JP2005280015A - 射出成形機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ3を駆動して金型10を開閉する射出成形機の制御装置において、金型10の開放から閉成に至るまでの工程における、閉成指令信号に同期して、多数時点のモータ3の電流X(t)を検出する電流検出部23と、工程を複数回A繰り返して時点毎に対応する電流X(t)を記憶するメモリ29rから読み出した電流X(t)に対応する時点毎の平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を用いて時点毎の標準化値Zx(t)を求める標準化算出手段と、同一金型閉成動作における標準化値Zx(t)を、過去から現時点までの積算値Bx(t)を求める積算算出手段と、積算値が予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段とを有する異物判定部29とを備えたものである。
【選択図】 図1
Description
よって、適切なオフセット値、シフト量を得るために基準値、平均値と検出電流、推定外乱トルク値とをモニタ等で比較し、正常時の検出電流や推定外乱トルクが閾値をこえないようオフセット、シフト量の調整を、手動で試行錯誤を繰返しながら行わなければならないという問題点があった。
Zx(t)={X(t)−Mx(t)}/{Vx(t)}1/2
同一金型閉成動作における前記標準化値Zx(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bx(t)を求める積算算出手段と、
Bx(t)=Zx(t)+Zx(t−1)+Zx(t−2)+・・・+Zx(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
Zy(t)={Y(t)−My(t)}/{Vy(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Zy(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値By(t)を求める積算算出手段と、
By(t)=Zy(t)+Zy(t−1)+Zy(t−2)+・・・+Zy(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
Zp(t)={P(t)−Mp(t)}/{Vp(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Zp(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bp(t)を求める積算算出手段と、
Bp(t)=Zp(t)+Zp(t−1)+Zp(t−2)+・・・+Zp(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
Ze(t)={E(t)−Me(t)}/{Ve(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Ze(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Be(t)を求める積算算出手段と、
Be(t)=Ze(t)+Ze(t−1)+Ze(t−2)+・・・+Ze(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
Zd(t)={D(t)−Md(t)}/{Vd(t)}1/2
同一金型閉成動作における前記標準化値Zd(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bd(t)を求める積算算出手段と、
Bd(t)=Zd(t)+Zd(t−1)+Zd(t−2)+・・・+Zd(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
Zy(t)={Y(t)−My(t)}/{Vy(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Zy(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値By(t)を求める積算算出手段と、
By(t)=Zy(t)+Zy(t−1)+Zy(t−2)+・・+Zy(t−N)
前記積算値が予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
Zp(t)={P(t)−Mp(t)}/{Vp(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Zp(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bp(t)を求める積算算出手段と、
Bp(t)=Zp(t)+Zp(t−1)+Zp(t−2)+・・・+Zp(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
Ze(t)={E(t)−Me(t)}/{Ve(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Ze(t)を過去から現時点までの積算値Be(t)を求める積算算出手段と、
Be(t)=Ze(t)+Ze(t−1)+Ze(t−2)+・・・+Ze(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
また、平均値、分散値をもとにした標準化値を用いる。これにより各時点毎に電流、速度、位置、位置偏差、推定外乱値にばらつきがあっても、閾値を自動的に決定することができる。
