JP2005247861A - 免疫増強特性を有するムチンペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】免疫調節および増強作用のための新規分子の提供。
【解決手段】アミノ酸配列VSIGLSFPMLPを含む単離されたペプチドまたはポリペプチドあるいはそのアナログまたは誘導体であり、該ペプチドまたはポリペプチドは、哺乳動物に投与された場合、抗原に対する免疫応答を増強する特性を有する、ペプチドまたはポリペプチドであって、1つの実施形態において、11アミノ酸残基と200アミノ酸残基との間の長さであり、他の実施形態において、11アミノ酸残基と20アミノ酸残基との間の長さであり、別の実施形態において、上記アミノ酸配列を含む、ペプチドまたはポリペプチド。
【選択図】なし

Description

(発明の背景)
1.発明の分野
本発明は、免疫増強特性を有するムチンペプチド、このペプチドを含む薬学的組成物、および癌の処置方法または予防方法に関する。
2.背景の情報
MUC1遺伝子は、正常な上皮、および数種のヒト癌において発現し、乳癌では非常に高レベルで発現する(1)。この遺伝子の主な産物は、大きな、高度にグリコシル化された細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および72個のアミノ酸の細胞質の尾(tail)から構成される、多型1の膜貫通分子である(2)。この多型は、細胞外ドメインに存在する20個のアミノ酸縦列の繰り返しのユニット数のバリエーションに、主に由来する。分泌MUC1アイソフォーム(MUC1/sec)(3)はまた、イントロン2配列を含み、このイントロン内の終止コドンで早期に終結し、そして、それにより、膜貫通ドメインを欠くことが見い出されている。
MUC1、ならびにそのフラグメントおよびその誘導体は、抗癌ワクチンおよび癌治療における可能な使用について、広く研究されている。米国特許第6,344,203号は、癌ワクチンに使用するための、MUC1を模倣し、そしてIB4レクチンおよび抗−Galα(1,3)Gal抗体に結合するペプチドを開示する。これらのペプチドは、T細胞の援助を刺激するために、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、または酸化KLHのようなタンパク質を保有するように結合体化される。
米国特許第5,827,666号は、グルコシル化の不存在下で、ネイティブのコンホメーションを達成し得るMUC1の少なくとも2つの20個のアミノ酸縦列の繰り返しを含む、合成MUC1ペプチドを開示する。この合成ペプチドは、特に、エピトープに対するアミノ酸配列も含む、ワクチンにおいて有用であることが示される。米国特許第5,989,552号は、免疫療法に使用するための、MUC1ポリペプチドまたはその縦列の繰り返しと酸化マンナンとの結合体を開示する。
米国特許第6,080,725号は、ワクチン中の腫瘍関連抗原として、MUC1およびそのペプチドフラグメントと共に利用され得る、サポニンアナログのアジュバントを開示する。
MUC1はまた、例えば、公開された米国特許出願第20020009759号、同第20020012931号、同第20020022235号、および同第20010051351号に開示されるように、癌細胞決定基、または癌細胞マーカーとして記載および使用されている。
前述の開示の中で、MUC1、ならびにそのフラグメントおよびその模倣物は、ワクチンもしくは免疫原性組成物において使用するための腫瘍関連抗原として利用されるか、腫瘍関連抗原であると考えられるか、または診断テストのマーカーとして利用される。
本発明では、MUC1の改変体分泌アイソフォームが、アジュバントの特性を有し、従って、抗原の特性と区別される免疫増強特性を有するという予期しない発見がなされた。
(請求項1)アミノ酸配列VSIGLSFPMLP(配列番号1)を含む単離されたペプチドまたはポリペプチドあるいはそのアナログまたは誘導体であって、該ペプチドまたはポリペプチドは、哺乳動物に投与された場合、抗原に対する免疫応答を増強する特性を有する、ペプチドまたはポリペプチド。
(請求項2)11アミノ酸残基と200アミノ酸残基との間の長さである、請求項1に記載のペプチドまたはポリペプチド。
