JP2005256629A - 火花点火式直噴エンジン - Google Patents

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統之 太田
Yasushi Murakami
康 村上
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Abstract

【課題】 吸気行程で燃料噴射を行ったとき、混合気の均質性が向上され、優れた特性の均一燃焼を行うことができる火花点火式直噴エンジンを提供すること。
【解決手段】 本発明の火花点火式直噴エンジンは、燃焼室10上部中央に配置された点火プラグ32と、燃焼室天井部に形成された吸気ポート16と、インジェクタ36と、インジェクタを制御する燃料噴射制御手段とを備えた火花点火式直噴エンジンであって、インジェクタが複数の噴口を備え、噴口の少なくとも1つは、その軸心が、吸気弁の最大リフト状態において吸気弁と干渉しないように降下した吸気弁の弁傘部20aの上方空間を指向して配置され、燃料噴射制御手段が、吸気弁が最大リフト状態となる吸気行程中期にインジェクタから燃料を噴射させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、火花点火式直噴エンジンに関し、特に、複数の噴口を有するインジェクタを備えた火花点火式直噴エンジンに関する。
燃料を燃焼室内に直接噴射するインジェクタを備えた火花点火式直噴エンジンが知られている。この種のエンジンでは、圧縮行程に燃料噴射を行って点火プラグ近傍に混合気を偏在させて成層燃焼を行い、燃費を向上させることができるように構成されている。本発明はこのような技術に基づいて、開発されたものである。
上述したような直噴エンジンでは、全負荷時等の所定の条件下では、吸気行程に燃料噴射を行う均一燃焼を行わせている。しかしながら、直噴エンジンでは、圧縮行程における燃料噴射で点火プラグ近傍に混合気を偏在させるのに適する構成とされているので、吸気行程における燃料噴射では、混合気が気化不良または不均一となり、必要なトルクが得られず、また、全負荷時には、スモーク、パーティキュレート、HCが発生する等の問題が生ずることがあった。さらに、噴射された燃料が燃焼室の内壁を構成するライナを直撃し、ライナに付着していたエンジンオイルが希釈化されるという問題が生じることもあった。
このような状況において、本願発明の発明者等は、直噴エンジンにおいて、吸気弁に対するインジェクタ噴口の軸心(燃料噴射の中心軸線)の方向等を工夫することによって、吸気行程に噴射された燃料の気化/ミキシングが促進され、燃焼室内における混合気の均質性を向上させる効果が得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、吸気行程で燃料噴射を行ったとき、混合気の均質性が向上され、優れた特性の均一燃焼を行うことができる火花点火式直噴エンジンを提供することを目的とする。
本発明によれば、燃焼室上部中央に配置された点火プラグと、燃焼室天井部に形成され吸気弁が着座する吸気ポートと、前記燃焼室に燃料を噴射するように配置されたインジェクタと、該インジェクタからの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備えている火花点火式直噴エンジンであって、前記インジェクタが複数の噴口を備え、該噴口の少なくとも1つは、その軸心が、前記吸気弁の最大リフト状態において該吸気弁と干渉しないように降下した吸気弁の弁傘部の上方空間を指向して配置され、前記燃料噴射制御手段が、前記吸気弁が最大リフト状態となる吸気行程中期に前記インジェクタから燃料を噴射させる、ことを特徴とする火花点火式直噴エンジンが提供される。
最大リフト状態とは、吸気弁のリフト量が大きいとき、例えば、最大リフト量の80ないし100%程度リフトした状態を指す。
