JP2005251434A - 燃料電池システム、燃料電池の制御方法 - Google Patents

燃料電池システム、燃料電池の制御方法 Download PDF

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靖 菅原
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純司 森田
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Abstract

【課題】 耐久性を向上させることができる、燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法を提供すること。
【解決手段】
電解質を挟んで一方側に配置される燃料極2,3と、電解質を挟んで他方側に配置される空気極4、5と、を備え、その停止状態または保管状態において、燃料極2,3の電位および空気極4、5の電位の少なくともいずれかが、燃料極2,3または空気極4、5の劣化が抑制される電位に制御される、燃料電池システム。
【選択図】 図1




Description

本発明は、燃料電池システム、燃料電池の制御方法に関する。
従来の固体高分子形(あるいは高分子電解質型)燃料電池スタックの一般的な構成を説明する。
固体高分子形燃料電池(以下PEFCで表す)は、水素などの燃料ガスと酸素を含有する空気などの酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることで、化学エネルギーを電気エネルギーと熱に変換させるものである。PEFCの発電要素である単位セルの一例を図4を用いて説明する。プロトンを選択的に輸送する高分子電解質膜1の両面のそれぞれに、燃料極(アノード)側触媒層3および空気極(カソード)触媒層5が密着して配置されている。これらの触媒層3および5は、白金系の金属触媒を担持したカーボン粒子を主成分とし、燃料極側にはPt−Ru合金触媒が主として、また空気極側にはPt触媒が主として使用され、これにプロトン伝導性の高分子電解質を混合した層である。
これらの触媒層3および5の外側に、ガス透過性と電子導電性を有する燃料極側ガス拡散層2および空気極側ガス拡散層4をそれぞれ密着させて配置することで高分子電解質膜−電極接合体(MEA)が構成される。通常、ガス拡散層2および4には、カーボンペーパやカーボンクロスなどを撥水処理した通気性を有する導電性材料が使用されている。また、撥水性をさらに良好に確保するため、触媒層とガス拡散層の間に撥水層を設ける場合もある。この場合、撥水層はカーボン粒子を主成分とし、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を混合した層である。
さらに、図4に示すように、MEAの外側には燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給、電力の取り出し、燃料電池の冷却およびMEAの固定のために、電子伝導性のセパレータ板41、42が配置されている。MEAの電極反応部に燃料ガスおよび酸化剤ガスが、入口のマニホールド47、48を経由してセパレータ板41、42に設けられたガス通路43、44から供給され、ガス拡散層2あるいは4を通過して触媒層3あるいは5に到達する。また、これらのガスはガス通路43、44を経由して最終的に出口のマニホールド49、50がら排出される。これらの燃料ガスや酸化剤ガスが外部にリークしたり、互いに混合したりしないように、ガス拡散層2あるいは4の周囲には、高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケット8が配置されている。さらに、セパレータ板41および42の外側には、それぞれ冷却水流路45および46が配設されており、発電によって生じた熱を除去する。
PEFCから電力を取り出すためには、高分子電解質膜中をプロトンが移動しなければならない。そのプロトンは、燃料極側触媒層3のなかで次式(1)の反応によって生じる。
(数1)
→2H+2e (1)
空気極側触媒層5では、燃料極から移動してきたプロトンと酸素との次式(2)の反応により水が生成する。
(数2)
1/2O+2H+2e→HO (2)
高分子電解質膜としては、−CF−を主鎖とし、これにスルホン酸基(−SOH)を末端官能基とする側鎖を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸、例えば、Nafion(デュポン社製)、Flemion(旭硝子(株)製)、およびAciplex(旭化成(株)製)などの名で販売されているものが一般的に使用されている。膜厚は、一般に20〜200μmの薄膜が使用されている。これらの高分子電解質では、スルホン酸が凝集してできた三次元ネットワーク状に広がる導通路が、プロトン伝導性のチャネルとして機能する。
図4のような単位セルでは、数百mA/cmの実用電流密度通電時において一つの単位セルあたり、0.8V程度の起電力を発生させることができる。しかし、通常、燃料電池を電源として使うときは、数ボルトから数百ボルトの電圧が必要とされるため、実際には単位セルを必要とする個数だけ直列に連結する。このような積層状の燃料電池をスタックと呼んでいる。
上述のような燃料電池の電極における発電反応が長期にわたりスムーズに安定して行われるためには、高分子電解質膜と電極の界面が長期に安定に保持されていることが必要である。また、高分子電解質は、含水した状態で水素イオン導電性が生じるために、長期にわたり安定した水分保持が必要となる。近年、燃料電池を反応ガスを低い加湿状態で、水素および空気を導入した状態に保持した場合に、高分子電解質が分解する現象が問題となっている。この、高分子電解質の分解を抑制するためにも高い水分保持状態に保つことが必要であることがわかっている。
また、燃料電池を0.9Vを越える開回路状態付近の非常に高い電圧に保持した場合に、特にリン酸形燃料電池のような高温(200℃付近)で作動させる燃料電池では、空気極のPt触媒の溶出およびシンタリングといわれる粒子拡大により反応面積が減少することが短時間で起こり、大きな課題となっている。さらに、PEFCのような作動温度が80℃付近と比較的低温の燃料電池に於いても、酸素極のPt触媒の酸化、酸化種の吸着による反応面積が減少することが課題となっている。
