JP2005275343A - 光導波路構造付きデバイス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コア部の硬化状態が均一となっており、散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本光導波路構造付きデバイス100は、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物が硬化されてなり且つ光が伝搬するコア部11と、このコア部11を取り囲むクラッド部12と、を有する光導波路構造10を備える。本製造方法は、硬化されて光硬化樹脂となり、且つ、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、この未硬化層に光を照射することにより、光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、少なくともこの光硬化コア部を加熱し、上記コア部を形成する加熱工程と、を備える
【選択図】 図1
【解決手段】 本光導波路構造付きデバイス100は、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物が硬化されてなり且つ光が伝搬するコア部11と、このコア部11を取り囲むクラッド部12と、を有する光導波路構造10を備える。本製造方法は、硬化されて光硬化樹脂となり、且つ、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、この未硬化層に光を照射することにより、光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、少なくともこの光硬化コア部を加熱し、上記コア部を形成する加熱工程と、を備える
【選択図】 図1
Description
本発明は、光導波路構造付きデバイス及びその製造方法に関する。更に詳しくは、コア部の硬化状態が均一であり、散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイス及びその製造方法に関する。更には、コア部及び少なくともクラッド部の一部が、同一の光重合性組成物から硬化方法の違いにより作り分けられており、且つコア部の硬化状態が均一であり、散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスの製造方法に関する。
従来、情報処理分野及び情報通信分野においては、電気信号を用いた処理が多くなされている。しかし、情報処理分野及び情報通信分野の進歩が著しく、扱われるデータ量等は増加しており、今後も益々大きくなることが予測される。
また、これに伴う通信速度の高速化も求められている。このため、電気信号に比べて処理速度が大きい光信号を用いた情報処理及び情報通信への移行が望まれている。特に近年は、光通信ケーブルに代表される伝達距離の長い信号伝達経路及びこれに付随する専用デバイスだけでなく、汎用電子機器内の基板及び電子部品等の接続等の短い信号伝達経路に関しても、電気伝送媒体から光伝送媒体への移行が検討されている。
また、これに伴う通信速度の高速化も求められている。このため、電気信号に比べて処理速度が大きい光信号を用いた情報処理及び情報通信への移行が望まれている。特に近年は、光通信ケーブルに代表される伝達距離の長い信号伝達経路及びこれに付随する専用デバイスだけでなく、汎用電子機器内の基板及び電子部品等の接続等の短い信号伝達経路に関しても、電気伝送媒体から光伝送媒体への移行が検討されている。
この新たな情報処理及び情報通信において利用される光伝送媒体としては光導波路が知られており、更に、光導波路には有機系のものと、無機系のものとが知られている。このうち有機系のものは、加工性、可とう性等の材料特性及びコスト的な面等に優れるため有望視されている。
このような光導波路としては、基板上に形成された下部クラッド上に、光導波路用材料として液体状の組成物をスピンコート法により塗布した後、フォトリソグラフィ法を用いて、露光、現像することにより形成されたコア部を有するものなどが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような光導波路としては、基板上に形成された下部クラッド上に、光導波路用材料として液体状の組成物をスピンコート法により塗布した後、フォトリソグラフィ法を用いて、露光、現像することにより形成されたコア部を有するものなどが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、フォトリソグラフィ法における光照射のみにより材料を硬化させて形成されたコア部の硬化状態は、まだ十分に均一であるとはいえず、光導波路の散乱損失を増加させる要因の1つとなっていた。具体的にいうと、導波路用材料に所定の光を照射してコア部を形成する際、照射される光の照射量が材料の表面側と底面側とで必ず異なるため、コア部の硬化状態が均一とならず、光の照射方向に対して物性が傾斜してしまい、コア部において均一な屈折率が得られず、光導波路の散乱損失を増加させる要因となっていた。そのため、コア部の硬化状態がより均一で、散乱損失の少ない光導波路が求められていた。
また、光重合開始剤として光ラジカル発生剤が用いられる場合においても、材料の最表面側が酸素阻害を受けて硬化しにくいことがあるため、硬化状態が均一なコア部が得られないことがあった。
更に、光導波路の利用用途によっては、光導波路作製後の工程において、発光素子を配設する等の光導波路が熱にさらされる工程(ハンダ付け工程等)があり、そこでコア部の物性が変化してしまうこともあり、これらも散乱損失を増加させる要因となっていた。
また、光重合開始剤として光ラジカル発生剤が用いられる場合においても、材料の最表面側が酸素阻害を受けて硬化しにくいことがあるため、硬化状態が均一なコア部が得られないことがあった。
更に、光導波路の利用用途によっては、光導波路作製後の工程において、発光素子を配設する等の光導波路が熱にさらされる工程(ハンダ付け工程等)があり、そこでコア部の物性が変化してしまうこともあり、これらも散乱損失を増加させる要因となっていた。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、コア部の硬化状態が均一となっており、散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。更には、コア部及び少なくともクラッド部の一部が、同一の光重合性組成物から硬化方法の違いにより作り分けられており、且つコア部の硬化状態が均一であり、散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
(1)光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物が硬化されてなり且つ光が伝搬するコア部と、該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイス。
(2)上記コア部は、上記光重合性組成物が光硬化された後、更に熱硬化されてなる上記(1)に記載の光導波路構造付きデバイス。
(3)上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む上記(1)又は(2)に記載の光導波路構造付きデバイス。
(4)上記光重合性化合物がアクリル系化合物を含む上記(1)又は(2)に記載の光導波路構造付きデバイス。
(5)上記光重合性化合物と上記熱硬化剤との質量比(光重合性化合物/熱硬化剤)が、100/0.05〜100/10である上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
(6)上記光重合性組成物は、更に熱硬化性化合物を含む上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
(7)上記コア部の少なくとも1つの端部側に発光素子を備え、該コア部は、該発光素子から発せられた光により光硬化された後、更に熱硬化されてなる上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
(8)上記クラッド部は、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え、該中間部クラッド部は上記光重合性組成物が熱硬化されてなり、且つ上記光重合性化合物の光硬化物の屈折率は、上記熱硬化性化合物の熱硬化物の屈折率よりも大きい上記(6)に記載の光導波路構造付きデバイス。
(9)光が伝搬するコア部と、該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法であって、硬化されて光硬化樹脂となり、且つ、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、該未硬化層に光を照射することにより、光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、少なくとも該光硬化コア部を加熱し、上記コア部を形成する加熱工程と、を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法。
(10)上記未硬化層形成工程と、上記光硬化コア部形成工程との間に、上記未硬化層上に発光素子を配設する発光素子配設工程を更に備え、上記光硬化コア部形成工程では、該発光素子を用いて光を照射し、該未硬化層の該光が照射及び透過された部位を選択的に硬化させて上記光硬化コア部を形成する上記(9)に記載の光導波路構造付きデバイスの製造方法。
(11)上記光硬化コア部形成工程と、上記加熱工程との間に、上記光硬化コア部とならなかった上記未硬化層に光を照射することにより、光硬化クラッド部を形成する光硬化クラッド部形成工程を更に備える上記(9)又は(10)に記載の光導波路構造付きデバイスの製造方法。
(12)光が伝搬するコア部と、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え且つ該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法であって、上記下部クラッド部を形成する下部クラッド部形成工程と、該下部クラッド部上に、光重合性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、該未硬化層の一部に光を照射することにより、該未硬化層の一部に光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、該光硬化コア部が形成された上記未硬化層を加熱して、上記コア部及び上記中間部クラッド部を形成する加熱工程と、該コア部及び該中間部クラッド部上に、上記上部クラッド部を形成する上部クラッド部形成工程と、を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法。
(1)光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物が硬化されてなり且つ光が伝搬するコア部と、該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイス。
(2)上記コア部は、上記光重合性組成物が光硬化された後、更に熱硬化されてなる上記(1)に記載の光導波路構造付きデバイス。
(3)上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む上記(1)又は(2)に記載の光導波路構造付きデバイス。
(4)上記光重合性化合物がアクリル系化合物を含む上記(1)又は(2)に記載の光導波路構造付きデバイス。
(5)上記光重合性化合物と上記熱硬化剤との質量比(光重合性化合物/熱硬化剤)が、100/0.05〜100/10である上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
(6)上記光重合性組成物は、更に熱硬化性化合物を含む上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
(7)上記コア部の少なくとも1つの端部側に発光素子を備え、該コア部は、該発光素子から発せられた光により光硬化された後、更に熱硬化されてなる上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
(8)上記クラッド部は、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え、該中間部クラッド部は上記光重合性組成物が熱硬化されてなり、且つ上記光重合性化合物の光硬化物の屈折率は、上記熱硬化性化合物の熱硬化物の屈折率よりも大きい上記(6)に記載の光導波路構造付きデバイス。
(9)光が伝搬するコア部と、該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法であって、硬化されて光硬化樹脂となり、且つ、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、該未硬化層に光を照射することにより、光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、少なくとも該光硬化コア部を加熱し、上記コア部を形成する加熱工程と、を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法。
(10)上記未硬化層形成工程と、上記光硬化コア部形成工程との間に、上記未硬化層上に発光素子を配設する発光素子配設工程を更に備え、上記光硬化コア部形成工程では、該発光素子を用いて光を照射し、該未硬化層の該光が照射及び透過された部位を選択的に硬化させて上記光硬化コア部を形成する上記(9)に記載の光導波路構造付きデバイスの製造方法。
(11)上記光硬化コア部形成工程と、上記加熱工程との間に、上記光硬化コア部とならなかった上記未硬化層に光を照射することにより、光硬化クラッド部を形成する光硬化クラッド部形成工程を更に備える上記(9)又は(10)に記載の光導波路構造付きデバイスの製造方法。
(12)光が伝搬するコア部と、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え且つ該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法であって、上記下部クラッド部を形成する下部クラッド部形成工程と、該下部クラッド部上に、光重合性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、該未硬化層の一部に光を照射することにより、該未硬化層の一部に光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、該光硬化コア部が形成された上記未硬化層を加熱して、上記コア部及び上記中間部クラッド部を形成する加熱工程と、該コア部及び該中間部クラッド部上に、上記上部クラッド部を形成する上部クラッド部形成工程と、を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法。
本発明の光導波路構造付きデバイスは、硬化状態が均一なコア部を有しており、散乱損失が少ないため、光通信分野、電気電子分野等において幅広く利用できる。
また、上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む場合には、耐熱性、絶縁性、耐薬品性及び耐水性により優れた光導波路構造付きデバイスが得られる。
更に、上記光重合性化合物がアクリル系化合物を含む場合には、感光性、透明性により優れた光導波路構造付きデバイスが得られる。
また、上記光重合性化合物と上記熱硬化剤との質量比(光重合性化合物/熱硬化剤)が特定の範囲である場合には、加熱による重合反応が十分に進行することにより、より硬化状態が均一なコア部を有する光導波路構造付きデバイスが得られる。
更に、上記光重合性組成物が、熱硬化性化合物を更に含む場合には、コア部及び少なくともクラッド部の一部を、同一の光重合性組成物から硬化方法の違いにより作り分けることができ、コア部の硬化状態が均一であり、且つ散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスが得られる。
本発明の光導波路構造付きデバイスの製造方法によれば、本発明の光導波路構造付きデバイスを効率よく製造することができる。
また、発光素子配設工程を更に備え、この発光素子を用いて光を照射し、光硬化コア部を形成する場合には、コア部を光硬化させるために用いられる発光素子と、実際に通信光を発する発光素子とを同一のものとすることができ、効率よく光導波路構造付きデバイスを得ることができる。
本発明の他の光導波路構造付きデバイスの製造方法によれば、硬化状態が均一なコア部を有しており、且つ散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスを製造することができる。更には、コア部とクラッド部を全て同一の光重合性組成物により形成できるため、より効率的に光導波路構造付きデバイスを製造することができる。
また、上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む場合には、耐熱性、絶縁性、耐薬品性及び耐水性により優れた光導波路構造付きデバイスが得られる。
更に、上記光重合性化合物がアクリル系化合物を含む場合には、感光性、透明性により優れた光導波路構造付きデバイスが得られる。
また、上記光重合性化合物と上記熱硬化剤との質量比(光重合性化合物/熱硬化剤)が特定の範囲である場合には、加熱による重合反応が十分に進行することにより、より硬化状態が均一なコア部を有する光導波路構造付きデバイスが得られる。
更に、上記光重合性組成物が、熱硬化性化合物を更に含む場合には、コア部及び少なくともクラッド部の一部を、同一の光重合性組成物から硬化方法の違いにより作り分けることができ、コア部の硬化状態が均一であり、且つ散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスが得られる。
本発明の光導波路構造付きデバイスの製造方法によれば、本発明の光導波路構造付きデバイスを効率よく製造することができる。
また、発光素子配設工程を更に備え、この発光素子を用いて光を照射し、光硬化コア部を形成する場合には、コア部を光硬化させるために用いられる発光素子と、実際に通信光を発する発光素子とを同一のものとすることができ、効率よく光導波路構造付きデバイスを得ることができる。
