JP2005264459A - 開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置 - Google Patents

開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005264459A
JP2005264459A JP2004074842A JP2004074842A JP2005264459A JP 2005264459 A JP2005264459 A JP 2005264459A JP 2004074842 A JP2004074842 A JP 2004074842A JP 2004074842 A JP2004074842 A JP 2004074842A JP 2005264459 A JP2005264459 A JP 2005264459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
water
main valve
valve body
water discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004074842A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuro Wakita
敦朗 脇田
Shigeki Inatomi
繁樹 稲富
Yojiro Taketomi
洋次郎 武富
Hideyuki Matsui
英之 松井
Masabumi Nakao
正文 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2004074842A priority Critical patent/JP2005264459A/ja
Publication of JP2005264459A publication Critical patent/JP2005264459A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Domestic Plumbing Installations (AREA)
  • Fluid-Driven Valves (AREA)

Abstract

【課題】 使用者による誤操作を防止し、これにより水道水の浪費を防止することができる開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、止水状態と吐水状態を切り替え且つ吐水流量を調整することができる開閉弁装置(20)であって、使用者の操作により、平行移動及び回転可能な吐止水/流量操作部(22)と、この吐止水/流量操作部の操作により平行に移動され、止水状態と吐水状態を切り替える主弁体(34)と、この主弁体が着座する弁座(30b)と、吐水状態となったとき主弁体と当接して主弁体と弁座の間の間隔を規制する流量調整部材(36)と、吐止水/流量操作部の回転操作により、流量調整部材を移動させる流量調整部材移動機構(26)と、吐止水/流量操作部が回転可能な範囲を所定の範囲に制限する回転制限手段(26f、26g、32f)と、を有することを特徴としている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、開閉弁装置に関し、特に、吐水流量を調整することができる開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置に係る。
最近、押し釦の操作により止水と吐水を切り替えるプッシュ式の水栓装置が普及し始めている。これらの水栓装置に使用されている開閉弁装置の多くは、吐水時の流量は固定されており、吐水流量を調整することはできない。特開2001−98596号公報には、吐止水操作部を押すことにより吐水と止水を切り替え、流調操作部を回転させることにより流量を調整することができる吐水装置(開閉弁装置)が記載されている。
図16は、特開2001−98596号公報に記載の吐水装置の断面図である。図16に示すように、吐水装置100は、本体102と、本体102に取り付けられた主弁体104と、主弁体104に設けられた圧力開放穴104aを閉鎖するパイロット弁106と、パイロット弁106を上下に移動させるパイロット弁駆動機構107及び吐止水操作部108を有する。さらに、吐水装置100は、流調操作部112と、この流調操作部112の回転操作により上下に移動される円筒状の流量調整部材110と、流調操作部112の操作力を流量調整部材110に伝達するスリーブ111と、を有する。
また、主弁体104の上方には圧力室形成部材105が配置され、主弁体104と圧力室形成部材105との間に圧力室が形成される。主弁体104には、本体102の流入側と圧力室とを連通させる連通孔104bが形成されている。また、吐止水操作部108を押圧操作すると、パイロット弁106はパイロット弁駆動機構107によって上下に移動され、主弁体104の圧力開放穴104aが開閉される。流量調整部材110は、圧力室の内部から外部へ延びるように配置されている。また、流量調整部材110の内壁面及びスリーブ111の外壁面には、夫々ネジ山が形成されており、流量調整部材110とスリーブ111は螺合されている。流調操作部112が回転操作されると、スリーブ111は流調操作部112と共に回転され、流量調整部材110はネジ機構により上下に移動される。
止水状態においては、パイロット弁106が圧力開放穴104aを閉鎖しているため、本体102の上流側から連通孔104bを通って圧力室内に流入した水が圧力室内に溜まるので、圧力室内の圧力が高くなり、主弁体104が下方の弁座に押し付けられて止水される。次に、吐止水操作部108を押すと、パイロット弁駆動機構107によってパイロット弁106は上方に引き上げられ、圧力開放穴104aが開放される。圧力開放穴104aが開放されると、圧力室内の圧力は低下するので、主弁体104を弁座に押し付ける力は作用しなくなり、主弁体104が開放されて吐水状態となる。吐水状態においては、主弁体104は、上方に上がり、流量調整部材110の下端に当接した位置に止まる。
流量調整部材110は、流調操作部112を回転操作することによって上下に移動されるので、流量調整部材110が上方に位置する場合には、主弁体104は大きく移動して弁座と主弁体104との間隔が広くなる。これに対して、流量調整部材110が下方に位置する場合には、上方にあまり移動しない位置で流量調整部材110に当接するので、弁座と主弁体104との間隔は狭くなる。従って、吐水状態における主弁体104の位置は、流量調整部材110の位置によって規制され、吐水時における流量が流量調整部材110によって調整される。
特開2001−98596号公報
しかしながら、特開2001−98596号公報記載の吐水装置では、流調操作部112を、吐水流量を少なくする方向に回転操作していくと、流量調整部材110が下方に下がって主弁体104と当接し、さらに流調操作部112を回転操作していくと、主弁体104は流量調整部材110によって下方に押し下げられ、やがて弁座に着座される。
このように、特開2001−98596号公報記載の吐水装置では、流調操作部112の操作により主弁体104が弁座に着座された場合、殆ど吐水されなくなる。このため、使用者は、吐止水操作部108の操作により吐水が停止されているのか、流調操作部112の操作により吐水が停止されているのかを認識することが困難になり、吐水装置を誤操作しやすくなるという問題がある。
