JP2005257545A - 時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2つのケースが開閉可能に構成された時計において、両ケースの開閉操作の容易性を確保しつつ、両ケースを所定の回動角度において確実に位置決め保持できる構造を提供する。
【解決手段】 本発明の時計10は、ヒンジ部により回動可能に連結された第1ケース11と第2ケース12が開閉可能に構成されてなるケース構造を有し、第1ケース11のヒンジ部の近傍位置には、第2ケース12に向けて移動可能に装着され、且つ、第2ケース12に向けて付勢された係合部材18が設けられ、第2ケース12のヒンジ部の近傍位置には、係合部材の先端に当接する当接部12tが設けられ、係合部材18及び当接部12tは、第1ケース11と第2ケース12の所定の回動角度において相互に係合して所定の回動角度を保持する保持構造18a,12t1,12t2を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明の時計10は、ヒンジ部により回動可能に連結された第1ケース11と第2ケース12が開閉可能に構成されてなるケース構造を有し、第1ケース11のヒンジ部の近傍位置には、第2ケース12に向けて移動可能に装着され、且つ、第2ケース12に向けて付勢された係合部材18が設けられ、第2ケース12のヒンジ部の近傍位置には、係合部材の先端に当接する当接部12tが設けられ、係合部材18及び当接部12tは、第1ケース11と第2ケース12の所定の回動角度において相互に係合して所定の回動角度を保持する保持構造18a,12t1,12t2を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は時計に係り、特に、開閉可能に構成された第1ケースと第2ケースを有する時計の構造に関する。
一般に、上部ケースと下部ケースが開閉可能に連結されてなる2体ケース構造を備えた時計が知られている。この種の時計では、通常、上部ケースと下部ケースとを、連結ピンなどを有するヒンジ部によって回動可能に連結し、常時は上部ケースを閉じて下部ケース上に重ねることにより通常の時計、例えば腕時計として使用することができるとともに、上部ケースを開くことによって下部ケースの内面が露出して電卓などとしても用いることができるように構成されている(例えば、以下の特許文献1参照)。
上記の時計のヒンジ部には、上部ケースの貫通孔24と下部ケースの挿通孔22を共に貫通する連結ピン23が設けられ、この連結ピン23が挿通孔24の座ぐり部24aに装着されたOリング25によって締め付けられることにより、下部ケースに対する上部ケースの回動時に適度な回転抵抗を与えるようになっている。
また、上部ケースには係合部材31が装着され、上部ケースを閉じたときに、この係合部材31のフック部32が下部ケースの係止穴33に挿入され、係止穴33内に設けられた係止凸部34に係合することにより、上部ケースが閉鎖した状態に保持されるように構成されている。
特開平6−201857号公報(段落0002、0006、0007及び0008、並びに、図2及び図5参照)
しかしながら、前述の時計においては、連結ピン23を締め付けるOリング25により回動抵抗を付与するように構成されているので、上部ケースを開いた状態で所定の角度で位置を確実に保持できるように回動抵抗を大きくすると、上部ケースの開閉作業が困難になり、逆に、上部ケースの開閉作業を容易にするために回動抵抗を小さくすると、上部ケースの姿勢を保持できなくなるという問題点がある。
また、前述の時計では、係合部材31を係止穴33に係止することによって上部ケースを閉じた状態に保持するようにしているが、上部ケースを開くときにはフック32の係合力に抗して強制的に上部ケースを開くように構成されているので、フック32への応力負担が大きいとともに、フック32の係合力を大きくすると上部ケースを開きにくくなり、フック32の係合力を弱くすると上部ケースの保持力が小さくなり、不用意に上部ケースが開いてしまうという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的は、2つのケースが開閉可能に構成された時計において、両ケースの開閉操作の容易性を確保しつつ、両ケースを所定の回動角度において確実に位置決め保持できる構造を提供することにある。また、他の目的は、両ケースを閉じた状態に確実に規制できるとともに、規制部分に対する応力負担が少なく、しかも、規制の解除操作の容易な構造を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の時計は、ヒンジ部により回動可能に連結された第1ケースと第2ケースが開閉可能に構成されてなるケース構造を有する時計において、前記第1ケースの前記ヒンジ部若しくはその周囲位置には、前記第2ケースに向けて移動可能に装着され、且つ、前記第2ケースに向けて付勢された係合部材が設けられ、前記第2ケースの前記ヒンジ部若しくはその周囲位置には、前記係合部材の先端に当接する当接部が設けられ、前記係合部材及び前記当接部は、前記第1ケースと前記第2ケースの所定の回動角度において相互に係合して前記所定の回動角度を保持する保持構造を具備することを特徴とする。