(請求項3)11アミノ酸残基と20アミノ酸残基との間の長さである、請求項1に記載のペプチドまたはポリペプチド。
(請求項4)VSIGLSFPMLP(配列番号1)を含む、請求項1に記載のペプチドまたはポリペプチド。
(請求項5)タンパク質キャリアに結合体化したアミノ酸配列VSIGLSFPMLP(配列番号1)を含む、少なくとも1コピーのペプチドまたはポリペプチドを含む、請求項1に記載の誘導体。
(請求項6)前記キャリアが、キーホールリンペットヘモシアニンである、請求項4に記載の誘導体。
(請求項7)請求項1に記載のペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸あるいは該核酸と相補的な配列を有する核酸。
(請求項8)請求項1に記載のペプチドまたはポリペプチドあるいはそのアナログまたは誘導体と、薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアとを含む、薬学的組成物。
(請求項9)抗原をさらに含む、請求項8に記載の薬学的組成物。
(請求項10)前記抗原が腫瘍抗原である、請求項9に記載の薬学的組成物。
(請求項11)前記抗原が、前立腺特異的抗原、黒色腫関連抗原およびp53からなる群より選択される、請求項10に記載の薬学的組成物。
(請求項12)前記ペプチドが、VSIGLSFPMLP(配列番号1)である、請求項10に記載の薬学的組成物。
(請求項13)請求項7に記載の核酸を含む、ベクター。
(請求項14)請求項7に記載の核酸を含む、宿主細胞。
(請求項15)MUC1/secをコードする核酸を含む、請求項14に記載の宿主細胞。
(請求項16)DA−3細胞である、請求項15に記載の宿主細胞。
(請求項17)請求項1に記載のペプチドまたはポリペプチドあるいはそのアナログまたは誘導体と、抗原と薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアとを含む、ワクチン。
(請求項18)哺乳動物において癌を処置または予防するための方法であって、該方法は、安全かつ有効な量の請求項8または請求項9に記載の薬学的組成物を該動物に投与する工程を包含する、方法。
(請求項19)哺乳動物において抗原に対する免疫応答を誘導または増強するための方法であって、該方法は、安全かつ有効な量の請求項8または請求項9に記載の薬学的組成物を該動物に投与する工程を包含する、方法。
(請求項20)前記抗原もまた、前記哺乳動物に投与される、請求項19に記載の方法。
(発明の要旨)
アミノ酸配列VSIGLSFPMLP(配列番号1)を含むペプチド、ならびにそのアナログおよびその誘導体は、インビボで免疫調節活性を示す。このようなペプチド、およびそれらをコードする核酸(例えば、RNA、DNA)は、当該分野で公知の体液の基準、または細胞の基準によりアッセイされる場合、被験体(動物またはヒト)において免疫応答を刺激するか、またはさもなければ増強するアジュバントとして使用され得る。例えば、抗体産生の増強、その可溶性免疫媒介物(例えば、サイトカイン)の分泌、抗原提示、エフェクター細胞の産生またはエフェクター細胞の機能(例えば、細胞傷害性)、免疫応答の他の公知の方法、またはこれらの組み合わせが、効力を示すのに使用され得る。特に、このペプチドまたは核酸は、ワクチンアジュバントとして使用されて、インビボで免疫応答を増強させ得、インビボおよび/もしくはインビトロでサイトカイン(1つ以上の細胞の亜集団(subpopulation)のマイトジェンとして)産生を誘導し得、または細胞傷害性を増強させ得る。本発明の1つの目的は、免疫調節および増強作用のための新規分子を提供することである。
抗原特異的な免疫応答を刺激するために、さもなければ増強するために、このペプチドが抗原(例えば、腫瘍抗原、またはバクテリア、ウイルス、原生動物、真菌、糸状菌、または酵母のような感染因子由来の抗原)と共にワクチン処方物の中へ組み込まれ得るか、またはこの抗原に結合体化され得る。核酸は、この抗原、および/もしくはこの抗原をコードする発現ベクターと共に、遺伝子ワクチン接種用の処方物の中へ組み込まれ得るか;あるいは、VSIGLSFPMLP(配列番号1)をコードするヌクレオチド配列、またはこれらのアナログもしくはこれらの誘導体抗原コード領域に結合するか、または抗原コード領域と区別される発現ベクターの中に含まれ得る。他のアジュバントおよび/またはサイトカインのような、ワクチン処方物の成分はまた、この処方物に含まれ得る。従って、これらの組成物は、細胞ワクチン、無細胞ワクチン、分画したかもしくは精製した組み換えタンパクベースのワクチン、または「裸の(naked)」DNAワクチンの中に組み込まれ得る。
