JP2005262779A - 相変化型光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 青色波長(405nm)において優れた記録特性を有する相変化型光情報記録媒体の提供。
【解決手段】 基板上に、少なくとも下部誘電体層、記録層、上部誘電体層、耐硫化バリア層、及び反射層がこの順に積層されてなり、前記記録層がInαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、かつ該記録層の膜厚が4〜20nmであることを特徴とする相変化型光情報記録媒体である。基板上に、少なくとも第1の記録層、及び第2の記録層がこの順に積層されてなり、レーザー照射方向前面に位置する第1記録層が、InαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、該第1記録層の膜厚が4〜12nmである相変化型光情報記録媒体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、相変化型光情報記録媒体(以下、「光情報記録媒体」と称することがある)
に関し、特に、青色波長(405nm)において優れた記録特性を有する相変化型光情報記録媒体に関する。
従来より、CD−R、CD−RW等の光ディスクは、ポリカーボネート等のプラスチックスの円形基板、又はその上に設けた記録層に、円周方向に沿って、音や文字、あるいは画像の信号を記録し、その面にアルミニウム、金、銀等の金属を蒸着、又はスパッタリングして反射層を形成した構成で使用されている。この場合、光ディスクの基板面側からレーザー光を入射して、信号の記録、再生が行われる。
一方、コンピューターメモリ、画像及び音声ファイル用メモリー、光カード等で扱う情報量が非常に増加しているため、DVD+RW、DVD−RW、DVD−RAMのような光ディスクの信号記録容量の増大及び信号情報の高密度化が進んでいる。現在、CDの記録容量は650MB程度、DVDでは4.7GB程度の容量であるが、更に高記録密度化が要求されている。
記録密度を高める方法として、光学系における光源の短波長化や対物レンズの開口数(NA:Numerical Aparture)の増大化が検討されているが、2次元方向の記録のみでは記録密度の向上が難しくなってきている。そこで、記録媒体の厚さ方向に記録層を多層化し、情報記録を蓄積する手法が検討されている。
このような多層化方法として、例えば、特許文献1などに記載されている技術がある。しかし、この例では、多層化の概念は記載されているものの、記録媒体に関する具体的な内容が記載されていないため、具現化の方法は不明である。一方、光の入射方向に相変化記録層を設ける多層記録方法が提案されている(特許文献2及び特許文献3参照)。これらは、いずれも、層構成が2層であり、光が最初に透過する層がSbSe、他の層がGeSbTe組成からなる構成の記録層を有するが、この構成の記録層の場合には、高速記録をする際に、記録感度が悪くなり高密度記録がしづらいという難点があった。
例えば、前記2層構成により記録層を多層化する場合には、第2記録層への光の照射向上、あるいは反射光の透過を向上させるために、光入射側の第1記録層の膜厚を極薄にする必要があり、その結果、光の透過性は増加するが、膜厚が不均一になったり、結晶化させる工程(初期化工程)で大きなパワーのレーザー出力が必要となったり、更には記録信号差が得られ難くなるなどの技術的に難しい問題があった。
一方、高速記録に適した記録材料として、共晶系近傍の組成を持つSbTe系の材料(ここでは、Sb60〜85Te15〜40の組成を持つ材料をいう)を主成分とし、上部誘電体層を20nm以下程度の薄い構成とした急冷タイプ構造が提案されている(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。
しかし、前記高速記録に向くと言われている相変化材料は、赤色波長においては好ましい材料であっても、青色波長に対しては優れた記録信号差を得ることができるものではない。具体的には、図3に、通常の共晶系(Sb75Te25)近傍の組成を持つSbTeの波長による光学特性の変化を示す。ここで、図3中、アモルファスn及びアモルファスkの表示は、レーザー照射により溶融状態まで加熱後、急冷却することでアモルファス状態となったアモルファス・マークを想定し、その光学定数n及び消衰係数kの値を示している。光学定数nの値を示す縦軸は左側であり、消衰係数kの値を示す縦軸を右軸にとっている。図3上の値はアモルファス状態である相変化記録材料の成膜後の測定値をプロットしている。また、結晶n及び結晶kの表示はレーザー照射により溶融状態まで加熱後、徐冷却することで結晶状態となった相変化記録膜の光学定数n及び消衰係数kの値を示している。実際には、初期化装置にて膜面を初期化し、測定値をプロットしている。光学定数n及び消衰係数kともにアモルファス状態を太い線で、結晶状態を細めの線で示した。また、矢印は青色波長(405nm)でのアモルファス状態から結晶状態の変化の幅を示している。変化の幅が大きい方が未記録状態と記録状態の信号差が大きく得られることになる。青色波長での共晶組成近傍の材料の光学定数差は、Δn=1.40、Δk=0.256である。
一般的に、通常の共晶系近傍の組成を持つSbTe系相変化材料の赤色波長(λ=660nm)での光学定数はn≒4.2〜4.3、k≒2.45〜2.65程度である。この同じ相変化材料を、青色波長(λ=405nm)で評価すると、ほとんどの材料の光学定数は非晶質(アモルファス)状態で、n≒2.5〜2.6、k≒2.9〜3.0程度となる。このように、通常のSbTe系相変化材料は青色波長において、光学定数nの絶対値が小さくなるので光学定数の変化を信号差として捉え難くなる。その結果、信号振幅が取り難くなる。従って、青色波長で高速記録を行うには、青色波長でも光学定数nの値が大きな材料を選ぶ必要がある。