また、主弁体104が流量調整部材110によって弁座に着座されている状態では、圧力開放穴104aを通って微小流量の吐水があるため、この状態を止水状態と認識して吐水装置を使用していると、水道水が浪費されるという問題がある。
また、図16に示した特開2001−98596号公報に記載された吐水装置の構造では、流調操作部112の操作により、流量調整部材110を介して主弁体104を弁座に押し付け、着座させることが可能である。このため、流調操作部112に加えられた操作力により主弁体104を弁座に押し付けたとき、操作力を主弁体104に伝達する流調操作部112、スリーブ111、流量調整部材110には大きな力が加えられる。従って、これらの操作力を伝達する部材を、その大きな操作力に耐え得る寸法、形状、材料で構成しなければならないという問題がある。これにより、操作力を伝達する部材を小型に設計することが困難になり、吐水装置全体が大型化するという問題もある。また、流量調整部材110が主弁体104を弁座に押し付けて着座させた後、再び流調操作部112を反転させて吐水させる際には、大きな操作力が必要になり、操作性が悪くなるという問題もある。
従って、本発明は、使用者による誤操作を防止し、これにより水道水の浪費を防止することができる開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、流量調整機能を備えた小型の開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置を提供することを目的としている。
本発明は、止水状態と吐水状態を切り替え且つ吐水流量を調整することができる開閉弁装置であって、使用者の操作により、平行移動可能な吐止水操作部と、この吐止水操作部の操作により平行に移動され、止水状態と吐水状態を切り替える主弁体と、この主弁体が着座する弁座と、吐水状態となったとき主弁体と当接して主弁体と弁座の間の間隔を規制する流量調整部材と、使用者の操作により、回転可能な流量操作部と、この流量操作部の回転操作により、流量調整部材を移動させる流量調整部材移動機構と、流量操作部が回転可能な範囲を所定の範囲に制限する回転制限手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明の開閉弁装置においては、使用者が吐止水操作部を操作することによって、吐水状態と止水状態が切り替えられる。また、使用者が流量操作部を回転操作すると、流量調整部材移動機構によって流量調整部材が移動され、吐水状態における主弁体と弁座の間の間隔が調整され、これにより、吐水流量が調整される。また、流量操作部を回転させることができる範囲は、回転制限手段によって所定の範囲に制限される。
このように構成された本発明によれば、回転制限手段によって流量操作部の回転を所定の範囲に制限しているので、流量操作部を過度に回転させることによって、流量調整部材を介して主弁体を弁座に押し付け、流量調整部材移動機構又は流量調整部材に過大な力が加わるのを防止することができる。
また、本発明は、止水状態と吐水状態を切り替え且つ吐水流量を調整することができる開閉弁装置であって、使用者の操作により、平行移動及び回転可能な吐止水/流量操作部と、この吐止水/流量操作部の操作により平行に移動され、止水状態と吐水状態を切り替える主弁体と、この主弁体が着座する弁座と、吐水状態となったとき主弁体と当接して主弁体と弁座の間の間隔を規制する流量調整部材と、吐止水/流量操作部の回転操作により、流量調整部材を移動させる流量調整部材移動機構と、吐止水/流量操作部が回転可能な範囲を所定の範囲に制限する回転制限手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明の開閉弁装置においては、使用者が吐止水/流量操作部を押圧操作することによって、吐水状態と止水状態が切り替えられる。また、使用者が吐止水/流量操作部を回転操作すると、流量調整部材移動機構によって流量調整部材が移動され、吐水状態における主弁体と弁座の間の間隔が調整され、これにより、吐水流量が調整される。また、流量操作部を回転させることができる範囲は、回転制限手段によって所定の範囲に制限される。
このように構成された本発明によれば、回転制限手段によって吐止水/流量操作部の回転を所定の範囲に制限しているので、吐止水/流量操作部を過度に回転させることによって、流量調整部材を介して主弁体を弁座に押し付け、流量調整部材移動機構又は流量調整部材に過大な力が加わるのを防止することができる。
また、本発明は、止水状態と吐水状態を切り替え且つ吐水流量を調整することができる開閉弁装置であって、圧力開放穴を備え、止水状態と吐水状態を切り替える主弁体と、この主弁体が着座する弁座と、使用者の操作により、平行移動及び回転可能な吐止水/流量操作部と、この吐止水/流量操作部の操作により平行に移動され、圧力開放穴を開閉するパイロット弁と、このパイロット弁によって圧力開放穴が閉鎖されると、内部の圧力が上昇して、主弁体を上記弁座の方へ移動させる圧力室と、この圧力室の内部に配置され、吐水状態となったとき主弁体と当接して主弁体と弁座の間の距離を規制する流量調整部材と、吐止水/流量操作部の回転操作により、流量調整部材を圧力室内で移動させる流量調整部材移動機構と、吐止水/流量操作部が回転可能な範囲を所定の範囲に制限する回転制限手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、流量調整部材が圧力室の内部に配置されているため、流量調整部材と他の部材との間の水密性を保持するためのOリング等の部材を必要とせず、流量調整部材を移動させるための操作力を小さくすることができる。
本発明において、好ましくは、流量調整部材移動機構が、圧力室の外部から内部へ延び、且つ圧力室の内部で流量調整部材と係合する操作力伝達部材を有し、この操作力伝達部材を回転させると、流量調整部材が操作力伝達部材の回転の軸線方向に平行移動され、回転制限手段は、操作力伝達部材の回転を所定の範囲に制限することにより、吐止水/流量操作部が回転可能な範囲を制限する。
また、本発明において、好ましくは、回転制限手段が、吐止水/流量操作部の回転操作により回転されないように配置されたストッパー手段と、操作力伝達部材に設けられ、ストッパー手段と当接するストッパー当接手段と、を有する。
また、本発明において、好ましくは、回転制限手段は、吐水状態において吐水流量を最も少なく調整した場合においても、主弁体が上記弁座に接触しないように、吐止水/流量操作部の回転可能な範囲を制限する。
さらに、本発明において、好ましくは、回転制限手段は、吐水状態において吐水流量を最も少なく調整した場合においても、主弁体が非着座状態にあるように、吐止水/流量操作部の回転可能な範囲を制限する。
このように構成された本発明においては、吐水状態において吐水流量を最も少なく調整した場合においても、所定量の吐水が行われるため、使用者は、開閉弁装置が吐水状態にあることを明確に認識することができ、誤操作を防止することができる。