このような構成によれば、吸気行程中期に、大きくリフト(燃焼室内方向に移動)した吸気弁の弁傘部の上方空間に燃料が噴射される。吸気行程中期はピストン下降速度が高いため高速の吸気流が生成されており、さらに、吸気弁の弁傘部の上方空間では、断面積が絞られ吸気流の速度が特に高くなっているため、この弁傘部の上方空間に噴射された燃料は、高速の吸気流によって燃焼室内に速やかに導入される。この結果、燃焼室内で燃料の気化/ミキシングが促進され、混合気の均質化が促進される。このため、スモーク、HCの生成が抑制され、燃費(トルク)が改善される。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記吸気弁が、隣接して2つ配置され、前記2つの吸気弁のそれぞれに対して、前記吸気弁の上方空間を指向して配置される噴口が設けられ、該2つの噴口は、前記最大リフト時に前記2つの吸気弁のバルブステム間を指向するように配置されている。
前記2つの噴口は、該2つの噴口の軸心の開き角が、吸気行程における前記各噴口からの噴射角の1/2の和より大きな角度となるように配置されている。
このような構成によれば、2つの噴口からの燃料が十分離れて噴射されるので、2つの噴口からの燃料噴射が引き合う相互干渉作用が防止され、燃焼室内での燃料の均質化が促進される。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記2つの噴口の軸心が、前記点火プラグの電極部の側方位置にそれぞれ指向するように、前記2つの噴口と点火プラグとが配置されている。
このような構成によれば、燃焼室内には均一に混合気を存在させつつ、点火プラグの周囲に燃料が比較的多く存在する所謂弱成層化状態を形成できるので、吸気の20%以上の排気を導入する所謂ヘビーEGRを行っても、安定した燃焼を確保できる。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記点火プラグの電極の下方を指向する軸心を有する噴口が更に設けられ、前記燃料噴射制御手段が、所定の運転領域では、圧縮行程に前記インジェクタから燃料を噴射させる。
このような構成によれば、圧縮行程での燃料噴射によって点火プラグの電極回りに混合気を偏在させることができるので、安定して成層燃焼が可能となる。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記吸気弁が、隣接して2つ配置され、弁傘部の上方空間を指向して配置された噴口が該2つの吸気弁のそれぞれに対して2つずつ設けられ、該2つの噴口が、軸心が前記吸気弁のバルブステムの内側を指向する噴口と、軸心が前記吸気弁のバルブステムの外側を指向する噴口とからなる。
このような構成によれば、バルブリフト時における弁傘部の上方空間を有効に利用して燃料が噴射されるので、燃料の均質化が促進される。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記軸心が前記吸気弁のバルブステムの外側を指向する噴口のL/Dが、前記軸心が前記吸気弁のバルブステムの内側を指向する噴口のL/Dより小さく設定されている。
バルブステムの外側を指向する噴射経路においては燃焼室の周壁までの距離は、バルブステムの内側を指向する噴射経路における燃焼室の周壁までの距離より短い。上記構成によれば、バルブステムの外側を指向する噴口はL/Dが小さいので、噴射角が広くなる。この結果、外側を指向する噴口からの燃料噴射の貫徹力(ペネトレーション)が小さくなり、燃焼室の周壁の表面への燃料の付着が抑制される。
本発明によれば、吸気行程で燃料噴射を行ったとき、混合気の均質性が向上され、優れた特性の均一燃焼を行うことができる火花点火式直噴エンジンが提供される。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態の火花点火式直噴エンジンの構成について詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の火花点火式直噴エンジン1の概略的な構成を示す図面であり、図2はエンジンの燃焼室付近を拡大した断面図である。
エンジン1は、直列に配置された4本の気筒2(図1では1本のみを示す)が形成されたシリンダブロック4と、このシリンダブロック4上に配置されたシリンダヘッド6とを備えている。気筒2内には、ピストン8が上下方向に往復動可能に配置されている。