本発明の一実施の形態を図1、図2、図3によって説明する。図1は射出成形機の金型閉成動作機構及び制御装置のブロック図、図2は各サンプリング時間に対応した検出電流、平均値、分散値をメモリに記憶した状態を示す記憶状態図、図3は射出成形機の金型閉成動作時の(a)時間対電流、(b)時間対電流標準化値、(c)時間対積算値を表すグラフである。
図1において、射出成形機は、d軸電流及びq軸電流を流すように制御されるモータ3と、モータ3の回転をタイミングベルト5によりボールネジを有する回転軸6に伝達するように形成されている。
モータ3の回転運動を直線運動に変換すると共に、一端部が固定され、他端部を有するトグル機構7と、他端部が可動金型9に固定され、可動金型9に対向して固定金型11とが設けられており、可動金型9と固定金型11とにより金型10を成している。
(1).射出成形機は、同一の成形品を多数製作しており、金型10の閉成を一周期とする工程を複数回A繰り返して各サンプリング時刻毎に対応する検出電流X(t) をそれぞれ記憶する記憶手段としてのメモリ29rと、
(2).メモリ29rから読み出した検出電流X(t)に対応する時点毎の平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を求める平均・分散算出手段と、求めた平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を記憶する記憶手段と、
(3).(A−1)回までの任意の回数における電流平均値Mx(t)、電流分散値Vx(t)を用いて次式のようにしてサンプリング時刻毎の標準化値を算出する標準化算出手段と、
Zx(t) = (X(t) −Mx(t) )/ {Vx(t) }1/2
求めた標準化値Zx(t)を記憶するメモリ29r(記憶手段)と
(4).標準化値を過去のある時点から現時点までの積算値を算出する積算算出手段と
Bx(t) =Zx(t)+Zx(t−1)+Zx(t−2)+・・・+Zx(t−N)
(5).各時点において、積算値Bx(t)と予め定められた値B(B>0)とを比較し、
積算値がこれを上回ることにより異常と判断する判断手段とを備えている。
メモリ29rの記憶構造を図2によって説明する。図2(a)における各行は、一回の金型閉成動作において、T個のサンプリングデータを要し、各サンプリング時刻の検出電流X(t)を記憶し、各列は、各サンプリング時刻毎のK回分の検出電流X(t)を記憶している。検出電流xi(t)はi行目の金型の閉成におけるデータを示すものである。p行目、p−1行目、p−2行目・・・、1行目、0行目、K−1、・・・、p+1行目の順に新しい金型の閉成における検出電流を記憶しており、正常な金型閉成動作が終了するごとに、最も古いデータ行に、最も新しいデータを書き込んでいくリングバッファリングが実行されている。図2(B)のポインタpは、図2(a)の最新の検出電流を示す行に記憶している。図2(c)は、各サンプリング時刻における電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)と、下式で求められた電流の和Sx(t)、電流の2乗和Ux(t)が記憶されている。
記憶された電流検出値等から各サンプリング時刻における平均、分散を算出する(後の実施の形態において詳細説明する。)
電流標準化値Zx(t)は、各時点の平均Mx(t)および分散Vx(t)を用いて下式のように求める。
Zx(t) = (X(t) − Mx(t) ) /{ Vx(t) }1/2
Zx(t)は検出電流の平均からのずれ具合を示す指標となり、0に近ければ近いほど平均値に近く、0から離れれば離れるほど平均値からのずれが大きいということになる。一般に金型閉成時には区間ごとにデータのバラツキ程度が異なるため、平均と検出電流との差ではなく、さらに分散により標準化することにより検出電流が平均とどれだけ離れているかのよりよい指標となる。
積算値、および、閾値の設定を図3によって説明する。ここで、図3(a)の501は検出電流を示し、502は電流平均値を示す。異物が挟まるまでは、電流は電流平均値付近の値をとるが、異物が金型10間に挟まった場合、図1の駆動制御部27は指令に追従しようと、より大きな電流を流そうとする。このため、異物が挟まり始めると電流は平均値から離れていく挙動を示す。
これを電流標準化値に変換した図が図3(b)である。異物が金型10間に挟まっていない場合、統計的性質から電流標準化値Zx(t)はほぼ零付近の値をとり、かつ、時間経過に従って+、−の値をほぼランダムにとるような挙動を示す。一方、異物が金型間に挟まった場合、電流標準化値Zx(t)は時間経過に従って継続して0より大きな値をとる挙動を示す。
Bx(t0)=Zx(t0)+Zx(t0−1)+Zx(t0−2)+・・・+Zx(0)
直感的に説明すれば、標準化値Zx(t)とZx(t)=0および、t=0、t=t0とで囲まれる面積の総和に相当する。ただし、Zx(t)=0より上の部分と標準化値Zx(t)で囲まれる部分は正の面積として考え、Zx(t)=0より下の部分と標準化値Zx(t)で囲まれる部分は負の面積として考えるものとする。
上記の標準化値の性質により、異物が挟まっていない場合には、 プラスとマイナスとがキャンセルされて積算値Bx(t)は0付近の値をとる。一方、異物が金型10間に挟まった場合、+の値が加算され続けるので積算値Bx(t)は0よりかなり大きな値をとる。つまり、異物が挟まると、電流標準化値はある特定の値を上回るというより、0よりも大きな値を継続してとり続けるという傾向がある。このため、電流標準化値の積算値を用いることにより、電流が0よりも大きな値を継続してとり続ける状態、すなわち、異物の挟まった状態を検知することができるのである。よって、積算値Bx(t)が予め定められた閾値Bを上回る場合には金型10間に異物が挟まっていると判断することができる。また、積算値Bx(t)が閾値Bを上回らない場合には金型10間に異物が挟まっていないと判断することができる。