また、本発明の水栓装置は、上記の何れかの開閉弁装置と、この開閉弁装置を受け入れる水栓本体部と、この水栓本体部と連通する吐水口を備えたスパウト部又はシャワーヘッドと、を有することを特徴としている。
本発明の開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置によれば、使用者による誤操作を防止し、これにより水道水の浪費を防止することができる。
また、本発明の開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置によれば、水栓装置全体を小型にすることができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態の水栓装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の水栓装置を組み込んだ流し台の全体を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の水栓装置の水栓本体部の拡大斜視図であり、図3は、その断面図である。また、図4は、本発明の第1実施形態の水栓装置に組み込まれている開閉弁装置の斜視図であり、図5は、その吐水状態における断面図、図6は止水状態における断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態の水栓装置1は、シンク部4を備えた流し台2に組み込んで使用される。また、水栓装置1は、水栓から吐水される水温を調整する温調操作部6と、止水、吐水の切り替え及び流量調節を行う流調操作部8と、流量調整された水が吐水されるスパウト部9と、を有する。
図2は、水栓装置1の流調操作部8の拡大斜視図であり、流調操作部8は、本体部10と、この本体部から上方に突出可能なハンドル部12と、ハンドル部12の周囲に配置された台座部14と、本体部10を流し台2等に取り付ける固定ナット16と、を有する。また、本体部10には、温調操作部6で温度調整された水を流調操作部8に流入させる流入配管10aと、流調操作部8で流量を調整した水を流出させる流出配管10bが接続される。なお、流調操作部8は、水栓装置1を流し台2に組み込んだ際には、図1に示すように、台座部14から下方の部分は流し台2の中に隠れる。使用において、まず、止水状態では、図2(a)に示すように、ハンドル部12は、その周囲の台座部14の上端部と面一の状態にあり、上方に突出していない。この状態から、ハンドル部12を押圧操作すると、水栓装置1のスパウト部9から吐水が開始されると共に、図2(b)に示すように、ハンドル部12が上方に突出する。さらに、上方に突出したハンドル部12を回転操作することにより、水栓装置1から吐出される水の流量を調整することができる。図2(b)の状態から再びハンドル部12を押圧操作することにより、ハンドル部12は図2(a)に示す状態に戻り、止水される。ここで、もう一度ハンドル部12を押圧操作して吐水させた場合には、先に調整した流量で水が再び吐水される。
図3は、流調操作部8の全断面図である。図3に示すように、流調操作部8は、その本体部10の中に開閉弁装置20を備えており、開閉弁装置20は締付けナット21により本体部10に固定される。
図4は本体部10の中に備えられた開閉弁装置20の斜視図であり、図5はその吐水状態における全断面図、図6はその止水状態における全断面図である。
図4乃至図6に示すように、開閉弁装置20は、吐止水/流量操作部22と、この吐止水/流量操作部22の内側に取り付けられたガイド部材24と、このガイド部材24の内側に挿入された操作力伝達部材26と、を有する。さらに、開閉弁装置20は、操作力伝達部材26の下側に配置され、圧力室を形成する主弁体押え部材28と、この主弁体押え部材28の下側に配置されたバルブ台座部材30と、以上の部材を包囲して、各部材を所定の位置に拘束するカバー32と、を有する。
また、主弁体押え部材28とバルブ台座部材30の間には、主弁体34が挟み込まれ、主弁体34を所定の位置に位置決めしている。さらに、主弁体押え部材28によって形成される圧力室の内部には、流量調整部材36が、操作力伝達部材26と螺合された状態で配置されている。また、ガイド部材24の中心軸線上には、下方に向って押し棒38が取り付けられている。この押し棒38の下端にはパイロット弁40が摺動自在に取り付けられ、このパイロット弁40の先端にはパッキン42が取り付けられている。
吐止水/流量操作部22は、上端部が閉鎖された概ね円筒状の形状であり、頂部にはハンドル部12をネジ止めするためのネジ部22aが形成されている。また、吐止水/流量操作部22の側面は下方の直径が拡大されており、肩部22bを構成している。
図7は、ガイド部材24の斜視図である。ガイド部材24は、円周上の4箇所が切り欠かれた概ね円筒状の形態を有する。ガイド部材24の側面2箇所には爪部24a(一つのみ図示)が形成されている。この爪部24aは、ガイド部材24が吐止水/流量操作部22の中に受け入れられたとき、ガイド部材24から半径方向外方に向って突出して、ガイド部材24を吐止水/流量操作部22の中に固定する。これにより、ガイド部材24は、吐止水/流量操作部22に対して、平行移動も、回転も拘束される。さらに、ガイド部材の上端面には、ハートカム機構を構成するピン部材44を受け入れるための溝24bが形成されている。ハートカム機構については後述する。
図8(a)は操作力伝達部材26の斜視図であり、(b)は、上面図である。図8に示すように、操作力伝達部材26は、概ね十字型の断面を有する上側部26aと、この上側部26aの下に形成された概ね円板状の鍔部26bと、この鍔部26bの下側に形成された雄ネジ山を有する下側部26cと、を有する。十字型断面の上側部26aは、ガイド部材24の中に摺動自在に受け入れられる。従って、操作力伝達部材26は、ガイド部材24に対して軸線方向に摺動することは許容されるが、ガイド部材24に対する回転は拘束される。また、上側部26aの両側側面には、概ね門形に折り曲げられたピン部材44の先端を受け入れるためのハートカム溝26dが形成されている。操作力伝達部材26の中心軸線上には、操作力伝達部材26を貫通するボア26eが形成されている。さらに、操作力伝達部材26の鍔部26bと吐止水/流量操作部22の肩部22bとの間には、付勢用バネ46が配置されており、吐止水/流量操作部22を操作力伝達部材26に対して上方に付勢している。
図9は、主弁体押え部材28の斜視図である。主弁体押え部材28は、上端面が閉鎖した概ね円筒状の形状を有し、上端面には操作力伝達部材26の下側部26cを通すための穴28aが形成されている。この穴28aと操作力伝達部材26の下側部26cとの間には、Oリング48が配置され、圧力室内の水密性を保持している。また、主弁体押え部材28の内側円周面の上方には、三角形断面の歯形を有するスプライン28bが形成されている。さらに、主弁体押え部材28の下端面には、主弁体34を押さえるための環状の溝28cが形成されている。