本発明の他の光導波路構造付きデバイスの製造方法によれば、硬化状態が均一なコア部を有しており、且つ散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスを製造することができる。更には、コア部とクラッド部を全て同一の光重合性組成物により形成できるため、より効率的に光導波路構造付きデバイスを製造することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]光導波路構造付きデバイス
本発明の光導波路構造付きデバイスは、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物が硬化されてなり且つ光が伝搬するコア部と、このコア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする。
[1]光導波路構造付きデバイス
本発明の光導波路構造付きデバイスは、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物が硬化されてなり且つ光が伝搬するコア部と、このコア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする。
上記「光導波路構造」は、コア部とクラッド部とを備える。
上記「コア部」は、光が伝搬する部分であり、このコア部は、光重合性組成物が硬化されてなる。具体的には、光硬化された後、更に熱硬化されてなるコア部とすることができる。
上記「光重合性組成物」は、紫外線、赤外線、近赤外線等の所定の光の光照射により重合(「重合」には「共重合」及び「単独重合」を含む。以下同様。)されて(「更に重合が進行されて」を含む意味である。)硬化され、且つ加熱により更に重合が進行されて光硬化樹脂となる組成物である。尚、本発明でいう光硬化樹脂の概念には、所定の光の照射により硬化させることができる限り、一般的に言う熱硬化性重合体(「重合体」には「共重合体」及び「単独重合体」を含む。以下同様。)や熱可塑性重合体等が包含される。また、樹脂中の三次元構造の有無等においても限定されない。
この光重合性組成物は、光重合性化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤とを含む。
上記「光重合性化合物」としては、例えば、エポキシ系化合物、アクリル系化合物、フッ素系化合物、イミド系化合物、ビスマレイミド系化合物、フェニレン系化合物、フェニレンエーテル系化合物、フェノール系化合物、シリコーン系化合物、ウレタン系化合物、エステル系化合物、フェノキシ系化合物及びオレフィン系化合物等が挙げられる。これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、アクリル系化合物、エポキシ系化合物を含むことが好ましい。この光重合性組成物がエポキシ系化合物を含む場合には、耐熱性、絶縁性、耐薬品性及び耐水性により優れた光導波路が得られ、アクリル系化合物を含む場合には、感光性、透明性により優れた光導波路が得られるからである。
また、この光重合性化合物は近赤外線硬化型のものとすることができる。この場合、通信光に用いられることの多い近赤外線を利用できるため、コア部を光硬化させるために用いられる発光素子と、実際に通信光を発する発光素子とを同一のものとすることができ、効率よく光導波路構造付きデバイスを得ることができる。
上記「コア部」は、光が伝搬する部分であり、このコア部は、光重合性組成物が硬化されてなる。具体的には、光硬化された後、更に熱硬化されてなるコア部とすることができる。
上記「光重合性組成物」は、紫外線、赤外線、近赤外線等の所定の光の光照射により重合(「重合」には「共重合」及び「単独重合」を含む。以下同様。)されて(「更に重合が進行されて」を含む意味である。)硬化され、且つ加熱により更に重合が進行されて光硬化樹脂となる組成物である。尚、本発明でいう光硬化樹脂の概念には、所定の光の照射により硬化させることができる限り、一般的に言う熱硬化性重合体(「重合体」には「共重合体」及び「単独重合体」を含む。以下同様。)や熱可塑性重合体等が包含される。また、樹脂中の三次元構造の有無等においても限定されない。
この光重合性組成物は、光重合性化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤とを含む。
上記「光重合性化合物」としては、例えば、エポキシ系化合物、アクリル系化合物、フッ素系化合物、イミド系化合物、ビスマレイミド系化合物、フェニレン系化合物、フェニレンエーテル系化合物、フェノール系化合物、シリコーン系化合物、ウレタン系化合物、エステル系化合物、フェノキシ系化合物及びオレフィン系化合物等が挙げられる。これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、アクリル系化合物、エポキシ系化合物を含むことが好ましい。この光重合性組成物がエポキシ系化合物を含む場合には、耐熱性、絶縁性、耐薬品性及び耐水性により優れた光導波路が得られ、アクリル系化合物を含む場合には、感光性、透明性により優れた光導波路が得られるからである。
また、この光重合性化合物は近赤外線硬化型のものとすることができる。この場合、通信光に用いられることの多い近赤外線を利用できるため、コア部を光硬化させるために用いられる発光素子と、実際に通信光を発する発光素子とを同一のものとすることができ、効率よく光導波路構造付きデバイスを得ることができる。
上記エポキシ系化合物は、エポキシ基を有することにより重合できる化合物をいう。このエポキシ化合物は特に限定されず、例えば、オリゴマーでもよく、モノマーでもよく、これらの混合物であってもよい。また、モノマー(オリゴマーにおいてはオリゴマー化前のモノマーも)及びオリゴマーは、二官能性でも、多官能性でもよく、これらの混合物であってもよい。更に、これらのモノマー及びオリゴマーとして、一部又は全部の水素原子が重水素原子に置換された重水素化物を用いることができる。また、一部又は全部の水素原子がハロゲン原子に置換されたハロゲン化物を用いることができる。更に、分子内にシリコーン鎖を有してもよく、有さなくてもよい。
具体的にいうと、二官能性エポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型、グリシジルアミン型、グリシジルエステル型及び脂環型(シクロヘキセンオキシド構造を持つエポキシ化合物等)等が挙げられる。このうちグリシジルエーテル型としては、各種ビスフェノール型、ビフェニル型、ナフタレン型及びフルオレン型等が挙げられる。これらのうちビスフェノール型としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノール型及びビスフェノールAF型、ビスフェノールS型、等が挙げられる。また、グリシジルアミン型としては、ヒダントイン型、アニリン型及びトルイジン型等が挙げられる。
一方、多官能性エポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型及びグリシジルアミン型等が挙げられる。このうちグリシジルエーテル型としては、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ジフェニルプロパン型、トリスヒドロキシフェニルメタン型及びテトラフェニロールエタン型等が挙げられる。また、グリシジルアミン型としては、アミノフェノール型、テトラグリシジルジアミニジフェニルメタン型、トリグリシジルイソシアヌレート型及び1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン型等が挙げられる。
これらのグリシジルエーテル型の各エポキシ化合物には、1価脂肪族アルコール、多価脂肪族アルコール、1価芳香族アルコール及び多価芳香族アルコール、1価フェノール及び多価フェノールから誘導されたグリシジルエーテル型エポキシ化合物が含まれる。各芳香族アルコールを構成する芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環及びアントラセン環等が挙げられる。
これらの各エポキシ化合物の一部又は全部の水素原子が重水素原子及び/又はハロゲン原子に置換された化合物が挙げられる。
具体的にいうと、二官能性エポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型、グリシジルアミン型、グリシジルエステル型及び脂環型(シクロヘキセンオキシド構造を持つエポキシ化合物等)等が挙げられる。このうちグリシジルエーテル型としては、各種ビスフェノール型、ビフェニル型、ナフタレン型及びフルオレン型等が挙げられる。これらのうちビスフェノール型としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノール型及びビスフェノールAF型、ビスフェノールS型、等が挙げられる。また、グリシジルアミン型としては、ヒダントイン型、アニリン型及びトルイジン型等が挙げられる。
一方、多官能性エポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型及びグリシジルアミン型等が挙げられる。このうちグリシジルエーテル型としては、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ジフェニルプロパン型、トリスヒドロキシフェニルメタン型及びテトラフェニロールエタン型等が挙げられる。また、グリシジルアミン型としては、アミノフェノール型、テトラグリシジルジアミニジフェニルメタン型、トリグリシジルイソシアヌレート型及び1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン型等が挙げられる。
これらのグリシジルエーテル型の各エポキシ化合物には、1価脂肪族アルコール、多価脂肪族アルコール、1価芳香族アルコール及び多価芳香族アルコール、1価フェノール及び多価フェノールから誘導されたグリシジルエーテル型エポキシ化合物が含まれる。各芳香族アルコールを構成する芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環及びアントラセン環等が挙げられる。
これらの各エポキシ化合物の一部又は全部の水素原子が重水素原子及び/又はハロゲン原子に置換された化合物が挙げられる。
上記アクリル系化合物としては、例えば、1価から多価(メタ)アクリレートモノマー及びオリゴマー、アルコールをアクリル酸もしくはメタクリル酸等の不飽和結合を持つカルボン酸でエステル化した化合物及びこれらの誘導体等が挙げられる。更には、エポキシ性オリゴマーの有する一部又は全部のエポキシ基に、これらのアクリル系化合物を付加した化合物(例えば、エポキシアクリレート等)が挙げられる。
上記「光重合開始剤」としては、例えば、光酸発生剤、光ラジカル発生剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、光重合性化合物の種類等に応じて、適宜選択される。
上記光酸発生剤は、光の照射及び/又は後述する光増感剤への光の照射に伴って酸を発生させることができる化合物をいう。この光酸発生剤としては、イオン性酸発生剤及び非イオン性酸発生剤が挙げられる。イオン性酸発生剤としては、ルイス酸発生剤(アリールジアゾニウム塩等の各種ジアゾニウム塩)、ブレンステッド酸発生剤{各種オニウム塩(ジアリールヨードニウム塩等のヨードニウム塩、ジアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、ジアリールセレノニウム塩等のセレノニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩等のスルホニウム塩など)}等が挙げられる。また、非イオン性酸発生剤としては、スルホン酸発生剤(スルホン酸エステルなど)、カルボン酸発生剤(カルボン酸エステルなど)、アミド誘導体等が挙げられる。これらの酸発生剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む場合には、光重合開始剤として少なくとも光酸発生剤を用いることが好ましい。
上記光酸発生剤は、光の照射及び/又は後述する光増感剤への光の照射に伴って酸を発生させることができる化合物をいう。この光酸発生剤としては、イオン性酸発生剤及び非イオン性酸発生剤が挙げられる。イオン性酸発生剤としては、ルイス酸発生剤(アリールジアゾニウム塩等の各種ジアゾニウム塩)、ブレンステッド酸発生剤{各種オニウム塩(ジアリールヨードニウム塩等のヨードニウム塩、ジアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、ジアリールセレノニウム塩等のセレノニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩等のスルホニウム塩など)}等が挙げられる。また、非イオン性酸発生剤としては、スルホン酸発生剤(スルホン酸エステルなど)、カルボン酸発生剤(カルボン酸エステルなど)、アミド誘導体等が挙げられる。これらの酸発生剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む場合には、光重合開始剤として少なくとも光酸発生剤を用いることが好ましい。
上記光ラジカル発生剤は、光の照射によりラジカルを発生できる化合物及び/又は後述する光増感剤への光の照射に起因してラジカルを発生できる化合物をいう。この光ラジカル発生剤は特に限定されないが、例えば、有機ホウ素系錯体、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、s−トリアジン系化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物及びチタノセン化合物等が挙げられる。これらのなかでも、特に、有機ホウ素系錯体、カルボニル化合物及び有機過酸化物が好ましい。このラジカル発生剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、上記光重合性化合物がアクリル系化合物を含む場合には、光重合開始剤として少なくとも光ラジカル発生剤を用いることが好ましい。
上記光重合性化合物と、上記光重合開始剤との質量比(光重合性化合物/光重合開始剤)は特に限定されないが、100/0.05〜100/10であることが好ましく、より好ましくは100/0.1〜100/5、更に好ましくは100/0.2〜100/4である。この質量比が100/0.05〜100/10である場合には、重合反応が十分に進行することにより耐熱性、絶縁性、耐薬品性及び耐水性により優れた光導波路が得られる。
上記「熱硬化剤」としては、例えば、熱酸発生剤、熱ラジカル発生剤等が挙げられる。これらの熱硬化剤は、光重合性化合物の種類等に応じて、適宜選択される。
上記熱酸発生剤としては、芳香族スルホニウム塩系化合物(対アニオンとしては、例えば、SbF6 −及びPF6 −等)、チオフェン系化合物塩(対アニオンとしては、例えば、SbF6 −及びPF6 −等)、ピリジン系化合物、可溶性有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸及びパラトルエンスルホン酸等)、及び、ルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素モノエチルアミン、三フッ化ホウ素ベンジルアミン、四フッ化ホウ素酸塩等)などが挙げられる。具体的には、三新化学株式会社製のSI−100L、SI−80L、SI−60L、SI−110L及びSI−180L等、旭電化株式会社製のアデカオプトンCP−66及びCP−77、日本曹達株式会社製のCI−2639及びCI−2624、住友精化株式会社製のBSP(2−トリブロモメチルスルホニルピリジン)、BMPS(α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン)等が挙げられる。尚、上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む場合には、熱硬化剤として少なくとも熱酸発生剤を用いることが好ましい。
また、上記熱ラジカル発生剤としては、各種有機過酸化物(過酸化ベンゾイル等)等が挙げられる。尚、上記光重合性化合物がアクリル系化合物を含む場合には、熱硬化剤として少なくとも熱ラジカル発生剤を用いることが好ましい。
上記熱酸発生剤としては、芳香族スルホニウム塩系化合物(対アニオンとしては、例えば、SbF6 −及びPF6 −等)、チオフェン系化合物塩(対アニオンとしては、例えば、SbF6 −及びPF6 −等)、ピリジン系化合物、可溶性有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸及びパラトルエンスルホン酸等)、及び、ルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素モノエチルアミン、三フッ化ホウ素ベンジルアミン、四フッ化ホウ素酸塩等)などが挙げられる。具体的には、三新化学株式会社製のSI−100L、SI−80L、SI−60L、SI−110L及びSI−180L等、旭電化株式会社製のアデカオプトンCP−66及びCP−77、日本曹達株式会社製のCI−2639及びCI−2624、住友精化株式会社製のBSP(2−トリブロモメチルスルホニルピリジン)、BMPS(α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン)等が挙げられる。尚、上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む場合には、熱硬化剤として少なくとも熱酸発生剤を用いることが好ましい。
また、上記熱ラジカル発生剤としては、各種有機過酸化物(過酸化ベンゾイル等)等が挙げられる。尚、上記光重合性化合物がアクリル系化合物を含む場合には、熱硬化剤として少なくとも熱ラジカル発生剤を用いることが好ましい。
上記光重合性化合物と、上記熱硬化剤との質量比(光重合性化合物/熱硬化剤)は特に限定されないが、100/0.05〜100/10であることが好ましく、より好ましくは100/0.1〜100/5、更に好ましくは100/0.2〜100/4である。この質量比が100/0.05〜100/10である場合には、加熱による重合反応が十分に進行することにより、より硬化状態が均一なコア部となる。
