JP2005276268A - 複合レンズ及び光ヘッド装置 - Google Patents

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克彦 林
Yasuhiro Tanaka
康弘 田中
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Abstract

【課題】 複合レンズを構成する各単レンズの球面収差がレーザー干渉計等で測定できる程度に抑制された高精度かつ安価な複合レンズを提供する。
【解決手段】 非球面形状である第1の主面2を有する第1のレンズ5と第1の主面に密着する非球面形状の第2の主面3を有する第2のレンズ6とを含む互いに密着した複数のレンズを備え、球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内である複合レンズにおいて、複数のレンズの各々における少なくとも1つの主面を非球面形状とし、かつ複数のレンズの各々における球面収差の絶対値を0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学レンズに関する。より具体的には、球面収差や色収差を補正する複合レンズに関する。また、本発明は、BD、DVD、コンピューター用の光情報記録装置、光情報再生装置及び光情報記録再生装置等に搭載される光ヘッド装置に関する。
従来から、光記憶メディアの大容量化に伴い、光ピックアップ用の光線の短波長化が進められている。しかし、光ピックアップ用の光線が短波長である領域では、光ピックアップ用のレンズ材料の分散が非常に大きく、わずかな波長の違いにより硝材の屈折率が大きく変化する。そのため、従来の対物レンズを用いて光ピックアップ用の光線の波長を更に短波長化しようとすると、色収差が大きくなる。
また、現在普及している相変化型のDVDレコーダー等では、記録時のパワーと再生時のパワーが異なり、記録と再生の切り替え時に大きなパワー変動が起こるために波長が変化する。その際、光学系に色収差があると、急激な焦点位置変動が生じ、フォーカス制御が効かなくなる場合がある。色収差を防ぐレンズとしては、一般的に、正レンズと負レンズとからなる複合レンズが知られている。
通常、複合レンズは、複数枚の単レンズを貼り合わせることにより製造されており、複合レンズ全体として球面収差を抑えた設計となっている。従来において、この球面収差を抑える目的で空気と接する側の面を非球面とした複合レンズが知られている。また、色の球面収差を抑える目的で複合レンズの貼り合わせ面(密着面)を非球面とした複合レンズが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−282407号公報
しかしながら、複合レンズを構成する各単レンズは、球面収差を抑えた設計になっておらず、各単レンズにおける球面収差が大きかった。したがって、複合レンズを評価する際、作製された各単レンズが設計どおりに加工されているか否かをレーザー干渉計等で測定することは困難であるため、接触式の3次元測定機を用いて表面形状を直接測定して評価するしかなかった。しかし、表面形状を直接測定する方法であると、レーザー干渉計を用いた場合に比べて、測定精度は低く、評価に要する時間も非常に長く、また、製造コストも高くなる。また、各単レンズを貼り合わせた後でなければ、レーザー干渉計等によって精度の高い評価測定を行うことができなかったため、歩留まりが悪かった。
そこで、本発明では、複合レンズを構成する各単レンズの球面収差がレーザー干渉計等で測定できる程度に抑制された高性能かつ安価な複合レンズを提供する。また、本発明では、複合レンズの製造において、製造コストを低減させ、スループットを向上させ、かつ歩留まりを向上させる。更に、本発明では、光情報記録再生装置における、光記録媒体への書き込み精度及び/又は光記録媒体からの読み出し精度を向上させる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る複合レンズは、非球面形状の第1の主面を有する第1のレンズと前記第1の主面に密着する非球面形状の第2の主面を有する第2のレンズとを含む互いに密着した複数のレンズを備え、球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内である複合レンズであって、複数のレンズの各々における少なくとも1つの主面が非球面形状であり、複数のレンズの各々における球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内であることを特徴とする。