図10は、流量調整部材36の斜視図である。流量調整部材36は、概ねドーナツ形の円板状であり、その外周部には主弁体押え部材28に形成されたスプライン28bと係合するスプライン36aが形成されており、その内周部には操作力伝達部材26の下側部26cに形成された雄ネジ山と螺合される雌ネジ部36bが形成されている。また、流量調整部材36の円周上の1箇所には、クリーニングピン50を通す穴36cが形成されている。従って、流量調整部材36は、主弁体押え部材28の内部に配置されると、スプライン28bとスプライン36aが係合して、主弁体押え部材28に対する回転が拘束される。また、流量調整部材36は、雌ネジ部36bが操作力伝達部材26の雄ネジ山と螺合されているので、操作力伝達部材26が主弁体押え部材28に対して回転されると、軸線方向に平行移動される。操作力伝達部材26と主弁体押え部材28に形成されたスプライン28bは、流量調整部材移動機構を構成する。
図11は、主弁体34の斜視図である。主弁体34は概ね円板状であり、その中心部には圧力開放穴34aが形成され、外周部にはダイヤフラム部34bが構成されている。ダイヤフラム部34bの最外周部は、主弁体押え部材28の下端面に形成された環状の溝28cの中に受け入れられ、主弁体34と主弁体押え部材28の間の水密性が確保されている。また、主弁体34の円周上の1箇所には、クリーニングピン50を通す穴34cが形成されている。クリーニングピン50は、主弁体34の穴34cを貫通するように配置され、穴34cの詰まりを防止する。
バルブ台座部材30は、下部で連結された二重の円筒状の形状を有し、主弁体押え部材28の下側に配置される。外側の円筒の側面には、水が流入する流入口30aが4つ形成されており、外側の円筒の上端部と主弁体押え部材28の下端面との間に主弁体34が挟まれる。また、内側の円筒の上端は、主弁体34が着座する弁座30bとして形成されている。流入口30aから流入した水は、一旦上方へ上り、弁座30bと主弁体34との間を通って内側の円筒の中に入り、内側の円筒の下端から流出するように構成されている。
図12(a)は、カバー32を側方から見た斜視図であり、(b)は斜め下方から見た斜視図である。カバー32は、下側が拡張した段付きの円筒状の形状を有する。カバー32の上端には縁部32aが形成されており、この縁部32aには、カバー32の内部に受け入れられた吐止水/流量操作部22の外側の段部が係合するようになっている。また、カバー32の側面2箇所には、長孔32b(1つのみ図示)が形成されており、主弁体押え部材28の側面2箇所から外方に突出した爪部28d(1つのみ図示)を受け入れるようになっている。さらに、舌部32cが、カバー32の下端2箇所から下方に延びており、この舌部32cにも長孔32dが夫々形成されている。この長孔32dは、バルブ台座部材30の上部側面2箇所から外方に突出した爪部30cを受け入れるようになっている。各長孔32b、32dが各爪部28d、30cを夫々受け入れることにより、主弁体押え部材28及びバルブ台座部材30は、カバー32の中の適所に保持される。また、これにより、ガイド部材24及び操作力伝達部材26も、吐止水/流量操作部22と主弁体押え部材28の間に挟まれて適所に保持される。
吐止水/流量操作部22及びガイド部材24は、カバー32によって、上下方向の平行移動及び軸線を中心とする回転可能に保持される。操作力伝達部材26はガイド部材24に対する回転が拘束されているので、吐止水/流量操作部22及びガイド部材24が回転されると、操作力伝達部材26はそれらと共に回転される。また、操作力伝達部材26は、その鍔部26bの最外周部が、カバー32の内側の段部32eと係合しているので、上下方向の平行移動はカバー32によって拘束されている。さらに、カバー32の段部32eには、ストッパー手段であるストッパー32fが形成されており、このストッパー32fは、操作力伝達部材26の外周部に設けられたストッパー当接手段である第1ストッパー当接部26f及び第2ストッパー当接部26gと当接するようになっている。従って、操作力伝達部材26のカバー32に対する回転は、ストッパー32fの一方の端部と第1ストッパー当接部26fが当接する位置から、ストッパー32fの他方の端部と第2ストッパー当接部26gが当接する位置までの範囲に限定される。吐止水/流量操作部22及びガイド部材24の操作力伝達部材26に対する回転は拘束されているので、吐止水/流量操作部22及びガイド部材24の回転もこの範囲に限定される。本実施形態において、ストッパー32f、第1ストッパー当接部26f及び第2ストッパー当接部26gは、回転制限手段を構成する。
また、カバー32の底部32gの一部は、主弁体押え部材28と直接当接するように構成されている。このため、締付けナット21によって開閉弁装置20を本体部10に取り付ける際に、締付けナット21がカバー32を下方に押さえつけたとしても、カバー32と主弁体押え部材28の間には所定の隙間が確保されるので、操作力伝達部材26の鍔部26bがカバー32と主弁体押え部材28の間に挟まれて、操作力伝達部材26の回転が阻害されることはない。
押し棒38は、その上端がガイド部材24の中心に取り付けられ、下端は、操作力伝達部材26のボア26eの中へ延びている。押し棒38とボア26eの間には、Oリング52が配置され、圧力室内部の水密性が確保されている。押し棒38の下端には拡張部38aが形成されている。
パイロット弁40は概ね円柱状の形状を有し、操作力伝達部材26のボア26eの中に配置されている。パイロット弁40の内部には中空部40aが形成されており、中空部40aは、押し棒38下端の拡張部38aを摺動可能に受け入れている。また、中空部40aの中には、コイルバネ54が配置されており、押し棒38を、パイロット弁40に対して上方に付勢している。また、パイロット弁40の下端には、パッキン42が取り付けられている。パイロット弁40が下方に押し下げられると、パッキン42が主弁体34に当接して、圧力開放穴34aを閉鎖するように構成されている。
なお、本実施形態においては、主弁体34の上側の面、主弁体押え部材28の内壁面、及び操作力伝達部材26のボア26eの内壁によって囲まれた空間が、圧力室として作用する。主弁体34と主弁体押え部材28の間は、主弁体34のダイヤフラム部34bの最外周部が、主弁体押え部材28の環状の溝28cの中に嵌め込まれることによって水密性が確保されている。また、主弁体押え部材28と操作力伝達部材26の間の水密性はOリング48によって、操作力伝達部材26のボア26eと押し棒38の間の水密性はOリング52によって水密性が確保されている。流量調整部材36は、このように水密性が確保された圧力室の内部に配置されているので、流量調整部材36と他の部材との間の水密性を確保する必要はなく、流量調整部材36にOリング等の部材を取り付ける必要はない。
次に、図8を参照して、ハートカム機構について説明する。ハートカム機構は操作力伝達部材26の上側部26aに形成されたハートカム溝26dと、ガイド部材24に保持されたピン部材44によって構成される。ハートカム機構は、ピン部材44の下端の内側に折り曲げられた端部44aが、ハートカム溝26d内の種々の位置を取ることによって、吐止水/流量操作部22を所定の位置に保持するものである。まず、開閉弁装置20が止水状態にある場合には、ピン部材44の端部44aは、ハートカム溝26dのAの位置に保持されている。次いで、付勢用バネ46の付勢力に抗して、吐止水/流量操作部22を最大押し込み位置まで押し込むと、ピン部材44は吐止水/流量操作部22と共に押し下げられ、ピン部材44の端部44aは、ハートカム溝26dの下方のBの位置に移動する。この状態で吐止水/流量操作部22から手を放すと、吐止水/流量操作部22は、付勢用バネ46の付勢力によって、吐止水/流量操作部22の外側の段部とカバー32の縁部32aが係合する位置まで押し上げられる。このとき、ピン部材44の端部44aは、ハートカム溝26dの上方のCの位置に移動し、開閉弁装置20は、吐水状態となる。この吐水状態から、付勢用バネ46の付勢力に抗して、吐止水/流量操作部22を最大押し込み位置まで押し込むと、ピン部材44は吐止水/流量操作部22と共に押し下げられ、ピン部材44の端部44aは、ハートカム溝26dの下方のDの位置に移動する。この状態で吐止水/流量操作部22から手を放すと、吐止水/流量操作部22は、付勢用バネ46の付勢力によって上方に押し上げられるが、この際、ピン部材44の端部44aが、ハートカム溝26dのAの位置に保持されるため、吐止水/流量操作部22もこの位置に保持され、止水状態となる。