処置され得る腫瘍型は、肉腫および癌腫を含むが、これらに限定されない。例えば、白血病、リンパ腫、または脳腫瘍のような癌は、処置され得る。一般的に、任意の抗体ベースの治療、または任意の他の免疫学的処置は、本発明によって増強され得る。
本発明は、免疫応答を増強させるための、有効でかつより低い毒性の、他のアジュバントに対する代替物を提供し得る。これは、医学的処置または獣医学的処置を意図する、生物学的基準を満足する条件下で生成され得、そして、治療および予防に使用される処方物として、生体適合性である。
本明細書中で使用される場合、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」とは、相互交換可能であり、そして各々の用語は、天然に存在するアミノ酸の配列をいう。一般的に、「ペプチド」は、20個未満のアミノ酸残基の配列、「ポリペプチド」は、20個以上のアミノ酸残基の配列をいうことを意味し、そして本明細書中で使用される場合、タンパク質も包含することを意味する。好ましくは、本発明のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、11個と200個の間のアミノ酸残基を包含し、さらに好ましくは、11個と100個の間の残基であり、なおさらに好ましくは、11個と50個の間の残基、そして、最も好ましくは11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の残基を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「単離された」は、元の環境から取り出された物質
(例えば、自然環境から取り出された天然に存在する物質)をいう。上記のベクター、組成物、または細胞が、この物質の元の環境に存在しない場合、このような物質は、ベクターの部分、または物質組成物の部分であり得るか、もしくは細胞内に含まれ得る。
アミノ酸配列VSIGLSFPMLP(配列番号1)を含む、単離されたペプチド、単離されたポリペプチド、もしくは単離されたタンパク質、またはそのアナログもしくはその誘導体を提供することが、本発明の1つの目的である。本発明のペプチドは、免疫増強特性を有し、薬学的組成物およびワクチンにおいて使用され得る。
用語「アナログ」は、本明細書中で使用される場合、同一または類似の機能的特徴(すなわち、免疫調節効果を産生する)を有する配列改変体を意味することを意図する。このような改変体は、「親」化合物の免疫調節特性を保持するようなアミノ酸残基の単一またはいくつかの(2〜3)置換(好ましくは、保存的置換)を有し得る。
用語「誘導体」は、本明細書中で使用される場合、少なくとも1つのさらなる基の付加によって改変されており、そして親化合物の免疫調節能特性を保持する、配列VSIGLSFPMLP(配列番号1)を含む、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質を意味することを意図する。好ましい実施形態において、この誘導体は、本発明のペプチドの多数のコピーが結合体化されるKLH分子を包含する。この誘導体はまた、添付した本発明のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質が結合した抗原であり得る。誘導体の他の例としては、ペプチドの多数のコピーに結合体化されるOVAおよびBSAが挙げられるが、これらに限定されない。このペプチドは、また、その純粋な形態で有用である。本発明のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、化学合成の従来の方法によって、または組み換えDNA技術によって、生成され得る。例えば、宿主微生物が、このポリペプチドをコードするDNAフラグメントで形質転換され得、そしてこのポリペプチドが培養物から収集され得る。宿主生物は、例えば、バクテリア、酵母、ウイルスベクター、または哺乳動物の細胞であり得、それによって、問題のDNAフラグメントは、宿主生物のゲノムの中に組み込まれるか、または宿主生物の中で複製し得る、適切な発現ベクターの中に挿入される。このDNAフラグメントは、適切な転写シグナルおよび翻訳シグナルを含む領域の制御下に位置する。これらの手段によってポリペプチドを得る方法は、当業者によく知られている。