また、前記光重合性組成物は、熱硬化性化合物を更に含んでいてもよい。尚、この熱硬化性化合物は、所定の光(コア部の形成の用いられる光)で重合が開始せず且つ光重合性化合物と共重合しないものである。
この熱硬化性化合物を含む場合、所定の部位のみを光硬化させた後に、全体を熱硬化した際、光を照射した部位では光重合性化合物を選択的に重合させ、その後、熱硬化した際には混合物として同時に全体の重合を更に進行させて硬化させることができるため、選択的に光硬化した部位の屈折率を周りの樹脂よりも大きくすることができる。特に、光重合性化合物に高屈折率の化合物を選択することにより、選択的に光硬化した部位の屈折率を周りの樹脂よりも確実に大きくすることができる。そのため、コア部とクラッド部との屈折率差を所望の範囲に容易に調整することができる。また、コア部及び少なくともクラッド部の一部を、同一の光重合性組成物から硬化方法の違いにより作り分けることができ、コア部の硬化状態が均一であり、散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスを得ることができる。
この熱硬化性化合物を含む場合、所定の部位のみを光硬化させた後に、全体を熱硬化した際、光を照射した部位では光重合性化合物を選択的に重合させ、その後、熱硬化した際には混合物として同時に全体の重合を更に進行させて硬化させることができるため、選択的に光硬化した部位の屈折率を周りの樹脂よりも大きくすることができる。特に、光重合性化合物に高屈折率の化合物を選択することにより、選択的に光硬化した部位の屈折率を周りの樹脂よりも確実に大きくすることができる。そのため、コア部とクラッド部との屈折率差を所望の範囲に容易に調整することができる。また、コア部及び少なくともクラッド部の一部を、同一の光重合性組成物から硬化方法の違いにより作り分けることができ、コア部の硬化状態が均一であり、散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスを得ることができる。
上記「熱硬化性化合物」としては、例えば、エポキシ系化合物、アクリル系化合物、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、アクリル系化合物、エポキシ系化合物が好ましい。
上記アクリル系化合物としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等の通常市販されているエポキシ樹脂を利用できる。
上記アクリル系化合物としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等の通常市販されているエポキシ樹脂を利用できる。
また、前記光重合性組成物がこの熱硬化性化合物を更に含む場合、光重合性化合物と熱硬化性化合物との組合せは特に限定されない。例えば、光重合性化合物をアクリル系化合物とし、熱硬化性化合物をエポキシ系化合物とすることができる。この場合、光硬化性、透明性及び柔軟性に優れたコア部と、耐熱性に優れたクラッド部と、を備える光導波路構造付きデバイスが得られる。
更に、この組合せは、光重合性化合物をエポキシ系化合物とし、熱硬化性化合物をアクリル系化合物とすることができる。この場合、耐熱性に優れたコア部と、柔軟性に優れたクラッド部と、を備える光導波路構造付きデバイスが得られる。
更に、この組合せは、光重合性化合物をエポキシ系化合物とし、熱硬化性化合物をアクリル系化合物とすることができる。この場合、耐熱性に優れたコア部と、柔軟性に優れたクラッド部と、を備える光導波路構造付きデバイスが得られる。
光重合性化合物と熱硬化性化合物との質量比(光重合性化合物/熱硬化性化合物)は特に限定されないが、90/10〜10/90であることが好ましく、より好ましくは75/25〜25/75、更に好ましくは60/40〜40/60である。この質量比が90/10〜10/90であり、両者が互いに共重合しない場合には、所定の部位のみを光硬化させた後に、全体を熱硬化した際、光を照射した部位では光重合性化合物が選択的に重合し、その後、熱硬化した際には混合物として同時に重合して硬化するため、光重合性化合物に高屈折率の化合物を選択することにより、選択的に光硬化した部位の屈折率を周りの樹脂よりも確実に大きくすることができる。そのため、コア部とクラッド部との屈折率差を所望の範囲に容易に調整することができる。
また、前記光重合性組成物が熱硬化性化合物を更に含む場合、光重合性化合物と、前記光重合開始剤との質量比(光重合性化合物/光重合開始剤)は特に限定されないが、100/0.05〜100/10であることが好ましく、より好ましくは100/0.1〜100/5、更に好ましくは100/0.2〜100/4である。この質量比が100/0.05〜100/10である場合には、十分に光硬化反応を進行させることができ、光重合性化合物を選択的に硬化でき、コア部となる高屈折領域の形成を確実に行うことができ、且つ耐熱性と透明性に優れた硬化物を得ることができる。
尚、光重合性化合物がアクリル系化合物である場合には、光重合開始剤として光ラジカル発生剤を用いることが好ましく、光重合性化合物がエポキシ系化合物である場合には、光重合開始剤として光酸発生剤を用いることが好ましい。
尚、光重合性化合物がアクリル系化合物である場合には、光重合開始剤として光ラジカル発生剤を用いることが好ましく、光重合性化合物がエポキシ系化合物である場合には、光重合開始剤として光酸発生剤を用いることが好ましい。
また、熱硬化性化合物と前記熱硬化剤との質量比(熱硬化性化合物/熱硬化剤)は特に限定されないが、100/0.05〜100/10であることが好ましく、より好ましくは100/0.1〜100/5、更に好ましくは100/0.2〜100/4である。この質量比が100/0.05〜100/10である場合には、十分に熱硬化反応を進行させることができ、耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。
尚、熱硬化性化合物がアクリル系化合物である場合には、光重合開始剤として熱ラジカル発生剤を用いることが好ましく、熱硬化性化合物がエポキシ系化合物である場合には、熱硬化剤として熱酸発生剤を用いることが好ましい。
尚、熱硬化性化合物がアクリル系化合物である場合には、光重合開始剤として熱ラジカル発生剤を用いることが好ましく、熱硬化性化合物がエポキシ系化合物である場合には、熱硬化剤として熱酸発生剤を用いることが好ましい。
また、上記光重合性組成物には、硬化させる際に照射する光の種類に応じて、光増感剤を含有させることができる。光増感剤は、照射する光に対して増感作用を有し、光重合開始剤を補助できるものである。この光増感剤は、光重合開始剤等のみでは照射される光に対する十分な感光性が得られ難い場合に効果的である。
コア部の屈折率は、コア部を構成する樹脂の種類及びその種類の数に関わらず、コア部の全体が略均一な屈折率となっていることが好ましい。尚、コア部の屈折率は、異種の樹脂間で異なることもあれば同じであることもあり、更には同じ単量体に由来する樹脂であってもその重合度により変化するため、同種の樹脂から得てもよく、異種の樹脂から得てもよい。
また、コア部の光に対する透過特性は特に限定されず、例えば、赤外線(近赤外線を含む)、可視光線及び紫外線等、どのような光が透過できるものであってもよい。なかでも、特に近赤外線(0.7〜25μm)が透過できるものであることが好ましく、更には近赤外線(0.7〜2μm)の透過に適したものであることがより好ましい。
また、コア部の光に対する透過特性は特に限定されず、例えば、赤外線(近赤外線を含む)、可視光線及び紫外線等、どのような光が透過できるものであってもよい。なかでも、特に近赤外線(0.7〜25μm)が透過できるものであることが好ましく、更には近赤外線(0.7〜2μm)の透過に適したものであることがより好ましい。
コア部の平面形状は特に限定されず、直線状であってもよく、曲線状であってもよく、屈曲部を有してもよく、枝分かれを有してもよい。更に、端部近傍では端面に向かって広がるラッパ形状等とすることもできる。このうち、屈曲部とは、光路が曲がる部分を意味する。屈曲部を有することにより、最適な光路を得ることができ、通信効率を向上させること及び小型化すること等ができる。この屈曲部は、一連のコア部に1ヶ所のみを有してもよく、2ヶ所以上を有してもよい。尚、コア部が屈曲部を有する場合には、通常、後述する光路変換部が用いられる。
更に、断面形状(光の伝搬方向に対する断面)も特に限定されず、四角形(正方形及び矩形など)及び円形等とすることができる。また、四角形以外の他の多角形とすることもでき、楕円形等のように完全な円形ではない断面形状であってもよい。
また、このコア部は、光の入出力を行うことができる端面を有していてもよい。この端面を有する場合、その数は特に限定されないが、通常、2つ以上であり、少なくとも1つは入光面として、少なくとも他の1つは出光面として用いることができる。3つ以上の端面を有する場合には、2つ以上の入光面及び/又は出光面を有するコア部とすることができる。
更に、断面形状(光の伝搬方向に対する断面)も特に限定されず、四角形(正方形及び矩形など)及び円形等とすることができる。また、四角形以外の他の多角形とすることもでき、楕円形等のように完全な円形ではない断面形状であってもよい。
また、このコア部は、光の入出力を行うことができる端面を有していてもよい。この端面を有する場合、その数は特に限定されないが、通常、2つ以上であり、少なくとも1つは入光面として、少なくとも他の1つは出光面として用いることができる。3つ以上の端面を有する場合には、2つ以上の入光面及び/又は出光面を有するコア部とすることができる。
このコア部はどのような方法により光重合性組成物が重合されたものであってもよいが、例えば、(1)光重合性組成物からなる未硬化層上から発光素子等の発光手段により所定の光を発して未硬化層の所望の部位を選択的に硬化させ、更に熱硬化させて得られたコア部、(2)光重合性組成物からなる未硬化層に所定の光を用いたフォトリソグラフィ法を施して未硬化層の所望の部位を選択的に硬化させ、更に熱硬化させて得られたコア部、(3)光重合性組成物からなる未硬化層に所定の光を照射して未硬化層の所望の部位を選択的に硬化させ、更に熱硬化させて得られたコア部、(4)光重合性組成物からなる未硬化層の所望の部位が硬化するように所定のレーザー光線により描画形成し、更に熱硬化させて得られたコア部等が挙げられる。
このような方法により得られたコア部は、散乱損失を生じ難く、また、散乱損失を抑制するため大きなコストを要しない。これらのなかでは、上記(1)乃至(3)のコア部が好ましい。特に(1)のコア部のなかでも、コア部の少なくとも1つの端部側に発光素子を備え、この発光素子から発せられた光により光硬化された後、更に熱硬化されてなるコア部が好ましい。この場合、コア部を光硬化させるために用いられる発光素子と、実際に通信光を発する発光素子とが共用となっており、散乱損失がより抑制された精度の高い接続を発光素子との間で得ることができ、且つより効率的にコア部を形成できる。尚、通信光には、近赤外線、赤外線、可視光線及び紫外線等が用いられる。なかでも、近赤外線が用いられることが多い。
また、上記(1)のコア部を形成する際に用いられる発光素子の種類等は特に限定されず、用いる光重合性組成物の構成等により適宜のものとすることができる。
この発光素子としては、例えば、面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)、及び、半導体レーザダイオード(Laser Diode ;LD)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
この発光素子としては、例えば、面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)、及び、半導体レーザダイオード(Laser Diode ;LD)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「クラッド部」は、コア部を取り囲む部分である。また、クラッド部は、コア部との界面においてコア部内を伝搬する光を反射できる部分である。例えば、クラッド部は、コア部に比べて屈折率を小さく(通常、0.2%以上)することで、この作用を得ることができる。
このクラッド部を構成する材料は特に限定されない。このクラッド部には無機系材料を用いてもよいが、加工が容易であり、硬化されてコア部を構成する光重合性組成物と熱膨張率の合わせこみがより容易であること等から有機系材料を用いることが好ましい。有機系材料としては、前記光硬化樹脂として挙げた各樹脂を用いることができる。但し、コア部とクラッド部とは、同じ樹脂からなっていてもよいし、異なる樹脂からなっていてもよい。
また、クラッド部の形状は特に限定されない。即ち、例えば、図12に例示するように所定の層及び部位においてコア部を除く部分全てがクラッド部となるように形成されていてもよく、図13に例示するように所定の層及び部位内の一部として、コア部及びクラッド部を備え、クラッド部はコア部の表面を薄く覆うように形成されていてもよい。更に、断面形状(光の伝搬方向に対する断面)も特に限定されず、コア部と同様な断面形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
このクラッド部を構成する材料は特に限定されない。このクラッド部には無機系材料を用いてもよいが、加工が容易であり、硬化されてコア部を構成する光重合性組成物と熱膨張率の合わせこみがより容易であること等から有機系材料を用いることが好ましい。有機系材料としては、前記光硬化樹脂として挙げた各樹脂を用いることができる。但し、コア部とクラッド部とは、同じ樹脂からなっていてもよいし、異なる樹脂からなっていてもよい。
また、クラッド部の形状は特に限定されない。即ち、例えば、図12に例示するように所定の層及び部位においてコア部を除く部分全てがクラッド部となるように形成されていてもよく、図13に例示するように所定の層及び部位内の一部として、コア部及びクラッド部を備え、クラッド部はコア部の表面を薄く覆うように形成されていてもよい。更に、断面形状(光の伝搬方向に対する断面)も特に限定されず、コア部と同様な断面形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
更に、本発明の光導波路構造付きデバイスにおいては、上記クラッド部が、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備えており、この中間部クラッド部は前記熱硬化性化合物を更に含む光重合性組成物が熱硬化されてなるものとすることができる。
具体的には、このクラッド部は、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え、上記コア部を取り囲んでおり、コア部との界面においてコア部内を伝搬する光を反射できる部分である。例えば、クラッド部は、コア部に比べて屈折率を小さく(通常、0.2%以上)することで、この作用を得ることができる。上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部は、それぞれコア部よりも屈折率が小さければよいが、略同一であることがより好ましい。また、クラッド部の形状(断面形状等)などは特に限定されない。
具体的には、このクラッド部は、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え、上記コア部を取り囲んでおり、コア部との界面においてコア部内を伝搬する光を反射できる部分である。例えば、クラッド部は、コア部に比べて屈折率を小さく(通常、0.2%以上)することで、この作用を得ることができる。上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部は、それぞれコア部よりも屈折率が小さければよいが、略同一であることがより好ましい。また、クラッド部の形状(断面形状等)などは特に限定されない。
尚、上記上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部とは、後述する他の光導波路構造付きデバイスの製造方法により得られた光導波路構造付きデバイスにおいて、未硬化層が形成される前に形成されるクラッド部が下部クラッド部であり、この未硬化層から形成されるクラッド部が中間部クラッド部であり、中間部クラッド部が形成された後に形成されたクラッド部が上部クラッド部である。従って、例えば、図11に示すように、コア部11の下端面(下部クラッド部に面する側の一面)より下方に配置された部分を下部クラッド部121、コア部11の上端面(上部クラッド部に面する側の一面)より上方に配置された部分を上部クラッド部122、及びこの上部クラッド部と下部クラッド部との間の部分のクラッド部を中間部クラッド部123とすることができる。
上記コア部及び上記中間部クラッド部は、同一の光重合性組成物からなり、硬化方法の違いにより作り分けられたものである。具体的には、光重合性組成物からなる未硬化層の一部に所定の光を照射することにより未硬化層の所望の部位を選択的に光硬化させ、更に全体を熱硬化させた際、光硬化及び熱硬化された部分がコア部となり、熱硬化のみされた部分が中間部クラッド部となっている。
また、上記光重合性化合物の光硬化物の屈折率は、上記熱硬化性化合物の熱硬化物の屈折率よりも大きいことが好ましい。この場合、光重合性組成物からなる未硬化層において、所定の部位のみを光硬化した後に全体を熱硬化した際、選択的に光照射された部分は高屈折率の光重合性化合物が優先的に硬化し、光硬化性のない低屈折率の熱硬化性化合物が排除されて形成され、選択的に光硬化された部位の屈折率は周りの樹脂よりも確実に大きくなる。その結果、コア部の屈折率が、熱硬化のみにより硬化される中間部クラッド部よりも大きくなる。
この光硬化物と熱硬化物との屈折率差は、0.2%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0%、更に好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましくは1.0〜2.0%である。この屈折率差が0.2%以上である場合には、光重合性組成物を用いて硬化方法の違いにより、周りの樹脂よりも屈折率の大きいコア部を容易に形成することができる。
尚、それぞれの屈折率は、市販のアッベ式屈折率測定装置などで測定することにより容易に求めることができる。また、作製した光導波路の屈折率分布は、干渉計を利用し、透過波面を計測するマッハツェンダー干渉計を利用することにより測定することができる。