上記発明によれば、ヒンジ部若しくはその周囲において第1ケースに装着された係合部材が第2ケースの当接部に当接し、これらの係合部材と当接部とで構成された保持構造が所定の回動角度を保持するように構成されていることにより、第1ケースと第2ケースの開閉動作を容易に構成しつつ、両ケースを所定の回動角度に確実に位置決め保持することができる。
本発明において、前記保持構造は、前記所定の回動角度に対応する位置において前記係合部材の先端と前記当接部のいずれか一方に設けられ、他方に嵌合する凹部若しくは凸部で構成されることが好ましい。これによれば、係合部材の先端と当接部のいずれか一方に設けられた凹部若しくは凸部が他方に嵌合することによって、係合部材に与えられる付勢力と嵌合構造によって定まる所定の保持力が得られる。例えば、上記の保持構造としては、所定の回動角度に対応する当接部の所定位置に設けられ、係合部材の先端に嵌合するように構成された凹部(凹穴や凹溝など)が挙げられる。また、これとは逆に、係合部材の先端に凹部を設け、この凹部に対応する凸部を当接部における所定の回動角度に対応する位置に設けてもよい。
また、本発明においては、上記の保持構造以外の部分では、係合部材の先端と当接部との当接位置がヒンジ部のヒンジ軸線を中心として径方向に一定距離に位置することが、回動抵抗を低減することができ、これにより両ケースの回動操作がさらに容易になる点で望ましい。
本発明において、前記保持構造により保持される回動角度は、前記第1ケースと前記第2ケースが相互に開いた状態にある角度範囲内と、前記第1ケースと前記第2ケースが閉じた状態にある角度にそれぞれ設定されていることが好ましい。これによれば、保持構造により両ケースを所定の角度で開いた状態と、両ケースを閉じた状態とにそれぞれ保持することができるため、ケースの開放状態と閉鎖状態のそれぞれにおいてケースが位置決めされることから、使い勝手を良好にすることができる。
本発明において、前記係合部材の付勢方向は常に前記ヒンジ部のヒンジ軸線に向かう方向であることが好ましい。これによれば、係合部材に対する付勢力が常にヒンジ軸線に向かうため、回動角度が変化しても付勢力に起因して当接部に及ぼされる応力の変化を少なくすることが可能になるので、安定した回動動作を得ることができるとともに、所定の回動角度における確実な保持状態を安定的に実現することができる。
本発明において、前記係合部材は、前記ヒンジ部のヒンジ軸線に沿った方向に延長された先端形状を有することが好ましい。これによれば、ヒンジ軸線に沿った方向に延長された先端形状で当接部に当接するため、保持構造の嵌合長さをヒンジ軸線の方向に長く構成することが可能になることから、保持力を高めることができるとともに保持状態をより安定させることが可能になる。
本発明において、複数の前記係合部材が前記ヒンジ部のヒンジ軸線に沿って配列されていることが好ましい。これによれば、ヒンジ軸線に沿って複数の係合部材が配列されているため、保持構造の嵌合範囲をヒンジ軸線の方向に長く配列させることが可能になることから、保持力を高めることができるとともに保持状態をより安定させることが可能になる。
本発明において、前記第1ケースには前記第2ケースに向けて開口する収容部を有し、前記係合部材の少なくとも一部が前記収容部に収容されていることが好ましい。第1ケースに設けられ、第2ケースに向けて開口する収容部に係合部材の少なくとも一部を収容することにより、簡易な構造で、係合部材を第2ケースに向けて移動可能に構成しつつ、第1ケースに対して位置決めすることができる。
本発明において、前記収容部には、前記係合部材を付勢する弾性部材が配置されていることが好ましい。これによれば、収容部内に弾性部材を配置し、この弾性部材によって係合部材を付勢するようにしたので、係合部材を安定した姿勢で付勢できる。
本発明において、前記第1ケースと前記第2ケースのうちいずれか一方のケースの外縁を他方のケースが包囲する形状に構成されていることが好ましい。このような形状であれば、一方のケースの外縁を他方のケースの包囲形状部分によって保護することが可能になる。特に、一方のケースよりも他方のケースを硬質な素材で構成することが好ましい。
