JP2005261522A - 電子内視鏡の信号ケーブルの端部構造 - Google Patents

Abstract

【課題】信号ケーブルのシールド線の電気的接続が方向性を限定されず、回路基板と信号ケーブルの信号線とを常に正しい向きに容易に接続することができる電子内視鏡の信号ケーブルの端部構造を提供すること。
【解決手段】挿入部１の先端に固体撮像素子７が内蔵されて、固体撮像素子７で撮像された内視鏡観察画像の撮像信号等を伝送するための信号ケーブル２０が挿入部１内に挿通配置された電子内視鏡において、信号ケーブル２０の先端部分において信号ケーブル２０の外皮２２を剥ぎ、その内側部分に編組配置されているシールド線２３の外周に導電性のリング状部材２５を被嵌して、シールド線２３の先端部分をリング状部材２５に沿って全周にわたって後方に曲げ戻す。
【選択図】 図１

Description

この発明は電子内視鏡の信号ケーブルの端部構造に関する。

電子内視鏡は一般に、挿入部の先端に固体撮像素子が内蔵されて、固体撮像素子で撮像された内視鏡観察画像の撮像信号等を伝送するための信号ケーブルが挿入部内に挿通配置された構成になっている。

そして、信号ケーブルの先端部分においては、信号ケーブルから引き出された信号線が、固体撮像素子の背面に隣接して配置されている回路基板に接続されると共に、信号ケーブルの外層付近に編組配置されているシールド線が他部品との接続のために引き出されている（例えば、特許文献１）。
特開２０００−８９１３６、段落〔００２９〕、図１

図５は、上述のような従来の電子内視鏡の信号ケーブルの端部構造の一例を示しており、信号ケーブル９０のシールド線９１が、外装ケース９２に形成されている切り欠き９３の位置に合わせて一つに束ねられて引き出されている。

しかし、そのようなシールド線９１の引き出しは全くの手作業になるので引き出し方向にバラツキが生じ易く、信号ケーブル９０からのシールド線９１の引き出し方向が狂うと、配線基板９５と信号線９６との接続固着作業が難しくなったり、信号線９６が捩じられた状態で配線基板９５に接続されて経時的に断線し易くなってしまう等の不具合が生じる。

そこで本発明は、信号ケーブルのシールド線の電気的接続が方向性を限定されず、回路基板と信号ケーブルの信号線とを常に正しい向きに容易に接続することができる電子内視鏡の信号ケーブルの端部構造を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するため、本発明の電子内視鏡の信号ケーブルの端部構造は、挿入部の先端に固体撮像素子が内蔵されて、固体撮像素子で撮像された内視鏡観察画像の撮像信号等を伝送するための信号ケーブルが挿入部内に挿通配置された電子内視鏡において、信号ケーブルの先端部分において信号ケーブルの外皮を剥ぎ、その内側部分に編組配置されているシールド線の外周に導電性のリング状部材を被嵌して、シールド線の先端部分をリング状部材に沿って全周にわたって後方に曲げ戻したものである。

なお、シールド線の先端部分がリング状部材に対して全周にわたって導電的に固着されているとよい。

本発明によれば、シールド線の外周に導電性のリング状部材を被嵌して、シールド線の先端部分をリング状部材に沿って全周にわたって後方に曲げ戻すようにしたことにより、信号ケーブルのシールド線の電気的接続が方向性を限定されず、回路基板と信号ケーブルの信号線とを常に正しい向きに容易に接続することができる。

挿入部の先端に固体撮像素子が内蔵されて、固体撮像素子で撮像された内視鏡観察画像の撮像信号等を伝送するための信号ケーブルが挿入部内に挿通配置された電子内視鏡において、信号ケーブルの先端部分において信号ケーブルの外皮を剥ぎ、その内側部分に編組配置されているシールド線の外周に導電性のリング状部材を被嵌して、シールド線の先端部分をリング状部材に沿って全周にわたって後方に曲げ戻し、シールド線の先端部分をリング状部材に対して全周にわたって導電的に固着する。

図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図２は電子内視鏡の挿入部の先端を示しており、可撓管状の挿入部１の先端に連結されている先端部本体２の先端面に、観察窓３と照明窓４等が並んで配置されている。

観察窓３の奥の先端部本体２内には、対物光学系５が収容された対物枠６と、先端に固体撮像素子７が収容固定された撮像部枠８とが直列に並んで配置されていて、観察窓３を通って対物光学系５により投影された被写体の像が、固体撮像素子７により撮像される。

