JP2005250302A - 画像形成装置、画像編集指示装置、およびプログラム - Google Patents

画像形成装置、画像編集指示装置、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】色剤の残量検知機能を持つ画像形成装置において、色剤切れにより出力画像が薄くなる、色剤交換による交換前後での色再現の違いなどの不具合を解消する。
【解決手段】色剤消費量算出部720は、処理対象画像の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出することで正確な色剤消費量を求める。出力処理制御部19は、色剤消費量に関わる画像編集処理と連動してジョブについての画像形成処理を制御する。たとえば、中央演算制御部710は、複数のジョブの各出力可能数と出力指示数とを参照して、それぞれの画像形成処理の可否を判定して画像形成処理の順序を制御することで、全体の処理効率を高める。また、色剤不足によりそのままでは出力不可能な場合に、色剤消費量が少なくなるように画像編集された印刷出力用データに切り替えて処理することで、色剤補充や交換に起因するジョブ途中の色再現の違いを避ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、たとえばプリンタ装置、ファクシミリ装置、あるいはそれらの機能を有する複合機など、トナー(現像剤)やインクなどの色剤(色材)を用いた画像形成装置および画像形成装置に対して出力を指示する画像編集指示装置、並びに画像形成処理をコンピュータを用いて実行するためのプログラムに関する。より詳細には、ジョブの色剤消費量に関わる制御技術に関する。
複写機やプリンタ装置などの画像形成装置においては、画像形成に使用する色剤は出力数に応じて減少する消耗材であるから、その補充を忘れて連続的に画像形成を続けていると、出力結果が漸次薄くなってしまう。
この問題を解消するため、使用する色剤の残量を検知する仕組みや、検知結果に基づき出力動作を制御したり、検知結果である現在の残量状態や、検知結果に基づき算出(予測)した残出力可能数(色剤カートリッジの寿命)を表示したりする仕組みが種々提案されている。
たとえば、特許文献1には、トナーの有無を検出する複数段の検出器を用いて、その検出器ごとの検出内容であるトナー残量をLED(Light Emitting Diode)で段階的に表示させる仕組みが開示されている。
実開平1−115758号公報
しかしながら、この特許文献1の仕組みで表示されるトナー残量は、あくまでも色剤を補充するための目安であり、早め早めに色剤を補充するための指針に過ぎない。このため、性能が向上し、多量の複写を自動的に処理できるようになっている現状では、さらに精度のよい残量表示の仕組みが必要になっている。
この要求に応える一手法として、特許文献2には、複写装置における仕組みとして、原稿が装填されるごとに画像形成処理を開始する前に、読み取った画像のドット数を計数し、この計数値を積算するととともに、この積算値と原稿面積とから画像密度とを求め、この画像密度と出力用紙サイズにおける予め設定された基準使用量とトナー残量との比較結果に基づき、あと何枚複写ができるかを算出して表示することで、トナー切れにより画面が薄くなるなどの不具合を解消する仕組みが提案されている。
特開平8−16048号公報
しかしながら、この特許文献2の仕組みは、読み取った画像のドット数に基づいて種々の計算を行なっているので、画像形成に使用する色剤の使用量との間には、ある程度の相関があるものの、必ずしも、正確な色剤消費量や出力(複写)可能枚数を算出できるとは限らない。
たとえば、モノクロ(2値)画像で読み取ってモノクロ画像(2値)で複写出力する場合、読み取った画像のドット数と画像形成用の印刷出力用画像のドット数とはほぼ一致すると見なすことができ、比較的精度よく消費量や複写可能枚数を算出することができる。しかし、濃淡画像などの濃度に階調を有する画像を読み取って多階調で出力する場合、モノクロ画像と多階調画像とでは実際の色剤消費量が異なり、色剤消費量や出力可能枚数の算出が不正確になる。
また、入力画像に基づきカラー画像で出力する場合には、入力画像の色データと、印刷出力用画像の色データとは、たとえば入力画像がカラー画像の場合には前者が赤(R),緑(G),青(B)で後者がC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)というように、入力画像を表す入力色空間と出力画像を表す出力色空間とが異なるのが一般的であり、この場合、両者の各色データで示される色画像のドット数は一致しないので、消費量や複写可能枚数を精度よく算出することはできない。
これに対して、特許文献3には、印刷システムにおいて、印刷出力用データで示される画像のドット数を計数し、この計数値を積算するととともに、この積算値と原稿面積とから画像密度を求め、この画像密度と出力用紙サイズにおける予め設定された基準使用量とトナー残量との比較結果に基づき印刷可能枚数を算出することで、色剤カートリッジの寿命を予測する仕組みが提案されている。この特許文献3に記載の仕組みによれば、入力画像を表す入力色空間と出力画像を表す出力色空間とが異なることによる、色剤消費量や出力可能枚数の算出精度の問題を解消することができる。
特開平09−134098号公報
しかしながら、この特許文献3に記載の仕組みでは、出力画像のドット数に基づいて種々の計算を行なっているので、2値で画像形成を行なうシステムでは、比較的精度よく消費量や複写可能枚数を算出することができるものの、多階調で画像形成する場合には、2値画像と多階調画像とでは実際の色剤消費量が異なるから、消費量や複写可能枚数の算出が不正確になるという問題が依然として残る。
また、従来の仕組みは、色剤消費量や色剤残量の検知結果に基づき出力動作を制御するとはいっても、“色剤切れ”になると出力動作を停止して、色剤の補充や、色剤を収容している容器の交換を待つしかない。このため、“色剤切れ”になる近傍で出力指示を出して連続的に画像形成を続けようとすると、出力結果が途中で薄くなってしまう現象を避けることができないし、場合によっては、ジョブの途中で出力が停止することも起こり得る。ジョブの途中で色剤容器を変えずに、適切な出力結果でジョブを完了させることができるか否かを正確に予想することができない。
つまり、原稿により色剤消費量が異なる場合、従来の仕組みでは、必ずしも、印刷時の目安にはならない。たとえば、一度に大量に印刷する場合は印刷ジョブ全体で色剤が足りるかどうか分からず、印刷ジョブの途中で色剤がなくなり、印刷が途中で止まることがあると、大量印刷の作業を止めないためにはその場から離れることができない。
また、“色剤切れ”の場合に、ジョブの途中で色剤容器を交換もしくは色剤を補充した場合には、消耗品補充や交換時の色再現は補充前や交換前の色再現と異なり、適切な出力結果でジョブを完了させることができない場合が起こり得る。このため、ジョブの途中で印刷処理を止めずに画像形成処理を行なうことが可能な仕組みが必要になる。
また、複数のジョブを受け付けている場合において、たとえば先のジョブは色剤消費量が少なく後のジョブは色剤消費量が多い場合に、先のジョブでは“色剤切れ”に遭遇するが後のジョブの出力処理を先に実行すれば“色剤切れ”に遭遇しない場合、従来は、受け付けたジョブ順に出力処理を行なうので、後のジョブは処理途中(たとえば描画展開まで行なって)でジョブ処理を一旦停止させる必要があり、先のジョブの途中で色剤容器を交換もしくは色剤を補充した後に先のジョブを完了させた後でないと、後のジョブを完了させることができず、全体として見た場合、処理効率が悪い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色剤切れにより出力画像が薄くなる、あるいは色剤交換による交換前後での色再現の違いや処理効率などの不具合を解消することのできる、従来よりもさらに優れた仕組みを提案することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成して出力する画像出力部を備えた画像形成装置であって、受け取ったジョブにおける処理対象画像に基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する色剤消費量算出部と、画像出力部が使用する色剤の残量を検出する色剤残量検出部と、色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて色剤消費量と関連した画像編集に資する情報を取得し、この取得した画像編集に資する情報を参照して、色剤消費量に関わる制御を行なう処理制御部とを備えるものとした。
より具体的な構成として、第1の構成例に係る画像形成装置は、受け取ったジョブにおける処理対象画像の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する色剤消費量算出部と、色剤の残量を検出する色剤残量検出部と、色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて出力可能数を算出する出力可能数算出部と、出力可能数算出部が算出した出力可能数を含む出力情報をユーザに通知する出力情報通知部とを備えるものとした。これにより、色剤消費量や残りの出力可能数などを精度よく求めることのできる仕組みを備えた画像形成装置を実現できる。
また、第2の構成例に係る画像形成装置は、受け取った複数のジョブにおけるそれぞれの処理対象画像に基づき単位出力当たりの色剤消費量をそれぞれ算出する色剤消費量算出部と、色剤の残量を検出する色剤残量検出部と、色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて複数のジョブのそれぞれの出力可能数を算出する出力可能数算出部と、出力可能数算出部が算出した複数のジョブのそれぞれの出力可能数と複数のジョブのそれぞれの出力指示数とに基づいて複数のジョブのそれぞれについての画像出力部における画像形成処理の可否を判定することで複数のジョブについての画像形成処理の順序を制御する制御部とを備えるものとした。
これにより、複数のジョブを受け付けている場合に、出力可能なジョブを出力不可能なジョブよりも優先して処理する、つまり出力可能なジョブについては処理を止めずに画像形成処理を行なうことで、全体の処理効率を高める。
また、第3の構成例に係る画像形成装置は、受け取ったジョブにおける処理対象画像に基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する色剤消費量算出部と、色剤の残量を検出する色剤残量検出部と、色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて出力可能数を算出する出力可能数算出部と、出力可能数算出部が算出した出力可能数とジョブの出力指示数とに基づいて、色剤消費量に関わる画像編集処理と連動してジョブについての画像形成処理を制御する制御部とを備えるものとした。
これにより、出力不可能な場合に、色剤消費量が少なくなるように画像編集されたジョブに切り替えて処理することで、一度は出力不可とされたジョブを実質的に出力可能に切り替える。結果として、ジョブの途中で処理を止めることなく完結させることで、ジョブ全体を一様な色再現で処理する。
また、本発明に係る画像編集指示装置は、本発明に係る画像形成装置との組合せにおいて使用される、画像編集機能や出力指示機能を備えた装置である。また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像形成装置のさらに有利な具体例を規定する。たとえば、第1〜第3の構成を任意に組み合わせることができる。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る画像形成装置を、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
本発明に係る画像形成装置によれば、色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて色剤消費量と関連した画像編集に資する情報を取得し、この取得した画像編集に資する情報を参照して、色剤消費量に関わる制御を行なうようにしたので、色剤切れにより出力画像が薄くなる、あるいは色剤交換による交換前後での色再現の違いや処理効率などの不具合を、従来よりも確実に解消することができるようになる。
たとえば、第1の構成例によれば、色剤消費量算出部は、処理対象画像の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出するようにしたので、多値でマーキングする場合においても、正確な色剤消費量を求めることができる。これにより、出力可能数算出部が算出する出力可能数も正確になる。
また、第2の構成例によれば、複数のジョブを受け取った場合に、色剤消費量算出部と出力可能数算出部とは、その複数のジョブのそれぞれについて色剤消費量や出力可能数を算出するようにした。
これにより、処理制御部は、複数のジョブのそれぞれの出力可能数と出力指示数とを参照して、それぞれについての画像形成処理の可否を判定して画像形成処理の順序を制御することができる。そして、これにより、出力可能なジョブについては、出力不可能なジョブよりも優先させ、処理を止めずに画像形成処理を行なうことで、全体の処理効率を高めることができる。
また、第3の構成例によれば、処理制御部は、ジョブの出力可能数と出力指示数とを参照して、色剤消費量に関わる画像編集処理と連動してジョブについての画像形成処理を制御するようにした。
これにより、色剤不足によりそのままでは出力不可能な場合に、色剤消費量が少なくなるように画像編集された印刷出力用データに切り替えて処理することで、ジョブの途中で処理を止めることなく完結させることができる。この結果、ジョブ全体を一様な色再現で処理することができ、色剤の補充や交換に起因するジョブ途中の色再現の違いを避けながら画像形成処理を完結させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像処理システムの概要>
図1は、本発明に係る画像形成装置を備えた画像処理システムを示す概略図である。この画像処理システム1は、画像入力端末3および画像出力端末7を備える。
画像入力端末3は、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを作成し、また編集などの処理をする、たとえばパソコン(PC;Personal Computer )3a、カラースキャナ3b、デジタルカメラ3c、またはハードディスク(HD;Hard Disk )装置や光磁気ディスク(MO;Magneto Optical Disk)装置あるいは光ディスク装置などのデータ格納装置3d、さらにFAX装置3eなど、任意数の画像入力ソースを含み得る。
画像入力端末3のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末3側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像出力端末7で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNGなど)で記述される。
またたとえば、パソコン3aで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像出力端末7に送られる。このPDLデータを受け取った画像出力端末7は、印字前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してから画像出力部(プリンタエンジン部)にラスターデータを出力する。
画像出力端末7は、画像形成装置の一例であって、たとえば複写機能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。この画像出力端末7は、大まかに、出力端末本体7aと、ネットワーク9に接続可能なパソコン(PC)ベースのプリンタサーバ8とで構成されている。なお、画像出力端末7をプリントの単一機能を持つものとする場合、複合機能を持つ出力端末本体7aに代えて、プリンタ本体とすればよい。
出力端末本体7aは、大まかに、原稿を読み取る画像読取部10、入力された画像データに対して所望の画像処理を施す画像処理機能と出力端末本体7aの動作を制御する制御機能とを備えたコントローラ部20、およびコントローラ部20からの画像データに基づいて所定の記録媒体に可視画像を形成して出力する画像出力部30を備える。コントローラ部20は、画像読取部10と画像出力部30との境界部分に配された処理基板38上に設けられている。
また画像出力端末7は、接続ケーブル90やネットワーク9を介して外部機器に接続可能になっている。たとえば、接続ケーブル90は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LAN9aという)によりパソコン3aなどの画像入力端末3に接続される。
あるいは一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )9bを介してFAX装置3eなどの画像入力端末3に接続される。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
画像出力端末7は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3fやバージョン1.1もしくは2.0のUSB(Universal Serial Bus)規格のデバイス3gなどとも接続可能となっており、これらのデバイス3f,3gからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイス3f,3gを介してリモートで画像出力端末7を制御することもできるようになっている。たとえば、デジタルカメラ3cと画像出力端末7をパソコン3aを介さずに画像出力端末7のUSBポートに直接に接続することで、デジタルカメラ3cからの操作でプリントができる「Pict Bridge」規格に対応することができる。
このような構成により、画像出力端末7は、前述のように、画像読取部10にて読み取った画像の印刷機能すなわち複写機能に限らず、接続ケーブル90を介してパソコン3aなどの画像入力端末から取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線やその他の通信インタフェースを介して取得したFAXデータやその他のあらゆる画像入力ソースから渡される画像データに基づいて印刷出力する機能を備えるようになる。
