JP2005251440A - 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光軸当り複数の電子線、例えば4つの電子線を作り、且つ1の電子線ビーム当たりの電流が比較的大きい電子線装置を提供する事を目的とする。
【解決手段】 電子線装置であって、電子銃(30)を有する電子線放出部(32)を備え、電子銃(30)は、光軸(23)に沿って配置されていると共に、光軸(23)の周囲で光軸(23)と所定の角度方向に沿って複数の周辺電子線を放出し、電子線装置は、光軸(23)からはずれた位置に配置された複数の開口(34)と、電子銃(30)と開口(34)間に磁界を形成して、電子銃(30)から放出される複数の周辺電子線が開口(34)を通るように、周辺電子線を制御する磁界レンズ(7)とを備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、8インチ、12インチウェーハ等の大きい基板を高精度(50nmピクセル〜25nmピクセル)且つ高スループットで評価することが可能な電子線装置に関するものである。高スループット化するためにはマルチビームにすることが有利で、一つの電子銃から強度の大きいマルチビームを得るには大きい角電流強度の電子銃が必要で、そのような電子銃はLとWヘアピンで、10μA/srと3.93×106μA/Srの値がそれぞれ知られている。
こうした角電流強度の値を比べると、TaCの10μA/Srという値は、Z0/Wの600μA/Srよりも大きいが、Wヘアピンの3.93×106μA/Srに比べると小さいことが判る。しかし、TaCは光軸外の4方向に強いビームを放出するので、マルチビームを形成し易い。したがって、例えばTaCからなるカソードを用いた熱電界放出電子銃によってマルチビームを形成しようとする装置と、該電子線装置を用いてウェハを評価することによりデバイスを歩留まり良く製造することができるデバイス製造方法とに関する。
この種の背景技術としては、例えば遷移金属の炭化物エミッターからの電子の放出に関して、熊代等は、その論文「炭化物エミッターの電子放射と表面」において、TiC単結晶を用いたエミッターと多結晶熱エミッターとの電子放射特性について詳細な報告をしている(雑誌「応用物理」第45巻、第7号(1976)参照)。
熱電界放出電子銃から放出される電子線の角電流強度として、例えばTaCについては104μA/Srの、Z0/Wについては600μA/Srの値が知られている。Wヘアピンではビーム電流をあまり大きくすることができないと言う課題がある。
また、Z0/W、LaBあるいは遷移金属の炭化物からなるショットキーカソード電子銃からのビームは光軸上の1本のビームのみが利用されていたため、ビームの走査に時間がかかった。
本発明は、上記の問題点、すなわち、8インチ、12インチウェーハ等の大きい基板を高精度(50nmピクセル〜25nmピクセル)で評価するには長時間かかるという問題点を解決するためのものであり、光軸当り複数の電子線、例えば4つの電子線を作り、且つ1の電子線ビーム当たりの電流が比較的大きい電子線装置を提供する事を目的とする。
前記目的を解決するために、本発明は、電子線装置であって、
前記電子線装置は、電子銃を有する電子線放出部を備え、前記電子銃は、光軸に沿ってカソードが配置されていると共に、前記光軸の周囲で前記光軸と角度を有する方向に複数の周辺電子線とを放出し、
前記電子線装置は、前記光軸からはずれた位置に配置された複数の開口と、
前記電子銃から放出される複数の周辺電子線が前記開口を通るように、前記中心電子線及び前記周辺電子線を制御する磁界レンズとを備えた電子線装置を提供するものである。
本発明に係る電子線装置によれば、磁界レンズにより、電子銃30から放出される中心電子線及び周辺電子線を制御して、周辺電子線だけ開口34を通るようにしたので、中心電子線より電流の強い周辺電子線を用いて試料を検査することが可能となり、高精度の評価が実現できるという効果を奏する。また、複数の電子線を使用して試料上を走査し、当該試料を検査することができるため、試料の評価を高スループットで行うことができるという効果を奏する。
まず、第1の発明の実施例に係る電子線装置の概要を説明する。
図1に示す本発明の実施形態の電子線装置は、電子銃30を有する電子線放出部32と、光軸23からはずれた位置に配置された複数の開口34と、電子銃30から放出される複数の周辺電子線が開口34を通るように、中心電子線及び前記周辺電子線を制御する磁界レンズ7を備えている。
電子線放出部32は、2つの電子銃30と、電子銃30を保持すると共に電子銃室5を形成するためのハウジング38とを備えており、電子銃室5を高真空にするためのイオンポンプ6がハウジング38に取り付けられている。また、電子銃30には、電子銃30を機械的に動かす機構28が接続されている。本実施形態においては、電子線装置が2つの電子銃30を備えるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子銃30が1つであってもよいし、2つ以上の電子銃30を設けるようにしてもよい。
電子銃30は、光軸23に沿って1つの中心電子線を放出すると共に、中心電子線の周囲で光軸23に沿って複数の周辺電子線とを放出する。本実施形態においては、電子銃30から、中心電子線の周囲に沿って等間隔に4つの周辺電子線が放出される。もっとも、本発明は、周辺電子線の数が4つに限定されるものではなく、少なくとも2以上あるものが含まれる。電子銃30は、カソード36と、アノード3とを有している。カソード36は、Z0/Wチップ1をタングステンヒータ2にスポット溶接して構成されている。なお、このようなカソード36は、市場で入手可能となっている。電子銃30は、例えば、Z0/W及び遷移金属の炭化物ショットキーカソード36の少なくとも1つからなる。アノード3は、電子銃30のZ0/Wチップ1からあまり離れていない位置に設けられている。
図2に示すように、アノード3には、光軸23からはずれた位置で、周方向に沿って対称な4カ所位置の位置に、10μmφの開口34がそれぞれ設けられている。アノード3は接地されており、Z0/Wチップ1には−4.5kVの電圧が印加される。この2極管構造でショットキーエミッションを引き出すことができる。Z0/Wチップ1から放出される電子線は、光軸23に沿った1つの中心電子線と、中心電子線の周囲で光軸23に沿った4つの周辺電子線である。従来は光軸23方向へ放出される1つの中心電子線しか使用されていなかった。しかし、4つの周辺電子線は中心電子線よりはるかに電流が大きいため、中心電子線は捨てて4つの周辺電子線を開口34を通す様にする。
磁界レンズ7は、アノード3の位置まで磁界を形成している。より具体的には、電子銃1のZ0/Wチップ1から、アノード3の下流側付近まで磁界を形成し、Z0/Wチップ1から放出される電子線のうち4つの周辺電子線だけが開口34を通るように磁場を形成している。
磁界レンズ7は、電子銃30側から見ると円形をしており、その中央の電子銃側の面に同じく円形の上流側溝50が形成され、該溝50に電子放出部の電子銃室5の一部が取り付けられている。また、磁界レンズ7は、その下流側の面に、上流側溝50とほぼ同じ形状の下流側溝51が形成されている。
磁界レンズ7は、光軸23に沿って並べられた一対の環状のコイル7−1、7−2、と、該一対のコイルの間に配置された中央磁極7−3と、光軸に対して中央磁極の上流側に設けられた上流側磁極7−4と、光軸に対して中央磁極の下流側に設けられた下流側磁極7−5とを有している。中央磁極7−3と上流側磁極7−4と下流側磁極7−5とは、それぞれ、強磁性体で形成されている。上流側磁極7−4と下流側磁極7−5とは、一対の環状のコイル7−1、7−2を覆う磁気回路の機能を兼ね備えている。
磁界レンズ7の電子銃30と対向する部分には、中央磁極と上流側磁極と下流側磁極とを貫通した、電子線を通すための孔60が設けられている。4つの開口34が設けられたアノード3は、該孔内に設けられ、下流側磁極付近に配置されている。中央磁極と上流側磁極と下流側磁極とにより、孔内に磁界を形成し、この磁界により孔を通る電子線を制御して、周辺電子線だけが対応する開口34を通るようにしている。
一対のコイルは、中央磁極の上流側に設けられた上流側コイル7−1と、中央磁極の下流側に設けられた下流側コイル7−2とからなる。上流側磁極と中央磁極と上流側コイルとにより、上流側レンズが形成されている。また、下流側磁極7−5と中央磁極7−3と下流側コイル7−2とにより、下流側レンズが形成されている。このように、中央磁極7−3は、上流側レンズと下流側レンズとに共通の磁極となっている。Z0/Wチップ1から放出される4つの周辺電子線は、該2つの上流側レンズと下流側レンズとにより、回転しながら集束する。この電子線の集束作用の強さ及び電子線の回転角を適切にすることにより、4つの周辺電子線をアノード3に設けられた開口34を通す。すなわち、上流側コイルと下流側コイルには互いに逆方向の電流を流し、電流の強さ、電流比を調節する。レンズの強さを調節することにより集束作用の強さ(すなわち、光軸23に対して放射方向であるR方向)を合せ、上流側のレンズと下流側のレンズの電流比を調整することにより回転角(すなわち、回転方向であるθ方向)を合せればよい。磁界レンズ7に対する電子線の軸合せは、電子銃30を機械的に動かす機構28で行われる。
開口34の下流側には、軸合せコイル9、10、NA開口12、磁界レンズ13がこの順番で設けられている。磁界レンズ13の構造は磁界レンズ7と同様である。軸合せコイル9は磁界レンズ7の下流側の溝に、軸合せコイル10は磁界レンズ13の上流側の溝にそれぞれ設けられている。NA開口12は軸合せコイル10より少し試料よりにあり、NA開口12を通過した電子線を磁界レンズ13で調整する。磁界レンズ13の下流側には、軸合せ偏向器24、走査用第1偏向器25、E×B偏向器15、16、走査用偏向器17、磁気レンズ14、軸対称電極21、試料22がこの順番で設けられている。また、本実施形態の電子線装置は、二次光学系も備えている。軸合せ偏向器24は、磁界レンズ13の下流側の溝に設けられている。磁気レンズ14は、ギャップ20が試料22側にあり、このギャップ20が作る軸上磁場と軸対称電極21と試料面及び磁気レンズ14が作る電界によるレンズ作用で開口34の縮小像を試料22の表面に合焦させる。即ち、複数の開口34は縮小レンズ13でまず縮小され、その像がさらに対物レンズ(磁気レンズ14と電極21等による静電レンズとの合成レンズ)で縮小され、試料22上に50〜100nmφのマルチビームを形成する。磁気レンズ14も磁界レンズ7、13同様、上流側から見ると円形をしているが、溝は上流側の電子線が通過する部分の周辺にのみ2つ形成されている。該溝には、E×B偏向器15、16、走査用偏向器17が設けられている。
開口34を通過した4つの周辺電子線は電磁レンズ7の集束作用でNA開口12にクロスオーバを作る。NA開口12と磁界レンズ13に対する軸合せは、軸合せコイル9、10で行われる。該NA開口12を通過した周辺電子線は磁界レンズ13によって、対物レンズ14、21の主面の位置に合焦され、開口34の像が試料面に形成された時のレンズ収差を最小にされる。磁界レンズ13も磁界レンズ7と同様、レンズ強度と回転量を独立に調整可能で、開口34を通過した4つの周辺電子線の試料での姿勢を調整し、図3に示すように4つの周辺電子線のy軸への投影した互の間隔がすべて等しくなるようにしている。磁界レンズ13により調整された4つの周辺電子線の対物レンズ14、21への軸合せは軸合せ偏向器24で行われる。該電子線は、対物レンズ14、21により試料22に結像され、走査用偏向器25と17により試料22上を走査される。試料22の走査点から放出された二次電子は軸対称電極21に印加された正の電圧と試料22に印加された負の電圧とで作られる電界で加速され、E×B偏向器15、16で二次光学系26の方向に偏向される。拡大レンズ18により検出器19に二次電子の拡大像が形成され、4つの周辺電子線からの二次電子が互の干渉なく検出され、1本の光軸23当り4チャンネルのSEM像が作られる。
電子線装置は磁界レンズ7及び光軸23からはずれた位置に配置されたアノード3に設けた開口34を備え、該磁界レンズ7はZ0/Wカソード36から放出された複数の電子線が開口34を通るように調節可能である。そのため、Z0/Wカソード36から放出された電子線のうち電流の最も強い4つの周辺電子線を開口34の位置に磁界レンズ7で正確に合せる事ができ、大きく、強度のそろった4本のビームが得られ、高精度の評価が実現できるという効果を奏する。また、4つの周辺電子線を使用して試料上を走査するため、基板の評価を高スループットで行うことができる。
また、4つの周辺電子線の試料上での回転方向の位置を磁界レンズ13で調整してしかも、クロスオーバ位置を対物レンズ14、21近傍の収差を小さくなる位置に合せる事ができる。
本実施の形態では電子銃室5は試料22との間に開口34とNA開口12とによって真空的に低コンダクダンスのオリフィスで隔てられて、これらのオリフィスの間はイオンポンプ11で排気されているので、Z0/Wカソード36を長寿的、安定に動作させられる。
次に第2の発明に係る実施例を説明する。
第2の発明に係る実施例は、微細なパターンを有する試料の画像を、高解像度且つ高速で取る電子線装置に関するものである。
従来、ウェーハ等の試料の表面画像を取るには、画像の解像度を高くするため、細く絞った電子線で試料上を走査し、2次電子を検出してSEM像を得ていた。
しかし、電子線のビーム寸法を小さくするとビーム電流は(ビーム径)に比例して小さくなる。例えば、ピクセル寸法=ビーム寸法とした場合には、
ビーム寸法 ビーム電流 ピクセル周波数 フレーム時間(sec)
0.1μmφ 100nA 100MHz 1sec/mm
0.05μmφ 6.25nA 6.25MHz 64sec/mm
25nmφ 390PA 390KHz 4,096sec/mm
10nmφ 10PA 10KHz 1×10sec/mm
となる。従って、ビーム寸法が小さくなると、指数関数的にビーム電流が小さくなることから、ウェーハ等の試料から放出される二次電子のビーム電流が小さくなり、画像のS/N比を高くすることができなくなる。そのため、二次電子の放出を増加させるために、一次電子線の試料上での走査速度を下げざるを得ず、すなわち、指数関数的にピクセル周波数を下げざるを得ず、有限の面積の画像を取り込むのに指数関数的に増加した多大な時間を要するという問題点があった。
第2の発明に係る実施例は、上記の問題点、すなわち、ウェーハ等の試料の表面画像を高解像度でとるためにビーム寸法を小さくすると、画像取り込みに時間を要するという問題点を解決するためのものであり、従来より大きい一定のビーム寸法の電子線により試料を走査し、試料から放出される二次電子に基づいて高速で画像を取り、且つ該画像が高解像度である電子線装置を提供することを目的とする。
前記目的を解決するために、本発明は、電子線装置であって、
前記電子線装置は、一次電子線を放出する電子線源と、
前記一次電子線を試料上に案内して該試料を前記一次電子線で走査するための一次光学系と、
前記試料から放出される二次電子線を検出する検出面を有する二次電子検出装置と、
前記試料から放出される二次電子線の像を前記二次電子検出装置の検出面に案内して結像させるための二次光学系とを備え、
前記一次光学系は、前記電子線源から放出された前記一次電子線を、前記試料面での画素寸法より大きい寸法に集束するための集束レンズを備えており、
前記二次光学系は、
前記試料から放出された前記二次電子の像を拡大して前記検出面に結像させるための拡大レンズと、