本発明において、前記第1ケースと前記第2ケースの回動を規制する規制手段を有し、該規制手段は、前記第1ケースと前記第2ケースのうち一方のケースにおいて、他方のケースに対して回動方向と交差する方向に出没可能に設けられた可動係合部と、前記他方のケースにおいて前記一方のケースに向けて開口し、前記可動係合部を受け入れ可能に構成された係止開口部とを有することが好ましい。これによれば、可動係合部や係止開口部に応力負担をかけずに、変形させることもなく、可動係合部を回動方向と交差する方向に移動させて係止開口部に導入するだけで両ケースの回動を確実に規制することができる。ここで、可動係合部は回動方向と直交する方向に移動するように構成されることが規制力を確実に得ることができる点で好ましい。
また、前記可動係合部は一方のケースに回転可能に取り付けられた回転ベゼルの一部(張出部16a)で構成され、前記係止開口部(下記凹溝11g)は他方のケースにおける回転ベゼルに臨む位置(外側)に回転ベゼルの周回方向に沿って凹溝状に構成され、回転ベゼルの回転に伴って可動係合部がその回転方向に沿って係止開口部に滑り込むように構成されていることが望ましい。このとき、一方のケースには上記回転ベゼルの一部(張出部16a)が退避可能に構成され、前記係止開口部に連通する退避開口部(下記凹溝12g)が設けられることが望ましい。
本発明によれば、ヒンジ部により回動可能に連結された第1ケースと第2ケースが開閉可能に構成されてなるケース構造を有する時計において、第1ケースと第2ケースの開閉動作を容易にしつつ、両ケースを所定の回動角度に確実に位置決め保持することができるという優れた効果を奏し得る。
次に、添付図面を参照して本発明に係る時計の実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態の縦断面図(左半分が6時方向及び右半分が12時方向の断面図)、図2は本実施形態の異なる断面を示す縦断面図(左半分が1時方向及び右半分が3時方向の断面図)、図3は本実施形態のケース構造を示す概略平面図(a)及びヒンジ部の縦断面図(b)、図4は本実施形態の第1ケース11、第2ケース12及び係合部材18の分解斜視図である。なお、本実施形態の時計10は腕時計であって、上記図面には本体部のみを示すが、本発明は腕時計に限らず、懐中時計、置き時計、掛け時計などの種々の時計に適用できるものである。ただし、本発明は、特に腕時計、懐中時計、ストップウォッチ、ダイバーズコンピュータ、ダイバーズウォッチ、盲人時計などの携帯時計に適用する場合に好適である。
時計10は、第1ケース(外胴)11と、第2ケース(内胴)12とがヒンジ部において相互に回動可能に連結されたケース構造を有する。第1ケース11には、図示しない装着バンドに接続されるカン構造を備えた端部11j,11kが設けられている。このうちの一方の端部11kと、この端部11kに隣接した第2ケース12の端部12kとには図3(b)に示すように挿通孔11c,12cがそれぞれ形成され、これらの挿通孔11c、12cに連結ピン21が挿通されることにより上記のヒンジ部が構成されている。連結ピン21の一方の端部には拡大された頭部21aが形成され、この頭部21aが挿通孔12cの段部に係合するとともに、連結ピン21の頭部21aとは反対側の端部にはパイプ21bが圧入され、このパイプ21bが挿通孔12cのもう一つの段部に係合することにより、連結ピン21が挿通孔11c,12cの内部に保持された状態となっている。
図3(a)に示すように、第1ケース11は環状の平面形状を有し、通常(基準状態)では第1ケース11の内部(図1に示す第1ケース11の開口部11a内)に第2ケース12が配置されるようになっている。一方、図1及び図2に示すように、第2ケース12の裏面側には裏蓋13が取り付けられ、表面側には表示窓14が取り付けられている。第2ケース12の内部には内蔵モジュール(ムーブメント)15が収容され、その表面側に指針や文字板などを含む表示部15Aが構成されている。また、第2ケース12の外縁(12時方向、1時方向及び11時方向の外縁)にはリュウズ構造や押しボタン構造などを有する外部操作部材17A,17B,17Bが突設され、この外部操作部材17A,17Bは上記内蔵モジュール15に接続され、或いは接続可能に構成されている。
第2ケース12の表面側には、上記表示部15Aを取り巻くように回転ベゼル16が回転可能に装着されている。この回転ベゼル16は、ヒンジ部の近傍では第2ケース12により半径方向内外から共に挟まれた位置に配置され、それ以外の領域では内側に第2ケース12が配置され、外側に第1ケース11が配置されるように第1ケース11と第2ケース12とによって半径方向内外から挟まれる位置に配置されている。