ピストン8とシリンダヘッド6との間には燃焼室10が形成されている。燃焼室10は、図2に示すように、気筒2の天井部の略中央部からシリンダヘッド6の下端面付近まで延びる2つの傾斜面を備えたいわゆるペントルーフ型燃焼室とされている。
一方、シリンダブロック4内のピストン8の下方には、クランク軸12が回転自在に支持されており、このクランク軸12とピストン8とはコネクティングロッド14を介して連結されている。
図1、図2に示されているように、シリンダヘッド6には、吸気ポート16及び排気ポート18が、それぞれ2つずつ(図1、図2では、いずれも一方のみを図示)、並列状態で形成されている。この2つの吸気ポート16は、それぞれ、燃焼室の一方の傾斜面に開口され、各吸気ポート16には、所定のタイミングで開閉作動される吸気弁20が着座する。各吸気弁20は、略円形を有し吸気ポート16を開閉する弁傘部20aと、弁傘部20aの中心から延びる棒状のステム20bとを備えた公知の形状である。また、2つの排気ポート18には、燃焼室の他方の傾斜面に開口され、所定のタイミングで開閉作動される排気弁22が着座する。
図1に示すように、エンジン1の一側面には、各気筒2の吸気ポート16にそれぞれ連通する吸気通路24が接続されている。この吸気通路24は、エンジン1の燃焼室10にエアクリーナ(不図示)で濾過された吸気を供給するためのものであり、その上流側から下流側に向かって順に、エンジン1に吸入される吸入空気量を検出するためのホットワイヤ式エアフローセンサ26と、吸気通路24を絞る電気式スロットル弁28と、サージタンク30とが配置されている。電気式スロットル弁28は、アクセルペダル(不図示)に対し機械的に連結されておらず、図示しない電気式駆動モータにより駆動される。
また、吸気通路24は、サージタンク30よりも下流側が各気筒2に接続された独立通路に分岐され、その各独立通路の下流端部は、さらに2つに分岐して各気筒の2つの吸気ポート16にそれぞれ接続されている。
また、燃焼室10の上部中央には、4つの吸排気弁20、20、22、22の略中心に、点火プラグ32が配置されている。この点火プラグ32の先端の電極32aは、燃焼室10の天井部から所定距離だけ突出した位置にあり、その点火プラグ32の基端部には点火回路34が接続されており、気筒2毎に所定のタイミングで点火プラグ32に通電するように構成されている。
各燃焼室10の周縁部には、2つの吸気ポート16、16間にインジェクタ36が取付けられている。インジェクタ36は、先端部に複数の噴口が形成された所謂マルチホール型のインジェクタであり、図3に斜線で示されている吸気弁20の弁傘部20aが移動する空間(リフト空間またはカーテンエリア)を挟んで点火プラグ32の電極部32aと対向するように配置されている。
各インジェクタ36は燃料分配管38が接続されている。燃料分配管38は、燃料供給系40から供給される高圧の燃料を各インジェクタ36に供給する。
エンジン1の他側面には、図1に示すように、燃焼室10から排気ガスを排出する排気通路42が接続されている。この排気通路42の上流端は、分岐して各気筒2の排気ポート18に接続される排気マニホールド44とされている。排気マニホールド44の集合部には排気中の酸素濃度を検出するリニアO2センサ46が配置されている。リニアO2センサ46は排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する。
また、排気マニホールド44の集合部には、排気管48の上流端が接続されている。排気管48には、上流側から下流側に向けて順に、三元触媒50、NOx吸収触媒52が取付けられている。NOx吸収触媒52は、排気中の酸素濃度の高いときNOxを吸着する一方、酸素濃度の低下に伴い吸着していたNOxを放出し、放出したNOxを排気中のHC、CO等により還元するNOx吸着還元タイプの触媒である。
また、排気管48には、排気ガスの一部を吸気系に還流させるEGR通路54の上流端が接続されている。EGR通路54の下流端は、スロットル弁28とサージタンク30との間で吸気通路24に接続されている。また、EGR通路54には、開度が電気的に調整可能であるEGR弁56が設けられている。