前記拡大レンズと前記二次電子検出装置の検出面との間に配置された開口であって、前記試料から放出され前記拡大レンズを通った二次電子線のうち、前記試料面での画素寸法に該当する試料部分から放出された二次電子線を選択的に通過させる開口とを備えた電子線装置を提供するものである。
第2の発明に係る実施例によれば、二次電子検出装置の検出面の画素寸法より十分大きいビーム寸法を有する一次電子線で試料上を走査し、試料から放出される二次電子線のうち、この画素に該当する部分のみを二次電子検出装置の検出面に入射させるので、高解像度且つ高速で画像をとることができるという効果を奏する。
第2の発明の実施形態である単ビームを用いた第一の実施態様を図4で説明する。本実施態様の電子線装置は、一次電子線2−13を放出する電子線源である電子銃1と、一次電子線を試料2−4上に案内して該試料2−4を一次電子線で走査するための一次光学系2−30と、試料2−4から放出される二次電子線2−14を検出する検出面2−16を有する二次電子検出装置2−9と、試料2−4から放出される二次電子線2−14の像を二次電子検出装置2−9の検出面2−16に案内して結像させるための二次光学系2−40と、当該電子線装置を制御するための制御装置2−100とを備えている。
電子銃2−1は、電子放出材(カソード)を加熱することにより電子を放出する熱電子線源タイプが用いられている。カソードとしての電子放出材(エミッタ)は、ランタンヘキサボライド(LaB)が用いられている。電界放出型の電子線源あるいは熱電界放出型の電子線源を使用してもよい。SEM方式ではショットキーエミッション又は熱電界放出型電子線源を使用することが好ましい。
一次光学系2−30は、電子銃1から放出された一次電子線2−13を、試料面での画素寸法より大きい寸法で照射させる集束レンズ2−2、2−3と、一次電子線を試料2−4上をラスタ走査させるための走査偏向器2−11とを備えている。
本実施態様においては、集束レンズは、コンデンサレンズ2−2と対物レンズ2−3とから構成されている。コンデンサレンズ2−2は、電子銃2−1の試料側すなわち電子銃2−1の下流側に設けられており、対物レンズ2−3は、コンデンサレンズ2−2の下流側で試料2−4のすぐ上流側に設けられている。このように配置された集束レンズとしてのコンデンサレンズ2−2と対物レンズ2−3は、電子銃2−1から放出された一次電子線を、試料面での画素寸法の2ないし3倍程度の寸法に絞り込んでいる。
走査偏向器2−11は、コンデンサレンズ2−2のすぐ下流側に設けられている。走査偏向器2−11は、制御装置2−100により制御されており、制御装置2−100からの指示を受けて、コンデンサレンズ2−2を通って所定寸法に絞り込まれた一次電子線を偏向し、これによって、一次電子線2−13が試料2−4上でラスタ走査するようになっている。
一次光学系2−30は、さらに、コンデンサレンズ2−2及び走査偏向器2−11を通った一次電子線を、対物レンズ2−3を介して試料2−4の方向へ曲げるE×B分離器2−5を備えている。E×B分離器2−5は、電界と磁界を直交方向に形成し、電界と磁界を直交させた電磁偏向光学系のユニットである。電磁界を選択的に与えると、一方向からその場に入射する電子線を所定角度だけ偏向させることができ、その反対方向から入射する電子線を、電界から受けるカと磁界から受ける力の影響で所定角度だけ偏向させることができる。E×B分離器2−5は、コンデンサレンズ2−2及び走査偏向器2−11を通った一次電子線2−13を偏向して試料2−4上に垂直に照射し、試料2−4から放出される二次電子線2−14を偏向して二次電子検出装置2−9に向けることができる。E×B分離器は、一次光学系2−30に含めるように説明したが、二次光学系2−40に含めてもよいし、一次光学系2−30及び二次光学系2−40の両方に含めてもよいし、一次光学系2−30及び二次光学系2−40のそれぞれに含めなくても良い。
一次電子線2−13と試料面の法線2−Aとのなす角が3αで、二次電子線2−14と試料面の法線2−Aとのなす角がαであるのは、E×B分離器2−5による色収差を小さくすることができるようにするためである。詳細については特許出願2000―335756、及び国際特許出願PCT/JP01/05494で述べられている。これらの出願は、参照されることにより、その全ての内容が本願に組み込まれるものとする。
二次光学系2−40は、試料2−4から放出された二次電子線2−14の軌道を調節して収差を小さくするための対物レンズ2−3と、二次電子線の像を拡大して検出面2−16に結像させるための拡大レンズ2−6、2−7と、拡大レンズ2−6、2−7間に配置されたNA開口2−10と、拡大レンズ2−7と二次電子検出装置の検出面2−16との間に配置された補正偏向器2−12と、補正偏向器2−12と二次電子検出装置の検出面2−16との間に配置された収差低減開口2−8とを備えている。
対物レンズ2−3は、一次電子線2−13を試料2−4の表面へ合焦させると共に、試料2−4からから放出される二次電子線2−14をE×B分離器2−5に向けて細く集束させるものである。対物レンズ2−3の具体的な構造は、図5に示されている。対物レンズ2−3は、光軸2−19上に中心決めされた環状のコイル2−26をパーマロイコア2−28で取り囲んでいる磁界レンズ2−22と、該磁界レンズの中心軸線すなわち光軸2−19に沿って配置されたパイプ状の円筒電極2−20とを有する。磁界レンズ2−22は、環状の形状をしており、その中心部分に空間部2−32が形成されている。円筒電極2−20は、磁界レンズ2−22の空間部2−32内で試料2−4側に配置されており、その一部が、磁界レンズ2−22の下側磁極2−34を越えて試料2−4側に向けて突出している。パーマロイコア2−28は、その一部が磁界レンズ2−22の上側磁極2−36を構成している。環状のギャップ2−24が、上側磁極2−36の試料側に形成されている。このように、対物レンズ2−3は、ギャップ2−24が光軸2−19側にある通常の磁界レンズを備えている。対物レンズ2−3の軸上磁場分布2−21は、ギャップ2−24の中央部に最大値があり、試料2−4面では実質的に0になっている。試料2−4には第1の可変電圧源2−38によって負の電圧が印加され、円筒電極2−20には第2の可変電圧源2−39によって正の高電圧が印加されている。そのため、試料2−4と円筒電極2−20との間に電界が形成されている。したがって、試料2−4から放出された二次電子線は試料2−4と円筒電極2−20とが作る電界で加速され、磁気レンズ2−22で集束される時は高エネルギーになっている。そのため、対物レンズ2−3の軸上色収差係数は小さくなり、低収差になる。対物レンズ2−3は、一次光学系2−30及び二次光学系2−40の両方に含まれる。
拡大レンズ2−6、2−7は、それぞれ、電子線像を拡大する機能を備えた電子レンズから構成することができる。
NA開口2−10は、拡大レンズ2−6、2−7の間に設けられており、試料2−4から大きい角度で放出された電子線を取り除いている。本実施態様では、試料2−4から垂直に放出された2次電子線は、対物レンズ2−3を通過後、光軸2−19と交叉するので、その位置あるいはその共役面にNA開口2−10を設けることが好ましい。これによって、収差を必要な大きさに制御することができる。
補正偏向器2−12は、制御装置2−100によって制御されており、制御装置2−100から指示を受けて、二次電子線2−14の軌道を偏向し、二次電子線2−14により形成される像が、常に収差低減開口2−8上に形成されるようにしている。より具体的には、補正偏向器2−12は、制御装置2−100から指示を受けて、試料2−4上で一次電子線を走査させる走査偏向器2−11の作動に同期して作動しており、一次電子線の走査に同期して二次電子線の軌道を補正し、これにより、試料2−4上に走査された一次電子線2−13のうち検出面2−16の画素寸法に該当する試料部分から放出された二次電子線2−14の像が、常に収差低減開口2−8上に形成されるようになっている。
収差低減開口2−8は、試料2−4から放出され拡大レンズ2−6、2−7を通った二次電子線のうち、二次電子検出装置2−9の検出面2−16の画素寸法に該当する試料部分から放出された二次電子線だけを通過させるための開口である。収差低減開口2−8は、試料面での画素寸法と拡大レンズ2−3、2−6、2−7の拡大率との積に略等しい寸法を有する。ここで検出面2−16の有効検出領域を開口2−8の寸法と等しくして開口2−8を省略することもできる。
制御装置2−100は、一例として汎用的なパーソナルコンピュータ等から構成することができる。このコンピュータは、所定のプログラムに従って、走査偏向器2−11、補正偏向器2−12、及び二次電子検出装置2−9などを制御や演算処理を実行する制御部本体2−144と、この処理結果や2次電子画像等を表示するCRT2−113と、オペレータが命令を入力するためのキーボードやマウス等の入力部2−150と、を備えている。勿論、欠陥検査装置専用のハードウェア、或いは、ワークステーションなどから制御装置2−100を構成してもよい。
制御部本体2−144は、図示しないCPU、RAM、ROM、ビデオ基板等の各種制御基板等から構成されている。制御部本体2−144には、記憶装置2−152が接続されている。記憶装置2−152は、例えば、ハードディスクから構成することができる。記憶装置2−152上には、二次電子検出装置2−9から受信した試料2−4の2次電子画像データを記憶するための2次電子画像記憶領域2−154、予め欠陥の存在しない試料の基準画像データを記憶しておく基準画像記憶部2−156が割り当てられている。更に、記憶装置2−152上には、電子線装置全体、特に走査偏向器2−11、補正偏向器2−12、及び二次電子検出装置2−9を制御する制御プログラム、試料の評価プログラム、試料に向けて照射される複数の1次電子線の位置、姿勢(回転状態)、又は電子線間距離に関して、設計値との間にずれが生じている場合に、当該ずれを較正ないしは修正するための制御プログラム2−158が格納されている。2次電子画像記憶領域2−154に記憶された試料2−20の被走査面を表す画像データは、基準画像記憶部2−156に記憶された予め欠陥の存在しない試料の基準画像データと比較され、これにより、試料2−4の欠陥を検出するようになっている。
次に、本実施態様に係る電子線装置の全体的な作用を説明する。
電子銃2−1から、試料面の法線2−Aに対して3αの角度方向に一次電子線2−13を入射させ、該一次電子線をコンデンサレンズ2−2で絞り、E×B分離器2−5で試料2−4方向へ曲げる。さらに、対物レンズ2−3で、試料面での画素寸法の2〜3倍程度の寸法に一次電子線2−13を絞り、試料2−4に入射させる。該一次電子線は、偏向器2−11で試料2−4上をラスタ走査される。
試料2−4から±90°以内の広い方向に放出された2次電子は、対物レンズ2−3が備える軸対称円筒2−20と試料2−4とが作る2次電子の加速電界で加速され、さらに、磁界レンズ2−22で集束され、2次電子軌道2−14で示されるように細いビームとなって対物レンズ2−3を通過する。これにより、対物レンズ2−3の収差を小さくすることができる。対物レンズ2−3を通過した二次電子線2−14は、E×B分離器2−5で試料面の法線2−Aに対してαの角度方向に曲げられる。二次電子線は拡大レンズ2−6、2−7で拡大され、収差低減開口2−8上に拡大像が作られ、二次電子検出装置2−9の検出面2−16の画素寸法に該当する試料部分から放出された二次電子線だけが収差低減開口2−8を通過する。制御装置2−100は、補正偏向器2−12を試料2−4上での一次電子線の走査に同期させて、試料2−4上に走査された一次電子線のうち検出面2−16の画素寸法に該当する試料部分から放出された二次電子線の像が、常に収差低減開口2−8上に形成させるように補正する。収差低減開口2−8を通過した二次電子線は二次電子検出装置2−9で検出されSEM像を得る。ここで検出面2−16の有効面積を開口2−8に一致させ、開口2−8を省略してもよい。
図6に画素と試料2−4上を走査される一次電子線外径2−17との関係を示す。走査される一次電子線外径2−17は、試料2−4上で、試料面での画素寸法より大きい寸法に集束されている。NA開口の寸法が妥当であれば、対物レンズ2−3の収差が十分小さくなり、二次電子検出装置2−9の検出面2−16の画素領域に該当する試料部分2−18から放出された二次電子線のみが収差低減開口2−8を通過し、該画素領域に該当する試料部分2−18外から放出された2次電子は収差低減開口2−8で遮られて二次電子検出装置2−9に入射しない。そのため、走査される一次電子線は太いが、画素領域に該当する試料部分2−18内の情報しか二次電子検出装置2−9に入らないので、解像度の良いSEM画像が得られる。
この場合のピクセル周波数及びフレーム時間を算出すると次の様になる。但し2次電子の透過率を25%とした。

ピクセル ビーム寸法 画素に含まれる ピクセル フレーム時間
サイズ ビーム電流 周波数
0.1μmφ 0.2μmφ 16×100nA 400MHz** 0.25sec/mm
0.05μmφ 0.2μmφ 400nA 100MHz 4sec/mm
0.025μmφ 0.2μmφ 100nA 25MHz 64sec/mm2*
10nmφ 0.2μmφ 16nA 4MHz 2.5×10sec/mm2***
{1mm/(0.025×10−3}×{1/(25×10)}
=64sec、
**16×100×0.25MHz=400MHz
***{1mm/(0.01×10−3}×{1/(4×10)}
=2.5×10sec

上記表をP13の表を比較することから理解できるように、従来の方式に比べて圧倒的に有利である。特に小ピクセルで有利である。
次に、本発明の第2の実施態様に係る電子線装置を図7に基づいて説明する。図7は、一次電子線をマルチビームから構成した、本発明の第2実施態様に係る電子線装置の概略図である。この電子線装置は、図7(a)に示されているように、一次電子線を放出する電子線源である電子銃2−41と、一次電子線を試料2−53上に案内して該試料2−53を一次電子線で走査するための一次光学系2−42と、試料2−53から放出される二次電子線を検出する検出面2−61を有する複数の二次電子線検出器を含む二次電子検出装置2−59と、試料2−53から放出される二次電子線の像を二次電子検出装置2−59の検出面2−61に案内して結像させるための二次光学系2−54と、当該電子線装置を制御するための制御装置2−100とを備えている。
電子銃1は、第一実施態様と同様の構成となっている。
一次光学系2−62は、コンデンサレンズ2−43、2−44、2−46と、マルチ開口2−45と、NA開口2−47と、走査用偏向器2−77、2−78と、対物レンズ2−50とを備える。
マルチ開口2−45はコンデンサレンズ2−44のすぐ下流側に配置されている。該マルチ開口2−45は、16個の開口2−45a、2−45b、2−45c―――から構成されており、電子銃2−41から放出された一次電子線がマルチ開口2−45を通ることにより、試料2−53上を走査する16個の一次電子線が形成される。マルチ開口2−45に形成されている複数の開口は、試料2−53上での座標x―yに対して図7(b)に示されたように角度θだけ回転方向にずらして配置されている。本実施態様においては開口は16個だが、これに限定されることはない。
コンデンサレンズ2−43、2−44は、電子銃2−1の試料側すなわち電子銃2−1の下流側でマルチ開口2−45の上流側に設けられている。このように配置されたコンデンサレンズ2−43、2−44により、電子銃2−1から放出された一次電子線を二段で集束して、マルチ開口2−45を照射する一次電子線の照射領域を調節している。マルチ開口2−45を通過した一次電子線は、複数の電子線、本実施態様においては16個の電子線となる。
