JP2005264190A - 腐食抑制剤 - Google Patents

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一 井芹
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Abstract

【課題】 水と接触する金属に対して優れた防食効果を発揮する腐食抑制剤を提供する。
【解決手段】 腐食抑制剤は、(メタ)アクリル酸系共重合体を含有してなる。(メタ)アクリル酸系共重合体は、(メタ)アクリル酸系単量体A)に由来する構造単位(a)、及び、モノエチレン性不飽和単量体(B)に由来する構造単位(b)を有する。構造単位(b)は、(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)に由来する構造単位(b1)を少なくとも含んでなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水と接触する金属に対して優れた防食効果を示す腐食抑制剤に関するものである。
石油精製プラント等の化学反応プラントや空調設備装置等の冷却水系等においては、水と接触する金属材料に腐食が発生しやすいため、腐食抑制剤として、リン酸塩、重合リン酸塩、ホスホン酸塩等のリン化合物や、亜鉛塩等の重金属化合物等が用いられている。しかしながら、リン化合物や重金属化合物を含む腐食抑制剤は、環境への影響が懸念されるために、使用が制限される、あるいは、冷却水の排出時に何らかの処理が必要となる等の問題がある。
リン化合物や重金属化合物を含まない腐食抑制剤として、例えば、特許文献1には、カルボキシル基を有する重合体を含む金属防食剤が開示されている。また、特許文献2には、アクリル酸又はアクリル酸のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩と、アクリル酸メチルとを共重合して得られるアクリル酸系共重合物を含有する金属防食剤が記載されている。
さらに、特許文献3には、末端にスルホン酸基を有し、重量平均分子量が500〜2800であるアクリル酸系重合体が水系腐食防止剤として、好適に用いられることが記載されている。
また、特許文献4には、スルホン酸基を有する単量体と、カルボキシル基を有する単量体とを共重合してなる共重合体、及び、重量平均分子量が2000以下のポリアクリル酸を含有する腐食防止用組成物が、金属に対して優れた防食効果を示すことが記載されている。
一方、特許文献5には、(メタ)アクリル酸系単量体と、モノエチレン性不飽和単量体とを共重合してなり、所定の構造を特定の割合で含有し、かつ末端にスルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸系共重合体が、水系の分散剤、スケール防止剤、洗剤ビルダー等の用途として、好適に用いられることが開示されている。
特開2001−254191号公報(公開日:2001年9月18日) 特開2001−329386号公報(公開日:2001年11月27日) 特開2002−294273号公報(公開日:2002年10月9日) 特開2002−371387号公報(公開日:2002年12月26日) 特開2002−3536号公報(公開日:2002年1月9日)
しかしながら、上記特許文献1の金属防食剤に含まれる重合体は、該文献の実施例に示されているように、重量平均分子量が3000よりも小さいという比較的小さい重量平均分子量に限定されている。重量平均分子量の小さい重合体の製造は、高分子量の重合体の製造に比較して、重合開始剤が多量に必要となる、あるいは、重合濃度を低くする必要があるため、工業的に不経済であるという問題がある。
また、上記特許文献2の金属防食剤に含まれるアクリル酸系共重合物は、スルホン酸基を有していない。そのため、硬度の高い水に添加された場合には、ゲル化や析出が生じやすく、より優れた腐食防止効果を得ることが困難となってしまう可能性がある。
さらに、上記特許文献3に記載の水系腐食防止剤として用いられているアクリル酸系重合体は、上記特許文献1と同様に、500〜2800という比較的小さい重量平均分子量に限定されている。このような重量平均分子量の小さいアクリル酸系重合体の製造は、高分子量のアクリル酸系重合体の製造に比較して、重合開始剤が多量に必要となる、あるいは、重合濃度を低くする必要があるため、工業的に不経済であるという問題がある。
また、上記特許文献4に記載の腐食防止用組成物を用いて優れた防食効果を得るためには、2種類の重合体を併用する必要があるという問題がある。
なお、上記特許文献5には、(メタ)アクリル酸系単量体と、モノエチレン性不飽和単量体とを共重合してなり、所定の構造を特定の割合で含有し、かつ末端にスルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸系共重合体を、防食剤として用いることについては、開示されていない。
