JP2005273112A - 抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント - Google Patents

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朗 柵木
Tsutomu Kobayashi
勉 小林
Toyohiko Masuda
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Abstract

【課題】 従来のポリアミドモノフィラメントと比較してさらに耐摩耗性が優れ、かつ十分な引張強伸度を有した抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントの提供。
【解決手段】ポリアミドに対しアイオノマー樹脂を0.3〜20重量%含有させた組成物からなるモノフイラメントであって、JIS L−1095−9.10.2Bの規定に準じて測定した屈曲摩耗特性試験での破断時の往復摩回数が50000回以上である抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントと比較して、耐摩耗性に優れれ、特に抄紙プレスフェルト基布の少なくとも一部の構成素材として好適な抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントに関するものである。
ポリアミドモノフィラメントは、抄紙ワイヤー(紙漉き用の網)、抄紙プレスフェルト、抄紙ドライヤーカンバスなどの抄紙用織物、コンベヤベルトや脱水ベルトなどのベルト用織物、および各種ベルトプレス用フィルターなどのフィルター用織物などの各種工業用織物の素材として従来から広く用いられている。
そして、これら工業用織物は、実際に使用される場合に、いずれも走行中の駆動ロールや制御ロールなどに接触して摩耗を受けることから、織物用途に使用されるモノフィラメントには、優れた耐摩耗性が要求されている。
ポリアミドモノフィラメントは、ポリエステルモノフィラメントなどと比較して、圧縮を受けたときにモノフィラメントが割れ難い上、擦過を受けたときに摩耗し難い特性を有していることから、例えば、抄紙機に装着される織物である抄紙プレスフェルトおよび各種フィルター織物の構成素材などの種々の用途に使用されてきた。
しかるに、近年では、抄紙機の生産性を高める目的で、抄紙機の高速化が進み、漉網の強い擦過、プレスパートによる圧搾脱水の高圧力化、高吸引力化、軽量化、およびプレス・吸引ゾーンの広面積化が進んでいることから、従来よりも高性能な抄紙用織物が要求されるようになり、構成素材であるポリアミドモノフィラメントにもより高度な特性が要求されるようになってきた。
すなわち、例えば抄紙プレスフェルトは、主としてモノフィラメントからなるフェルト基布と短繊維からなるバットとから構成されており、従来のフェルト基布が主としてプレスフェルトの補強を担っていたのに対して、近年のフェルト基布は、プレスフェルトの補強と共に、圧搾反発と通水体積の維持および屈曲摩耗耐久性を担っており、フェルト内部で発生するフェルト基布とバットとの擦過摩耗に対しても十分な耐摩耗性が必要になってきているのである。
このような要求に対処する一手段としては、特定量のε−カプロラクタムとエチレン・ビスステアリルアミドとを含有する柔軟性ポリアミドモノフィラメント(例えば、特許文献1参照)や、ヒンダードフェノール系化合物およびビスアミド系化合物を添加してなる耐摩耗性および耐熱性が優れたポリアミドモノフィラメント(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、その耐摩耗性改善効果には限界があるため、抄紙プレスフェルト基布の構成素材として適用するには未だに不十分であり、従来のものよりさらに高度な耐摩耗性を有するポリアミドモノフィラメントの実現がしきりに求められていた。
特開昭62−41315号公報 特開平2002−69748号公報
本発明は、前記上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、従来のポリアミドモノフィラメントと比較してさらに耐摩耗性が優れ、かつ十分な引張強伸度を有した抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントを提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、ポリアミドに対しアイオノマー樹脂を0.3〜20重量%含有させた組成物からなるモノフイラメントであって、JIS L−1095−9.10.2Bの規定に準じて測定した屈曲摩耗特性試験での破断時の往復摩耗回数が50000回以上であることを特徴とする抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントが提供される。
なお、本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントにおいては、
前記アイオノマー樹脂が、エチレン/メタクリル酸共重合体を亜鉛イオンで架橋した樹脂であること、
前記ポリアミドが、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミドおよびポリカプラミドとポリヘキサメチレンアジパミドとの共重合体から選ばれた少なくとも1種であること、
前記抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントがJIS L−1013の規定に準じて測定した引張強度が4.5cN/dtex以上、引張伸度が15.0%以上であること、および