図1に示されているように、エンジン1は、ECU(エンジンコントロールユニット)58を備えている。ECU58には、クランク軸12の回転角度(エンジン回転数)を検出するクランク角センサ60、エアフローセンサ26、リニアO2センサ46、アクセル開度センサ62等の種々のセンサからの出力信号が入力され、入力された出力信号に基づいて、点火回路34、インジェクタ36、電気式スロットル弁28、EGR弁56等の作動が制御される。
図4は、本実施形態のエンジン1において行われる燃料噴射制御で用いられる制御マップを示す。図4に示されているように、本実施形態のエンジンでは、全運転領域が、均一燃焼領域とされている。この均一燃焼領域においては、吸気弁20が最大リフト状態となる吸気行程中期に燃料噴射が行われる。ここで、吸気弁20の最大リフト状態とは、吸気弁のリフト量が、最大リフト量の略80ないし100%である期間を指す。
また、本実施形態のエンジン1では、図4に示されているように、高負荷領域ではEGRを行わず、その他の領域(斜線)では、吸気の20%以上の排気を導入する所謂ヘビーEGRを行うように構成されている。
均一燃焼領域では、大部分の運転領域で混合気の空燃比が略理論空燃比(A/F≒14.7)になるように、燃料噴射量やスロットル開度が制御されるが、全負荷運転状態では、空燃比を理論空燃比よりもリッチな空燃比(A/F=13程度)に制御して、高負荷に対応した大出力が得られるような制御を行っている。
次に、インジェクタ36に形成されている複数の噴口の配置について説明する。図5は噴口64の構造を示す模式的な断面図であり、図6は噴口の配置(もしくは、噴射が狙う位置)を示す図面である。図5に示されているように、噴口64は、インジェクタ36の先端壁36aを穿孔することにより形成されており、各噴口64は、固有の直径Dと長さLとを有している。
図6に示されているように、本実施形態のインジェクタ36の噴口64は、上方に配置された4つの噴口(上方噴口)64a、64b、64c、64dと、下方に配置された2つの噴口(下方噴口)64e、64fからなる。
上方噴口64a、64b、64c、64dの軸心66a、66b、66c、66d、即ち、燃料噴射方向(噴射される燃料の中心軸)は、最大リフト量の略80%リフト(燃焼室内方向に移動)した吸気弁20の弁傘部20aの上方(シリンダヘッド側)空間(図3に斜線で示す領域)を指向するように配置されている。詳細には、図7に示されているように、上方噴口64a、64b、64c、64dの軸心66a、66b、66c、66dは、最大リフト量の略80%リフトした状態の吸気弁20の弁傘部20aと接触せず、これらの噴口64a、64b、64c、64dから噴射され所定の噴射角で円錐状に拡がる燃料噴霧68a、68b、68c、68dが、最大リフト量の略80%リフトした状態の吸気弁20の弁傘部20aと接触せず、弁傘部20aの上方を通過するように配置されている。
さらに、上方噴口64a、64b、64c、64dの外側の2つの噴口64a、64dの軸心66a、66dが、図8に示されているように、左右の吸気弁20のステム20bの外側を指向するように配置されている。詳細には、2つの噴口64a、64dの軸心66a、66dは、最大リフト量の略80%リフトした状態の吸気弁20と接触せず、これらの噴口64a、64dから噴射され所定の噴射角(θ1)で円錐状に拡がる燃料噴霧68a、68dが、最大リフト量の略80%リフトした状態の吸気弁20の外方を通過するように配置されている。
また、上方噴口64a、64b、64c、64dの内側の2つの噴口64b、64cの軸心66b、66cは、図8に示されているように、左右の両吸気弁20のステム20bの内側を指向するように配置されている。詳細には、2つの噴口64b、64cの軸心66b、66cは、最大リフト量の略80%以上リフトした状態の吸気弁20と接触せず、これらの噴口64b、64cから噴射され所定の噴射角(θ2)で円錐状に拡がる燃料噴霧68b、68cが、左右の両吸気弁20のステム20bの内方を通過するように配置されている。