それゆえ、工業生産に際して経済的に有利であって、かつ、高硬度の水に添加された場合にも、ゲル化や析出を生じることなく、金属に対して優れた腐食抑制効果を示す腐食抑制剤が求められている。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、高硬度の水中においても析出することなく、水と接触する金属に対して優れた防食効果を発揮し得る腐食抑制剤を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、モノエチレン性不飽和単量体を共重合してなる、(メタ)アクリル酸系重合体を含有してなる腐食抑制剤が、金属に対して優れた防食性を示すことから、石油精製プラントや空調設備等の水系の機器の配管等の腐食防止を目的として、この腐食抑制剤を好適に用いることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る腐食抑制剤は、上記課題を解決するために、(メタ)アクリル酸系共重合体を含有してなる腐食抑制剤であって、上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、一般式(1)
Figure 2005264190
(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、Xは、水素原子、金属原子、アンモニウム基、及び有機アミン基のうちのいずれかを表す)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、モノエチレン性不飽和単量体(B)に由来する構造単位(b)を有し、上記構造単位(b)は、一般式(2)
Figure 2005264190
(式中、R2は、水素原子又はメチル基を表し、Y及びZは、それぞれ独立して、水酸基、若しくは、スルホン酸基又はその塩であって、Y及びZのうちの少なくとも一方は、スルホン酸基又はその塩を表す)で表される構造を有する(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)に由来する構造単位(b1)を少なくとも含んでなり、上記(メタ)アクリル酸系共重合体中の、構造単位(a)と構造単位(b1)との合計量に対する上記構造単位(a)の含有率が86モル%以上99.5モル%以下であり、該合計量に対する上記構造単位(b1)の含有率が0.5モル%以上14モル%以下であることを特徴としている。
また、本発明に係る腐食抑制剤は、上記の腐食抑制剤において、上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、主鎖末端の少なくとも一方がスルホン酸基又はその塩であることが好ましい。
また、本発明に係る腐食抑制剤は、上記の腐食抑制剤において、上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、重量平均分子量が3000以上20000以下であることが好ましい。
本発明の腐食抑制剤は、以上のように、上記一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)と、上記一般式(2)で表される(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)に由来する構造単位(b1)を少なくとも含むモノエチレン性不飽和単量体(B)に由来する構造単位(b)と、を含んでなる(メタ)アクリル酸系共重合体を含み、構造単位(a)と構造単位(b1)との合計量に対する構造単位(a)の含有率が86モル%以上99.5モル%以下であり、該合計量に対する構造単位(b1)の含有率が0.5モル%以上14モル%以下であるアクリル酸系共重合体を含んでなるものである。
上記アクリル酸系共重合体は、硬度の高い水に添加された場合にも、析出することなく、優れた腐食防止効果を発揮することができる。従って、石油精製プラントや空調設備等の水系の機器を循環する冷却水等が繰り返し使用されることによって、これらの水に含まれる塩類等の無機物の濃度が増加して硬度が上昇した場合にも、上記アクリル酸系共重合体がゲル化する、あるいは、析出することはない。
それゆえ、上記アクリル酸系共重合体は、上記冷却水等と接触する配管等における金属面に対して、優れた防食効果を発揮する腐食抑制剤として用いることができるという効果を奏する。また、本発明の腐食抑制剤を用いれば、水系の機器の更新頻度や、該機器の部品の交換頻度を抑制して、機器の耐用年数を向上することが可能になる。さらに、これらの機器を安全に運転することにも寄与することができるという効果を奏する。
また、本発明の腐食抑制剤は、上記の腐食抑制剤において、上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、好ましくは、主鎖末端の少なくとも一方がスルホン酸基又はその塩である。そのため、より高硬度の水に添加された場合にも、(メタ)アクリル酸系共重合体のゲル化や析出を招くことなく、優れた腐食防止効果を発揮することができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下のとおりである。すなわち、本発明の腐食抑制剤は、少なくとも(メタ)アクリル酸系共重合体を含んでなる。該(メタ)アクリル酸系共重合体は、(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)と、モノエチレン性不飽和単量体(B)に由来する構造単位(b)とを有してなる。
上記(メタ)アクリル酸系単量体(A)は、一般式(1)
Figure 2005264190