抄紙機の抄紙プレスフェルト基布用として使用されること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件の少なくとも一つの条件を満たすことによって一層優れた効果を取得することができる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、耐摩耗性に優れ、かつ十分な引張強伸度を有し、特に抄紙プレスフェルト基布用を代表とする抄紙織物用として適した抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントは、一本の連続糸であるが、必要に応じて複数本合わせて撚糸・熱セットしたもの、および単糸を捻って熱セットしたものを含むものである。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントにおける単糸の断面形状は任意であり、例えば、丸、楕円、3角、T、Y、H、+、5葉,6葉,7葉,8葉などの多葉形状、正方形、長方形、菱形、繭型および馬蹄型などを挙げることができ、また、これらの形状を一部変更したものであってもよい。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントを構成するポリアミドとは、各種ラクタム類の開環重合、各種ジアミン類と各種ジカルボン酸類との重縮合および各種アミノカルボン酸類の重縮合によって得られる各種ポリアミド類、およびこれらの重縮合と開環重合とを組み合わせた共重合ポリアミド類であり、具体的には、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ナイロン610、ナイロン46、ナイロンMDX6、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12およびポリカプラミドとポリヘキサメチレンアジパミドとの共重合体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらのポリアミドの中でも、ポリカプラミド(以下、ナイロン6という)、ポリヘキサメチレンアジパミド(以下、ナイロン66という)およびポリカプラミドとポリヘキサメチレンアジパミドとの共重合体(以下、ナイロン6/66という)から選ばれた少なくとも1種が好適であり、とりわけナイロン6が好ましく使用される。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントは、JIS L−1095−9.10.2Bの規定に準じて測定した屈曲摩耗特性試験での破断するまでに要する往復摩耗回数(以下、破断屈曲摩耗回数という)が50000回以上であることが重要な要件であり、破断屈曲摩耗回数が多いほどモノフィラメントの耐久性が良好なことを表すものである。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントは、破断屈曲摩耗回数が50000回以上の条件を満足するため、この抄紙織物用モノフィラメントを摩耗し易い用途に使用した場合、例えば抄紙プレスフェルト基布に使用した場合には、高速走行中の駆動ロールや制御ロールなどとの接触による摩耗およびプレス・吸引ゾーンなどでの圧搾を受けたときのフェルト内部で発生するフェルト基布とバットとの擦過摩耗に対して、従来のものより著しく耐久性に優れたものとなる。この意味で、破断屈曲摩耗回数が65000回以上の条件を満足するものであることがさらに好ましい。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントが、上記した特性と共に、さらにJIS L−1013の規定に準じて測定した引張強度が4.5cN/dtex以上、より好ましくは6.0cN/dtex以上、かつ引張伸度が15.0%以上、より好ましくは25.0%以上という要件を満たす場合には、耐摩耗性が一層向上するという好ましい効果が得られるため好適である。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントの引張強度が4.5cN/dtex未満もしくは、引張伸度が15.0%未満であると、破断屈曲摩耗回数が不足し、抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントの耐久性が低下する傾向が招かれることがある。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントは、ポリアミドに対し、アイオノマー樹脂をモノフィラメント重量に対して0.3〜20重量%、好ましくは1.0〜10重量%含有させて、これを通常の方法により溶融紡糸することにより好適に得ることができる。
上記アイオノマー樹脂の含有量が0.3重量%未満であると、破断屈曲摩耗回数が低く耐久性が不足することになり、20重量%を超えると、モノフィラメントが不均一となって引張強伸度が不足するばかりか、破断屈曲摩耗回数も低いものとなり耐久性が不足する傾向となるため好ましくない。
上記したアイオノマー樹脂は、常温では架橋構造を形成し、加熱下では熱可塑性の特徴を有するものであり、具体的にはエチレン/メタクリル酸共重合体に亜鉛イオン(以下、Zn++という)やNa+ などのイオンを配位したものであり、中でもZn++等の2価金属イオンを配位したアイオノマー樹脂が特に好適である。
上記したアイオノマー樹脂は、市販品としてハイミラン(登録商標)(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製品)として種々のグレードが知られており、これを入手して使用することができる。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントの製造は、例えば次のようにして行うことができるが、これに限定されるものではない。