これらの課題を解決方法として特許文献1に開示されている方法では、停止時に開回路状態になることによる、空気極の触媒の溶出およびシンタリング(Pt粒子拡大)を防止する方法としてシステム内に開回路電圧の抑制のための放電手段を設置している。
また、特許文献2に開示の方法では、起動時の開回路状態より起こる空気極の高電位状態による、空気極の触媒の溶出およびシンタリングによる触媒反応面積の減少を防ぐために、起動時に、システムの外部負荷接続を開始するまで別途システム内に電力消費する手段を接続し、開回路電位になるのを防ぐ方法が開示されている。
特開平8−222258号公報 特開平5−251101号公報
しかし、上記従来の方法ではPEFCの起動および停止時に発電状態にすることによって空気極触媒の電位状態を制御する方法を開示するのみであるが、触媒の溶出およびシンタリングはPEFCの起動、停止および保管を含めたすべての期間中に渡って触媒の電位を制御しなければ発生する課題である。また、空気極のみならず、燃料極では起動、停止および保管を含めたすべての期間中に渡って触媒の電位を制御しなければ、触媒の溶出およびシンタリング以外にも、触媒表面の原子比の変化が起こる。一般に、改質ガス中のCOによる燃料極の被毒対策として、PtとRuを原子比で約1:1.5に合金化させた触媒が使用されるが、触媒の電位が上昇してしまうと、Ruが先に溶出し、Pt/Ruが上昇してしまう。その結果、CO被毒が大きくなり、PEFCの性能が大幅に低下する。
空気極と燃料極の電位が上昇しやすい例としては、PEFCを発電停止後に長時間保存状態下にした場合である。高分子電解質膜をリークした酸素や水素が触媒上で反応したり、微少な内部ショートのため微弱な電流が流れるなど触媒の電位が徐々に変化することが起こりやすい。また、発電停止後はスタックの温度が低下するため空気極および燃料極マニホールドが減圧状態になり、外部から空気がリークしやすくなる。空気が侵入すると、標準水素電極電位に対する空気極電位あるいは燃料極電位が貴の方向に上昇する。従来の特許文献1および2では、燃料極に水素が存在しなくては動作しないため、長時間保存状態で水素が存在しない状況下では機能しない。
燃料電池の開回路電圧は、理論的には1.23Vとされている。しかし、実際の開回路電圧は、水素極および酸素極のそれぞれの極における不純物や、吸着種との混成電位を示し、約0.93V〜1.1Vの電圧を示す。また、水素や酸素の分圧が低いときは低い値をとる。水素極の電位は極端な金属種などの不純物の溶解がないとするとその電位は空気極の吸着種による影響が大きく、H. Wroblowa, et al., J. Electroanal. Chem., 15, p139−150 (1967), ”Adosorption and Kinetics at Platinum Electrodes in The Presence of Oxygen at Zero Net Current”に記述されているように反応式(3)から反応式(7)に示されるような化学反応の混成電位によると考えられている。
こうした高い混成電位に於かれている状態では、水酸化ラジカル(OH・)やスーパーオキシド(O−・)、水素ラジカル(H・)が高濃度に発生した状態となり、これらラジカル類が高分子電解質の反応性の高い部分をアタックし、分解させることが解っている。
(数3)
+4H+4e=2HO 1.23V (3)
(数4)
PtO+2H+2e=Pt(OH) 1.11V (4)
(数5)
Pt(OH)+2H+2e=Pt+2HO 0.98V (5)
(数6)
PtO+2H+2e=2HO 0.88V (6)
(数7)
+2H+2e=H 0.68V (7)
また、触媒の溶出およびシンタリングはたとえば0.9Vを越えるような高い混成電位に触媒を保持した場合ばかりでなく、たとえば0.8V程度の電位であっても長時間放置すれば起こりうる。これは、空気極と燃料極の触媒であるPtやRuが酸化物となり、強酸である高分子電解質のスルホン酸基と比較的容易に反応して金属イオンとして溶解するためである。このような比較的低電位での溶出は、起動または停止のような短時間の運転状態では起こりにくいが、数時間〜数日のような保管状態では起こる。
すなわち、発電起動時または停止時に特許文献1または2で示されるような発電による触媒電位の制御を行っただけでは不十分であり、保管中も含めたすべての運転状態で空気極と燃料極の触媒電位の制御を行う必要がある。
そこで、本発明は、上述のような問題点を考慮し、耐久性を向上させることができる燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、第1の本発明は、電解質を挟んで一方側に配置される燃料極と、前記電解質を挟んで他方側に配置される酸化剤ガス極と、を備え、その停止状態または保管状態において、前記燃料極の電位および前記酸化剤ガス極の電位の少なくともいずれかが、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される電位に制御される、燃料電池システムである。
第2の本発明は、前記燃料極の電位は、標準水素電極電位に対して実質上0〜+0.7Vの範囲に制御され、前記酸化剤ガス極の電位は、標準水素電極電位に対して実質上0〜+0.6Vの範囲に制御される、第1の本発明の燃料電池システムである。
本燃料電池システムにより、起動、停止および保管状態において、空気極と燃料極の触媒の溶出、シンタリングおよび表面の原子比の変化が起こりにくい電位に制御することによりこれらの劣化を抑制することができる。
第3の本発明は、前記燃料極と前記酸化剤ガス極が電気的に接続されてセル電圧が実質上0Vとなり、前記酸化剤ガス極の電位を標準水素電極電位に対して実質上0〜+0.6Vの範囲に制御される、第2の本発明の燃料電池システムである。
本燃料電池システムにより、燃料極と空気極の標準水素電極電位に対する電位を個々に制御する必要がないため、起動、停止および保管状態において、空気極と燃料極の触媒の溶出、シンタリングおよび表面の原子比の変化を容易に抑制することができる。
第4の本発明は、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の電位の制御は、前記燃料極と前記酸化剤ガス極との間の電圧差に応じて、燃料ガスがその量を調節されて、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の少なくともいずれかに、間欠的に供給されることによりなされる、第1〜3のいずれかの本発明の燃料電池システムである。