(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、Xは、水素原子、金属原子、アンモニウム基、及び有機アミン基のうちのいずれかを表す)で表される構造を有する。
上記一般式(1)中、Xで表される金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属等を挙げることができる。また、Xで表される有機アミン基としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
従って、上記(メタ)アクリル酸系単量体(A)として具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの塩(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等)、等を挙げることができる。これらの化合物の中でも特に、アクリル酸、アクリル酸ナトリウムが好ましい。(メタ)アクリル酸系単量体(A)は、上記の化合物のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記モノエチレン性不飽和単量体(B)として、構造単位(b)は、少なくとも一般式(2)
Figure 2005264190
(式中、R2は、水素原子又はメチル基を表し、Y及びZは、それぞれ独立して、水酸基、若しくは、スルホン酸基又はその塩であって、Y及びZのうちの少なくとも一方は、スルホン酸基又はその塩を表す)で表される構造を有する(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)を含んでいる。
つまり、モノエチレン性不飽和単量体(B)は、前記(メタ)アクリル酸系単量体(A)と共重合可能なものであり、かつ、少なくとも上記一般式(2)で示される構造を有する(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)を含んでいる。該(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)の構造を表す一般式(2)中、Y及びZのうちの少なくとも一方は、スルホン酸基又はその塩であり、他方は、水酸基であってもよい。
上記Y及びZで表されるスルホン酸基の塩としては、1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン基の塩等を挙げることができる。上記1価金属塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩を挙げることができ、2価金属塩としては、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩等を挙げることができる。また、有機アミン基の塩としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
具体的には、上記(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)としては、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩、3−(メタ)アリルオキシ−1−ヒドロキシ−2−プロパンスルホン酸及びその塩等を挙げることができ、これらの中でも特に、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムが好ましい。上記(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)として、これらの化合物のうち、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、上記モノエチレン性不飽和単量体(B)には、上記(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)以外のモノエチレン性不飽和単量体(以下、その他のモノエチレン性不飽和単量体と記載する)が含まれていてもよい。その他のモノエチレン性不飽和単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸等の共役ジエンスルホン酸等のスルホン酸系単量体、及びそれらの塩;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸;3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン等のメタ)アリルオキシプロパン系化合物、及び、それらの化合物1モルに対してエチレンオキサイドを1モル〜200モル付加させた化合物(3−アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン等);(メタ)アリルアルコール、及び、(メタ)アリルアルコール1モルに対してエチレンオキサイドを1モル〜100モル付加させた化合物等のアリルエーテル系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;イソプレノール、及び、イソプレノール1モルに対してエチレンオキサイドを1モル〜100モル付加させた化合物等のイソプレン系単量体;等を挙げることができる。