本発明の別の目的は、本発明のペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質をコードする核酸、またはそれらの誘導体もしくはそれらのアナログを提供することである。本発明の核酸は、組み換え、合成、または当業者に利用可能な任意の手段によって生成され得、そして、この核酸は、当該分野において公知の技術を使用してクローン化され得る。このことに関して、本発明はまた、本発明の核酸を含むベクター、および本発明の核酸を含む宿主細胞を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、および「ポリヌクレオチド」は、単鎖形態か、または二重鎖形態のいずれかの、1つより多いヌクレオチドのRNA配列、DNA配列、またはRNA/DNAハイブリッド配列を含むことを意味し、そして、これらは、互換性をもって使用される。
用語「相補的な」、または用語「その相補体」は、本明細書中で使用される場合、相補的な領域全体にわたって、別の特定したポリヌクレオチドとWatson&Click塩基対合を形成し得る、ポリヌクレオチド配列のことをいう。この用語は、それらの配列のみに基づくポリヌクレオチドの対に適用され、そして、この用語は2つのポリヌクレオチドが実際に結合する特定の条件には適用されない。
本発明はまた、本発明のペプチドもしくはポリペプチド、またはそれらのアナログもしくはそれらの誘導体、および薬学的に受容可能な賦形剤、または薬学的に受容可能なキャリアを含む、免疫原性薬学的組成物を包含する。好ましい実施形態において、この薬学的組成物は、少なくとも1つの抗原(好ましくは腫瘍抗原)を含む。腫瘍抗原としては、例えば、以下が挙げられる:自己腫瘍細胞、同種腫瘍細胞、ガングリオシド、癌胎児抗原、前立腺特異抗原、抗原に関連する黒色腫、およびp53、ならびに当業者に公知の他の腫瘍抗原。本発明で使用され得る他の抗原としては、以下が挙げられる:ウイルス抗原(例えば、乳頭腫ウイルス(papillmavirus)由来抗原、B型肝炎由来抗原およびC型肝炎由来抗原、HIV由来抗原、ならびにHTLV−1由来抗原)、およびバクテリア由来抗原、ならびにM.Tuberculosisのような感染性微生物由来の他の抗原。
本発明はまた、ワクチン、および免疫学的応答を誘導する方法、または増強する方法を含む。好ましい実施形態において、このワクチンは、本発明の免疫調節ペプチドもしくはポリペプチド、またはそのアナログもしくはその誘導体、抗原、および薬学的に受容可能な賦形剤または薬学的に受容可能なキャリアを含む。特に好ましい実施形態において、この抗原は、腫瘍抗原である。
ワクチンの処方は、一般的に当業者に公知であり、そして技術文献(参照、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版 Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,USA.)に広く記載される。
本発明の免疫原性薬学的組成物、またはワクチンはまた、必要に応じて、本発明の免疫調節ペプチド、または免疫調節ポリペプチドに連結され得る、1つ以上のさらなるアジュバント(例えば、BCG、KLH、IL−2、GM−CSF、およびcytoxan)を含み得る。1つの好ましい実施形態において、本発明の免疫調節ペプチドは、マレイミド(malaimide)活性化KLHを用いて、KLHに結合化される。このペプチドが結合化されるアジュバントに依存して使用され得る多くの連結パッケージは、当該分野で公知である。一般的な形態は、R−HNCO−X、またはR−HCNO−Xである(R=最適なアジュバント、X=ペプチド)。