この光硬化物と熱硬化物との屈折率差は、0.2%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0%、更に好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましくは1.0〜2.0%である。この屈折率差が0.2%以上である場合には、光重合性組成物を用いて硬化方法の違いにより、周りの樹脂よりも屈折率の大きいコア部を容易に形成することができる。
尚、それぞれの屈折率は、市販のアッベ式屈折率測定装置などで測定することにより容易に求めることができる。また、作製した光導波路の屈折率分布は、干渉計を利用し、透過波面を計測するマッハツェンダー干渉計を利用することにより測定することができる。
また、上記クラッド部における上部クラッド部及び下部クラッド部を構成する材料は特に限定されない。これらの各クラッド部には無機系材料を用いてもよいが、加工が容易であり、硬化されてコア部及び中間部クラッド部を構成する光重合性組成物と熱膨張率の合わせこみがより容易であること等から、通常、有機系材料が用いられる。この有機系材料としては、前記光重合性化合物や前記熱硬化性化合物が硬化した硬化樹脂等が挙げられる。尚、上部クラッド部と下部クラッド部とは、同じ材料からなっていてもよいし、異なる材料からなっていてもよい。
特に、この上部クラッド部及び下部クラッド部は、前記光重合性組成物が熱硬化されてなるものであることが好ましい。この場合、コア部及びクラッド部全体が同一の材料から形成されることになり、製造効率が向上する。更には、中間部クラッド部と上部クラッド部及び下部クラッド部との屈折率の調整が容易となるため好ましい。
特に、この上部クラッド部及び下部クラッド部は、前記光重合性組成物が熱硬化されてなるものであることが好ましい。この場合、コア部及びクラッド部全体が同一の材料から形成されることになり、製造効率が向上する。更には、中間部クラッド部と上部クラッド部及び下部クラッド部との屈折率の調整が容易となるため好ましい。
また、本発明の光導波路構造付きデバイスにおいては、前述のように必要に応じてコア部に屈曲部を設けることができるが、本デバイスにおける光導波路構造ではクラッド部を有するために、光路変換部を有さなくとも光路を変換(屈曲)することができる。しかし、クラッド部とコア部との屈折率差等によりクラッド部による反射が十分に得られない角度を生じ、コア部内から漏光する場合がある。このため、光路変換部を有することが好ましい(例えば、コア部とクラッド部の屈折率差が0.3%であり、7度以上の角度で光路変換をする場合等)。即ち、コア部内を伝搬する光を反射する光路変換部を有し、この光路変換部において屈曲する構造とすることが好ましい。この光路変換部は、光導波路構造中に1つのみを有してもよく、2つ以上を有してもよい。
上記光路変換部は、コア部内を伝搬する光を反射できる部分である。光路変換部を有することにより、漏光を防止しつつ、光路を効率よく変換できる。この光路変換部の構成及び形状等は特に限定されない。即ち、例えば、図14の43〜46に例示するように、傾斜された反射面を設ける(例えば、V字溝、三角柱等のV字凸部、台形溝及び台形凸部等の一面を利用する)ことにより構成できる。この反射面は、1つの光路変換部内に1つのみを備えてもよく、2つ以上を備えてもよい。また、この反射面は、光を反射できる面であればどのような材料から形成されてもよいが、例えば、金属等の反射率の高い材料で形成することが好ましく、なかでも、金、銀、銅、ロジウム及びニッケル等が好ましい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの光路変換部43〜46の形成方法は特に限定されないが、例えば、図14の光路変換部43は、金属の塊状物をキャピラリ等を用いて所望形状に押圧成形して得ることができる。図14の光路変換部44は、クラッド部にダイシングブレード等を用いて切欠き(凹部)を設け、この切欠き内に金属等からなる反射層47を形成することで得ることができる。図14の光路変換部45及び46は、上記と同様に切欠き(凹部)内に反射層47を設けた後に、クラッド部と同じ材料又は異なるなんらかの材料を用いて切欠き内を充填することで得ることができる。また、この図12の光路変換部45及び46は、傾斜面を有する凸部を樹脂等により形成し、凸部の表面を金属等からなる反射層47で覆って得ることもできる。
本発明の光導波路構造付きデバイスは、光導波路構造、光路変換部以外にも他部を備えることができる。他部としては、発光素子及び受光素子等の光学部品が挙げられる。更に、各種電子部品等が挙げられる。
これらのうち発光素子は、前記と同様のものを挙げることができる。また、受光素子としては、例えば、pinフォトダイオード(pin Photo Diode;pin PD)及びアバランシェフォトダイオード(APD)等が挙げられる。尚、前記発光素子と上記受光素子とは一体化されたものであってもよい。
電子部品としては、各種能動部品(集積回路素子及びトランジスタ等)、受動部品(コンデンサ、キャパシタ及びインダクタ等)、変換部品(フィルタ及びトランス等)及び接続部品等が挙げられる。
これらの光学部品及び電子部品の搭載方法等は特に限定されず、ワイヤボンディング及び/又はフリップチップボンディング等によるものとすることができる。
これらのうち発光素子は、前記と同様のものを挙げることができる。また、受光素子としては、例えば、pinフォトダイオード(pin Photo Diode;pin PD)及びアバランシェフォトダイオード(APD)等が挙げられる。尚、前記発光素子と上記受光素子とは一体化されたものであってもよい。
電子部品としては、各種能動部品(集積回路素子及びトランジスタ等)、受動部品(コンデンサ、キャパシタ及びインダクタ等)、変換部品(フィルタ及びトランス等)及び接続部品等が挙げられる。
これらの光学部品及び電子部品の搭載方法等は特に限定されず、ワイヤボンディング及び/又はフリップチップボンディング等によるものとすることができる。
更に、本光導波路構造付きデバイスは、導体部を備えることができる。特に前記発光素子及び上記受光素子等の光学素子を備える場合は、導体部を備えることが好ましい。導体部を備えることにより光学素子は、他の電子部品と電気的に接続でき、光導波路構造、光学素子及び電子部品等を一体物として扱えるようになる。また、本光導波路構造付きデバイス内に導体部を備えることにより、光学素子と電子部品との接続距離等を短く抑えることができ、応答性を向上させることができる。更に、光導波路構造付きデバイス自体の小型化にも寄与することとなる。
導体部の種類は特に限定されず、例えば、通常配線、スルーホール導体、ビア導体、抵抗として機能する配線パターン、インダクタとして機能する配線パターン、キャパシタとして機能する配線パターン及びランド等が挙げられる。これらの導体部の配設場所は特に限定されないが、クラッド内、クラッド部表面及び後述する基体部内等に配設することができる。更に、導体部を構成する材料も特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、タングステン及びモリブデン等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導体部の形成方法は特に限定されないが、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、蒸着法(CVD法及びPVD法等を含む)、気相成長法及びめっき法等と、フォトリソグラフィ法等のパターニング法とを併用して得ることができる。
導体部の形成方法は特に限定されないが、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、蒸着法(CVD法及びPVD法等を含む)、気相成長法及びめっき法等と、フォトリソグラフィ法等のパターニング法とを併用して得ることができる。
光導波路構造は単独で存在していてもよい。即ち、例えば、光導波路構造中のクラッド部が所望の目的において十分な機械的強度を有する場合には、このクラッド部が光導波路構造の形状を保持する基体部として機能することとなる。また、全体が可とう性を有する場合には、フィルム状光導波路として利用することができる。
一方、光導波路構造は基体部を備えていてもよい。即ち、例えば、上記のようにクラッド部が光導波路構造の形状を保持することができない場合、又は、保持できる場合であっても必要な場合、更には、剥離可能に保持されて後に他部と接合される目的である場合、等には、基体部を備えることができる。この基体部は、光導波路構造と接合されて一体化されていてもよく、剥離可能に保持されていてもよい。更に、基体部は、光導波路構造と直接接していてもよく、他部を介していてもよい。
一方、光導波路構造は基体部を備えていてもよい。即ち、例えば、上記のようにクラッド部が光導波路構造の形状を保持することができない場合、又は、保持できる場合であっても必要な場合、更には、剥離可能に保持されて後に他部と接合される目的である場合、等には、基体部を備えることができる。この基体部は、光導波路構造と接合されて一体化されていてもよく、剥離可能に保持されていてもよい。更に、基体部は、光導波路構造と直接接していてもよく、他部を介していてもよい。
基体部を構成する材料は特に限定されず、有機系材料、無機系材料及びこれら両方を用いた複合材料等が挙げられる。
有機系材料は特に限定されず、例えば、エポキシ系樹脂、BT(ビスマレイミド・トリアジン)系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、熱硬化性PPE(ポリフェニレンエーテル)系樹脂、LCP(液晶ポリマー)、BCB(ベンゾシクロブテン)及びポリノルボルネン等を挙げることができる。これらの有機系材料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、基体部に、例えば、強度を向上させる等の目的で各種ゴム等を併用することもできる。
更に、有機系材料を用いる場合には、基体部の内部に芯材としてガラスクロス、ガラス不織布、樹脂(ポリアミド等)クロス、樹脂(ポリアミド等)不織布、樹脂(ポリアミド等)フィルム、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等で形成された3次元網目構造を有するフッ素樹脂系芯材及び金属箔等を用いてもよい。
有機系材料は特に限定されず、例えば、エポキシ系樹脂、BT(ビスマレイミド・トリアジン)系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、熱硬化性PPE(ポリフェニレンエーテル)系樹脂、LCP(液晶ポリマー)、BCB(ベンゾシクロブテン)及びポリノルボルネン等を挙げることができる。これらの有機系材料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、基体部に、例えば、強度を向上させる等の目的で各種ゴム等を併用することもできる。
更に、有機系材料を用いる場合には、基体部の内部に芯材としてガラスクロス、ガラス不織布、樹脂(ポリアミド等)クロス、樹脂(ポリアミド等)不織布、樹脂(ポリアミド等)フィルム、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等で形成された3次元網目構造を有するフッ素樹脂系芯材及び金属箔等を用いてもよい。
無機系材料も特に限定されず、例えば、アルミナ、石英、チタニア、ジルコニア、ガーナイト、チタン酸塩(チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)、ムライト、コーディエライト、フォルステライト、ワラストナイト、アノーサイト、エンスタタイト、ジオプサイト、アーケルマナイト、ゲーレナイト及びスピネル等のセラミックス系材料が挙げられる。更に、結晶性又は非結晶性のガラス系材料が挙げられる。ガラス系材料を構成する成分としては、Si、Al、Na、K、Mg、Ca、B、Pb及びZn等が挙げられる。具体的には、アルミノケイ酸系ガラス及びアルミノホウケイ酸系ガラス等が挙げられる。これらのセラミック系材料及びガラス系材料は単独で用いてもよく、併用してもよい。併用する場合には、セラミックス系材料をフィラー等としてガラス系材料中に含有させることができる。これらの無機系材料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[2]光導波路構造付きデバイスの製造方法
光が伝搬するコア部と、このコア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備える本発明の光導波路構造付きデバイスを製造する方法は特に限定されないが、例えば、硬化されて光硬化樹脂となり、且つ、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、この未硬化層に光を照射することにより、光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、少なくともこの光硬化コア部を加熱し、上記コア部を形成する加熱工程と、を備える製造方法により得ることができる。
光が伝搬するコア部と、このコア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備える本発明の光導波路構造付きデバイスを製造する方法は特に限定されないが、例えば、硬化されて光硬化樹脂となり、且つ、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、この未硬化層に光を照射することにより、光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、少なくともこの光硬化コア部を加熱し、上記コア部を形成する加熱工程と、を備える製造方法により得ることができる。
上記「未硬化層形成工程」では、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層が形成される。
この未硬化層は、硬化されて光硬化樹脂となり、この光硬化樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ系樹脂及びポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、これらの各樹脂の備える水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子(F、Cl及びBr等)に置換された各ハロゲン化樹脂、これらの樹脂の備える少なくとも一部の水素原子が重水素原子に置換された各重水素化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種のみが用いられていてもよく、2種以上が併用されていてもよい。これらのなかでも、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。コア部がエポキシ系樹脂からなる場合は、耐熱性、絶縁性、耐薬品性及び耐水性に特に優れた光導波路構造付きデバイスとなる。また、コア部がアクリル系樹脂からなる場合は、感光性、透明性に特に優れた光導波路構造付きデバイスとなる。
また、この光硬化樹脂は近赤外線硬化樹脂とすることができる。この場合には、通信光に用いられることの多い近赤外線が利用できるため、コア部を光硬化させるために用いられる発光素子と、実際に通信光を発する発光素子とを同一のものとすることができ、効率よく光導波路構造付きデバイスを得ることができる。
尚、上記「光重合性組成物」、上記「光重合性化合物」、上記「光重合開始剤」及び上記「熱硬化剤」については、各々前記の説明をそのまま適用することができる。
この未硬化層は、硬化されて光硬化樹脂となり、この光硬化樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ系樹脂及びポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、これらの各樹脂の備える水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子(F、Cl及びBr等)に置換された各ハロゲン化樹脂、これらの樹脂の備える少なくとも一部の水素原子が重水素原子に置換された各重水素化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種のみが用いられていてもよく、2種以上が併用されていてもよい。これらのなかでも、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。コア部がエポキシ系樹脂からなる場合は、耐熱性、絶縁性、耐薬品性及び耐水性に特に優れた光導波路構造付きデバイスとなる。また、コア部がアクリル系樹脂からなる場合は、感光性、透明性に特に優れた光導波路構造付きデバイスとなる。
また、この光硬化樹脂は近赤外線硬化樹脂とすることができる。この場合には、通信光に用いられることの多い近赤外線が利用できるため、コア部を光硬化させるために用いられる発光素子と、実際に通信光を発する発光素子とを同一のものとすることができ、効率よく光導波路構造付きデバイスを得ることができる。
尚、上記「光重合性組成物」、上記「光重合性化合物」、上記「光重合開始剤」及び上記「熱硬化剤」については、各々前記の説明をそのまま適用することができる。
上記「未硬化層」は、光重合性組成物からなる層である。この未硬化層の形成部位は特に限定されないが、例えば、前述のように基体部を有する場合には、基体部となる部位の表面に形成することができる。また、この層の平面形状は特に限定されない。更に、その厚さも特に限定されないが、通常、300μm以下である。
この未硬化層は、未硬化な層であって、重合が完了したものではないことを表す。即ち、未硬化層は、固体状であってもよく、液体状であってもよい。また、粘性の有無等も特に限定されない。
未硬化層の形成方法は特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、カーテンコート法及びロールコート法等の各種印刷法を用いて形成位置へ直接的に形成することができる。また、基層(剥離シート等)に剥離可能に保持された未硬化層を、所望の位置へ転写して間接的に形成するラミネート法を用いてもよい。
この未硬化層は、未硬化な層であって、重合が完了したものではないことを表す。即ち、未硬化層は、固体状であってもよく、液体状であってもよい。また、粘性の有無等も特に限定されない。