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る光ヘッド装置は、中心波長の異なる複数種類の光束を選択的に射出する光源と、光源から射出される複数種類の光束が通る光路中に設けられた、複数種類の光束に対する色収差を抑制する色消し部と、光路中に設けられた、複数種類の光束を外部光記録媒体の情報記録層に集光する集光部と、複数種類の光束のそれぞれが外部光記録媒体の情報記録層で反射してなる複数種類の反射光束を受光する受光部と、を含む光ヘッド装置であって、色消し部が、非球面形状の第1の主面を有する正レンズと正レンズによる色収差を補正する、第1の主面に密着した非球面形状の第2の主面を有する負レンズとを含む互いに密着した複数のレンズを有する、球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲の色消しレンズを備えており、複数のレンズの各々における少なくとも1つの主面が非球面形状であり、複数のレンズの各々における球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内であることを特徴とする。なお、外部光記録媒体は、本発明の光ヘッド装置の構成要件ではないことに注意を要する。
本発明の複合レンズであれば、球面収差の小さい高性能な複合レンズとなる。また、複数のレンズの各々に対してレーザー干渉計等による評価測定が行えるために、製造コストの削減、スループットの向上及び歩留まりの向上を実現することができる。
また、本発明の光ヘッド装置であれば、光源から射出される光束の中心波長が変動したとしても、焦点位置が変動することを抑制できるために、光記録媒体への情報の書き込み精度や光記録媒体からの情報の読み出し精度を向上させることができる。
本発明の複合レンズは、上述の如く、互いに密着した複数のレンズを含み、球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内に調整されている構成である。本明細書において、「密着」とは、主面の凹凸構造が実質的に逆である2つのレンズが貼り合わせられている状態を意味する。また、凹凸構造が逆とは、2つのレンズの一方が凸面であれば他方が凹面であり、凸面と凹面とは実質的に同一の曲面であることを意味する。また、実質的に同一の曲面とは、2つの曲面を意図的に形状を異ならせることなく形成された2つの曲面を意味する。
また、複合レンズを構成する複数のレンズの各々は、少なくとも1つの主面が非球面形状であり、球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内である構成である。つまり、複合レンズには、全ての主面(2つの主面)が球面であるレンズは含まれていない。
また、複数のレンズには、非球面形状である第1の主面を有する第1のレンズと第1の主面に密着する非球面形状の第2の主面を有する第2のレンズとが含まれている。第1のレンズにおける第1の主面の非球面形状と第2のレンズにおける第2の主面における非球面形状とは、表面の凹凸構造が逆である。複合レンズが第1のレンズ及び第2のレンズ以外の少なくとも1つの他のレンズを含む場合には、第1のレンズ及び第2のレンズの一方が最前列(最後尾)に配設されていてもよいし、第1のレンズ及び第2のレンズが中央部に配設されていてもよい。なお、複合レンズを構成する複数のレンズに少なくとも1つの他のレンズが含まれる場合、複数のレンズの各々における少なくとも1つの主面を非球面形状とする。つまり、少なくとも1つの他のレンズの各々も、少なくとも1つの主面が非球面形状であるレンズである。