閾値BはB>0以上の値が用いられるが、より好ましくはB>30である。この数値の由来は以下の通りである。
正常時には、統計的性質から おおよそMx(t)±6×( Vx(t) )1/2の値をとる。標準化値で換算すれば、下記の範囲の数値となる。
−6<Zx(t)<+6
異常時には、標準化値Zx(t)は+6以下であっても+6付近の値、あるいは+6以上の値をとる状態がしばらく持続する。より好ましい閾値の下限は異常状態が5サンプリング時刻分程度持続したときの数値 6×5=30 から由来するものである。
Bx(t)=Zx(t)+Zx(t−1)+Zx(t−2)+・・・+Zx(t−N)
さらに、図3(a)のように正常時に電流が正に流れる場合には、正の閾値を設定し、この閾値を上回ったら異常有と判定するが、図6に示すように正常時に電流が負の値をとる場合には、閾値を−B(B>0)とし、この閾値を下回ったら異常有と判定する。これは、駆動制御部27は異物が挟まると電流の絶対値が大きくなる方向に電流を流そうとするためである。
本実施の形態によれば、検出電流と電流平均との差が電流のばらつきが大きい時点と小さい時点で同じであっても、ばらつきの大きな時点では分散Vx(t)は大きな値をとるので、ばらつきの大きい時点では標準化値は小さな値をとる。ばらつきの小さな時点では、分散Vx(t)が小さな値をとるので標準化値は大きな値をとる。この性質から、ばらつきの大きい時点では、積算値上昇の感度を鈍くすることにより正常時であっても異物があると判断してしまう誤検出現象を防ぐという効果がある。
一方、ばらつきが小さい時点では積算値上昇の感度を鋭くすることにより精度良く異物を判定する性質がある。
さらにデータのばらつき程度が金型閉成を繰り返すごとに変化していってもこれに追従してVx(t)が変化するという性質があり、適切な閾値を構成することができるという効果もある。
該異常信号eaを表示部31に入力して表示部31が金型10に異常が発生した旨を文字等によって表示する。同時に、異常信号eaを指令切換部35に入力してスイッチを上側に倒して異常指令部33からの指令に切換える。異常指令部33は、金型10の停止の指令を発生し、該停止指令信号を、指令切換部35を介して駆動制御部27に入力する。駆動制御部27はモータ3への電流の供給を停止する。したがって、金型10に異物を挟み込んだと感知した時点で直ちに可動金型9の動作を停止させるという一連の異常処理を行う(ステップS109)。
また、上記実施の形態では異常発生時に金型閉成動作を停止させたが、金型を開放(後退)動作をさせてもよい。
同一の型閉成指令信号に従う金型の閉成過程における検出電流でも、検出値のばらつき以外に周囲温度、機械摩擦の変化等の原因により、金型閉成動作を繰り返していく毎に検出電流、検出速度が全サンプリング時刻において微小ながら、しだいに大きくなったり、小さくなったりという大域的な変化が生じることがある。したがって、金型の開閉サイクルの開始直後から最新の検出値すべてを用いて各サンプリング時刻の平均、分散から求めた閾値よりも、過去の最近数回における検出電流のみの平均、分散から求めた閾値が適切な異常判定ができる。
かかる現象を考慮した本発明の実施の形態となる異常検出判定部29の平均、分散算出手段について図7のフローチャートによって説明する。
図7は、図4の上記ステップS117、図5の上記ステップS27における、検出電流から、各サンプリング時刻における電流平均、電流分散の算出、更新に相当するものである。
また、本実施の形態と上記実施の形態1を組み合わせて実施する場合、初期金型閉成回数は少なくてもK回以上とする。
上記実施の形態2では、メモリ29rに金型閉成動作回数に応じた検出電流を記憶していたので、金型閉成動作回数とサンプリング回数の積の記憶容量を必要としていた。本発明の実施の形態では、メモリ29rの容量が少ない例を図8及び図9によって説明する。
図8はメモリ29rの記憶構造を示すもので、図8において、(a)が各サンプリング時刻の過去1回分の正常金型閉成動作時の検出電流X(t)、(B)が各サンプリング時刻の電流平均Mx(t)、(c)が各サンプリング時刻の電流分散Vx(t)を、(d)が各サンプリング時刻の電流標準化値を記憶している。
次に、本実施の形態の各サンプリング時刻の電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)の算出、更新について図9のフローチャートを参照して説明する。
図9の処理は実施の形態1の図4に示すステップS117、図5に示すステップS27における平均、分散の更新を、第2の実施の形態に代えて実行するものである。
Mx(t) ← αX(t)+(1−α)Mx(t) ・・(1)
Vx(t) ← β( X(t)−Mx(t) )2+(1−β)Vx(t) ・・(2)
ここで、α、βは定数で、0<α、β<1を満たす数で、より好ましくは、0.01<α、β<0.3程度の数値である。
上記(1)、(2)式に従って求めた電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)がそれぞれ一種の平均、分散となることを説明する。上記(1)式を再帰的に適用すると、下式となる。
Mx(t)=αx(0)(t)+α(1−α) x (1) (t)+α(1−α)2 x (2)+… ・・(3)
