JP2005261709A - 新規な消臭紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微量の消臭成分により十分な消臭効果を示し、各種消臭材料としても広く利用することができる新規な消臭紙を提供する。
【解決手段】 陽イオン性界面活性剤の存在下で還元して得られる金属銀コロイドを少なくとも0.001質量%の割合で坦持させたフィブリル化セルロース繊維からなる消臭紙であって、陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、フィブリル化したセルロース繊維とそのセルロース繊維に対し金属銀換算で少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物とを接触させ、複合金属水素化物を加えて還元反応を行わせ、金属銀コロイドを生成させるとともに、これを該セルロース繊維と結合させることにより製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、強い活性を有する新規な消臭紙及びその製造方法に関するものである。
有機物の腐敗や分解により発生する悪臭は、環境汚染の1つとして大きな社会問題となっている。このため悪臭を除くために、燃焼法、ガス吸着法、マスキング法、中和法、消臭剤処理法、微生物処理法など多種多様の消臭方法が提案されている。
この中で消臭剤処理法は最も一般的に行われている消臭法であり、これまでマグネシウム、アルミニウム、マンガン、銅、コバルト、カドミウム、銀又は亜鉛を層間に有する水膨潤性粘土鉱物からなる消臭剤(特許文献1参照)、粒状又は塊状の吸着体に、悪臭発生物質を分解したり吸着する能力をもつ金属錯体を担持させてなる消臭剤(特許文献2参照)、酸化物換算でコージェライト組成に対応するマグネシウム、ケイ素及びアルミニウムを含む結合剤と金属酸化物触媒との焼成物からなる消臭剤(特許文献3参照)、銅のような消臭機能を有する成分を担持した平均粒子径500nm以下の無機酸化物微粒子を含む消臭剤(特許文献4参照)、コハクを担持した繊維からなる消臭性繊維(特許文献5参照)などが知られている。
他方、消臭能力を付与した紙としては、消臭成分を配合した不織布(特許文献6参照)、金属アンミン錯体溶液にタンパク質繊維類を浸漬し、これに金属を担持させて得た消臭性能を有する組成物を配合した紙や不織布(特許文献7参照)、竹抽出エキス、竹メカニカルパルプ、フラボノイド、シャンピニオンエキス、銅化合物、亜鉛化合物及び銀化合物の中から選ばれた消臭成分を配合した消臭板紙(特許文献8参照)、悪臭物質を分解又は吸着する金属錯体を保持させた吸水性ポリマーを含む生理用ナプキン(特許文献9参照)、家庭用薄葉紙に悪臭物質を分解又は吸着する金属錯体を分散、保持させた消臭型家庭用薄葉紙(特許文献10参照)などが知られている。
しかしながら、これらの消臭紙は、悪臭物質を分解し、無害化するには、少なくとも0.1質量%、通常は0.5質量%以上の消臭成分を含ませなければならず、本来有する紙質を損なうという欠点がある。
他方、銀は殺菌性を有することから、銀イオンや金属銀微粒子を殺菌剤として用いることは知られているが、金属銀コロイドが消臭効果を有することは、これまで全く知られていなかった。
特公平6−93908号公報(特許請求の範囲その他) 特開平5−277167号公報(特許請求の範囲その他) 特開平6−121823号公報(特許請求の範囲その他) 特開平9−299460号公報(特許請求の範囲その他) 特開平9−296361号公報(特許請求の範囲その他) 特開2001−2147号公報(特許請求の範囲その他) 特開平10−273875号公報(特許請求の範囲その他) 特開平10−259595号公報(特許請求の範囲その他) 特開平5−277148号公報(特許請求の範囲その他) 特開平5−269328号公報(特許請求の範囲その他)
本発明は、微量の消臭成分により十分な消臭効果を示し、各種消臭材料としても広く利用することができる新規な消臭紙を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、水性媒質中、陽イオン性界面活性剤の存在下で、水溶性銀化合物を複合金属水素化物により還元することにより、粒径20nm以下の金属銀コロイドを製造する方法を開発した。