画像読取装置10は、プラテンカバーの機能も備え、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙するドキュメントフィーダ(ADF;Automatic Document Feed ;自動原稿搬送装置)12と、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する操作パネル部15aやオペレータからの装置に対する種々の指示入力を受け付けるための操作キー部15bを有するユーザインタフェース部15とを有している。
ユーザインタフェース部15では、画像出力端末7をコピー機やプリンタやFAX装置などとして動作させるための種々の機能設定が可能になっており、機能設定キーとしては、用紙サイズを設定するサイズ指定キー、出力枚数や倍率などの置数を入力するテンキー、置数などを予め設定された標準値に戻すクリアキー、ユーザにより指示された設定を標準設定に戻すリセットキー、装置動作を開始させるスタートキー、あるいは装置動作を中止させるストップキー、その他の各種の機能設定キーを有する。たとえば、親展プリントなどのような場合、最終的な出力指示は、画像出力端末7側で指示することもできる。
なお、操作パネル部15aや操作キー部15bに代えて、あるいはこれらとともに使用される大型の表示デバイス16aによるユーザインタフェース画面とキーボードやマウスなどの指示入力デバイス16bとを有するユーザインタフェース装置16を設けてもよい。ユーザインタフェース装置16を使用することで、画像入力端末3における新規ジョブ作成以外の処理については、基本的に、ユーザインタフェース装置16で完結して操作することもできるようになっている。
プリンタサーバ8は、画像入力端末3との間で情報のやり取りをしたり、出力指示とともに画像入力端末3から受け取った印刷ジョブを描画展開処理(RIP;Raster Image Processor)し、処理済みデータ(印刷出力用データ)を出力端末本体7aに渡したりする。また、印刷ジョブや複写ジョブにおける描画展開処理に限らず、操作パネルやユーザインタフェース装置16を使用した印刷指示や条件入力なども受け付ける。なお、プリンタサーバ8は、出力端末本体7aと別体のものに限らず、出力端末本体7aのコントローラ部20に組み込んでもよい。
このような構成において、ユーザは、ネットワーク9に接続されたクライアントPCとしてのパソコン3aやその他の画像入力端末3からの印刷ジョブなどのドキュメントDOCをプリンタサーバ8に送信する。プリンタサーバ8は、そのドキュメントDOCに基づき描画展開処理を行ない、印刷出力用データを出力端末本体7aに渡す。出力端末本体7aは、その印刷出力用データに基づき印刷用紙上に画像を形成して出力する。
トナー残量や使用度合いや課金額などの出力端末本体7aにおける印刷情報のユーザへの提示は、ネットワーク9を介してパソコン3aのモニター上に表示する形態や、画像出力端末7側のユーザインタフェース装置16のモニター上に表示する形態や、あるいは、出力端末本体7aに設けられる操作パネル部15a上に表示する形態などを採ることができる。
なお、プリンタサーバ8は、ネットワーク9に接続されないようなスタンドアロン(Stand-alone )のものでもよい。この場合、フレキシブルディスクや光磁気ディスク、あるいは光ディスクなどの外部記憶媒体5の情報を読み書きする駆動装置(図示せず;後述する図22の記録・読取制御部902に相当)をプリンタサーバ8に設け、記憶媒体挿入口8aから外部記憶媒体5を取り込んで所要のデータを受け渡しする形態を採る。
出力端末本体7aにおいて、画像読取部10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤(R)、緑(G)、青(B)のアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、たとえばコントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
このようにして、読取りが完了すると、コントローラ部20の画像処理機能部は、画像読取部10からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の印刷出力用データを得、各印刷出力用データY,M,C,Kを画像出力部30に出力する。
画像出力部30は、画像形成ユニット32と、排紙ユニット36と、1枚もしくは複数枚(図は複数枚で例示)の処理基板38とを含む。画像形成ユニット32は、画像読取装置10にて得られた画像信号により表される画像を、トナーやインクなどの色剤を用いて、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式にて、あるいは同様な公知の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上にトナーやインクなどの色剤により可視画像を形成するする。このため、画像形成ユニット32は、たとえば画像出力端末7をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスター出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。
処理基板38には、画像出力部30用の処理部(特に画像処理部や制御部)だけでなく、コントローラ部20の画像処理機能部や出力端末本体7a全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、出力端末本体7a内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル部15a、画像読取部10の図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、排紙ユニット36、または図示しない給紙トレイなどを制御する回路が搭載される。この処理基板38には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。
画像出力部30の画像形成ユニット32は、画像読取装置10の読み取りに同期して、印刷用紙が図示しない給紙トレイから画像出力部30へ給紙されると、その印刷用紙の一方の面に、コントローラ部20の画像処理機能部から送られたK,Y,M,Cの印刷出力用データに基づいて可視画像を形成する。画像形成ユニット32から排出される印刷済みの用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的にあるいは1ページごとにソートされる。
また、画像出力端末7を構成するプリンタサーバ8は、内部のハードディスク装置などの不揮発性の記憶装置への処理済みデータの保持、受け取った印刷ジョブや複写ジョブに対する出力処理順の管理、あるいはたとえば印刷出力枚数や出力用紙サイズなどの消耗品に対する課金管理の他、本実施形態特有の機能である色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理の一部または全ての機能などを実行する。
たとえば画像出力端末7は、画像出力部30で使用するトナーやインクなどの色剤を収容した色剤カートリッジの色剤残量、その色剤残量で出力可能な残りの出力枚数(出力可能部数)、色剤消費量と関連したページ画像の状態を示す情報(ページ状態情報)などの出力情報をユーザに提示する機能を備えている。これらの情報は、操作パネル部15aにより画像出力端末7側で提示可能であるとともに、ネットワーク9を介して画像入力端末3側にても提示可能である。
そして、画像出力端末7は、先に出力指示を発したジョブの画像属性をページ単位やページ内のオブジェクト単位で編集可能になっている。この画像編集に際しては、前述の色剤残量、出力可能部数、あるいはページ状態情報などの出力情報を参照して、画像出力端末7側で自動的に編集することが可能であるし、色剤残量、出力可能部数、ページ状態情報などの出力情報を参照することでユーザより入力される指示に従って行なうことも可能になっている。
ユーザが画像編集を指示する構成の場合、たとえば、画像入力端末3側での出力指示操作と連動して出力情報提示画面をモニター上に表示し、その表示結果を参照して編集を要するページやオブジェクトに対して編集指示を行なうことが可能な構成を採ればよい。
また画像出力端末7側でユーザが画像編集を指示する構成の場合、たとえば、ユーザインタフェース装置16のモニター画面上に、色剤残量、出力可能部数、ページ状態情報などの出力情報を提示(表示)し、画像入力端末3側での操作と同様に、その表示結果を参照して、編集を要するページやオブジェクトに対して編集指示を行なうことが可能に構成すればよい。また、たとえば、ドキュメントフィーダ12をタブレット付きのプラテンカバーにすることで、タブレット上で画像編集作業ができるように構成してもよい。複写モードにおいて画像編集作業を行なう構成として効果的な形態である。
何れにしても、画像出力端末7での出力処理が、印刷ジョブであるのか複写ジョブであるのかあるいはFAXジョブであるのかなど、ジョブの種別を問うことなく、色剤残量が不足している場合に、色剤残量、出力可能部数、ページ状態情報などの出力情報を画像編集作業に資する情報としてユーザに提示可能であるとともに、その画像編集作業に資する情報に基づいてその時点のトナー残量でジョブを完結し得るように画像を編集して再出力を指示可能にすればよい。
<画像編集機能に着目した画像処理システムの構成;第1実施形態>
図2は、色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第1実施形態の構成を示す機能ブロック図である。この第1実施形態の画像処理システム1は、印刷ジョブに対応したものであり、画像入力端末3としてのパソコン3aからPDL形式の印刷データや出力条件など示した印刷ジョブを受け取り、その印刷データを描画展開したページ画像の個々のピクセル濃度を解析することで、プリントエンジン側の色剤残量との関係における出力可能な残り部数や色剤の消費度合いなどを算出し、色剤残量に応じた出力順制御処理や、色剤残量に応じた画像編集制御処理を行なう点に特徴を有する。特に、後述する第2実施形態との相違としては、色剤残量に応じた画像編集制御処理を画像入力端末3側でのユーザによる画像編集操作を受けて行なう点に特徴を有する。
第1実施形態の画像処理システム1は、画像出力端末7が、クライアント(Client)端末とネットワーク接続可能なネットワークプリンタとして構成されている。クライアント端末から画像出力端末7へは、印刷ジョブデータとして、画像、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記述されたデータ(PDLデータという)が送られる。
第1実施形態の画像処理システム1において、クライアント側に配される画像入力端末3は、本発明に係る画像編集指示装置の機能を持つ。たとえば、図2に示すように、画像出力端末7に対して印刷指示を発する印刷指示部310と、その印刷指示を発する際の操作画面などをユーザ(クライアント)に表示もしくは印刷物で提示する印刷情報出力部320とを有している。印刷指示部310は、画像出力端末7に対して印刷の再出力を指示する機能も有する。第1実施形態において、画像編集機能は、画像入力端末3に組み込まれている文書作成用や画像加工用などのアプリケーションソフトAPを利用する。アプリケーションソフトAPが組み込まれた機能部分が画像編集部の機能をなすことになる。
また、画像出力端末7側のコントローラ部20として機能するプリンタサーバ8は、ジョブの色剤消費量とその時点の色剤残量とに基づいて色剤消費量と関連した画像編集に資する情報を取得し、この取得した画像編集に資する情報を参照して色剤消費量に関わる制御を行なう出力処理制御部19を備えている。
第1実施形態の出力処理制御部19は、ネットワーク接続されたクライアント端末である画像入力端末3(本例ではパソコン3a)から印刷用のジョブデータDJob を受け付けて印刷出力処理を制御する中央演算制御部(印刷制御部)710と、中央演算制御部710が受け付けた印刷ジョブ(PDLデータ)に基づき描画展開(RIP;Raster Image Process)する描画展開部714とを有している。
また出力処理制御部19は、描画展開部714により描画展開された画像データを画像出力部30側にて取扱い可能な色空間のデータ(印刷データ)に色変換する色変換部716と、中央演算制御部710が受け取ったPDLデータあるいは描画展開部714や色変換部716などにおける処理途中のデータを記憶するハードディスク装置(Hard Disk Drive )などからなるデータ記憶部718と、色変換係数を記憶する色変換係数記憶部764とを備えている。
また、画像出力端末7は、本実施形態特有の構成として、画像入力端末3から出力指示された印刷ジョブの色剤消費量を、色剤ごと、およびジョブもしくは処理対象画像(ページ単位の画像)ごとに算出する色剤消費量算出部720を備えている。この色剤消費量算出部720は、ユーザが指定した出力サイズにおける標準の色剤消費量に対する色剤消費量の割合を示す消費度合いを算出する消費度合い算出部の機能を備えている。
第1実施形態の出力処理制御部19はまた、色剤消費量算出部720が算出した色剤消費量とその時点の色剤残量とに基づき、残りの出力可能部数あるいは出力可能枚数(纏めて出力可能数ともいう)を算出する出力可能数算出部730と、色剤消費量算出部720や出力可能数算出部730が求めた色剤消費量や出力可能数、その他の出力情報をユーザに通知する出力情報通知部750とを有している。
中央演算制御部710は、出力可能数算出部730が算出した結果に基づいて処理対象ジョブごとに出力可否を判定することで、その時点において画像出力端末7が受け取っている全体のジョブについての出力動作を制御する。必要に応じて、画像入力端末3側に色剤消費量が少なくなるように画像編集を促し、再出力指示を受け付ける。
この際、出力情報通知部750は、出力可能数算出部730が算出した結果(残りの出力可能数)や中央演算制御部710が判定した個々の処理対象ジョブの出力可否などの出力情報を画像入力端末3に送って、画像入力端末3のモニター画面上に提示することでユーザに通知する。
また、中央演算制御部710は、画像入力端末3側からの描画展開部714へのジョブデータDJob の受け渡しや、描画展開部714と色変換部716との間のデータの受け渡しを担当する。なお、中央演算制御部710は、拡大もしくは縮小の指定がある場合や、Nアップ(出力用紙1ページに入力画像の複数ページを割り当てて出する態様)の指定などがある場合には、これらの処理後の印刷出力用データDprntを色剤消費量算出部720に渡す。
また、中央演算制御部710は、色剤消費量算出部720や出力可能数算出部730、あるいは色剤残量管理部770から通知される各種の算出結果を受け取り、それを一旦データ記憶部718に保存して出力可否の判定を行なうとともに、出力可否の判定情報をユーザに通知する際に、これらの算出結果の情報をデータ記憶部718から読み出してユーザに通知する。
また、中央演算制御部710は、複数のジョブを受け取っている場合には、出力可能数算出部730が算出した複数のジョブのそれぞれの出力可能数とこの複数のジョブのそれぞれの出力指示数とに基づいて、複数のジョブのそれぞれについての画像出力部30における画像形成処理の可否を判定することで、その複数のジョブについての画像形成処理の順序を制御する処理順制御部の機能を持つ。
描画展開部714は、中央演算制御部710を介して画像入力端末3から受け取ったジョブデータDJob に基づき画像入力端末3が取り扱う色空間(入力色空間;たとえばRGB空間)の画像データ(以下展開画像データという)DRip をページ単位で生成し、この生成した展開画像データDRip を中央演算制御部710に渡す。
色変換部716は、中央演算制御部710を介して受け取った入力色空間で表されている展開画像データ(本例ではRGBデータ)DRip を、画像出力部30が使用する色剤の色空間である出力色空間(たとえばCMYK空間)のデータ(印刷出力用データ)Dprntに変換し、この変換した印刷出力用データDprntを中央演算制御部710に渡す。
なお、色変換部716は、この色変換処理の際に、色変換係数記憶部764に格納してあるルックアップテーブルを利用する(後述する第3〜第5実施形態を参照)。すなわち、色変換部716は、RGBで表された処理対象データを取り込むと、色変換係数記憶部764にテーブル状に格納してある色変換係数を利用することで、入力値に対応した出力値を演算なしで得る。なお、この色変換係数の入力色空間は先に例にしたRGB色空間に限らず、たとえば、CMYK色空間やCIELab色空間などがある。
中央演算制御部710は、色変換部716から受け取った印刷出力用データDprntを色剤消費量算出部720に渡して色剤消費量を算出させるとともに、画像出力部30に渡して印刷出力処理を指示する。
なお、画像出力部30側においては、印刷出力用データDprntに対してさらに所望の信号処理を行なってもよいが、その場合の信号処理は、色剤の使用量に変化を与える処理は含まないものとする。つまり、色剤消費量算出部720が印刷出力用データDprntに基づき算出した色剤消費量は、その印刷出力用データDprntに基づき画像出力部30において印刷出力した際の色剤消費量と1対1に対応するようにする。
図示を割愛するが、画像出力部30側において印刷出力用データDprntに対してさらに色剤の使用量に変化を与える処理を行なう場合には、その処理後のデータを色剤消費量算出部720に渡すように構成する。こうすることで、色剤消費量算出部720は、画像出力部30において印刷出力した際の色剤消費量と1対1に対応する色剤消費量を算出することができる。
なお、色変換部716は、色変換後の画像データ(印刷出力用データDprnt)を中央演算制御部710に渡すので、色剤消費量算出部720は色変換後の印刷出力用データDprntを参照して色剤消費量を算出でき、結果として、中央演算制御部710は、色剤残量との関係での出力可否の判定を、色変換後の色剤消費量と色剤残量とに基づいて行なうことができるようになる。
たとえばR,G,Bの各データなど入力色の色空間上で算出すると、R,G,Bの各画像密度は、C,M,Y,Kの各データなど画像形成ユニット32が実際に使用する出力色の画像密度と1対1に整合しないので、出力可能数算出部730で算出される出力可能数の精度の問題を避けることができない。