さらに、本実施形態では、上方噴口64a、64b、64c、64dの外側の2つの噴口64a、64dのL/Dが、上方噴口64a、64b、64c、64dの内側の2つの噴口64b、64cのL/Dより小さく設定されている。L/Dは、噴口の長さLまたは直径Dのいずれか又は両者を変えることによって変更される。この結果、外側の2つの噴口64a、64dからの噴射角θ1が、内側の2つの噴口64b、64cからの噴射角θ2より広くなり、その結果、外側の2つの噴口64a、64dから噴射される燃料の燃料噴霧68a、68dの貫徹力が、内側の2つの噴口64b、64cから噴射される燃料の燃料噴霧68b、68cの貫徹力より小さくなる。また、L/Dを異ならせることに代えて、噴口の出口にアール部を形成して貫徹力を変更することも可能である。
下方噴口64e、64fは、その軸心66e、66fが、最大リフト量、降下した吸気弁20の弁傘部20aの下方を指向するように配置されている。詳細には、2つの噴口64e、64fは、図7に示されているように、これらの噴口66e、66fdから噴射され所定の噴射角で円錐状に拡がる燃料噴霧68e、68fが、最大リフト量、リフトした状態の吸気弁20の弁傘部20aと接触せずその下方を通過するように、ピストン方向(下方)に向けられている。
さらに、各噴口64a、64b、64c、64d、64e、64fは、図9に示されているように、隣接する2つ噴口64x、64yの軸心66x、66yとの開き角Θが、吸気行程におけるそれぞれの噴口からの噴射角α、βの1/2の角度の和より大きな角度となるように配置されている。このような配置によって、各噴口から噴射された燃料が、相互に接触することが防止されている。
このような構成よれば、吸気弁20のリフト量が、最大リフト量の略80ないし100%である最大リフト状態となる吸気行程中期に、強い吸気流が発生している吸気弁20の弁傘部20aの上方空間に燃料が噴射されるので、この強い吸気流を利用して燃料を燃焼室に送り込み、気化霧化を促進させ、さらに、燃焼室(気筒)内に均一に分散させることが可能となる。
さらに、外方に向かう噴口64a、64dからの燃料噴射は、燃焼室内壁(周壁)が近接している方向への噴射であるが、貫徹力が小さくなるので、燃焼室内壁への燃料の付着が抑制される。
上記実施形態では、2つの下方噴口64e、64fが設けられた構成である、図10に示す配置例のように、2つの下方噴口64e、64fの下方に、軸心がピストン方向を向いた下方噴口64g、64hをさらに設けた構成でもよい。
次に、本発明の第2実施形態のエンジンを説明する。第2実施形態のエンジンは、燃料噴射のタイミングおよび燃焼形態と、インジェクタの噴口の配置とが上記第1の実施形態のエンジンと異なっている。以下、これら相違点について説明する。
本実施形態のエンジンでは、ECUが図11の燃料噴射制御マップに従って燃料噴射制御を行う。即ち、エンジンの運転状態が低負荷低回転領域にある時、成層燃焼領域とされ、その領域では、圧縮行程の所定時期、圧縮上死点前(BTDC)0°〜60°の範囲に燃料を噴射させて、点火プラグ32の電極32a近傍に混合気が層状に偏在する状態で燃焼させる成層燃焼が行われる。この成層燃焼領域では、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーン側になるように、燃料噴射量やスロットル開度が制御される。
また、成層燃焼領域以外の領域は、均一燃焼領域とされており、インジェクタ36により吸気行程で燃料を噴射させて吸気と十分に混合し、燃焼室10内に均一な混合気を形成した上で燃焼させる均一燃焼が行われる。この均一燃焼領域では、大部分の運転領域で混合気の空燃比が略理論空燃比(A/F≒14.7)になるように、燃料噴射量やスロットル開度が制御されるが、全負荷運転状態では、空燃比を理論空燃比よりもリッチな空燃比(A/F=13程度)に制御して、高負荷に対応した大出力が得ている。
また、本実施形態のエンジンでは、図11に示されているように、均一燃焼領域の高負荷領域ではEGRを行わず、均一燃焼領域の他の領域(斜線)では、吸気の20%以上の排気を導入する所謂ヘビーEGRを行うように構成されている。
図12は、本実施形態の噴口70の配置を示す図面である。本実施形態では、2つの上方噴口70a、70bと4つの下方噴口70c、70d、70e、70fが設けられている。