ここで、図2に示すように第1ケース11における回転ベゼル16に外側から臨む部分には内側(すなわち第2ケース12側)に開口する凹溝11gが設けられ、また、図1に示すように第2ケース12における回転ベゼル16に外側から臨む部分には内側に開口する凹溝12gが設けられている。これらの凹溝11gと凹溝12gは回転ベゼル16の外周側において回転ベゼル16の回転方向に沿って連通している。そして、凹溝11g,12g内には回転ベゼル16の外縁に設けられた張出部16aが挿入された状態となっている。この張出部16aは回転ベゼル16の回転とともに回転する。この回転方向は、第1ケース11及び第2ケース12の相対的回動方向と交差する方向、図示例では直交する方向となるように構成されている。
これにより、図3(a)に示すように、回転ベゼル16を回転操作することで、張出部16aが第1ケース11の凹溝11gに係合したロック状態と、張出部16aが第2ケース12の凹溝12g内に配置されたアンロック状態のいずれかを選択できるように構成されている。そして、ロック状態では第2ケース12は第1ケース11に対して回動できないように規制され、アンロック状態では第2ケース12は上記ヒンジ部のヒンジ軸線(上記連結ピン21の軸線)を中心に第1ケース11に対して回動可能となる。ここで、図3(a)には張出部16aがロック位置とアンロック位置の双方に配置されているように図示されているが、実際にはいずれかにのみ配置されるように構成されている。なお、停止ピン12sは、上記張出部16aの回動範囲を規制するためのストッパである。この停止ピン12sは第2ケース12の底面に開口した孔内に圧入され、その先端が上記凹溝12g内に突出してストッパを構成している。
図1、図3(b)及び図4に示すように、第1ケース11の上記ヒンジ部に隣接する部分には、収容部を構成するガイド穴11b及び収容溝11b′が設けられ、このガイド穴11b及び収容溝11b′内に係合部材18が収容されている。係合部材18は、収容溝11b′の開口部からヒンジ部に向けて突出する先端部18aと、ガイド穴11b内に収容された基端部(脚部)18bとを有する。図示例では、係合部材18の先端部18aはヒンジ軸線に沿った延長形状を有する。また、基端部18bは軸状に構成されてヒンジ軸線に沿って複数配置され、同様にヒンジ軸線に沿って複数配置された上記のガイド穴16b内にそれぞれ収容されている。ガイド穴16b内にはコイルバネなどで構成される弾性部材19が収容され、この弾性部材19によって係合部材18がヒンジ部に向けて突出する方向に付勢されている。本実施形態では、複数のガイド穴16b内にそれぞれ弾性部材19が配置され、これらの複数の弾性部材19によって係合部材18を付勢することで、個々の弾性部材19に加わる負担を軽減し、弾性部材19の耐久性を高めることができるとともに、係合部材18を安定した姿勢で付勢することができるようになっている。
なお、本実施形態では、複数(図示例では4つ)のガイド穴11bのうちの一部(図示例では2つ)にのみ基端部18bがそれぞれ収容されているが、係合部材18にガイド穴11bに対応する数の基端部18bを設け、各ガイド穴11bの全てに基端部18bを収容してもよい。
この係合部材18は、上記のヒンジ軸線に向けて移動可能に構成され、且つ、上記のヒンジ軸線に向けて付勢されている。すなわち、係合部材18の軸線は、ヒンジ軸線である連結ピン21の軸線を通過するように構成されている。これにより、係合部材18は第2ケース12に対して常に連結ピン21の軸線に向いた方向の押圧力を与えるようになっている。
上記係合部材18の先端部18aは凸状に構成され、第2ケース12の端部12kの一部に構成された当接部(当接面)12tに当接している。この当接部12tには、上記先端部18aが嵌合可能な凹部12t1,12t2が形成されている。これらの凹部12t1,12t2は、本実施形態の場合、ヒンジ軸線に沿って伸びる凹溝となっている。また、これらの凹部12t1,12t2以外の当接部12tの表面は、ヒンジ軸線を中心とする円筒面となっている。すなわち、凹部12t1,12t2以外の当接部12tの表面と、係合部材18の先端部18aの当接位置は、ヒンジ軸線を中心として常に半径方向の一定距離に位置している。なお、図3(b)の中央の一点鎖線より左側には、係合部材18の先端18aが当接部12tの凹部12t1,12t2以外の部分に当接しているときの高さ位置を示し、図3(b)の中央の一点鎖線より右側には、係合部材18の先端18aが当接部12tの凹部12t1,12t2に嵌合しているときの高さ位置を示す。