本燃料電池システムにより、起動、停止および保管状態において、空気極と燃料極の標準水素電極電位に対する電位を検出することができるため、燃料ガス供給により空気極と燃料極の電位を制御することが可能となる。
また、望ましい燃料電池システムとしては、水素含有ガスが燃料ガスであることを特徴とする。
本燃料電池システムにより、水素含有ガスを容易に準備することができる。
第5の本発明は、前記燃料ガスを供給するためのボンベを内蔵する、第4の本発明の燃料電池システムである。
本燃料電池システムにより、燃料改質装置を停止した状態でも水素含有ガスを入手することができ、システムの消費電力を抑制することが可能となる。
第6の本発明は、前記燃料極または前記酸化剤極の近傍に設置された酸素センサーをさらに備え、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の電位の制御は、前記酸素センサーにより検知された酸素濃度により前記燃料極または前記酸化剤ガス極に供給するべき燃料ガスの供給量が制御されることによりなされる、第1〜5のいずれかの本発明の燃料電池システムである。
本燃料電池システムにより、起動、停止および保管状態において、空気極および燃料極に水素と混合されて残存する酸素の量を酸素センサーで測定することができるため、空気極または燃料極に供給すべき燃料ガスの量を決めることができるので、空気極および燃料極の電位を容易に低電位に制御することが可能となる。
第7の本発明は、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の近傍に設置された水素センサーをさらに備え、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の電位の制御は、前記水素センサーにより検知された水素濃度により前記燃料極または前記酸化剤ガス極に供給するべき燃料ガスの供給量を制御することによりなされる、第1〜6のいずれかの本発明の燃料電池システムである。
本燃料電池システムにより、起動、停止および保管状態において、空気極および燃料極の電位を容易に求めることができるため、空気極および燃料極の電位を低電位に制御することが容易に可能となる。
第8の本発明は、前記燃料極と前記酸化剤ガス極との間のインピーダンスまたは電流値を検出することにより、前記燃料極または前記酸化剤ガス極に供給するべき燃料ガスの供給量が制御される、第1〜7のいずれかの本発明の燃料電池システムである。
本燃料電池システムにより、起動、停止および保管状態において、水素量を検知することができるので、空気極および燃料極の電位を容易に求めることができ、空気極および燃料極の電位を低電位に制御することが容易に可能となる。
第9の本発明は、前記インピーダンスまたは前記電流値の検出は、前記燃料極を正極に、前記酸化剤ガス極を負極として直流電圧を印加することによりなされる、第8の本発明の燃料電池システムである。
本燃料電池システムにより、起動、停止および保管状態において、水素量を検知することができるので、空気極および燃料極の電位を容易に求めることができ、空気極および燃料極の電位を低電位に制御することが容易に可能となる。
第10の本発明は、電解質を挟んで一方側に配置される燃料極と、前記電解質を挟んで他方側に配置される酸化剤ガス極と、を備え、
その停止状態または保管状態において、前記燃料極および前記酸化剤ガス極を含むスタックの温度が、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される温度に制御される、燃料電池システムである。
第11の本発明は、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される温度は、実質上40℃以下である、第10の本発明の燃料電池システムである。
第12の本発明は、前記スタック温度が実質上40℃を越えたときに、前記燃料極の電位および前記酸化剤ガス極の電位の少なくともいずれかが、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される電位に制御される、第10または11の本発明の燃料電池システムである。
MEAの空気極と燃料極の触媒の溶出、シンタリングおよび表面の原子比の変化はスタック温度が40℃以上のときに起こりやすい。燃料電池の起動、停止および保管状態の全期間中に上記の制御を行うと、消費電力の増大になるため、スタック温度が40℃以上のときのみに燃料極または空気極の電位を制御すると有効である。
第13の本発明は、その停止状態または保管状態において、電解質を挟んで一方側に配置される燃料極の電位、および前記電解質を挟んで他方側に配置される前記酸化剤ガス極の電位の少なくともいずれかを、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される電位に制御する、燃料電池の制御方法である。
このような構成を有する本発明によれば、温度、燃料極電位および空気極電位を検出することができるので、そのデータに基づいてスタックへの燃料ガス供給量を制御することができ、その結果、燃料極または空気極の電位を制御することができる。
第14の本発明は、その停止状態または保管状態において、電解質を挟んで一方側に配置される燃料極、および前記電解質を挟んで他方側に配置される酸化剤ガス極を含むスタックの温度を、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される温度に制御する、燃料電池の制御方法である。
本発明によれば、耐久性を向上させることができる燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法を提供することができる。
本発明は、固体高分子形燃料電池のMEAにおいて、第一に燃料電池の保管中に触媒の溶出、シンタリングおよび触媒表面原子比変化を起こさないための標準水素電極電位に対する空気極電位および燃料極電位の条件の規定、第二に、燃料電池の発電停止中に、標準水素電極電位に対する空気極電位および燃料極電位を検出するための手段を用いた電位の制御方法、第三にスタック温度と運転方法との関係の規定、そして第四にそれらを実現するためのシステムに関するものである。
まず、第一の、本発明に係る燃料電池の保管中に触媒の溶出、シンタリングおよび触媒表面原子比変化を起こさないための標準水素電極電位に対する空気極電位および燃料極電位の範囲について説明する。