上方噴口70a、70bの軸心72a、72b、即ち、燃料噴射方向(噴射される燃料の中心軸)は、最大リフト量の略80%リフト(燃焼室内方向に移動)した吸気弁20の弁傘部20aの上方(シリンダヘッド側)空間(図3に斜線で示す領域)を指向するように配置されている。詳細には、上方噴口70a、70b、70c、70dの軸心72a、72b、72c、72dは、最大リフト量の略80%リフトした状態の吸気弁20の弁傘部20aと接触せず、これらの噴口70a、70b、70c、70dから噴射され所定の噴射角で円錐状に拡がる噴霧燃料が、弁傘部20aの上方を通過するように配置されている。
さらに、本実施形態では、上方噴口70a、70bの軸心72a、72bは、点火プラグの電極部の左右の領域を指向するように配置されている。詳細には、上方噴口70a、70bの軸心72a、72bは、これらの噴口70a、70bから噴射され所定の噴射角で円錐状に拡がる燃料が、点火プラグの電極部の左右の領域に達するように配置されている。
また、4つの下方噴口70c、70d、70e、70fは、上記他の実施形態と同様に、最大リフト量の略80%リフト(燃焼室内方向に移動)した吸気弁20の弁傘部20aの下方を指向している。
このような構成によれば、燃焼室内全体には均一な混合気が存在しながら、電極部近傍に比較的濃い混合気が存在する弱成層状態を形成することができる。従って、排気の割合を吸気の20%以上とするヘビーEGRを行った場合であっても、確実な点火が可能となる。
次に、本発明の第3実施形態のエンジンを説明する。第3実施形態のエンジンは、インジェクタの噴口の配置が上記第2実施形態のエンジンと異なっている。以下、これら相違点について説明する。
図13は、本実施形態の噴口の配置を示す図面である。本実施形態では、3つの上方噴口74a、74b、74cと4つの下方噴口74d、74e、74f、74gが設けられている。
上方噴口74a、74bの軸心76a、76bは、上記第2実施形態の上方噴口70a、70bの軸心72a、72bと同様に、最大リフト量の略80%リフト(燃焼室内方向に移動)した吸気弁20の弁傘部20aの上方(シリンダヘッド側)空間(図6に斜線で示す領域)を通り、点火プラグの電極部の左右の領域にそれぞれ指向するように配置されている。
上方噴口74a、74bの下方に配置されたもう一つの上方噴口74cの軸心76cは、最大リフト量の略80%以上リフト(燃焼室内方向に移動)した吸気弁20の弁傘部20aの下方を通り点火プラグの電極部直下の領域を指向するように配置されている。
また、4つの下方噴口74d、74e、74f、74gは、上記他の実施形態と同様に、最大リフト量の略80%以上リフト(燃焼室内方向に移動)した吸気弁20の弁傘部20aの下方を指向されている。
従って、本実施形態では、上方噴口74a、74b、74cから噴射された燃料は、点火プラグの電極部の周囲に吹き付けられる。この結果、圧縮行程で燃料噴射が行われると、点火プラグの電極部の周囲に比較的濃い混合気が存在した状態が発生し、成層燃焼が可能となる。
一方、吸気行程で燃料噴射が行われると、上方噴口74a、74b、74cから噴射された燃料は、高速の吸気流が発生する吸気弁の弁傘部の上部空間に噴射されるので、速やかに燃焼室に取り込まれ、燃焼室内で均一状態に分散される。
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で種々の変更又は変形が可能である。
上記実施形態では、上方噴口の軸心を、最大リフト量の80%、リフトした吸気弁と干渉しないように配置し、吸気弁のリフト量が最大リフト量の80ないし100%となる吸気行程中期に燃料噴射を行う構成であるが、上記80%の値を、変更してもよい。即ち、上方噴口の軸心を、最大リフト量の85%、リフトした吸気弁と干渉しないように配置し、吸気弁のリフト量が最大リフト量の85ないし100%となる吸気行程中期に燃料噴射を行う構成、あるいは、最大リフト量の75%、リフトした吸気弁と干渉しないように配置し、吸気弁のリフト量が最大リフト量の75ないし100%となる吸気行程中期に燃料噴射を行う構成でもよい。
また、噴口の配置は、上記各実施形態の配置に限定されものではない。