次に、図5、図6、図13及び図14を参照して、本発明の第1実施形態による水栓装置1の作用を説明する。図6は、止水状態にある開閉弁装置20を示し、図5は吐水流量を最大にした吐水状態の開閉弁装置20を示し、図13はこの状態における図5のXIII−XIII断面を示す図である。また、図14(a)は、吐水流量を最少にした吐水状態の開閉弁装置20の全断面図であり、(b)はこの状態における(a)のXIVb−XIVb断面を示す図である。
まず、図6に示す止水状態においては、ピン部材44の端部44aは、ハートカム溝26dのAの位置に保持されており、この位置では、ハンドル部12は、図2(a)に示す引っ込んだ状態にある。また、この位置では、パイロット弁40のパッキン42は、主弁体34に当接して、圧力開放穴34aを閉鎖している。圧力開放穴34aが閉鎖された状態においては、流入口30aから穴34cを通って圧力室内に流入した水は、流出することができないので、圧力室内の圧力が高くなり、主弁体34は弁座30bに押し付けられて着座し、開閉弁装置20が閉鎖される。
次に、ハンドル部12を一旦押圧して手を放すと、ピン部材44の端部44aは、ハートカム溝26dのCの位置に移動し、図5に示すように、吐止水/流量操作部22も上方に移動する。このとき、ハンドル部12は、図2(b)に示す突出した状態になる。この状態では、パイロット弁40も押し棒38によって吐止水/流量操作部22と共に上方に引き上げられるので、パイロット弁40のパッキン42は、主弁体34から離れ、圧力開放穴34aが開放される。圧力開放穴34aが開放された状態では、穴34cを通って圧力室内に流入した水は、圧力開放穴34aを通って流出するので、圧力室内の圧力は低下する。圧力室内の圧力が低下すると、主弁体34を弁座30bに押し付ける力が作用しなくなり、主弁体34は上方に移動する。上方に移動した主弁体34は、圧力室内に配置されている流量調整部材36に当接した位置で保持される。主弁体34が弁座30bから離れて開閉弁装置20が開くと、流入口30aから流入した水は、弁座30bを通って下方に流出し、スパウト部9の吐水口から吐水される。
図5に示す吐水状態では、流量調整部材36は、圧力室内で最も上方の位置にあるので、流量調整部材36に当接する位置にある主弁体34は、弁座30bから最も離れた位置にある。この状態では、開閉弁装置20からの吐水流量が最も多くなる。また、図5に示す流量調整部材36が最も上方の位置にある状態では、図13に示すように、カバー32のストッパー32fの一方の端部と、操作力伝達部材26の第2ストッパー当接部26gが当接するので、カバー32に対して操作力伝達部材26を、流量調整部材36を上方に移動させる方向にそれ以上回転させることができなくなる。即ち、操作力伝達部材26は、流量調整部材36が上方に移動して主弁体押え部材28の内壁面に当接することによってそれ以上回転させることができなくなるのではなく、第2ストッパー当接部26gとストッパー32fが当接することによって回転が制限される。このため、操作力伝達部材26の下側部26cの雄ネジ山及び流量調整部材36の雌ネジ部36bに大きな力が作用することはない。
吐水状態において、ハンドル部12を回転させると、ハンドル部12に固定された吐止水/流量操作部22、吐止水/流量操作部22に固定されたガイド部材24、及びガイド部材24に対する回転が拘束された操作力伝達部材26も共に回転される。操作力伝達部材26が回転されると、内周が操作力伝達部材26の下側部26cに螺合され、外周が主弁体押え部材28のスプライン28bによって回転を拘束されている流量調整部材36は、圧力室の内部で上下方向に平行移動される。図5及び図13に示す状態から、ハンドル部12を右に回転させると、操作力伝達部材26も右に回転し、流量調整部材36は下方に移動する。操作力伝達部材26を右に回転させていくと、図14(b)に示すように、操作力伝達部材26の第1ストッパー当接部26fは、カバー32のストッパー32fの他方の端に当接し、これ以上右に回転させることができなくなる。即ち、操作力伝達部材26は、流量調整部材36を下方に移動させて主弁体34を弁座30bに押し付けることによってそれ以上回転させることができなくなるのではなく、第1ストッパー当接部26fとストッパー32fが当接することによって回転が制限される。このため、操作力伝達部材26の下側部26cの雄ネジ山及び流量調整部材36の雌ネジ部36bに大きな力が作用することはない。
ハンドル部12を最も右に回転させた状態では、図14(a)に示すように、流量調整部材36は、最も下方の位置に移動する。図14(a)に示す状態では、流量調整部材36に当接する主弁体34は、弁座30bに非常に近い位置に保持されるので、主弁体34の圧力開放穴34aが開放された開弁状態であっても、開閉弁装置20から吐水される流量は非常に少なくなる。本実施形態においては、第1ストッパー当接部26fにより、流量調整部材36が最も下方に位置する状態においても、主弁体34が非着座状態にあるように、操作力伝達部材26の回転を制限している。本明細書において、非着座状態とは、主弁体34と弁座30bが接触せずに僅かに隙間がある状態、若しくは、主弁体34と弁座30bが接触していても、開閉弁装置20が吐水状態にあることを使用者がはっきり認識できる程度の流量で吐水される状態を意味するものとする。本実施形態においては、第1ストッパー当接部26f及びストッパー32fにより、吐水流量を最も少なくした状態においても、毎分約1リットルの水が吐水されるように、操作力伝達部材26の回転を制限している。このため、吐水量を最も絞った状態においても、開閉弁装置20が吐水状態にあることが、水栓装置1の使用者にはっきり認識される。
次に、吐水状態において、ハンドル部12を再び押圧操作すると、ピン部材44の端部44aは、ハートカム溝26dのAの位置に移動し、図6に示すように、吐止水/流量操作部22も下方に移動する。このとき、ハンドル部12は、図2(a)に示す引っ込んだ状態になる。この状態では、パイロット弁40も押し棒38によって吐止水/流量操作部22と共に下方に押し下げられるので、パイロット弁40のパッキン42が主弁体34の圧力開放穴34aを閉鎖し、主弁体34も閉鎖され、止水状態となる。また、流量調整部材36の位置は、ハンドル部12の押圧操作によって変化しないので、ハンドル部12をもう一度押圧操作して、開閉弁装置20を吐水状態としたときには、前回設定された吐水流量で吐水される。