係合部材18の先端18aは、弾性部材19の弾性力により第2ケース12に向けて付勢され、図5(a)に示すように、第2ケース12が第1ケース11に対して重なった状態(以下、単に「基準状態」という。)において凹部12t1と嵌合し、その付勢力と嵌合形状とにより、基準状態を保持する保持力を発生するようになっている。したがって、上記の回転ベゼル16の張出部16aをロック位置に配置してロック状態にするといったことを行わずに、規制手段が解除された状態としていても、上記係合部材18と凹部12t1との嵌合によって基準状態が或る程度の応力で保持される。
ここで、係合部材18の先端18aと第2ケース12との係合部(当接部12t、凹部12t1、12t2)の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの硬質処理を行うことにより、前記係合部の耐磨耗性を向上させることができる。これにより、第2ケース12の開閉動作を長期に渡り安定して行うことができるものとなる。
ここで、係合部材18の先端18aと第2ケース12との係合部(当接部12t、凹部12t1、12t2)の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの硬質処理を行うことにより、前記係合部の耐磨耗性を向上させることができる。これにより、第2ケース12の開閉動作を長期に渡り安定して行うことができるものとなる。
上記の基準状態において、上記回転ベゼル16の張出部16aをアンロック状態とし、上記の保持力に抗して第2ケース12を第1ケース11から離すように回動させると、図5(b)に示すように、係合部材18の先端18aは凹部12t1から脱して、凹部以外の円筒面上に当接した状態となり、回動抵抗が小さくなる。そして、さらに同じ方向に回動させていくと、図5(c)に示すように、係合部材18の先端18aはもう一つの凹部12t2に嵌合する。このときも、係合部材18の先端部18aと凹部12t2との嵌合によって第2ケース12を第1ケース11に対して所定の回動角度で保持する保持力が発生するので、第2ケース12を第1ケース11に対して所定角度開いた角度位置に保持することができる。
本実施形態では、上記のように構成されていることにより、第1ケース11に第2ケース12が重なった基準状態で通常の腕時計として用いることができるとともに、第2ケース12を第1ケース11に対して屹立させた状態で用いることもできる。特に第2ケース12が第1ケース11から屹立した状態では、第2ケース12に設けられた表示部15Aの視認性を高めることができる。また、第2ケース12が第1ケース11に対して屹立した状態では、第1ケース11を設置面(机表面など)上に置いた姿勢で用いることができるため、置時計として用いることもできる。
本実施形態によれば、第1ケース11のヒンジ部の近傍に装着され、第2ケースに向けて付勢された係合部材18を設け、この係合部材18の先端部18aが第2ケースのヒンジ部の近傍に設けられた当接部12tに当接するように構成され、この当接部12tに、係合部材18の先端部18aと嵌合する凹部12t1,12t2を形成し、係合部材18の先端部18aと凹部12t1,12t2とが嵌合することによって第1ケース11と第2ケース12とが所定の角度位置にて保持されるように構成されている。したがって、第1ケース11と第2ケース12の回動操作を困難にすることなく、すなわち、回動抵抗を大きくしなくても、両ケースを所定の角度位置にて確実に保持することができる。特に、本実施形態では、第1ケース11と第2ケース12とが重なった基準状態と、第2ケース12が第1ケース11から開いた状態のいずれをも上記係合部材18と当接部12tとの嵌合によって保持することができるので、いずれの状態でも容易に用いることができる。
本実施形態の係合部材18は複数の基端部18bを有し、それぞれがガイド穴11bに位置決めされているため、係合部材18を第2ケース12に向かう方向(図示例ではヒンジ軸線に向かう方向)に安定した姿勢でガタつくことなく、スムーズに移動させることができる。したがって、係合部材18の当接部12tに対する係合姿勢が安定するので、所定の回動角度における保持力を確実に発生させることが可能になる。
本実施形態の係合部材18は常にヒンジ軸線に向けて押圧力を及ぼしながら当接部12tに当接しているため、両ケースの回動角度が変化しても安定した係合状態を維持することができることから、回動動作が安定し、しかも、所定の回動角度における保持力も安定する。