NA開口2−47はコンデンサレンズ2−45、2−46の間に配置されており、NA開口2−47に、マルチ開口2−45を通過した一次電子線のクロスオーバー像が作られる。NA開口2−47で収差が低減されるようになっている。NA開口2−47に形成されたクロスオーバー像は、対物レンズ2−50の主面に結像される。
コンデンサレンズ2−46はNA開口2−47の下流側に配置され、対物レンズ2−50は試料2−53のすぐ上流側に設けられている。コンデンサレンズ2−46は、NA開口2−47に形成されたクロスオーバ像を、対物レンズ主面に、16個の一次電子線の各々が試料面での画素寸法の2ないし3倍程度の寸法となる様に集束させる。
走査偏向器2−77、2−78は、コンデンサレンズ2−46の下流側に二段に設けられている。走査偏向器2−77、2−78は、制御装置2−100により制御されており、制御装置2−100からの指示を受けて、コンデンサレンズ2−46を通って所定寸法に絞り込まれた一次電子線を偏向し、これによって、一次電子線が試料2−53上でX軸方向にラスタ走査させるようになっている。一方、試料台がY軸方向に連続移動されることにより、一次電子線は二次元走査される。
一次光学系2−42は、さらに、走査偏向器2−78を通った16個の一次電子線を、対物レンズ2−50を介して試料2−53の方向へ曲げるE×B分離器2−48、2−49を備えている。E×B分離器2−48、2−49の構成、作用、及び機能は第一実施態様と同様である。E×B分離器2−48、2−49と試料2−53間は、一次電子線及び二次電子線の両方が共通に通る光路となる。
一次電子線と試料面の法線2−Aとのなす角が3αで、二次電子線と試料面の法線とのなす角がαであるのは、第一実施態様と同様である。
二次光学系2−54は、一次電子線の数と等しい数だけ試料2−53から放出された16個の二次電子線の軌道を調節して収差を小さくするための対物レンズ2−50と、二次電子線の像を拡大して検出面2−61に結像させるための拡大レンズ2−55、2−56と、拡大レンズ2−55、2−56のそれぞれ下流側に配置された補正偏向器2−79、2−80と、拡大レンズ2−56と偏向器2−80との間に配置されたNA開口2−74と、二次電子検出装置2−59の手前に配置されたマルチ開口2−58とを備えている。
対物レンズ2−50は、一次電子線を試料2−53の表面へ合焦させると共に、試料2−53からから放出される二次電子線をE×B分離器2−49に向けて細く集束させるものであり、その構造は、図5に示した第一実施態様の対物レンズ2−3と同様である。対物レンズ2−50は、一次電子線と二次電子線の両方が通過する。
拡大レンズ2−55、2−56の機能については、第一実施態様と同様である。
NA開口2−74は、試料2−53の法線に対して大きい角度で放出された電子線を取り除いている。これによって、収差を必要な大きさに制御することができる。NA開口2−74は収差をさらに低減する必要のない場合は省略することもできる。
補正偏向器2−79は、制御装置2−100によって制御されており、制御装置2−100から指示を受けて、二次電子線の軌道を偏向し、二次電子線により形成されるクロスオーバ像が、常にNA開口2−74上に形成されるようにしている。より具体的には、補正偏向器2−79は、制御装置2−100から指示を受けて、試料2−53上で一次電子線を走査させる走査偏向器2−77、2−78の作動に同期して作動しており、一次電子線の走査に同期して二次電子線の軌道を補正し、二次電子線により形成されるクロスオーバ像が常にNA開口2−74上に形成されるようになっている。
補正偏向器2−80も、同様に、制御装置2−100によって制御されており、制御装置2−100から指示を受けて、二次電子線の軌道を偏向し、NA開口2−74を通過した二次電子線の像が、常に対応する検出器2−60前のマルチ2−58上に形成されるようにしている。より具体的には、補正偏向器2−80も、同様に、制御装置2−100から指示を受けて、試料2−53上で一次電子線を走査させる走査偏向器2−77、2−78の作動に同期して作動しており、一次電子線の走査に同期して二次電子線の軌道を補正し、NA開口2−74を通過した二次電子線の像が常に検出器2−60前の対応するマルチ開口2−58上に形成されるようになっている。
検出器2−60前のマルチ開口2−58は、試料2−4から放出され拡大レンズ2−3、2−6、2−7を通った二次電子線のうち、試料面での検出面2−16の画素寸法に該当する試料部分から放出された二次電子線だけを通過させるための開口である。検出器2−60前のマルチ開口2−58のそれぞれの開口は、検出器2−60の対応する試料面での画素寸法と拡大レンズ2−50、2−55、2−56の拡大率との積に略等しい寸法を有する。
マルチ開口2−58は、複数の一次電子線に対応して複数個ある。本実施態様においては、電子銃2−1の下流側に設けられたマルチ開口2−45により、16個の一次電子線が形成されていることから、これに対応して、図7(c)に示されているように、マルチ開口2−58は16個の開口2−58a、2−58b、2−58c―――から形成されている。また、マルチ開口2−45と同様に、角度θだけ回転方向にずらして配置されている。マルチ開口2−58は、一次電子線の試料2−53上での16個の照射点から放出される16個の二次電子線が、拡大レンズ2−50、2−55、2−56を通って形成される16個の拡大像に相当する位置に設けられている。
二次電子検出装置2−59は、複数の二次電子検出器2−60からなっている。より具体的には、二次電子検出装置2−59は、16個の一次電子線に対応した16個の二次電子検出器2−60a、2−60b、2−60c―――を備えている。二次電子検出器2−60a、2−60b、2−60c―――は、マルチ開口2−58の16個の開口2−58a、2−58b、2−58c―――に、それぞれ、対応して配置されている。二次電子検出器は互いに独立しており、それぞれ、検出面2−61a、2−61b、2−61c―――を有している。検出面2−61a、2−61b、2−61c―――は、それぞれ、対応する開口2−58a、2−58b、2−58c―――に対向して配置されている。試料2−53から放出された16個の二次電子線は、それぞれ対応するマルチ開口2−58の開口を通過し、対応する二次電子線検出器2−60で検出される。図7(a)では、1本の二次電子線が開口2−58cだけを通過するようにしか示されていないが、これは、本実施態様の内容を明瞭に示すために、他の15本の二次電子線は省略してある。すなわち、試料面2−53の像がマルチ開口2−58の面上に形成されている。従って、2−45aの像が2−58aに2−45b、2−45c、2−45d―――の像が2−58b、2−58c、2−58d―――に形成される。
制御装置2−100は、第一実施態様と同様である。
次に、本実施態様に係る電子線装置の全体的な作用を説明する。
電子銃2−1から、試料面の法線に対して3αの角度方向に一次電子線を入射させ、該一次電子線をコンデンサレンズ2−43、2−44の二段でマルチ開口2−45に適当に照射されるように拡大する。複数の開口からなるマルチ開口2−45を通過した複数の一次電子線は、NA開口2−47でクロスオーバー像を作り、コンデンサレンズ2−46で集束され、E×B分離器2−48、2−49で試料2−53方向へ曲げる。複数の一次電子線は、対物レンズ2−50により、さらに、各々が試料上での画素寸法の2ないし3倍程度の寸法になるように集束され、試料2−53に入射させる。該一次線は、走査用偏向器2−77、2−78により、X軸方向にラスタ走査される。マルチ開口2−45が図8(a)のように配置されている場合は、ラスタ走査は図8(b)で示されているように行われ、一回の走査当り16画素×走査幅分の効率の良い走査が実現している。
試料2−53から±90°以内の広い方向に放出された二次電子線は、第一実施態様と同様に細い電子線となって対物レンズ2−49を通過する。これにより対物レンズ2−50の収差を小さくすることができる。対物レンズ2−49を通過した二次電子線は、E×B分離器2−48、2−49で試料面の法線2−Aに対してαの角度方向に曲げられる。二次電子線は拡大レンズ2−55、2−56で拡大され、補正偏向器2−79で軌道を偏向され、NA開口2−74上にクロスオーバー像が作られる。NA開口2−74を通過した二次電子線は、偏向器2−80で軌道を偏向され、検出器2−60前のマルチ開口2−58上に拡大像が作られ、二次電子検出装置2−59の検出面2−61の画素寸法に相当する試料部分から放出された二次電子線だけが検出器2−60前のマルチ開口2−58を通過する。これにより、収差が取り除かれる。16本の二次電子線は、補正偏向器2−79、2−80で偏向されて、該検出器2−60前のマルチ開口2−58の対応する開口を同時に通過し、対応する検出器2−60で検出される。そして、各検出器2−60からの出力信号は制御装置2−100に送られ、制御装置2−100は、各検出器2−60からの出力信号基づいて、SEM像を形成する。このとき、マルチビームのビーム位置に対応して位置補正が行われ、16本の検出器から一枚のSEM画像が作られる。二次光学系のNA開口が省略される場合には、対物レンズとしてギャップが試料側にある図9に示した構造のレンズを使うことができる。この場合は軸上磁場が試料上で0ではないので、二次電子の主光線が光軸と交わらなく、開口を置けない。この場合は、検出器前面の開口寸法を小さくすることで収差を小さくする必要がある。
図7の対物レンズ2−50の具体的構造は図5の構造でも良いが、図9の構造も取ることができる。対物レンズ2−50の光軸と3αの角度から一次電子線を入射させ、E×B分離器2−48、2−49で光軸と一致する様偏向し、対物レンズ2−50で試料2−53に複数のビームを形成し、試料2−53から放出された二次電子をそれぞれ細く集束し、E×B分離器2−48、2−49の偏向主面近傍に複数の二次電子像を形成する。E×B分離器の静電偏向器2−48で−α方向に偏向され、電磁偏向器2−49で+2α方向偏向され、トータルα方向の偏向が残る。α方向に二次電子光学系2−54が配置される。一次電子の二段目の偏向器2−78は、図9の2−51に設けてもよい。2−51は静電偏向器を用いるのがよい。2−52は正の電圧が印可される軸対称円板である。レンズギャップ2−64は試料側に開いていて、キャップ面と光軸との角度θ、θ共に45°より大きい角度がよい。
次に第3の発明に係る実施例を説明する。
第3の発明に係る実施例は、最小線幅0.1μm以下の微細なパターンを有する試料の欠陥検査と欠陥レビューを高スループットで行う電子線装置に関し、さらにその様な電子線装置を用いるデバイス製造方法に関するものである。
電子線装置においては、欠陥検出装置による試料の検査を元に、導通不良欠陥の発生原因を特定することにより、プロセス条件の改善に活用したり、欠陥ウエハの選別を行う。このように、導通不良欠陥の発生原因を特定するためには、導通不良欠陥の状態を詳細に把握する必要があり、そのためには、導通不良欠陥個所の画像を確認すること、すなわち導通不良欠陥レビューが有効となる。
従来、欠陥検出装置は高スループットが要求されるため大きいビーム電流を必要とし、そのため解像度を犠牲にした電子光学系が使われる。一方、欠陥レビュー装置は高解像度が要求されるためビーム電流を犠牲にした電子光学系が使われる。このように両装置は使用するビームが異なるため、欠陥検出及び欠陥レビュー両者の欠陥評価を同時に行える装置はほとんど無かった。
欠陥検査装置と欠陥レビュー装置との2台をクリーンルームに入れると大きい床面積が必要となるという問題点が生ずる。さらに欠陥検出装置で欠陥を検出した後、その欠陥を別の欠陥レビュー装置で探す必要があるため、ロスタイムが大きいという問題点もある。本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、小さい床面積で、且つ、欠陥検出、欠陥レビューを一貫して行える装置を提供することを目的とする。さらに、その様な装置を用いるデバイス製造方法を提供する事を目的とする。
前記目的を解決するために、本発明は、電子線装置であって、
前記電子線装置は、
電子銃と、
前記電子銃から放出された一次電子線を、欠陥検出をおこなう複数の欠陥検出用一次電子線を形成するための複数の欠陥検出用一次電子線を形成する開口(欠陥検出用開口と略称する)と、
前記電子銃から放出された一次電子線を、欠陥レビューをおこなう少なくとも1つの欠陥レビュー用一次電子線を形成するための少なくとも1つの欠陥レビュー用一次電子線を形成する開口(以下、欠陥レビュー用開口と略称する)とを備え、
前記欠陥レビュー用開口は、その寸法において、前記欠陥検出用開口よりも小さく、これによって、前記欠陥レビュー用一次電子線を前記欠陥検出用一次電子線よりも細くすることができ、
前記電子線装置は、また、
前記欠陥検出用開口又は前記欠陥レビュー用開口の一方を通過した、前記欠陥検出用一次電子線又は前記欠陥レビュー用一次電子線を縮小し試料に集束させる対物レンズと、
試料から放出された二次電子線を偏向させる分離器と、
該偏向された二次電子線を検出する二次電子検出器とを備え、
前記欠陥検出用開口又は前記欠陥レビュー用開口を選択して、関連する前記欠陥検出用一次電子線又は前記欠陥レビュー用一次電子線を使用することにより、欠陥検出及び欠陥レビューを行うことができる電子線装置を提供するものである。
また、前記電子線装置において、
前記欠陥検出用開口と前記欠陥レビュー用開口は、1つの開口板に設けられていてもよい。
また、前記電子線装置において、
前記欠陥検出用開口と前記欠陥レビュー用開口は、それぞれ、別体の開口板に設けられていてもよい。
第3の発明に係る実施例によれば、試料の欠陥レビューと欠陥検出を同じ装置で行うことができるため、クリーンルームの床面積を小さくすることができるという効果を奏する。また、欠陥検出装置で欠陥を検出した後、その欠陥を別の欠陥レビュー装置で探すというような作業が不要となるため、ロスタイムが小さくなり、試料のロード・アンロードの時間及びレジストレーション時間を半減することができるという効果を奏する。
次に、第3の発明の実施例に係る電子線装置の概要を説明する。
図10は本発明の実施形態にかかる電子線装置の概略図である。本実施態様の電子線装置は、一次電子線を試料上に案内して該試料を前記一次電子線で走査するための一次光学系と、試料から放出される二次電子線を検出するための二次光学系とを備えている。
一次光学系は、一次電子線を放出する電子銃3−1と、電子銃3−32から放出された一次電子線を欠陥検出を行う複数の欠陥検出用一次電子線にするための複数の欠陥検出用開口3−21と、電子銃3−32から放出された一次電子線を欠陥レビューを行う少なくとも1つの欠陥レビュー用一次電子線にするための少なくとも1つの欠陥レビュー用開口3−22と、軸合せ偏向器3−7、3−9、3−10、3−13と、コンデンサレンズ3−8と、NA開口3−11と、縮小レンズ3−12と、一次電子線を試料3−20上を走査させるための走査偏向器3−14、3−17と、一次電子線を縮小し試料3−20上に集束させる対物レンズ3−18とを備えている。
電子銃3−32は、Z0/Wカソードを加熱するWフィラメント3−1、ショットキーシールド3−2、及び第1、第2、第3アノード3−3、3−4、3−5からなる。カソードは、Z0/W、L及び遷移金属の炭化物、ショットキーカソードの少なくとも1つから構成され、本実施形態においてはZ0/Wで構成されている。TC等の遷移金属の炭化物で構成される場合は、光軸3−33を中心としたその周囲に沿って、4方向あるいは8方向に電子線が放出される。Lの場合はエミッタンスが大きいので光軸付近に多くのマルチビームを作ることができる。