また、多層記録層からなる情報記録媒体の場合、記録層の光透過・光吸収が問題となる。特に、最初に光が入射する第一記録層には高い透過率が必要となる。レーザー照射方向前面に位置する第1記録層の透過率が高くないと、より奥側に有る記録層への記録が難しくなるためである。したがって、第1記録層は、光学定数の消衰係数kの値が小さい方が透過率的に有利となる。このような点からすると、青色波長における屈折率nの絶対値が大きく、更に、消衰係数kの小さい材料が第1記録層の材料として最適である。
更に、本発明者等の研究により、高い透過率の第1記録層を形成するためには、ただ単に膜厚を薄くすれば良いというものでないことがわかった。即ち、実験の結果、薄い膜厚の第1記録層を形成すると転移線速が変化し、1層の記録層の場合には記録できた条件を多層の第1記録層に適用すると、線速を変えないと記録できないなどの問題を生ずることが解かった。したがって、青色多層用の第1記録層材料としては、青色波長における屈折率nの絶対値が大きく、消衰係数kが小さく、更に、転移線速の速い材料であることが要求され、その速やかな改良・開発が望まれているのが現状である。
特開平8−287474号公報 特開平9−198709号公報 特開平11−195243号公報 特開2000−233576号公報 特許第3235503号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、青色波長で記録したマークの反射率差を得ることができ、青色波長においても優れた光学特性を得ることができ、高記録密度が可能であり、高速記録をする際にも記録感度が低下することがない高性能な相変化型光情報記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、青色波長においても優れた光学特性を得ることができる記録層材料としてInTe系材料を発見し、更にGeTe系を併せて用いることによって保存寿命を長くすることができることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 基板上に、少なくとも下部誘電体層、記録層、上部誘電体層、耐硫化バリア層、及び反射層がこの順に積層されてなり、前記記録層がInαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、かつ該記録層の膜厚が4〜20nmであることを特徴とする相変化型光情報記録媒体である。該本発明の相変化型光情報記録媒体においては、記録層が少なくともIn及びTeを主成分として含む合金からなることにより、青色波長で記録したマークの反射率差を得ることができ、青色波長においても優れた光学特性を得ることができる。
<2> 記録層が、Ge単体及びGeを含む合金から選択される少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載の相変化型光情報記録媒体である。
<3> Geを含む合金がGeTe及びGeSbのいずれかである前記<2>に記載の相変化型光情報記録媒体である。
<4> Ge単体及びGeを含む合金の含有量が、Ge単体として5原子%以下である前記<2>から<3>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体である。
前記<2>から<4>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体においては、Ge単体及びGeを含む合金の少なくともいずれかを含むことによって、記録層の保存寿命を長くすることができ、更に、薄い膜厚においても信号差を得ることができるので、記録線速を低下させずに多層記録層化することができる。
<5> 記録層のアモルファス状態での光学定数が、青色波長(405nm)においてn=2.7〜3.1、k=1.5〜3.0である前記<1>から<4>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体である。該<5>に記載の相変化型光情報記録媒体においては、青色波長で記録したマークの反射率差を得ることができ、青色波長においても優れた光学特性を得ることができる。
<6> 基板上に、少なくとも第1の記録層、及び第2の記録層がこの順に積層されてなり、レーザー照射方向前面に位置する第1記録層が、InαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、該第1記録層の膜厚が4〜12nmであることを特徴とする相変化型光情報記録媒体である。該本発明の相変化型光情報記録媒体においては、記録層を多層化することにより、高速記録と共に記録密度を高めることができ、第1記録層が少なくともIn及びTeを主成分として含む合金からなることにより、青色波長で記録したマークの反射率差を得ることができ、青色波長においても優れた光学特性を得ることができる。
<7> 第2記録層が、InαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、該第2記録層の膜厚が4〜20nmである前記<6>に記載の相変化型光情報記録媒体である。
<8> 第1記録層の膜厚が第2記録層の膜厚よりも薄く形成される前記<6>から<7>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体である。
<9> 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Ge単体及びGeを含む合金から選択される少なくともいずれかを含有する前記<6>から<8>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体である。
<10> Geを含む合金がGeTe及びGeSbのいずれかである前記<9>に記載の相変化型光情報記録媒体である。
<11> Ge単体及びGeを含む合金の含有量が、Ge単体として5原子%以下である前記<9>から<10>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体である。
