で1時間加熱後、ろ過した。ろ液を、減圧濃縮後、凍結乾燥し、水を除去し、海泥熱水抽出物した。このときの海泥に対する収率は4%であった。また、海泥熱水抽出物のチロシナーゼ阻害活性は、2mg/mLの濃度で74%であった。
ついで、溶出液をクロロホルム/メタノール/水〔4:4:1(V/V)〕混合溶媒に換えさらに溶出する。クロロホルム/メタノール/水〔4:4:1(V/V)〕混合溶媒で溶出される画分を回収し、画分d3−4とした。画分d3−4の収率は0.77%で、100μg/mLのチロシナーゼ阻害率は84.8%であった。
海泥熱水抽出物を精製し、100μg/mLのチロシナーゼ阻害率が80%以上である
海泥エキスである画分d3−3及び画分d3−4を得た。これら海泥エキスは、海泥熱水抽出物に比較して約1/20の量で、海泥熱水抽出物と同等のチロシナーゼ阻害活性を有するまで精製されたことが分かった。
Claims (3)
- パラオ共和国のウルクターブル島の海泥熱水抽出物を精製して得られ、水溶液濃度100μg/mLで80%以上のチロシナーゼ阻害活性を示す海泥エキスを含有することを特徴とする美白化粧料。
- 海泥エキスを0.001〜5.0質量%含有することを特徴とする、請求項1記載の美白化粧料。
- パラオ共和国のウルクターブル島の海泥熱水抽出物を精製して得られ、水溶液濃度100μg/mLで80%以上のチロシナーゼ阻害活性を示す海泥エキスを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤。
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CN103181869A (zh) * | 2013-03-28 | 2013-07-03 | 浙江大学 | 一种纯天然海泥提取物多效护肤乳液及其制备方法 |
JP2013241357A (ja) * | 2012-05-18 | 2013-12-05 | Kose Corp | 皮膚外用剤 |
CN113484437A (zh) * | 2021-07-06 | 2021-10-08 | 云南中烟工业有限责任公司 | 一种测定环境水样中超痕量卤卡班的方法及其用途 |
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2004
- 2004-03-30 JP JP2004098914A patent/JP2005281228A/ja active Pending
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