複数の欠陥検出用開口3−21と少なくとも1つの欠陥レビュー用開口3−22は、第3アノードの後方、すなわち下流側に配置されている。本実施形態においては、欠陥検出用開口3−21は光軸3−33からはずした位置で、周方向に沿って対称な4カ所の位置に設けられており、欠陥レビュー用開口3−22は光軸3−33からはずした位置の1カ所に設けられている。また、欠陥検出用開口3−21と欠陥レビュー用開口3−22は、図11に示されているように、1つの開口板3−6に設けられている。しかしながら、欠陥検出用開口3−21のみを開口板3−6に設け、欠陥レビュー用開口3−22を別体の図示しない開口板に設けるようにしてもよい。欠陥レビュー用開口3−22は、その寸法において、欠陥検出用開口3−21よりも小さく、これによって、欠陥レビュー用一次電子線を欠陥検出用一次電子線よりも細くすることができる。さらに、その寸法において、欠陥レビュー用一次電子線の寸法が前記欠陥検出用一次電子線の寸法の半分以下となるようにしてもよい。本実施形態においては、欠陥検出用開口3−21は30μmφの大きさを有し、ガスが抜けにくいため真空コンダクタンスが小さく、電子銃室を高真空に保つ機能も有している。
開口板3−6は、光軸3−33に対して交差する方向に移動できるように電子線装置の筐体(図示せず)に取り付けられている。即ち、図13で示すように、開口板3−6はベローズ3−35の一端に真空内で固定されていて、ベローズ3−35の他端がベローズ3−35取り付け金具を介して真空壁3−36に固定されている。ベローズ3−35の一端は一軸方向に移動可能にするためのアクチュエータに取り付けられている。したがって、開口板3−6の点Aが光軸3−33と一致するように開口板3−6を移動させることで、電子銃3−32からの一次電子線を欠陥検出用開口3−21にのみ照射することができる。開口板3−6の点Bが光軸3−33と一致するように開口板3−6を移動させることで、電子銃3−32からの一次電子線を欠陥レビュー用開口3−22にのみ照射することができる。試料3−20の欠陥検出を行うときは開口板3−6の点Aが光軸3−33と一致するように開口板3−6を移動させ、欠陥が検出されて欠陥レビューを行うときは開口板3−6の点Bが光軸3−33と一致するように開口板3−6を移動させる。電子線装置の筐体には、外部から電子線装置内の状況を見ることができるモニターが設けられている。これにより、オペレーターは、該モニターを通して、真空外部から一次電子線を見ながら、電子銃3−32からの一次電子線を欠陥検出用開口3−21にのみ照射するか、あるいは、欠陥レビュー用開口3−22にのみ照射するかを、選択することができる。すなわち、欠陥検出用開口3−21を選択すれば検出用一次電子線を使用して欠陥検出を行うことができ、欠陥レビュー用開口3−22を選択すれば欠陥レビュー用一次電子線を使用して欠陥レビューを行うことができる。本実施形態においては、オペレーターが手動で開口板を移動させることができるようにしたが、アクチュエータを用いて開口板を移動させるようにしてもよい。欠陥検出用開口3−21と欠陥レビュー用開口3−22とをそれぞれ別体の開口板に設けるようにした場合は、開口板を取り替えることで所望する開口を電子線装置内に配置することができる。
コンデンサレンズ3−8は、開口板3−6より試料3−20側すなわち下流側に設けられており、さらにコンデンサレンズ3−8の下流側にNA開口3−11が設けられている。欠陥検出用開口3−21または欠陥レビュー用開口3−22を通過した一次電子線は、コンデンサレンズ3−8によりNA開口3−11にクロスオーバを作る。NA開口3−11は、図12に示しているように、クロスオーバー寸法3−31より十分大きい正方形の開口にするとクロスオーバー寸法を測定し易く、また、クロスオーバー位置が振動・ドリフトしても一次電子線の強度変動は生じない。開口角はクロスオーバー直径で決まるのでビーム電流と解像度の制御はNA開口を交換しなくても可能となる。
縮小レンズ3−12は、NA開口3−11の下流側に配置され、NA開口3−11を通過したクロスオーバを拡大して、対物レンズ3−18の主面に結像する。縮小レンズ3−12の励磁条件は、4本の欠陥検出用一次電子線が試料3−20に集束された時の収差が小さくなるように決められている。
走査偏向器3−14、13−7は、縮小レンズ3−12の下流に配置され、一次電子線を偏向させて試料3−20上を走査させる。
対物レンズ3−18は、偏向器3−17の下流に配置され、一次電子線を縮小し試料3−20上に集束させる。
軸合せ偏向器3−7は開口板3−6とコンデンサレンズ3−8との間に、軸合わせ偏向器3−9、3−10はコンデンサレンズ3−8とNA開口3−11との間に、軸合せ偏向器3−13は縮小レンズ3−12と走査偏向器3−14との間に配置され、コンデンサレンズ3−8、NA開口3−11、対物レンズ3−18それぞれへの一次電子線の軸合せを行う。
二次光学系は、二次電子線を加速させる軸対称電極3−19と、加速された二次電子線を集束させる対物レンズ3−18と、試料3−20から放出された二次電子線を偏向させるE×B分離器3−15、3−16と、拡大レンズ3−23、3−24と、軸合せ偏向器3−27、3−28と、開口3−25と、二次電子線を検出する二次電子検出器3−26とを備える。
軸対称電極3−19は、試料3−20より少し二次電子検出器3−26側に配置され、試料3−20に印加された負の電圧と軸対称電極3−19とが作る電界によって、試料3−20から放出される二次電子線を加速する。
E×B分離器3−15、3−16は、対物レンズ3−18とともに軸対称電極3−19と拡大レンズ3−23との間に配置されている。E×B分離器3−15、3−16は、電界と磁界を直交方向に形成し、電界と磁界を直交させた偏向光学系のユニットである。電磁界を選択的に与えると、一方向からその場に入射する電子線を所定角度だけ偏向させることができ、その反対方向から入射する電子線を、電界から受けるカと磁界から受ける力の影響で前者と異なる値の所定角度だけ偏向させることができる。E×B分離器3−15、3−16は、試料3−20から放出される二次電子線を偏向して二次電子検出装置3−26に向けることができる。
拡大レンズ3−23、3−24は、E×B分離器3−15、3−16と開口3−25との間に配置され、二次電子線の像を拡大して、二次電子検出器3−26の前面の開口3−25に拡大像を作る。二次光学系の収差はほとんど対物レンズ3−18で決まるため、拡大レンズ3−23、3−24は、静電レンズで構成されている。
開口3−25は、二次電子検出器3−26の手前に配置されている。開口3−25には、欠陥検出用開口3−21に対応する4個の穴が設けられており、二次電子線の拡大像が作られる。
軸合せ偏向器3−27、3−28は、それぞれ拡大レンズ3−23、3−24の二次電子検出器3−26側に配置され、拡大レンズ3−24、開口3−25への二次電子線の軸合せを行う。
二次電子検出器3−26は、シンチレータとホトマルチプライヤー(光電子増倍管)などで構成されており、開口3−25を通過した4つの二次電子線を検出し、該二次電子線を対応する4つのアナログ信号に変換する。
二次電子検出器3−26は、A/Dコンバータ3−29を介して、画像形成回路3−30に接続されている。二次電子検出器3−26から出力された4つのアナログ信号は、A/Dコンバータ3−29でデジタル信号に変換され、画像形成回路3−30で4チャンネルのSEM画像が形成される。画像形成回路3−30は、上述した制御装置3−100と同様に構成されており、上記4チャンネルのSEM画像を、予め欠陥の存在しない試料の基準画像データと比較し、これにより、試料の欠陥を検出し、試料に欠陥が存在した場合に、欠陥の座標を記憶するようになっている。また、同じダイの同種類のセル部同志の画像を比較するセルtoセルの検出方法や、異なるダイの同じパターン部を比較するダイtoダイの検出方法を採ることもできる。
次に、本実施形態に係る電子線装置の全体的な作用を説明する。
欠陥検出においては、電子銃3−32から放出された一次電子線は、欠陥検出用開口3−21に照射され、4本の欠陥検出用一次電子線を形成する。電子銃3−32からは、光軸方向へ一次電子線が放出されると共に、光軸の周囲で該光軸に沿って複数の一次電子線が放出される。光軸方向へ放出された一次電子線は開口板3−6によって遮蔽され、光軸の周囲に沿って放出された複数の一次電子線のみが欠陥検出用開口3−21を通過し、上述した4本の欠陥検出用一次電子線が形成される。欠陥検出用開口3−21は30μmφの大きさを有し、この穴を通過した欠陥検出用一次電子線はコンデンサレンズ3−8、縮小レンズ3−12及び対物レンズ3−18で縮小され、50nmφの4本の小寸法の欠陥検出用一次電子線が試料3−20上に作られる。この4本の欠陥検出用一次電子線を走査偏向器3−14、3−17で2段偏向することにより試料上をラスター走査させ、試料3−20の欠陥検査を行う。電子銃3−1から放出される4方向の一次電子線は光軸方向へ放出される一次電子線よりはるかに電流が大きいので、50nmのビーム径で400nA程度のビーム電流が得られる。そのため、欠陥検出用一次電子線はピクセル周波数を400MHzで、試料3−20上を走査できる。100nAのビーム電流で100MHzのピクセル周波数だと、ピクセル当たりの電子数が4050個となり、十分なS/N比の信号が得られている。4倍のビーム電流だと4倍の周波数で走査しても同じS/Nの比の信号が得られる。さらに、4本の一次電子線を用いるためSEM画像が4チャンネル分得られるので、等価周波数が1.6GHz(400MHz×4)の走査速度で欠陥検査が行える。4本の欠陥検出用一次電子線が試料3−20を走査したときに試料3−20の4つの走査点から放出された二次電子線はそれぞれ、試料に印加された負の電圧と電磁レンズ3−18の下に配置された軸対称電極3−19とが作る電界によって加速され、それぞれが細いビームに集束されて対物レンズ3−18を通過し、E×B分離器3−15、3−16で偏向され、二次光学系へ導かれる。二次電子線は2段の拡大レンズ3−23、3−24で拡大されて4つの穴からなる開口3−25に拡大像を作り、これらの開口3−25を通過した二次電子線が二次電子検出器3−26で検出され、画像形成回路3−30で4チャンネルのSEM画像が作られる。このとき、4本の欠陥検出用一次電子線の位置があらかじめ実測されており、この実測値は画像形成回路3−30に予め入力されている。画像形成回路3−30は、それらの欠陥検出用一次電子線位置の互いのズレを補正する形で4つのSEM画像を合成する。この画像を形成するとき、走査信号が画像形成回路3−30に入力され、これによって、4つのSEM画像の合成が可能となっている。拡大レンズ3−23への二次電子線の軸合せはE×B分離器3−15、3−16で行われ、レンズ3−24への軸合せは軸合せ偏光器3−27で行われ、開口3−25への軸合せは軸合せ偏向器3−28で行われる。拡大レンズ3−23、3−24は静電レンズで構成されているため、二次光学系は、軽くなり、一次光学系のように鉛直ではないが振動は発生しない。画像形成回路3−30は、4チャンネルのSEM画像を、予め欠陥の存在しない試料の基準画像データと比較し、これにより、試料の欠陥を検出する。
欠陥検出が試料3−20全体について完了すると、画像形成回路3−30は、その欠陥の座標を記憶する。この情報をもとに、オペレーターは、開口板3−6の点Bが光軸3−33と一致するように開口板3−6を移動させ、電子銃3−32からの一次電子線が欠陥レビュー用開口3−22にのみ照射するようにする。
次いで、欠陥の座標情報をもとに、試料3−20の欠陥の位置に欠陥レビュー用一次電子線が順次位置合せされ、ステージを止めて欠陥レビューが行われる。欠陥レビューは、欠陥検出と同様の手順で行われるが、上述したように異なる一次電子線を使用する。欠陥レビューを行う際には、電子銃3−32から放出された一次電子線を欠陥レビュー用開口3−22に照射させる。欠陥レビューにおいては、画像取得の時間より、ステージ移動の時間の方が大部分を占めるので、1本の欠陥レビュー用電子線でも十分速やかに二次元像が得られる。そのため、本実施形態においては欠陥レビュー用開口3−22は1つの穴から構成させている。しかし、条件によっては、欠陥レビュー用開口3−22を4つの穴から構成させ、4本の欠陥レビュー電子線を使用することもできる。欠陥レビューの際は二次電子検出器3−26の画素寸法を25nmピクセル以下にする必要がある。当然欠陥レビュー電子線のビーム寸法も25nm以下にする必要がある。1本の欠陥レビュー電子線を使用する場合、4つの検出器3−26のうちの一つを使用する。欠陥レビュー用開口3−22を4つの穴から構成する場合、4つの穴のそれぞれの寸法を、欠陥検出用開口3−21の4穴の1/2以下の寸法にすると、レンズ条件を変えないでビーム寸法を変えられるので好都合である。
例えば、欠陥レビューにおいて、10μm角のSEM画像を100MHzで取得すると、その所要時間Tは、ピクセル寸法を25nm角としても
T={10μm×10μm/(25×10−3}×10−8sec
=1.6×10−3sec
となり、ステージ移動(100〜500ms)の方がはるかに長時間を必要とする。従って、この場合は4本の欠陥レビュー電子線を使用する必要がなく、本実施形態の様に1本の欠陥レビュー電子線で走査できる。
しかし、ビーム寸法を10nmφにし、ピクセル寸法を10nm角とすると、50nmのビーム径で400nA程度のビーム電流が得られることから、ビーム電流は400nA×(10/50)=0.64nAに減る。その結果、1本の欠陥レビュー電子線は100MHzのピクセル周波数で走査できず、0.64MHzの周波数でしか走査できなくなる。すると10μm角のSEM像を得るのに、その所要時間Tは
T={10μm×10μm/(10×10−3}×{1/0.64×10−6}sec=1.56sec
となり、ステージ移動時間を上回る。このような場合は4穴の欠陥レビュー用開口、但し穴径は1/4のものを使用して、4本の欠陥レビュー用電子線で走査させればよい。その場合は、Tは0.39secとなり、ステージ移動と同程度になる。
次に、第4の発明に係る実施例を説明する。
第4の発明の実施例は、一次電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子等を写像光学系で結像させ試料像を形成する電子線装置に関するものである。
従来、写像光学系を用いた電子線装置においては、一次電子線を試料面の法線に対して斜め方向から入射させ、E×B分離器で法線方向に曲げ、試料に照射していた。
しかし、このような電子線装置においては、E×B分離器による二次電子線の色収差の増加、斜めに取り付ける一次光学系のバランスの悪さ、電子銃の輝度とエミッタンスが有限であることと一次電子線の空間電荷により二次電子線がボケルこととによる照射量の上限、等の問題点があった。
第4の発明に係る実施例は、上記の問題点を解決するためのものであり、照射量の制限がなく、一次光学系が不要で、E×B分離器による偏向色収差の無い電子線装置を提供することを目的とする。
前記目的を解決するために、本発明は、電子線装置であって、
ホロービームからなる一次電子線を先端から放出するリング状のカソードと、前記カソードから放出された前記ホロービームの方向を制御するアノード及びウェーネルトとを有する電子銃と、
前記電子銃から放出された前記ホロービームを集束して試料上に照射するためのレンズとを備え、
前記試料から放出される二次電子あるいは後方散乱電子を前記レンズで像形成させる電子線装置を提供するものである。
また、前記電子線装置は、
前記アノードは、接地された内側アノードと電圧が印加される外側アノードとを有し、
前記カソードは、前記レンズの焦点距離を決めるレンズ条件及び一次電子線の放出方向を決める前記電子銃の照射条件を変えることにより、一次電子線が試料の光軸上に入射され、且つ、前記試料から放出される二次電子及び後方散乱電子が結像されるような位置に置かれ、