そして、その後この金属銀コロイドの利用について種々研究した結果、これが殺菌剤として有効であることを明らかにしたが、さらに研究を続けた結果、これをフィブリル化したセルロース繊維に担持させると、高度の消臭作用を示すことを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、陽イオン性界面活性剤の存在下で還元して得られる金属銀コロイドを少なくとも0.001質量%の割合で坦持させたフィブリル化セルロース繊維からなる消臭紙、陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、フィブリル化したセルロース繊維とそのセルロース繊維に対し金属銀換算で少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物とを接触させ、複合金属水素化物を加えて還元反応を行わせ、金属銀コロイドを生成させるとともに、これを該セルロース繊維と結合させることを特徴とする消臭紙の製造方法、陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、セルロース繊維に対し金属銀換算で少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物を複合金属水素化物で還元して金属銀コロイドを生成させたのち、これをフィブリル化したセルロース繊維と接触させることを特徴とする消臭紙の製造方法、及び陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、フィブリル化したセルロース繊維と金属銀換算でその質量の少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物を接触させたのち、複合金属水素化物を加えて還元反応を行わせ、金属銀コロイドを生成させることを特徴とする消臭紙の製造方法を提供するものである。
本発明においては、フィブリル化したセルロース繊維に金属銀コロイドを担持させることが必要であるが、このセルロース繊維としては、アルカリ法木材パルプ、亜硫酸パルプ、ケミカルグランドパルプ、セミケミカルパルプのような木材パルプや、コウゾ、ミツマタ、ガンピのような靭皮パルプ、ワラパルプ、竹パルプ及び古紙パルプなどの通常、製紙原料として慣用されているパルプが用いられる。これらは、単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。
このセルロース繊維のフィブリル化とは、1本の単繊維が繊維軸の平行方向に分離して微細繊維になることを意味し、主としてセルロース繊維をスラリー状で叩解することにより起る。
本発明で用いるセルロース繊維のフィブリル化は、摩砕、圧潰などによっても行うことができるが、過度の叩解によって行うのが好ましい。通常、製紙用パルプ繊維は、叩解してフィブリル化したものが用いられているが、叩解度をあまり高くするとミクロフィブリル化が起り、抄紙後の紙質低下の原因になるので、繊維径が30μm付近になった時点で叩解を停止している。
これに対し、本発明において用いるセルロース繊維のフィブリル化は、叩解時間を長くして、例えば通常の製紙パルプの叩解時間の2〜3倍若しくはそれ以上に延長して、繊維径を20μm以下でかつ起毛したものが全体の50質量%以上を占めるようになるまで叩解を継続することによって行われる。
次に、本発明の消臭紙を製造するのに好適な方法について説明する。
先ず、前記したセルロース繊維が長繊維の場合は、繊維の質量当り大量の水を用いないと繊維同士が絡み合ってフロックを形成し、均質な紙とならないので、先ずこれを2〜3mmにカットする。セルロース繊維が短繊維の場合、例えばパルプの場合には、そのまま用いることができる。
次いで、これらの繊維は紙の全質量の70〜90質量%、好ましくは80〜85質量%が、また紙の耐水性を高めるために同様に2〜3mmにカットしたビスコースレーヨンのステープルを10〜20質量%、好ましくは14〜18質量%を、さらに紙の乾燥行程で繊維相互を接着させ強度を上げるため80〜90℃で融着性を有する2〜3mmにカットした、ポリビニルアルコール繊維を3〜6質量%、好ましくは4〜5質量%混合し、これを全繊維質量が3〜3.5質量%になるように水を加え、均一に混合しスラリーを形成させる。このスラリーを叩解機により処理し、次いで抄紙機により製紙する。
この際のスラリーの叩解はホレンダー型の連続叩解機によって行うことができる。この方式では回転ローラーの軸に直角方向に植えられたロール刃と、ローラー直下に設けられた承刃の間を、ローラーの回転に伴い製紙用のスラリーがこの間を通過することにより叩解が行なわれる。叩解の作用力は両刃の間を通過することによる裁断力と水の衝撃力とによるものであり、この作用力の調節はローラー刃と承刃間の間隔、ローラーの回転速度により行なわれる。この叩解を30分間以上、好ましくは60分〜90分間行うと、フィブリル化したセルロース繊維が得られる。