前記<9>から<11>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体においては、においては、Ge単体及びGeを含む合金の少なくともいずれかを含むことによって、記録層の保存寿命を長くすることができ、更に、薄い膜厚においても信号差を得ることができるので、記録線速を低下させずに多層記録層化することができる。
<12> 記録再生レーザー光波長における第1記録層の透過率が40〜70%である前記<6>から<11>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体である。
<13> 基板上に、少なくとも第1下部誘電体層、第1記録層、第1上部誘電体層、第1耐硫化バリア層、第1反射層、透明熱拡散層、第1環境保護層、接着層、第2環境保護層、第2下部誘電体層、第2記録層、第2上部誘電体層、第2耐硫化バリア層、及び第2反射層がこの順に積層されてなる前記<6>から<12>のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体である。
<14> 第1反射層の膜厚が20nm以下である前記<13>に記載の相変化型光情報記録媒体である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、青色波長で記録したマークの反射率差を得ることができ、青色波長においても優れた光学特性を得ることができ、高記録密度が可能であって、高速記録をする際にも記録感度が低下することがない相変化型光情報記録媒体を提供できる。また、本発明によれば、記録層が記録媒体の厚さ方向に多層化することができ、高速記録と共に記録密度を更に高めることができる。
本発明の相変化型光情報記録媒体は、第一形態では、基板上に、少なくとも下部誘電体層、記録層、上部誘電体層、耐硫化バリア層、及び反射層がこの順に積層されてなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる(以下、単層型光情報記録媒体と称することがある)。
具体的には、図1に示すように、透明基板1の上に下部誘電体層2、記録層3、上部誘電体層4、耐硫化バリア層5、反射層6が順次積層されている。更に本発明においては、記録層3がInαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を主成分とする材料により構成されており、該記録層の膜厚が4〜20nmであり、10〜16nmが好ましい。前記α,βの組成比率(原子%)は、好ましくは55≦β≦60であり、かつα+β=100である。
前記記録層3の膜厚が、4nm未満であると、記録後に有効な信号による反射率差を得ることができないことがあり、20nmを超えると、記録層の熱容量が大きくなるため記録が困難となるほか、再生信号出力の低下も生じることがある。
前記記録層3が、少なくともIn及びTeを主成分として含む合金からなることで、青色波長で記録されたマークの反射率差を得ることができる。通常の膜厚においても、更に薄い膜厚においても信号差を得ることができる。具体的には、In及びTeを主成分として含む記録膜のアモルファス状態での光学定数は青色波長(405nm)でn=2.7〜3.1、k=1.5〜3.0である。前記記録層3がIn(50)Te(50)で構成された光情報記録媒体の波長による光学特性の変化の一例を図4に示す。
ここで、図4中、アモルファスn及びアモルファスkの表示は、レーザー照射により溶融状態まで加熱後、急冷却することでアモルファス状態となったアモルファス・マークを想定し、その光学定数n及び消衰係数kの値を示している。光学定数nの値を示す縦軸は左側であり、消衰係数kの値を示す縦軸を右軸にとっている。図4上の値はアモルファス状態である相変化記録材料の成膜後の測定値をプロットしている。また、結晶n及び結晶kの表示はレーザー照射により溶融状態まで加熱後、徐冷却することで結晶状態となった相変化記録膜の光学定数n及び消衰係数kの値を示している。実際には、初期化装置にて膜面を初期化し、測定値をプロットしている。光学定数n及び消衰係数kともにアモルファス状態を太い線で、結晶状態を細めの線で示した。また、矢印は青色波長(405nm)でのアモルファス状態から結晶状態の変化の幅を示している。変化の幅が大きい方が未記録状態と記録状態の信号差が大きく得られることになる。青色波長でのIn(50)Te(50)材料の光学定数差は、Δn=1.53、Δk=0.594である。
前記記録層3は、保存性など特性改善のために、少なくともGe単体及びGeの少なくともいずれかを含む合金の1種を、Ge単体として5原子%以下となるように含有することが好ましい。かかる構成により、記録層の保存寿命を長くすることが可能となる。更に、薄い膜厚においても信号差を得ることができるので、記録線速を低下させずに多層記録層化することが可能である。
前記Geを含む合金としては、GeTe又はGeSbが好ましい。これはGeを含むことによって保存性が改善できる他に、GeTeでは405nmにおける光学定数nが3.06、消衰係数kは1.6とInTeと同じ程度の光学的な特性を持っているため光学的に主成分であるInTeの機能を損なうことがない。また、GeSbの場合は、Geを含むことによって保存性が改善できる他に、溶融混合されたときに生ずるInとSbの合金は自体も相変化記録層として機能するため記録線速を低下させない。
前記基板1の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂、などが用いられるが、成形性、コストの点から、樹脂製基板が好適である。前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。成形性、光学特性、コストの点からポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
前記基板1の厚みは、特に制限はなく、通常使用するレーザーの波長やピックアップ・レンズの集光特性により決定される。波長780nmのCD系では1.2mmの基板厚み、波長650〜665nmのDVD系では0.6mmの板厚の基板が用いられている。また、405nmの青色レーザーを使った光ディスクでは、ピックアップ・レンズの開口数(NA:Numerical Aparture)により、0.6mmのもの(開口数0.65の場合)と1.1mmに0.1mmのカバー層を付けたもの(開口数0.85の場合)が好適である。