未硬化層の形成方法は特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、カーテンコート法及びロールコート法等の各種印刷法を用いて形成位置へ直接的に形成することができる。また、基層(剥離シート等)に剥離可能に保持された未硬化層を、所望の位置へ転写して間接的に形成するラミネート法を用いてもよい。
上記「光硬化コア部形成工程」では、上記未硬化層に光を照射することにより、光硬化コア部が形成される。この光硬化コア部形成工程における光硬化コア部の形成方法は特に限定されず、光重合性組成物を硬化することができる所定の光を用いればよい。この所定の光としては、紫外線、赤外線及び近赤外線等が挙げられる。
この光硬化コア部は、例えば、(1)未硬化層の表面側から、所定の光を発することが可能な発光素子等の発光手段を用いて所定の光を照射し、未硬化層の光が照射及び透過された部位を選択的に硬化させて光硬化コア部を形成する方法(以下、単に「自己形成法」ともいう)、(2)未硬化層に所定の光を用いたフォトリソグラフィ法を施して光硬化コア部を形成する方法、(3)光レーザーを照射して光硬化コア部を描画形成する方法(以下、単に「レーザー描画法」ともいう)。
(1)自己形成法による光硬化コア部の形成
この方法によれば、光重合性組成物からなる未硬化層上から発光素子等の発光手段により所定の光(例えば、近赤外線、赤外線及び紫外線等)が照射されて、未硬化層の所望の部位が選択的に硬化され、光硬化コア部が得られる。尚、発光素子については、前記の説明をそのまま適用できる。
上記未硬化層への光の照射方向は、1方向からのみであってもよいし、複数方向からであってもよい。
この方法によれば、光重合性組成物からなる未硬化層上から発光素子等の発光手段により所定の光(例えば、近赤外線、赤外線及び紫外線等)が照射されて、未硬化層の所望の部位が選択的に硬化され、光硬化コア部が得られる。尚、発光素子については、前記の説明をそのまま適用できる。
上記未硬化層への光の照射方向は、1方向からのみであってもよいし、複数方向からであってもよい。
また、自己形成法を用いる場合には、未硬化層形成工程と光硬化コア部形成工程との間に、未硬化層上に、所定の光を発する発光素子を配設する発光素子配設工程を備え、光硬化コア部形成工程では、この発光素子を用いて光を照射し、未硬化層の光が照射及び透過された部位を選択的に硬化させて光硬化コア部を形成することができる。この場合、コア部を光硬化させるために用いられる発光素子と、実際に通信光(例えば、近赤外線、赤外線、可視光線及び紫外線等)を発する発光素子とが共用となるため、散乱損失がより抑制された精度の高い接続を発光素子との間で得ることができ、且つより効率的にコア部を形成できる。尚、この場合には、発光素子により照射される光により光硬化する光重合性組成物が用いられる。具体的には、発光素子として、例えば、近赤外線発光素子が用いられる場合には、近赤外線硬化型の光重合性組成物が用いられる。
また、発光素子の取り付け位置をより正確に行うためには、位置決め基準を用いることが好ましい。位置決め基準は特に限定されず、光導波路構造付きデバイスとなるものの一部を用いてもよく、光導波路構造付きデバイスとなるもの以外の他部を用いてもよい(光導波路構造付きデバイスを保持する治具の一部等)。光導波路構造付きデバイスとなるものの一部を用いる場合に、この位置決め基準のみを機能とする位置決め基準部を設けてもよく、既に光導波路構造付きデバイスとなるものの一部として含まれているもの(光路変換部、並びに、ランド、ビア導体及びスルーホール導体等の導体の一部等)を用いてもよい。
これら位置決め基準の利用方法も特に限定されないが、例えば、撮像手段(カメラ等)を用い位置決め基準を含む領域を撮影し、得られた映像又はこの映像を解析した結果に基づいて、発光素子を配置する方法が挙げられる。また、コア部の形成に用いる所定の光を用いて自動焦点維持方式を用いることもできる。また、この位置決め基準は、発光素子の配設のためだけでなく、他の光学素子及び電子部品の搭載、導体部の形成等、種々の目的に用いることができる。
これら位置決め基準の利用方法も特に限定されないが、例えば、撮像手段(カメラ等)を用い位置決め基準を含む領域を撮影し、得られた映像又はこの映像を解析した結果に基づいて、発光素子を配置する方法が挙げられる。また、コア部の形成に用いる所定の光を用いて自動焦点維持方式を用いることもできる。また、この位置決め基準は、発光素子の配設のためだけでなく、他の光学素子及び電子部品の搭載、導体部の形成等、種々の目的に用いることができる。
更に、発光素子配設工程以外にも、光硬化コア部形成工程を行う以前には他部を配設する工程を備えることができる。他部は、前記本発明の光導波路構造付きデバイスで述べた他部及び上記の位置決め基準部等が挙げられる。なかでも、発光素子から発せられた所定の光を受光する受光素子を配設する受光素子配設工程を備えることができる。光硬化コア部形成工程前に、受光素子を配設することで、位置決め精度を更に向上させることができるため、得られる光導波路構造付きデバイスにおける伝送ロスを効果的に低減できる。また、光路変換部を設けることができる。光路変換部を有することで光硬化コア部形成工程において、容易且つ正確に屈曲部を有する光硬化コア部を形成することができる。
(2)フォトリソグラフィ法による光硬化コア部の形成
フォトリソグラフィ法とは、所定の光を用いて所望のパターンを未硬化層に露光して光重合性組成物の所望部分を光硬化させ、その後、光が照射されずに未硬化のままである部分を除去する工程を含む方法をいう。このフォトリソグラフィ法によりコア部を形成する場合には、効率よく平面の光通信回路パターンを形成することができる。
光硬化コア部の形成について、具体的に説明すると、所定のパターンが形成されたフォトマスクを介して所定の光を未硬化層に照射し、フォトマスクのパターンを通して光が照射された箇所のみを硬化させる。その後、硬化していない部分を、現像剤を用いて除去することにより、所定形状にパターニングされた光硬化コア部が形成される。尚、露光の際には、マスクを未硬化層に密着させて露光を行う密着露光法を用いてもよく、マスクを未硬化層に密着させずに露光を行う投影露光法を用いてもよい。
フォトリソグラフィ法とは、所定の光を用いて所望のパターンを未硬化層に露光して光重合性組成物の所望部分を光硬化させ、その後、光が照射されずに未硬化のままである部分を除去する工程を含む方法をいう。このフォトリソグラフィ法によりコア部を形成する場合には、効率よく平面の光通信回路パターンを形成することができる。
光硬化コア部の形成について、具体的に説明すると、所定のパターンが形成されたフォトマスクを介して所定の光を未硬化層に照射し、フォトマスクのパターンを通して光が照射された箇所のみを硬化させる。その後、硬化していない部分を、現像剤を用いて除去することにより、所定形状にパターニングされた光硬化コア部が形成される。尚、露光の際には、マスクを未硬化層に密着させて露光を行う密着露光法を用いてもよく、マスクを未硬化層に密着させずに露光を行う投影露光法を用いてもよい。
(3)レーザー描画法による光硬化コア部の形成
レーザー描画法を用いる場合には、所定の光を発するレーザー発信源を未硬化層に対して移動させ、レーザー光の照射された経路の屈折率を他部よりも上昇させることで光硬化コア部が形成される。この際、レーザー光は集光せずに照射してもよく、集光して照射してもよい。即ち、集光せずに用いる場合は、未硬化層の表面からレーザー光が照射又は透過された部分を硬化させることができる。一方、集光して用いる場合は、未硬化層内のレーザー光の焦点近傍のみを硬化させることができる。また、レーザー発信源を未硬化層に対して移動させる際は、レーザー発信源を移動させてもよく、未硬化層を移動させてもよく、これらの両方を相対的に移動させてもよい。
レーザー描画法を用いる場合には、所定の光を発するレーザー発信源を未硬化層に対して移動させ、レーザー光の照射された経路の屈折率を他部よりも上昇させることで光硬化コア部が形成される。この際、レーザー光は集光せずに照射してもよく、集光して照射してもよい。即ち、集光せずに用いる場合は、未硬化層の表面からレーザー光が照射又は透過された部分を硬化させることができる。一方、集光して用いる場合は、未硬化層内のレーザー光の焦点近傍のみを硬化させることができる。また、レーザー発信源を未硬化層に対して移動させる際は、レーザー発信源を移動させてもよく、未硬化層を移動させてもよく、これらの両方を相対的に移動させてもよい。
上記「加熱工程」では、少なくとも上記光硬化コア部が加熱され、上記「コア部」が形成される。この加熱工程により、光硬化コア部の重合反応が十分に進行し、硬化状態がより均一なコア部となる。更に、この加熱により予め熱硬化させておくことで、ハンダ付け工程等の熱履歴による光導波路構造への影響(散乱損失の増加等)を抑制することができる。
この加熱工程における、加熱条件は光硬化コア部を更に重合させ、均一に熱硬化させることができる限り特に限定されない。
加熱温度は、例えば、70〜240℃とすることが好ましく、より好ましくは100〜200℃、更に好ましくは120〜180℃である。
また、加熱時間は、例えば、10〜180分とすることが好ましく、より好ましくは20〜120分、更に好ましくは20〜90分である。
更に、加熱手段としては、例えば、恒温槽、送風乾燥機等を用いることができる。
この加熱工程における、加熱条件は光硬化コア部を更に重合させ、均一に熱硬化させることができる限り特に限定されない。
加熱温度は、例えば、70〜240℃とすることが好ましく、より好ましくは100〜200℃、更に好ましくは120〜180℃である。
また、加熱時間は、例えば、10〜180分とすることが好ましく、より好ましくは20〜120分、更に好ましくは20〜90分である。
更に、加熱手段としては、例えば、恒温槽、送風乾燥機等を用いることができる。
本製造方法において、光硬化コア部が自己形成法又はレーザー描画法により形成される場合には、上記「クラッド部」は、上記光硬化コア部形成工程において、光硬化コア部となっていない残りの未硬化層が上記加熱工程により硬化されて形成される。尚、光硬化クラッド部形成工程を更に備えることで、光硬化クラッド部を介してクラッド部を形成してもよい。この光硬化クラッド部形成工程を備える場合には、十分に重合が進行したクラッド部を形成することができる。この光硬化クラッド部形成工程は、光硬化コア部形成工程と、加熱工程との間に行われ、未硬化層全体に所定の光が照射されることにより、光硬化コア部となっていない残りの未硬化層が光硬化クラッド部となる。
また、光硬化コア部がフォトリソグラフィ法により形成される場合には、上記クラッド部は下記のように形成される。
まず、クラッド部用組成物を用いて下部クラッド部を形成し、その後、下部クラッド部上に光硬化コア部をフォトリソグラフィ法により形成し、次いで、クラッド部用組成物を用いて上部クラッド部を光硬化コア部及び下部クラッド部の表面に形成し、その後、加熱工程を経ることにより、クラッド部が形成される。
上記クラッド部用組成物は、クラッド部用光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含むものであり、所定の光が照射されることにより硬化されて、光硬化樹脂となる。また、熱硬化剤を含んでいてもよい。このクラッド部用組成物は、液体状であってもよいし、シート状、フィルム状等の固体状であってもよい。尚、シート状やフィルム状である場合には、表面粘着性を有していても、有していなくてもよい。
また、下部クラッド部及び上部クラッド部の形成には、同一のクラッド部用組成物を用いてもよいし、異なる組成物を用いてもよいが、同一の組成物を用いることが好ましい。更に、このクラッド部用組成物は、上記光重合性化合物と同種のクラッド部用光重合性化合物を用いることが好ましい。
クラッド部用組成物の塗工方法は特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、カーテンコート法及びロールコート法等の各種印刷法を用いて形成位置へ直接的に形成することができる。また、剥離シート等の基層に剥離可能に保持されたフィルム状やシート状の下部クラッド部用組成物を所望の位置へラミネートすることにより塗工することもできる。
まず、クラッド部用組成物を用いて下部クラッド部を形成し、その後、下部クラッド部上に光硬化コア部をフォトリソグラフィ法により形成し、次いで、クラッド部用組成物を用いて上部クラッド部を光硬化コア部及び下部クラッド部の表面に形成し、その後、加熱工程を経ることにより、クラッド部が形成される。
上記クラッド部用組成物は、クラッド部用光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含むものであり、所定の光が照射されることにより硬化されて、光硬化樹脂となる。また、熱硬化剤を含んでいてもよい。このクラッド部用組成物は、液体状であってもよいし、シート状、フィルム状等の固体状であってもよい。尚、シート状やフィルム状である場合には、表面粘着性を有していても、有していなくてもよい。
また、下部クラッド部及び上部クラッド部の形成には、同一のクラッド部用組成物を用いてもよいし、異なる組成物を用いてもよいが、同一の組成物を用いることが好ましい。更に、このクラッド部用組成物は、上記光重合性化合物と同種のクラッド部用光重合性化合物を用いることが好ましい。
クラッド部用組成物の塗工方法は特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、カーテンコート法及びロールコート法等の各種印刷法を用いて形成位置へ直接的に形成することができる。また、剥離シート等の基層に剥離可能に保持されたフィルム状やシート状の下部クラッド部用組成物を所望の位置へラミネートすることにより塗工することもできる。
更に、本発明の光導波路構造付きデバイスの製造方法では、上記工程以外にも、各種光学部品、各種電子部品などの他部を配設する工程、更には、前記導体部を配設する工程を備えることができる。
[3]他の光導波路構造付きデバイスの製造方法
光が伝搬するコア部と、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え且つコア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備える本発明の光導波路構造付きデバイスを製造する方法は特に限定されないが、例えば、上記下部クラッド部を形成する下部クラッド部形成工程と、下部クラッド部上に、光重合性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、未硬化層の一部に光を照射することにより、未硬化層の一部に光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、光硬化コア部が形成された上記未硬化層を加熱して、上記コア部及び上記中間部クラッド部を形成する加熱工程と、コア部及び中間部クラッド部上に、上記上部クラッド部を形成する上部クラッド部形成工程と、を備える製造方法により得ることができる。
光が伝搬するコア部と、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え且つコア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備える本発明の光導波路構造付きデバイスを製造する方法は特に限定されないが、例えば、上記下部クラッド部を形成する下部クラッド部形成工程と、下部クラッド部上に、光重合性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、未硬化層の一部に光を照射することにより、未硬化層の一部に光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、光硬化コア部が形成された上記未硬化層を加熱して、上記コア部及び上記中間部クラッド部を形成する加熱工程と、コア部及び中間部クラッド部上に、上記上部クラッド部を形成する上部クラッド部形成工程と、を備える製造方法により得ることができる。
上記「下部クラッド部形成工程」では、下部クラッド部が形成される。この下部クラッド部の形成方法は、コア部よりも屈折率が小さい下部クラッド部(特に、後述する中間部クラッド部と略同一の屈折率を有する下部クラッド部)が形成できる限り特に限定されず、例えば、下部クラッド部用組成物を用いて形成することができる。
上記下部クラッド部用組成物は、光硬化や熱硬化させることが可能な組成物であり、例えば、下部クラッド部用光重合性化合物及び/又は下部クラッド部用熱硬化性化合物と、重合開始剤とを含むものである。尚、下部クラッド部用光重合性化合物、下部クラッド部用熱硬化性化合物及び重合開始剤としては、それぞれ、前述の光重合性化合物、熱硬化性化合物及び重合開始剤と同様のものを用いることができる。
この下部クラッド部用組成物は、液体状であってもよいし、シート状、フィルム状等の固体状であってもよい。尚、シート状やフィルム状である場合には、表面粘着性を有していても、有していなくてもよい。
また、この下部クラッド部の形成には、後述する光重合性組成物を下部クラッド部用組成物として用いて未硬化クラッド層を形成し、熱硬化させて下部クラッド部を形成することが好ましい。特に、後述する中間部クラッド部の形成と同様の加熱条件で熱硬化して形成することが好ましい。この場合、別の材料を用意する必要がなくなる上、コア部との屈折率を調整する必要がなく、中間クラッド部と略同一のクラッド部を形成できるため、効率よく光導波路構造付きデバイスを製造することができる。
下部クラッド部用組成物の塗工方法は特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、カーテンコート法及びロールコート法等の各種印刷法を用いて形成位置へ直接的に形成することができる。また、剥離シート等の基層に剥離可能に保持されたフィルム状やシート状の下部クラッド部用組成物を所望の位置へラミネートすることにより塗工することもできる。
上記下部クラッド部用組成物は、光硬化や熱硬化させることが可能な組成物であり、例えば、下部クラッド部用光重合性化合物及び/又は下部クラッド部用熱硬化性化合物と、重合開始剤とを含むものである。尚、下部クラッド部用光重合性化合物、下部クラッド部用熱硬化性化合物及び重合開始剤としては、それぞれ、前述の光重合性化合物、熱硬化性化合物及び重合開始剤と同様のものを用いることができる。
この下部クラッド部用組成物は、液体状であってもよいし、シート状、フィルム状等の固体状であってもよい。尚、シート状やフィルム状である場合には、表面粘着性を有していても、有していなくてもよい。