本発明の消臭紙は、フィブリル化したセルロース繊維に金属銀コロイドを担持させたものであるが、この金属銀コロイドとしては、粒径20nm以下、好ましくは10nm以下のものが用いられる。この金属銀コロイドは、セルロース繊維に対し、少なくとも0.001質量%、好ましくは0.005〜10質量%の割合で担持させる必要がある。この割合が0.001質量未満では十分な消臭力を付与することができない。
このセルロース繊維に金属銀コロイドが多量に結合すると、黄褐色に着色するので、染色しないで用いる場合には、この割合を低くして、できるだけ着色が目立たないようにするのがよい。また、この割合が10.0質量%を超えると結合力が低下して、消臭力が不安定になるので好ましくない。
本発明の消臭紙は、例えばフィブリル化セルロース繊維を、陽イオン性界面活性剤含有水性媒質に溶解した水溶性銀化合物と接触させながら、還元処理して金属銀コロイドを生成させるとともに、これをフィブリル化セルロース繊維に結合させることによって製造することができる。
この際の水性媒質としては水が一般的であるが、所望ならば水と水混和性有機溶剤例えばメチルアルコール又はエチルアルコールとの混合溶媒を用いることもできる。
次に、この水性媒質中に含有させる陽イオン性界面活性剤としては、長鎖アルキルアミン塩、例えばステアリルアミン塩化水素塩、オレイルアミン塩化水素塩、長鎖カルボン酸とアミンとの縮合物、例えばヤシ油脂肪酸とジエタノールアミンとの縮合物、長鎖アルキル第四級アンモニウム塩、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミドなどがある。この場合、炭素数12以上のアルキル基をもつ長鎖アルキル第四級アンモニウム塩を用いると消臭力が向上するので有利である。
この陽イオン性界面活性剤は銀100質量部当り50〜2000質量部、好ましくは100〜1500質量部の範囲で用いられる。
本発明の消臭紙には、所望に応じさらに消臭力を強化するために、他の消臭成分として銅イオンを含ませることができる。銅イオン含有量は、消臭紙100質量部当り1質量部以下にすることが望ましい。
本発明によれば、消臭紙は以下の3方法のいずれかによって製造することができる。
(1)陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質水で、フィブリル化したセルロース繊維とそのセルロース繊維に対し金属銀換算で少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物とを接触させ、複合金属水素化物を加えて還元反応を行わせ、金属銀コロイドを生成させるとともに、これを該セルロース繊維と結合させる。
(2)陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、セルロース繊維に対し金属銀換算で少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物を複合金属水素化物で還元して金属銀コロイドを生成させたのち、これをフィブリル化したセルロース繊維と接触させ、これと結合させる。
(3)陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、フィブリル化したセルロース繊維と金属銀換算でその質量の少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物を接触させたのち、複合金属水素化物を加えて還元反応を行わせて金属銀コロイドを生成させると同時にセルロース繊維に結合させる。
この際に用いる水溶性銀化合物としては、例えば硝酸銀AgNO3、亜硝酸銀AgNO2、塩素酸銀AgClO3、過塩素酸銀AgClO4、酢酸銀Ag(CH3CO22、硫酸銀Ag2SO4などを挙げることができる。そのほかジアンモノ銀クロリド[Ag(NH32]Clのような錯塩も用いることができる。これらの水溶性銀化合物は、0.05〜5mM、好ましくは0.1〜2mMの範囲の濃度で水に溶かし、水溶液として用いられる。
次に、この水溶性銀化合物の水溶液に添加される複合金属水素化物としては、例えば水素化ホウ素ナトリウムNaBH4、水素化ホウ素カリウムKBH4、水素化アルミニウムリチウムLiAlH4など各種化学反応で還元剤として慣用されているものを用いることができる。これらは、水溶性銀化合物に基づき、2〜50倍モル量の範囲で用いられる。これよりも少ない量では銀の還元が不十分になるし、またこれよりも多い量では後処理が厄介であり、好ましくない。