前記下部誘電体層2、及び上部誘電体層4は、記録層3の劣化変質を防ぎ、記録層3の接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用効果を有し、例えば、SiO、SiO、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrOなどの金属酸化物、Si、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In、TaSなどの硫化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイヤモンド状カーボンあるいは、それらの混合物が挙げられる。これらの材料は、単体で使用することもできるし、混合物としてもよい。耐熱性が必要な場合には、融点は記録層よりも高いことが必要である。
前記下部誘電体層2、上部誘電体層4の層形成方法としては、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記下部誘電体層2、及び上部誘電体層4の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、下部保護層は50〜80nmが好ましく、上部保護層は10〜30nmが好ましい。反射率、記録パワーマージン、ジッターや繰り返し記録の信号安定生などの記録特性や高温高湿保存、ヒートサイクル試験などの品質特性により決定される。
前記耐硫化バリア層5は、反射層に用いる金属膜の硫化による腐食防止の作用効果を有する材料を用いることが好ましく、例えば、SiCとSiOの混合層、前記下部及び上部誘電体層材料として挙げた各種の金属酸化物、窒化物、炭化物、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
前記耐硫化バリア層5の形成法は、上記下部誘電体層2と同様である。
前記耐硫化バリア層5厚みは、通常、3〜10nmである。
前記反射層6としては、例えば、Al、Au、Ag、Cu、Taなどの金属材料、又はこれらの合金などを用いることができる。また、これら金属材料への添加元素として、Cr、Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Taなどが使用できる。このような反射層6は、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記反射層6の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、一層記録の場合では、100〜200nmが好ましい。
前記環境保護層7は、工程内及び製品となった時点で記録層の光情報記録媒体の薄膜積層構造保護の作用効果を有し、通常紫外線硬化性の樹脂により形成する。前記環境保護層の膜厚は2〜5μmが好ましい。
前記接着層8は、情報信号が書き込まれる透明基板1とダミー基板9とを貼り合わせるために用い、ベースフィルムの両側に粘着剤を塗布した両面粘着性のシート、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化樹脂により形成する。前記接着層の膜厚は、通常50μm程度である。
前記ダミー基板9は、接着層として粘着性シート又は熱硬化性樹脂を用いる場合は、透明である必要はないが、接着層に紫外線硬化樹脂用いる場合は紫外線を透過する透明基板とする。基板の厚みは、通常、情報信号を書き込む透明基板1と同じ0.6mmのものが用いられている。
本発明の相変化型光情報記録媒体は、第二形態では、基板上に、少なくとも第1の記録層、及び第2の記録層がこの順に積層されてなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる(以下、多層型光情報記録媒体と称することがある)。このように、光情報記録媒体の記録媒体の厚さ方向に記録層を多層化することにより、高速記録と共に記録密度を高めることができる。
前記光情報記録媒体においては、レーザー照射方向前面に位置する第1記録層が、InαTeβ(ただし、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、該第1記録層の膜厚が4〜12nmである。
具体的には、図2に示すように、基板1’上に、少なくとも第1下部誘電体層2’、第1記録層3’、第1上部誘電体層4’、第1耐硫化バリア層5’、第1反射層6’、透明熱拡散層10、第1環境保護層7’、接着層8’、第2環境保護層77、第2下部誘電体層22、第2記録層33、第2上部誘電体層44、第2耐硫化バリア層55、及び第2反射層66がこの順に積層されてなる。
この場合、基板1’、第1下部誘電体層2’、第1記録層3’、第1上部誘電体層4’、第1耐硫化バリア層5’、及び第1反射層6’は、上述した基板1、下部誘電体層2、記録層3、上部誘電体層4、耐硫化バリア層、反射層6と同じである。また、第2下部誘電体層22は第1下部誘電体層2’と同様に、第2記録層33は第1記録層3’と同様に、第2上部誘電体層44は第1上部誘電体層4’と同様に、第2耐硫化バリア層55は第1耐硫化バリア層5’と同様に、第2反射層66は第1反射層6’と同様に構成することが好ましい。
前記第1記録層3’をレーザー照射方向前面に位置すると共にその膜厚が4〜12nmとなるように形成するのは、第2記録層33より膜厚を薄めにすることにより高い透過率を得るためである。第1記録層3’の膜厚が4nm未満の場合、記録後に有効な信号による反射率差を得ることができない。また、12nmを超える場合は透過率が低くなってしまうので、第2記録層に対する記録が困難となる。記録及び透過率の両方の点から、更に好ましいのは、6〜10nmである。
記録再生レーザー光波長(例えば、青色波長(405nm))における第1記録層の透過率は40〜70%が好ましく、45〜60%がより好ましい。