水素と酸素を反応種とする燃料電池の開回路電圧は、電流を流さないときの標準水素電極電位に対する空気極電位と標準水素電極電位に対する燃料極電位の差である。すなわち、燃料電池の電圧=(標準水素電極電位に対する空気極電位)−(標準水素電極電位に対する燃料極電位)で示される。
ここで、標準水素電極電位に対する空気極電位、および標準水素電極電位に対する燃料極電位について説明する。標準水素電極(NHE:normal hydrogen electrode)は、活量1(1Nの硫酸水溶液が使用される)の水素イオンを含む溶液中にPt電極を挿入し,その表面に1気圧の水素ガスを通気して接触させた電極であり、標準水素電極の電位は水溶液中における電極の電位の基準に選ばれている。PEFCの単位セルに標準水素電極を設置し、これを参照極とすることで空気極電位および燃料極電位をほぼ求めることができる。また、そのようにして作製した参照極で、十分な加湿のもと、1気圧の燃料ガスを供給させた開回路での燃料極の電位を測定したところ、ほぼ0Vであったので、これ以降、十分な加湿のもと、1気圧の燃料ガスを供給させた開回路での燃料極の電位を標準水素電極電位の代用として使用した。
次に、電極に存在する燃料ガスの圧力(水素の分圧)が1気圧より低くなったときの電極の電位について述べる。この場合は電気化学でネルンストの式として呼称される式(8)により電極の電位が決定される。
(数8)
E=−(R・T)/2・ln(p) (8)
ここで、Rは気体定数、Tは絶対温度、pは水素の分圧である。
一方、電極に酸素が十分に存在すると、その電極の電位は理論的には1.23Vを示すはずである。しかし、実際は、前述したように電極における不純物や、反応式(3)から反応式(7)に示されるような化学反応の混成電位を示し、約0.93V〜1.1Vの電圧を示す。また、水素の場合と同様、電極に存在する酸素ガスの圧力(分圧)が1気圧より低くなったときの電極の電位は、やはりネルンストの式にしたがって変化し、分圧が低いほど電位は0Vに近づく。
また、窒素などの不活性ガスが存在しても酸化還元反応はおこさないので電位には直接影響を及ぼさないが、水素や酸素の分圧を下げる作用は及ぼす。
さらに、電極に水素と酸素が同時に混在する場合、触媒表面上で酸素と水素が化学量論的に反応した後、残ったガスにより電位が定まる。たとえば、水素が、水素と酸素の体積比2:1より多く存在すれば、その電極の最終的な電位は0Vに近づくことになる。逆に酸素が多ければ、1.0V方向に近づく。
また、一方の電極が初期には水素で充填されていたとしても、外部からその電極に空気が漏れて侵入してきたり、対極に酸素が存在すれば高分子電解質膜を透過して酸素が侵入してくる。その結果、その電極の電位は初期の0V近傍から1V方向に上昇してゆくことになる。
つぎに、燃料極や本発明の酸化剤ガス極の一例である空気極が高電位にさらされると劣化するメカニズムについてさらに詳しく述べる。
前述したように、空気極および燃料極が高い混成電位に於かれている状態では、水酸化ラジカル(OH・)やスーパーオキシド(O−・)、水素ラジカル(H・)が高濃度に発生した状態となり、これらラジカル類が高分子電解質の反応性の高い部分をアタックし分解させる。また、触媒の溶出、シンタリングおよび触媒表面原子比の変化は、高い混成電位に触媒を保持すると、空気極と燃料極の触媒であるPtやRuが酸化物となり、強酸である高分子電解質のスルホン酸基と比較的容易に反応して金属イオンとして溶解するために起こる。
図5は、PEFCで一般的に使用される空気極(Pt触媒)のサイクリック・ボルタモグラムを示したものである。横軸は電位(NHEからの電位と考えてよい)であり、縦軸は電流を表わす。
図5に見られるように、空気極の電位0.5VのところでPtOの生成に伴う酸化電流が現れはじめ、0.6Vを超えると急激に増大する(図5のA)。このことから、PtOの生成を抑制し、触媒の溶出を防ぐためには、空気極の電位は0.6V〜0.7V以下でなくてはならないことがわかる。
図6は、PEFCで一般的に使用される燃料極(Pt−Ru合金触媒)のサイクリック・ボルタモグラムを示したものである。図6に見られるように、燃料極の電位0.2VのところでRu酸化物(RuO、RuOなど)の生成に伴う酸化電流がわずか現れはじめ、0.5〜0.6Vを超えると急激に増大する(図6のB)。このことから、Ru酸化物の生成を抑制し、Pt−Ru合金触媒の溶出を防ぐためには、燃料極の電位は0.5〜0.6V以下が好ましいことがわかる。実際の実験結果では、0.7Vより上の電位に保持すると急激に劣化が進行した。これは、金属RuとRuOの酸化還元電位が約0.68Vであるためと考えられ、触媒電位が0.68Vを超えると、RuOの溶解が急速に起こるためといえる。
第二に、燃料電池の発電停止中に、標準水素電極電位に対する空気極電位および燃料極電位を検出するための手段を用いた電位の制御方法について述べる。
前述したように、燃料電池の電圧=(空気極電位)−(燃料極電位)であり、燃料電池の電圧は電圧計により容易に測定可能である。また、前述したように、比較的多量の水素(含有)ガスで電極をパージした場合、その電極電位は、ほぼ標準水素電極電位に対して0〜0.05Vになる(水素の分圧によりネルンスト式にしたがって、0Vから上昇する)。
たとえば、燃料極を水素含有ガスでパージする前後の燃料電池の電圧をV1、V2とすると、空気極の電位は約V2、燃料極のパージ前の電位はほぼV2−V1であることがわかる。
また、燃料極をパージする水素ガスの量が十分ではないときは、パージの前後の電圧差V2−V1はパージ回数とともに変動するが、燃料極の電位がやがて0Vに到達すると、パージの前後の電圧差V2−V1はパージ回数とともに変動しなくなる。このことから、パージの前後の電圧差V2−V1を検出すれば、燃料極の電位が0Vでないことがわかる。また、空気極の電位制御は、燃料極から透過した水素によって0V方向に低下させることができる。
上記の例では、燃料極を水素含有ガスでパージする前後の燃料電池の電圧を検知する方法を示したが、水素含有ガスでパージする電極は空気極であっても同様であるし、両方の電極を水素含有ガスでパージしても同様の原理で電位の検出および電位の制御が可能である。
つぎに、燃料電池の発電停止中に、標準水素電極電位に対する空気極電位および燃料極電位を検出するための別の手段について述べる。
前述したように、酸素濃度および水素濃度と電極電位には密接な関係があり、酸素濃度あるいは水素濃度を測定できれば、燃料電池の電圧とネルンストの式により、それぞれの電位を概略求めることができる。