これに対して、C,M,Y,Kの各データなど画像形成ユニット32が実際に使用する出力色の色空間上のデータに変換してから、各出力色についての色剤消費量を求めて出力可能数を算出することで、より実体に即した精度のよい出力可能数を求めることができるようになる。
画像形成装置の主要部をなす出力端末本体7aは、画像を印刷用紙に形成する画像形成ユニット32の他に、画像出力部30(詳しくは画像形成ユニット32)のプリントエンジンが使用する各出力色(たとえばC,M,Y,K)の色剤の残量(たとえばトナー残量やインク残量)Wを管理する色剤残量管理部770を備えている。なお、画像出力部30としては、2値(たとえば0,255)だけでなく、多値(たとえば0〜255)でマーキングすることができるものである。
この色剤残量管理部770は、画像出力部30が使用するたとえばC,M,Y,Kの色剤の残量Wを検出する色剤残量検出部772と、色剤残量検出部772が検出した色剤残量をユーザに通知する色剤残量通知部774とを備える。なお、この例では、色剤残量検出部772を出力端末本体7a側に設けているが、この色剤残量検出部772は、プリンタサーバ8側に設けてもよい。
また、色剤残量管理部770は、前回のジョブ後の色剤残量Wを記憶する色剤残量記憶部776と、画像出力部30における出力処理の出力枚数をカウントしそのカウント結果を保持する出力枚数計数部778とを備える。出力枚数計数部778は、色剤カートリッジの交換の際に、そのカウント値Coc(cは色剤色を示す)を“0”にリセットし、出力枚数に応じてカウントアップする。
色剤残量検出部772は、個々の印刷ジョブの一連の処理が終了するごとにジョブにおける色剤消費量を算出し、その結果を順に色剤カートリッジ(貯留槽)中の色剤の(既知の)元の量から減算することで、各出力色について色剤残量Wを算出する。ここでは色剤残量Wとして、色剤使用重量に対応した色剤残重量Wqc(cは色剤色を示す)を用いる。
たとえば、色剤残量検出部772は、中央演算制御部710からジョブ完了通知を受け取ると、前回の色剤残重量Wqcの演算後に色剤カートリッジ交換があったか否かを確かめ、色剤カートリッジ交換があったときは色剤カートリッジの色剤重量の初期値を色剤残重量Wqc-1とし、色剤カートリッジの交換がなかったときは、前回の色剤残重量Wqc-1を色剤残量記憶部776から読み出す。
そして、色剤残量検出部772は、色剤消費量算出部720で求められる各色剤の消費重量wを参照して、新しい色剤残重量Wqcを色剤ごとに算出し色剤残量記憶部776に記憶する。計算された色剤消費量を既知の残量から順次減算することで色剤残量を監視する構成としているので、色剤カートリッジ自体を所定のセンサで実際に感知したり調べたりすることなく“色剤切れ”を判定することができる。
たとえば、色剤残量検出部772は、色剤消費量算出部720で求められるページ消費重量wcpを参照して、その色剤色の新しい色剤残重量Wqcp を算出し色剤残量記憶部776に記憶する。ここで、1つのジョブにおける色剤残量Wqc(=Wqcj ;cは色剤色を示す;jはジョブ単位を示す)は、1つのジョブのページ数Npとし、ページごとに出力指示部数Cjpが設定される場合には、式(1)で示される。
すなわち、色剤消費量算出部720からページごとに各色剤のページ消費重量wcp(cは色剤色を示す;pはページ番号を示す)が通知されると、色剤残量検出部772は、出力枚数計数部778のカウント値Cocからページごとの出力指示部数Cjpを読み出し、色剤消費量算出部720で求められるページ消費重量wcpを参照して、下記式(1−1)に従ってページごとに出力部数分の総消費重量wcpp (末尾のpはページ番号を示す)を求る。さらに、下記式(1−2)に従って全ページ分の総消費重量wcpp を前回の色剤残重量Wqc-1から減算することで、ジョブ完了後の色剤残重量を求める。
Figure 2005250302
ただし、アプリケーションやプリンタドライバにおける出力指示では、ジョブ全体に対して出力部数を指示するのが一般的であり、ジョブ内のページごとに出力部数を個別に指示可能なアプリケーションやプリンタドライバは殆ど存在しないので、ジョブごとの出力指示部数Cj を算出基準とすることで、1つのジョブにおける色剤残重量Wqcj は、式(2)のように簡略化できる。
Figure 2005250302
式(1−2),(2−2)において、右辺の第1項は前回のジョブ完了後の該当色の色剤残量であり、右辺の第2項は、今回のジョブにおけるページ使用量を全ページについて加算したものであり、該当色のジョブ消費重量wcjを示す。
ジョブ全体に対して出力部数を指示する場合は、1つのジョブの総印刷出力ページ数Njはジョブごとの出力指示部数Cj ・ページ数Npとなる。1つのジョブのページ数が1ページである場合、総印刷出力ページ数Njは出力指示部数Cj =ページ数Npとなる。
色剤残量検出部772は、算出した色剤残重量Wqcj を出力可能数算出部730と色剤残量通知部774とに渡す。色剤残量通知部774は、常時、あるいは必要に応じて(たとえばユーザからの要求に応じて)、この色剤残重量Wqcj の情報を操作パネル部15aやパソコン3aのモニター画面にてユーザに通知する。
色剤消費量算出部720は、プリンタサーバ8がパソコン3aから印刷ジョブデータを受け取ったことを検知すると処理を開始する。色剤消費量算出部720は、ジョブの画像信号に基づき、出力用紙サイズや画像の濃淡に基づいて色剤消費量を算出する。
そしてこの際には、色剤消費量算出部720は、ジョブの画像信号の色空間である入力色空間(たとえば赤R,青B,緑G)の画像データに基づいて色剤消費量を算出するのではなく、画像形成ユニット32が使用する出力色の色空間である出力色空間(たとえばC,M,Y,K)の画像データに基づいて色剤消費量を算出する。つまり、入力画像データを色変換した後の画像データである画像出力部30が使用する色空間のデータを用いて色剤消費量を算出する。
また、色剤消費量算出部720は、ページごと、またオブジェクトごとに色剤消費量を算出する。こうすることで、色剤消費量算出部720は、ページやオブジェクトごとに色剤消費の度合いを算出することができるし、後段の出力可能数算出部730や中央演算制御部710も、ページやオブジェクトごとに出力可能数の算出や出力可否の判定を行なうことができるようになる。
また、画像出力端末7が印刷ジョブを受け取る都度、画像出力端末7が受け取った処理対象ジョブごとに、色剤消費量の計算を行なうことで、現在のジョブの画像特性(たとえばページ画像の特性)も考慮して色剤残量を計算することができる。また、初期のヒートアップ時や条件設定時に演算処理を終了させることで、印刷出力に必要な時間がこの演算処理のために長くなってしまうことは生じない。
具体的には、色剤消費量算出部720は、出力色空間(たとえばCMYK)で示された印刷出力用データDprntに基づき、画像ピクセル数だけでなく、個々の画像ピクセルの階調をも参照して、色剤の使用量をページ単位もしくはジョブ単位で算出する。
2値(たとえば0,255)でマーキングするプリンタの場合には、出力色空間で表された印刷出力用データDprntに基づき印字される画像のドット数(画像ピクセル数)を計数して画像密度を求めることで、ほぼ正確な色剤消費量を求めることができる。しかしながら、多値(たとえば0〜255)でマーキングするプリンタの場合には、画像密度を参照しただけでは正確な色剤消費量を求めることができない。たとえば、従来のように、画像密度を参照しただけでは、階調レベル“1”で印字したときと、階調レベル“255”で印字したときとでは、実際の色剤の使用量が異なるにも拘らず、同じ使用量であると算出してしまう。
この問題を解消するため、本実施形態では、入力画像データを画像出力部30に応じた出力色空間に色変換した後の印刷出力用データDprntを用いるとともに、その印刷出力用データDprntの画像ピクセル数だけでなく、個々の画像ピクセルの階調をも参照して、色剤の使用量を求める。
たとえば、出力端末本体7aのユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16、あるいは画像入力端末3としてのパソコン3aにおけるプリンタドライバ画面を介して指示される出力用紙サイズにおける有効印字領域の総ピクセル数Spと、印刷出力用データDprntで示される画像ピクセル階調Dkとを参照して、該当色剤における出力用紙1枚当たりの色剤消費量wや消費度合い(単位%)をオブジェクトごとやページごとに算出する。
色剤消費量wとしては、たとえば消費重量を使用するのがよく、この場合、該当色剤の色剤消費重量は、画素の階調を表すピクセルデータをD(i,j)(i,jは画素位置)としたとき、個々のオブジェクトの色剤消費重量であるオブジェクト消費重量wcpobは下記式(3−1)に従って、またページ当たりの色剤消費重量であるページ消費重量wcpは下記式(3−2)に従って、それぞれ求めることができる。ただし、k(255)は、階調レベル“255”で印字したときの1ピクセル当たりの消費重量であり、階調レベル“255”で有効印字領域の全面を印字したときの実測から求まる定数kとの間に、k=k(255)・Spの関係がある。
Figure 2005250302
また、色剤消費量算出部720は、出力用紙1枚当たりのオブジェクトの該当色剤の消費度合いであるオブジェクト消費度合いwcpob%や、ページの該当色剤の消費度合いであるページ消費度合いwcp%(単位%)を、下記式(4)に従って求める。
Figure 2005250302
なお、オブジェクト消費重量wcpobやオブジェクト消費度合いwcpob%に関しては、個々の文字、グラフィック、イメージについて求めてもよいが、個々の文字、グラフィック、イメージについてではなく、文字、グラフィック、イメージのそれぞれの全体について(オブジェクトを単位としたオブジェクトグループで)求めるようにしてもよい。
このオブジェクトグループでの算出結果を、それぞれオブジェクトグループ消費重量wcpgp,オブジェクトグループ消費度合いwcpgp%とする。各オブジェクトが多数ある場合に計算処理や計算結果の管理に有利であり、個々の文字、グラフィック、イメージについて編集を加えるのではなく、文字、グラフィック、あるいはイメージを単位として編集を加える際にも都合がよい。
また、オブジェクトグループを単位として求める場合であっても、特に色剤消費量の多い個別のオブジェクトに関しては、それ単独でオブジェクト消費重量wcpobやオブジェクト消費度合いwcpob%を求めておくとよい。こうすることで、文字、グラフィック、あるいはイメージを単位として編集を加える場合であっても、一律の編集ではなく、特に色剤消費量の多い個別オブジェクトに対しては特別の編集を加えることができる。
また、色剤消費量算出部720は、ジョブ全体の該当色剤におけるジョブ消費重量wcjを、ジョブ内のページごとに出力部数Cjpを個別に指示される場合には式(5−1)に従って、またジョブ全体に対して出力指示部数Cj が設定される場合には式(5−2)に従って算出する。
Figure 2005250302
また、色剤消費量算出部720は、ジョブ全体のジョブ消費重量wcjの消費度合いであるジョブ消費度合いwcj%(単位%)を、ジョブ内のページごとに出力指示部数Cjpが個別に指示される場合には式(6−1)に従って、総印刷出力ページ数Nj分についてページ消費度合いwcp%の相加平均をとることで求める。また、ジョブ全体に対して出力指示部数Cj が設定される場合には、より簡略化した式(6−2)に従ってページ数Np分についてページ消費度合いwcp%の単純平均をとることで求める。
Figure 2005250302
以上のようにして、色剤消費量算出部720は、色剤消費量や消費度合いを、色剤ごと、オブジェクトごと、ページごと、あるいはジョブごとに算出すると、その算出結果を中央演算制御部710や出力可能数算出部730に渡す。
出力可能数算出部730は、色剤消費量算出部720が算出する色剤消費量と、色剤残量検出部772が検出する色剤残量とに基づき、ユーザ指定の出力用紙サイズでの出力可能数nを計算して、その結果を中央演算制御部710に渡す。
本実施形態においては、出力可能数nとしては、ジョブごとの出力可能部数nj を算出してユーザに通知することにする。この場合、出力可能数算出部730は、色剤消費量算出部720が求めたジョブ全体のジョブ消費重量wcjと、色剤残量検出部772が求めた色剤残重量Wqcj とに基づき、色剤ごとの残りの出力可能部数njc、すなわち今後描写することができる予測部数を色剤ごとに下記式(7)に従って算出する。そして、それらのうちの最も出力可能部数njcの少ないものを、残りの出力可能部数nj の確定値とし、すなわち、全色剤の全てを考慮して残りの出力可能部数nj を算出し、この出力可能部数nj の確定値を中央演算制御部710に通知する。
Figure 2005250302
中央演算制御部710は、出力可能数算出部730が算出した出力可能部数nj に基づき処理対象ジョブごとに出力可否を判定する。そして、その時点の色剤残量に応じ、その時点において画像出力端末7が受け取っている全体のジョブについて出力順を制御する。
また、中央演算制御部710は、出力不可と判定したジョブについては、その旨の他、色剤消費量算出部720や出力可能数算出部730や色剤残量検出部772が算出した種々の値を画像編集に資する出力情報としてユーザに提示し、この提示に基づいての再出力指示を受け付けて再度同様のジョブ処理を行なう。
つまり、中央演算制御部710は、画像出力部30における出力処理に先立って、印刷ジョブの色剤消費量とその時点の色剤残量とに基づき残り出力可能部数nj を確認した上で、そのまま出力可能な場合には印刷処理を開始し、印刷不可な場合にはその旨や画像編集に資する出力情報を通知し、その通知に応じてユーザによって印刷可能に画像編集された後に出力処理をする。
中央演算制御部710は、出力可否の判定に際しては、たとえば出力可能部数nj がジョブで指示されている出力指示部数Cj 以上の場合には出力可能と判定し、画像出力部30に対して出力処理を指示する。
また、中央演算制御部710は、出力可能部数nj が出力指示部数Cj 未満の場合には出力不可と判定し、その旨を示す判定情報J、色剤残重量Wqc、オブジェクト消費重量wcpob、ページ消費重量wcp、ジョブ消費重量wcj、消費度合いwcpob%,wcp%,wcj%、出力可能部数nj などの、画像編集に資する出力情報を出力情報通知部750を介してユーザに通知する。
このとき中央演算制御部710は、出力を保留するジョブデータをデータ記憶部718に保存しておく。そのジョブについて再出力指示を受けるときは、その指示のみや編集された特定ページのデータのみを受け取ることでネットワーク負荷を軽減するためである。
たとえば、出力情報通知部750は、色剤消費量に関しての警告を発する。このとき、複数ページに亘るジョブの場合、多くの色剤を消費している問題のページを容易に特定可能な情報も通知する。たとえば、確認のために通知画面上でページを捲っているときに、色剤消費量の多いページの表示時には、他の問題のないページと異なる表示態様を採るとよい。たとえば、警告欄を設けておき、色剤消費量の多いページの表示時には、その警告欄にチェックを入れる、あるいは、色剤消費量の多いページの表示時には、警告メッセージを表示(点滅させてもよい)もしくは音声で発する、などである。
なお、出力可能部数nj が出力指示部数Cj 以上であっても、出力可能部数nj が出力指示部数Cj とほぼ等しい場合“要注意”と判定し、ユーザへの確認を求めるようにしてもよい。計算上は出力可能であっても、誤差により、実際に出力すると色剤不足になることで出力処理が中断されることを回避可能にするためである。
また色剤消費量算出部720が、ページごとやオブジェクトごとに色剤消費量を算出することで、中央演算制御部710は、色剤消費量の多いページやオブジェクトを判定することができる。中央演算制御部710は、出力可否の情報を出力情報通知部750を介してユーザに通知する際、オブジェクト消費重量wcpob、ページ消費重量wcp、あるいはオブジェクト消費度合いwcpob%,wcp%などにより、この色剤消費量の多いページやオブジェクトの情報も通知することができる。
なお、この通知に際しては、色剤消費量が多いページにおいて、色剤消費量が多いオブジェクトの情報を、たとえば、低解像度で色剤消費が多い領域を警告色で塗り替えて表示するなどの手法を採るのがよい。
ユーザは、その通知をチェックし、問題のある該当ページのオブジェクト構成(色や濃度など)を、問題の色剤についてその消費量が少なくなるように変更してから、再度印刷を指示する。
色剤消費量の多いページや色剤消費量が多いオブジェクトの情報をユーザに通知することで、何れのページやオブジェクトを画像編集すれば出力可能になるかが直ぐに分かるので、画像編集作業(原稿再作成)の効率化を図ることが容易になる。
たとえば、大量印刷を行なう場合、事前に色剤残量と残り出力可能部数nj を確認した上で、出力可能な場合に大量印刷を開始する。また、色剤残量が少ない場合や出力不可の場合は、多くの色剤を消費する問題のページの情報を出力情報通知部750を介してユーザに通知し、その通知に基づくユーザの再度の指示を受け付ける。
複数のジョブを受け付けている場合には、出力不可と判定したジョブに関しては出力処理を保留し、2番目以降のジョブの処理に移行する。そして、この2番目以降のジョブに関して出力可能なものがある場合、その出力可能なジョブを保留したジョブよりも優先させて出力処理する。これにより、複数のジョブを受け付けている場合には、受け付けたジョブ順に拘らず、その時点の色剤残量との関係で出力可能なジョブを優先して出力処理することにより、全体としての出力処理の効率化を図ることができる。
また、プリンタサーバ8は、好ましくは、その出力可能なジョブを優先させて出力処理をした後には、出力処理を保留したジョブに関して、出力可能部数や色剤残量や色剤消費量などの画像編集に資する出力情報を再計算して再度ユーザに通知するのがよい。先の通知時の色剤残量と現時点の色剤残量とが異なっているから、より実体に即した画像編集の指標として、更新後の残量などをユーザに通知するためである。
図3は、中央演算制御部710が出力情報通知部750を介して画像編集に資する情報をユーザに提示するに当たって、画像出力端末7内のデータ記憶部718に管理する情報(画像編集に資する情報)を纏めた管理テーブルの一例を示す図である。
中央演算制御部710は、色剤消費量算出部720、出力可能数算出部730、および色剤残量管理部770で算出もしくは検出された結果を、オブジェクトやページやジョブごとに、管理テーブルにジョブファイルと対応付けて管理する。図示した例では、C色について例示している。