まず、必要に応じて乾燥したポリアミドペレットとアイオノマー樹脂のペレットまたは粉体などとを予め各々計量混合し、または各々計量しながら混合し、1軸エクストルダまたは2軸エクストルダに供給して、使用したポリアミドの融点より20〜60℃高い温度で溶融混練した後、エクストルダ先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて冷却したガットをカットして、アイオノマー樹脂を所定量含有するポリアミドペレット(以下、予備混練ペレットとという)を得る。
この場合におけるポリアミド中におけるアイオノマー樹脂の含有量は、モノフィラメントに含有させたい濃度に設定するか、もしくはモノフィラメントに含有させたい濃度よりも高濃度に設定したマスターバッチとする。
なお、Zn++イオンタイプのアイオノマー樹脂を含有したポリアミドは、市販品として、アイオノマー樹脂を約20重量%含有するアミラン(登録商標)(東レ(株)製品)UTN121およびアイオノマー樹脂を約40重量%含有するアミラン(登録商標)(東レ(株)製品)UTN141などが知られており、これを入手して使用することができる。
このようにして得た予備混練ペレットの場合には、そのペレットを先端に計量用ギヤポンプとスピンブロックを有するエクストルダ型紡糸機に供給し、使用したポリアミドの融点より20〜60℃高い温度で溶融混練した後、紡糸口金から紡出する。次いで、溶融状態の紡出糸を冷却水槽中に導いて冷却固化せしめた後、巻き取ることなく第1および第2延伸ゾーンで延伸し、次いでヒートセットゾーンで熱セットした後、必要に応じて油剤を付与しボビンに巻き取ることによって、目的とする抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントを得ることができる。
別の方法として、高濃度のマスターバッチやアイオノマー樹脂のペレットまたは粉体などを用いる場合には、所定量のアイオノマー含有率になるようにポリアミドペレットとを予め各々計量混合し、または各々計量混合しながら、先端に計量用ギヤポンプとスピンブロックを有するエクストルダ型紡糸機に供給し、使用したポリアミドの融点より20〜60℃高い温度で溶融混練した後、紡糸口金から直接紡出する。次いで、溶融状態の紡出糸を冷却水槽中に導いて冷却固化せしめた後、巻き取ることなく第1および第2延伸ゾーンで延伸し、次いでヒートセットゾーンで熱セットした後、必要に応じて油剤を付与しボビンに巻き取ることによっても、目的とする抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントを得ることができる。
本発明における抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントの直径は、概ね0.10〜0.85mmのものが使用される。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントは、目的に応じて公知の有機・無機の各種材料を含有することができ、例えば、各種抗酸化剤、耐光剤、難燃剤、およびヨウ化銅、ヨウ化カリウム、2−メルカプトベンズイミダゾールなどの老化防止剤、酸化チタン、酸化珪素、硫酸バリウム、クレイ、タルク、カーボンブラックなどの無機粒子・顔料類、フタロシアニン金属系、コバルト青などの各種顔料、およびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウムなどのステアリン酸金属塩類、ε−カプロラクタム、エチレンビスステアリルアミド、ステアリン酸、メタ珪酸カルシウム、含水珪酸マグネシウム、アミノシラン、およびメラミンシアヌレートなどを含有することができるが、これらに限定されるものではない。
かくして得られる本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントは、各種用途に使用することができ、これら用途の具体例としては、例えば抄紙機に装着される抄紙ワイヤー、抄紙プレスフェルト基布、抄紙ドライヤーカンバスおよびカッターマシン用ベルトなどの各種織物の少なくとも一部の構成素材が挙げられ、とりわけ抄紙プレスフェルト基布の構成素材として好適である。
本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントは、その特性を生かして抄紙織物用途以外の用途にも使用することができ、これら用途の具体例としては、例えば各種工業用織物、釣り糸、スポーツ用品、弦楽器弦、草類刈り払い用線材、屋外用張り線、各種ブラシおよび筆毛などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
なお、実施例における破断屈曲摩耗回数、引張強度、引張伸度および製糸工程における操業性の評価は次の方法で行った。
[破断屈曲摩耗回数]
実施例における破断屈曲摩耗回数は、次のようにして測定した。すなわち、JIS L−1095−9.10.2Bに準じて、固定されたφ1.0mmの摩擦子(硬質鋼線(SWP−A))の上に接触させたモノフィラメントを、前記摩擦子の左右各55度角度で斜め下に設けたフリーローラー2個(ローラー間距離100mm)の下に掛け、別の1個のフリーローラーの上を介して、前記モノフィラメントの一端に0.196cN/dtexの荷重をかけてセットする。次いで、モノフィラメントを摩擦速度120往復/分、往復ストローク25mmで摩擦子に接触往復させて、同一試料につき各10本のモノフィラメントについて夫々破断するまでの往復摩耗回数を測定し、その平均値を求める。