また、この下部クラッド部の形成には、後述する光重合性組成物を下部クラッド部用組成物として用いて未硬化クラッド層を形成し、熱硬化させて下部クラッド部を形成することが好ましい。特に、後述する中間部クラッド部の形成と同様の加熱条件で熱硬化して形成することが好ましい。この場合、別の材料を用意する必要がなくなる上、コア部との屈折率を調整する必要がなく、中間クラッド部と略同一のクラッド部を形成できるため、効率よく光導波路構造付きデバイスを製造することができる。
下部クラッド部用組成物の塗工方法は特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、カーテンコート法及びロールコート法等の各種印刷法を用いて形成位置へ直接的に形成することができる。また、剥離シート等の基層に剥離可能に保持されたフィルム状やシート状の下部クラッド部用組成物を所望の位置へラミネートすることにより塗工することもできる。
上記「未硬化層形成工程」では、下部クラッド部上に未硬化層が形成される。
この未硬化層は、光重合性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる。尚、上記「光重合性組成物」、上記「光重合性化合物」、上記「熱硬化性化合物」、上記「光重合開始剤」及び上記「熱硬化剤」については、前記の各説明をそのまま適用することができる。
この未硬化層は、光重合性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる。尚、上記「光重合性組成物」、上記「光重合性化合物」、上記「熱硬化性化合物」、上記「光重合開始剤」及び上記「熱硬化剤」については、前記の各説明をそのまま適用することができる。
上記未硬化層は、上記熱硬化性化合物及び上記光重合性化合物を含む光重合性組成物からなっているため、後述の光硬化コア部形成工程において所定の部位のみを光硬化させた後に、後述の加熱工程において全体を熱硬化することで、光を照射した部位では光重合性化合物を選択的に重合させ、その後、熱硬化により混合物として全体の重合を更に進行させて硬化させることができ、選択的に光硬化した部位の屈折率を周りの樹脂よりも大きくすることができる。
この際、上記光重合性化合物としては、この光重合性化合物の光硬化物の屈折率が、上記熱硬化性化合物の熱硬化物の屈折率よりも大きいことが好ましい。この場合、光重合性組成物からなる未硬化層において、所定の部位のみを光硬化した後に全体を熱硬化した際、選択的に光照射された部分は高屈折率の光重合性化合物が優先的に硬化し、光硬化性のない低屈折率の熱硬化性化合物が排除されて形成され、且つ熱硬化の際には混合物として全体が同時に硬化するため、選択的に光硬化された部位の屈折率は周りの樹脂よりも確実に大きくなる。その結果、コア部の屈折率を、熱硬化のみにより硬化される中間部クラッド部の屈折率よりも容易に大きくすることができ、且つコア部とクラッド部との屈折率差を所望の範囲に容易に調整することができる。
この光硬化物と熱硬化物との屈折率差は、0.2%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0%、更に好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましくは1.0〜2.0%である。この屈折率差が0.2%以上である場合には、光重合性組成物を用いて硬化方法の違いにより、周りの樹脂よりも屈折率の大きいコア部を容易に形成することができる。尚、それぞれの屈折率は、市販のアッベ式屈折率測定装置などで測定することにより容易に求めることができる。また、作製した光導波路の屈折率分布は、干渉計を利用し、透過波面を計測するマッハツェンダー干渉計を利用することにより測定することができる。
この際、上記光重合性化合物としては、この光重合性化合物の光硬化物の屈折率が、上記熱硬化性化合物の熱硬化物の屈折率よりも大きいことが好ましい。この場合、光重合性組成物からなる未硬化層において、所定の部位のみを光硬化した後に全体を熱硬化した際、選択的に光照射された部分は高屈折率の光重合性化合物が優先的に硬化し、光硬化性のない低屈折率の熱硬化性化合物が排除されて形成され、且つ熱硬化の際には混合物として全体が同時に硬化するため、選択的に光硬化された部位の屈折率は周りの樹脂よりも確実に大きくなる。その結果、コア部の屈折率を、熱硬化のみにより硬化される中間部クラッド部の屈折率よりも容易に大きくすることができ、且つコア部とクラッド部との屈折率差を所望の範囲に容易に調整することができる。
この光硬化物と熱硬化物との屈折率差は、0.2%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0%、更に好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましくは1.0〜2.0%である。この屈折率差が0.2%以上である場合には、光重合性組成物を用いて硬化方法の違いにより、周りの樹脂よりも屈折率の大きいコア部を容易に形成することができる。尚、それぞれの屈折率は、市販のアッベ式屈折率測定装置などで測定することにより容易に求めることができる。また、作製した光導波路の屈折率分布は、干渉計を利用し、透過波面を計測するマッハツェンダー干渉計を利用することにより測定することができる。
また、この未硬化層は、後述の光硬化コア部形成工程及び加熱工程により硬化樹脂となるものである。この硬化樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ系樹脂及びポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、これらの各樹脂の備える水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子(F、Cl及びBr等)に置換された各ハロゲン化樹脂、これらの樹脂の備える少なくとも一部の水素原子が重水素原子に置換された各重水素化樹脂等が挙げられる。この硬化樹脂は、1種の樹脂のみから構成されていてもよいし、2種以上の樹脂により構成されていてもよい。
また、この未硬化層の平面形状は特に限定されない。更に、その厚さも特に限定されないが、通常、200μm以下である。
この未硬化層は、未硬化な層であって、重合が完了したものではないことを表す。即ち、未硬化層は、固体状であってもよく、液体状であってもよい。また、粘性の有無等も特に限定されない。
未硬化層の形成方法は特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、カーテンコート法及びロールコート法等の各種印刷法を用いて形成位置へ直接的に形成することができる。また、基層(剥離シート等)に剥離可能に保持された未硬化層を、所望の位置へ転写して間接的に形成するラミネート法を用いてもよい。
この未硬化層は、未硬化な層であって、重合が完了したものではないことを表す。即ち、未硬化層は、固体状であってもよく、液体状であってもよい。また、粘性の有無等も特に限定されない。
未硬化層の形成方法は特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、カーテンコート法及びロールコート法等の各種印刷法を用いて形成位置へ直接的に形成することができる。また、基層(剥離シート等)に剥離可能に保持された未硬化層を、所望の位置へ転写して間接的に形成するラミネート法を用いてもよい。
上記「光硬化コア部形成工程」では、未硬化層の一部に光を照射することにより、未硬化層の一部に光硬化コア部が形成される。この光硬化コア部形成工程における光硬化コア部の形成方法は特に限定されず、光重合性組成物を硬化することができる所定の光を用いればよい。この所定の光としては、紫外線、赤外線及び近赤外線等が挙げられる。
光硬化コア部の形成について、具体的に説明すると、所定のパターンが形成されたフォトマスクを介して所定の光を未硬化層の一部(コア部を形成する部位)に照射し、フォトマスクのパターンを通して光が照射された箇所のみを硬化させることで形成することができる。
尚、この工程で得られる光硬化コア部は、未硬化層を形成している光重合性組成物における光重合性化合物が優先的に硬化し、光硬化性のない低屈折率の熱硬化性化合物が排除されて形成されるため周りの樹脂よりも屈折率が上昇する。特に、高屈折率の光重合性化合物を選択的に用いた場合には、周りの樹脂よりも屈折率が確実に上昇する。その結果、後述の加熱工程により得られる中間部クラッド部よりも屈折率が大きくなる。
光硬化コア部の形成について、具体的に説明すると、所定のパターンが形成されたフォトマスクを介して所定の光を未硬化層の一部(コア部を形成する部位)に照射し、フォトマスクのパターンを通して光が照射された箇所のみを硬化させることで形成することができる。
尚、この工程で得られる光硬化コア部は、未硬化層を形成している光重合性組成物における光重合性化合物が優先的に硬化し、光硬化性のない低屈折率の熱硬化性化合物が排除されて形成されるため周りの樹脂よりも屈折率が上昇する。特に、高屈折率の光重合性化合物を選択的に用いた場合には、周りの樹脂よりも屈折率が確実に上昇する。その結果、後述の加熱工程により得られる中間部クラッド部よりも屈折率が大きくなる。
上記「加熱工程」では、光硬化コア部が形成された上記未硬化層が加熱されて、上記コア部及び上記中間部クラッド部が形成される。具体的には、この加熱工程により、光硬化コア部の重合反応が十分に進行し、硬化状態がより均一なコア部が形成されると共に、残りの未硬化層が熱硬化されて中間部クラッド部が形成される。
この場合、フォトリソグラフィ法とは異なり、光が照射されずに未硬化のままである部分を除去する工程を行う必要がなく、現像剤等に晒す必要がなくなるので、より安定したコア部及びクラッド部を形成することができる。更には、未硬化部分を除去せずに、加熱によりクラッド部の一部(中間部クラッド部)とすることができるため、製造効率を向上させることができる。また、この加熱により予めコア部を熱硬化させておくことで、ハンダ付け工程等の熱履歴による光導波路構造への影響(散乱損失の増加等)を抑制することができる。
この場合、フォトリソグラフィ法とは異なり、光が照射されずに未硬化のままである部分を除去する工程を行う必要がなく、現像剤等に晒す必要がなくなるので、より安定したコア部及びクラッド部を形成することができる。更には、未硬化部分を除去せずに、加熱によりクラッド部の一部(中間部クラッド部)とすることができるため、製造効率を向上させることができる。また、この加熱により予めコア部を熱硬化させておくことで、ハンダ付け工程等の熱履歴による光導波路構造への影響(散乱損失の増加等)を抑制することができる。
この加熱工程における加熱条件は、光硬化コア部を更に重合させ、均一に熱硬化させることができ、且つ光硬化されていない残りの未硬化層を熱硬化させ、中間部クラッド部を形成できる限り特に限定されない。
加熱温度は、例えば、70〜240℃とすることが好ましく、より好ましくは100〜200℃、更に好ましくは120〜180℃である。
また、加熱時間は、例えば、10〜180分とすることが好ましく、より好ましくは20〜120分、更に好ましくは20〜90分である。
更に、加熱手段としては、例えば、恒温槽、送風乾燥機等を用いることができる。
加熱温度は、例えば、70〜240℃とすることが好ましく、より好ましくは100〜200℃、更に好ましくは120〜180℃である。
また、加熱時間は、例えば、10〜180分とすることが好ましく、より好ましくは20〜120分、更に好ましくは20〜90分である。
更に、加熱手段としては、例えば、恒温槽、送風乾燥機等を用いることができる。
上記「上部クラッド部形成工程」では、コア部及び中間部クラッド部上に、上記上部クラッド部が形成される。この上部クラッド部の形成方法は、コア部よりも屈折率が小さい上部クラッド部(特に、中間部クラッド部と略同一の屈折率を有する上部クラッド部)が形成できる限り特に限定されず、例えば、前記下部クラッド部用組成物と同様の上部クラッド部用組成物を用いて形成することができる。
また、この上部クラッド部の形成には、上記光重合性組成物を上部クラッド部用組成物として用いて未硬化クラッド層を形成し、熱硬化させて上部クラッド部を形成することが好ましい。特に、中間部クラッド部の形成と同様の加熱条件で熱硬化して形成することが好ましい。この場合、別の材料を用意する必要がなくなる上、コア部との屈折率を調整する必要がなく、中間クラッド部と略同一のクラッド部を形成できるため、効率よく光導波路構造付きデバイスを製造することができる。更には、上部クラッド部及び下部クラッド部の両方を上記光重合性組成物を用いて形成することが好ましい。
尚、上部クラッド部用組成物の塗工方法は、上記下部クラッド部用組成物の塗工方法の説明をそのまま適用することができる。
また、この上部クラッド部の形成には、上記光重合性組成物を上部クラッド部用組成物として用いて未硬化クラッド層を形成し、熱硬化させて上部クラッド部を形成することが好ましい。特に、中間部クラッド部の形成と同様の加熱条件で熱硬化して形成することが好ましい。この場合、別の材料を用意する必要がなくなる上、コア部との屈折率を調整する必要がなく、中間クラッド部と略同一のクラッド部を形成できるため、効率よく光導波路構造付きデバイスを製造することができる。更には、上部クラッド部及び下部クラッド部の両方を上記光重合性組成物を用いて形成することが好ましい。
尚、上部クラッド部用組成物の塗工方法は、上記下部クラッド部用組成物の塗工方法の説明をそのまま適用することができる。
更に、本発明の他の光導波路構造付きデバイスの製造方法では、上記工程以外にも、各種光学部品、各種電子部品などの他部を配設する工程、更には、前記導体部を配設する工程を備えることができる。
本発明の他の光導波路構造付きデバイスの製造方法では、上記未硬化層形成工程、上記光硬化コア部形成工程及び上記加熱工程により、同一の光重合性組成物からコア部及び中間部クラッド部を硬化方法の違いにより作り分けられるため、効率よく散乱損失の少ない光導波路構造付きデバイスを製造することができる。更には、同一の光重合性組成物から上部クラッド部及び下部クラッド部をも形成することができるため、より効率よく光導波路構造付きデバイスを製造することができる。
以下、実施例及び図により本発明を具体的に説明する。
[1]光導波路構造付きデバイス
図1は、本発明の光導波路構造付きデバイスの一例の断面を模式的に示す図である。この光導波路構造付きデバイス100は、光導波路構造10、多層セラミック配線基板20、光学素子31及び32、光路変換部41及び42、及び、導体部51及び52等を備える。
[1]光導波路構造付きデバイス
図1は、本発明の光導波路構造付きデバイスの一例の断面を模式的に示す図である。この光導波路構造付きデバイス100は、光導波路構造10、多層セラミック配線基板20、光学素子31及び32、光路変換部41及び42、及び、導体部51及び52等を備える。
光導波路構造10は、コア部11と、クラッド部12とからなる。コア部11は、光路変換部41及び42により光路変換された屈曲部111及び112を有する。また、コア部11は光硬化樹脂(例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、及びこれらの混合物等)からなり、後述する自己形成法により形成されている。一方、クラッド部12はコア部11よりも屈折率が小さい樹脂(例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、及びこれらの混合物等)からなる。
多層セラミック配線基板20は、内部に図示しない導体部(配線パターン及び層間接続のためのビアホール並びにスルーホール等)とアルミナ基焼結材とを有し、これらの導体部はアルミナ基焼結材により絶縁されている。この多層セラミック配線基板20の一面側には光導波路構造10が設けられ、他面側には複数の接続端子52が設けられている。この光導波路構造付きデバイスは、この接続端子52を用いて図示しないプリント配線等に搭載することができる。
光学素子として、発光素子31であるVCSELと、受光素子32であるフォトダイオードとを備える。発光素子31は近赤外線を発することができ、受光素子32はこの近赤外線を検知できるものである。また、発光素子31は発光部を備え、この発光部を下方に向けて搭載されている。一方、受光素子32は受光部を備え、この受光部を下方に向けて搭載されている。各光学素子は、クラッド部12の表面に形成された導体部51を介して接合されている。
これらの各光学素子は、図示しない外部回路からの電気信号を受けて発光素子31で光信号へ変換され、発光素子31から光信号として発せられた近赤外線はコア部11内を透過して受光素子32で受光される。受光素子32で受光された光信号は受光素子32により電気信号へ変換され、図示しない外部回路へと伝達されることとなる。
これらの各光学素子は、図示しない外部回路からの電気信号を受けて発光素子31で光信号へ変換され、発光素子31から光信号として発せられた近赤外線はコア部11内を透過して受光素子32で受光される。受光素子32で受光された光信号は受光素子32により電気信号へ変換され、図示しない外部回路へと伝達されることとなる。
また、光変換部として、金からなり、互いに向き合う約45゜の傾斜面を有する三角柱形状の光路変換部41及び42とを備える。これら光路変換部41及び42は、多層セラミック配線基板20の一面に搭載されている。
更に、導体部として、発光素子31及び受光素子32とを図示しない電気回路へ接続するための導体部51と、光導波路構造付きデバイスを図示しないプリント配線板等に搭載するための接続端子である導体部52と、を備える。これら導体部51及び52は銅及び銀配線からなる。
更に、導体部として、発光素子31及び受光素子32とを図示しない電気回路へ接続するための導体部51と、光導波路構造付きデバイスを図示しないプリント配線板等に搭載するための接続端子である導体部52と、を備える。これら導体部51及び52は銅及び銀配線からなる。
[2]光導波路構造付きデバイスの製造方法[i(自己形成法1)]
上記[1]で説明した本発明の光導波路構造付きデバイスの一例の製造方法を以下に説明する。
(1)多層セラミック配線基板20
予め焼結された多層セラミック配線基板20を用意した。この多層セラミック配線基板20の構成については上記[1]における通りである。
上記[1]で説明した本発明の光導波路構造付きデバイスの一例の製造方法を以下に説明する。
(1)多層セラミック配線基板20
予め焼結された多層セラミック配線基板20を用意した。この多層セラミック配線基板20の構成については上記[1]における通りである。
(2)光路変換部用パッド71及び72並びに位置決め基準パッド61の形成