前記透過率が、40%未満であると、第2記録層の感度が低下し、良好に記録再生を行うことができなくなることがあり、70%を超えると、第1記録層の感度が低下し、良好に記録再生を行うことができなくなることがある。
ここで、前記透過率は、例えば、Steag Etaoptik GmbH社製 光ディスク光学特性評価装置 model:ETA−RT2の透過率測定モード(RTAモード)にて測定できる。より具体的には、標準試料のスペクトラムを測定後、キャリブレーションを行い、その後、サンプルを測定することにより、透過率、吸収率、及び反射率の値を測定することができる。
前記第2記録層33の構成は、第1記録層3’の場合と同じ構成で形成して良い。すなわち、少なくともIn及びTeを主成分として含む合金からなる記録層材料を用い、膜厚4〜20nmである。また、第1記録層と異なる材料で形成することもでき、例えば、SbTe系、GeSbTe系、GeTe系、GeTeSn系、InSb系、GaSb系などが挙げられる。
光情報記録媒体を多層化する場合、図2に示すように、第1反射層6’の上に透明熱拡散層10と環境保護層7’と第1接着層8’と第二環境保護層77を順に形成し、第二環境保護層77の上に下部誘電体層22を形成することが好ましい。また、第二反射層66の上にダミー基板9を形成することが好ましい。
前記第1反射層6’と第1環境保護層7’の間に透明熱拡散層10を設ける。二層の記録層を持つ光情報記録媒体の場合は、レーザー光入射側の記録層に隣接する反射層6の膜厚は第2記録層33に光を透過させる必要があるため20nm以下とする。しかし、この反射層はアモルファス・マークを形成するために記録層材料を急冷する機能も併せ持つが、膜厚が減少することによってその機能が低下するのを防ぐ必要があり、透明熱拡散層10がその代替として通常配置される。
前記透明熱拡散層10としては、透明導電膜として用いられるSnO、In、InとSnOとの混合体であるITO(Indium Tin Oxide)、ZnO、ZnOにAlをドーピングしたZnO:Al、InとZnOとの混合体であるIZO(Indium Zinc Oxide)などが用いられる。前記透明熱拡散層の膜厚は、30〜130nmが好ましい。
また、第1環境保護層7’と第1接着層8’は第1記録層と第2記録層とを光学的に分離可能となる様に膜厚が設定され、通常使用レーザー波長が405nmの場合は第1環境保護層7’と第1接着層8’の合計で30μm程度である。また、奥側の第2記録層33の反射層66の膜厚については単層記録層の場合と同じ100〜200nmが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
トラックピッチが0.44μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂製基板1上に、図1に示した構成層を以下のようにして形成し、光ディスク(メディア)を作製した。まず、枚葉スパッタ装置を用いて下部誘電体層2としてのZnS・SiOを厚みが50nmになるように成膜した。下部誘電体層上に記録層3としてのIn43Te57を厚みが16nmになるように成膜した。記録層上に上部誘電体層4として、下部誘電体層2と同じZnS・SiOを厚みが10nmとなるように成膜した。上部誘電体層上に耐硫化バリア層5としてのSiCとSiO(SiC80原子%:SiO20原子%)の混合層を厚み4nmとなるように成膜した。最後に、反射層6としての純Agを厚みが140nmとなるように成膜し、スパッタ装置から取り出した。
スパッタ成膜終了後、反射層上に紫外線硬化樹脂をスピンコートし、次いで、紫外線硬化して環境保護層7を3μmの厚みとなるように形成した。次に、環境保護層上に接着層8(厚み47μm)を介して0.6mmの厚みのダミー基板9と接着して、実施例1の光情報記録媒体を作製した。
次に、相変化型光ディスク用初期化装置(日立コンピューター製、POP120−3Ra)を用いて、上記光情報記録媒体を以下の条件により約100秒の処理時間でレーザー初期化を行った。
CLV(Constant Linear Velocity:線速度一定)記録により記録媒体を回転させ、その線速は9.0m/s、送り量36μm/回転、初期化範囲は半径位置23〜58mm、また、レーザーパワーは1400mWとした。この装置のLDの中心発光波長は810±10nm、スポットサイズは約1μm×96±5μmである。
次に、405nmの半導体レーザーを搭載した開口数NA(Numerical Aparture)0.65のピックアップを持つ光ディスク評価装置(Pulstec社製、DDU1000)を用いて、評価を行った。記録密度は0.17μm/bitとし、記録線速は6.5m/sである。評価パワーの条件は、Pw=10〜14mW、Pe=5mW、読み取りパワーPr=0.5mW、最適化したパルスストラテジーにより行った。評価結果を表1に示す。表1の結果から、実施例1の光情報記録媒体では、光ランダムパターンによるジッター9%以下、モデュレーション60%以上が得られた。
次に、この光情報記録媒体を保存試験槽に投入した。80℃−RH85%の高温高湿槽に100時間保管し、再度ジッター及びモデュレーションの変化を見た。ジッターの変化が0.3%、モデュレーションの変化が2%であり、経時変化に関し問題ないものであった。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、記録層3に(In43Te5767(Ge15Te8533を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の光情報記録媒体を作製した。
次に、実施例1と同様にして最適化されたパルスストラテジーにより評価を行った。評価結果を表1に示す。表1の結果から、ランダムパターンによるジッター9%以下、モデュレーション60%以上が得られた。