たとえば、管理テーブルT10には、出力ジョブのファイル名やそのジョブで指示されている出力指示部数Cj や総印刷出力ページ数Njなどの基本情報を格納する基本情報管理領域T10a、各色剤についての色剤使用状況を格納する色剤使用情報格納領域T10b、出力可能数格納領域T10c、および色剤残量格納領域T10dを用意する。
中央演算制御部710は、個々のオブジェクトの色剤消費重量であるオブジェクト消費重量wcpobやその消費度合いであるオブジェクト消費度合いwcpob%と、オブジェクトグループごとのオブジェクトグループ消費重量wcpgpやオブジェクトグループ消費度合いwcpgp%をページごとに、また、ページ単位での消費重量であるページ消費重量wcpやその消費度合いであるページ消費度合いwcp%を、さらにジョブ単位での消費重量であるジョブ消費重量wcjやその消費度合いであるジョブ消費度合いwcj%を色剤消費量算出部720から受け取ると、これらの算出結果を図3に示す管理テーブルT10の色剤使用情報格納領域T10bに格納する。
また、中央演算制御部710は、出力可能数算出部730から出力可能部数nj を受け取ると、この算出結果を図3に示す管理テーブルT10の出力可能数格納領域T10cに格納する。また、中央演算制御部710は、色剤残量管理部770の色剤残量検出部772から、各色剤の色剤残重量Wqcj を受け取ると、この検出結果を図3に示す管理テーブルT10の色剤残量格納領域T10dに格納する。
そして、中央演算制御部710は、出力情報通知部750を介して出力可否の判定結果をユーザに通知する際には、その判定結果を示す判定情報Jとともに、管理テーブルに格納しておいた、前述の出力可能部数nj ,オブジェクト消費重量wcpob,オブジェクト消費度合いwcpob%,オブジェクトグループ消費重量wcpgp,オブジェクトグループ消費度合いwcpgp%,ページ消費重量wcp,ページ消費度合いwcp%,ジョブ消費重量wcj,ジョブ消費度合いwcj%の各算出結果を画像編集に資する情報としてを出力情報通知部750に渡す。
<出力情報提示の第1例>
図4は、印刷情報出力部320が、出力情報としての印刷情報をユーザに通知する際の画面の第1例を示した図である。
出力情報通知部750は、中央演算制御部710を介して、出力可能部数nj ,オブジェクト消費重量wcpob,オブジェクト消費度合いwcpob%,オブジェクトグループ消費重量wcpgp,オブジェクトグループ消費度合いwcpgp%,ページ消費重量wcp,ページ消費度合いwcp%,ジョブ消費重量wcj,ジョブ消費度合いwcj%の各算出結果を画像編集に資する情報として受け取ると、これらの情報に基づき、色剤消費量の多いオブジェクトやページの情報を、常時、あるいはユーザからの要求に応じて、操作パネル部15aや画像入力端末3のモニター画面にてユーザに提示する。
たとえば、図4に示す第1例の通知画面では、クライアントPCとしてのパソコン3aのモニター画面上への表示例を示している。この場合、クライアントPCとしてのパソコン3aでは、印刷情報出力部320が出力情報通知部750からの出力情報を受け取る。印刷情報出力部320は、出力情報をパソコン3aのモニター画面にてユーザに提示するべく、画面データを生成し、その画面データに基づいて通知画面を表示出力する。
なお、出力情報通知部750にて通知用の画面データを生成し、この画面データを印刷情報出力部320などに送付して表示する形態を採ってもよい。最終的に、パソコン3aのモニター画面上などに、消費度合いや出力可能部数nj や判定情報Jなどが表示されればよく、その間の具体的な仕組みに関しては様々な手法を採り得る。
たとえば、出力指示を発した印刷ジョブのRIP画像を、図中左上側の画像表示領域R1に表示する。画像表示領域R1の下部には印刷ジョブのファイル名R2(本例では“ジョブファイル1”)を表示する。複数ページに亘る印刷ジョブの場合、何れのページを画像表示領域R1に表示するかをプルダウンメニューR4で指示できるようにする。また、このプルダウンメニューR4の中には(たとえばトップには)ジョブ全体の指定が可能にしておく。
画像表示領域R1の図中右側には、印刷指示部数Cj の表示欄(指示部数欄)R10、印刷可能部数nの表示欄(可能部数欄)R12を表示し、その右側には再印刷を指示する再印刷指示ボタンB14、これらの下部には、色剤としてのトナーの残量の表示欄(残量欄)R20、ジョブ情報やページ情報としての色剤の消費度合いを示す表示欄(消費度合い欄)R30を表示する。
消費度合いに代えて色剤消費量を表示してもよいが、装置によってk(255)の値すなわち基準使用量が異なるので、色剤消費量そのものを表示しても消費度合いが大きいのか少ないのかを直感的に知ることは難しい。これに対して、消費度合い(単位%)を表示することで正規化した情報を提示でき消費度合いが大きいのか少ないのかを直感的に知ることができ、また、従来の画像密度を%表示にて提示するシステムとの親和性もある。
残量欄R20と消費度合い欄R30は、トナーの色(本例ではC,M,Y,K)ごとに表示欄を設ける。ジョブが複数ページに亘る場合、プルダウンメニューR4にてページを指定することで、消費度合い欄R30には、そのページの消費度合いが表示される。また、プルダウンメニューR4にてジョブ全体を指定することで、ジョブ全体としての消費度合いが表示される。
なお、本例では、ジョブ全体に対して出力指示部数Cj が設定される場合を示しているが、ジョブ内のページごとに出力指示部数Cjpが個別に指示される場合には、そこことが分かるようにしつつ、指示部数欄R10にそのページごとの出力指示部数Cjpを表示すればよい。たとえば指示部数欄R10の右側に、ジョブ単位であるのかページ単位であるのかを明示すればよい。
図示した例では、指示した印刷ジョブの3ページ目の画像は、オブジェクトとして、テキストG1と、グラフィックG3と、イメージG5とが混在している。印刷ジョブの印刷指示部数が150部、印刷可能部数が50部であり、その時点のトナー残量との関係で、このままでは、同一のトナーカートリッジを用いたのでは印刷ジョブを完了させることができず、印刷が止まってしまうことが分かる。また、仮にそのままで印刷ジョブを完了させようとすると、カートリッジ交換をしなくてはならない。カートリッジを交換すると、その切替えの前後で色再現性や階調具合が異なるなどの現象が生じ得る。
この場合ユーザは、残量欄R20に表示されている各出力色のトナー残量と、消費度合い欄R30に表示されている各出力色の消費度合いとに基づき、印刷不可の原因となった出力色を特定することができる。
本例では、個々の色剤のトナー残量は、C=60%,M=70%,Y=80%,K=5%であり、また印刷ジョブの3ページ目における画像の各出力色の消費度合いは、C=10%,M=20%,Y=20%,K=60%であるから、印刷不可の原因となった出力色がK色(ブラック)であると特定することができる。
これを受けて、ユーザは、印刷不可となったページにおける色剤消費量の多い色成分を、その色の色剤消費量が少なくなるようにそのページ画像を編集する。たとえばK色の色剤が少ない場合には墨量が少なく、逆にK色以外の色剤が少ない場合には墨量が多くなるように画像を編集する。あるいは、全体のトナー使用量が少なくなるように、薄い画像に編集してもよい。本例では、印刷不可となった原因である3ページ目におけるK色の使用量が少なくなるように3ページ目の画像を編集すればよい。具体的には、3ページ目の画像を表しているテキストG1、グラフィックG3、イメージG5の何れかもしくは全部を有彩色や白に近いグレーに変更するなど、オブジェクト構成を変更する。
一般的な印刷ジョブ画像では、イメージオブジェクトは面積が大きくトナー使用量はテキストオブジェクトやグラフィックオブジェクトよりも多いので、イメージオブジェクトの出力色属性を変更するのが有効である。あるいは、テキストオブジェクトやグラフィックオブジェクトでも情報量が多くて低解像度の場合には色剤消費が多くなることもあるから、オブジェクトに拘らず低解像度で色剤消費が多い領域を画像編集の対象としてもよい。何れにしても、色剤残量の少ない出力色の成分について、色剤消費量がより少なくなるように画像を編集すればよい。
この後、再印刷指示ボタンB14をクリックして再印刷を指示する。こうすることで、画像出力部30における出力処理時、印刷不可の原因となった出力色(本例ではK色)の色剤消費量を先のジョブ指示時よりも少なくすることで、印刷出力が可能になる。
これにより、たとえば大量にプリントする際に、プリントの途中で印刷が止まることなく、トナー残量が少ない同一のカートリッジを使用して、そのジョブを完結させることができる。カートリッジ交換が不要になるから、ジョブの途中で色再現の違いを避けながらプリントすることが可能になる。
なお、オブジェクト構成を変更した後の対象ページの像密度や使用度合いを確認することなく即時に再出力を指示すると、画像編集後でも出力不可となることも起こり得る。このため、オブジェクト構成を変更するなど画像編集した後の対象ページの画像密度や使用度合いをパソコン3a側で即時に確認できるような仕組みを設けるのがよい。
たとえば、パソコン3aとプリンタサーバ8との間でそのやり取りをしてもよいし、パソコン3a側にスタンドアロンで動作するシミュレーションソフトを組み込んでおき、そのソフトを利用して確認するようにしてもよい。トナー残量に関しては既にパソコン3a側に通知されているので、パソコン3a側で、画像密度検出部714の機能をなすプログラムを組み込んでおけばよく、プリンタサーバ8に組み込む全体のソフトよりのコンパクトなものでよい。
なお、再出力を指示する際には、画像入力端末3(本例ではパソコン3a)は、その編集した印刷ジョブの全体のデータを送付するのではなく、編集した印刷ジョブのファイル名を特定可能な識別子を付けて、編集した特定ページのジョブデータだけを送付するのがよい。プリンタサーバ8は、先の処理時にデータ記憶部718に保存しておいたデータ中の、編集済みの特定ページを差し替えてから、前述と同様の処理を行なう。こうすることで、データ転送量を少なくすることで、ネットワーク負荷を軽減することができる。
<出力情報提示の第2例>
図5は、印刷情報出力部320が、出力情報としての印刷情報をユーザに通知する際の画面の第2例を示した図である。
この第2例の通知画面は、画像編集に資する出力情報をユーザに通知する際に、色剤消費量が多いページや、その色剤消費量が多いページにおける色剤消費量が多いオブジェクトを容易に特定可能にする表示態様を採っている点に特徴を有する。
具体的には、色剤消費量が多いページに関しては、色剤(本例ではトナー)消費量の多いページを画像表示領域R1に表示しているときには、警告表示を発するようにする。たとえば、画像表示領域R1の下部に色剤消費量警告のメッセージR16を表示するとともにチェック欄(警告欄)R18を設けておき、確認のために画像表示領域R1でページを捲っているときに、色剤消費量の多いページの表示時には、そのチェック欄R18にチェックマークを入れる。また、画像表示領域R1では、低解像度で色剤消費が多い領域を警告色で塗り替えて表示する。
このように色剤消費量の多いページの情報を通知することで、ユーザは、提示された画面から、色剤消費量の多いページやオブジェクトを即時に判定することができる。ユーザは、問題のある該当ページのオブジェクト構成(色や濃度など)を、問題の色剤についてその消費量が少なくなるように変更してから、再度印刷を指示することができる。色剤消費量の多いページや色剤消費量が多いオブジェクトの情報を通知することで、何れのページやオブジェクトを画像編集すればよいかが直ぐに分かるので、画像編集作業(原稿再作成)の効率化を図ることが容易になる。
<第1実施形態の処理手順の概要>
図6は、第1実施形態の画像処理システム1における処理手順の概要を示すフローチャートである。
画像入力端末3側において、ユーザは所定のアプリケーションソフトを用いて文書データを生成した後、プリンタドライバ画面にて印刷ジョブを画像出力端末7側へ指示する(S110)。
この指示を受けたコントローラ側であるプリンタサーバ8において、中央演算制御部710は、印刷ジョブを受け取ると(S120)、この受け取った印刷ジョブをデータ記憶部718に保持するとともに、印刷ジョブを描画展開部714に渡し、描画展開部714にて描画展開してラスターイメージを生成する(S122)。描画展開部714は、生成したラスターイメージを中央演算制御部710に渡す。
中央演算制御部710は、描画展開部714から受け取ったラスターイメージを色変換部716に渡し、色変換部716にて画像データの色空間を、入力色空間から出力色空間に変換する(S124)。色変換部716は、色変換したラスターイメージを中央演算制御部710に渡す。中央演算制御部710は、この色変換後のラスターイメージを色剤消費量算出部720に渡すとともにデータ記憶部718に保存し、出力可能数算出部730からの出力可能部数nj などの入力を待つ(S154)。
色剤消費量算出部720は、出力色空間で示された印刷出力用データDprntを中央演算制御部710を介して取得するとともに、印刷ジョブで指示されている出力用紙サイズSpを取得し(S130)、RIP処理後の印刷出力用データDprntを元にピクセル単位で階調レベルをも参照することで、出力用紙1枚当たりの色剤消費重量w(ページ単位の色剤消費量)やジョブ単位での色剤消費量、さらにページ単位やジョブ単位の色剤の消費度合いを色剤ごとに求め、その結果を出力可能数算出部730に渡す(S134)。
画像出力部30側においては、一連の出力処理が終了するごとにトナー残重量算出処理を行なっている。たとえば、画像出力部30における出力処理の終了によって処理を開始し(S140−YES)、前回のトナー残重量Wの演算後にトナーカートリッジの交換があったかどうかを確かめる(S142)。
トナーカートリッジの交換があったときはトナーカートリッジのトナー重量の初期値をトナー残重量Wq-1 として採用し(S142−YES,S144)、トナーカートリッジの交換がなかったときは、前回のトナー残重量Wq-1 を色剤残量記憶部776から読み出す(S142−NO,S146)。
そして、出力枚数計数部778のカウント値Co を読み出して、新しいトナー残重量Wqcを求め(S148)、求めたトナー残重量Wqcを出力可能数算出部730に通知するとともに、色剤残量記憶部776に記憶する(S150)。
出力可能数算出部730は、色剤消費量算出部720から色剤消費量(wcjもしくはページごとのwcp)を、また色剤残量管理部770から色剤残量の入力を受け付けると、色剤消費量算出部720で求めた色剤消費量と、色剤残量検出部772からのトナー残重量Wqcとに基づき、出力可能数を算出し、その結果を中央演算制御部710に通知する(S152)。
そして、トナー残重量Wを色剤消費重量wで割ることにより、出力可能部数nj を出力色ごとに算出し、最終的な出力可能部数nj を特定し、特定した出力可能部数nj を中央演算制御部710と出力情報通知部750とに通知する(S158)。なお、印刷ジョブが複数ページに亘るものである場合、上記処理を各ページについて行なうことで、その印刷ジョブ全体についての最終的な出力可能部数nj を特定する。
中央演算制御部710は、出力可能数算出部730が算出した出力可能部数nj を参照して、その時点のトナー残量に応じて、その時点において画像出力端末7が受け取っている全体の印刷ジョブを勘案して、処理対象の印刷ジョブごとに出力可否を判定する(S160)。たとえば、そのまま出力可能な場合には、直ちに印刷処理を開始する(S160−YES,S162)。そして、次の印刷ジョブの入力を待つ。
一方、印刷不可な場合にはそのジョブを保留してその旨を出力情報通知部750に通知する(S160−NO,S164)。出力情報通知部750は、その印刷不可な旨や出力可能部数や消費度合いなどの画像編集に資する出力情報を画像入力端末3に通知する(S166)。これを受けて、印刷情報出力部320は、図4や図5に示したように、モニター画面に画像編集に資する出力情報を表示する(S168)。
また、その時点において画像出力端末7が複数の印刷ジョブを受け取っている場合、すなわち他のジョブが存在する場合、2番目以降のジョブについても上記と同様の処理を行ない、その2番目以降のジョブについて出力可能なものがあるか否かを同様に判定する(S110〜S160)。そして、2番目以降に出力可能なジョブがある場合、その出力可能なジョブを保留したジョブよりも優先させて出力処理する(S170−YES,S172)。他のジョブが存在しなければ、次のジョブ受付けを待機する(S170−NO)。
また、保留したジョブよりも優先させて他の印刷ジョブを出力処理したときには、出力処理を保留したジョブに関して、出力可能部数や色剤残量や消費度合いなどの画像編集に資する出力情報を上記と同様にして再計算して、画像入力端末3に通知する(S176)。これを受けて、印刷情報出力部320は、図4や図5に示したように、モニター画面に画像編集に資する更新後の情報を表示する(S178)。
以上のように、第1実施形態の構成においては、中央演算制御部710が、処理対象ジョブとしての印刷ジョブごとに、トナー残量との関わりにおける出力可否を自動的に判定することで、ユーザの手を煩わせることなく(出力可否の判定をユーザが行なう必要がない)、複数のジョブを効率的に実行できるようになる。印刷可能なジョブを優先させることにより、作業の効率化を図ることができる。
また、ジョブに対する画像出力部30における実際の出力処理の実行前に、残りの出力可能部数の算出と出力可否の判定をジョブごとに行なって事前にユーザに通知することも可能であり、ユーザは、あと何枚出力できるかを具体的に知ることができ、たとえばトナー切れによりジョブ途中から画像が薄くなるなどの不具合を解消することができる。
トナー切れを起こさないようにジョブを実行させたければ、提示された出力情報を参照して、画像における色剤消費量の多い色成分が少なくなるように画像編集してから再度出力指示を発することで、プリントの途中で印刷が止まることなくプリントすることが可能になる。たとえば、大量に出力処理する際に、出力処理の途中でプリント出力が止まることなく、具体的に残り印刷枚数を確認しながらプリントすることが可能である。
また、一度は出力不可とされたジョブを実質的に出力可能に切り替えることで、ジョブの途中で処理を止めることなく完結させることができ、ジョブ全体を一様な色再現で処理することができる。よって、カートリッジ交換によるジョブ途中の色再現の違いを避けながらプリントすることが可能になる。