多層セラミック配線基板20の一面に、パッドを形成しない部位をめっきレジストであるドライフィルムで保護した後、金めっきを施し、その後、ドライフィルムを剥離して光路変換部用パッド71及び72、並びに、位置決め基準パッド61を形成した(図2における工程1参照)。
多層セラミック配線基板20の一面に、パッドを形成しない部位をめっきレジストであるドライフィルムで保護した後、金めっきを施し、その後、ドライフィルムを剥離して光路変換部用パッド71及び72、並びに、位置決め基準パッド61を形成した(図2における工程1参照)。
(3)光路変換部41及び42の形成
ワイヤボンディング装置に設けられたキャピラリ内に金ワイヤを供給し、この金ワイヤの先端部を塊状にする。その後、キャピラリを光路変換部用パッド71へ押し付けると同時に、キャピラリ先端部により押圧し、三角柱形状の光路変換部41を形成した。同様にして、光路変換部用パッド72上に、光路変換部41と向き合う略45゜の傾斜面を備える三角柱形状の光路変換部42を形成した。尚、この光路変換部41及び42の形成に際しては、映像手段を用いて位置決め基準61の座標に基づき、所望の位置に正確に形成した(図2における工程2参照)。尚、パッド部に金属の塊状物を押し付けた後、型押し治具を用いてこの金属の塊状物を所定形状に成形してもよい。
ワイヤボンディング装置に設けられたキャピラリ内に金ワイヤを供給し、この金ワイヤの先端部を塊状にする。その後、キャピラリを光路変換部用パッド71へ押し付けると同時に、キャピラリ先端部により押圧し、三角柱形状の光路変換部41を形成した。同様にして、光路変換部用パッド72上に、光路変換部41と向き合う略45゜の傾斜面を備える三角柱形状の光路変換部42を形成した。尚、この光路変換部41及び42の形成に際しては、映像手段を用いて位置決め基準61の座標に基づき、所望の位置に正確に形成した(図2における工程2参照)。尚、パッド部に金属の塊状物を押し付けた後、型押し治具を用いてこの金属の塊状物を所定形状に成形してもよい。
(4)未硬化層13の形成(未硬化層形成工程)
光ラジカル発生剤を含有したウレタンアクリレート系光硬化性樹脂(ケミテック製、品名「ケミシール5X566B」)49質量%、熱硬化剤(熱ラジカル発生剤、キシダ化学製、過酸化ベンゾイル)0.5質量%、エポキシ系化合物(ジャパンエポキシレジン製、品名「YED216M」25質量%、ダイセル化学製、品名「GT302」25質量%)、及び熱硬化剤(熱酸発生剤、三新化学製、品名「SI−100L」0.5質量%)を含む光重合性組成物を多層セラミック配線板20上にスピンコート法により塗工し、未硬化層13を形成した(図2における工程3参照)。
光ラジカル発生剤を含有したウレタンアクリレート系光硬化性樹脂(ケミテック製、品名「ケミシール5X566B」)49質量%、熱硬化剤(熱ラジカル発生剤、キシダ化学製、過酸化ベンゾイル)0.5質量%、エポキシ系化合物(ジャパンエポキシレジン製、品名「YED216M」25質量%、ダイセル化学製、品名「GT302」25質量%)、及び熱硬化剤(熱酸発生剤、三新化学製、品名「SI−100L」0.5質量%)を含む光重合性組成物を多層セラミック配線板20上にスピンコート法により塗工し、未硬化層13を形成した(図2における工程3参照)。
(5)光硬化コア部14の自己形成(光硬化コア部形成工程)
2箇所に設けられた発光手段[光ファイバ(2箇所)81、82]から紫外線を発し、光重合性組成物からなる未硬化層13の紫外線の照射及び透過された部分を光硬化し、光硬化コア部14を形成した。具体的には、発光手段81、82の双方から発せられた紫外線により光硬化された部分は、光路変換部41及び42で各々90°光路変換されて、図4における矢印の方向に次第に延長し、最終的には中間地点にて接続されて形成されている(図2における工程4参照)。
2箇所に設けられた発光手段[光ファイバ(2箇所)81、82]から紫外線を発し、光重合性組成物からなる未硬化層13の紫外線の照射及び透過された部分を光硬化し、光硬化コア部14を形成した。具体的には、発光手段81、82の双方から発せられた紫外線により光硬化された部分は、光路変換部41及び42で各々90°光路変換されて、図4における矢印の方向に次第に延長し、最終的には中間地点にて接続されて形成されている(図2における工程4参照)。
(6)光導波路構造の形成(加熱工程)
上記(5)までに得られた構造物を、温度150℃の送風乾燥機に入れて、60分間加熱保持し、この光硬化コア部14(熱硬化されてコア部11となる)及び未硬化層13[光硬化されずに残っている部分(熱硬化されてクラッド部12となる)]等を備える構造物全体の硬化を進行させ、コア部11及びクラッド部12を完成させ、光導波路構造を形成した(図3における工程5参照)。尚、得られたコア部11とクラッド部12との屈折率差(コア部−クラッド部)は850nmの近赤外光に対し1.1%、589nmのNa−D線に対し1.0%であった。
上記(5)までに得られた構造物を、温度150℃の送風乾燥機に入れて、60分間加熱保持し、この光硬化コア部14(熱硬化されてコア部11となる)及び未硬化層13[光硬化されずに残っている部分(熱硬化されてクラッド部12となる)]等を備える構造物全体の硬化を進行させ、コア部11及びクラッド部12を完成させ、光導波路構造を形成した(図3における工程5参照)。尚、得られたコア部11とクラッド部12との屈折率差(コア部−クラッド部)は850nmの近赤外光に対し1.1%、589nmのNa−D線に対し1.0%であった。
(7)導体部51及び位置決め基準パッド62の形成
クラッド部12の表面に、ドライフィルム(メッキレジスト)を付け、露光・現像によりパッドを形成する以外の所をドライフィルムで保護した後、金メッキを行い、最後にドライフィルム(メッキレジスト)を剥離することにより、導体部51及び位置決め基準パッド62を形成した(図3における工程6参照)。尚、導体部51及び位置決め基準パッド62となる金からなる薄膜が、剥離シートの表面に剥離可能に保持された転写フィルムを用意し、その後、上記と同様に映像手段を用いて位置決め基準61に基づいて決定された位置に、この転写フィルムをクラッド部12の表面に転写し形成することも可能である。
クラッド部12の表面に、ドライフィルム(メッキレジスト)を付け、露光・現像によりパッドを形成する以外の所をドライフィルムで保護した後、金メッキを行い、最後にドライフィルム(メッキレジスト)を剥離することにより、導体部51及び位置決め基準パッド62を形成した(図3における工程6参照)。尚、導体部51及び位置決め基準パッド62となる金からなる薄膜が、剥離シートの表面に剥離可能に保持された転写フィルムを用意し、その後、上記と同様に映像手段を用いて位置決め基準61に基づいて決定された位置に、この転写フィルムをクラッド部12の表面に転写し形成することも可能である。
(8)発光素子31及び受光素子32の搭載
上記と同様に映像手段を用い位置決め基準62に基づき、導電部51上であって目的とする位置に正確に発光素子31を載置し、予め発光素子31の一面に設けられたハンダにより導体部51と接続した。同様に位置決め基準62に基づき、受光素子32を載置し、同様にハンダにより接続した(図3における工程7参照)。このようにして、本発明の光導波路構造付きデバイス100を得た。
上記と同様に映像手段を用い位置決め基準62に基づき、導電部51上であって目的とする位置に正確に発光素子31を載置し、予め発光素子31の一面に設けられたハンダにより導体部51と接続した。同様に位置決め基準62に基づき、受光素子32を載置し、同様にハンダにより接続した(図3における工程7参照)。このようにして、本発明の光導波路構造付きデバイス100を得た。
[3]光導波路構造付きデバイスの製造方法[ii(自己形成法2)]
本発明の光導波路構造付きデバイスの他例の製造方法を以下に説明する。
(1)多層セラミック配線基板20及び光路変換部等の形成
予め焼結された多層セラミック配線基板20を用意した。多層セラミック配線基板の構成については上記[1]と同様である。
その後、上記[2](2)と同様にして、光路変換部用パッド71及び72並びに位置決め基準パッド61を形成した(図4における工程1参照)。その後、上記[2](3)と同様にして、光路変換部41及び42を形成した(図4における工程2参照)。
本発明の光導波路構造付きデバイスの他例の製造方法を以下に説明する。
(1)多層セラミック配線基板20及び光路変換部等の形成
予め焼結された多層セラミック配線基板20を用意した。多層セラミック配線基板の構成については上記[1]と同様である。
その後、上記[2](2)と同様にして、光路変換部用パッド71及び72並びに位置決め基準パッド61を形成した(図4における工程1参照)。その後、上記[2](3)と同様にして、光路変換部41及び42を形成した(図4における工程2参照)。
(2)未硬化層13の形成(未硬化層形成工程)
α,β−不飽和エチレン基含有重合性化合物であるエポキシアクリレートを下記のように調製した。即ち、エポキシ当量206のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成社製、品名「エポトートYDCN704」)206質量部、アクリル酸72質量部、テトラエチルアンモニウムクロライド0.2質量部及びメチルハイドロキノン0.5質量部からなる混合物を、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート192質量部に加えて100℃で10時間反応させてエポキシアクリレートを得た。
その後、得られたエポキシアクリレート90質量部、トリメチロールプロパンアクリレート(日本化薬社製、品名「KS−TMPTA」)10質量部、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)であるベンゾフェノン5質量部と、近赤外線増感剤である下記化学式(1)で示される陽イオン染料(吸収波長822nm)2質量部、熱硬化剤(熱ラジカル発生剤)である過酸化ベンゾイル5質量部と混合して光重合性組成物を得た。
次いで、得られた光重合性組成物を、剥離シートに剥離可能に保持された厚さ150μmのフィルム状に成形した。
α,β−不飽和エチレン基含有重合性化合物であるエポキシアクリレートを下記のように調製した。即ち、エポキシ当量206のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成社製、品名「エポトートYDCN704」)206質量部、アクリル酸72質量部、テトラエチルアンモニウムクロライド0.2質量部及びメチルハイドロキノン0.5質量部からなる混合物を、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート192質量部に加えて100℃で10時間反応させてエポキシアクリレートを得た。
その後、得られたエポキシアクリレート90質量部、トリメチロールプロパンアクリレート(日本化薬社製、品名「KS−TMPTA」)10質量部、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)であるベンゾフェノン5質量部と、近赤外線増感剤である下記化学式(1)で示される陽イオン染料(吸収波長822nm)2質量部、熱硬化剤(熱ラジカル発生剤)である過酸化ベンゾイル5質量部と混合して光重合性組成物を得た。
次いで、得られた光重合性組成物を、剥離シートに剥離可能に保持された厚さ150μmのフィルム状に成形した。
得られたフィルムを多層セラミック配線基板20の表面を覆うように貼り付け、圧着し、剥離シートを除去した。その後、80℃で1時間乾燥して、未硬化層13を形成した(図4における工程8参照)。この段階で、未硬化層13には実質的に流動性がなく、以下の工程(配線の転写等)を行うことが可能となった。これは、この時点で、既に硬化反応が始まっており、3次元的な架橋構造が形成され始めているためであると考えられる。
(3)導体部51及び位置決め基準パッド62の形成
導体部51及び位置決め基準パッド62となる金からなる薄膜が、剥離シートの表面に剥離可能に保持された転写フィルムを用意し、その後、上記と同様に映像手段を用いて位置決め基準61に基づいて決定された位置に、この転写フィルムをクラッド部12の表面に転写することにより、導体部51及び位置決め基準パッド62を形成した(図4における工程9参照)。
導体部51及び位置決め基準パッド62となる金からなる薄膜が、剥離シートの表面に剥離可能に保持された転写フィルムを用意し、その後、上記と同様に映像手段を用いて位置決め基準61に基づいて決定された位置に、この転写フィルムをクラッド部12の表面に転写することにより、導体部51及び位置決め基準パッド62を形成した(図4における工程9参照)。
(4)発光素子31及び受光素子32の搭載(発光素子配設工程)
上記と同様に映像手段を用い位置決め基準62に基づき、導電部51上であって目的とする位置に正確に発光素子31を載置し、予め発光素子31の一面に設けられたハンダにより導体部51と接続した。同様に位置決め基準62に基づき、受光素子32を載置し、同様にハンダにより接続した(図5における工程10参照)。
上記と同様に映像手段を用い位置決め基準62に基づき、導電部51上であって目的とする位置に正確に発光素子31を載置し、予め発光素子31の一面に設けられたハンダにより導体部51と接続した。同様に位置決め基準62に基づき、受光素子32を載置し、同様にハンダにより接続した(図5における工程10参照)。
(5)光硬化コア部14の自己形成(光硬化コア部形成工程)
発光素子31から近赤外線を発し、光重合性組成物からなる未硬化層13の近赤外線の照射及び透過された部分を光硬化し、光硬化コア部14を形成した。具体的には、発光素子31から発せられた近赤外線により硬化された部分は、次第に延長され(図5における工程11参照)、光路変換部41まで伸び、光路変換部41で略90°光路変換されて、光路変換部42まで伸び、光路変換部42で再び光路変換されて受光素子32の直下まで達した。予め予測された近赤外線量が受光素子32に達することを確認して硬化を停止した(図5における工程12参照)。
発光素子31から近赤外線を発し、光重合性組成物からなる未硬化層13の近赤外線の照射及び透過された部分を光硬化し、光硬化コア部14を形成した。具体的には、発光素子31から発せられた近赤外線により硬化された部分は、次第に延長され(図5における工程11参照)、光路変換部41まで伸び、光路変換部41で略90°光路変換されて、光路変換部42まで伸び、光路変換部42で再び光路変換されて受光素子32の直下まで達した。予め予測された近赤外線量が受光素子32に達することを確認して硬化を停止した(図5における工程12参照)。
(6)加熱硬化(加熱工程)
上記(5)までに得られた構造物を、温度150℃の送風乾燥機に入れて、60分間加熱保持し、この構造物全体の硬化を進行させ、コア部11及びクラッド部12を完成させた(図5における工程13参照)。このようにして、本発明の光導波路構造付きデバイス100を得た。尚、得られたコア部11とクラッド部12との屈折率差(コア部−クラッド部)は850nmの近赤外光に対し0.8%、589nmのNa−D線に対し0.8%であった。
上記(5)までに得られた構造物を、温度150℃の送風乾燥機に入れて、60分間加熱保持し、この構造物全体の硬化を進行させ、コア部11及びクラッド部12を完成させた(図5における工程13参照)。このようにして、本発明の光導波路構造付きデバイス100を得た。尚、得られたコア部11とクラッド部12との屈折率差(コア部−クラッド部)は850nmの近赤外光に対し0.8%、589nmのNa−D線に対し0.8%であった。
[4]光導波路構造付きデバイスの製造方法[iii(フォトリソグラフィ法)]
本発明の光導波路構造付きデバイスの他例の製造方法を以下に説明する。
(1)多層セラミック配線基板20及び光路変換部等の形成
予め焼結された多層セラミック配線基板20を用意した。多層セラミック配線基板の構成については上記[1]と同様である。
その後、上記[2](2)と同様にして、光路変換部用パッド71及び72並びに位置決め基準パッド61を形成した(図6における工程1参照)。その後、上記[2](3)と同様にして、光路変換部41及び42を形成した(図6における工程2参照)。
本発明の光導波路構造付きデバイスの他例の製造方法を以下に説明する。
(1)多層セラミック配線基板20及び光路変換部等の形成
予め焼結された多層セラミック配線基板20を用意した。多層セラミック配線基板の構成については上記[1]と同様である。
その後、上記[2](2)と同様にして、光路変換部用パッド71及び72並びに位置決め基準パッド61を形成した(図6における工程1参照)。その後、上記[2](3)と同様にして、光路変換部41及び42を形成した(図6における工程2参照)。
(2)下部クラッド部121の形成
エポキシ系化合物[脂肪族エポキシ系化合物(ダイセル化学製、品名「EHPE3150」)]99質量%、光重合開始剤(光酸発生剤、旭電化製、品名「SP−172」)0.5質量%、及び熱硬化剤(熱酸発生剤、三新化学製、品名「SI−100L」)0.5質量%を含むクラッド部形成用光重合性組成物をフィルム状にした後、多層セラミック配線板20上にラミネートし、乾燥して未硬化層を形成した。
その後、露光(露光量;2000mJ/cm2、光源;紫外線ランプ、露光時間;約7分間)し、加熱(温度;70℃、加熱時間;30分)を行って硬化させ、下部クラッド部121を形成した(図6における工程14参照)。
エポキシ系化合物[脂肪族エポキシ系化合物(ダイセル化学製、品名「EHPE3150」)]99質量%、光重合開始剤(光酸発生剤、旭電化製、品名「SP−172」)0.5質量%、及び熱硬化剤(熱酸発生剤、三新化学製、品名「SI−100L」)0.5質量%を含むクラッド部形成用光重合性組成物をフィルム状にした後、多層セラミック配線板20上にラミネートし、乾燥して未硬化層を形成した。
その後、露光(露光量;2000mJ/cm2、光源;紫外線ランプ、露光時間;約7分間)し、加熱(温度;70℃、加熱時間;30分)を行って硬化させ、下部クラッド部121を形成した(図6における工程14参照)。
(3)光硬化コア部14の形成(光硬化コア部形成工程)