上記のように、本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体は、上記(メタ)アクリル酸系単量体(A)とモノエチレン性不飽和単量体(B)とを共重合させてなる。従って、上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、上記一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、モノエチレン性不飽和単量体(B)に由来する構造単位(b)を有し、かつ、該構造単位(b)は、一般式(2)で表される構造を有する(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)に由来する構造単位(b1)を少なくとも含んでなる。
上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、該(メタ)アクリル酸系共重合体中の、構造単位(a)と構造単位(b1)との合計量に対する上記構造単位(a)の含有率の下限値が86モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、上記構造単位(a)の含有率の上限値が99.5モル%以下であり、より好ましくは95モル%以下であるとよい。また、(メタ)アクリル酸系共重合体中の、構造単位(a)と構造単位(b1)との合計量に対する上記構造単位(b1)の含有率の下限値が0.5モル%以上であり、より好ましくは5モル%以上であり、上記構造単位(b1)の含有率の上限値が14モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下であるとよい。
上記構造単位(a)が86モル%よりも少なく、上記構造単位(b1)が14モル%を超えると、腐食抑制効果が低下する。また、上記構造単位(b1)が0.5モル%よりも少なく、上記構造単位(a)が99.5モル%を超えると、耐ゲル性が低くなり、例えば、冷却水等として用いられることによって、冷却水中の無機物濃度が高まると、ゲル化して、腐食抑制効果を発揮することが困難となる。
また、上記モノエチレン性不飽和単量体(B)に、その他のモノエチレン性不飽和単量体が含まれている場合、該その他のモノエチレン性不飽和単量体の構造単位が、(メタ)アクリル酸系共重合体中の構造単位(a)と構造単位(b1)との合計量に対して、20モル%以下とすることが好ましく、より好ましくは、10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下とするのがよい。上記構造単位(a)と構造単位(b1)との合計量に対するその他のモノエチレン性不飽和単量体の構造単位が20モル%を超えると、腐食抑制効果が低下するため、好ましくない。
上記(メタ)アクリル酸系単量体(A)、及び、モノエチレン性不飽和単量体(B)を含む単量体成分を共重合して得られる(メタ)アクリル酸系共重合体は、主鎖末端の少なくとも一方がスルホン酸基又はその塩となっていることが好ましい。この場合、(メタ)アクリル酸系共重合体には、(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)に由来する構造単位(b1)に含まれるスルホン酸基と、主鎖末端のスルホン酸基とによって、耐ゲル性能を著しく向上することができる。これにより、硬度の高い水に添加された場合にも、ゲル化や析出を招くことなく、優れた腐食防止効果を発揮することができる。
また、上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、重量平均分子量Mwの下限値が3000以上であり、より好ましくは4000以上であり、上限値が20000以下であり、より好ましくは18000以下である。重量平均分子量Mwが上記の範囲外であると、腐食抑制効果が低下するため好ましくない。
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法は、上記(メタ)アクリル酸系単量体(A)、及び、モノエチレン性不飽和単量体(B)を含む単量体成分を共重合してなる。単量体成分の共重合に際しては、連鎖移動剤として亜硫酸塩を用いることが好ましい。これにより、得られる(メタ)アクリル酸系共重合体の主鎖末端にスルホン酸基を導入することができる。
上記亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられ、これらの中でも特に、亜硫酸水素ナトリウムが好適である。これらの亜硫酸塩は、それぞれ1種類又は2種類以上を併用して用いてもよい。
上記亜硫酸塩の使用量は、全単量体成分1モルあたり2g〜15gとすることが好ましく、4g〜11gとすることがより好ましい。亜硫酸塩の使用量が全単量体成分1モルに対して2g未満であると、重合体の主鎖末端に定量的にスルホン酸基を導入できなくなって好ましくない。一方、15gを超えると、余剰の亜硫酸塩が反応系中で分解され、亜硫酸ガスが発生することになるとともに、亜硫酸塩が無駄に消費されるため、経済的にも不利となるので、好ましくない。