<画像編集機能に着目した画像処理システムの構成;第2実施形態>
図7は、色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第2実施形態の構成を示す機能ブロック図である。この第2実施形態の画像処理システム1は、複写ジョブに対応したものであり、画像入力端末としての画像読取部10を使用して取り込んだスキャン画像を受け取り、そのスキャン画像の個々のピクセル濃度を解析することで、プリントエンジン側の色剤残量との関係における出力可能な残り部数や色剤の消費度合いなどを算出し、色剤残量に応じた出力順制御処理や、色剤残量に応じた画像編集制御処理を行なう点に特徴を有する。
特に、前述の第1実施形態との相違としては、色剤残量に応じた画像編集制御処理を画像出力端末7側でのユーザによる画像編集操作を受けて行なう点に特徴を有する。なお、この第2実施形態の構成は、複写ジョブにおけるスキャン画像に限らず、印刷ジョブにおける印刷データを描画展開したページ画像に対して、画像出力端末7側にてユーザにより画像編集操作を受け付ける構成とすることもできる。
第2実施形態の画像処理システム1において、画像出力端末7のユーザインタフェース部15もしくはユーザインタフェース装置16は、本発明に係る画像編集指示装置の機能を持つ。たとえば、ユーザインタフェース部15は、操作パネル部15aと、編集パネル17と、複写情報出力部322とを備えている。このような構成においては、操作パネル部15aや編集パネル17が、画像編集部18の機能をなすことになる。複写情報出力部322は、第1実施形態の印刷情報出力部320と同様の機能を持つ。複写情報出力部322の表示デバイスとしては、操作パネル部15aの表示面を利用してもよいし、ユーザインタフェース装置16の表示デバイス16a(モニター画面)を利用してもよい。
出力端末本体7aにおける複写動作時には、操作パネル部15aを介したユーザ指示により、出力端末本体7aに備えられる画像読取部10(スキャナ部)から読取データがプリンタサーバ8に入力される形態を採る。この場合、プリンタサーバ8は、画像読取部10から取り込んだ読取画像データを対象として印刷出力(本例では特に複写出力)用データを生成し、出力端末本体7aに渡す。
このため、プリンタサーバ8は、PDLデータなどの印刷データを描画展開する描画展開部714を備えていない。中央演算制御部710は、画像読取部10から取り込んだスキャン画像を取り込むと、色変換部716に渡す。色変換部716は、画像読取部10側が取り扱う色空間(入力色空間;たとえばRGB空間)のデータを、画像出力部30が使用する色剤の色空間である出力色空間(たとえばCMYK空間)のデータ(印刷出力用データ)に変換し、中央演算制御部710に渡す。
色剤消費量算出部720は、ドキュメントフィーダ12に新しい原稿がセットされたことを検出すると処理を開始する。色剤消費量算出部720は、複写ジョブの画像信号に基づき、画像の濃淡に基づいて色剤消費量を算出する。出力可能数算出部730の動作は、第1実施形態と同様である。
画像読取部10で読み取ったスキャン画像に対して画像出力端末7側でユーザが画像編集を指示可能にするため、たとえば、複写情報出力部322は、出力情報通知部750から出力可能部数や色剤の消費度合いなどの画像編集に資する出力情報を受け取ると、たとえばユーザインタフェース装置16の表示デバイス16a上に、出力可能部数、色剤残量、あるいは色剤の消費度合いなどのページ状態情報を画像編集に資する出力情報として提示(表示)する。
また、ユーザインタフェース装置16の表示デバイス16aや専用の編集タブレットなどを利用した編集パネル17を利用することで、第1実施形態の印刷ジョブにおいて画像入力端末3側で画像編集操作を行なったのと同様に、その画像編集に資する出力情報の表示結果を参照して、編集を要するページやオブジェクトに対して編集指示を行なうことが可能に構成する。たとえば、画像加工用のアプリケーションソフトAPを利用することができるし、専用のハードウェア処理回路で画像編集を行なうようにしてもよい。つまり、第2実施形態の構成では、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16が、本発明に係る画像編集指示装置の機能を持つ。
なお、この第2実施形態の画像処理システム1における処理手順の概要は、印刷と複写の違いを除いて、概ね図7に示した第1実施形態の手順と同様であるので、ここではその手順を示したフローチャートの図示と説明を割愛する。また、この第2実施形態の構成において得られる効果は、印刷と複写の違いがあるだけであるから、本質的に、第1実施形態と同様である。
<画像編集機能に着目した画像処理システムの構成;第3実施形態>
図8は、色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第3実施形態の構成を示す機能ブロック図である。また、図9は、色変換係数演算部762の動作を説明する図である。また、図10は、第3実施形態における色変換係数記憶部764のデータ格納構造を説明する図である。
この第3実施形態の画像処理システム1は、ジョブで指定されている画像処理条件では出力不可となる場合には、色剤消費量に関わる画像編集処理と連動してそのジョブについての画像形成処理を制御するようにした点に特徴を有する。
特に、トナー残量との関係で残りの出力可能部数が少なく指示された印刷ジョブに基づいて印刷不可な場合には、ユーザ指示に基づいて画像出力端末7側で色変換係数を変更することで画像を編集し、色剤切れを起こさない状態に切り替える、すなわち印刷可能な印刷パラメータに切り替えるようにした点に特徴を有する。つまり、プリントジョブを印刷不可と判定したとき、ユーザ指示に基づき、他の色変換係数に変更して印刷処理を行なうものである。
たとえば、色変換部716にて色変換処理をした結果、ユーザの指定部数が印刷可能かどうかを中央演算制御部710で判定し、印刷可能な場合は印刷を実行するが、トナー残量との関係で残りの出力可能部数が少なく指示された印刷ジョブに基づいて印刷不可能な場合には、出力情報通知部750を介して印刷情報出力部320にて印刷可能部数や色剤の消費度合いなどの画像編集に資する出力情報を表示する。そして、印刷可能なようにユーザからの墨量やこの墨量に対応した所定の指標値の設定指示を受け付けて色変換係数を切り替えてから再出力処理を行なう。
なお、ここでは第1実施形態に対する変形態様として、印刷データを対象として画像入力端末3側でのユーザ操作により編集指示を行なう構成について示すが、第2実施形態に対する変形態様として、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16を利用することで、複写ジョブでのスキャン画像もしくは印刷データ(描画展開後の画像データ)を対象として画像出力端末7側でのユーザ操作により編集指示を行なう構成とすることもできる。以下具体的に説明する。
この第3実施形態の画像処理システム1は、第1実施形態の構成に加えて、先ず画像入力端末3は、画像出力端末7に対して画像処理条件を切り替える画像編集指示を発する画像編集指示部330を備えている。この第3実施形態における画像編集指示としては、出力媒体上に形成される画像における色剤としての墨成分の量(墨量)や墨量に対応した指標値をプリンタサーバ8に指示することで行なうか、あるいは、全体の色剤消費量の変更を指示することで行なう。墨量に対応した指標値としては、たとえば墨量調整係数を示すUCR(Under Colour Removal;下色除去処理)率を利用することができる。
また、画像出力端末7側のプリンタサーバ8は、画像編集指示部330からの指示に基づいて色変換係数を算出する色変換係数演算部762と、種々の色変換係数をテーブルデータとして記憶する色変換係数記憶部764とを備えている。
色変換係数記憶部764には、図10に示すように、装置側にて予め用意しておく色変換係数を格納するプリセット領域764Pと、ユーザにより設定される墨量や墨量に対応した指標値(本例ではUCR率)に応じて色変換係数演算部762が生成した色変換係数を格納するユーザ領域764Uとが設けられている。
色変換係数記憶部764に格納される色変換係数テーブルを、カラールックアップテーブルCLUT(Colour Look Up Table)という。このカラールックアップテーブルCLUTとしては、多次元のダイレクトルックアップテーブルを利用する。ダイレクトルックアップテーブルを利用した色変換法は、入力色空間を格子によって分割し、その格子点に対応する出力色空間のデータ(格子点データ)を用意する。
色変換係数演算部762は、画像入力端末3側の画像編集指示部330から指定された墨量あるいは墨量に対応したUCR率に基づいて、格子点データである色変換係数すなわち入力信号に対応する出力値を予め算出し、この計算した色変換係数をテーブル構造にして色変換係数記憶部764に格納する。墨量や墨量に対応した指標値の設定は文字(テキスト)、図形やクリップアートあるいはCG(コンピュータグラフィック)アートなどを示すグラフィック、写真などのビットマップ画像を示すイメージなどのオブジェクトごとに設定してもよい。
たとえば、色変換係数演算部762は、図入力色空間がRGBの場合、図9に示すように、入力デバイス依存のRGBデータをデバイス非依存のLabデータに変換するカラールックアップテーブルCLUT(RGB→Lab変換LUT)を予め格納しておく。また、色変換係数演算部762は、出力プリンタの特性データを示す、たとえばデバイス非依存のLabデータを出力プリンタ依存のYMCKに対応付けるデータを格納しておく。
そして、色変換係数演算部762は、“RGB→Lab変換LUT”を用いて入力色空間(RGB色空間)からLab色空間のデータを算出した後には、さらに、算出したLab値とユーザより設定される墨量や墨量に対応した指標値とに基づき、出力プリンタの特性データを用いて色差最小法によりYMCK値を算出する。このような色差最小法を用いた算出手法に関しては、公知の技術であるので、ここではその詳細な説明は割愛する。
このようにして、ユーザによって設定される墨量や墨量に対応した指標値に応じた、入力RGBデータ(すなわち入力色空間)を出力CMYKデータ(出力色空間)に対応付ける色変換係数を作成した後には、色変換係数演算部762は、この色変換係数を色変換係数記憶部764のユーザ領域764Uに格納しておく。
ここで、3色(RGB)の入力画像データを、出力デバイスの4色(CMYK)の1色に変換する処理をルックアップテーブルを用いて行なう場合に、1つの入力値の組合せに対して1つの格子点データを割り当てると、膨大なメモリ容量が必要となる。そこで、本実施形態では、補間演算処理を併用することによって、用いるルックアップテーブルのメモリ容量を小さなものとする。
補間演算としては、たとえば、比較的補間精度がよい補間方法である立方体補間法(5点補間法;Cubic 補間法)や、比較的回路規模が小さな補間方法である4点補間法(テトラ・ハイドラ補間;Tetra-Hydra 補間;4面体補間ともいわれる)など、公知の補間方法を利用することができる。なお、これら公知の補間方法としては、たとえば、特開平8−181874号公報、特公昭58−16180号公報、あるいは、特開昭56−14237号公報などを参照するとよい。
色変換部716は、色変換処理に際して、色変換係数記憶部764から読み出した所定の色変換係数(格子点データ)を使用して、また必要に応じて(入力データが格子点から外れているとき)補間演算を行なうことで、入力色空間の画像データ(たとえばRGBデータ)を出力色空間の画像データ(たとえばCMYKデータ)に変換する。
このような第3実施形態の構成においては、画像入力端末3は、墨量やUCR率を画像出力端末7に通知することで画像出力端末7に画像編集処理を指示する画像編集指示部330を備えることにより、画像編集指示装置の機能を持つ。また画像出力端末7は、中央演算制御部710、色変換部716、色変換係数演算部762、および色変換係数記憶部764にて、色剤消費量に関わる画像処理条件を切り替えて処理する画像編集部18の機能が実現されるようになる。
<画像編集指示画面;第1例>
図11は、第3実施形態の構成において、画像編集指示部330が画像編集指示を発する際の操作画面例を示した図である。第3実施形態の構成においては、ユーザは、墨量や墨量に対応した指標値をプリンタサーバ8に指示する。
たとえば、画像編集指示部330は、図11に示すような指示画面をユーザに提示する。ここで、上段のチェックボックスR40にチェックを入れることで、墨量に対応した指標値としてのUCR率を入力欄R42に数値入力することもできる。このような操作画面の上段を利用することで、ユーザは、たとえば、K色の色剤が少ない場合に墨量を少なく、逆にK色以外の色剤が少ない場合には墨量が多くなるように、墨量調整係数であるUCR率を具体的に指示することで、墨量の変更指示を出すことができる。
また、下段のチェックボックスR44にチェックを入れることで、オブジェクトごとに墨量を指定することもできる。オブジェクトごとに墨量を指定する場合、テキスト、グラフィック、イメージといったオブジェクトごとに用意されたスライドバーR46(それぞれR46T,R46G,R46I)のカーソル(図ではそれぞれ標準の位置にある)を操作することで、墨量を低めから高めの何れかを指示することができる。このような操作画面の下段を利用することで、ユーザは、たとえば、K色の色剤が少ない場合に墨量を少なく、逆にK色以外の色剤が少ない場合には墨量が多くなるように、オブジェクトグループ単位で墨量の変更指示を出すことができる。
図12は、第3実施形態の画像処理システム1における処理手順の概要を示すフローチャートである。ここでは、図6に示した第1実施形態の処理手順との相違点を中心に説明する。
色変換部716は、RGBで表された処理対象データを取り込むと、当初は、色変換係数記憶部764のプリセット領域764Pに格納されている種々の色変換係数のうち、印刷ジョブに対応した色変換係数を使用して色変換処理を行なう(S124)。
中央演算制御部710は、その色変換係数を用いた出力処理では印刷不可と判定したとき(S160−NO)、第1実施形態と同様に、その印刷ジョブの出力処理を保留するとともに(S164)、印刷不可の旨や出力可能部数や色剤消費度合いなどの画像編集に資する出力情報を画像入力端末3側において提示し、この提示を受けたユーザからの編集指示を待つ(S166)。
画像入力端末3においては、ユーザは、提示された情報を参照して、出力可能になるように、色剤消費量に応じた適切な墨量や墨量に対応した指標値を、画像編集指示部330を介してプリンタサーバ8に設定する(S180)。画像編集指示部330は、入力された墨量や墨量に対応した指標値をプリンタサーバ8の色変換係数演算部762に通知する。たとえば、色剤としてのC,M,Y,Kの各トナーのうち、K色とC,M,Y各色の消費量で、K色が多く消費されている場合は、墨量や墨量に対応した指標値を低く設定する。また、逆に、C,M,Y各色のうちの何れかが多く消費されている場合は、墨量や墨量に対応した指標値を高く設定する。
この墨量や墨量に対応した指標値が通知された色変換係数演算部762は、その墨量や墨量に対応した指標値に基づき、色変換係数を算出し、色変換係数記憶部764のユーザ領域764Uに格納する(S184)。
色変換部716は、印刷ジョブで指示されている色変換係数に代えて、色変換係数記憶部764のユーザ領域764Uに格納した色変換係数に切り替えて色変換処理を行なう(S186)。この後にはプリンタサーバ8は、ステップ134に戻り、処理を継続する。
たとえば、中央演算制御部710は、ユーザが指定した墨量や墨量に対応した指標値に基づき出力可能であれば、処理を保留しておいたジョブの印刷処理を開始する(S160−YES,S162)。指定された墨量や墨量に対応した指標値でもまだ出力不可能な場合は、その旨を出力情報通知部750に通知する(S160−NO,S164)。
以上説明したように、第3実施形態の構成によれば、印刷ジョブに対応した色変換係数を用いて色変換処理を行ない出力処理すると色剤が不足し処理を完結できない場合、その旨や色剤の消費度合いなどの画像編集に資する出力情報をユーザに提示し、墨量やUCR率の設定を介したユーザからの画像編集指示を待つようにした。ユーザ指示に基づき色変換係数を切り替えることで、同じ色剤残量に対してより多くプリントすることが可能となるなど、第1実施形態と同様の効果を享受できる。
たとえばトナー切れを起こさないようにジョブを実行させたければ、ユーザは、提示された出力情報を参照し、画像における色剤消費量の多い色成分が少なくなるように墨量やUCR率を設定することで、プリントの途中で印刷が止まることなくプリントすることが可能になる。たとえばK色が多く消費されている場合は、UCR率を低く設定した色変換係数で印刷することができるし、Y,M,C各色の何れかが多く消費されている場合は、UCR率を高く設定した色変換係数で印刷することができる。
墨量やUCR率の指示を受けて色変換係数を切り替えることにより、同じトナー残量に対してより多くプリントすることが可能となり、墨量や墨量に対応した指標値を設定することで、画像編集をプリンタサーバ8に指示することができ、編集作業が非常に簡単である。さらに、ユーザが墨量や墨量に対応した指標値を設定することで、ユーザが望む、好ましい色再現レベルで印刷出力(プリント)することができる。
また、画像の全オブジェクトに対して墨量や墨量に対応した指標値を共通に設定するのではなく、文字、グラフィック、イメージなどのオブジェクトごとに墨量や墨量に対応した指標値を設定することで、細かな設定も可能になる。
なお、上記第3実施形態では、墨量や墨量に対応した指標値を指示することで画像出力端末7に対して画像編集指示を発していたが、これに限らず、全体の色剤消費量の変更を指示するようにしてもよい。たとえば、色剤としてのC,M,Y,Kの各トナーの何れか消費量が多く、そのままでは印刷不可となるジョブの場合、全体の色剤消費量が少なくなるような色変換係数に切り替えるようにプリンタサーバ8に指示を発すればよい。たとえば、現在の消費量に対して80%になるように指示を発する。
この指示を受けた色変換係数演算部762は、全体の色剤消費量が少なくなるような色変換係数を算出して色変換係数記憶部764のユーザ領域764Uに格納する。色変換部716は、その全体の色剤消費量が少なくなるような色変換係数を色変換係数記憶部764から読み出して色変換処理を行なえばよい。
<画像編集機能に着目した画像処理システムの構成;第4実施形態>