前記レンズのレンズ条件は、前記レンズに印加する電圧を変えることにより制御することができ、
前記電子銃の照射条件は、前記外側アノードに印加される電圧を変えることにより制御することができるようにしてもよい。
また、前記電子線装置は、
前記レンズは複数段のレンズで構成され、
前記電子銃は前記複数段のレンズの間に設けるようにしてもよい。
また、前記目的を解決するために、本発明は、電子銃であって、
ホロービームからなる一次電子線を先端から放出するリング状のカソードと、前記カソードから放出された前記ホロービームの方向を制御するアノード及びウェーネルトとを備える電子銃において、
前記カソードは、カソード材料をパイプ状に形成したものであり、その外側から加熱されることによりその端面から一次電子線が放出され、
前記アノードは、内側アノードと外側アノードを有し、
前記ウェーネルトは、内側ウェーネルトと外側ウェーネルトを有し、
前記内側アノード及び内側ウェーネルトは前記カソードに対して内側に設けられ、前記外側アノード及び外側ウェーネルトは前記カソードに対して外側に設けられおり、
前記内側アノードと前記外側アノードとを互いに絶縁し前記内側アノードと前記外側アノードとの間の電位差を変えることによって、又は、
前記内側ウェーネルトと前記外側ウェーネルトとを互いに絶縁し前記内側ウェーネルトと前記外側ウェーネルトとの間の電位差を変えることによって、前記ホロービームと光軸との間の角度を調整する電子銃を提供するものである。
第4の発明に係る実施例によれば、E×B分離器が必要ないため、E×B分離器による二次電子線の色収差の増加を防げるという効果を奏する。また、一次光学系は不要で、リング状カソードからなる電子銃を使用するため、一次光学系を斜めに取り付けることによるバランスの悪さという不利益を回避でき、安定性を確保できる。そして、リング状カソードからなる電子銃は、高輝度及び高エミッタンスの電子線を放出でき、一次電子線が二次電子線の外側を通るので空間電荷効果による悪影響を妨げるので、電子線の照射量に事実上の上限はないという効果を奏する。
次に第4の発明の実施例に係る電子線装置の概要を説明する。
図15は、本発明の一実施態様にかかる写像投影光学系の電子線装置の結像図を示したものである。
本実施態様の写像投影光学系を用いた電子線装置は、図15に示されているように、電子銃4−40と、試料から放出される二次電子線又は後方散乱電子を検出するための二次光学系と、二次電子線又は後方散乱電子を検出する検出装置4−1とを備えている。このように本実施態様の電子線装置は、一次電子線を試料面の法線に対して斜め方向から入射させる一次光学系と、斜め方向から入射してきた一次電子線を法線方向に曲げるE×B分離器とを備えておらず、電子銃4−40が二次光学系内に設けられている。
電子銃4−40は、図16に示すように、ホロービームからなる一次電子線を先端から放出するリング状のカソード4−29と、カソード4−29から放出されたホロービームの方向を制御するアノード4−22、4−26及びウェーネルト4−24、4−25とを有する。アノードは、接地された内側アノード4−22と電圧が印加される外側アノード4−26とを有する。従来装置では、一次電子線と二次電子線とが同じ光路を共有する場所があるので、一次電子線の空間電荷効果による二次電子線のボケが無視できない値となる。本件のホロービームでは、一次電子線が二次電子線の外側を通るので空間電荷効果による二次電子線のボケは、一次電子線をいくら増やしても発生しない。一次電子線の放出方向を決める電子銃4−40の照射条件は、外側アノード4−26に印加される電圧を変えることにより制御することができる。
二次光学系は、試料4−6から放出される二次電子あるいは後方散乱電子(反射電子とも言う)を結像させて試料4−6の像を形成するためのダブレットレンズ4−4と、結像された二次電子線等を拡大する拡大レンズ4−2、4−3とを備えている。
ダブレットレンズ4−4は、試料4−6と拡大レンズ4−2、4−3との間に配置されており、一対の電子レンズ4−5a、4−5bから構成されている。電子レンズ4−5a、4−5bに印加する電圧を変えるとレンズの焦点距離が変わり、これにより、レンズ条件を制御することができる。電子銃4−40は、電子レンズ4−5a、4−5bの間に配置されており、電子レンズ4−5aのレンズ作用がある場合に試料4−6上に照射する様、設計される。。
NA開口4−13が、一対の電子レンズ4−5a、4−5b間に配置されており、試料4−6から法線方向と大きい角度で放出された電子線を取り除いている。
拡大レンズ4−2、4−3は、タブレットレンズ4−4と検出装置4−1との間でタブレットレンズ4−4の下流側に配置されており、ダブレットレンズ4−4により結像された試料像を二段で拡大する。
検出装置4−1は、拡大レンズ4−2の下流側に配置され、シンチレータとCCDで構成され、二次電子線等を検出し、試料の拡大画像を作る。
電子銃4−40は、二次電子及び反射電子の両方のレンズ条件で試料上の光軸4−21近くに照射可能でなければならない。さらに、試料4−6からの二次電子及び反射電子が電子銃部品と干渉しない位置に電子銃4−40を配置する必要がある。このため、光軸4−21から十分大きい角度で放出されたと仮定した一次電子の、上記二つのレンズ条件での軌道が互いに交差する位置に置かれる。この位置では二次電子用の一次電子線4−9及び後方散乱電子用の一次電子線4−8を併用できる。二次電子用のレンズ条件及び後方散乱電子用のレンズ条件で一次電子線の軌道が交差するような位置4−10は、シミュレーションでも決定することができる。本実施態様においては、二次電子用の電子条件及び後方散乱電子用のレンズ条件で一次電子線の軌道が交差されるような位置4−10としたが、共有にする必要はなく、二次電子用の電子銃と後方散乱電子用の電子銃とを置いてもよい。
なお、図15に示されているように、二次電子用の一次電子線4−9と後方散乱電子用の一次電子線4−8とでは、光軸4−21に対する角度が異なっている。
次に、本実施態様に係る電子線装置の全体的な作用を説明する。
4−10の位置に置かれた電子銃4−40から4−9又は4−8で示された軌道に沿った方向に放出された一次電子線であるホロービームは、タブレットレンズの片方4−5aで集束され、試料4−6の光軸4−21上に入射される。ここで、二次電子用の一次電子線の場合は、軌道4−9を、後方散乱電子用の場合は軌道4−8を取ることになる。試料4−6から放出された二次電子あるいは後方散乱電子は、4−7で示された軌道を通り、タブレットレンズの片方4−5aにより平行ビームになり、タブレットレンズの他方4−5bによりタブレットレンズの像面4−12に結像する。該試料像は、さらに、拡大レンズ4−3及び4−2で拡大され、検出装置4−1に二次元像を作る。
次に、電子銃4−40の構造を図16に基づいてさらに詳細に説明する。
図16は、本発明の一実施態様にかかる電子銃4−40の概略部分断面図を示したものである。図16において、電子銃4−40は、光軸4−21に沿って破断されて示されている。
本実施態様の電子銃4−40は、光軸4−21を中心として回転対称構造となっており、上述したように、ホロービームからなる一次電子線を先端から放出するリング状のカソード4−29と、カソード4−29から放出されたホロービームの方向を制御するアノード4−22、4−26及びビーム電流値とビームの収束条件を制御するウェーネルト4−24、4−25とを備えている。
カソード4−29は、光軸4−21に中心決めされており、光軸4−21を中心として周方向に沿って延びている。カソード4−29は、光軸4−21に沿った図中上下方向に延びる環状の支持部4−29aと、支持部4−29aの下端側から径方向内側に向けて延びる環状の段部4−29bと、段部4−29bの内端側から光軸4−21方向に沿って延びる環状の放出部4−29cとを備えており、支持部4−29aと段部4−29bと放出部4−29cとが一体的に形成されている。支持部4−29aは、環状の絶縁スペーサ4−32を介してウェーネルト4−24に保持されており、段部4−29bを介して放出部4−29cを支持している。放出部4−29cの下端側には、先細になった先端4−29dが形成されており、この先端4−29dから円環状のホロービームが放出されるようになっている。
カソード4−29は、リング状のハフニウム(Hf)の端面をとがらせて先端4−29dのみから電子線放出が起こる様にしている。カソード4−29には、焼結体のLやT等も使うことができる。
アノード4−22、4−26は、光軸4−21に中心決めされており、内側アノード4−22と外側アノード4−26とを有する。内側アノード4−22はカソード4−29に対して内側に設けられており、外側アノード4−26はカソード4−29に対して外側に設けられている。
内側アノード4−22は、その電位がゼロとなるように接地されており、接地電極として構成されている。一方、外側アノード4−26には、任意の値の電圧が加えられるようになっており、内側アノード4−22と外側アノード4−26との間に形成される電位差によって、カソード4−29から放出されるホロービームの方向を制御するようになっている。
内側アノード4−22は、ホロービームの方向を制御するゼロ電位電極部4−22aと、光軸上をゼロ電位にするための支持部4−22bとを備えており、ゼロ電位電極部4−22aと支持部4−22bとが一体的に形成されている。支持部4−22bは、光軸4−21方向に沿って延びる円筒形状となっており、図示しない部材によって電子線装置のハウジングに固定されている。ゼロ電位電極部4−22aは、環状で且つ平板形状となっており、支持部4−22bの下端部から、光軸4−21に対して交差する方向で且つ径方向外側に向かって延びている。
外側アノード4−26は、内側アノード4−22に対して径方向外側に配置されていると共に、光軸4−21を中心として周方向に沿った環状構造となっている。また、外側アノード4−26は、内側アノード4−22との間にホロービームを通すための環状経路4−22cが形成されるように、内側アノード4−22から径方向外側に離間して配置されている。
外側アノード4−26は、ホロービームの方向を制御する電極部4−26aと、電極部4−26aを支持するための支持部4−26bとを備えており、ゼロ電位電極部4−22aと支持部4−26bとが一体的に互いに絶縁され形成されている。
支持部4−26bは、光軸4−21方向に沿って延びる円筒形状となっており、図示しない部材によって電子線装置のハウジングに絶縁固定されている。外側アノード4−26の支持部4−26bは、内側アノード4−22の支持部4−22bと平行になるように該支持部4−22bに沿って延びている。また、支持部4−26bは、該支持部4−22bから径方向外側に離間して配置され、該支持部4−22bとの間に空間部が形成されるようになっており、この空間部にカソード4−29やウェーネルト4−24、4−25などが配置されている。
電極部4−26aは、環状で且つ平板形状となっており、支持部4−26bの下端部から、光軸4−21に対して交差する方向で且つ径方向内側に向かって延びている。また、電極部4−26aは、環状経路4−22cを介して内側アノード4−22の平板部4−22bと対向して配置されていると共に、該平板部4−22bと同一平面上に配置されている。
内側アノード4−22は、上述したように接地すなわちアースされており、これによって、電子銃4−40のポテンシャルが光軸上の二次電子の軌道に影響を与えないようになっている。外側アノード4−26は内側アノード4−22と絶縁されていて、外側アノード4−26に接地と異なる電圧を与えることによって、一次電子線としてのホロービームの放出方向を内側4−31の方向へ向けたり外側4−30の方向へ向けたりあるいは収束ビームとしたり発散ビームとしたり制御することができる。ここで、4−31の方向へ向けるには外側アノード4−26に負の電圧を与えればよく、4−30の方向へ向けるには外側アノード4−26に正の電圧を与えればよい。このようにある程度の角度幅をもってホロービームの方向を変えることができように、環状経路4−22cは、径方向に沿って所定の幅の寸法を有している。ホロービームの方向の角度幅をできる大きく変えることができるように、カソード4−29は、その先端4−29dが環状経路4−22cと同じ半径位置となる様に位置決めされている。
ウェーネルト4−24、4−25は、光軸4−21に中心決めされた環状形状をしており、光軸4−21方向に沿って延びると共に、図中下側に向かうにしたがって末広がりとなっている。
ウェーネルト4−24、4−25は、内側ウェーネルト4−24と外側ウェーネルト4−25とを有する。内側ウェーネルト4−24は、カソード4−29に対して内側に設けられ、外側ウェーネルト4−25はカソード4−29に対して外側に設けられている。
内側ウェーネルト4−24は、一次電子線の放出量を制御するための電極部4−24aと、電極部4−24aを支持する支持部4−24bとを有しており、電極部4−24aと支持部4−24bとが一体的に形成されている。支持部4−24bは、光軸4−21方向に沿って延びる円筒形部4−24b1と、円筒形部の下端から径方向内側に向かって傾斜して延びる截頭円錐形部4−24b2とを有している。電極部4−24aは、截頭円錐形部4−24b2の下端から光軸4−21方向に沿って延びる円筒形状となっている。
外側ウェーネルト4−25は、一次電子線の放出量を制御するための電極部4−25aと、電極部4−25aを支持する支持部4−25bとを有しており、電極部4−25aと支持部4−25bとが一体的に形成されている。電極部4−25aは、図示しない絶縁スペーサを介して内側ウェーネルト4−24に保持されている支持部4−25bは、内側ウェーネルト4−24の支持部4−24bに対して径方向外側に配置されて、支持部4−24bとの間にカソードの先端4−29dを配置するための空間を形成している。支持部4−25bは、光軸4−21方向に沿って延びる円筒形部4−25b1と、円筒形部の下端から径方向外側に向かって傾斜して延びる截頭円錐形部4−25b2とを有している。このように、外側ウェーネルト4−25の截頭円錐形部4−25b2と、内側ウェーネルト4−24の截頭円錐形部4−24b2とにより、カソードの先端4−29dの下流側に末広がりの空間が確保され、カソードの先端4−29dから放出されるホロービームの発散を防ぐようになっている。
ウェーネルト4−24、4−25の形状はシミューションによって決めるようにしてもよい。ウェーネルト4−24、4−25も、アノード4−22、24−6と同様に、内側ウェーネルト4−24と外側ウェーネルト4−25は互に絶縁して外側ウェーネルト4−25に接地と異なる電圧を与えることによって、一次電子線の放出方向を内側4−31の方向へ向けたり外側4−30の方向へ向けたり制御することができる。一次電子線の放出方向の制御は、アノード4−22、4−26だけで行う。ウェーネルト4−24、4−25はビーム量の制御及びビームの発散を防ぐ役目がある。
電子銃4−40は、さらに、サブカソード4−28とサブカソード4−28のシールド4−27とを備えることができる。サブカソード4−28は、光軸4−21に中心決めされた環状形状をしており、カソード4−29に対して径方向外側に配置されている。サブカソード4−28は、タングステンフィラメントからなり、カソード4−29の外側に距離を保って、光軸4−21を中心として周方向に配置されている。サブカソード4−28のシールド4−27は、サブカソード4−28からの電子をすべてカソード4−29に入射させるためのシールドであり、例えば、20.1kVの電圧が印加されている。