ここで、x(j) (t)は、j回前の金型の閉じ動作におけるサンプリング時刻tの検出電流を示している。
また、α+α(1−α)+α(1−α)2+…=1となることから、上記(3)式により求めた値は、過去の複数のデータに重みをつけ加算した平均とみなすことができる。
Vx(t)=β( x(0)(t)−Mx(0)(t) )2+β(1−β)( x(1)(t)−Mx(1)(t) )2
+β(1−β)2( x(2)(t)−Mx(2)(t) )2+・・・ ・・(4)
ここで、Mx(j)(t)はj回前に求めたサンプリング時刻tにおける平均を示す。
Mx(i) (t)≒Mx(i+j) (t) ・・(5)
よって、Vx(t)は下式となる。
Vx(t)≒β(x(0)(t)−Mx(0)(t))2+β(1−β)(x(1)(t)−Mx(0)(t))2
+β(1−β)2(x(2)(t)−Mx(0)(t))2+・・・ ・・(6)
ここで、jが大きくなるにつれて上記(5)式の近似が一般に成立しなくなるが、上記(6)式におけるβ(1−β)jの係数が小さくなり、近似からのずれが全体のVx(t)への影響は小さくなる。
上記式(1)、(2)で求めた平均は最近のデータほど影響が大きい平均、分散となる。これにより、周温、金型閉成動作回数によるデータの微妙な変化等に速く追従した平均、分散となる。該平均、分散から求めた閾値は、より異常判定に適した閾値となる。
かかる射出成形機の制御装置によれば、図8で示すように前回金型閉成動作時に求めた平均、分散と今回検出された検出値のみを記憶しておけば、上記(1)、(2)式の演算ができるので、メモリ29rの記憶容量を少なくできるという効果がある。
上記実施の形態1においては、電流を用いて、金型閉成動作時の各時点の平均、分散を計算し、さらにそれらをもとに標準化値を算出し、その標準化値を過去から現時点まで加算した積算値と閾値を比較することにより異常判定を行ったが、同様のことは速度、位置、位置偏差、推定外乱値を用いても、電流の場合と同様の効果を得ることができる。
速度を用いるときには、エンコーダ21により速度を検出し、その検出速度をもとに、電流と同様の処理手順を踏んで異常判定を行う。ただし、速度に関して、異物が挟まらない正常状態のときの速度の絶対値に比べ、異物が挟まると速度の絶対値が小さくなるという性質がある。よって、正常時に速度が正の値をとる区間において異物が挟まると、速度標準化値は0より小さい状態が持続し、積算値は負の値をとる。よって、閾値は−B(B>0)とし、積算値がこの閾値−Bを下回ったときに異物有と判定する。一方、正常時に速度が負の値をとる区間において異物が挟まると、速度標準化値は0より大きい状態が持続し、積算値は正の値をとる。よって、閾値はB(B>0)とし、積算値がこの閾値Bを上回ったときに異物有と判定する。
よって、閾値は−B(B>0)とし、積算値がこの閾値−Bを下回ったときに異物有と判定する。一方、正常時に位置が負の値をとる区間において異物が挟まると、位置標準化値は0より大きい状態が持続し、積算値は正の値をとる。よって、閾値はB(B>0)とし、積算値がこの閾値Bを上回ったときに異物有と判定する。
よって、正常時に位置偏差が正の値をとる区間において異物が挟まると、位置標準化値は0より大きな状態が持続し、積算値は正の値をとる。よって、閾値はB(B>0)とし、積算値がこの閾値Bを上回ったときに異物有と判定する。
一方、正常時に位置偏差が負の値をとる区間において異物が挟まると、位置標準化値は0より小さい状態が持続し、積算値は負の値をとる。よって、閾値は−B(B>0)とし、積算値がこの閾値−Bを下回ったときに異物有と判定する。
推定外乱を用いた場合には、異物が挟まると推定外乱は大きくなるので、B(>0)を閾値とし、積算値がこの閾値Bを上回ったときに異物有と判定する。
実施の形態1、4では使用するデータとして、電流、速度等をそれぞれ単独で使用したが、これらを組み合わせて使用することもできる。特に図1における電流リミッタ28の制限値が小さい場合には有効である。
一般に、駆動制御部27は指令信号と検出された現在値とを比較し、この差に応じて電流を出力するフィードバック制御が構成されているため、たとえ金型間に異物が挟まっても発生できる電流に余裕がある限り、指令に追従しようと電流を大きく流そうとする。このため、異物が挟まった場合、まず電流に異常が現れ、次に速度や位置、位置偏差に異常が現れやすいという傾向がある。しかし、制御装置の電流リミッタ28の制限値が小さく、かつ、電流リミッタ28が動作すると、異物が金型に挟まっても検出電流に異常が生じにくいので、電流検出による異物の異常判定の精度が低下する。
異常判定部29の計算量が限られている場合には分散の情報を用いずに、平均のみの情報から異物を判定することができる。
異物が金型間に挟まっていない場合、統計的性質から電流と平均値との差は0を挟んで、かつ、+、−の値をほぼランダムにとる。よって、このときの電流と平均値との差分値の積算値は0付近の値をとる。一方、異物が金型間に挟まった場合、図1の駆動制御部27は指令に追従しようとより多くの電流を流そうとするこのため、電流と平均値との差分値は継続して0より大きな値をとる。
よって、このときの積算値は0より大きな値をとる。よって、電流と平均値との差分値をそのまま判定に用いるのではなく、差の積算値を用いることにより、差が0よりも大きな値を継続してとり続ける状態を検知するのである。
図11は、このフローを表した図である。および、図10は、このとき使用するメモリを表すものである。