本発明の複合レンズを製造する際、複合レンズを構成する全てのレンズを作製した後に、レーザー干渉計等を用いた表面形状(波面収差)の測定に基づいて、各レンズを個別に評価できる。つまり、レーザー干渉計等を用いることによって、各レンズの表面形状の測定を簡便、高精度及び短時間で行える。また、各レンズを個別に評価できることによって、スループットや歩留まりを向上させることができる。各レンズを個別に評価して複合レンズを作製した場合、複合レンズを構成するレンズに不良品が混在する確率が低くなるために、複合レンズに対する評価において不良品と判断される確率は極めて低くなるからである。また、各レンズを個別に評価した場合、不良レンズが見つかれば、不良レンズのみを破棄すればよいが、各レンズを個別に評価しない場合には、不良レンズを含む複合レンズ全体を破棄しなければならないからである。なお、スループットや歩留まりの向上は、製造コスト削減につながる。
したがって、本発明の複合レンズは、高精度で行われる検査に合格したレンズのみを含むために高性能な複合レンズとなり、かつ、製造コストが削減されるために安価な複合レンズとなる。
本発明の複合レンズでは、複数のレンズが互いに密着した全ての密着面が非球面形状である構成とすることができる。なお、「密着面」とは2つのレンズの接合界面を意味する。通常、複合レンズは全体で1つの機能を発現するため、これらの機能を確保しつつ、各レンズにおける主面の形状を調整することによって複合レンズにおける球面収差及び各レンズにおける球面収差の絶対値を所定の範囲内に調整する必要がある。したがって、全ての密着面を非球面形状とした構成であれば、調整の自由度が増えるために、所望の機能を発現する複合レンズを簡便に形成することができる。更に、複数のレンズの各々における2つの主面の双方を非球面形状としてもよい。この場合、調整の自由度が更に増える。
本発明の複合レンズでは、複数のレンズの各々における球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく30mλ以下の範囲内であることが好ましい。各レンズを個別に評価する際の測定精度が向上するからである。
本発明の複合レンズでは、複合レンズの球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく30mλ以下の範囲内であることが好ましい。複合レンズを形成した後に行う最終評価の際の測定精度が向上するからである。
本発明の複合レンズでは、第1のレンズが、正レンズであり、第2のレンズが、負レンズであり、正レンズ及び負レンズの一方のレンズが、他方のレンズの色収差を補正する構成(以下において色消しレンズとも称する)とすることができる。この構成であれば、第1のレンズ及び第2のレンズで発生する色収差を補正することができる。なお、複数のレンズが第1のレンズ及び第2のレンズ以外の他のレンズを含む場合には、複合レンズを構成する複数のレンズの各々における2つの主面は、球面収差と共に色収差を補正するように調整される。
本発明の光ヘッド装置は、上述のように、光源と、色消し部と、集光部と、受光部とを含む構成である。光ヘッド装置は、外部光記録媒体に光束を照射する機構と、外部光記録媒体で反射された光束を検出する機構とを備えた装置である。なお、本発明の光ヘッド装置においては、色消し部が上記の本発明の色消しレンズを備えることを特徴としている。
光源は、中心波長の異なる複数種類の光束を選択的に射出する構成である。光源から射出される複数種類の光束の組み合わせとしては、例えば、定常的に生成できる第1の中心波長の光束と、第1の中心波長と異なる中心波長を有する偶発的に発生する光束とを含む組み合わせ、及び、定常的に生成できる第1の中心波長の光束と、第1の中心波長の光束と中心波長の異なる定常的に生成できる第2の中心波長の光束と、第1の中心波長及び第2の中心波長のいずれとも異なる中心波長を有する偶発的に発生する光束とを含む組み合わせが挙げられる。なお、複数種類の光束を選択的に射出するとは、同時に複数種類の光束は射出されないことを意味し、意図的に特定の光束が選択される場合や偶発的に特定の光束が選択される場合とを含むとする。
集光部は、光源から射出された光束を外部光記録媒体の情報記録層上に集光させるために設けられる。集光部は、公知のいかなる方法で光を集光させてもよく、通常、正の光学レンズ、又は正レンズとして機能する光学レンズ群で構成される。
色消し部である本発明の色消しレンズは、光源から射出される複数種類の光束を、中心波長に依存せず、外部記録媒体の情報記録層上に収束させるために設けられる。したがって、集光部による色収差等も勘案した上で、色消しレンズを構成する複数のレンズの各々における2つの主面の形状を調整することが好ましい。