さらに、上記共重合に際して、重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕等のアゾ化合物;過酸化水素、tert−ブチルヒドロキシパーオキシド等の過酸化物;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等から選ばれる1種または2種以上を用いればよい。このうち、上記重合開始剤としては、重合率を向上し、残存モノマー量を低減することができることから、過硫酸塩を用いることが特に好ましい。なお、重合開始剤の添加量は、通常、全単量体成分1モルあたり0.1g〜1000gであることが好ましい。
また、上記共重合に際しては、上記連鎖移動剤及び重合開始剤とともに、重合助剤を併用してもよい。重合助剤としては、例えば、鉄、モール塩(硫酸第1鉄アンモニウム6水和物)等の遷移金属化合物、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のメルカプト化合物;アスコルビン酸塩等を用いることができる。この重合助剤は、あらかじめ反応系内に仕込んでおけばよく、添加量は、通常、全単量体成分に対して、遷移金属化合物では0.1ppm〜50ppm、メルカプト化合物やアスコルビン酸塩等では、0.1重量%〜5重量%であることが好ましい。
上記共重合は、上記各単量体成分、連鎖移動剤、及び重合開始剤を、それぞれ所定の滴下時間をかけて別々に連続滴下または分割投入することが好ましい。滴下時間は、適宜設定すればよいが、好ましくは30分〜480分、さらに好ましくは45分〜240分とするとよい。滴下時間が長すぎると、生産性が低下するため好ましくなく、滴下時間が短すぎると、(メタ)アクリル酸系共重合体の主鎖末端へのスルホン酸基の導入を効果的に行うことが困難となるので好ましくない。また、上記の各成分の滴下速度は、滴下開始から終了まで一定速度であってもよいし、必要に応じて、時間の経過に伴って滴下速度を変化させるようにしてもよい。
上記単量体成分を共重合させる際の重合方法としては、例えば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合方法を用いることができる。上記共重合の際の反応温度は、特に限定はされないが、好ましくは50℃〜150℃、より好ましくは70℃〜120℃であり、最も好ましくは80℃〜110℃とするとよい。反応温度が50℃未満であると、共重合における反応性が低下して未反応モノマーが増加する等の傾向があり、150℃を超えると、副反応が多くなって反応制御が困難になる等の傾向があるので、好ましくない。なお、上記共重合反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、大気下で行ってもよい。
上記共重合反応を行う際に用いる溶媒としては、共重合反応が進行する溶媒であればよく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜4のアルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等を好適に用いることができる。これらの溶媒は、1種のみを用いた単独溶媒であってもよく、2種以上を混合した混合溶媒であってもよい。上記溶媒のうち、有機溶媒を含まない水を用いることが最も好ましい。
また、上記共重合反応にて、生産性を向上するためには、反応系内に投入する全ての固形成分が10重量%以上の濃度となるようにすることが好ましく、より好ましくは20重量%以上の濃度であり、最も好ましくは40重量%以上の濃度である。つまり、重合反応が終了した時点での固形分濃度が10重量%以上となっていることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸系共重合体を含んでなる本発明の腐食抑制剤は、石油精製プラントや空調設備等の水系の機器で用いられる冷却水等の金属に接触する水に添加することにより、金属の腐食抑制効果を示するものである。従って、本発明の腐食抑制剤を用いれば、水に接触する金属の腐食を抑制することができるので、水系の機器の安全運転に寄与することができる。また、上記腐食抑制剤を用いることにより、腐食による水系の機器の更新頻度や、該機器の部品の交換頻度を抑制して、該機器の耐用年数を向上することができる。
さらに、本発明の腐食抑制剤は、高硬度の水においても好適に用いることができる。それゆえ、装置内を循環して繰り返し使用される冷却水等のように、給水量や排出水量を低減することにより、水に含まれる無機物の濃度が徐々に高くなることが想定される場合にも、金属の腐食抑制効果を得ることができる。
すなわち、開放循環式冷却水系等にて、冷却水の一部を蒸発させることによって冷却を行う場合、蒸発分を補うために補給された水に含まれる無機物が、徐々に濃縮されることになる。それゆえ、上記冷却水系では、通常、循環して使用される冷却水の一部を排出することによって、無機物の濃度が調整されている。従って、上記冷却水系に補給される給水量が低減される、あるいは、冷却水の排出量が低減されると、冷却水中の無機物の濃度が高くなる。それゆえ、冷却水中の無機物の濃度が高い場合にも、ゲル化や無機物の析出を生じることなく好適に用いることができる本発明の腐食抑制剤を冷却水に添加すれば、工業用水の使用量及び工業廃水の量を低減することができる。これにより、近年、社会問題化している環境問題に配慮することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、重量平均分子量Mwの測定、防食性能試験は、次のように測定した。