絶縁スぺーサ4−23は、内側ウェーネルト4−24と内側アノード4−22とを連結しており、絶縁スペーサ4−32は、カソード4−29と内側ウェーネルト4−24と連結している。それぞれの径が異なるのは、絶縁距離を大きくして放電を避けるためである。
次に、本実施態様に係る電子銃4−40の全体的な作用を説明する。
サブカソード4−28に−20kV程度を与え、カソード4−29に向ってエレクトロボンバード(熱陰極を備えた電離真空計や質量分析計等のイオン源において電極等の構成要素を脱ガスする方法の一つとしてエレクトロンボンバード法が知られている。この点については、例えば、特開平06−150875に開示されている)して、約1mAの電流を流すことによって、カソード4−29に(20−4.5)×10×1×10−3Wの加熱を行う。ここでカソード4−29には−4.5kVが印加される。これにより、カソード4−29からは一次電子線が放出される。一次電子線の放出方向は、外側アノード4−26に接地と異なる電圧を印加することにより、制御できる。
この様な電子銃4−40は、カソード4−29の面積が10μm×2π3mm≒2×10−1mm程度と大きく、しかもカソード4−29の先端には高電界が印加できるため、高輝度の一次電子線が取り出せる。従って、数mAのビーム電流を200μm直径程度の領域に容易に照射できるので、写像投影光学系を非常に明るい条件で動作させることができ、ピクセル当りの電子数を大きくでき、S/N比の良い画像が得られる。さらにこの照射方法ではE×B分離器が不要であるので、二次電子像にE×Bによる偏向色収差が発生しない。さらに斜め方向に取り付けられる一次光学系が不要であるから、機械共振周波数を上げることができ、振動に強くなる。また、一次電子線は図15で明らかな様に二次電子線の軌道7の外側を通るので、一次電子線の空間電荷が二次電子線のボケを増加させることがない。また一次光学系が不要な分、低コストとなる。
図17は、本発明の別の実施態様にかかる写像投影光学系の電子線装置の結像図を示したものである。第一の実施態様と同じものに関しては同じ符号を付して説明は省略し、異なるところのみを説明する。第二の実施態様に係る電子線装置は、第一の実施態様と比較して、使用する電子銃のみが異なる。そこで、図18で、本実施態様にかかる電子銃を説明する。
第一の実施態様の電子銃4−40は、サブカソード4−28によりカソード4−29を加熱して一次電子線を放出しているが、本実施態様においては光電効果を利用したホトカソード4−29を使用して、一次電子線を放出している。そのため、本実施態様にかかる電子銃4−50は、第一の実施態様にかかる電子銃4−40と、カソード4−29の形状、材質が異なる。また、サブカソード4−28及びシールド4−27の代わりに、光ファイバー4−33、長波長カットフィルター4−35、及び高圧水銀灯4−37を備えている。
第二の実施態様に係る電子銃4−50のカソード4−29’は、光軸4−21に中心決めされており、光軸4−21を中心として周方向に沿って延びている。カソード4−29’は、光軸4−21に沿った図中上下方向に延びる環状の支持部4−29a’と、支持部4−29a’の下端側から径方向内側に向かって傾斜して延びる截頭円錐形部4−29b’と、截頭円錐形部4−29b’の内端側から光軸4−21方向に沿って延びる環状の放出部4−29c’とを備えており、支持部4−29a’と截頭円錐形部4−29b’と放出部4−29c’とが一体的に形成されている。支持部4−29a’は、環状の絶縁スペーサ4−32を介してウェーネルト4−24に保持されており、截頭円錐形部4−29b’を介して放出部4−29c’を支持している。放出部4−29c’の下端側には、先細になった先端4−29d’が形成されており、この先端4−29d’から円環状のホロービームが放出されるようになっている。カソード4−29’は、石英ガラス製で、先端にリング状に白金が薄くコーティングしてあり、内側及び外側にはアルミが蒸着してある。
光ファイバー4−33は、カソード4−29の支持部4−29aの上端側に接続されており、長波長カットフィルター4−35が光ファイバー4−33に接続されている。さらに、高圧水銀灯4−37が、長波長カットフィルター4−35に接続されている。
高圧水銀灯4−37から放出された光は、長波長カットフィルター4−35で波長の長い光が取り除かれ、光ファイバー4−33を通ってカソード4−29’に入る。光がカソード4−29’に入り、光電材料白金に入射したことにより生じる光電効果により白金膜の付いた4−29dから一次電子線が放出される。
ホトカソードを使用することにより、カソード4−29を加熱して一次電子線を放出することによる温度上昇の問題が解決する。
次に、第5の発明に係る実施例を説明する。
第2の発明の実施例は、電子線装置に関し、特に、最小線幅0.1μm以下のパターンを有する試料の評価を高精度且つ高スループットで行う電子線装置に用いられる試料台の位置を測定するための電子線装置に関するものである。
従来、この種の電子線装置においては、基板などの試料に正確に電子線を照射するために、かかる試料を載置する試料台の位置を測定するための位置測定装置が設けられている。
このような位置測定装置においては、一台のレーザ発振器から出たレーザビームを2つに分け、x軸に平行なレーザミラーとy軸に平行なレーザミラーにそれぞれ照射し、x軸側から1本のレーザビームを試料台に照射すると共に、y軸側から1本のレーザビームを試料台に照射して、電子線の照射位置と試料台のx、y位置を正確に測定している。
従来より、試料台が移動する際に、試料台を移動させるステージの許容誤差により、ある程度の試料台がヨー運動(Yaw運動)することがわかっている。従来の位置測定装置においては、x軸側から試料台に照射されるレーザビームもy軸側から試料台に照射されるレーザビームも、それぞれ、1つの光軸に向けられていることから、試料台がわずかにヨー運動しても、使用する光軸が1本の場合は試料台の理想的な位置からのズレは無視することができ問題になることはなかった。しかしながら、光軸が複数ある電子線装置の場合には、レーザビームが照射されるレーザ軸と異った位置の光軸の一次電子線では、位置ずれを無視することができなくなり、所謂アッベの誤差が生じる問題点があった。さらに、試料の寸法が大きくなると、レーザー移動鏡が巨大化する問題点もあり、また、レーザー固定鏡を試料室側壁に固定した場合は、試料室側壁の伸縮による測定誤差が生じる問題点があった。
第5の発明による実施例は、上記の問題点を解決するためのものであり、複数本の光軸を有する装置でもアッベの誤差が生じない、高精度且つ高スループットの電子線装置に用いられる試料台用の位置測定装置を提供することを目的とする。さらに、レーザー移動鏡による試料台の大型化を防ぎ、試料室側壁の伸縮による測定誤差を無くす装置を提供する。
前記目的を解決するために、本発明は、電子線装置の試料台用の位置測定装置であって、
前記電子線装置は、x軸線方向及びy軸線方向を有するxy平面に沿って移動可能な試料台に載置された試料に、複数の光軸を有する複数の一次電子線を照射して、前記試料の評価を行っており、
前記位置測定装置は、
第1のレーザビームを、x軸線方向又はy軸線方向の一方の軸線方向に沿って試料台に向けて照射して、前記一方の軸線方向に沿った試料台の位置を測定するための第1の測定装置と、
第2及び第3のレーザビームを、x軸線方向又はy軸線方向の他方の軸線方向に沿って試料台に向けて照射して、前記他方の軸線方向に沿った前記試料台の2ヶ所の位置を測定するための第2の測定装置とを備え、
前記第2のレーザビームと前記第3のレーザビームとは、前記他方の軸線方向に沿って離間されて前記試料台に向けて照射されており、
前記位置測定装置は、さらに、前記第1の測定装置からの測定値と前記第2の測定装置からの測定値とに基づいて、前記試料台のxy平面内の回転量を検出する制御装置とを備えていることを特徴とする試料台用の位置測定装置を提供するものである。
また、前記位置測定装置において、
さらに、レーザビームを放出する少なくとも1つのレーザー源1と、
前記レーザー源1から放出されたレーザビームを少なくとも2つのレーザビームに分離する第1の分離装置5−2とを備え、
前記第1の測定装置は、前記第1の分離手段5−2で分離された一方のレーザビームを前記第1のレーザビームとして用いており、
前記第2の測定装置は、前記第1の分離手段で分離された他方のレーザビームを、前記第2のレーザビームと前記第3のレーザビームとに分離する第2の分離装置5−5を備えてもよい。
また、前記位置測定装置において、
前記第1の測定装置は、前記試料台のうち前記他方の軸線方向に沿って設けられた第1の反射鏡5−12と、前記第1の分離装置で分離された前記第1のレーザビームを前記第1の反射鏡5−12に向けて案内する第1の案内装置5−9と、前記第1の反射鏡5−12で反射された前記第1のレーザビームを受ける第1の受信器5−3とを備え、
前記第2の測定装置は、前記試料台のうち前記一方の軸線方向に沿って設けられた第2の反射鏡5−13を備え、
前記第2の分離装置5−5は、該第2の分離装置5−5で分離された前記第2のレーザビームを前記第2の反射鏡5−13に向けて案内する第2の案内装置5−5を有しており、
前記第2の測定装置は、さらに、
前記第2の分離装置5−5で分離された前記第3のレーザビームを前記第2の反射鏡5−13に向けて案内する第3の案内装置5−7と、
前記第2の反射鏡5−13で反射された前記第2のレーザビームを受ける第2の受信器5−6と、
前記第2の反射鏡5−13で反射された前記第3のレーザビームを受ける第3の受信器5−8とを備えていてもよい。
また、前記位置測定装置において、
前記第1の測定装置は、また、前記試料台の上方に配置された前記電子線装置の対物レンズのうち第1の反射鏡5−12側の側壁に設けられた第1の固定鏡5−11を備えており、
前記第1の案内装置5−9は、前記第1の分離装置5−2で分離された前記第1のレーザビームを前記第1の反射鏡5−12に向けて案内すると共に前記第1のレーザビームから第4のレーザビームを分離する第1のビームスプリッタ5−9を有しており、
前記第1の測定装置は、さらに、前記第4のレーザビームを曲げて前記固定鏡5−11に向けて照射する第1のレーザミラー5−33を備えており、
前記第2の測定装置は、また、
前記電子線装置の対物レンズのうち第2の反射鏡5−13側の側壁に設けられた第2の固定鏡と、
前記第2の案内装置5−5からの第2のレーザビームを前記第2の反射鏡5−13に向けて案内すると共に第2のレーザビームから第5のレーザビームを分離する第2のビームスプリッタ5−42と、
前記第5のレーザビームを曲げて前記第2の固定鏡に向けて照射する第2のレーザミラーと、
前記第3の案内装置5−7からの第3のレーザビームを前記第2の反射鏡5−13に向けて案内すると共に第3のレーザビームから第6のレーザビームを分離する第3のビームスプリッタ5−41と、
前記第6のレーザビームを曲げて前記第2の固定鏡に向けて照射する第3のレーザミラーとを備えていてもよい。
また、前記目的を解決するために、本発明は、x軸線方向及びy軸線方向を有するxy平面に沿って移動可能な試料台に載置された試料に、複数の光軸を有する複数の一次電子線を照射し、前記試料の評価を行う電子線装置であって
前記電子線装置は、
前記複数の一次電子線を偏向して前記試料に照射する偏向器と、
前記請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載された試料台用の位置測定装置とを備え、
前記位置測定装置の前記制御装置は、前記試料台のxy平面内の回転量に基づいて前記偏向器を制御し、これによって、前記偏向器は、前記試料の理想的な動きからのズレがなくなるように前記複数の一次電子線毎に偏向して、前記試料上での当該一次電子線の照射位置を補正することを特徴とする電子線装置を提供するものである。
また、前記電子線装置において、
前記試料台の上方に配置された前記複数の光軸を有する対物レンズを備えており、
前記対物レンズは、一体構造の磁気レンズであってもよい。
また、前記位置測定装置において、
前記電子線装置は、前記複数の一次電子線を形成する複数の光学系を備えており、
前記複数の光学系は、前記試料台の上方に配置された前記複数の光軸を有する一体構造の対物レンズを備えていてもよい。
また、前記位置測定装置において、
前記複数の光学系のそれぞれは、複数の一次電子線を前記試料上に照射するようにしてもよい。
第5の発明に係る実施例によれば、x軸線方向又はy軸線方向の少なくとも一方の軸線方向に沿った試料台の2ヶ所の位置を測定して試料台のxy平面内の回転量を検出するようにしたので、試料台がヨー運転をしても正確な試料評価ができる。また、光軸数が8本あれば1本の場合より8倍の評価速度が得られる。従って、試料の評価を、高精度且つ高スループットで行うことができるという効果を奏することができる。
次に第5の発明の実施例に係る電子線装置の概要を説明する。
図19及び図20は、本発明の一実施態様にかかる電子線装置の試料台用の位置測定装置である。図19は、平面図であり、図20は、図19のA−A’線に沿って破断した概略断面図である。
本実施態様の位置測定装置は、電子線装置の試料台の位置を測定するためのものである。
電子線装置は、x軸線方向及びy軸線方向を有するxy平面に沿って移動可能な試料台5−32に載置された試料5−22に、複数の光軸を有する複数の一次電子線を照射して、試料の評価を行っている。
本実施態様の位置測定装置は、レーザビーム5−400を放出するレーザー源5−1と、レーザー源5−1から放出されたレーザビーム5−400を2つのレーザビーム5−402、5−404に分離する第1の分離装置5−2と、一方のレーザビームとしての第1のレーザビーム5−402を用いてx軸線方向に沿った試料台5−32の位置を測定するための第1の測定装置5−200と、他方のレーザビーム5−404を用いてy軸線方向の軸線方向に沿った試料台5−32の2ヶ所の位置を測定するための第2の測定装置5−300と、第2の測定装置5−300からの測定値に基づいて、試料台5−32のxy平面内の回転量を検出する制御装置5−100とを備えている。
第1の分離装置5−2は、本実施例においてはビームスプリッター5−2から構成されている。ビームスプリッター5−2は、レーザー源5−1から放出されたレーザビームを第1のレーザビーム5−402と第2のレーザビーム5−404とに分離する。
第1の測定装置5−200は、試料台5−32のうちy軸線方向に沿って設けられた第1の反射鏡としてのxレーザ移動鏡5−12と、ビームスプリッター5−2で分離された第1のレーザビーム5−402をxレーザ移動鏡5−12に向けて案内する第1の案内装置5−9と、第1の反射鏡5−12で反射された第1のレーザビーム5−402を受ける第1の受信器としてのレーザ受信器5−3と、試料台5−32の上方に配置された電子線装置の対物レンズ5−20のうちxレーザ移動鏡5−12側の側壁に設けられた第1の固定鏡としてのx方向レーザ固定鏡5−11とを備えている。
第1の案内装置5−9は、本実施例においては、第1のビームスプリッタ5−9から構成されている。ビームスプリッター5−9は、ビームスプリッター5−2で分離された第1のレーザビーム5−402を第1の反射鏡5−12に向けて案内すると共に、第1のレーザビーム5−402から第4のレーザビーム5−406を分離する。
第1の測定装置は、さらに、第4のレーザビーム5−404を曲げてx方向レーザ固定鏡5−11に向けて照射する第1のレーザミラーとしてのレーザミラー5−33を備えている。
本実施態様の位置測定装置は、また、ビームスプリッター5−2で分離された第2のレーザービーム5−404を第2の測定装置5−300の方向に反射させるレーザ反射器5−4を備えている。レーザ反射器5−4は、ビームスプリッター5−2で分離されたy軸線方向に沿った他方のレーザービーム5−404を第2の測定装置5−300に案内している。本実施態様の位置測定装置においては、レーザー源を一つとしたためレーザ反射器5−4を設けるようにした。