受光部は、光源から射出した光束が外部光記録媒体の情報記録層で反射してなる反射光束を受光するために設けられる。受光部としては、公知のいかなる方法で光を観測する装置を用いてもよく、通常、半導体受光素子等の光センサーが用いられる。
本発明の光ヘッド装置であれば、光源から射出される光束の中心波長が変動したとしても、焦点位置(スポット位置)が変動することを抑制できるために、外部光記録媒体への情報の書き込み精度や外部記録媒体からの情報の読み出し精度を向上させることができる。
光ヘッド装置から射出される光束は、外部光記録媒体の情報記録層に任意の角度で照射されてもよいが、光ヘッド装置の小型化を考慮すれば、光記録層に対して略垂直に照射されることが好ましい。したがって、本発明の光ヘッド装置では、光源と色消し部との間の光路中に設けられ、光路を逆行する色消し部からの複数種類の反射光束を光源に向かう第1の光束と第1の光束と異なる方向に向かう第2の光束とに分離する光路分離部を更に含み、受光部が、第2の光束を受光する構成とすることが好ましい。光路分離部としては、公知のいかなる方法で反射光束を分離する装置を用いてもよく、通常、ビームスプリッターやハーフミラー等の光学素子が用いられる。
本発明の光ヘッド装置では、色消しレンズを構成する複数のレンズが互いに密着した全ての密着面が、非球面形状である構成とすることができる。この構成であれば、複数種類の光束の焦点位置に対する中心波長の依存性を更に小さくすることができる。
本発明の光ヘッド装置では、色消しレンズを構成する複数のレンズの各々における球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく30mλ以下の範囲内であり、色消しレンズにおける球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく30mλ以下の範囲内であることが好ましい。色消しレンズの性能が更に高性能となるからである。
(実施の形態1)
本実施の形態1の複合レンズについて、図1を参照しながら説明する。図1は、複合レンズの構造例を表す模式的な断面図である。図1に示されたように、2つの主面(主面1及び主面2)が非球面形状である正レンズ(第1のレンズ)5と、正レンズ5に密着された、2つの主面(主面3及び主面4)が非球面形状である負レンズ(第2のレンズ)6からなる複合レンズである。
正レンズ5は、球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下、好ましくは30mλ以下の範囲内の値に調整されており、一方の負レンズ6も球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下、好ましくは30mλ以下の範囲内の値に調整されている。また、正レンズ5及び負レンズ6は、一方において発生する色収差を他方において抑制する構成である。
ここで、図1に示された複合レンズを製造する方法について説明する。まず、正レンズ5及び負レンズ6の各々の主面における非球面形状を決定する。なお、この際には、各非球面形状は、正レンズ5の球面収差の絶対値が0mλを越えて大きく70mλ以下、好ましくは30mλ以下の範囲内となり、負レンズ6の球面収差の絶対値が0mλを越えて大きく70mλ以下、好ましくは30mλ以下の範囲内となり、複合レンズ全体の球面収差の絶対値が0mλを越えて大きく70mλ以下、好ましくは30mλ以下の範囲内であり、正レンズ5と負レンズ6とによって色収差を抑制することを条件としたシミュレーションによって、一括して決定される。
設計値に基づいて、正レンズ5及び負レンズ6の主面を所定の非球面形状に加工する。次に、正レンズ5及び負レンズ6の各々が設計値の通りに加工されているかを、レーザー干渉計等によって高精度で検査する。次に、検査に合格した正レンズ5及び検査に合格した負レンズ6を貼り合わせて密着させる。最後に、密着した正レンズ5及び負レンズ6からなる複合レンズに対して、レーザー干渉計等によって高精度で検査する。この検査に合格することにより複合レンズの製造が完了する。
(実施の形態2)