空金型の開閉を数回行い平均、分散の更新をする(ステップS101)。まず、空金型状態において、金型閉成動作を数回繰り返し、電流の平均を算出する(ステップS201)。次に、所望の成形品を得るために金型10に樹脂を流し込む成形サイクルが開始され、時刻を示すパラメータt=0と設定する(ステップS203)。異常検出判定部29は、金型10の開閉動作の工程において、各サンプリング時刻における検出電流を、電流検出部23によりそれぞれ検出してメモリ29rに記憶する(ステップS205)。これによりメモリ29rには、金型10の開閉動作の工程を複数回A繰り返して各サンプリング時間に対応する検出電流を記憶したことになる。ここで、上記複数回Aとは、図5のステップS31における初期空型締め回数と、樹脂を入れて金型10を開閉した回数との和をいう。
Fx(t) =X(t)−Mx(t)
さらにその差を過去のある時点から現時点まで積算する(ステップS209)。
Cx(t)=Fx(t)+Fx(t−1)+・・・+Fx(t−N)
現時点での積算値Cx(t)と閾値C1とを比較する(ステップS211)。
比較の結果、積算値Cx(t)が閾値C1を上回っていたら異状と判定して異常信号を発生する(ステップS213)。一方、ステップS111において、積算値Cx(t)が閾値C1を上回っていなかったら、検出電流に異常無と判定し、金型閉成動作を続行する。次に、金型閉成動作が終了したかどうかを判定し(ステップS215)、完了していなければサンプリング時刻をt=t+1とし(ステップS223)、ステップS205以下の処理を再度実行する。ステップS215において、金型閉成動作が完了と判断されれば、このときの金型閉成動作時の電流を用いて、電流平均Mx(t)を更新する(ステップS217)。更新終了後、所望の成形回数が終了しているのなら、成形動作を完了し、終了していないのならステップS203以下を再実行する(ステップS121)。
実施の形態6では、使用データとして電流を用いたが、電流に限らず速度、位置、位置偏差、推定外乱値を用いても実施することができる。また、それぞれのデータを用いる際、検出データと平均値との差の積算値が、予め定められた閾値を上回るか、あるいは、下回るかにより判定するかは実施の形態4と同様である。
実施の形態6、7では使用するデータとして、電流、速度等をそれぞれ単独で使用したが、これらを組み合わせて使用することもできる。特に図1における電流リミッタ28の制限値が小さい場合には有効である。
一般に、駆動制御部27は指令信号と検出された現在値とを比較し、この差に応じて電流を出力するフィードバック制御が成されているため、たとえ金型間に異物が挟まっても発生できる電流に余裕がある限り、指令に追従しようと電流を大きく流そうとする。このため、異物が挟まった場合、まず電流に異常が現れ、次に速度や位置、位置偏差に異常が現れやすいという傾向がある。しかし、制御装置の電流リミッタ28の制限値が小さく、かつ、電流リミッタ28が動作すると、異物が金型に挟まっても検出電流に異常が生じにくいので、電流検出による異物の異常判定の精度が低下する。
そこで、電流および速度のそれぞれのデータに対し、金型閉成動作時の各時点の平均、分散を計算し、さらにそれらをもとに標準化値を算出し、その標準化値を過去から現時点まで加算した積算値と閾値を比較するという処理を行う。電流または速度のどちらか一方に異常がありと判定されたら、金型間に異物有と判定する。また、この際使用メモリ、計算量が、単独データのみを記憶する場合に比べて倍になってしまうが、モータ3に流れる電流が増加して電流リミッタ28が動作しても、異物判定部29は、異常速度Y(t)に基づいて判定するので、正確な異物判定ができるのである。このような効果は、電流と速度の組合せによる判定だけではなく、電流と位置、電流と位置偏差の組合せにおいても得ることができる。
Claims (18)
- 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの電流X(t)を検出する電流検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記電流X(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記電流X(t)に対応する前記時点毎の平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を求める平均・分散算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zx(t)を求める標準化算出手段と、
Zx(t)={X(t)−Mx(t)}/{Vx(t)}1/2
同一金型閉成動作における前記標準化値Zx(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bx(t)を求める積算算出手段と、
Bx(t)=Zx(t)+Zx(t−1)+Zx(t−2)+・・・+Zx(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの速度Y(t)を検出する速度検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記速度Y(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記速度Y(t)に対応する前記時点毎の平均値My(t)、分散値Vy(t)を求める平均・分散算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値My(t)、分散値Vy(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zy(t)を求める標準化算出手段と、