第2の測定装置5−300は、レーザ反射器5−4で反射された第2のレーザビーム5−404から第3のレーザビーム5−410を分離する第2の分離装置としてのビームスプリッター5−5と、試料台5−32のうちx軸線方向に沿って設けられた第2の反射鏡としてのyレーザ移動鏡5−13と、ビームスプリッター5−5で分離された第3のレーザビーム5−410をyレーザ移動鏡5−13に向けて案内する第3の案内装置としてのレーザミラー5−7と、yレーザ移動鏡5−13で反射された第2のレーザビーム5−404を受ける第2の受信器としてのレーザ受信器5−6と、yレーザ移動鏡5−13で反射された第3のレーザビーム5−410を受ける第3の受信器としてのレーザ受信器5−8とを備えている。ビームスプリッター5−5は、第2のレーザビーム5−404をyレーザ移動鏡5−13に向けて案内する第2の案内装置の役割も果たしている。
第2の測定装置5−300は、さらに、電子線装置の対物レンズ5−20のうちyレーザ移動鏡5−13側の側壁に設けられた第2の固定鏡としてのy方向レーザ固定鏡5−60と、ビームスプリッター5−5からの第2のレーザビーム5−404をyレーザ移動鏡5−13に向けて案内すると共に第2のレーザビーム5−404から第5のレーザビーム5−412を分離する第2のビームスプリッタとしてのビームスプリッタ5−42と、第5のレーザビーム5−412を曲げてy方向レーザ固定鏡5−60に向けて照射する第2のレーザミラー5−41と、レーザミラー5−7で反射された第3のレーザビーム5−410をyレーザ移動鏡5−13に向けて案内すると共に第3のレーザビーム5−410から第6のレーザビーム5−414を分離する第3のビームスプリッタとしてのビームスプリッタ5−41と、第6のレーザビーム5−414を曲げてy方向レーザ固定鏡5−60に向けて照射する第3のレーザミラー5−63とを備えている。
試料5−22の評価を行う電子線装置は、試料台5−32に固定された試料5−22内で5−23、5−24、5−25、5−26、5−83、5−84、5−85、5−86に示されている8本の光軸を備えている。一枚の試料5−32上に、8本の光軸に沿って、それぞれ、Z0/Wカソード5−14、ショットキーシールド5−15及びアノード5−16から成る電子銃と、電子銃から放出される一次電子線を回転制御可能なコンデンサレンズ5−17と、マルチ開口5−31と、NA開口5−18と、縮小レンズ5−19と、対物レンズ5−20とが、配置されている。試料5−22の評価を行うときは、図示しないアクチュエーターを駆動して、y方向に試料台5−32を連続移動させながら、8つの一次電子線を同時にx方向に走査し、走査点から放出される二次電子線を軸対称電極5−21で加速する。軸対称電極5−21は、対物レンズ5−20の下に設けられており、光軸毎に光軸の近傍では軸対称となっている。軸対称電極5−21で加速された二次電子線は、レンズギャップが試料5−32側にある対物レンズ5−20で集束され、図に示していないE×B分離器で光軸から離れる方向に偏向して、対応する検出器5−27、5−28、5−29、5−30、5−87、5−88、5−89、5−90で検出する。各光軸にはy軸に投影すると隣との間隔が等しい4本の二次電子線が作られ、これらの4本の二次電子線は各検出器で独立に検出される。これらの検出器からの8×4=32チャンネルの二次電子信号から32チャンネルのSEM像が形成され、高スループットで試料の評価が行えるのと同時に、試料台のx方向への移動量は隣の光軸間の距離分しか移動させる必要がないため、試料台の移動量を小さくできる。
本実施態様に係る位置測定装置においては、xレーザ移動鏡5−12は、試料台のy軸に平行な面を鏡面研磨することによって構成されており、yレーザ移動鏡5−13は、試料台のx軸に平行な面を鏡面研磨することによって構成されている。試料台の材質がシリコン・カーバイトセラミックスの場合、ボイドが多いので、Z0、高純度アルミナ、石英等のボイドがほとんど無い材料を側面に接着後研磨を行ってもよい。
レーザ発振器5−1から放射されたレーザビーム5−400は、ビームスプリッター5−2で、直進するx測定用の第1のレーザビーム5−402と、y軸方向に反射されるy測定用の第2のレーザビーム5−404に分けられる。第1のレーザビーム5−402はビームスプリッター9で第1のレーザービーム5−402と第4のレーザービーム5−406の2つに分けられる。第4のレーザー5−406はレーザミラー5−33で直角に反射され対物レンズ5−20の外側に取り付けられたレーザ固定鏡5−11に照射される。レーザ固定鏡5−11で反射された第4のレーザービーム5−406は、さらに、レーザミラー5−33で反射されビームスプリッター5−9を直進しレーザ受信器5−3へ入る。また、ビームスプリッター5−9を透過した第1のレーザービーム5−402は、試料台5−32に取り付けられたxレーザ移動鏡5−12で反射され、ビームスプリッター5−9で反射され、レーザ受信器5−3へ入る。レーザ固定鏡5−11からの第4のレーザビーム5−406とxレーザ移動鏡5−12からの第1のレーザービーム5−402とが干渉することにより、移動鏡の速度が測定される。この速度は、レーザ受信器5−3内に設けられたカウンターで積分される。より具体的には、xレーザ移動鏡5−12からの第1のレーザービーム5−402と、レーザ固定鏡5−11で反射された第4のレーザービーム5−406とが干渉することによる信号の強・弱をパルスに変換し、移動鏡の速度を算出し、その速度を積分することにより、試料台のx軸線方向の移動距離が算出される。
一方、ビームスプリッター5−2で分離された第2のレーザビーム5−404はレーザ反射器5−4で直角に反射され、ビームスプリッター5−5で第2のレーザビーム5−404と第3のレーザビーム5−410の2つに分けられる。
図21に示すように、第2のレーザビーム5−404は、ビームスプリッタ5−42で第2のレーザビーム5−404と第5のレーザビーム5−412とに分けられる。第5のレーザービーム5−412は第2のレーザミラー5−62で直角に反射され、対物レンズ5−20の外側に取り付けられたy方向レーザ固定鏡5−60に照射される。レーザ固定鏡5−60で反射された第5のレーザービーム5−412は、さらに第2のレーザミラー5−62、ビームスプリッター5−42で反射され、ビームスプリッター5−5を直進しレーザ受信器5−6へ入る。また、ビームスプリッター5−42を透過した第2のレーザービーム5−404は試料台5−32に取り付けられたyレーザ移動鏡5−13に照射され且つyレーザ移動鏡5−13で反射され、ビームスプリッター5−42及び5−5を直進して、レーザ受信器5−6へ入る。y方向レーザ固定鏡5−60からのレーザビームとyレーザ移動鏡5−13からのレーザービームとが干渉することにより、強弱信号が作られ、パルスに整形されパルスをカウントすることにより、移動鏡の速度が測定される。この速度は、レーザ受信器5−6内に設けられたカウンターで積分され、同様にして、試料台のy軸線方向の移動距離が算出される。
さらに、図21には第2のレーザービームの光路のみ示してあるが、その後方には、図22に示されているように第3レーザービーム5−410が同様の光路で進むこととなる。第3のレーザビーム5−410は、ビームスプリッター5−7で直角に反射され、次いでビームスプリッタ5−41で第3のレーザビーム5−410と第6のレーザビーム5−414とに分けられる。第6のレーザービーム5−414は第3のレーザミラー5−63で直角に反射され対物レンズ5−20の外側に取り付けられたy方向レーザ固定鏡5−60で反射され、さらに第3のレーザミラー5−63、ビームスプリッター5−41で反射され、ビームスプリッター5−7を直進しレーザ受信器5−8へ入る。また、ビームスプリッター5−41を透過した第3のレーザービーム5−410は試料台5−32に取り付けられたyレーザ移動鏡5−13で反射され、、ビームスプリッター5−41及び5−7を直進して、レーザ受信器5−8へ入る。y方向レーザ固定鏡5−60からのレーザビームとyレーザ移動鏡5−13からのレーザービームとが干渉することにより、強弱信号が得られ、パルス整形され、カウントすることにより移動鏡の速度が測定される。この速度は、レーザ受信器5−8に設けられたカウンターで積分され、同様にして、試料台のy軸線方向の移動距離が算出される。
レーザ受信器5−3、5−6、5−8で算出された値は、制御装置5−100に送られ、制御装置5−100では、y軸方向レーザビームによる2箇所の位置での試料台5−32の位置の算出値に基づき、試料台5−32のxy平面内の回転量を求める。
次に図23を用いて、本実施態様に係るアッベの誤差の補正方法について述べる。図23に示された5−41、5−42は、図19に示されたビームスプリッター5−41、5−42であり、対物レンズ5−20の外側に取り付けられたy方向レーザ固定鏡5−60の方向と、試料台5−32のyレーザ移動鏡5−13方向とへレーザビームを分割する半透明鏡から構成されている。5−43は理想的な試料台5−32の姿勢であり、5−44は、試料台を移動させる許容誤差により試料台がヨー運動を起こしたある瞬間での試料台5−32の姿勢である。レーザ受信器5−8、5−6で測定された試料台5−32のy座標の読みの差を、ビームスプリッター5−41、5−42の間隔lで割算すれば、試料台5−32の回転量δ(ラジアン)が算出される。
隣り合う光軸(例えば、光軸5−83と光軸5−23)のy軸方向の距離を2bとし、隣り合う光軸のx軸方向の距離をaとする。試料台5−32の回転量δ右回転とする。x方向のレーザ測長器5−3とy方向の測長器5−8の読んだ座標との差は次の様にして求められる。図23で試料台が右回転5−8を行っているが、xレーザ軸3とyレーザ軸5−8との交点5−500では回転による誤差は生じない。交点5−500から離れるに従って、回転による誤差は増加する。
光軸5−83が照射する試料台座標は、レーザ5−3、5−8の読みから交点5−500を中心にして左へδだけ回転した5−503の座標となる。δが小さい時は、三角形(5−83、5−503、5−502)は三角形(5−500、5−501、5−502)と相似形であり、角(5−503、5−83、5−502)は△となる。5−83と5−503間距離は、
Figure 2005251440
である。
光軸5−83のy座標の補正量は、図24から、
Figure 2005251440
となり、
x座標の補正量は、図24から、
Figure 2005251440
となる。
光軸5−23のy座標の補正量は、同様にして、
−b−2.5 aδとなり、
x座標の補正量は、+bδである。
光軸5−84のy座標の補正量は、
b−1.5 aδとなり、
x座標の補正量は、−bδである。
光軸5−24のy座標の補正量は、
−b−0.5 aδとなり、
x座標の補正量は、bδである。
光軸5−85のy座標の補正量は、
b−0.5 aδとなり、
x座標の補正量は、−bδである。
光軸5−25のy座標の補正量は、
−b+1.5 aδとなり、
x座標の補正量は、bδである。
光軸5−86のy座標の補正量は、
b+2.5 aδとなり、
x座標の補正量は、−bδである。
光軸5−26のy座標の補正量は、
b+3.5 aδとなり、
x座標の補正量は、bδである。
図1は、第1の発明の実施の形態の電子線装置の概略図である。 図2は、アノードの平面図である。 図3は、磁界レンズ13によるビームの回転調整方法の説明図である。 図4は、第2の発明の実施の形態の電子線装置の概略図である。 図5は、対物レンズ2−3の断面図である。 図6は、試料上の画素領域2−18と試料上を走査される一次電子線外径2−17と拡大レンズ2−3、2−6、2−7で拡大された検出面での開口2−8との関係を示す概略図である。画素2−8外から放出された二次電子(点線)は開口2−8を通過できない。 図7aは、第2の発明の別の実施の形態の電子線装置の概略図である。図7bは、マルチ開口2−45の概略図である。図7は、検出器2−60前のマルチ開口2−58の概略図である。 図5aは、マルチ開口2−45を示す概略図である。図5bは、図5aで示すマルチ開口2−45を通過した一次電子線が走査されている状態を示す概略図である。 図9は、対物レンズ2−50の構造を示す概略図である。 図10は、第3の発明の実施の形態の電子線装置の概略図である。 図11は、開口板の平面図である。 図12は、NA開口の平面図である。 図13は、開口板とアクチュエータの連結の概略図である。 図14は、開口と電子線の走査の方法を示した概略図である。 図15は、第4の発明の一実施態様に係る写像投影光学系の電子線装置の結像図である。 図16は、第4の発明の一実施態様に係る電子銃の概略部分断面図である。 図17は、第4の発明の別の実施態様に係る写像投影光学系の電子線装置の結像図である。 図18は、第4の発明の別の実施態様に係る電子銃の概略部分断面図である。 図19は、第5の発明の一実施例にかかる電子線装置の試料台用の位置測定装置の概略平面図である。 図20は、図19の線A−A’に沿って破断した概略断面図である。 図21は、図19の線B−B’に沿って破断した概略断面図である。 図22は、図19の線C−C’に沿って破断した概略断面図である。 図23は、本発明のヨー運動の補正方法を説明する説明図である。 図24は、図23の一部拡大図である。
符号の説明
1:Z0/Wチップ
2:加熱用フィラメント
3:アノード
4:ハーメチックシール
5:電子銃室
6:イオンポンプ
7:回転と焦点距離を独立に制御可能な電磁レンズ
8:メタルOリング
9、10:軸合せコイル
11:イオンポンプ
12:NA開口
13:回転と焦点距離を独立に制御可能な縮小レンズ
14:磁気レンズ
15、16:E×B偏向器
17:走査用偏向器
18:拡大レンズ
19:二次電子検出器
20:レンズギャップ
21:軸対称電極
22:試料
23:光軸
24:軸合せ偏向器
25:走査用第1偏向器
26:二次光学系光軸
28:電子銃軸合せ機構
30:電子銃
32:電子線放出部
34:4つの開口
36:カソード
2−1:電子銃
2−2:コンデンサレンズ
2−3:対物レンズ
2−4:試料
2−5:E×B分離器
2−6、2−7:2次電子像拡大レンズ
2−8:収差低減開口
2−9:2次電子検出器
2−10:NA開口
2−11:走査偏向器
2−12:開口8への補正偏向器
2−13:一次電子線
2−14:2次電子軌道
2−16:検出面
2−17:走査一次電子線外径
2−18:試料での画素領域
2−19:光軸
2−20:円筒電極
2−21:軸上磁場強度分析
2−22:磁気レンズ
2−24:ギャップ
2−26:コイル
2−28:パーマロイコア
2−29:中心から出た主光線
2−30:一次光学系
2−31:画素端から出た主光線
2−32:空間部
2−34:下側磁極
2−36:上側磁極
2−38:可変電圧源
2−39:正の高電圧源
2−40:二次光学系
2−41:電子銃
2−42:一次光学系
2−43、2−44:コンデンサレンズ
2−45:マルチ開口
2−45a:開口
2−45b:開口
2−45c:開口
2−45d:開口
2−46:コンデンサレンズ
2−47:NA開口
2−48:E×B用静電偏向器
2−49:E×B用電磁偏向器
2−50:対物レンズ
2−53:試料
2−54:二次光学系
2−56、2−55:2次電子像拡大レンズ
2−58:検出器60前のマルチ開口
2−58a:2−45aで作られたビームからの二次電子を通す開口
2−58b:2−45bで作られたビームからの二次電子を通す開口
2−58c:2−45cで作られたビームからの二次電子を通す開口