本実施の形態2の光ヘッド装置について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態2に係る光ヘッド装置の構成例を表す模式的な断面図である。図2に示された光ヘッド装置は、半導体レーザー(光源)21と、ビームスプリッター(光路分離部)22と、コリメートレンズ(色消し部)23と、対物レンズ(集光部)24と、半導体受光素子(受光部)25と、検出レンズ26とを含む構成である。なお、コリメートレンズ23として、上記の実施の形態1の複合レンズを用いる。
図2に示された光ヘッド装置において、ビームスプリッター22と、コリメートレンズ23と、対物レンズ24とは、半導体レーザー21から射出される光束の光路上(射出方向)にこの順序で略一直線に配設されている。また、検出レンズ26と半導体受光素子25とは、ビームスプリッター22に対して、半導体レーザー21から射出される光束の光路と略垂直な方向にこの順序で略一直線上に配設されている。
半導体レーザーから射出された光束は、まず、ビームスプリッター22に入射し、一部がビームスプリッター22を透過する。ビームスプリッター22を直線的に透過した光束は、コリメートレンズ23によって略平行な光束に成形される。コリメートレンズ23によって成形された略平行な光束は、対物レンズ24によって外部光ディスク(外部光記録媒体)27の情報記録層27bの表面に集光される。図2に示された外部光ディスクは、基体27aと、基体27a上に形成された情報記録層27bと、情報記録層27b上に形成された保護層27cとを含む構成である。なお、外部光ディスク27は、本実施の形態2に係る光ヘッド装置の最少構成要素ではないことに注意を要する。
次に、外部光ディスク27の情報記録層27bの表面に集光された光束は、情報記録層27bで反射し、入射経路と略同一の光路を逆行する。なお、情報記録層27bにおいて反射してなる反射光束は、反射の際に変調を受ける。反射光束は、順次に、対物レンズ24及びコリメートレンズ23を透過してビームスプリッター22に入射する。ビームスプリッター22に入射した反射光束は、ビームスプリッター22の分離面22aにおいて、分離面22aを透過する第1の反射光束と、分離面22aで反射される第2の反射光束とに分離される。これにより、第2の反射光束は、半導体レーザー21から射出された光束の光路と略垂直な経路を進行することとなる。ビームスプリッター22から射出された第2の反射光束は、検出レンズ26で屈折して、半導体受光素子25に集光される。半導体受光素子25においては、外部光ディスクの情報記録層27bでの反射による変調に応じた光量変化を電気信号に変換して検出することにより、情報記録層27bに記録された情報データを読み取る。
図2に示された光ヘッド装置におけるコリメートレンズ23が上記の実施の形態1に係る色消しレンズであるため、半導体レーザー21から射出される光束の中心波長が変動したとしても、コリメートレンズ23の色補正効果によって、対物レンズ25を射出した光束の焦点位置の変動を確実に抑制することができる。
本実施例1に係る複合レンズは、上記の第1の実施の形態に係る複合レンズの具体例である。以下に、本実施例1に係る複合レンズについて、図3(a)〜図5(b)を参照しながら説明する。なお、説明の便宜のため、上記の第1の実施の形態に係る複合レンズの構造を表した図1も参照することとする。図3(a)及び図3(b)は、正レンズの光学特性を表すグラフであって、図3(a)が球面収差を表し、図3(b)が正弦条件違反量を表す。図4(a)及び図4(b)は、負レンズの光学特性を表すグラフであって、図4(a)が球面収差を表し、図4(b)が正弦条件違反量を表す。図5(a)及び図5(b)は、複合レンズにおける光学特性を表すグラフであって、図5(a)が球面収差を表し、図5(b)が正弦条件違反量を表す。なお、図3(a)〜図5(b)における縦軸は、光軸中心からの高さを表す。
本実施例1の複合レンズは、図1に示されたように正レンズ5と負レンズ6とを貼り合わせることにより形成されている。正レンズ5及び負レンズ6に対する各レンズ諸元を下記の表1にまとめて示す。
Figure 2005276268