この方法を好適に行うには、先ず前記の水溶性銀化合物の水溶液に陽イオン性界面活性剤及び複合金属水素化物を加えて反応させることにより、金属銀コロイド含有液を生成させる。この反応は室温下、例えば20℃で十分進行するが、所望ならば30〜60℃に加熱して反応促進することもできる。反応時間は使用する各成分の種類や条件により変わるが、通常は5〜30分の範囲である。反応が完了すると粒径10nm以下の金属銀コロイドを含む淡黄色ないし暗褐色の金属銀コロイド含有液が得られる。
次に、この金属銀コロイド含有液にフィブリル化したセルロース繊維を浸漬し、5〜20分間軽くかき混ぜると、金属銀コロイド粒子がこれに結合し、液は無色になると同時にフィブリル化したセルロース繊維は黄色ないし黄褐色に着色する。そして銀コロイドが完全にフィブリル化したセルロース繊維に結合したか否かは、例えば処理液中の銀の原子吸光スペクトルを測定することによって確認することができる。
本発明によれば、極めて少ない量の金属銀コロイドを用いて強力な消臭力を示す消臭紙を得ることができる。
次に、実施例により、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、各例における消臭力は以下の方法により求めた。
消臭力試験法;
図1に示す頂部に試料懸吊具1を備え、ガス注入及びガス取出用管口2を設け、磁気撹拌翼3を底部に配置した3.5リットル内体積のガラス製デシケータ4を用い、試料懸吊具1に既知質量の短冊状の試料を取り付け、管口2より注射器により、既知濃度の悪臭ガス成分を含むガスを注入し試料と接触させたのち、所定時間経過後、管口2よりガスピペットによりガスを取り出し、ガス検知管により悪臭ガス成分の濃度を測定する。なお、上記の試料はいずれも40℃において6時間乾燥し、室温まで冷却して用いた。
20mM−硝酸銀水溶液2.5mlを脱イオン水91.5mlで希釈したのち、室温下1質量%濃度のステアリルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液1.0ml及び40mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液5.0mlをかき混ぜながら順々に加え、10分間室温で反応させることにより黄色透明な金属銀コロイド含有液(コロイド粒径12nm)100mlを調製した。
別に、ビスコースレーヨン糸900g、針葉樹パルプ5400g、バインダー用のポリビニルアルコール繊維200gを210リットルの水に懸濁したスラリーをホレンダー型の叩解機により30分間叩解し、次いで抄紙機により抄紙した。このとき抄紙速度を制御することにより坪量30g/m2の紙6.5kg(217m2)を得た。
この例においては、叩解機の刃間の間隔は0.09mmとし、回転数は1分間に300回転で行った。
図2は、叩解前のビスコースレーヨン繊維の顕微鏡拡大写真であり、図3は叩解後のビスコースレーヨン繊維の顕微鏡拡大写真である。これらの図から30分間の叩解によるフィブリル化により繊維径は最初の30μmから15μmに微細化している。
このようにして得た紙から40×30cmの紙片(3.6g)を切り取り、これを上記銀コロイド含有液の2倍希釈液25gを浸漬させて約1時間放置することにより、金属銀コロイドを紙に吸着させたのち、取り出し、風乾することにより金属銀コロイドを坦持したフィブリル化したセルロース繊維を含む消臭紙を製造した。
この紙の金属銀コロイドの坦持量は0.01質量%であった。
比較例
実施例1に使用した紙と同一組成のスラリーを15分間叩解したものを抄紙機にかけ抄紙速度を制御することにより坪量30g/m2の消臭紙6.5kg(217m2)を得た。この際のセルロース繊維の径はいずれも30μm以上であった。
このようにして得た紙から40×30cmの紙片(3.6g)を切り取り、これに実施例1で調製した銀コロイド含有液の2倍希釈液25gを浸透させて約2時間放置し、金属銀コロイドを紙に吸着させたのち取り出し、風乾することにより、金属銀コロイドを坦持したセルロース繊維を含む和紙を得た。紙の金属銀コロイドの坦持量は0.01質量%であった。
実施例1と同一組成のビスコースレーヨン、針葉樹パルプ、ポリビニルアルコール繊維の懸濁した210リットルのスラリーを実施例1と同じ叩解機により90分間叩解し、次いで抄紙機により坪量30g/m2の紙を得た。上記の叩解により、ビスコースレーヨンの繊維径は10μm以下に微細化した。
このようにして得られた紙から40×30cmの紙片(3.6g)を切り取り、これに実施例1で調製した銀コロイド含有液の2倍希釈液25gを浸透させて約2時間放置し、金属銀コロイドを紙に吸着させたのち取り出し、風乾することにより、金属銀コロイドを坦持したフィブリル化したセルロース繊維を含む消臭紙を得た。紙の金属銀コロイド担持量は0.01質量%であった。