酸素濃度および水素濃度を測定する最も一般的な方法は酸素センサーおよび水素センサーを用いることである。
本発明では、酸素センサーや水素センサーを用いず、簡単に水素濃度を求める方法について開示した。すなわち、燃料極を正極に、空気極を負極にしてインピーダンスまたは直流電流を測定する方法である。燃料極に水素が存在していないときは、高分子電解質膜は絶縁体のため両端に直流電圧をかけても電流は流れず、非常に大きなインピーダンスを示す。燃料極に水素が存在しているとき両端に直流電圧をかけると、燃料極に存在する水素の濃度に応じた電流が流れる。このとき極めて大きな電流が流れるため、インピーダンスで測定したほうがよい。
燃料極に存在する水素は、正の直流電圧を印加すると触媒により、(9)式、
(数9)
→2H+2e (9)
の反応が起こり、生成したプロトンは高分子電解質膜を通過して空気極の触媒層に達する。このプロトンは外部回路を通ってきた電子と(10)式のように反応し、水素に戻る。
(数10)
2H+2e→H (10)
このときの電子を電流として検出する原理である。
第三にスタック温度と運転方法との関係について述べる。
前述したように、電極を高電位に放置すると、生成した酸化物とスルホン酸が反応し、触媒の溶出、シンタリング、触媒粒子径増大および触媒表面原子比の変化が起こるが、この反応速度は温度の上昇とともに増大し、ほぼアレーニウス型の温度依存性を示した。すなわち、反応速度の対数は、絶対温度の逆数と直線関係になった。別の表現をすれば、反応速度は温度の低下とともに減少し、温度が10℃下がれば約1/2に低下した。
通常、燃料電池の温度は運転中は70〜80℃に設定される。この温度では、触媒の溶出、シンタリング、触媒粒子径増大および触媒表面原子比の変化はかなり起こりやすく、数時間停止させると大きな劣化を引き起こす。しかし、燃料電池の温度を40℃以下に設定すると、劣化の速度は1/10以下になり、大きく改善する。
燃料電池の温度が高温のときは、先に述べたように、燃料極および空気極の電位を低減させなくてはならないが、40℃以下では電位を制御しなくても劣化率はあまり大きくならない。
第四に、上記で述べた耐久性向上策を実現するためのシステムに関するものである。
燃料電池の発電停止期間中に、セルまたはスタックの温度を検出する温度検出手段、燃料極および空気極の電位を検出する電位検出手段、および前記温度検出手段および電位検出手段で検出された温度または電位に基づいてスタックへの燃料ガス供給量あるいは印加電圧を制御する制御手段を具備する燃料電池システムとすれば、耐久性を向上させた燃料電池システムを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、スタック温度検知装置107およびセル電圧検知装置104を具備し、それらの信号が制御装置105に入力され、前記制御装置105によって燃料極に流す水素含有ガス量を燃料ガス制御装置103によって、また空気極に流す酸化剤ガス量を酸化剤ガス制御装置102によって制御することが可能な燃料電池システムの概略図を示す。
燃料電池スタック101の空気極に酸化剤ガス制御装置102を設置した空気供給管を接続し、燃料極に燃料ガス制御装置103を設置した燃料ガス供給管を接続した。この制御装置により反応ガスの弁を制御した。前記酸化剤ガス制御装置102には、燃料ガスと酸化剤ガスを切り替える機能をも具備し、通常運転時には酸化剤ガスを流している(切り替える電磁弁等は図では省略してある)。電力負荷106を燃料電池の集電板に接続し、各セルの空気極および燃料極の電位は電位検知装置104で観測した。そのセルの電圧に基づき制御装置105、酸化剤ガス制御装置102と燃料ガス制御装置103の制御を行った。
燃料電池スタックでは発電停止操作後に長時間保存状態下におくと、空気極および燃料極マニホールドが減圧状態になり、ガスケット部分などから外部の空気がリークして侵入し、標準水素電極電位に対する空気極電位および標準水素電極電位に対する燃料極電位を貴の方向に上昇させてしまう。図4で示すと、燃料極側では入口のマニホールド47、ガス流路43および出口のマニホールド49に至る経路であり、空気極側では入口のマニホールド48、ガス流路44および出口のマニホールド50に至る経路である。減圧になる主な原因は、加湿ガス中の水蒸気の凝縮およびガスリークによる水素と酸素の触媒反応(水生成)である。
燃料電池スタックの発電停止直後では、燃料電池の電圧(=空気極と燃料極の電位差)は約0.98Vを示すが、燃料極の水素濃度の減少および空気極の酸素濃度の減少により、電圧は徐々に0Vになってゆく。最終的に燃料極および空気極の電位がどうなるかは、水素と酸素の化学量論的関係、および外部からの空気のリークの量に依存する。
図7(a)(b)は、本発明による制御と燃料電池の電圧、燃料極の電位および空気極の電位の関係を示したものである。
図7では、図4に示す単位セルを使用して、セル温度70℃、電流密度0.2A/cmの条件で運転を行った場合の、発電停止する直前から時間に対する上記各電圧および電位の変化を示したものである。
上記電流密度の条件で発電した場合の燃料電池の電圧は約0.75Vであった。またこのときの燃料極の電位および空気極の電位は参照電極を使用した別の実験から、各々0.76Vおよぼ0.01Vであることが分かっている。図7(a)(b)のように、発電停止直後の電圧は約0.98Vを示すが、燃料極に存在する水素が空気極にリークし、また逆に空気極に存在する酸素が燃料極にリークして標準水素電極電位に対する燃料極および空気極の電位が徐々に接近してゆき、停止後約30分後には電圧は約0Vになった。図7(b)は燃料極の電位および空気極の電位を示したものであり、図7(a)に空気極と燃料極の電位差(すなわち燃料電池の電圧)を示している。図7(b)を描くために、制御シーケンスを同一にし、停止後のある時間に燃料極に水素を大量に供給し、そのときの燃料極の電位を0Vと考え、水素を供給する直前の電圧と水素を供給する前後の電圧から各々の電極の電位を計算している。
発電停止から90分後に、燃料極に燃料ガス制御装置103を制御し、約100ccの燃料ガスを間欠的に順次供給すると、燃料電池の電圧は約0.6Vから0Vに段階的に変化していった。このように、燃料ガスを供給する前後の電圧差と電圧値から燃料極と空気極の電位をほぼ検知することができる。また、電位の絶対値がわからなくとも、燃料ガスを供給する前後の電圧差が小さくなってゆくことは燃料極および空気極の電位が共に0Vに接近していっていることを意味する。そして、この電位検知結果を燃料ガス制御装置103にフィードバックすれば、燃料極と空気極の電位を任意に制御できる。