また、当接部12tのうち凹部12t1,12t2以外の部分はヒンジ軸線を中心とする円筒面となっているので、係合部材18と当接部12tの当接位置が、凹部12t1,12t2以外においては常にヒンジ軸線を中心として半径方向に一定距離に位置することになるため、保持力が発生する所定の回動角度以外における回動抵抗を低減することができることから、回動操作を容易に行うことができるようになっている。
本実施形態では、上記基準状態において第1ケース(外胴)が第2ケース(内胴)を取り囲む(包囲する)ように構成されているので、第2ケースを第1ケースにより保護することができる。この場合、第1ケースを硬質素材(傷が付きにくい素材、変形しにくい素材など)で構成し、第2ケースを軟質素材(加工しやすい素材、安価な素材など)で構成することによって、製造コストを抑制しつつ、時計の耐久性の向上や外観の維持を図ることができる。
また、本実施形態では規制手段として張出部16a及び凹溝11gが設けられ、張出部16aは、両ケースの相対的な回動方向と交差する方向(直交する方向)に移動可能に構成され、第1ケース11に対して出没可能に構成されているため、規制作用を両ケース間の相対的回動動作とは無関係に生じさせることができるとともに、規制手段に応力負荷を与えずに、変形させることもなく作用させることができることから、規制手段の耐久性の向上、操作の容易化、規制作用の確実性向上などを図ることができる。
上記実施形態では、係合部材18として一つの先端部18aと、2本の基端部(脚部)18bとを有するものが例示されているが、複数の基端部が一つの先端部に接続されたものであれば、これらの基端部の数及び位置に対応する数及び位置にガイド穴を有するケースを用いれば、上記と同様に構成することができる。例えば、図6(a)に示すように係合部材18′が5つの基端部が一つの先端部に一体に接続されたものであってもよい。また、図6(b)に示すように、2つの基端部が一つの先端部に一体に接続された係合部材18″をヒンジ軸線に沿って複数個(図示例では2個)配列させた形で用いてもよい。この場合には、収容部は上記実施形態と同様に構成されていてもよいが、特に、それぞれの係合部材18″を確実に位置決め保持するために、係合部材18″毎に収容部を独立して設けることが望ましい。さらに、図6(c)に示すように、係合部材28として、一つの先端部28aと一つの基端部28bのみを有するものを用いても構わない。この場合には、複数の係合部材28をヒンジ軸線に沿って配列した状態で用いることが好ましい。このとき、収容部は各係合部材28別に独立して形成されることが好ましく、これらの収容部もまた、ヒンジ軸線に沿って配列されることが好ましい。
尚、本発明の時計は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、第1ケースが第2ケースを取り囲むように構成されているが、第1ケースと第2ケースのいずれかを上部ケースとし、他方を下部ケースとし、両ケースが重なり合った状態と開いた状態の双方になりうるように両ケースを回動可能に連結した構造であってもよい。さらに、本発明は、3つ以上のケースが相互に回動可能に連結されたものであっても構わない。
また、上記実施形態では、係合部材18及び当接部12t(保持構造を含む。)がヒンジ部(挿通孔11c,12c及び連結ピン21で構成される部分)の周囲位置に設けられているが、ヒンジ部が或る程度大きな直径を有する場合など、ヒンジ部の内部に係合部材18及び当接部12tが構成されていても構わない。さらに、上記実施形態では、ヒンジ軸線と直交する方向に係合部材18が移動可能で且つ同方向に付勢されているが、ヒンジ軸線と平行な方向に係合部材18が移動可能で且つ同方向に付勢されていてもよい。
本発明の時計は、上記腕時計をはじめとして、懐中時計、提げ時計、ストップウォッチ、盲人時計、ダイバーズウォッチ、ダイバーズコンピュータなどの時計機能を有する携帯時計に適用することが好適なものであるが、携帯時計以外でも、置き時計、掛け時計などの種々の時計に適用することができる。
10…時計、11…第1ケース、11b…ガイド穴、11b′…収容溝、11c…挿通孔、11k…端部、12…第2ケース、12c…挿通孔、12t…当接部、12t1,12t2…凹部、12k…端部、13…裏蓋、14…表示窓、15…内臓モジュール、16…回転ベゼル、16a…張出部、17A,17B…外部操作部材、18…係合部材、18a…先端部、18b…基端部、19…弾性部材、21…連結ピン
Claims (11)
- ヒンジ部により回動可能に連結された第1ケースと第2ケースが開閉可能に構成されてなるケース構造を有する時計において、