本発明の第1実施形態の水栓装置によれば、回転制限手段であるストッパー32f、第1ストッパー当接部26f及び第2ストッパー当接部26gによって操作力伝達部材26の回転を所定の範囲に制限しているので、これと連動する吐止水/流量操作部22の回転、及び、流量調整部材36の平行移動も所定範囲に制限される。このため、流量調整部材36が主弁体34又は主弁体押え部材28に当接して移動できなくなることにより、流量調整部材36と螺合された操作力伝達部材26の回転が拘束されるということがないので、流量調整部材36と操作力伝達部材26を螺合させているネジ山に大きな力が作用することがない。これにより、これらの部材を樹脂で形成することも可能になる。さらに、流量調整部材36及び操作力伝達部材26を小型化することにより、開閉弁装置、水栓装置を小型化することも可能になる。
また、本発明の第1実施形態の水栓装置によれば、吐水流量を最も少なく調整したときにも主弁体が非着座状態にあるように、操作力伝達部材26の回転を所定の範囲に制限しているので、使用者は、吐水流量を最も少なく調整したときにも吐水状態にあることを認識することができる。これにより、水栓装置の誤操作を防止することができる。
上述した第1実施形態では、水栓装置は、温調操作部及びスパウト部を備えていたが、温調操作部は省略することもできる。また、水栓装置は、スパウト部に加えて、或いは、スパウト部の代りにシャワーヘッドを備えていても良い。
また、上述した第1実施形態では、操作力伝達部材と流量調整部材が螺合され、流量調整部材は主弁体押え部材に構成されたスプラインによってその回転を拘束されていたが、変形例として、この関係を逆にすることもできる。即ち、操作力伝達部材と流量調整部材の間にスプラインを形成してそれらの間の相対的な回転を拘束し、流量調整部材の外周に雄ネジを、主弁体押え部材に雌ネジを形成してそれらを螺合させても良い。この変形例においては、回転操作によって操作力伝達部材が回転されると、流量調整部材も共に回転され、流量調整部材の外周のネジの作用によって流量調整部材が平行に移動される。
次に、図15を参照して、本発明の第2実施形態の水栓装置を説明する。本発明の第2実施形態の水栓装置は、その流調操作部の、吐止水切り替え用の操作部と流量調整用の操作部が別に構成されている点が第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図15は、本発明の第2実施形態による水栓装置の流調操作部を示す拡大断面図である。
図15に示すように、本実施形態の水栓装置の流調操作部60は、本体部10と、この本体部に受け入れられた開閉弁装置62とを有する。また、本体部10には、温調操作部(図示せず)で温度調整された水を流調操作部60に流入させる流入配管10aと、流調操作部60で流量を調整した水を流出させる流出配管10bが接続される。また、開閉弁装置62は、吐止水操作部64と、流量操作部66と、主弁体34と、主弁体押え部材68と、バルブ台座部材30と、を有する。また、開閉弁装置62は、吐止水操作部64の操作によって上下に移動する押し棒38と、押し棒38の先端に取り付けられたパイロット弁40と、パイロット弁40の先端に取り付けられたパッキン42と、を有する。さらに、開閉弁装置62は、圧力室の外部から内部に伸びるように配置された円筒状の流量調整部材70と、流量操作部66に取り付けられ、流量操作部66に加えられた操作力を流量調整部材70に伝達する円筒状の操作力伝達部材72と、操作力伝達部材72の下端に配置され、圧力室の上側壁面を構成する圧力室形成部材74と、を有する。
操作力伝達部材72は、流量操作部66が回転操作されると、共に回転するように流量操作部66に取り付けられている。操作力伝達部材72の外周部には雄ネジ山が形成され、流量調整部材70の内周部に形成された雌ネジ山と螺合されている。この操作力伝達部材72の外周部に形成された雄ネジ山及び流量調整部材70の内周部に形成された雌ネジ山は、流量調整部材移動機構を構成する。圧力室形成部材74は、操作力伝達部材72の下端及び流量調整部材70の内周面と当接するように配置され、圧力室の上側の壁面を構成している。
主弁体押え部材68は円筒状の形状を有し、バルブ台座部材30と螺合され、それらの間に主弁体34を挟み付けることによって主弁体34を固定している。また、主弁体押え部材68の上端部には、ストッパー68aが形成され、このストッパー68aは、流量操作部66の下端面に形成された環状の溝66aの中に受け入れられている。また、流量操作部66の環状の溝66aの円周上の一部には、ストッパー68aと当接するストッパー当接部(図示せず)が形成されている。流量操作部66の回転は、回転制限手段を構成するストッパー68a及び当接するストッパー当接部(図示せず)により所定の範囲に制限されている。
押し棒38は、吐止水操作部64の中心軸線上に配置され、吐止水操作部64の押圧操作とともに上下に移動されるように、その上端部が吐止水操作部64に取り付けられている。押し棒38の下端部は圧力室形成部材74の中央部に形成されたボア74aの内部に延びている。パイロット弁40はボア74aの内部に配置され、押し棒38の下端に連結されている。パッキン42は、パイロット弁40の下端に取り付けられている。
本実施形態の開閉弁装置においては、圧力室は、主弁体34の上側面、主弁体押え部材68の内周面、流量調整部材70の下端部、及び圧力室形成部材74の下側面で構成されている。主弁体押え部材68と流量調整部材70の間の水密性は、それらの間に配置されたOリング76aにより、流量調整部材70と圧力室形成部材74の間はOリング76bにより、押し棒38と圧力室形成部材74の間はOリング76cによりそれぞれ確保されている。
また、吐止水操作部64と圧力室形成部材74の間には、付勢バネ78aが配置され、吐止水操作部64を上方に付勢している。パイロット弁40の中空部40aにはコイルバネ78bが配置され、押し棒38の先端に対してパイロット弁40を下方に押し下げている。
次に、本発明の第2実施形態の水栓装置の作用を説明する。まず、図15に示す止水状態においては、主弁体34に形成された圧力開放穴34aは、パイロット弁40のパッキン42によって閉鎖されている。このため、主弁体34に形成された穴34cから圧力室内に流入した水は、流出することができず、圧力室内の圧力が高くなる。この圧力により、主弁体34は下方に押され、バルブ台座部材30に形成された弁座30bに着座される。
次に、吐止水操作部64を押圧操作すると、ハートカム機構(図示せず)によって図15に示す位置に保持されていた吐止水操作部64が、付勢バネ78aによって上方に押し上げられる。吐止水操作部64が上方の位置に移動すると、それに伴って押し棒38も上方に引き上げられ、これに連結されているパイロット弁40も上方に引き上げられる。パイロット弁40が上方に移動されると、主弁体34の圧力開放穴34aが開放され、圧力室内部の圧力が低下する。圧力室内部の圧力が低下すると、主弁体34は上方に移動されて弁座30bから離れ、吐水状態となる。上方に移動された主弁体34は、流量調整部材70の下端に当接して、その位置に保持される。