なお、上記例では燃料ガスを燃料極に供給したが、空気極に供給しても、電圧と燃料ガスを供給する前後の電圧差から燃料極と空気極の電位をほぼ検知することができる。
また、上記例では燃料ガスは燃料ガス生成装置(改質装置)を停止せずに都市ガスから生成・供給し続けたが、生成した燃料ガスをボンベ等に貯蔵しておき、燃料ガス生成装置を停止した状態でも同様な制御が可能である。さらに、予め水素が充填されたボンベをガス経路に接続しておいても全く同様な制御が可能であることはいうまでもない。
(実施の形態2)
燃料電池停止時および保管時の標準水素電極電位に対する燃料極電位を検知する別の手段として、燃料極の出口マニホールド49近傍に酸素センサーまたは水素センサーを具備させ、酸素濃度および水素濃度からネルンストの式を使用して間接的に測定することができる。
前記酸素センサーまたは水素センサーの出力を制御装置105に入力し、演算により燃料極の電位を概略計算し、燃料ガス制御装置103を制御して、燃料極に燃料ガスを供給した。
(実施の形態3)
燃料電池停止時および保管時の標準水素電極電位に対する燃料極および空気極の電位を検知するさらに別の手段として、燃料電池スタックに電圧を印加し、そのときに流れる電流により水素濃度を検知し、間接的に燃料極電位を測定する方法について述べる。
図2は、本発明による燃料電池のシステムの概略図であるが、電圧印加装置108が燃料電池の集電板に接続されている以外は図1と同様の構成である。
燃料電池が発電停止後、電圧印加装置108により、燃料極を正極、空気極を負極に設定し、そのとき流れる電流を前記電圧印加装置108で測定した。前記電圧印加装置108により印加する電圧は0.2Vとし、燃料極の電位が前記電圧印加装置108により電位が上昇しないように設定してある。また、前記電圧印加装置108には電流リミッタ機能があり、過電流が流れないように保護してある。燃料電池スタックに直流電圧0.2Vを印加したとき、電流リミッタが動作する場合は燃料極のマニホールド内またはガス流路内に十分の水素があるため、燃料極の電位が高電位になることはない。
本システムの動作は、図1とほぼ同様であり、燃料電池スタックに流れる電流を電圧印加装置108で検知し、その電流に基づきガス制御装置103を制御し、燃料極に燃料ガスを導入した。
図8(a)(b)(c)は、上記制御と燃料電池の電圧、燃料極の電位および空気極の電位の関係を示したものである。
実施の形態1と同様に、図4に示す単位セルを使用して、セル温度70℃、電流密度0.2A/cmの条件で運転を行った。燃料電池の発電停止後から、電圧印加装置108より0.2Vの直流電圧を印加し、そのときの燃料電池の電圧、電流リミッタの動作、および燃料極と空気極の電位を示した。図8(a)(b)(c)の結果は、燃料電池の発電停止後から、電流リミッタがOFFになった期間に燃料極に燃料ガスを供給するようにした。図8(c)から分かるように、上記のような電位の検知および制御をすれば、燃料極と空気極の電位を低電位に制御できることがわかる。
なお、上記例では制御装置105に入力する信号として電圧印加装置108の電流値あるいは電流リミッタの動作信号としたが、燃料電池のインピーダンスを利用しても全く同様である。すなわち、燃料電池のインピーダンスがある一定値以上になったときに燃料ガスを燃料極に供給するとよい。
また、検知する燃料電池のインピーダンスは、スタック全体のものでもよいし、一つまたは複数の単位セルのインピーダンスを利用してもよい。
(実施の形態4)
前述したように、電極を高電位に放置すると、生成した酸化物とスルホン酸が反応し、触媒の溶出、シンタリング、触媒粒子径増大および触媒表面原子比の変化が起こるが、この反応速度は温度の降下とともに減速し、ほぼアレーニウス型の温度依存性を示す。この減速率は、温度が10℃下がれば約1/2に低下する。
燃料電池の発電中の温度は70〜80℃であり、発電停止直後も高温である。したがってこの温度領域では、触媒の溶出、シンタリング、触媒粒子径増大および触媒表面原子比の変化はかなり起こりやすい。しかし、燃料電池の温度を40℃以下に設定すると、劣化の速度は70〜80℃の1/10以下になり、大きく改善する。
燃料電池の停止期間および保管期間中も上記実施の形態で述べたように、燃料極および空気極の電位を低電位に完全に制御することが最も劣化率を抑制するが、他方、燃料ガス、消費電力は停止および保管中も必要となり、高コストになる。劣化量と運転コストのトレード・オフになるが、40℃以下で電位制御の運転を中止することにより、劣化率がかなり改善し、運転コストも抑制できる。また、燃料電池マニホールドに侵入する空気の侵入しやすさも、40℃と室温の温度差が小さいため大幅に改善される。
本発明による燃料電池システムは図1に示したスタック温度検知装置107を具備するものであり、この信号により燃料極および空気極の電位を制御する運転をするか否か制御するようになっている。すなわち、40℃以下では燃料極および空気極の電位を制御する運転を終了するようにしてある。
以上のような運転制御を行う本発明の実施の形態の燃料電池システムによれば、空気極および燃料極の触媒の溶出、シンタリング(Ptの粒子拡大)、触媒表面原子比変化による触媒反応面積の減少、触媒の酸化、酸化種の吸着による反応面積が減少等の課題や、水酸化ラジカル(OH・)やスーパーオキシド(O−・)、水素ラジカル(H・)が高濃度に発生した状態がなくなり、これらラジカル類が高分子電解質を分解を抑制することにより耐久性を向上させたより高い性能を発揮する固体高分子形燃料電池システムを実現することができる。
炭素粉末であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック、粒径35nm)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のD1)と混合し、乾燥重量としてPTFEを20重量%含む撥水インクを調製した。このインクを、ガス拡散層の基材となるカーボンペーパー(東レ(株)製のTGPH060H)の上に塗布して含浸させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理し、ガス拡散層(約200μm)を形成した。