Zy(t)={Y(t)−My(t)}/{Vy(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Zy(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値By(t)を求める積算算出手段と、
By(t)=Zy(t)+Zy(t−1)+Zy(t−2)+・・・+Zy(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置P(t)を検出する位置検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置P(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記位置P(t)に対応する前記時点毎の平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を求める平均・分散算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zp(t)を求める標準化算出手段と、
Zp(t)={P(t)−Mp(t)}/{Vp(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Zp(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bp(t)を求める積算算出手段と、
Bp(t)=Zp(t)+Zp(t−1)+Zp(t−2)+・・・+Zp(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置を検出位置として求める位置検出手段と、
位置指令と前記検出位置との差となる位置偏差に基づいて前記モータを制御する制御手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置偏差E(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記位置偏差E(t)に対応する前記時点毎の平均値Me(t)、分散値Ve(t)を求める平均・分散算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Me(t)、分散値Ve(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Ze(t)を求める標準化算出手段と、
Ze(t)={E(t)−Me(t)}/{Ve(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Ze(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Be(t)を求める積算算出手段と、
Be(t)=Ze(t)+Ze(t−1)+Ze(t−2)+・・・+Ze(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
射出成形機、金型に加わる外乱を推定する推定外乱算出手段と、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記推定外乱値D(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記推定外乱値D(t)に対応する前記時点毎の平均値Md(t)、分散値Vd(t)を求める平均・分散算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Md(t)、分散値Vd(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zd(t)を求める標準化算出手段と、
Zd(t)={D(t)−Md(t)}/{Vd(t)}1/2
同一金型閉成動作における前記標準化値Zd(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bd(t)を求める積算算出手段と、
Bd(t)=Zd(t)+Zd(t−1)+Zd(t−2)+・・・+Zd(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの速度Y(t)を検出する速度検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記速度Y(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記速度Y(t)に対応する前記時点毎の平均値My(t)、分散値Vy(t)を求める平均・分散算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値My(t)、分散値Vy(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zy(t)を求める標準化算出手段と、
Zy(t)={Y(t)−My(t)}/{Vy(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Zy(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値By(t)を求める積算算出手段と、
By(t)=Zy(t)+Zy(t−1)+Zy(t−2)+・・+Zy(t−N)
前記積算値が予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。 - 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