吐水状態において、流量操作部66を回転操作すると、これに連結されている操作力伝達部材72も同時に回転され、操作力伝達部材72に螺合されている流量調整部材70が、上方又は下方に平行移動される。流量調整部材70を最も上方に移動させた場合には、主弁体34は、吐水状態において弁座30bから最も離れた位置に保持されるので、吐水流量が最大になる。また、流量調整部材70を最も下方に移動させた場合には、主弁体34は、吐水状態において弁座30bに最も近い位置に保持されるので、吐水流量は最少になる。また、流量調整部材70の移動範囲は、主弁体押え部材68のストッパー68a及び流量操作部66のストッパー当接部(図示せず)により、流量調整部材70が主弁体34を弁座30bに着座させないように制限されている。なお、本実施形態においては、止水状態においても流量操作部66を回転操作して流量調整部材70を上下に移動させることができる。
吐水状態において、吐止水操作部64を再び押圧操作すると、吐止水操作部64は、ハートカム機構(図示せず)により図15に示す下方の位置に保持され、主弁体34の圧力開放穴34aがパイロット弁40のパッキン42によって閉鎖される。これにより、主弁体34が弁座30bに着座し、止水状態となる。
本発明の第2実施形態の水栓装置によれば、流量操作部66の操作により、主弁体34が弁座30bに着座されることがないので、使用者によるご操作を防止することができる。また、本実施形態の水栓装置によれば、流量操作部66の操作により流量調整部材70を下方に移動させて、主弁体34を弁座30bに押し付けることがないので、流量調整部材70の雌ネジ山に大きな力が作用するのを防止することができる。このため、流量調整部材70及び操作力伝達部材72を樹脂等で構成することも可能になる。
本発明の第1実施形態の水栓装置を組み込んだ流し台を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態の水栓装置の水栓本体部の拡大斜視図である。 本発明の第1実施形態の水栓装置の水栓本体部の断面図である。 本発明の第1実施形態の水栓装置に組み込まれている開閉弁装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態の水栓装置に組み込まれている開閉弁装置の吐水状態における断面図である。 本発明の第1実施形態の水栓装置に組み込まれている開閉弁装置の止水状態における断面図である。 ガイド部材の斜視図である。 操作力伝達部材の(a)斜視図、及び(b)上面図である。 主弁体押え部材の斜視図である。 流量調整部材の斜視図である。 主弁体の斜視図である。 カバーの(a)側方から見た斜視図、及び(b)は斜め下方から見た斜視図である。 図5のXIII−XIII線に沿って切断された断面を示す図である。 吐水流量を最少にした吐水状態の開閉弁装置の(a)全断面図、及び(b)(a)のXIVb−XIVb線に沿って切断された断面を示す図である。 本発明の第2実施形態の水栓装置に組み込まれている開閉弁装置の止水状態における断面図である。 従来の流量調整機能を有する開閉弁装置の断面図である。
符号の説明
1 本発明の第1実施形態の水栓装置
2 流し台
4 シンク部
6 温調操作部
8 流調操作部
10 本体部
12 ハンドル部
14 台座部
16 固定ナット
20 開閉弁装置
22 吐止水/流量操作部
22a ネジ部
22b 肩部
24 ガイド部材
26 操作力伝達部材
26d ハートカム溝
26e ボア
26f 第1ストッパー当接部
26g 第2ストッパー当接部
28 主弁体押え部材
28b スプライン
30 バルブ台座部材
32 カバー
32f ストッパー
34 主弁体
36 流量調整部材
36a スプライン
38 押し棒
40 パイロット弁
42 パッキン
44 ピン部材
46 付勢用バネ
48 Oリング
50 クリーニングピン
52 Oリング
54 コイルバネ
60 本発明の第2実施形態による水栓装置の流調操作部
62 開閉弁装置
64 吐止水操作部
66 流量操作部
68 主弁体押え部材
70 流量調整部材
72 操作力伝達部材
74 圧力室形成部材
100 従来の吐水装置

Claims (8)

  1. 止水状態と吐水状態を切り替え且つ吐水流量を調整することができる開閉弁装置であって、
    使用者の操作により、平行移動可能な吐止水操作部と、
    この吐止水操作部の操作により平行に移動され、止水状態と吐水状態を切り替える主弁体と、
    この主弁体が着座する弁座と、
    吐水状態となったとき上記主弁体と当接して上記主弁体と上記弁座の間の間隔を規制する流量調整部材と、
    使用者の操作により、回転可能な流量操作部と、
    この流量操作部の回転操作により、上記流量調整部材を移動させる流量調整部材移動機構と、
    上記流量操作部が回転可能な範囲を所定の範囲に制限する回転制限手段と、
    を有することを特徴とする開閉弁装置。
  2. 止水状態と吐水状態を切り替え且つ吐水流量を調整することができる開閉弁装置であって、
    使用者の操作により、平行移動及び回転可能な吐止水/流量操作部と、
    この吐止水/流量操作部の操作により平行に移動され、止水状態と吐水状態を切り替える主弁体と、
    この主弁体が着座する弁座と、
    吐水状態となったとき上記主弁体と当接して上記主弁体と上記弁座の間の間隔を規制する流量調整部材と、
    上記吐止水/流量操作部の回転操作により、上記流量調整部材を移動させる流量調整部材移動機構と、
    上記吐止水/流量操作部が回転可能な範囲を所定の範囲に制限する回転制限手段と、
    を有することを特徴とする開閉弁装置。
  3. 止水状態と吐水状態を切り替え且つ吐水流量を調整することができる開閉弁装置であって、
    圧力開放穴を備え、止水状態と吐水状態を切り替える主弁体と、
    この主弁体が着座する弁座と、
    使用者の操作により、平行移動及び回転可能な吐止水/流量操作部と、
    この吐止水/流量操作部の操作により平行に移動され、上記圧力開放穴を開閉するパイロット弁と、
    このパイロット弁によって上記圧力開放穴が閉鎖されると、内部の圧力が上昇して、上記主弁体を上記弁座の方へ移動させる圧力室と、
    この圧力室の内部に配置され、吐水状態となったとき上記主弁体と当接して上記主弁体と上記弁座の間の距離を規制する流量調整部材と、
    上記吐止水/流量操作部の回転操作により、上記流量調整部材を上記圧力室内で移動させる流量調整部材移動機構と、
    上記吐止水/流量操作部が回転可能な範囲を所定の範囲に制限する回転制限手段と、
    を有することを特徴とする開閉弁装置。
  4. 上記流量調整部材移動機構が、上記圧力室の外部から内部へ延び、且つ上記圧力室の内部で上記流量調整部材と係合する操作力伝達部材を有し、この操作力伝達部材を回転させると、上記流量調整部材が上記操作力伝達部材の回転の軸線方向に平行移動され、上記回転制限手段は、上記操作力伝達部材の回転を所定の範囲に制限することにより、上記吐止水/流量操作部が回転可能な範囲を制限する請求項3記載の開閉弁装置。
  5. 上記回転制限手段が、上記吐止水/流量操作部の回転操作により回転されないように配置されたストッパー手段と、上記操作力伝達部材に設けられ、上記ストッパー手段と当接するストッパー当接手段と、を有する請求項4記載の開閉弁装置。
  6. 上記回転制限手段は、吐水状態において吐水流量を最も少なく調整した場合においても、上記主弁体が上記弁座に接触しないように、上記吐止水/流量操作部の回転可能な範囲を制限する請求項2乃至5の何れか1項に記載の開閉弁装置。