なお、表1における曲率半径は、正レンズ5及び負レンズ6の各々の頂点(光軸中心)近傍における曲率半径を意味し、各主面(主面1〜主面4)が曲面であることを意味するものではないことに注意を要する。また、面間隔とは、面の頂点と面の頂点との距離を意味する。なお、第4項(17.03278)は、主面4と最良像面までの距離を意味する。また、色補正効果を発現させるために、正レンズ5を構成する材料の屈折率(1.623409)は、負レンズ6を構成する材料の屈折率(1.858378)よりも小さい材料を選択する。具体的には正レンズ5の材料としてVC79(SUMITA)を用い、負レンズ6の材料としてSFLD66(SUMITA)を用いた。
正レンズ5及び負レンズ6の各主面(主面1〜主面4)における非球面形状は、下記の数1に示された関数に基づいて与えられる。
Figure 2005276268
上記の数1において、Xj(h)は光軸からの高さがhである主面j上の点から非球面頂点の接平面への距離(垂線の足の長さ)を表し、hは光軸からの高さを表し、Cjは主面jの非球面頂点における曲率(曲率半径の逆数)を表し、kjは主面jの円錐定数を表し、Aj,nは主面jに対するn次の非球面係数を表す。
正レンズ5の主面1及び主面2並びに負レンズ6の主面3及び主面4に対する上記の数1の各パラメータ値(kj及びAj,n)をまとめて下記の表2に示す。
Figure 2005276268
上記の表2に示されたように、本実施例1の複合レンズの各主面jに対する非球面係数Aj,nとしては、16次までの偶数次(nが偶数)のみを用いた。なお、正レンズ5及び負レンズ6は、光軸を中心軸として回転対称性を有する構成である。
以下において、正レンズ5、負レンズ6及び複合レンズの光学特性について説明する。なお、中心波長が408nmであり、光束径が直径3.2mmの光束に対する光学特性である。正レンズ5の縦の球面収差は、光軸からの高さhが0mm以上1.51mm以下の範囲内において、−0.010mm以上0.008mm以下の範囲内であった。また、正レンズ5の正弦条件違反量は、図3(b)に示されたように光軸からの高さhが0mm以上1.51mm以下の範囲内において、−0.031mm以上0.000mm以下の範囲内であった。なお、正レンズ5の球面収差は、下記の表3に示すように、−2.71mλであった。球面収差は、光線収差(mm単位)と波面収差(mλ単位)で表すことができる。概して、光線収差を光線高方法に積分したものが波面収差と考えられる。
負レンズ6の縦の球面収差は、光軸からの高さhが0mm以上1.51mm以下の範囲内において、−0.006mm以上0.007mm以下の範囲内であった。また、負レンズ6の正弦条件違反量は、図4(b)に示されたように光軸からの高さhが0mm以上1.51mm以下の範囲内において、−0.033mm以上0.000mm以下の範囲内であった。なお、負レンズ6の球面収差は、下記の表3に示すように、−1.56mλであった。
複合レンズの縦の球面収差は、図5(a)に示されたように、光軸からの高さhが0mm以上1.51mm以下の範囲内において、−0.002mm以上0.002mm以下の範囲内であった。また、複合レンズの正弦条件違反量は、図5(b)に示されたように、光軸からの高さhが0mm以上1.51mm以下の範囲内において、−0.003mm以上0.000mm以下の範囲内であった。なお、複合レンズ全体の球面収差は、下記の表3に示すように、−0.01mλであった。
Figure 2005276268
上記の表3からわかるように、正レンズ5単体における球面収差の絶対値、負レンズ6単体における球面収差の絶対値及び複合レンズの球面収差の絶対値は、すべて、0mλを越えて大きく30mλ以下の範囲内であり、正レンズ5、負レンズ6及び複合レンズの球面収差が良好に補正されている。
本発明は、複合レンズにおける光学特性の性能(精度)を向上させるために利用できる。また、本発明は、複合レンズの製造において、歩留まりの向上させたり、製造コストを低減させたり、量産性を向上させたりするために利用できる。
本発明は、BD用、DVD用及びコンピューター用等の光情報を記録及び/又は再生する装置における光ヘッド装置の書き込み及び/又は読み出し精度を向上させるために利用できる。
図1は、実施の形態1に係る複合レンズの構造例を表す模式的な断面図である。 図2は、実施の形態2に係る光ヘッド装置の構造例を表す模式的な断面図である。 図3(a)及び(b)は、実施例1に係る複合レンズにおける正レンズの光学特性(縦の球面収差及び正弦条件違反量)を表すグラフである。 図4(a)及び(b)は、実施例1に係る複合レンズにおける負レンズの光学特性(縦の球面収差及び正弦条件違反量)を表すグラフである。 図5(a)及び(b)は、実施例1に係る複合レンズの光学特性(縦の球面収差及び正弦条件違反量)を表すグラフである。