本発明の第1実施形態の火花点火式直噴エンジンの概略的な構成を示す図面である。 図1のエンジンの燃焼室付近を拡大した断面図である。 吸気弁の弁傘部の移動範囲を示す側面図である。 第1の実施形態のエンジンにおいて行われる燃料噴射制御で用いられる制御マップである。 噴口の構造を示す模式的な断面図である。 第1の実施形態のエンジンにおける噴口の配置を示す図面である。 第1の実施形態において噴射された燃料と、最大リフト量の80%リフトした吸気弁との位置関係を示す模式的な斜視図である。 第1の実施形態において噴射された燃料と、吸気弁との位置関係を示す模式的な平面図である。 第1の実施形態において隣接する噴口の軸心間の角度と、各噴口からの噴射角との関係を示す模式的な図面である。 第1の実施形態の変型例のエンジンにおける噴口の配置を示す図面である。 本発明の第2実施形態のエンジンにおいて行われる燃料噴射制御で用いられる制御マップである。 第2実施形態のエンジンにおける噴口の配置を示す図面である。 第3実施形態のエンジンにおける噴口の配置を示す図面である。
符号の説明
1:エンジン
2:気筒
10:燃焼室
16:吸気ポート
20:吸気弁
20a:(吸気弁の)弁傘部
20b:(吸気弁の)ステム
32:点火プラグ
36:インジェクタ
64:噴口
64a、64b、64c、64d:上方噴口
64e、64f:下方噴口
66a、66b、66c、66d、66e、66f:(噴口の)軸心
68a、68b、68c、68d、68e、68f:燃料噴霧

Claims (7)

  1. 燃焼室上部中央に配置された点火プラグと、燃焼室天井部に形成され吸気弁が着座する吸気ポートと、前記燃焼室に燃料を噴射するように配置されたインジェクタと、該インジェクタからの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備えている火花点火式直噴エンジンであって、
    前記インジェクタが複数の噴口を備え、該噴口の少なくとも1つは、その軸心が、前記吸気弁の最大リフト状態において該吸気弁と干渉しないように降下した吸気弁の弁傘部の上方空間を指向して配置され、
    前記燃料噴射制御手段が、前記吸気弁が最大リフト状態となる吸気行程中期に前記インジェクタから燃料を噴射させる、
    ことを特徴とする火花点火式直噴エンジン。
  2. 前記吸気弁が、隣接して2つ配置され、
    前記2つの吸気弁のそれぞれに対して、前記吸気弁の上方空間を指向して配置される噴口が設けられ、
    該2つの噴口は、前記最大リフト状態で前記2つの吸気弁のバルブステム間を指向するように配置されている、
    請求項1に記載の火花点火式直噴エンジン。
  3. 前記2つの噴口は、該2つの噴口の軸心の開き角が、吸気行程における前記各噴口からの噴射角の1/2の和より大きな角度となるように配置されている、
    請求項2に記載の火花点火式直噴エンジン。
  4. 前記2つの噴口の軸心が、前記点火プラグの電極部の側方位置にそれぞれ指向するように、前記2つの噴口と点火プラグとが配置されている、
    請求項2または3に記載の火花点火式直噴エンジン。
  5. 前記点火プラグの電極の下方を指向する軸心を有する噴口が更に設けられ、
    前記燃料噴射制御手段が、所定の運転領域では、圧縮行程に前記インジェクタから燃料を噴射させる、
    請求項4に記載の火花点火式直噴エンジン。
  6. 前記吸気弁が、隣接して2つ配置され、
    弁傘部の上方空間を指向して配置された噴口が該2つの吸気弁のそれぞれに対して2つずつ設けられ、
    該2つの噴口が、軸心が前記吸気弁のバルブステムの内側を指向する噴口と、軸心が前記吸気弁のバルブステムの外側を指向する噴口とからなる、
    請求項1に記載の火花点火式直噴エンジン。
  7. 前記軸心が前記吸気弁のバルブステムの外側を指向する噴口のL/Dが、前記軸心が前記吸気弁のバルブステムの内側を指向する噴口のL/Dより小さく設定されている、
    請求項6に記載の火花点火式直噴エンジン。
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