撮像部枠８内には、固体撮像素子７の駆動回路等を構成する電子部品が搭載された回路基板１０が固体撮像素子７の後側に隣接して収容固定されている。そして、挿入部１内に全長にわたって挿通配置されている信号ケーブル２０が回路基板１０に後方から接続され、固体撮像素子７で撮像された内視鏡観察画像の撮像信号が信号ケーブル２０によって伝送される。

図１と図３は、信号ケーブル２０と回路基板１０との接続部の斜視図と側面断面図であり、図１においては撮像部枠８の図示が省略され、図３においては回路基板１０の図示が省略されている。

信号ケーブル２０内に多数挿通配置されている同軸線からなる信号線２１の芯線は、個別に回路基板１０の端子に半田付け等により接続固着されている。図１に示される１１は、回路基板１０に搭載されているＩＣチップやコンデンサ等の電子部品であり、図３に示される９は、撮像部枠８に被覆されている絶縁テープである。

信号ケーブル２０の先端部分においては、信号ケーブル２０の外皮２２が剥がされていて、その内側部分に編組配置されているシールド線２３の外周に、導電性を有するリング状部材２５が被嵌されて、シールド線２３の先端部分２３ａがリング状部材２５に沿って全周にわたって後方に曲げ戻されている。

リング状部材２５は外皮２２の内径寸法と略同じ内径寸法に形成されてシールド線２３の外周に被嵌され、外皮２２の先端面に当接する位置に配置されている。そして、図４の作業工程図に示されるように、シールド線２３の先端部分２３ａがリング状部材２５に沿って方向に曲げ戻されて、リング状部材２５に対して電気的に導通する状態に全周にわたって半田付け等によって固着され、後方に延びる余分な部分は切除されている。

その結果、図１に示されるように、シールド線２３の先端部分２３ａが信号ケーブル２０の先端近傍において信号ケーブル２０の外周をリング状に囲む状態になり、しかもリング状部材２５によってシールド線２３全体が電気的によく導通した状態になる。

したがって、シールド線２３を他の部品に接続する場合には、そのための導電線３０をシールド線２３のリング状の先端部分２３ａの最も都合のよい位置に半田付け等で接続すればよい。

そのような構成にすることにより、シールド線２３の電気的接続の方向性が限定されないので、信号ケーブル２０内の各信号線２１を回路基板１０に接続する作業は、信号線２１と回路基板１０の双方にとって最も都合のよい向きで容易に行うことができる。

なおリング状部材２５は、半田付け等によって固着されるシールド線２３に対して導電性を有することができればどのような素材を用いても差し支えなく、金属材料はもちろんのこと、導電性の表面処理が施された非金属材料等を用いることもできる。また、切削品、成形品或いはコイル状の素材からの一部切除使用等であっても差し支えない。

そして、信号ケーブル２０の端部がそのようなリング状部材２５により均一に囲まれて、図３に示されるように、撮像部枠８内の空間に充填された接着剤４０内に埋め込まれることにより、信号ケーブル２０の端部が撮像部枠８に対して非常に安定した状態に固定され、挿入部１が屈曲して信号線２１に不規則に張力が作用するような場合等であっても優れた耐久性を保持することができる。

本発明の実施例の信号ケーブルと回路基板との接続部の斜視図である。 本発明の実施例の電子内視鏡の挿入部先端の透視図である。 本発明の実施例の信号ケーブルと回路基板との接続部の側面断面図である。 本発明の実施例の信号ケーブルの先端部分を加工する作業工程の側面半断面図である。 従来の信号ケーブルと回路基板との接続部の斜視図である。

符号の説明

１ 挿入部
５ 対物光学系
７ 固体撮像素子
８ 撮像部枠
１０ 回路基板
２０ 信号ケーブル
２１ 信号線
２２ 外皮
２３ シールド線
２３ａ 先端部分
２５ リング状部材
３０ 導電線
４０ 接着剤

Claims (2)

1. 挿入部の先端に固体撮像素子が内蔵されて、上記固体撮像素子で撮像された内視鏡観察画像の撮像信号等を伝送するための信号ケーブルが上記挿入部内に挿通配置された電子内視鏡において、
   上記信号ケーブルの先端部分において上記信号ケーブルの外皮を剥ぎ、その内側部分に編組配置されているシールド線の外周に導電性のリング状部材を被嵌して、上記シールド線の先端部分を上記リング状部材に沿って全周にわたって後方に曲げ戻したことを特徴とする電子内視鏡の信号ケーブルの端部構造。
2. 上記シールド線の先端部分が上記リング状部材に対して全周にわたって導電的に固着されている請求項１記載の電子内視鏡の信号ケーブルの端部構造。

Images