20mM−硝酸銀水溶液12.5mlを脱水イオン水57.5mlで希釈した後、室温下1質量%濃度のステアリルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液5ml及び40mM−水素化ホウ素ナトリウム水溶液25mlをかき混ぜながら順々に加え、10分間室温で反応させることにより黄色透明な金属銀コロイド含有液100mlを調製した。
別に実施例2で得た叩解時間が90分のフィブリル化したセルロース性繊維(繊維径10μm)を含む紙から40×30cmの紙片(3.6g)を切り取り、上記の銀コロイド含有液の2倍希釈液25gを浸透させて約10時間放置することにより金属銀コロイドを紙に吸着させた。
次にこの紙を取り出し、風乾することにより金属銀コロイドを担持した淡褐色の紙を得た。この紙の金属銀コロイドの坦持量は0.05質量%であった。
参考例
悪臭の代表的なガスとして、アンモニアガス、トリメチルアミンガス、硫化水素ガス及びホルムアルデヒドガスについて、それぞれ100ppm、30ppm、20ppm、10ppmになるように順々に図1に示した3.5リットルの容器に充填し、実施例1、実施例2、比較例及び対照として金属銀コロイドを坦持せず、かつ叩解を行っていない紙の40×30cmに切断した試料を順次容器上部の懸吊具に固定し、容器中のガス濃度を10分後、30分後、60分後に測定した。その測定結果を表1に示す。
ガス濃度の減少は紙繊維によるガスの吸着と金属銀コロイドによる吸着したガスの分解に起因することが考えられるが、ガスの吸着によるガス濃度の減少は減少速度が小さく、しかも限度があり、一定値以下にはならない
表1から分るように、金属銀コロイドを担持せず、叩解も行われていない対照は繊維の吸着力も小さく、分解能力もないので、ガス濃度の減少速度が小さく、消臭力も小さい。これに対し、金属銀コロイドを担持した紙繊維は叩解しないものでもかなりの消臭力を示し、叩解時間が長くなるほど消臭力が増大していることが分る。
本発明の消臭紙は、魚介類等の生臭い食品の包装紙、鉄道車両、バス等の使い捨て椅子シート、焼肉店や喫煙者の多い遊戯店における衣類カバーなどとして、広く利用することができる。
消臭力試験に用いる装置の説明図。 叩解前のセルロース繊維の顕微鏡拡大写真図。 叩解後のフィブリル化したセルロース繊維の顕微鏡写真図。
符号の説明
1 試料懸吊具
2 ガス注入及びガス取出用管口
3 磁気撹拌翼
4 ガラス製デシケータ

Claims (8)

  1. 陽イオン性界面活性剤の存在下で還元して得られる金属銀コロイドを少なくとも0.001質量%の割合で坦持させたフィブリル化セルロース繊維からなる消臭紙。
  2. セルロース繊維が製紙用パルプ繊維である請求項1記載の消臭紙。
  3. 製紙用パルプ繊維が、木材パルプ、靭皮パルプ、ワラパルプ、竹パルプ及び古紙パルプの中から選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の消臭紙。
  4. フィブリル化を叩解又は摩擦で行う請求項1ないし3のいずれかに記載の消臭紙。
  5. 陽イオン性界面活性剤が高級アルキルアミン塩及び高級アルキル基をもつ第四級アンモニウム塩の中から選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし4のいずれかに記載の消臭紙。
  6. 陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、フィブリル化したセルロース繊維とそのセルロース繊維に対し金属銀換算で少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物とを接触させ、複合金属水素化物を加えて還元反応を行わせ、金属銀コロイドを生成させるとともに、これを該セルロース繊維と結合させることを特徴とする消臭紙の製造方法。
  7. 陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、セルロース繊維に対し金属銀換算で少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物を複合金属水素化物で還元して金属銀コロイドを生成させたのち、これをフィブリル化したセルロース繊維と接触させることを特徴とする消臭紙の製造方法。
  8. 陽イオン性界面活性剤を含む水性媒質中で、フィブリル化したセルロース繊維と金属銀換算でその質量の少なくとも0.001質量%の水溶性銀化合物を接触させたのち、複合金属水素化物を加えて還元反応を行わせ、金属銀コロイドを生成させることを特徴とする消臭紙の製造方法。
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