一方、炭素粉末であるケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製のKetjen Black EC、粒径30nm)上にPt触媒を担持させて得られた触媒体(50重量%がPt)66重量部を、水素イオン伝導材かつ結着剤であるパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(米国Aldrich社製の5重量%Nafion分散液)33重量部(高分子乾燥重量)と混合し、得られた混合物を成形して触媒層(10〜20μm)を形成した。
上述のようにして得たガス拡散層と触媒層とを、高分子電解質膜(米国DuPont社のNafion112膜)の両面に接合し、図4に示す構造を有する膜電極接合体(MEA)を作製した。
つぎに、以上のように作製したMEAの高分子電解質膜の外周部にゴム製のガスケット板を接合し、冷却水、燃料ガスおよび酸化剤ガス流通用のマニホールド穴を形成した。
一方、20cm×32cm×1.3mmの外寸を有し、かつ深さ0.5mmのガス流路および冷却水流路を有する、フェノール樹脂を含浸させた黒鉛板からなる導電性のセパレータ板を準備した。このセパレータ板を2枚用い、MEAの一方の面に酸化剤ガス流路が成形されたセパレータ板を重ね合わせ、他方の面に燃料ガス流路が成形されたセパレータ板を重ね合わせ、単電池を得た。
この単電池を2個積層し、冷却水路溝を成形したセパレータ板2枚で、冷却水路溝がMEA側に位置するようにして挟み込み、2セル積層電池を得た。このパターンを繰り返し、50セル積層電池(スタック)を作製した。このとき、スタックの両端部には、ステンレス鋼製の集電板、電気絶縁材料の絶縁板および端板を配置し、全体を締結ロッドで固定した。このときの締結圧はセパレータの面積当たり15kgf/cmとした。このようにして燃料電池を作製した。
この燃料電池を図1に示した燃料電池システムに接続した。燃料電池101の空気極に酸化剤ガス制御装置102を設置した空気供給管を接続し、燃料極に燃料ガス制御装置103を設置した燃料ガス供給管を接続した。この制御装置により反応ガスの弁を制御した。電力負荷106を燃料電池の集電板に接続し、各セルの電圧は電圧検知装置、温度はスタック温度検知装置107で観測した。そのセルの電圧に基づき制御装置105、酸化剤ガス制御装置102と燃料ガス制御装置103の制御を行った。
このように作製した燃料電池システムを、燃料電池システムAとする。
燃料電池スタックの作製方法は実施例1と全く同様にして作製した。
この燃料電池を図2に示した燃料電池システムに接続した。燃料電池システムAと異なるところは、電圧印加装置108が燃料電池の集電板に接続されている点である。
このように作製した燃料電池システムを、燃料電池システムBとする
(評価試験)
以上のようにして得た燃料電池システムに、酸化剤ガスとしての空気を、また燃料ガスとしての水素含有率80%のガスをそれぞれの電極に供給し、電池温度を70℃、燃料ガス利用率(Uf)70%、および空気利用率(Uo)40%の条件で放電試験を行った。なお、燃料ガスおよび空気は、それぞれ65℃および70℃の露点を有するように加湿した。
以下、燃料電池システムA、Bに対して種々の運転条件で寿命試験を行い、それぞれの運転方式に対し、燃料電池スタックの中央の単電池(No.25)のセル電圧の変化を追跡した。
以下、a〜oの全ての運転方法で共通する条件は、空気と水素含有率80%のガスをそれぞれの電極に供給した状態で、電流密度200mA/cmで2時間連続運転したのち、停止・起動・保管時間を2時間に設定したことである。上記サイクルを100サイクル繰り返し、その前後での電流密度200mA/cmで運転したときのセル電圧差を電圧低下量(mV)とした。
燃料電池システムA(図1)を使用し、発電停止時に燃料極に燃料ガスを供給するときの供給前後の電圧差の設定値を変化させることにより、燃料極と空気極の電位を種々に変化させたときの電圧低下量を表1に示した。
Figure 2005251434
表1中の空気極電位および燃料極電位は、図7(a)(b)の発電停止後30分以降の最大電位に相当する。また、空気極電位および燃料極電位の正確な値は、燃料極に十分な水素ガスを供給する実験を別途実施し求めた。
燃料電池システムAでは、燃料極と空気極間の水素および酸素の透過が比較的多くため、試験中はそれらの電位はほぼ同じ電位を示した。電圧低下量は、電極の電位が0.7V以内であれば比較的小さい値を示した。
表2には、同じ運転条件a〜hについて、100サイクル後のCO被毒量を測定した結果を示した。CO被毒量は、純粋な水素で12時間運転した後、H/CO/CO=20%/約80%/10ppmの混合燃料ガスで6時間運転したときの、安定電圧値の差とした。
Figure 2005251434
表2に示されたように、停止時の燃料極の電位が0.7V以上のときは、大きなCO被毒量を示した。
これは、燃料極の触媒であるPt−Ruの合金のうちRuが優先的に溶出し、残留触媒の表面がPtリッチになったためと考えられる。CO被毒量を考慮すると、停止時の燃料極の電位は0.6V以内でなくてはならないことがわかった。
つぎに、燃料電池システムBを使用し、発電停止時のスタック温度と電圧低下量の関係を調べた。
燃料電池システムBでは、スタック温度を短時間で冷却するため、容量の大きな循環恒温槽を使用して冷却水の温度を調整した。燃料電池システムBでの発電停止時のスタック温度の温度プロファイルの1例を図3に示す。スタック温度の設定値に依存するが、大体20分程度で所定温度に到達した。
表3に、燃料電池システムBでの発電停止時のスタック温度と電圧低下量の関係を示す。
燃料極と空気極の電位は約1Vであった。
Figure 2005251434
発電停止中に燃料ガスの供給は行わなかったので、燃料極と空気極の電位は約1Vであったが、スタック温度を40℃以下にすれば、劣化がかなり抑制できることがわかった。
さらに、運転条件a〜oのシーケンスを含む発電中のドレイン水を採取し、この中に含まれるイオン種のイオンクロマト分析を行ったところ、フッ素イオンは、0.2μg/cm/日以下であり、起動・停止・保管方法の差による高分子電解質の分解の差はほとんど生じていないことが解った。
なお、以上までの説明において、0〜0.7V、0〜0.6V等の数値範囲は、実質上0〜0.7V、実質上0〜0.6V等であることも含む。
本発明にかかる燃料電池システムおよびその制御方法によれば、耐久性を向上させることができ、たとえば家庭用コージェネレーション用などの定置型の燃料電池、自動車等の移動体用途や、携帯型燃料電池等にも利用できる。