図13は、色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第4実施形態の構成を示す機能ブロック図である。この第4実施形態の画像処理システム1は、第3実施形態に対する変形例であり、プリントジョブを印刷不可と判定したとき、ユーザ指示に基づき、他の色変換係数に変更して印刷処理を行なう点で第3実施形態と共通するが、画像処理条件を切り替えるための構成として、ユーザが墨量や墨量に対応した指標値を具体的に設定し、それを受けて色変換係数演算部762にて色変換係数を算出するのではなく、予め用意されている複数の色変換係数の中からユーザが選択指定することで画像処理条件を切り替えるように構成した点で、第3実施形態と異なる。
このため、第4実施形態の画像処理システム1は、第3実施形態の構成における、墨量や墨量に対応した指標値(たとえばUCR率)を指示することで画像編集を画像出力端末7に指示する画像編集指示部330に代えて、印刷情報出力部320に提示される複数の色変換係数の情報の中から何れか1つを選択指示することで画像編集を画像出力端末7に指示する画像編集指示部332を備えている。
また、プリンタサーバ8においては、画像編集指示部332からの指示に基づいて色変換係数を算出する色変換係数演算部762を備えていない。画像入力端末3の画像編集指示部332を介した画像編集に関わるユーザ指示は中央演算制御部710に通知される。
このような構成において、たとえば、レベルの異なる墨量や墨量に対応した指標値と、それに対応する色変換係数として、墨量や墨量に対応した指標値が高めから低めまでの間で複数レベルの色変換係数を纏めたカラールックアップテーブルを事前に色変換係数記憶部764に格納しておく。こうすることで、色剤消費量の加減をユーザが指示する構成を実現する。なお、このような事前に用意するカラールックアップテーブルとしては、後述する第5実施形態と同様のものを利用することができ、これをプリセット領域764Pに格納しておけばよい。
この第4実施形態の構成においては、画像入力端末3は、選択した色変換係数を画像出力端末7に通知することで画像出力端末7に画像編集処理を指示する画像編集指示部332を備えることにより、画像編集指示装置の機能を持つ。また画像出力端末7は、中央演算制御部710、色変換部716、および色変換係数記憶部764にて、色剤消費量に関わる画像処理条件を切り替えて処理する画像編集部18の機能が実現されるようになる。
<画像編集指示画面;第2例>
図14は、第4実施形態の構成において、画像編集指示部332が画像編集指示を発する際の操作画面例を示した図である。第4実施形態の構成においては、ユーザは、指示画面に提示される複数の色変換係数の中から何れか1つを選択することでプリンタサーバ8に画像編集を指示する。
たとえば、画像編集指示部332は、図14に示すような指示画面をユーザに提示する。ここでは、画像出力端末7の色変換係数記憶部764に保持されている複数種類の色変換係数が表示欄R50にリスト状に提示される。この際、各色変換係数と色剤消費量との関係を理解し易いように、その色変換係数のUCR率も合わせて提示するのがよい。単に、係数番号だけを提示したのでは、色剤消費量の変化加減を把握できないからである。
画像編集指示部332は、このような画面をユーザに提示する際に、先ず、現在設定されている色変換係数の部分にカーソルを合わせる。そのカーソル部分は、たとえば、ハイライト表示にする。
ユーザは、印刷情報出力部320にて提示された印刷情報を参照して、カーソル位置を移動させることで、複数の色変換係数の中から消費量の多い色剤の消費量が少なくなるような色変換係数を選択する。たとえば、K色が多く消費されている場合は、K色の消費量が少ない色変換係数を選択し、逆に、C,M,Y各色の何れかが多く消費されている場合は、C,M,Y各色の消費量が少ない色変換係数を選択する。あるいは全体の色剤消費量が少なくなるような色変換係数を選択してもよい。
図15は、第4実施形態の画像処理システム1における処理手順の概要を示すフローチャートである。ここでは、図6に示した第1実施形態の処理手順との相違点を中心に説明する。
色変換部716は、RGBで表された処理対象データを取り込むと、当初は、色変換係数記憶部764のプリセット領域764Pに格納されている種々の色変換係数のうち、印刷ジョブに対応した色変換係数を使用して色変換処理を行なう(S124)。
中央演算制御部710は、その色変換係数を用いた出力処理では印刷不可と判定したとき(S160−NO)、第1実施形態と同様に、その印刷ジョブの出力処理を保留するとともに(S164)、印刷不可の旨や出力可能部数や色剤消費度合いなどの画像編集に資する出力情報を画像入力端末3側において提示し、この提示を受けたユーザからの編集指示を待つ(S166)。この際、中央演算制御部710は、色変換係数記憶部764に格納してある色変換係数の情報も通知する。
画像入力端末3においては、ユーザは、提示された情報を参照して、出力可能になるように、色剤消費量に応じた適切な色変換係数を、画像編集指示部330を介してプリンタサーバ8に設定する(S190)。画像編集指示部330は、指示された色変換係数の情報をプリンタサーバ8の中央演算制御部710に通知する。この場合、ユーザは、出力指示を出した印刷ジョブデータに対して、色剤消費量との関係で適切な色変換係数を判断し選択することとなる。こうすることで、変更指示が簡単になるし、色変換係数演算部762における都度の計算処理も不要になる。
たとえば、ユーザは、色剤としてのC,M,Y,Kの各トナーのうち、K色とC,M,Y各色の消費量で、K色が多く消費されている場合は、K色の消費量が少ない色変換係数を選択し、逆に、C,M,Y各色のうちの何れかが多く消費されている場合は、C,M,Y各色の消費量が少ない色変換係数を選択する。あるいは、色剤としてのC,M,Y,Kの各トナーの何れか消費量が多く、そのままでは印刷不可となるジョブの場合、全体の色剤消費量が少なくなるような色変換係数を選択してもよい。たとえば、現在の消費量に対して80%の消費量になるような色変換係数を選択する。
このユーザにより選択された色変換係数が通知された中央演算制御部710は、このユーザ選択された色変換係数の情報を色変換部716に通知する。色変換部716は、ユーザ指示に基づく色変換係数を色変換係数記憶部764のプリセット領域764Pから読み出して色変換処理をする(S196)。
以上説明したように、第4実施形態の構成によれば、印刷ジョブに対応した色変換係数を用いて色変換処理を行ない出力処理すると色剤が不足し処理を完結できない場合、その旨や色剤の消費度合いなどの画像編集に資する出力情報とともに、選択可能な色変換係数をユーザに提示し、その色剤消費量が少なくなるような色変換係数の選択指定による画像編集指示を待つようにした。
ユーザ指示に基づき色変換係数を切り替えることで、同じ色剤残量に対してより多くプリントすることが可能となるなど、第3実施形態と同様の効果を享受できる。たとえばトナー切れを起こさないようにジョブを実行させたければ、ユーザは、提示された情報を参照し、画像における色剤消費量の多い色成分が少なくなるように色変換係数を選択指示することで、プリントの途中で印刷が止まることなくプリントすることが可能になる。
レベルの異なる色剤消費量と、それに対応する色変換係数を予め算出して、色剤消費量が高めから低めまでの複数の色変換係数を纏めたカラールックアップテーブルを事前に色変換係数記憶部764に格納しておき、レベルの異なる複数の色剤消費量の度合いの中からユーザが選択する構成とすることで、変更指示を受けた都度の色変換係数の算出処理が不要になり色変換係数の編集作業が非常に簡単であるし、ユーザが望む、好ましい色再現レベルで印刷出力(プリント)することができる。
<画像編集機能に着目した画像処理システムの構成;第5実施形態>
図16は、色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第5実施形態の構成を示す機能ブロック図である。また、図17は、第5実施形態における色変換係数記憶部764のデータ格納構造を説明する図である。
この第5実施形態の画像処理システム1は、第3および第4実施形態と同様に、ジョブで指定されている画像処理条件では出力不可となる場合には、色剤消費量に関わる画像編集処理と連動してそのジョブについての画像形成処理を制御するようにした点に特徴を有する。
特に、トナー残量との関係で残りの出力可能部数が少なく指示された印刷ジョブに基づいて印刷不可な場合に、画像出力端末7側で自動的に色変換係数を変更することで画像を編集し、色剤切れを起こさない状態に切り替える、すなわち印刷可能な印刷パラメータに自動的に切り替えることを可能にした点に特徴を有する。
つまり、プリントジョブを印刷不可と判定したとき、他の色変換係数に変更して印刷処理を行なう点で第3や第4実施形態と共通するが、その色変換係数の変更を、画像出力端末7側にて自動的に行なう点で、第3や第4実施形態と異なる。
たとえば、色変換部716にて色変換処理をした結果、ユーザの指定部数が印刷可能かどうかを中央演算制御部710で判定し、印刷可能な場合は印刷を実行するが、トナー残量との関係で残りの出力可能部数が少なく指示された印刷ジョブに基づいて印刷不可能な場合には、中央演算制御部710にて、色変換係数記憶部764に格納している複数種類の色変換係数の中から印刷可能な範囲で好適な色変換係数を選択し、その色変換係数に切り替えてから出力処理を行なう。
このような構成においては、中央演算制御部710、色変換部716、および色変換係数記憶部764にて、色剤消費量に関わる画像処理条件を切り替えて処理する画像編集部18の機能が実現されるようになる。言い換えれば、第1〜第4実施形態では、本発明に係る画像編集指示装置が、画像出力端末7と別体であったのに対して、この第5実施形態では、本発明に係る画像編集指示装置が、画像出力端末7に組み込まれた構成となる。
なお、ここでは第1実施形態に対する変形態様として、印刷データを対象として画像出力端末7側で画像編集制御を自動的に行なう構成について示すが、第2実施形態に対する変形態様として、複写ジョブでのスキャン画像もしくは印刷データ(描画展開後の画像データ)を対象として画像出力端末7側で画像編集制御を自動的に行なう構成とすることもできる。以下具体的に説明する。
この第5実施形態の画像処理システム1は、先ず、画像入力端末3は、画像出力端末7に対して画像編集指示を発する画像編集指示部330,332を備えていない。また、画像出力端末7側のプリンタサーバ8は、種々の色変換係数をテーブルデータとして記憶する色変換係数記憶部764を備えている。
色変換係数記憶部764には、図17に示すように、装置側にて予め用意しておく色変換係数を格納するプリセット領域764Pが設けられている。なお、図17(A)では、レベルの異なる複数の墨量に応じた色変換係数を格納した例を示し、図17(B)では、レベルの異なる複数のUCR率に応じた色変換係数を格納した例を示している。
プリセット領域764Pには、色剤消費量が異なる複数の色変換係数を格納しておく。なお、画像の全オブジェクトに対して墨量や墨量に対応した指標値(ここではUCR率)を共通に対応付けるのではなく、文字、グラフィック、イメージなどのオブジェクトごとに、墨量やUCR率が高めから低めまでの複数の色変換係数を纏めたカラールックアップテーブルをプリセット領域764Pに格納してもよい。あるいは、全体の色剤消費量の変更が可能な色変換係数、すなわち全体の色剤消費量が異なる複数の色変換係数を纏めたカラールックアップテーブルをプリセット領域764Pに格納してもよい。
図18および図19は、第5実施形態の画像処理システム1における処理手順の概要を示すフローチャート(前者を第1例、後者を第2例とする)である。ここでは、図12に示した第3実施形態や図15に示した第4実施形態の処理手順との相違点を中心に説明する。また、図20は、第5実施形態の構成において、画像出力端末7にて色変換係数を自動的に切り替えた際にユーザに提示される通知画面の一例を示した図である。
色変換部716は、RGBで表された処理対象データを取り込むと、当初は、色変換係数記憶部764のプリセット領域764Pに格納されている種々の色変換係数のうち、印刷ジョブに対応した色変換係数を使用して色変換処理を行なう(S124)。
中央演算制御部710は、色剤消費量算出部720が算出した色剤消費量と色剤残量検出部772が検出した色剤残量を参照して、色変換係数記憶部764に格納してある複数の色変換係数の中から、出力可能になるように、適切な色変換係数を選択する(S200)。中央演算制御部710は、この選択した情報を色変換部716に通知する。
ここで、図18に示す第1例の手順においては、第1〜第4実施形態とは異なり、複数のジョブを受け付けている場合であっても、当該ジョブを一旦保留させてユーザ指示による画像編集後のデータを取得してから処理を再開するのではなく、画像出力端末7にて適切な色変換係数に自動的に切り替えることで、受け付けたジョブの順に従って、実質的には当該ジョブの出力処理を滞らせることなく、受け付けたジョブの順に従って、ほぼ即時に自動的に画像編集した後のデータを用いてそのジョブを実行するようにする。
たとえば、中央演算制御部710は、色剤としてのC,M,Y,Kの各トナーのうち、K色とC,M,Y各色の消費量で、K色が多く消費されている場合は、K色の消費量が少ない色変換係数を自動選択し、逆に、C,M,Y各色のうちの何れかが多く消費されている場合は、C,M,Y各色の消費量が少ない色変換係数を自動選択する。
あるいは、色剤としてのC,M,Y,Kの各トナーの何れか消費量が多く、そのままでは印刷不可となるジョブの場合、全体の色剤消費量が少なくなるような色変換係数を自動選択してもよい。たとえば、現在の消費量に対して80%の消費量になるような色変換係数を自動選択する。
なお、このように画像出力端末7側にて色変換係数を自動選択して切り替える場合、中央演算制御部710は、図20に示すように、色変換係数を変更したことを示す情報を画像入力端末3に通知する(S202)。これを受けて、印刷情報出力部320は、図20に示すように、画像入力端末3の印刷情報出力部320や画像出力端末7側の操作パネル部15aや表示デバイス16aなどにて色変換係数が切り替えられた情報を表示する(S204)。ユーザが指示した色変換係数とは異なる色変換係数で出力処理されることを通知するためである。
なお、この通知画面においては、少なくとも切り替え後の色変換係数が分かるものであればよく、たとえば図20(A)に示すように、切り替え後の色変換係数のみにカーソルを合わせて、そのカーソル部分をハイライト表示にするようにしてもよいし、図20(B)に示すように、印刷ジョブに従って設定される色変換係数の部分を示すとともに、切り替え後の色変換係数にカーソルを合わせて、そのカーソル部分をハイライト表示にするようにしてもよい。
色変換部716は、印刷ジョブで指示されている色変換係数に代えて、中央演算制御部710が自動選択した色変換係数をプリセット領域764Pから読み出して色変換処理を行なう(S206)。この後には、プリンタサーバ8は、ステップ134に戻り、処理を継続する。
以上説明したように、第5実施形態の構成において、第1例の手順を採用すれば、印刷ジョブに対応した色変換係数を用いて色変換処理を行ない出力処理すると色剤が不足し処理を完結できない場合、画像出力端末7側にて、出力可能な色変換係数に自動的に切り替えて出力処理を行なうようにした。色変換係数を自動的に切り替えることにより、同じ色剤残量に対してより多くプリントすることが可能となるなど、第3や第4実施形態と同様の効果を享受できる。
たとえば、プリントの途中での印刷停止を起こすことなく、プリントすることが可能になる。たとえばK色が多く消費されている場合は、UCR率を低く設定した色変換係数で印刷することができるし、Y,M,C各色の何れかが多く消費されている場合は、UCR率を高く設定した色変換係数で印刷することができる。また、画像出力端末7側にて自動的に適切な色変換係数を選択するので、ユーザの手を介する必要がなく操作性が向上する。
なお、図19に示す第2例の手順のように、画像出力端末7側で色変換係数を自動的に切り替える際には、中央演算制御部710は、そのジョブについての画像形成処理を一旦停止するとともに、出力情報通知部750を介してその旨や切り替え後の色変換係数(画像処理条件)の状態をユーザに通知し、この画像処理条件の情報の通知に基づいて、停止したジョブについてユーザから出力承認(再開指示)を得た段階で出力処理を再開するように、色変換部716や画像出力部30に指示を出してもしてもよい(S210,S162)。この際には、画像出力端末7側にて複数の色変換係数の候補を自動選択し、それをユーザに提示し選択させるようにしてもよい。
完全に画像出力端末7に自動処理を任せるのではなく、画像出力端末7にて自動的に切り替えられた画像処理条件をユーザが確認した上で、不都合のない場合に、その自動処理を継続させることで、作業の効率化を図りつつ、好ましい色再現レベルでプリントすることを制御することができる。
また、このようにジョブを保留させる場合において、複数のジョブを受け付けている場合には、全体の処理効率を高めるべく、第1〜第4実施形態と同様に、2番目以降のジョブについても上記と同様の処理を行ない、その2番目以降のジョブについて出力可能なものがあるか否かを同様に判定するようにしてもよい(S110〜S160)。そして、2番目以降に出力可能なジョブがある場合、その出力可能なジョブを保留したジョブよりも優先させて出力処理する(S170−YES,S172)。他のジョブが存在しなければ、次のジョブ受付けを待機する(S170−NO)。
また、保留したジョブよりも優先させて他の印刷ジョブを出力処理したときには、出力処理を保留したジョブに関して、出力可能部数や色剤残量や消費度合いなどの画像編集に資する出力情報を上記と同様にして再計算通知する(S176)。
<UCR率や色変換係数と色剤消費量との関係>
図21は、色剤消費量との関わりにおける画像編集に際しての、UCR率や色変換係数と色剤消費量との関係を説明する図である。この例では、色変換係数1と色変換係数2の明度30、彩度10の色変換後の各出力色濃度を例示している。
図21(A)に示す色変換係数1の場合はUCR率が低いため、K色の色剤消費量が少なく、Y,M,C各色の色剤消費量が増加する。このとき、画像出力端末7で、色変換係数記憶部764に予め保持しておく色変換係数の場合は、グラフィック(Graphic )オブジェクトに対してはイメージ(Image )よりも高いUCR率に設定する。たとえば、カバレッジ(Coverage;単位%)をイメージ:10%、グラフィック:60%にする。