次に、この光情報記録媒体を保存試験槽に投入した。80℃−RH85%の高温高湿槽に300時間保管し、再度ジッター及びモデュレーションの変化を見た。ジッターの変化が0.3%、モデュレーションの変化が2%であり、経時変化に関し問題ないものであった。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、記録層3に(In43Te5779(Ge14.5Sb85.521を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の光情報記録媒体を作製した。
次に、実施例1と同様にして最適化されたパルスストラテジーにより評価を行った。評価結果を表1に示す。表1の結果から、ランダムパターンによるジッター9%以下、モデュレーション60%以上が得られた。
次に、この記録媒体を保存試験槽に投入した。80℃−RH85%の高温高湿槽に300時間保管し、再度ジッター及びモデュレーションの変化を見た。ジッターの変化が0.3%、モデュレーションの変化が2%であり、経時変化に関し問題ないものであった。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
トラックピッチが0.44μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂製基板上に、図2に示すように各層を以下のようにして形成し、光情報記録媒体を作製した。
まず、枚葉スパッタ装置を用いて第1下部誘電体層2’としてのZnS・SiO(SiO20原子%)を厚みが50nmとなるように成膜した。第1下部誘電体層上に第1記録層3’としてのIn43Te57を厚みが6nmとなるように成膜した。第1記録層上に第1上部誘電体層4’として、第1下部誘電体層2’と同じZnS・SiOを厚みが10nmとなるように成膜した。第1上部誘電体層上に第1耐硫化バリア層5’としてのSiCとSiO(SiC80原子%:SiO20原子%)の混合層を厚みが4nmとなるように成膜した。第1耐硫化バリア層上に第1反射膜6’としてのAgを厚みが10nmとなるように成膜した。第1反射膜上に透明熱拡層10としてのIZO(InにZnOを5原子%混合したもの)を厚みが80nmとなるように形成した。次いで、第1環境保護層7’を紫外線硬化樹脂を用いて厚みが3〜5μmとなるように形成した。
なお、第1記録層単体のみを同一のポリカーボネート製基板のトラックが形成されていない面に別途成膜して、光ディスク光学特性評価装置(Steag Etaoptik GmbH社製、model:ETA−RT2)の透過率測定モード(RTAモード)により透過率を測定したところ405nmの波長で50%と十分な透過率を得た。
次に、貼り合わせ用の対になる第2情報層を逆順の成膜構成で形成した基板を製作した。
まず、枚葉スパッタ装置を用いて、第2反射層66としてのAgを厚みが140nmとなるように成膜した。第2反射層上に第2耐硫化バリア層55としてのSiCとSiO(SiC80原子%・SiO20原子%)の混合層を厚みが5nmとなるように成膜した。第2耐硫化バリア層上に第2上部誘電体層44としてのZnS・SiOを厚みが12nmとなるように成膜した。第2上部誘電体層上に第2記録層33としてのGeSb75Te20を厚みが15nmとなるように成膜した。第2記録層上に第2下部誘電体層22としてのZnS・SiOを厚みが50nmとなるように成膜し、最後に、紫外線硬化樹脂を塗布・硬化し、第2環境保護層77を厚みが3〜5μmとなるようにを形成した。
次に、前記第1記録層を形成した基板と、第2記録層を形成した基板とを接着層8’を介して接着し、二層の光情報記録媒体として形成した。接着層8の厚みは、環境保護層7及び77、更に接着層8のトータルな膜厚が35±5μm程度に収まるようにそれぞれの厚みを測定しながら調整して形成した。
次に、一層ずつファーカスを合わせながら大口径レーザー初期化装置で初期化しディスク特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。このとき評価用に用いた半導体レーザーパワー条件は、第1記録層の記録条件Pw=10〜14mW、Pe=5mW、読み取りパワーPr=0.8〜1.2mWとした。更に、第2記録層の記録条件Pw=10〜14mW、Pe=5mW、読み取りパワーPr=0.5〜1.2mWとした。
次に、この光情報記録媒体を保存試験槽に投入した。80℃−RH85%の高温高湿槽に300時間保管し、再度ジッター及びモデュレーションの変化を見た。ジッターの変化が0.3%、モデュレーションの変化が2%であり、経時変化に関して問題ないものであった。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例4において、第1記録層をIn43Te57からなる厚み6nmに変え、第2記録層をIn43Te57からなる厚み16nmに変えた以外は、実施例4と同様にして、二層型光情報記録媒体を作製した。
得られた二層型光情報記録媒体について、実施例4と同様にして、評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、記録層の膜厚を4nmとした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製した。
得られた光情報記録媒体について、実施例4と同様にして、評価した。結果を表1に示す。なお、1mW記録パワーを上げたが同じ記録線速で記録できた。
(実施例7)
実施例1において、記録層の膜厚を6nmとした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製した。
得られた光情報記録媒体について、記録ストラテジーを最適化して記録特性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、記録層の膜厚を10nmとした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製した。