〔重量平均分子量Mwの測定〕
重合体の重量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定した。該GPC測定には、昭和電工(株)製のGPC装置(Shodex SYSTEM-21(検出器;RI,UV(検出波長:220nm)))を用いて、次の条件で測定を行った。すなわち、カラムとして、Asahipak GF-710 HQ及びAsahipak GF-310 HQをこの順に接続したものを用いた。溶離液として、酢酸ナトリウム3水和物(試薬特級)27.22gに脱イオン水を加えて全量を2000gとした酢酸ナトリウム水溶液に、さらにアセトニトリル670g(試薬特級)を添加した溶液を用いた。溶離液の流速は0.5mL/minとし、温度は40℃とした。検量線は、ポリエチレングリコール標準サンプル(ジーエルサイエンス(株)製)を用いて作成した。
〔防食性能試験〕
後述する腐食抑制剤及び比較腐食抑制剤の防食性能試験は、次のように行った。すなわち、寸法が40mm×25mm×1mm、表面積が0.213dm2の低炭素鋼(JIS G3141SPCC-SB)を#400研磨し、さらに硝酸処理を施して上記低炭素鋼表面の酸化皮膜を除去した試験片を、トルエン脱脂して重量を測定し、該重量を試験前重量とした。次いで、開放容器に、表1に示す水質の試験水200mLと、固形分換算で表3に示す添加濃度となるように腐食抑制剤又は比較腐食抑制剤とを入れ、その中に上記試験片を浸漬して、緩やかに撹拌しながら40℃で2日間保った。
Figure 2005264190
上記試験片を浸漬してから2日後に、該試験片を取り出し、試験片表面に付着した腐食生成物を酸で洗浄して除去して乾燥した後の試験片の重量を測定し、該重量を試験後重量とした。その後、腐食試験による試験片の重量変化から、次式により、腐食速度(mdd)を計算し、防食性能を評価した。
Figure 2005264190
還流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5LのSUS製のセパラブルフラスコに、脱イオン水328.5gを仕込み、撹拌しながら沸点で還流状態(以下、この状態を沸点還流状態と記載)となるように昇温して重合反応系とした。次いで、撹拌下、沸点還流状態の上記重合反応系中に、80重量%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと記載)20.7gと37重量%アクリル酸ナトリウム水溶液(以下、37%SAと記載)412.9gとの混合水溶液(総重量433.6g)、25重量%の3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下、25%HAPSと記載)131.2g、35重量%過酸化水素水溶液(以下、35%HPと記載)28.7g(単量体成分中の単量体1モルに対して5gに相当)、15重量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと記載)41.5g(単量体成分中の単量体1モルに対して3.1gに相当)、脱イオン水47.4gを、それぞれ別個のノズルから滴下して、反応溶液とした。反応溶液中に含まれる全単量体成分に対する各単量体の仕込み組成比(モル%)は、表2に示すとおりである。
なお、上記の各水溶液及び脱イオン水の滴下時間は、上記80%AAと37%SAとの混合水溶液を120分間とし、25%HAPSを90分間とし、35%HPを120分間とし、15%NaPS及び脱イオン水をそれぞれ140分間とした。また、各水溶液及び脱イオン水の滴下速度は一定とし、該各水溶液及び脱イオン水の滴下は連続的に行った。
上記15%NaPS及び脱イオン水の滴下終了後、さらに60分間、上記反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)し、重合反応を完結させた。このようにして、固形分濃度20重量%、最終中和度が92モル%の共重合体(以下、共重合体P1’)の水溶液を得た。共重合体P1’の重量平均分子量Mwを測定した結果を表2に示す。
さらに、上記共重合体P1’の水溶液を、腐食抑制剤(以下、腐食抑制剤P1)として用いて、防食性能試験を行った。その結果を表3に示す。
還流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5LのSUS製のセパラブルフラスコに、脱イオン水260g及びモール塩0.0293gを仕込み、撹拌しながら90℃まで昇温して重合反応系とした。次いで、撹拌下、約90℃に保たれた上記重合反応系中に、35重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、35%SBS)182.9g(単量体成分中の単量体1モルに対して8gに相当)の滴下を開始した。続いて、該35%SBSの滴下開始から10分後に、80%AA(695.9g)、40%の3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下、40%HAPSと記載)146.1g、15%NaPS(106.7g;単量体成分中の単量体1モルに対して2gに相当)をそれぞれ別個の滴下ノズルから滴下して、反応溶液とした。反応溶液中に含まれる全単量体成分に対する各単量体の仕込み組成比(モル%)は、表2に示すとおりである。