[引張強度および引張伸度]
実施例における引張強度および引張伸度は、JIS L−1013の規定に準じて、試長250mm、引張速度300mm/分測定した。引張強度は測定試料繊度のデシテックス単位当たりに換算して得た値である。
[操業性]
実施例における操業性は、連続押出し紡糸を行う際の状況を観察し、糸切れおよび、原料の紡糸機への押し込み安定性を次の規準で評価した。
○…全て良好
△…糸切れがややあり、原料押し込みやや不安定性であるが操業可能
×…糸切れが多発し、原料押し込み不安定性であるため操業不可能。
[実施例1〜7、比較例1〜4]
ポリアミドとして、ナイロン6である東レ(株)製品、“アミラン”ポリアミドチップM1021T(98%硫酸を溶媒として測定した相対粘度(ηr)が3.4)を準備した。
一方、Zn++架橋タイプのアイオノマー樹脂であるハイミラン(登録商標)1705チップ(三井・デュポン ポリケミカル(株)製品)(以下、ハイミラン1705という)を用意した。
上記のナイロン6チップとハイミラン1705を表1に示した重量比で混合した原料を、1軸エクストルダーと、その先端に計量用ギヤポンプを備え、その先に内径が0.6mmφで30ホールの円形吐出孔付き口金を有したパックを備えた紡糸機を使用して、270℃の温度で吐出量208g/分の条件で溶融紡糸し、20℃の冷却水槽で冷却固化した後、引き続いて60℃の熱水浴中で3.02倍に延伸し、引き続き200℃の熱風浴中で再延伸することにより、トータル4.80倍の延伸を行った。次いで、215℃の熱風浴中で倍率1.00倍にヒートセットした後、200.0m/分の速度で巻き取ることにより、直径約0.200mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの破断屈曲摩耗回数、引張強度、引張伸度および製糸工程における操業性についての評価した結果を表1に併示する。
Figure 2005273112
表1の結果から明らかなように、本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント(実施例1〜7)は、破断屈曲摩耗回数が50000回以上で、かつ十分な引張強度および引張伸度を有し、耐久性に優れることから、抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントとして極めて有用なものであることがわかる。
[実施例8、比較例5]
実施例3で得た抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントの3本撚糸を経糸および緯糸として無端状2重織の織物を製織し、160℃でヒートセットすることにより、坪量600g/m2 の基布を得た。
このようにして得られたポリアミドモノフィラメント基布を、ニードルパンチング機に仕掛け、基布上下にカーディングマシンからナイロン66短繊維製バットを表目付400g/m2、裏目付200g/m2で供給し、ニードリングすることにより、絡合一体化して無端状抄紙プレスフェルトを作成した。
この無端状抄紙プレスフェルトを抄紙工程での実用に供したところ、著しく改善された耐久性が発揮された。
一方、実施例3で得たポリアミドモノフィラメントを、比較例4で得たポリアミドモノフィラメントに変更した以外は、上記と同様に行って作成した無端状抄紙プレスフェルトを抄紙工程での実用に供したところ、上記の無端状抄紙プレスフェルトに比較して、はるかに耐久性が劣っていた。
以上説明したように、本発明の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメントは、従来のポリアミドモノフィラメントに比較して、優れた耐摩耗性と十分な引張強伸度を有していることから、特に抄紙プレスフェルト基布を筆頭とする各種抄紙機に装着される織物用の構成素材として好適であり、製紙産業においてきわめて利用価値の高い有用なものである。

Claims (5)

  1. ポリアミドに対しアイオノマー樹脂を0.3〜20重量%含有させた組成物からなるモノフイラメントであって、JIS L−1095−9.10.2Bの規定に準じて測定した屈曲摩耗特性試験での破断時の往復摩耗回数が50000回以上であることを特徴とする抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント。
  2. 前記アイオノマー樹脂が、エチレン/メタクリル酸共重合体を亜鉛イオンで架橋した樹脂であることを特徴とする請求項1記載の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント。
  3. 前記ポリアミドが、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミドおよびポリカプラミドとポリヘキサメチレンアジパミドとの共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント。
  4. JIS L−1013の規定に準じて測定した引張強度が4.5cN/dtex以上、引張伸度が15.0%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント。
  5. 抄紙機の抄紙プレスフェルト基布用として使用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント。
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