  7. 上記回転制限手段は、吐水状態において吐水流量を最も少なく調整した場合においても、上記主弁体が非着座状態にあるように、上記吐止水/流量操作部の回転可能な範囲を制限する請求項2乃至5の何れか1項に記載の開閉弁装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の開閉弁装置と、
    この開閉弁装置を受け入れる水栓本体部と、
    この水栓本体部と連通する吐水口を備えたスパウト部又はシャワーヘッドと、
    を有することを特徴とする水栓装置。
JP2004074842A 2004-03-16 2004-03-16 開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置 Pending JP2005264459A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074842A JP2005264459A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074842A JP2005264459A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005264459A true JP2005264459A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35089297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004074842A Pending JP2005264459A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005264459A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046770A (ja) * 2005-07-12 2007-02-22 Inax Corp パイロット式吐止水・流調弁装置
JP2009109023A (ja) * 2005-07-12 2009-05-21 Inax Corp 弁装置
EP2530365B2 (de) 2011-05-31 2017-09-20 Hansgrohe SE Ventileinsatz für eine Sanitärarmatur
EP3420258B1 (de) 2016-02-22 2020-02-12 Neoperl GmbH Ventilbetätigungsvorrichtung
DE102019202273A1 (de) * 2019-02-20 2020-08-20 Hansgrohe Se Umstellventilvorrichtung

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046770A (ja) * 2005-07-12 2007-02-22 Inax Corp パイロット式吐止水・流調弁装置
JP2009109023A (ja) * 2005-07-12 2009-05-21 Inax Corp 弁装置
JP2009144925A (ja) * 2005-07-12 2009-07-02 Inax Corp パイロット式の弁装置
EP2530365B2 (de) 2011-05-31 2017-09-20 Hansgrohe SE Ventileinsatz für eine Sanitärarmatur
EP3420258B1 (de) 2016-02-22 2020-02-12 Neoperl GmbH Ventilbetätigungsvorrichtung
EP3420258B2 (de) 2016-02-22 2023-06-28 Neoperl GmbH Ventilbetätigungsvorrichtung
EP4219990A3 (de) * 2016-02-22 2023-10-18 Neoperl GmbH Ventilbetätigungsvorrichtung
DE102019202273A1 (de) * 2019-02-20 2020-08-20 Hansgrohe Se Umstellventilvorrichtung
EP3699465A1 (de) 2019-02-20 2020-08-26 Hansgrohe SE Umstellventilvorrichtung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3743006B2 (ja) 開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置
US7344088B2 (en) Dual-function valve with pressure adjustment and temperature control functions
CN107013703B (zh) 淋浴控制装置和淋浴装置
JP4915754B2 (ja) 弁装置
US10167963B1 (en) Precision ceramics control valve
JP4787050B2 (ja) パイロット式吐止水・流調弁装置
US10436332B2 (en) Fluid control valves
JPH0599368A (ja) サーモスタツト作動制御混合弁
JP2001098596A (ja) 吐水装置
JP4019426B2 (ja) 開閉弁装置
US7143997B2 (en) Plug assembly for a faucet to automatically stop water flow
JP4681945B2 (ja) 湯水混合栓
JP2005264979A (ja) 開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置
JP2005264459A (ja) 開閉弁装置及びそれを備えた水栓装置
JP2007032271A (ja) 水栓装置
JP2006266276A (ja) 自閉弁
JP3882192B2 (ja) 湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓
CA2979011C (en) Variable dual flow fitting
JP2005090737A (ja) 流体制御器
US11454333B2 (en) Valve controlled cartridge operated by a pushbutton for the mixing of water and/or for directing water coming from an inlet to one or more outlets
JP2006112611A (ja) 軽操作水栓
JP4883485B2 (ja) 湯水混合水栓及びそれを備えた吐水装置
JP2007048130A (ja) 減圧弁
JP2002106002A (ja) シングルレバー水栓
EP2354880A1 (en) Temperature controlled valve core