なお、上記の各水溶液の滴下時間は、上記35%SBS及び80%AAをそれぞれ180分間とし、40%HAPSを170分間とし、15%NaPSを190分間とした。また、各水溶液の滴下速度は一定とし、各水溶液の滴下は連続的に行った。
上記15%NaPSの滴下終了後、さらに30分間、上記反応溶液を90℃に保持(熟成)し、重合反応を完結させた。重合完結後、上記反応溶液を放冷し、該反応溶液を撹拌しながら、48重量%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと記載)613.3gを徐々に滴下して、反応溶液を中和した。このようにして、固形分濃度50重量%、最終中和度が97モル%の共重合体(以下、共重合体P2’)の水溶液を得た。共重合体P2’の重量平均分子量Mwを測定した結果を表2に示す。
さらに、上記共重合体P2’の水溶液を、腐食抑制剤(以下、腐食抑制剤P2)として用いて、防食性能試験を行った。その結果を表3に示す。
還流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5LのSUS製のセパラブルフラスコに、脱イオン水156g及びモール塩0.0265gを仕込み、撹拌しながら90℃まで昇温して重合反応系とした。次いで、撹拌下、約90℃に保たれた上記重合反応系中に、35%SBS(182.9g;単量体成分中の単量体1モルに対して8gに相当)の滴下を開始した。続いて、該35%SBSの滴下開始から10分後に、80%AA(689.4g)と37%SA(56g)との混合水溶液(総重量745.4g)、40%HAPS(65.4g)、15%NaPS(106.7g;単量体成分中の単量体1モルに対して2gに相当)をそれぞれ別個の滴下ノズルから滴下して、反応溶液とした。反応溶液中に含まれる全単量体成分に対する各単量体の仕込み組成比(モル%)は、表2に示すとおりである。
なお、上記の各水溶液の滴下時間は、上記80%AAと37%SAとの混合水溶液及び35%SBSの滴下時間をそれぞれ180分間とし、40%HAPSを170分間とし、15%NaPSを190分間とした。また、各水溶液の滴下速度は一定とし、各水溶液の滴下は連続的に行った。
上記15%NaPSの滴下終了後、さらに30分間、上記反応溶液を90℃に保持(熟成)し、重合反応を完結させた。重合完結後、上記反応溶液を放冷し、該反応溶液を撹拌しながら、48%NaOH(613.4g)を徐々に滴下して、反応溶液を中和した。このようにして、固形分濃度50重量%、最終中和度が97モル%の共重合体(以下、共重合体P3’)の水溶液を得た。共重合体P3’の重量平均分子量Mwを測定した結果を表2に示す。
さらに、上記共重合体P3’の水溶液を、腐食抑制剤(以下、腐食抑制剤P3)として用いて、防食性能試験を行った。その結果を表3に示す。
還流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5LのSUS製のセパラブルフラスコに、脱イオン水516gを仕込み、撹拌しながら沸点還流状態になるまで昇温して重合反応系とした。次いで、撹拌下、沸点還流状態の上記重合反応系中に、80%AA(15.9g)と37%SA(319.2g)との混合水溶液(総重量335.1g)、25%HAPS(112g)、35%HP(23.2g;単量体成分中の単量体1モルに対して5gに相当)、15%NaPS(32.4g;単量体成分中の単量体1モルに対して3.1gに相当)、脱イオン水204.5gをそれぞれ別個の滴下ノズルから滴下して、反応溶液とした。反応溶液中に含まれる全単量体成分に対する各単量体の仕込み組成比(モル%)は、表2に示すとおりである。
なお、上記の各水溶液及び脱イオン水の滴下時間は、上記80%AAと37%SAとの混合水溶液及び35%HPをそれぞれ120分間とし、25%HAPSを90分間とし、15%NaPS及び脱イオン水をそれぞれ140分間とした。また、各水溶液及び脱イオン水の滴下速度は一定とし、各水溶液及び脱イオン水の滴下は連続的に行った。
上記15%NaPS及び脱イオン水の滴下終了後、さらに60分間、上記反応溶液を沸点還流状態で保持(熟成)し、重合反応を完結させた。このようにして、固形分濃度14重量%、最終中和度が95モル%の共重合体(以下、共重合体P4’)の水溶液を得た。共重合体P4’の重量平均分子量Mwを測定した結果を表2に示す。
さらに、上記共重合体P4’の水溶液を、腐食抑制剤(以下、腐食抑制剤P4)として用いて、防食性能試験を行った。その結果を表3に示す。
〔比較例1〕
還流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5LのSUS製のセパラブルフラスコに、脱イオン水106.4g及びモール塩0.1253gを仕込み、撹拌しながら90℃まで昇温して重合反応系とした。次いで、撹拌下、約90℃に保たれた上記重合反応系中に、35%SBS(457.1g;単量体成分中の単量体1モルに対して25gに相当)の滴下を開始した。続いて、該35%SBSの滴下開始から10分後に、80%AA(576g)、48%NaOH(26.7g)、25重量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、25%NaPSと記載)128g(単量体成分中の単量体1モルに対して5gに相当)をそれぞれ別個の滴下ノズルから滴下して、反応溶液とした。反応溶液中に含まれる単量体成分の仕込み組成比(モル%)は、表2に示すとおりである。