開放・閉成指令信号に基づいて前記モータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置P(t)を検出する位置検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置P(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記位置P(t)に対応する前記時点毎の平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を求める平均・分散算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mp(t)、分散値 Vp(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zp(t)を求める標準化算出手段と、
Zp(t)={P(t)−Mp(t)}/{Vp(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Zp(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bp(t)を求める積算算出手段と、
Bp(t)=Zp(t)+Zp(t−1)+Zp(t−2)+・・・+Zp(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。 - 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置を検出位置として求める位置検出手段と、
位置指令と前記検出位置との差となる位置偏差E(t)に基づいて前記モータを制御する制御手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置偏差E(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記位置偏差E(t)に対応する前記時点毎の平均値Me(t)、分散値Ve(t)を求める平均・分散算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Me(t)、分散値Ve(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Ze(t)を求める標準化算出手段と、
Ze(t)={E(t)−Me(t)}/{Ve(t)}1/2
同一金型閉成動作における標準化値Ze(t)を過去から現時点までの積算値Be(t)を求める積算算出手段と、
Be(t)=Ze(t)+Ze(t−1)+Ze(t−2)+・・・+Ze(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。 - 前記平均・分散算出手段は、過去最近K回の金型の閉成動作における電流X(t)、速度Y(t)、位置P(t)、位置偏差E(t)、推定外乱D(t)から求める、
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の射出成形機の制御装置。 - 前記平均・分散算出手段は、今回の前記金型の閉成動作における前記電流X(t)、前記速値Y(t) 、位置P(t)、位置偏差E(t)、推定外乱D(t)と、
前回の前記金型の閉成動作における前記平均値Mx(t)、前記分散値Vx(t)又は、前記平均値My(t)、前記分散値Vy(t)又は、前記平均値Mp(t)、前記分散値Vp(t)又は、前記平均値Me(t)、前記分散値Ve(t)、前記平均値Md(t)、前記分散値Vd(t) とから求める、
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータに流れる電流X(t)を検出する電流検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記電流X(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記電流X(t)に対応する前記時点毎の平均値Mx(t)を求める平均算出手段と、
検出電流X(t)と(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mx(t)との差分値を算出する差分算出手段と、
同一金型閉成動作における上記差分値を過去から現時点まで積算する積算算出手段と、
前記積算値が、予め設定された値C1(C1>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの速度Y(t)を検出する速度検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記速度Y(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記速度Y(t)に対応する前記時点毎の平均値My(t)を求める平均算出手段と、
検出速度Y(t)と(A−1)回までの任意の回数における前記平均値My(t)との差分値を算出する差分算出手段と、
同一金型閉成動作における前記差分値を過去から現時点まで積算する積算算出手段と、
前記積算値が、予め設定された値−C2(C2>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置P(t)を検出する位置検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置P(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記位置P(t)に対応する前記時点毎の平均値Mp(t)を求める平均算出手段と、