また図21(A)に示す色変換係数2の場合はUCR率が高いため、K色の色剤消費量は、色変換係数1よりも多く、Y,M,C各色の色剤消費量が減少する。このとき、画像出力端末7で、色変換係数記憶部764に予め保持しておく色変換係数の場合は、たとえばイメージ:100%、グラフィック:80%というように、グラフィックオブジェクトに対してはイメージよりも高いUCR率に設定する。
ここで、K色の色剤残量が少なくなった場合は、色変換係数1を設定することにより、印刷可能部数が増加する。特にイメージオブジェクトは印字面積も文字などよりも多く色剤消費量も多いため、色変換係数を切り替えることで、印刷可能部数が増加する。
なお、ユーザがオブジェクトごとに調整したい場合には、オブジェクトごとにUCR率を調整することもできる。たとえば、第5実施形態の構成と組み合わせる場合、画像出力端末7の色変換係数記憶部764に出力色変換係数ごとにUCR率が高、低などの情報と対応付けて色変換係数を保持しておくことで、色剤残量検出部772にて色剤残量を検知した際に、中央演算制御部710の判定処理にて、印刷可能となる色変換係数がある場合は、印刷可能となる色変換係数に自動的に切り替えることができる。
あるいは、第3実施形態の構成と組み合わせる場合、図11では、チェックボックスR44にチェックを入れることでオブジェクトごとに墨量を指定するようにしていたが、この部分をUCR率の指定画面に変更すればよい。こうすることで、テキスト、グラフィック、イメージといったオブジェクトごとに用意されたスライドバーR46(それぞれR46T,R46G,R46I)のカーソル(図ではそれぞれ標準の位置にある)を操作することで、低めから高めの何れかのUCR率をオブジェクトごとに指示することができる。
<電子計算機を利用した構成>
上述した色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理の仕組みは、ASIC(Application Specified Integrated Circuit)のようなそれぞれの機能をなす専用のハードウェア処理回路の組合せで構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づいて電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現することも可能である。ソフトウェアにより処理を実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などを容易に変更できる利点を享受できるようになる。
よって、上記実施形態で説明した色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理手法を適用した本発明に係る画像形成装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。
電子計算機に一連の色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込マイコンなど)、あるいは、CPU(Central Processing Unit )、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。
この記録媒体は、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクFDを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)、PDを含む)、光磁気ディスクMO(MD(Mini Disc )を含む)、またはフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリなどよりなるICカードやミニチュアカードなどのパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスク装置などで構成されてもよい。また、ソフトウェアを構成するプログラムは、記録媒体を介して提供されることに限らず、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
たとえば、色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理をする機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、ハードウェアにて構成する場合と同様の効果は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理の機能を実現する。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで、色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理を行なう機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
電子計算機には、たとえば、複写アプリケーションやプリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムなど、従来の画像形成装置(複合機)におけるものと同様のソフトウェアが組み込まれる。また、ネットワークを介して外部とのデータを送受信したりするための制御プログラムも組み込まれる。
このとき、色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。たとえば、既存の複写装置制御ソフトやプリンタ制御ソフト(プリンタドライバ)に組み込まれるアドインソフトとして提供されてもよい。
図22は、CPUやメモリを利用してソフトウェア的に画像形成装置の機能を持つ画像出力端末7を構成する、すなわちパーソナルコンピュータなどの電子計算機の機能を利用して画像形成装置をソフトウェア的に実現する場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ここでは、プリンタサーバ8の機能が出力端末本体7a内のコントローラ部20に組み込まれている形態で示している。
画像出力端末7を構成するコンピュータシステム900は、コントローラ部901と、ハードディスク装置、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ、半導体メモリコントローラなどの、所定の外部記憶媒体5からデータを読み出したり記録したりするための駆動装置としての記録・読取制御部902とを有する。
コントローラ部901は、CPU(Central Processing Unit )912、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)913、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM(Random Access Memory)915、および不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)916を有している。
また、コンピュータシステム900は、ユーザインタフェースをなす機能部として、キーボードやマウスなどを有する指示入力部903と、操作時のガイダンス画面や処理結果などの所定の情報をユーザに提示する表示出力部904と、処理対象の画像を読み取る画像読取部(スキャナユニット)905と、画像出力端末7における処理済みの画像を所定の出力媒体(たとえば印刷用紙)に形成して出力する画像形成部906と、各機能部との間のインタフェース機能をなすインタフェース部909とを有する。
インタフェース部909としては、処理対象データ(画像データを含む)や制御データの転送経路であるシステムバス991の他、たとえば、画像読取部905とのインタフェース機能をなすスキャナIF部995、画像形成部906や他のプリンタとのインタフェース機能をなすプリンタIF部996、およびインターネットなどのネットワーク9との間の通信データの受け渡しを仲介する通信IF部999を有している。
表示出力部904は、たとえば、表示制御部942とCRT(Cathode Ray Tube;陰極線管)やLCD(Liquid Crystal Display;液晶)などでなるディスプレイ部944とを有する。たとえば、表示制御部942が、ディスプレイ部944上に、ガイダンス情報や画像読取部905が取り込んだ全体画像などを表示させる。なお、表示面上にタッチパネル932を有するディスプレイ部944とすることで、指先やペンなどで所定の情報を入力する指示入力部903を構成することもできる。
画像読取部905は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤R、緑G、青Bのアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換する。この画像読取部905は、図1に示した画像読取部10に相当するものである。
画像形成部906は、たとえば画像読取部905にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)。
この画像形成部906は、図1に示した画像形成ユニット32に相当するものであり、たとえばイエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの印刷出力用データを受けて、画像出力端末7をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスター出力スキャンベースのプリントエンジン964を備える。
このような構成において、CPU912は、システムバス991を介してシステム全体の制御を行なう。ROM913は、CPU912の制御プログラムなどを格納する。RAM915は、SRAM(Static Random Access Memory )などで構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータなどを格納する。
また、RAM915は、所定のアプリケーションプログラムによって取得した電子ドキュメント(文字データのみに限らず画像データを含んでよい)や自装置に備えられている画像読取部905で取得した画像データ、さらに外部から取得した電子データなどを一時的に格納する領域を含んでいる。
たとえば色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理をコンピュータに実行させるプログラムは、装置構成時に予めROM913に組み込まれていてもよいし、CD−ROMやMOあるいはフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカードなどの記録媒体を通じて配布されてもよい。さらに、他のサーバなどからインターネットなどのネットワーク9を経由してプログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新したりしてもよい。記録媒体には、色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理の一部または全ての機能を実現するプログラムを格納することができる。
また、ハードディスク装置は、制御プログラムによる各種処理のためのデータを格納したり、画像読取部905で取得した画像データや外部から取得した印刷データなどを大量に一時的に格納したりする領域を含んでいる。また、ハードディスク装置、FDドライブ、あるいはCD−ROMドライブは、たとえば、CPU912にコンテンツ取得やアドレス取得あるいはアドレス設定などの処理をソフトウェアにて実行させるためのプログラムデータを登録するなどのために利用される。
なお、画像出力端末7の各機能部分の全ての処理をソフトウェアで行なうのではなく、これら機能部分の一部を専用のハードウェアにて行なう処理回路908を設けてもよい。この場合、図示するように、画像読取部905側における画像処理機能をなす読取画像処理部982や、たとえばイエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの2値化信号などの画像形成部906が使用する印刷出力用データを生成する出力画像処理部984と、本実施形態特有の機能である色剤残量に応じた画像編集制御処理および出力順制御処理の一部または全ての機能をなす画像編集制御処理部986を個別に設けてもよい。
ソフトウェアで所定の処理を行なう仕組みは、並列処理や連続処理に柔軟に対処し得るものの、処理が複雑になるに連れ、処理時間が長くなるため、処理速度の低下が問題となる。これに対して、ハードウェア処理回路で行なうことで、高速化を図ったアクセラレータシステムを構築することができるようになる。アクセラレータシステムは、処理が複雑であっても、処理速度の低下を防ぐことができ、高いスループットを得ることができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、多値でマーキングする場合に、正確な色剤消費量や出力可能数を算出するために、処理対象画像の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する構成は、本願発明の全ての実施形態として、必ずしも必須の要素ではない。
たとえば、複数のジョブのそれぞれの出力可能数と出力指示数とを参照して、それぞれについての画像形成処理の可否を判定して画像形成処理の順序を制御することで複数のジョブの全体の処理効率を高めるようにする構成や、ジョブの出力可能数と出力指示数とを参照して色剤消費量に関わる画像編集処理と連動してジョブについての画像形成処理を制御することで、色剤不足によりそのままでは出力不可能な場合に、色剤消費量が少なくなるように画像編集された印刷出力用データに切り替えて処理する構成には、従来と同様の色剤消費量の算出手法を適用してもよい。
また、上記実施形態において色剤残量の検出に際しては、前回の色剤残量から今回の色剤消費量を差し引く処理を繰り返すことで、次回のジョブにおける色剤残量を求めるようにしていたが、これに限らず、色剤の残量を検知する手段として、たとえば圧力センサや透磁率センサなどの所定のセンサを使用し、色剤貯留槽(色剤カートリッジ)の変化の態様を常時監視し、この監視結果に基づいて色剤の残量を検知する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、クライアント端末から受け取った印刷データに基づいて画像形成処理を行なう一般的な印刷ジョブの場合や、スキャナで読み取ったスキャン画像に基づいて画像形成処理を行なう複写ジョブの場合における、色剤残量に応じた画像編集制御処理や出力順制御処理の仕組みについて詳しく説明したが、上記実施形態で説明した処理の適用範囲は、一般的な印刷ジョブや複写ジョブに限らず、所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成するあらゆるジョブに適用可能である。
たとえば、ネットワーク9を介して外部機器としてのWebサーバからダウンロードした画像に基づき印刷出力する場合や、FAX装置3eから受信したFAX画像に基づき印刷出力する場合や、1394規格やUSB規格のデバイス3f,3gから受け取った画像に基づき印刷出力する場合において、色剤残量が不足している場合に、色剤残量、出力可能部数、ページ状態情報などの出力情報を画像編集作業に資する情報としてユーザに提示したり、色剤消費量に関わる画像編集処理がなされた後の印刷出力用データに基づき画像出力したり、複数のジョブが効率的に処理されるようにジョブの処理順序を切り替えたりすることができる。
たとえば、デジタルカメラ3cと画像出力端末7を「Pict Bridge」規格で接続してプリント出力する場合において、色剤不足により出力不可能な場合に、色剤消費量が少なくなるように画像編集された印刷出力用データに切り替えて処理することで、ジョブ全体を一様な色再現で処理することができ、色剤の補充や交換に起因するジョブ途中の色再現の違いを避けながらプリント処理を完結させることができる。
本発明に係る画像形成装置を備えた画像処理システムを示す概略図である。 色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第1実施形態の構成を示す機能ブロック図である。 画像編集に資する情報格納した管理テーブルの一例を示した図である。 印刷情報をユーザに通知する際の画面の第1例を示した図である。 印刷情報をユーザに通知する際の画面の第1例を示した図である。 第1実施形態の画像処理システムにおける処理手順の概要を示すフローチャートである。 色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第2実施形態の構成を示す機能ブロック図である。 色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第3実施形態の構成を示す機能ブロック図である。 色変換係数演算部の動作を説明する図である。 色変換係数記憶部のデータ格納構造を説明する図である。 第3実施形態の構成において、画像編集指示を発する際の操作画面例を示した図である。 第3実施形態の画像処理システムにおける処理手順の概要を示すフローチャートである。 色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第4実施形態の構成を示す機能ブロック図である。 第4実施形態の構成において、画像編集指示を発する際の操作画面例を示した図である。 第4実施形態の画像処理システムにおける処理手順の概要を示すフローチャートである。 色剤残量に応じた画像編集機能に着目した画像処理システムの第5実施形態の構成を示す機能ブロック図である。 第5実施形態における色変換係数記憶部のデータ格納構造を説明する図である。 図18は、第5実施形態の画像処理システムにおける処理手順の概要を示すフローチャートの第1例である。 第5実施形態の画像処理システムにおける処理手順の概要を示すフローチャートの第2例である。 第5実施形態の構成において、色変換係数を自動的に切り替えた際にユーザに提示される通知画面の一例を示した図である。 色剤消費量との関わりにおける画像編集に際しての、UCR率や色変換係数と色剤消費量との関係を説明する図である。 電子計算機の機能を利用して画像形成装置をソフトウェア的に実現する場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1…画像処理システム、3…画像入力端末、5…外部記憶媒体、7…画像出力端末、8…プリンタサーバ、9…ネットワーク、10…画像読取部、15…ユーザインタフェース部、16…ユーザインタフェース装置、17…編集パネル、18…画像編集部、19…出力処理制御部、20…コントローラ部、30…画像出力部、32…画像形成ユニット、310…印刷指示部、320…印刷情報出力部、322…複写情報出力部、330…画像編集指示部、332…画像編集指示部、710…中央演算制御部、714…描画展開部、716…色変換部、718…データ記憶部、720…色剤消費量算出部、730…出力可能数算出部、750…出力情報通知部、762…色変換係数演算部、764…色変換係数記憶部、770…色剤残量管理部、772…色剤残量検出部、774…色剤残量通知部、776…色剤残量記憶部、778…出力枚数計数部