なお、上記の各水溶液の滴下時間は、上記35%SBS、80%AA、48%NaOHをそれぞれ180分間とし、25%NaPSを190分間とした。また、各水溶液の滴下速度は一定とし、各水溶液の滴下は連続的に行った。
上記25%NaPSの滴下終了後、さらに30分間、上記反応溶液を90℃に保持(熟成)し、重合反応を完結させた。重合完結後、上記反応溶液を放冷し、該反応溶液を撹拌しながら、48%NaOH(485.3g)を徐々に滴下して、反応溶液を中和した。このようにして、固形分濃度45重量%、最終中和度が96モル%のポリアクリル酸ナトリウム(以下、比較重合体p1’)の水溶液を得た。比較重合体p1’の重量平均分子量Mwを測定した結果を表2に示す。
さらに、上記比較重合体p1’の水溶液を、比較腐食抑制剤(以下、比較腐食抑制剤p1)として用いて、防食性能試験を行った。その結果を表3に示す。
〔比較例2〕
還流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5LのSUS製のセパラブルフラスコに、脱イオン水635.3gを仕込み、撹拌しながら沸点還流状態になるまで昇温して重合反応系とした。次いで、撹拌下、沸点還流状態の上記重合反応系中に、37%SA(762.5g)、15%NaPS(25g;単量体成分中の単量体1モルに対して1.3g)、脱イオン水82.3をそれぞれ別個の滴下ノズルから滴下して、反応溶液とした。反応溶液中に含まれる単量体成分の仕込み組成比(モル%)は、表2に示すとおりである。
なお、上記の各水溶液及び脱イオン水の滴下時間は、上記37%SAの滴下時間を200分間とし、15%NaPS及び脱イオン水をそれぞれ205分間とした。また、各水溶液及び脱イオン水の滴下速度は一定とし、各水溶液及び脱イオン水の滴下は連続的に行った。
上記15%NaPS及び脱イオン水の滴下終了後、さらに30分間、上記反応溶液を沸点還流状態で保持(熟成)し、重合を完結させた。このようにして、固形分濃度19重量%、最終中和度が100モル%のポリアクリル酸ナトリウム(以下、比較重合体p2’)の水溶液を得た。比較重合体p2’の重量平均分子量Mwを測定した結果を表2に示す。
さらに、上記比較重合体p2’の水溶液を、比較腐食抑制剤(以下、比較腐食抑制剤p2)として用いて、防食性能試験を行った。その結果を表3に示す。
〔比較例3〕
腐食抑制剤又は比較腐食抑制剤を用いない以外は、上記した防食性能試験の手法で、試験片の防食性能を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2005264190
Figure 2005264190
本発明の腐食抑制剤は、石油精製プラント等の化学反応プラントや空調設備装置等に代表される、冷却水等を使用する水系の機器にて、水に接触する配管等の金属の腐食を抑制するために、好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. (メタ)アクリル酸系共重合体を含有してなる腐食抑制剤であって、
    上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、一般式(1)
    Figure 2005264190
    (式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、Xは、水素原子、金属原子、アンモニウム基、及び有機アミン基のうちのいずれかを表す)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、モノエチレン性不飽和単量体(B)に由来する構造単位(b)を有し、
    上記構造単位(b)は、一般式(2)
    Figure 2005264190
    (式中、R2は、水素原子又はメチル基を表し、Y及びZは、それぞれ独立して、水酸基、若しくは、スルホン酸基又はその塩であって、Y及びZのうちの少なくとも一方は、スルホン酸基又はその塩を表す)で表される構造を有する(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)に由来する構造単位(b1)を少なくとも含んでなり、
    上記(メタ)アクリル酸系共重合体中の、構造単位(a)と構造単位(b1)との合計量に対する上記構造単位(a)の含有率が86モル%以上99.5モル%以下であり、該合計量に対する上記構造単位(b1)の含有率が0.5モル%以上14モル%以下であることを特徴とする腐食抑制剤。
  2. 上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、主鎖末端の少なくとも一方がスルホン酸基又はその塩であることを特徴とする請求項1記載の腐食抑制剤。
  3. 上記(メタ)アクリル酸系共重合体は、重量平均分子量が3000以上20000以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の腐食抑制剤。
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