得られた光情報記録媒体について、記録ストラテジーを最適化して記録特性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、記録層の組成をIn50Te50とし、該記録層の膜厚を10nmとした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製した。
得られた光情報記録媒体について、記録ストラテジーを最適化して記録特性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1において、記録層の組成をIn40Te60とし、該記録層の膜厚を10nmとした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製した。
得られた光情報記録媒体について、記録ストラテジーを最適化して記録特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例9及び10は、表1の結果から、記録パワーが数mW増やした以外は光情報記録媒体として通常使用できる範囲であった。保存特性は、80℃−85%RHの条件で300Hジッターの変化はジッターの変化が0.5%、モデュレーションの変化が1%であり、経時変化に関し問題ないものであった。
(比較例1)
まず、予備実験として、6〜18nmの膜厚の記録層を2nmきざみで図1の構成で製作し、記録線速の測定を行った。6nm及び8nmでは記録線速が3.5m/s及び5m/sであった。逆に、厚い側の12m/s以上では10nmと同じ記録線速6.5m/sが測定された。そこで、6.5m/sに相当する膜厚として10nmを選定した。この結果を基に、本実験に入った。
まず、トラックピッチが0.44μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂製基板1上に、図2と同様の構成層を以下のようにして形成し、光ディスク(メディア)を作製した。まず、枚葉スパッタ装置を用いて、第1下部誘電体層2’としてのZnS・SiO(SiO20原子%)を厚みが50nmとなるように成膜した。第1下部誘電体層上に第1記録層3’としての(AgInSb70Te25)85(Ge30Se7015を厚みが10nmとなるように成膜した。第1記録層の上に第1上部誘電体層4’として、第1下部誘電体層2’と同じZnS・SiOを厚みが12nmとなるように成膜した。第1上部誘電体層上に第1耐硫化バリア層5’としてのSiCとSiO(SiC80原子%:SiO20原子%)の混合層を厚み4nmとなるように成膜した。第1耐硫化バリア層上に第1反射膜6’のAgを厚みが10nmとなるように成膜した。第1反射膜上に透明熱拡層10としてのIZO(InにZnOを5原子%混合したもの)を厚みが80nmとなるように形成した後、第1環境保護層7’を紫外線硬化樹脂を用いて厚みが3〜5μmとなるように形成した。
次に、貼り合わせ用の対になる第2記録層を有する基盤を逆順の成膜構成で形成した基板を製作した。具体的には、第2記録層33をAgInSb70Te25(厚さ16nm)とした以外は、実施例4と同じ条件にして、図2と同じ層構成の比較例1の光情報記録媒体を作製した。
実施例4のメディアと比較例1のメディアについて記録再生特性(第1記録層と第2記録層のジッター最小記録感度)を評価した。評価条件は、レーザー波長:405nm、光学系の対物レンズの開口数NA:0.65、ディスクの回転線速:6.5m/s、記録線密度:0.17μm/bitとした。評価の結果、実施例1の第1記録層と第2記録層のジッター最小記録感度に比べて、比較例1では1mW高いレーザー出力で記録できた。評価結果を表1に示す。
次に、この記録媒体を保存試験槽に投入した。80℃、RH85%の高温高湿槽に300時間保管し、再度ジッター及びモデュレーションの変化を見た。ジッターの変化が0.3%、モデュレーションの変化が2%であり、経時変化に関し問題ないものであった。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、第1記録層材料としてGe20.8Sn10Sb15.4Te53.8を用い、第1記録層の上下にGeNを厚みが3nmとなるように積層し、光学的条件を合わせるために第1下部保護層を厚みが60nmと厚くした以外は、比較例1と同様にして、第1記録層側基板のみを形成した。更に、成膜をしていない0.6mmの厚みのダミー基板を接着層を介して貼り合わせて、比較例2の光ディスクを製作した。
材料系が異なるので、評価パワーを見直しPw=10mW,Pe=5mW(3m/s),Pb=0.1mW,Pr=0.8mWの測定条件で評価を行った。記録ストラテジーは最適化して評価したところ、記録感度が良く、10mWで記録可能であったが、記録線速は3m/sであり、6.5m/sに線速を上げるとジッターは悪化しモジュレーションは測定できなかった。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例4において、第1記録層の膜厚を3nmとした以外は、実施例4と同様にして、比較例3の光情報記録媒体を作製した。
第1記録層単体のみを別途成膜して、同一のポリカーボネート製基板のトラックが形成されていない面に別途成膜して、光ディスク光学特性評価装置(Steag Etaoptik GmbH社製、model:ETA−RT2)の透過率測定モード(RTAモード)により透過率を測定したところ405nmの波長で75%と高い透過率を得た。
第1記録層を評価したところ、ジッター値は表示としては20%と測定されたが、3T〜14Tの長さの信号に対するきれいなアイパターンは得られず、モジュレーションを測定できなかった。第2記録層に関しては、測定した結果ジッター8.9%、モジュレーション61%を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例4において、第1記録層の膜厚を25nmとした以外は、実施例4と同様にして、比較例4の光情報記録媒体を作製した。
第1記録層単体のみを別途成膜して同一のポリカーボネート樹脂製基板のトラックが形成されていない面に別途成膜して、Steag Etaoptik GmbH社製 光ディスク光学特性評価装置 model:ETA−RT2の透過率測定モード(RTAモード)により透過率を測定したところ405nmの波長で35%の透過率を得た。