本発明のワクチンまたは薬学的組成物の安全用量および有効用量を投与することによる、疾患もしくは障害の予防方法または処置方法を提供することもまた、本発明の目的である。本発明の薬学的組成物およびワクチンの安全用量および有効用量は、過度の実験なしで、当業者によって決定され得る。安全用量および有効用量は、当業者によって受け入れがたいと考えられる有害な影響を引き起こすことなしに、被験体の免疫応答に対して有益な効果を生じるように、被験体に投与され得る用量であると考えられる。このような有害な影響のいずれも、本発明の処置の利益、代替利用可能な処置の利点、および当業者によく知られている他の因子に対してバランスをとらなけらばならないことが理解される。好ましい実施形態において、本発明は、腫瘍(特に癌性腫瘍)の予防方法、またはその処置方法を提供する。
(発明の詳細な説明)
規定された腫瘍抗原を使用して、乳癌に対する免疫応答を研究するために、本発明者らは、BALB/cマウス宿主の転移性傷害および死に導く乳癌細胞株であるDA−3細胞を、膜貫通MUC1アイソフォーム(DA−3/TM)、分泌型(DA−3/sec)、またはネオマイシンベクター単独(DA−3/neo)でトランスフェクトした。分泌型MUC1でトランスフェクトすることにより、DA−3細胞は、インタクトなBALB/cマウス中で増殖できなくなるが、一方これらはヌードBALB/c動物中では増殖する。DA―3/sec細胞のワクチン接種は、DA−3/TM細胞、またはDA−3/ne
o細胞を用いるチャレンジに対する保護、およびBALB/cマウスとまた同系の2つの関連しない腫瘍に対する保護を与える。分泌MUC1アイソフォームに存在する固有の11個のアミノ酸ペプチドは保護効果に関係し、そして免疫増強分子として作用すると思われる。
(材料および方法)
(マウスおよび腫瘍)
インタクトなBALC/cマウスを、University of Miami School of Medicineの本発明者らの実験室において、兄弟姉妹交配によって維持した。BALB/c nu+/nu+を、Taconic Labsから購入した。DA−3腫瘍細胞株を、BALB/cマウスと同系のインビボのD1−DMBA−3マウス乳腺腫瘍から得た(4)。DA−3細胞は、BALB/cマウスにおいて腫瘍を生成し、肺において転移性病変を引き起こす。この細胞株を、5% FCS(ウシ胎仔血清)、100Uペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、5×10−5M 2−βメルカプトエタノール(2−BME)、2mM L−グルタミン、1%非必須アミノ酸、1%必須アミノ酸、および1%ピルビン酸ナトリウム(全て、GIBCO BRL,Gaithersburg,MDから購入)を補充したRPMI−1640培地において増殖させ、そして連続継代によって維持する。これらの細胞は、リムルスアメーバ様細胞溶解物(Pyrogent(登録商標)plus;Whittaker M.A.Bioproducts,Inc.,Walkersville,MD)を用いた慣用的アッセイによって確かめられるように、内毒素を有さない。
(ペプチドフラグメントおよび抗体の調製)
23と称されるモノクローナル抗体を使用して、MUC1/TMおよびMUC1/secの両方に共通する縦列反復配列を検出した。抗体1709(Aves Labs,Tigard,OR)を、マレイミド(malaimide)活性化キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)を用いてKLHに結合体化されたMUC1/sec特異的ペプチド(VSIGLSFMLP(配列番号:))を用いてニワトリを免疫することによって、調製した。遊離ペプチド濃度およびKLH1分子あたり少なくとも150のペプチド分子の結合体を、免疫のために使用した。前免疫IgY抗体を、免疫前に集められた卵から調製した。
(DA−3細胞のトランスフェクション)
MUC1アイソフォームを発現する安定なトランスフェクト体を、MUC1/TM cDNA、または分泌型MUC1/sec cDNAのいずれかを有し、ネオマイシンプラスミド(pSV2 neo)選択マーカーを有する発現プラスミドを、DA−3マウス乳腺腫瘍細胞へと同時トランスフェクトすることによって生成した。コントロールとして、細胞をまた、空のプラスミドでトランスフェクトし、そしてネオマイシン耐性について選択した。
(インビボでの腫瘍増殖)