上記(2)で形成した下部クラッド部121上に、エポキシ系化合物[芳香族エポキシ系化合物(ジャパンエポキシレジン製、品名「エピコート1001」)44質量%、脂肪族エポキシ系化合物(ダイセル化学製、品名「EHPE3150」)55質量%]、光重合開始剤(光酸発生剤、旭電化製、品名「SP−172」)0.5質量%、及び熱硬化剤(熱酸発生剤、三新化学製、品名「SI−100L」)0.5質量%を含む光重合性組成物をフィルム状にした後、ラミネートし、乾燥して未硬化層を形成した。次いで、所定パターン(線幅;約50μm)が形成されたフォトマスクを介して、露光(露光量;500mJ/cm2、光源;紫外線ランプ、露光時間;約3分間)し、加熱(温度;70℃、加熱時間;30分)を行って光硬化させた。その後、2−メトキシエタノールを用いて現像(30秒)し、イソプロピルアルコール(IPA)にて洗浄し、光硬化コア部14を形成した(図6における工程15参照)。
上記(2)で形成した下部クラッド部121上に、エポキシ系化合物[芳香族エポキシ系化合物(ジャパンエポキシレジン製、品名「エピコート1001」)44質量%、脂肪族エポキシ系化合物(ダイセル化学製、品名「EHPE3150」)55質量%]、光重合開始剤(光酸発生剤、旭電化製、品名「SP−172」)0.5質量%、及び熱硬化剤(熱酸発生剤、三新化学製、品名「SI−100L」)0.5質量%を含む光重合性組成物をフィルム状にした後、ラミネートし、乾燥して未硬化層を形成した。次いで、所定パターン(線幅;約50μm)が形成されたフォトマスクを介して、露光(露光量;500mJ/cm2、光源;紫外線ランプ、露光時間;約3分間)し、加熱(温度;70℃、加熱時間;30分)を行って光硬化させた。その後、2−メトキシエタノールを用いて現像(30秒)し、イソプロピルアルコール(IPA)にて洗浄し、光硬化コア部14を形成した(図6における工程15参照)。
(4)上部クラッド部122の形成
上記(2)で用いたクラッド部形成用光重合性組成物と同様のものをフィルム状にした後、下部クラッド部121及び光硬化コア部14上に減圧下でラミネートし、乾燥して未硬化層を形成した。次いで、露光(露光量;2000mJ/cm2、光源;紫外線ランプ、露光時間;約7分間)し、加熱(温度;70℃、加熱時間;30分)を行って硬化させ、上部クラッド部122を形成した(図7における工程16参照)。
上記(2)で用いたクラッド部形成用光重合性組成物と同様のものをフィルム状にした後、下部クラッド部121及び光硬化コア部14上に減圧下でラミネートし、乾燥して未硬化層を形成した。次いで、露光(露光量;2000mJ/cm2、光源;紫外線ランプ、露光時間;約7分間)し、加熱(温度;70℃、加熱時間;30分)を行って硬化させ、上部クラッド部122を形成した(図7における工程16参照)。
(5)光導波路構造の形成(加熱工程)
上記(4)までに得られた構造物を、温度150℃の恒温槽に入れて、60分間加熱保持し、この光硬化コア部14の硬化を進行させ、コア部11を完成させ、光導波路構造を形成した(図7における工程17参照)。尚、得られたコア部11とクラッド部12との屈折率差(コア部−クラッド部)は850nmの近赤外光に対し1.9%、589nmのNa−D線に対し2.0%であった。
上記(4)までに得られた構造物を、温度150℃の恒温槽に入れて、60分間加熱保持し、この光硬化コア部14の硬化を進行させ、コア部11を完成させ、光導波路構造を形成した(図7における工程17参照)。尚、得られたコア部11とクラッド部12との屈折率差(コア部−クラッド部)は850nmの近赤外光に対し1.9%、589nmのNa−D線に対し2.0%であった。
(6)導体部51及び位置決め基準パッド62の形成
上部クラッド部122の表面に、ドライフィルム(メッキレジスト)を付け、露光・現像によりパッドを形成する以外の所をドライフィルムで保護した後、金メッキを行い、最後にドライフィルム(メッキレジスト)を剥離することにより、導体部51及び位置決め基準パッド62を形成した(図7における工程18参照)。
上部クラッド部122の表面に、ドライフィルム(メッキレジスト)を付け、露光・現像によりパッドを形成する以外の所をドライフィルムで保護した後、金メッキを行い、最後にドライフィルム(メッキレジスト)を剥離することにより、導体部51及び位置決め基準パッド62を形成した(図7における工程18参照)。
(7)発光素子31及び受光素子32の搭載
上記と同様に映像手段を用い位置決め基準62に基づき、導電部51上であって目的とする位置に正確に発光素子31を載置し、予め発光素子31の一面に設けられたハンダにより導体部51と接続した。同様に位置決め基準62に基づき、受光素子32を載置し、同様にハンダにより接続した(図7における工程19参照)。このようにして、本発明の光導波路構造付きデバイス100’を得た。
上記と同様に映像手段を用い位置決め基準62に基づき、導電部51上であって目的とする位置に正確に発光素子31を載置し、予め発光素子31の一面に設けられたハンダにより導体部51と接続した。同様に位置決め基準62に基づき、受光素子32を載置し、同様にハンダにより接続した(図7における工程19参照)。このようにして、本発明の光導波路構造付きデバイス100’を得た。
[5]光導波路構造付きデバイスの製造方法(iv)
本発明の光導波路構造付きデバイスの他例の製造方法を以下に説明する。
(1)多層セラミック配線基板20及び光路変換部等の形成
予め焼結された多層セラミック配線基板20を用意した。多層セラミック配線基板の構成については上記[1]と同様である。
その後、上記[2](2)と同様にして、光路変換部用パッド71及び72並びに位置決め基準パッド61を形成した(図8における工程1参照)。その後、上記[2](3)と同様にして、光路変換部41及び42を形成した(図8における工程2参照)。
本発明の光導波路構造付きデバイスの他例の製造方法を以下に説明する。
(1)多層セラミック配線基板20及び光路変換部等の形成
予め焼結された多層セラミック配線基板20を用意した。多層セラミック配線基板の構成については上記[1]と同様である。
その後、上記[2](2)と同様にして、光路変換部用パッド71及び72並びに位置決め基準パッド61を形成した(図8における工程1参照)。その後、上記[2](3)と同様にして、光路変換部41及び42を形成した(図8における工程2参照)。
(2)下部クラッド部121の形成
光重合性化合物[光ラジカル発生剤を含有したウレタンアクリレート系光硬化性樹脂(ケミテック製、品名「ケミシール5X566B」49質量%)]、熱硬化性化合物[エポキシ樹脂〔脂肪族エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、品名「YED216M」33質量%)〕、エポキシ化ポリブタジエン樹脂(ダイセル化学工業製、品名「PB3600」16質量%)]、光重合開始剤(光酸発生剤、旭電化製、品名「SP−172」)0.5質量%、及び熱硬化剤[熱ラジカル発生剤(キシダ化学製、過酸化ベンゾイル)1質量%、熱酸発生剤(三新化学製、品名「SI−100L」)0.5質量%]を含む光重合性組成物を、多層セラミック配線板20上にスピンコート(300rpm×10秒、及び600rpm×30秒)して、未硬化クラッド層を形成した。その後、温度;150℃、加熱時間;60分の条件で加熱し、未硬化クラッド層を熱硬化させ、下部クラッド部121を形成した(図8における工程20参照)。
尚、上記光重合性化合物の光硬化物の屈折率は1.544(589nm)、1.532(850nm)であり、上記熱硬化性化合物の熱硬化物の屈折率は1.526(589nm)、1.516(850nm)である。よって、両化合物の屈折率差は1.2%(589nm)、1.0%(850nm)である。
光重合性化合物[光ラジカル発生剤を含有したウレタンアクリレート系光硬化性樹脂(ケミテック製、品名「ケミシール5X566B」49質量%)]、熱硬化性化合物[エポキシ樹脂〔脂肪族エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、品名「YED216M」33質量%)〕、エポキシ化ポリブタジエン樹脂(ダイセル化学工業製、品名「PB3600」16質量%)]、光重合開始剤(光酸発生剤、旭電化製、品名「SP−172」)0.5質量%、及び熱硬化剤[熱ラジカル発生剤(キシダ化学製、過酸化ベンゾイル)1質量%、熱酸発生剤(三新化学製、品名「SI−100L」)0.5質量%]を含む光重合性組成物を、多層セラミック配線板20上にスピンコート(300rpm×10秒、及び600rpm×30秒)して、未硬化クラッド層を形成した。その後、温度;150℃、加熱時間;60分の条件で加熱し、未硬化クラッド層を熱硬化させ、下部クラッド部121を形成した(図8における工程20参照)。
尚、上記光重合性化合物の光硬化物の屈折率は1.544(589nm)、1.532(850nm)であり、上記熱硬化性化合物の熱硬化物の屈折率は1.526(589nm)、1.516(850nm)である。よって、両化合物の屈折率差は1.2%(589nm)、1.0%(850nm)である。
(3)未硬化層131の形成(未硬化層形成工程)
上記(2)で用いた光重合性組成物を、上記(2)で形成した下部クラッド部121上にスピンコート(300rpm×10秒、及び600rpm×30秒)し、乾燥して未硬化層131を形成した。(図8における工程21参照)。
上記(2)で用いた光重合性組成物を、上記(2)で形成した下部クラッド部121上にスピンコート(300rpm×10秒、及び600rpm×30秒)し、乾燥して未硬化層131を形成した。(図8における工程21参照)。
(4)光硬化コア部14の形成(光硬化コア部形成工程)
上記(3)で形成した未硬化層131を、所定パターン(線幅;約50μm)が形成されたフォトマスク9を介して、露光[露光量;600mJ/cm2、光源;紫外線ランプ(ウシオ電機製、「DeepUV照射装置」)、露光時間;30秒]を行い光硬化させ、未硬化層131の一部に光硬化コア部14を形成した(図9における工程22参照。尚、図9は、図8のA−A断面方向から工程の流れを説明している。)。
上記(3)で形成した未硬化層131を、所定パターン(線幅;約50μm)が形成されたフォトマスク9を介して、露光[露光量;600mJ/cm2、光源;紫外線ランプ(ウシオ電機製、「DeepUV照射装置」)、露光時間;30秒]を行い光硬化させ、未硬化層131の一部に光硬化コア部14を形成した(図9における工程22参照。尚、図9は、図8のA−A断面方向から工程の流れを説明している。)。
(5)コア部11及び中間部クラッド部123の形成(加熱工程)
一部に光硬化コア部14が形成された未硬化層131の全体を、温度;150℃、加熱時間;60分の条件で加熱し、光硬化コア部14の重合を進行させてコア部11を形成すると共に、残りの未硬化層を熱硬化させ、中間部クラッド部123を形成した(図9における工程23及び図10における工程24参照。)。
一部に光硬化コア部14が形成された未硬化層131の全体を、温度;150℃、加熱時間;60分の条件で加熱し、光硬化コア部14の重合を進行させてコア部11を形成すると共に、残りの未硬化層を熱硬化させ、中間部クラッド部123を形成した(図9における工程23及び図10における工程24参照。)。
(6)上部クラッド部122の形成
上記(2)で用いた光重合性組成物と同様のものを、中間部クラッド部123及びコア部11上にスピンコート(300rpm×10秒+600rpm×30秒)し、乾燥して未硬化クラッド層を形成した。その後、温度;150℃、加熱時間;60分の条件で加熱し、未硬化クラッド層を熱硬化させ、上部クラッド部122を形成し、光導波路構造を形成した(図10における工程25参照)。尚、得られたコア部11とクラッド部12との屈折率差(コア部−クラッド部)は850nmの近赤外光に対し0.5%、589nmのNa−D線に対し0.6%であった。
上記(2)で用いた光重合性組成物と同様のものを、中間部クラッド部123及びコア部11上にスピンコート(300rpm×10秒+600rpm×30秒)し、乾燥して未硬化クラッド層を形成した。その後、温度;150℃、加熱時間;60分の条件で加熱し、未硬化クラッド層を熱硬化させ、上部クラッド部122を形成し、光導波路構造を形成した(図10における工程25参照)。尚、得られたコア部11とクラッド部12との屈折率差(コア部−クラッド部)は850nmの近赤外光に対し0.5%、589nmのNa−D線に対し0.6%であった。
(7)導体部51及び位置決め基準パッド62の形成
上部クラッド部122の表面に、ドライフィルム(メッキレジスト)を付け、露光・現像によりパッドを形成する以外の所をドライフィルムで保護した後、金メッキを行い、最後にドライフィルム(メッキレジスト)を剥離することにより、導体部51及び位置決め基準パッド62を形成した(図10における工程26参照)。
上部クラッド部122の表面に、ドライフィルム(メッキレジスト)を付け、露光・現像によりパッドを形成する以外の所をドライフィルムで保護した後、金メッキを行い、最後にドライフィルム(メッキレジスト)を剥離することにより、導体部51及び位置決め基準パッド62を形成した(図10における工程26参照)。
(8)発光素子31及び受光素子32の搭載
上記と同様に映像手段を用い位置決め基準62に基づき、導電部51上であって目的とする位置に正確に発光素子31を載置し、予め発光素子31の一面に設けられたハンダにより導体部51と接続した。同様に位置決め基準62に基づき、受光素子32を載置し、同様にハンダにより接続した(図10における工程27参照)。このようにして、本発明の光導波路構造付きデバイス100’’を得た。
上記と同様に映像手段を用い位置決め基準62に基づき、導電部51上であって目的とする位置に正確に発光素子31を載置し、予め発光素子31の一面に設けられたハンダにより導体部51と接続した。同様に位置決め基準62に基づき、受光素子32を載置し、同様にハンダにより接続した(図10における工程27参照)。このようにして、本発明の光導波路構造付きデバイス100’’を得た。
本発明の光導波路構造付きデバイス及びその製造方法は、光通信分野、電気電子分野等において広く利用できる。例えば、光導波路、光分岐結合器、光合分波器、光アイソレーター、光ファイバーアンプ、配線基板、ICパッケージ等として利用できる。
100、100’、100’’;光導波路構造付きデバイス、10;光導波路構造、11;コア部、111及び112;屈曲部、12;クラッド部、121;下部クラッド部、122;上部クラッド部、123;中間部クラッド部、13、131;未硬化層、14;光硬化コア部、20;多層セラミック配線基板、31;発光素子、32;受光素子、 41〜46;光路変換部、47;反射層、51及び52;導体部、61及び62;位置決め基準、71及び72;光路変換部用パッド、81、82;発光手段、9;フォトマスク。
Claims (12)
- 光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物が硬化されてなり且つ光が伝搬するコア部と、該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイス。
- 上記コア部は、上記光重合性組成物が光硬化された後、更に熱硬化されてなる請求項1に記載の光導波路構造付きデバイス。
- 上記光重合性化合物がエポキシ系化合物を含む請求項1又は2に記載の光導波路構造付きデバイス。
- 上記光重合性化合物がアクリル系化合物を含む請求項1又は2に記載の光導波路構造付きデバイス。
- 上記光重合性化合物と上記熱硬化剤との質量比(光重合性化合物/熱硬化剤)が、100/0.05〜100/10である請求項1乃至4のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
- 上記光重合性組成物は、更に熱硬化性化合物を含む請求項1乃至5のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
- 上記コア部の少なくとも1つの端部側に発光素子を備え、該コア部は、該発光素子から発せられた光により光硬化された後、更に熱硬化されてなる請求項1乃至6のいずれかに記載の光導波路構造付きデバイス。
- 上記クラッド部は、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え、該中間部クラッド部は上記光重合性組成物が熱硬化されてなり、且つ上記光重合性化合物の光硬化物の屈折率は、上記熱硬化性化合物の熱硬化物の屈折率よりも大きい請求項6に記載の光導波路構造付きデバイス。
- 光が伝搬するコア部と、該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法であって、
硬化されて光硬化樹脂となり、且つ、光重合性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、
該未硬化層に光を照射することにより、光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、
少なくとも該光硬化コア部を加熱し、上記コア部を形成する加熱工程と、を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法。 - 上記未硬化層形成工程と、上記光硬化コア部形成工程との間に、上記未硬化層上に発光素子を配設する発光素子配設工程を更に備え、
上記光硬化コア部形成工程では、該発光素子を用いて光を照射し、該未硬化層の該光が照射及び透過された部位を選択的に硬化させて上記光硬化コア部を形成する請求項9に記載の光導波路構造付きデバイスの製造方法。 - 上記光硬化コア部形成工程と、上記加熱工程との間に、上記光硬化コア部とならなかった上記未硬化層に光を照射することにより、光硬化クラッド部を形成する光硬化クラッド部形成工程を更に備える請求項9又は10に記載の光導波路構造付きデバイスの製造方法。
- 光が伝搬するコア部と、上部クラッド部、中間部クラッド部及び下部クラッド部を備え且つ該コア部を取り囲むクラッド部と、を有する光導波路構造を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法であって、
上記下部クラッド部を形成する下部クラッド部形成工程と、
該下部クラッド部上に、光重合性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含む光重合性組成物からなる未硬化層を形成する未硬化層形成工程と、
該未硬化層の一部に光を照射することにより、該未硬化層の一部に光硬化コア部を形成する光硬化コア部形成工程と、
該光硬化コア部が形成された上記未硬化層を加熱して、上記コア部及び上記中間部クラッド部を形成する加熱工程と、
該コア部及び該中間部クラッド部上に、上記上部クラッド部を形成する上部クラッド部形成工程と、を備えることを特徴とする光導波路構造付きデバイスの製造方法。
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