検出速度P(t)と(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mp(t)との差分値を算出する差分算出手段と、
同一金型閉成動作における前記差分値を過去から現時点まで積算する積算算出手段と、
前記積算値が、予め設定された値−C3(C3>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同
期して、多数時点の前記モータの位置を検出位置として求める位置検出手段と、
位置指令と前記検出位置との差となる位置偏差に基づいて前記モータを制御する制御手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置偏差E(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記位置偏差E(t)に対応する前記時点毎の平均値Me(t)を求める平均算出手段と、
(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Me(t)と検出した位置E(t)との差を時点毎に積算する積算算出手段と、
前記積算値が、予め設定された値C4(C4>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
射出成形機、金型に加わる外乱を推定する推定外乱算出手段と、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータに加わる推定外乱D(t)を計算する外乱推定手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記推定外乱D(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記推定外乱D(t)に対応する前記時点毎の平均値Md(t)を求める平均算出手段と、
推定外乱X(t)と(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Md(t)との差分値を求める差分算出手段と、
同一金型閉成動作における前記差分値を過去から現時点まで積算する積算算出手段と、
前記積算値が、予め設定された値C5(C5>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数の時点の前記モータに流れる速度Y(t)を検出する電流検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記速度X(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記速度Y(t)に対応する前記時点毎の平均値My(t)を求める平均算出手段と、
検出速度Y(t)と(A−1)回までの任意の回数における前記平均値My(t)との差分値を求める差分算出手段と、
同一金型閉成動作における上記差分値を過去から現時点まで積算する積算算出手段と、
前記積算値が予め設定された値−C2(C2>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項12に記載の射出成形機の制御装置。 - 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数の時点の前記モータに位置P(t)を検出する位置検出手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置P(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記位置P(t)に対応する前記時点毎の平均値Mp(t)を求める平均算出手段と、
検出電流P(t)と(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mp(t)との差分値を求める差分算出手段と、
同一金型閉成動作における上記差分値を過去から現時点まで積算する積算算出手段と、
前記積算値が、予め設定された値−C3(C3>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項12記載の射出成形機の制御装置。 - 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置を検出位置として求める位置検出手段と、
位置指令と前記検出位置との差となる位置偏差に基づいて前記モータを制御する制御手段と、
前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置偏差E(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出した前記位置偏差E(t)に対応する前記時点毎の平均値Me(t)を求める平均算出手段と、
位置偏差E(t)と(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Me(t)との差分値を算出する差分算出手段と、
同一金型閉成動作における前記差分値を過去から現時点まで積算する積算算出手段と、
積算値が予め設定された値C4(C4>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項12記載の射出成形機の制御装置。
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JP4578840B2 (ja) | 2010-11-10 |
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