本発明の一実施例による燃料電池システムの概略図 本発明の一実施例による燃料電池システムの概略図 本発明の一実施例による運転方法のスタック温度の変化を示す図 単電池の概略断面図 高分子電解質膜−電極接合体の空気極のサイクリック・ボルタノグラム 高分子電解質膜−電極接合体の燃料極のサイクリック・ボルタノグラム (a)本発明の一実施例による運転方法による電圧および電位の変化を示す図、(b)本発明の一実施例による運転方法による電圧および電位の変化を示す図 (a)本発明の一実施例による運転方法による電圧および電位の変化を示す図、(b)本発明の一実施例による運転方法による電圧および電位の変化を示す図、(c)本発明の一実施例による運転方法による電圧および電位の変化を示す図
符号の説明
1 高分子電解質膜
2 アノード触媒層
3 カソード触媒層
4、5 ガス拡散層
8 ガスケット
9 高分子電解質膜−電極接合体
41、42 セパレータ板
43、44 ガス通路
45、46 冷却水流路
47、48 入口のマニホールド
49、50 出口のマニホールド
101 燃料電池スタック
102 酸化剤ガス制御装置
103 燃料ガス制御装置
104 セル電圧検知装置
105 制御装置
106 負荷
107 スタック温度検知装置
108 電圧印加装置

Claims (14)

  1. 電解質を挟んで一方側に配置される燃料極と、前記電解質を挟んで他方側に配置される酸化剤ガス極と、を備え、
    その停止状態または保管状態において、前記燃料極の電位および前記酸化剤ガス極の電位の少なくともいずれかが、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される電位に制御される、燃料電池システム。
  2. 前記燃料極の電位は、標準水素電極電位に対して実質上0〜+0.7Vの範囲に制御され、前記酸化剤ガス極の電位は、標準水素電極電位に対して実質上0〜+0.6Vの範囲に制御される、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料極と前記酸化剤ガス極が電気的に接続されてセル電圧が実質上0Vとなり、前記酸化剤ガス極の電位を標準水素電極電位に対して実質上0〜+0.6Vの範囲に制御される、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料極または前記酸化剤ガス極の電位の制御は、前記燃料極と前記酸化剤ガス極との間の電圧差に応じて、燃料ガスがその量を調節されて、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の少なくともいずれかに、間欠的に供給されることによりなされる、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料ガスを供給するためのボンベを内蔵する、請求項4記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料極または前記酸化剤極の近傍に設置された酸素センサーをさらに備え、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の電位の制御は、前記酸素センサーにより検知された酸素濃度により前記燃料極または前記酸化剤ガス極に供給するべき燃料ガスの供給量が制御されることによりなされる、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料極または前記酸化剤ガス極の近傍に設置された水素センサーをさらに備え、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の電位の制御は、前記水素センサーにより検知された水素濃度により前記燃料極または前記酸化剤ガス極に供給するべき燃料ガスの供給量を制御することによりなされる、請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料極と前記酸化剤ガス極との間のインピーダンスまたは電流値を検出することにより、前記燃料極または前記酸化剤ガス極に供給するべき燃料ガスの供給量が制御される、請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池システム。
  9. 前記インピーダンスまたは前記電流値の検出は、前記燃料極を正極に、前記酸化剤ガス極を負極として直流電圧を印加することによりなされる、請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. 電解質を挟んで一方側に配置される燃料極と、前記電解質を挟んで他方側に配置される酸化剤ガス極と、を備え、
    その停止状態または保管状態において、前記燃料極および前記酸化剤ガス極を含むスタックの温度が、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される温度に制御される、燃料電池システム。
  11. 前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される温度は、実質上40℃以下である、請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記スタック温度が実質上40℃を越えたときに、前記燃料極の電位および前記酸化剤ガス極の電位の少なくともいずれかが、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される電位に制御される、請求項10または11に記載の燃料電池システム。
  13. その停止状態または保管状態において、電解質を挟んで一方側に配置される燃料極の電位、および前記電解質を挟んで他方側に配置される前記酸化剤ガス極の電位の少なくともいずれかを、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される電位に制御する、燃料電池の制御方法。
  14. その停止状態または保管状態において、電解質を挟んで一方側に配置される燃料極、および前記電解質を挟んで他方側に配置される酸化剤ガス極を含むスタックの温度を、前記燃料極または前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される温度に制御する、燃料電池の制御方法。
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