前記第1ケースの前記ヒンジ部若しくはその周囲位置には、前記第2ケースに向けて移動可能に装着され、且つ、前記第2ケースに向けて付勢された係合部材が設けられ、
前記第2ケースの前記ヒンジ部若しくはその周囲位置には、前記係合部材の先端に当接する当接部が設けられ、
前記係合部材及び前記当接部は、前記第1ケースと前記第2ケースの所定の回動角度において相互に係合して前記所定の回動角度を保持する保持構造を具備することを特徴とする時計。 - 前記保持構造は、前記所定の回動角度に対応する位置において前記係合部材の先端と前記当接部のいずれか一方に設けられ、他方に嵌合する凹部若しくは凸部で構成されることを特徴とする請求項1に記載の時計。
- 前記係合部材の先端と前記当接部との当接位置は、前記保持構造以外において前記ヒンジ部のヒンジ軸線を中心として径方向に一定距離に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の時計。
- 前記保持構造により保持される回動角度は、前記第1ケースと前記第2ケースが相互に開いた状態にある角度範囲内と、前記第1ケースと前記第2ケースが閉じた状態にある角度にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の時計。
- 前記係合部材の付勢方向は常に前記ヒンジ部のヒンジ軸線に向かう方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の時計。
- 前記係合部材は、前記ヒンジ部のヒンジ軸線に沿った方向に延長された先端形状を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の時計。
- 複数の前記係合部材が前記ヒンジ部のヒンジ軸線に沿って配列されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の時計。
- 前記第1ケースには前記第2ケースに向けて開口する収容部を有し、前記係合部材の少なくとも一部が前記収容部に収容されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の時計。
- 前記収容部には、前記係合部材を付勢する弾性部材が配置されていることを特徴とする請求項8に記載の時計。
- 前記第1ケースと前記第2ケースのうちいずれか一方のケースの外縁を他方のケースが包囲する形状に構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の時計。
- 前記第1ケースと前記第2ケースの回動を規制する規制手段を有し、該規制手段は、前記第1ケースと前記第2ケースのうち一方のケースにおいて、他方のケースに対して回動方向と交差する方向に出没可能に設けられた可動係合部と、前記他方のケースにおいて前記一方のケースに向けて開口し、前記可動係合部を受け入れ可能に構成された係止開口部とを有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の時計。
Priority Applications (1)
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JP2004071018A JP2005257545A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 時計 |
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JP2004071018A Withdrawn JP2005257545A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 時計 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005257545A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009524009A (ja) * | 2005-12-08 | 2009-06-25 | ザ スウォッチ グループ マネージメント サービシス エージー | 回転するケースを有する時計 |
WO2015127712A1 (zh) * | 2014-02-25 | 2015-09-03 | 江世永 | 便于放置的手表 |
-
2004
- 2004-03-12 JP JP2004071018A patent/JP2005257545A/ja not_active Withdrawn
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