符号の説明
1,2,3,4 主面
5 正レンズ(第1のレンズ)
6 負レンズ(第2のレンズ)
21 半導体レーザー(光源)
22 ビームスプリッター(光路分離部)
22a 分離面
23 コリメートレンズ(色消し部)
24 対物レンズ(集光部)
25 半導体受光素子(受光部)
26 検出レンズ
27 外部光ディスク(外部光記録媒体)
27b 情報記録層

Claims (9)

  1. 非球面形状の第1の主面を有する第1のレンズと前記第1の主面に密着する非球面形状の第2の主面を有する第2のレンズとを含む互いに密着した複数のレンズを備え、球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内である複合レンズであって、
    前記複数のレンズの各々における少なくとも1つの主面が、非球面形状であり、
    前記複数のレンズの各々における球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内であることを特徴とする複合レンズ。
  2. 前記複数のレンズが互いに密着した全ての密着面が、非球面形状である請求項1に記載の複合レンズ。
  3. 前記複数のレンズの各々における球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく30mλ以下の範囲内である請求項1に記載の複合レンズ。
  4. 前記複合レンズの球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく30mλ以下の範囲内である請求項1に記載の複合レンズ。
  5. 前記第1のレンズが、正レンズであり、
    前記第2のレンズが、負レンズであり、
    前記正レンズ及び前記負レンズの一方のレンズが、他方のレンズの色収差を補正する請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合レンズ。
  6. 中心波長の異なる複数種類の光束を選択的に射出する光源と、
    前記光源から射出される前記複数種類の光束が通る光路中に設けられた、前記複数種類の光束に対する色収差を抑制する色消し部と、
    前記光路中に設けられた、前記複数種類の光束を外部光記録媒体の情報記録層に集光する集光部と、
    前記複数種類の光束のそれぞれが前記外部光記録媒体の前記情報記録層で反射してなる複数種類の反射光束を受光する受光部と、を含む光ヘッド装置であって、
    前記色消し部が、非球面形状の第1の主面を有する正レンズと前記正レンズによる色収差を補正する、前記第1の主面に密着した非球面形状の第2の主面を有する負レンズとを含む互いに密着した複数のレンズを有する球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内の色消しレンズを備えており、前記複数のレンズの各々における少なくとも1つの主面が非球面形状であり、前記複数のレンズの各々における球面収差の絶対値が0mλを超えて大きく70mλ以下の範囲内であることを特徴とする光ヘッド装置。
  7. 前記光源と前記色消し部との間の前記光路中に設けられ、前記光路を逆行する前記色消し部からの前記複数種類の反射光束を前記光源に向かう第1の光束と前記第1の光束と異なる方向に向かう第2の光束とに分離する光路分離部を更に含み、
    前記受光部が、前記第2の光束を受光する請求項6に記載の光ヘッド装置。
  8. 前記色消しレンズを構成する前記複数のレンズが互いに密着した全ての密着面が、非球面形状である請求項6に記載の光ヘッド装置。
  9. 前記色消しレンズを構成する前記複数のレンズの各々における球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく30mλ以下の範囲内であり、
    前記色消しレンズにおける球面収差の絶対値が、0mλを超えて大きく30mλ以下の範囲内である請求項6に記載の光ヘッド装置。
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