Claims (32)

  1. 所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成して出力する画像出力部を備えた画像形成装置であって、
    受け取ったジョブにおける処理対象画像に基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する色剤消費量算出部と、
    前記画像出力部が使用する色剤の残量を検出する色剤残量検出部と、
    前記色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と前記色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて色剤消費量と関連した画像編集に資する情報を取得し、この取得した画像編集に資する情報を参照して、色剤消費量に関わる制御を行なう処理制御部と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記色剤消費量算出部は、前記受け取ったジョブにおける処理対象画像の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出するものであり、
    前記処理制御部は、前記色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と前記色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて前記画像編集に資する情報としての出力可能数を算出する出力可能数算出部と、前記出力可能数算出部が算出した出力可能数を含む出力情報をユーザに通知する出力情報通知部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記色剤消費量算出部は、受け取った複数の前記ジョブにおけるそれぞれの処理対象画像に基づき単位出力当たりの色剤消費量をそれぞれ算出するものであり、
    前記処理制御部は、前記色剤消費量算出部が算出したそれぞれのジョブの色剤消費量と前記色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて前記画像編集に資する情報としての前記複数のジョブのそれぞれの出力可能数を算出する出力可能数算出部と、前記出力可能数算出部が算出した前記複数のジョブのそれぞれの出力可能数と当該複数のジョブのそれぞれの出力指示数とに基づいて、前記複数のジョブのそれぞれについての前記画像出力部における画像形成処理の可否を判定することで当該複数のジョブについての画像形成処理の順序を制御する処理順制御部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記処理順制御部は、先のジョブについての前記画像形成処理が不可と判定した場合には当該ジョブについての前記画像形成処理を停止するとともに、後のジョブについての前記画像形成処理が可能と判定した場合には、その後のジョブについての前記画像形成処理を、前記先のジョブについて前記画像形成処理よりも先に実行させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記色剤消費量算出部は、前記受け取ったジョブにおける処理対象画像の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  6. 前記処理制御部は、前記色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と前記色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて前記画像編集に資する情報としての出力可能数を算出する出力可能数算出部と、前記出力可能数算出部が算出した前記出力可能数と前記ジョブの出力指示数とに基づいて、色剤消費量に関わる画像編集処理と連動して前記ジョブについての前記画像出力部における画像形成処理を制御する出力制御部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記色剤消費量算出部は、前記受け取ったジョブにおける処理対象画像の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記出力制御部は、前記出力可能数算出部が算出した前記出力可能数と前記ジョブの出力指示数とに基づき前記ジョブについての画像形成処理の可否を判定し、当該画像形成処理が不可と判定した場合には当該ジョブについての前記画像形成処理を停止するものであり、
    さらに、前記制御部が前記画像形成処理が不可と判定した場合に、その旨と前記出力可能数算出部が算出した出力可能数を含む前記画像編集に資する情報をユーザに通知する出力情報通知部を備えた
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。
  9. 前記色剤消費量算出部、前記色剤残量検出部、および出力可能数算出部は、前記出力情報通知部による通知に基づいて前記停止したジョブについて前記画像編集処理が加えられた編集済みのジョブを受け取り、当該編集済みのジョブについて、それぞれが担当する処理を行ない、
    前記出力制御部は、前記出力可能数算出部が算出した前記出力可能数と前記ジョブの出力指示数とに基づいて、前記編集済みジョブについての画像形成処理の可否を判定し、当該画像形成処理が可能と判定した場合には前記停止させていたジョブに代えて、当該編集済みジョブについての前記画像形成処理を前記画像出力部に実行させる
    ことを特徴とする請求項6から8のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記出力制御部は、前記出力可能数算出部が算出した前記出力可能数と前記ジョブの出力指示数とに基づいて前記ジョブについての画像形成処理の可否を判定するものであり、
    さらに、前記出力制御部が前記画像形成処理が不可と判定した場合に、前記色剤残量検出部が検出した色剤残量の範囲内で前記画像形成処理を完了させることができるように、前記受け取ったジョブにおける前記処理対象画像について色剤消費量が少なくなるように色剤消費量に関わる画像処理条件を切り替えて処理する画像編集部を備え、
    前記画像出力部は、前記画像編集部により画像処理条件が切り替えられて処理された画像を用いて前記ジョブについての画像形成処理を行なう
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。
  11. 前記画像編集部は、出力媒体上に形成される画像における前記色剤としての墨成分の量を調整することで前記画像処理条件を切り替える
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. カラー画像を表す入力された画像信号を、前記画像出力部が取り扱う出力色空間の画像信号に色変換する色変換部をさらに備え、
    前記画像編集部は、前記色変換における変換係数を調整することで前記画像処理条件を切り替える
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  13. 前記出力制御部は、
    前記画像形成処理が不可と判定した場合には当該ジョブについての前記画像形成処理を停止するとともに、前記画像編集部が切り替える前記画像処理条件の情報をユーザに通知し、
    前記画像処理条件の情報の通知に基づいて前記停止したジョブについて再度出力指示を取得した場合には、前記停止させていたジョブについての前記画像形成処理を前記画像出力部に実行させる
    ことを特徴とする請求項10から12のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記色剤消費量算出部、前記色剤残量検出部、および出力可能数算出部は、受け取った複数の前記ジョブのそれぞれについて、それぞれが担当する処理を行ない、
    前記出力制御部は、前記出力可能数算出部が算出した前記複数のジョブのそれぞれの出力可能数と、当該複数のジョブのそれぞれの出力指示数とに基づいて、当該複数のジョブについての画像形成処理の順序を制御する
    ことを特徴とする請求項6から13のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記制御部は、先のジョブについての前記画像形成処理が不可と判定した場合には当該ジョブについての前記画像形成処理を停止するとともに、後のジョブについての前記画像形成処理が可能と判定した場合には、その後のジョブについての前記画像形成処理を、前記先のジョブについて前記画像形成処理よりも先に実行する
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. カラー画像を表す入力された画像信号を、前記画像出力部が取り扱う出力色空間の画像信号に色変換する色変換部をさらに備え、
    前記色剤消費量算出部は、前記出力色空間における前記所定色ごとに、前記色変換部が変換した画像信号の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する
    ことを特徴とする請求項1から15のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  17. 前記色剤残量検出部は、前記所定色ごとに、前記色剤の残量を検出し、
    前記出力可能数算出部は、前記複数の所定色の全てを考慮して、前記出力可能数を算出する
    ことを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 前記色剤消費量算出部は、前記受け取ったジョブにおける個々の処理対象画像内におけるテキスト、グラフィック、イメージなどの個々のオブジェクトごとに前記色剤消費量を算出する
    ことを特徴とする請求項1から17のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  19. 前記色剤消費量算出部は、前記受け取ったジョブにおける個々の処理対象画像内におけるテキスト、グラフィック、イメージなどのオブジェクトグループごとに前記色剤消費量を算出する
    ことを特徴とする請求項1から17のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  20. 前記色剤消費量算出部は、複数の処理対象画像を含んでなる前記ジョブにおける個々の前記処理対象画像ごとに前記色剤消費量を算出する
    ことを特徴とする請求項1から17のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  21. 前記色剤消費量算出部が算出した色剤消費量の標準の色剤消費量に対する割合を示す消費度合いを算出する消費度合い算出部
    をさらに備え、
    前記処理制御部は、前記消費度合い算出部が算出した消費度合いを前記出力情報に含めてユーザに通知する
    ことを特徴とする請求項1から20のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  22. 前記消費度合い算出部は、前記受け取ったジョブにおける個々の処理対象画像内におけるテキスト、グラフィック、イメージなどの個々のオブジェクトごとに前記消費度合いを算出する
    ことを特徴とする請求項21に記載の画像形成装置。
  23. 前記消費度合い算出部は、前記受け取ったジョブにおける個々の処理対象画像内におけるテキスト、グラフィック、イメージなどのオブジェクトグループごとに前記消費度合いを算出する
    ことを特徴とする請求項21に記載の画像形成装置。
  24. 前記消費度合い算出部は、複数の処理対象画像を含んでなる前記ジョブにおける個々の前記処理対象画像ごとに前記消費度合いを算出する
    ことを特徴とする請求項21に記載に記載の画像形成装置。
  25. 所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成する画像形成装置から、ジョブの出力可能数を含む画像編集に資する情報を受け取ってユーザに通知する出力情報出力部と、
    ジョブにおける処理対象画像に対して色剤消費量に関わる画像編集を行なう画像編集部と
    を備え、
    前記出力情報出力部による前記出力情報の通知を受けて前記画像編集部により前記画像編集がされた後のジョブを前記画像形成装置に渡して出力を指示する
    ことを特徴とする画像編集指示装置。
  26. 所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成する画像形成装置から、ジョブの出力可能数を含む画像編集に資する情報を受け取ってユーザに通知する出力情報出力部と、
    ジョブにおける処理対象画像についての、色剤消費量に関わる画像処理条件を設定する画像編集指示部と
    を備え、
    前記出力情報出力部による前記出力情報の通知を受けて前記画像編集指示部により設定された前記画像処理条件を前記画像形成装置に渡して出力を指示する
    ことを特徴とする画像編集指示装置。
  27. 所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成する画像形成装置から、色剤消費量に関わる画像処理条件を切り替えた情報を受け取ってユーザに通知する出力情報出力部 を備え、
    前記出力情報出力部による前記画像処理条件の通知を受けた後のユーザによる出力指示を前記画像形成装置に通知する
    ことを特徴とする画像編集指示装置。
  28. 出力媒体上に形成される画像における前記色剤としての墨成分の量を調整することで前記画像処理条件を切り替える
    ことを特徴とする請求項26または27に記載の画像編集指示装置。
  29. カラー画像を表す入力された画像信号を、前記画像出力部が取り扱う出力色空間の画像信号に色変換する色変換部をさらに備え、
    前記画像編集部は、前記色変換における変換係数を調整することで前記画像処理条件を切り替える
    ことを特徴とする請求項26または27に記載の画像編集指示装置。
  30. 所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成するための処理をコンピュータを用いて実行するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    受け取ったジョブにおける処理対象画像の個々の画素の階調レベルに基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する色剤消費量算出部と、
    前記色剤の残量を検出する色剤残量検出部と、
    前記色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と、前記色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて出力可能数を算出する出力可能数算出部と、
    前記出力可能数算出部が算出した出力可能数を含む出力情報をユーザに通知する出力情報通知部と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
  31. 所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成するための処理をコンピュータを用いて実行するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    受け取った複数のジョブにおけるそれぞれの処理対象画像に基づき単位出力当たりの色剤消費量をそれぞれ算出する色剤消費量算出部と、
    前記色剤の残量を検出する色剤残量検出部と、
    前記色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と、前記色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて、前記複数のジョブのそれぞれの出力可能数を算出する出力可能数算出部と、
    前記出力可能数算出部が算出した前記複数のジョブのそれぞれの出力可能数と、当該複数のジョブのそれぞれの出力指示数とに基づいて、前記複数のジョブのそれぞれについての画像形成処理の可否を判定することで、当該複数のジョブについての画像形成処理の順序を制御する制御部と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
  32. 所定色の色剤を用いて所定の出力媒体上に画像を形成するための処理をコンピュータを用いて実行するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    受け取ったジョブにおける処理対象画像に基づき単位出力当たりの色剤消費量を算出する色剤消費量算出部と、
    前記色剤の残量を検出する色剤残量検出部と、
    前記色剤消費量算出部が算出した色剤消費量と、前記色剤残量検出部が検出した色剤残量とに基づいて出力可能数を算出する出力可能数算出部と、
    前記出力可能数算出部が算出した前記出力可能数と前記ジョブの出力指示数とに基づいて、色剤消費量に関わる画像編集処理と連動して前記ジョブについての画像形成処理を制御する制御部と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
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