2−58d:2−45dで作られたビームからの二次電子を通す開口
2−59: 二次電子検出装置
2−60:二次電子線検出器
2−60a:開口2−58aを通ったビームを検出する二次電子線検出器
2−60b:開口2−58bを通ったビームを検出する二次電子線検出器
2−60c:開口2−58cを通ったビームを検出する二次電子線検出器
2−61a:2−45aに対応する検出面
2−61b:2−45bに対応する検出面
2−61c:2−45cに対応する検出面
2−64:レンズギャップ
2−71:1次電子線のクロスオーバ結像線
2−72:マルチ開口結像線
2−73:2次電子光軸
2−74:NA開口
2−75:SE像1
2−76:SE像2
2−77、2−78:走査用偏向器
2−79:1次電子線の走査と同期してSEがNA開口を通る様補正する偏向器
2−80:1次電子線の走査と同期して補正偏向によりSEを開口2−58を通す偏向器
2−100:制御装置
2−113:CRTモニタ
2−150:入力部
2−152:記憶装置
2−154:2次電子画像記憶領域
2−156:基準画像記憶部
2−158:制御プログラム
2−A:法線
3−1 :カソード加熱フィラメント又はヒータ
3−2 :ショットキーシールド
3−3 :第1アノード
3−4 :第2アノード
3−5 :第3アノード
3−6 :開口板
3−7 :軸合せ偏向器
3−8 :コンデンサレンズ
3−9 :軸合せ偏向器
3−10:軸合せ偏向器
3−11:NA開口
3−12:縮小レンズ
3−13:軸合せ偏向器
3−14:走査偏向器
3−15:E×B分離器
3−16:E×B分離器
3−17:走査偏向器
3−18:対物レンズ
3−19:軸対称電極
3−20:試料
3−21:欠陥検出用ビームを作る開口
3−22:欠陥レビュー用ビームを作る開口
3−23:拡大レンズ
3−24:拡大レンズ
3−25:開口
3−26:二次電子線検出器
3−27:軸合せ偏向器
3−28:軸合せ偏向器
3−29:A/Dコンバータ
3−30:画像形成回路
3−31:光源の像
3−32:電子銃
3−33:光軸
3−34:NA開口
3−35:ベローズ
3−36:真空壁
3−37:リニアモータ
4−1:検出装置
4−2、4−3:拡大レンズ
4−4:ダブレットレンズ
4−5a、4−5b:電子レンズ
4−6:試料
4−7:二次電子又は反射電子の結像線
4−8:後方散乱電子像のレンズ条件での一次ビーム入射方向例
4−9:二次電子像のレンズ条件での一次ビーム入射方向例
4−10:電子銃配置可能位置
4−12:タブレットレンズの像面
4−13:NA開口
4−21:光軸
4−22:内側アノード
4−22a:ゼロ電位電極部
4−22b:支持部
4−22c:環状経路
4−23:ウェーネルト・接地間絶縁スペーサ
4−24:内側ウェーネルト電極
4−24a:電極部
4−24b:支持部
4−24b1:円筒形部
4−24b2:截頭円錐形部
4−25:外側ウェーネルト電極
4−25a:電極部
4−25b:支持部
4−25b1:円筒形部
4−25b2:截頭円錐形部
4−26:外側アノード電極
4−26a:アノード電極部
4−26b:支持部
4−27:シールド
4−28:サブカソード
4−29:カソード電極
4−29a:支持部
4−29b:段部
4−29c:放出部
4−29d:先端
4−29a’:支持部
4−29b’:截頭円錐形部
4−29c’:放出部
4−29d’:先端
4−30:発散ホロービーム
4−31:集束ホロービーム
4−32:カソード・ウェーネルト間絶縁スペーサ
4−33:光ファイバー
4−35:長波長カットフィルター
4−37:高圧水銀灯
4−40:電子銃
4−50:電子銃
5−1:レーザ源
5−2:ビームスプリッター
5−3:レーザ受信器
5−4:レーザ反射器
5−5:ビームスプリッター
5−7:ビームスプリッター
5−6、5−8:レーザ受信器
5−9:ビームスプリッター
5−10:レンズギャップ
5−11:x方向レーザ固定鏡
5−12:xレーザ移動鏡
5−13:yレーザ移動鏡
5−14:Z0/Wカソード
5−15:ショットキーシールド
5−16:アノード
5−17:回転制御可能電磁レンズ
5−18:NA開口
5−19:縮小レンズ
5−20:対物レンズ
5−21:軸対称電極
5−22:試料
5−23:光軸
5−24、5−25、5−26:光軸
5−27、5−28、5−29、5−30:光軸5−23、5−24、5−25、5−26に対応する二次電子検出器
δ:ヨー角
a:x方向光軸ピッチ
b:y方向光軸間隔の1/2
5−41、5−42:ビームスプリッター
5−31:マルチ開口板
5−32:試料台
5−33:レーザミラー
5−43:試料台理想姿勢
5−44:ある瞬間での試料台姿勢
5−45〜5−52:各光軸のy座標
5−53〜5−54:各光軸のx座標
5−60:y方向レーザ固定鏡
5−62:第2のレーザミラー
5−63:第3のレーザミラー
5−83〜5−86:各光軸のy座標
5−87、5−88、5−89、5−90:光軸5−83、5−84、5−85、5−86に対応する二次電検出器
5−200:第1の測定装置
5−300:第2の測定装置
5−400:レーザ発振器1から放射されたレーザビーム
5−402:第1のレーザビーム
5−404:第2のレーザビーム
5−410:第3のレーザビーム
5−412:第5のレーザビーム
5−414:第6のレーザビーム
5−500:xレーザ軸3とyレーザ軸8との交点

Claims (26)

  1. 電子線装置であって、
    前記電子線装置は、電子銃を有する電子線放出部を備え、前記電子銃は、光軸に沿って配置されていると共に、前記光軸の周囲で前記光軸と所定の角度方向に沿って複数の周辺電子線を放出し、
    前記電子線装置は、前記光軸からはずれた位置に配置された複数の開口と、
    前記電子銃と開口間に磁界を形成して、前記電子銃から放出される複数の周辺電子線が前記開口を通るように、前記周辺電子線を制御する磁界レンズとを備えていることを特徴とする電子線装置。
  2. 請求項1に記載の電子線装置において、前記電子銃は、Z0/W及び遷移金属の炭化物、ショットキーカソードの少なくとも1つからなることを特徴とする電子線装置。
  3. 請求項1または2に記載の電子線装置において、上記磁界レンズは前記周辺電子線の焦点距離と回転量を独立に調整可能である事を特徴とする電子線装置。
  4. 請求項1乃至3に記載の電子線装置において、上記開口の縮小像を試料に結像させる事を特徴とする電子線装置。
  5. 請求項1に記載の電子線装置において、
    前記磁界レンズは、
    光軸に沿って並べられた一対の環状のコイルと、
    該一対のコイルの間に配置された中央磁極と、
    前記光軸に対して前記中央磁極の上流側に設けられた上流側磁極と、
    前記光軸に対して前記中央磁極の下流側に設けられた下流側磁極とを有し、
    前記磁界レンズの前記電子銃と対向する部分には、前記中央磁極と前記上流側磁極と前記下流側磁極とを貫通した、前記電子線を通すための孔が設けられており、
    前記開口は、前記孔内に設けられており、前記下流側磁極付近に配置されていることを特徴とする電子線装置。
  6. 請求項1に記載の電子線装置において、
    前記電子銃は複数設けられており、また、前記磁界レンズは、これに対応して複数の前記孔を有していることを特徴とする電子線装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載に示された装置を用いてプロセス途中のウェーハの評価を行う事を特徴とするデバイス製造方法。
  8. 一次電子線を放出する電子線源と、
    前記一次電子線を試料上に案内して該試料を前記一次電子線で走査するための一次光学系と、
    前記試料から放出される二次電子線を検出する検出面を有する二次電子検出装置と、
    前記試料から放出される二次電子線の像を前記二次電子検出装置の検出面に案内して結像させるための二次光学系とを備え、
    前記一次光学系は、前記電子線源から放出された前記一次電子線を、前記試料面での画素寸法より大きい寸法で照射する集束レンズを備えており、
    前記二次光学系は、
    前記試料から放出された前記二次電子の像を拡大して前記検出面に結像させる拡大レンズを有し、
    前記検出面は、前記試料から放出され前記拡大レンズを通った二次電子線のうち、前記試料面での画素寸法に該当する試料部分から放出された二次電子線を選択的に検出させることを特徴とする電子線装置。
  9. 請求項8に記載の電子線装置において、
    前記検出面は、前記試料面の画素寸法と前記拡大レンズの拡大率との積に略等しいかあるいはより小さい寸法を有することを特徴とする電子線装置。
  10. 請求項8又は9に記載の電子線装置において、
    前記電子線装置は、当該電子線装置を制御するための制御装置を備えており、
    前記二次光学系は、さらに、偏向器を備え、
    前記制御装置は、前記偏向器を試料上での一次電子線の走査に同期させて、前記試料上に走査された一次電子線から放出された二次電子線が、常に前記開口上又は検出面上に形成させるように補正することを特徴とする電子線装置。
  11. 請求項8乃至10のいずれか1項に記載の電子線装置において、
    前記拡大レンズは複数あり、そのうちの初段のレンズは、電磁レンズと、該電磁レンズの内部に設けられ正の電圧が印加された軸対称電極とを組み合せたレンズであることを特徴とする電線装置。
  12. 請求項8乃至11に記載の電子線装置において、
    前記一次光学系は、さらに、前記電子線源から放出された一次電子線から、複数の一次電子線を形成するマルチ開口を有し、該マルチ開口を通って形成された前記複数の一次電子線が、前記試料上を走査されるようになっていることを特徴とする電子線装置。
  13. 半導体装置を製造する方法であり、次のステップから成る。
    (a)ウェーハを準備する
    (b)ウェーハプロセスでウェーハの処理を行う
    (c)処理後のウェーハの請求項8に示した電子線装置を用いて評価を行う
    (d)(b)(c)のステップを必要な数、繰り返す
    (e)デバイスを組み立てる
  14. 電子線装置であって、
    前記電子線装置は、
    電子銃と、
    前記電子銃から放出された一次電子線を、複数の一次電子線にするための複数の開口と、
    前記電子銃から放出された一次電子線を、1つの一次電子線にするための単一の開口とを備え、
    前記単一の開口は、その寸法において、前記複数の開口よりも小さく、これによって、前記単ビームの一次電子線を前記複数の一次電子線よりも細くすることができ、
    前記電子線装置は、また、
    前記複数の開口又は前記単一の開口の一方を通過した、前記複数の一次電子線又は前記単一の一次電子線を縮小し試料に集束させる対物レンズと、
    試料から放出された二次電子線を偏向させる分離器と、
    該偏向された二次電子線を検出する二次電子検出器とを備え、
    前記複数の開口又は前記単一の開口を選択して、関連する前記複数の一次電子線又は前記単一の一次電子線を使用することにより、試料の評価を行うことができることを特徴とする電子線装置。
  15. 請求項14に記載の電子線装置において、
    前記欠陥検出用開口と前記欠陥レビュー用開口は、1つの開口板に設けられていることを特徴とする電子線装置。
  16. 請求項14に記載の電子線装置において、
    前記電子銃は、Z0/W、L及び遷移金属の炭化物、ショットキーカソードの少なくとも1つからなることを特徴とする電子線装置。
  17. 請求項14に記載の電子線装置において、
    前記欠陥レビュー用開口と前記欠陥検出用開口は、その寸法において、前記欠陥レビュー用一次電子線の寸法が前記欠陥検出用一次電子線の寸法の半分以下となるように設定されていることを特徴とする電子線装置。
  18. 請求項14ないし17のいずれかに記載の電子線装置を用いて試料の評価を行う事を特徴とするデバイス製造方法。
  19. ホロービームからなる一次電子線を放出するリング状のカソードと、ウェーネルトと、前記カソードから放出された前記ホロービームを制御するアノードを有する電子銃と、
    前記試料から放出される二次電子あるいは後方散乱電子をレンズで像形成させることを特徴とする電子線装置。
  20. 請求項19に記載の電子線装置において、
    前記アノードは、接地された内側アノードと電圧が印加される外側アノードとを有し、
    前記電子銃の照射条件は、前記外側アノードに印加される電圧を変えることにより制御することができることを特徴とする電子線装置。
  21. ホロービームからなる一次電子線を放出するリング状のカソードと、前記カソードから放出された前記ホロービームを制御するアノード及びウェーネルトとを備える電子銃において、
    前記カソードは、光照射あるいは加熱されることにより一次電子線が放出され、
    前記アノードは、内側アノードと外側アノードを有し、
    前記内側アノードは前記カソードに対して内側に設けられ、前記外側アノードは前記カソードに対して外側に設けられおり、
    前記内側アノードと前記外側アノードとを互いに絶縁し前記内側アノード又は前記外側アノードの電位を変えることによって、前記ホロービームの放出角度を調整することを特徴とする電子銃。
  22. 請求項19乃至21に記載の電子線装置を用いてプロセス途中のウェーハの評価を行う事を特徴とするデバイス製造方法
  23. 電子線装置であって、
    前記電子線装置は、x軸線方向及びy軸線方向を有するxy平面に沿って移動可能な試料台に載置された試料に、複数の光軸を有する複数の一次電子線を照射・走査・位置補正して、前記試料の評価を行っており、
    位置測定装置は、
    第1のレーザビームを、x軸線方向又はy軸線方向の一方の軸線方向に沿って試料台に向けて照射して、前記一方の軸線方向に沿った試料台の位置を測定するための第1の測定装置と、
    第2及び第3のレーザビームを、x軸線方向又はy軸線方向の他方の軸線方向に沿って試料台に向けて照射して、前記他方の軸線方向に沿った前記試料台の2ヶ所の位置を測定するための第2の測定装置とを備え、
    前記第2のレーザビームと前記第3のレーザビームとは、前記他方の軸線方向に沿って離間されて前記試料台に向けて照射されており、
    前記位置測定装置は、さらに、前記第1の測定装置からの測定値と前記第2の測定装置からの測定値とに基づいて、前記試料台のxy平面内の回転量を検出し、前記回転に起因する照射位置を補正する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記試料台のx、y位置及びxy平面内の回転量に基づいて偏向器を制御し、これによって、前記偏向器は、前記試料の理想的な動きからのズレがなくなるように前記複数の一次電子線毎に偏向して、前記試料上での当該一次電子線の照射位置を補正することを特徴とする電子線装置。
  24. 請求項23に記載の電子線装置において、
    前記測定装置は、また、前記試料台の上方に配置された前記電子線装置の対物レンズの側壁に設けられた固定鏡を備えていることを特徴とする電子線装置。
  25. 請求項23に記載の電子線装置において、
    前記レーザ移動鏡は、セラミック製試料台の側面を研磨して作ったことを特徴とする電子線装置。
  26. 請求項23に記載の電子線装置を用いて、ウェーハの評価を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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