第1記録層を評価したところ、ジッター値は7.9%、モジュレーション63%であった。しかし、第2記録層に関しては、測定した結果ジッター18%、モジュレーション40%であった。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1において、記録層の組成をIn58Te42とし、該記録層の膜厚を10nmとした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製した。
得られた光情報記録媒体について、記録ストラテジーを最適化して記録特性を測定した。結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1において、記録層の組成をIn35Te65とし、該記録層の膜厚を10nmとした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製した。
得られた光情報記録媒体について、記録ストラテジーを最適化して記録特性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005262779
本発明の相変化型光情報記録媒体は、特に、青色波長(405nm)において優れた記録特性を有し、CD−R、CD−RW、DVD+RW、DVD−RW、DVD−RAMなどに幅広く用いることができる。
図1は、本発明の光情報記録媒体の層構成の一例を示す説明図である。 図2は、本発明の光情報記録媒体の層構成の他の一例を示す説明図である。 図3は、記録層が共晶系(Sb75Te25)近傍の組成を持つSbTeで構成された光情報記録媒体の波長による光学特性の変化の一例を示す図面である。 図4は、記録層がInTeで構成された光情報記録媒体の波長による光学特性の変化の一例を示す図面である。
符号の説明
1、1’ 透明基板
2、2’ 下部誘電体層、第1下部誘電体層
3、3’ 記録層
4、4’ 上部誘電体層、第1上部誘電体層
5、5’ 反射層耐硫化バリア層、第1反射層耐硫化バリア層
6、6’ 反射層
7、7’ 環境保護層、第1環境保護層
8 接着層
9、9’ 第2透明基板(貼り合わせ基板)
10 透過熱拡散層
22 第2下部誘電体層
44 第2上部誘電体層
55 第2反射層耐硫化バリア層
66 第2反射層
77 環境保護層

Claims (14)

  1. 基板上に、少なくとも下部誘電体層、記録層、上部誘電体層、耐硫化バリア層、及び反射層がこの順に積層されてなり、前記記録層がInαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、かつ該記録層の膜厚が4〜20nmであることを特徴とする相変化型光情報記録媒体。
  2. 記録層が、Ge単体及びGeを含む合金から選択される少なくともいずれかを含有する請求項1に記載の相変化型光情報記録媒体。
  3. Geを含む合金がGeTe及びGeSbのいずれかである請求項2に記載の相変化型光情報記録媒体。
  4. Ge単体及びGeを含む合金の含有量が、Ge単体として5原子%以下である請求項2から3のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  5. 記録層のアモルファス状態での光学定数が、青色波長(405nm)においてn=2.7〜3.1、k=1.5〜3.0である請求項1から4のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  6. 基板上に、少なくとも第1の記録層、及び第2の記録層がこの順に積層されてなり、レーザー照射方向前面に位置する第1記録層が、InαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、該第1記録層の膜厚が4〜12nmであることを特徴とする相変化型光情報記録媒体。
  7. 第2記録層が、InαTeβ(ただし、α,βは組成比率(原子%)を表し、43.5≦β≦64であり、かつα+β=100である)を含有し、該第2記録層の膜厚が4〜20nmである請求項6に記載の相変化型光情報記録媒体。
  8. 第1記録層の膜厚が第2記録層の膜厚よりも薄く形成される請求項6から7のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  9. 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Ge単体及びGeを含む合金から選択される少なくともいずれかを含有する請求項6から8のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  10. Geを含む合金がGeTe及びGeSbのいずれかである請求項9に記載の相変化型光情報記録媒体。
  11. Ge単体及びGeを含む合金の含有量が、Ge単体として5原子%以下である請求項9から10のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  12. 記録再生レーザー光波長における第1記録層の透過率が40〜70%である請求項6から11のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  13. 基板上に、少なくとも第1下部誘電体層、第1記録層、第1上部誘電体層、第1耐硫化バリア層、第1反射層、透明熱拡散層、第1環境保護層、接着層、第2環境保護層、第2下部誘電体層、第2記録層、第2上部誘電体層、第2耐硫化バリア層、及び第2反射層がこの順に積層されてなる請求項6から12のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  14. 第1反射層の膜厚が20nm以下である請求項13に記載の相変化型光情報記録媒体。
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