親DA−3細胞、ネオマイシンコントロールおよびMUC1アイソフォームトランスフェクト細胞を、洗浄し、計数し、そして10の細胞を、同系のインタクトなBALB/cマウスまたはヌード(nu/nu)BALB/cマウスに、皮下(s.c.)注射した。腫瘍の増殖を、2〜3日毎にモニターし、そしてカリパスを用いて測定された場合に、10mmより大きい腫瘍を有するマウスを、腫瘍陽性としてスコアした。
(ワクチン接種プロトコル)
BALB/cマウスを、2週間の間隔で2回または3回、生理食塩水溶液中の10のDA−3/sec腫瘍細胞でワクチン接種した。最後のワクチン投与から2週間後、この
動物を、トランスフェクトされないDA−3細胞またはネオマイシンベクター単独でトランスフェクトされたDA−3細胞もしくはMUC1膜貫通アイソフォームでトランスフェクトされたDA−3細胞を用いて、チャレンジした。いくつかの実験において、チャレンジをするために使用された腫瘍は、腎細胞癌、RENCA、または骨肉腫K7であった。10の腫瘍細胞を、10のDA−3/sec細胞と混合して、各チャレンジのために使用した。
他の研究において、分泌型MUC1アイソフォーム中に存在する、独特の11アミノ酸ペプチドが、Aves Labs,Inc.(Tigard,OR)によって合成され、そのペプチドは、KLHに結合された。ペプチドのKLHに対する正確な比は、各合成によって異なるので;各投与において、当量のペプチドを送達するために調製物を規格化した。このKLHペプチドを、2週間間隔のワクチンとして使用した。50μgのペプチドを、フロイント完全アジュバントと共に、第1のワクチンとして、BALB/cマウスに投与した。2週間後、25μgのペプチドを、フロイント不完全アジュバントと共に投与した。2週間後、このマウスを、アジュバントを有さない25μgのペプチドと混合された10のDA−3/sec細胞またはDA−3/neo細胞を用いて、チャレンジした。
全ての研究において、ワクチン接種されないマウスを、コントロールとして働くための実験群におけるのと同じ腫瘍チャレンジを与えた。腫瘍の増殖を、2日または3日毎にモニターし、そして腫瘍の大きさを、カリパスによって測定した。
(実施例1)
DA−3乳腺腫瘍細胞を、材料および方法に記載されるように、ヒトMUC1の膜貫通アイソフォームおよび分泌アイソフォームの両方を用いてトランスフェクトした。トランスフェクションの成功を、MUC1縦列反復配列に特異的なH23抗体を使用して、このMUC1縦列反復の存在について細胞を染色することによって、証明した(5)。この得られた細胞株を、インビトロ実験において使用し、BALB/cマウスにおける腫瘍出現の発生数および時間を決定した。表1に示されるように、DA−3乳腺腫瘍細胞、DA−3/neo乳腺腫瘍細胞、およびDA−3/TM乳腺腫瘍細胞をマウスに移植することによって、7日までにほほ同じサイズの触知可能な腫瘍を生じ、そして15日までに実質的に全ての動物が、かなり大きな腫瘍を生じた。
(表1.BALB/cマウスにおける腫瘍出現の発生数および時間)
Figure 2005247861
驚いたことに、MUC1分泌形態(DA−3/sec)を用いてトランスフェクトされたDA−3細胞は、腫瘍の発達を引き起こさなかった。注目すべきことには、図1で見られるように、これらの動物は、移植の12ヶ月より後でさえも腫瘍を有さないままであるのに対して、他の3つの型のDA−3細胞を有する動物は、100日より長くは生存しない。腫瘍の増殖が、1回の接種あたり1×10細胞の濃度までのDA−3/sec腫瘍細胞を用いて移植されたマウスで観察されなかったことは指摘されるべきである。
(実施例2)
トランスフェクションの工程によって、DA−3/sec細胞の基本的な増殖能力が選択的に損なわれたということは、この結果についてのありふれた説明であり得る。この可能性を試験するために、本発明者らは、これら4つの型のDA−3腫瘍細胞のインビトロ増殖特性を調査した。図2に示されるように、親細胞株および全ての種々のトランスフェクト体は、インビトロで類似した速度論で増殖した。実際には、DA−3/sec細胞は、他の細胞株より良好に増殖するように見え、このことはこれらの細胞のインビトロでの増殖能力が、トランスフェクション操作によって改変されなかったことを示す。
(実施例3)
DA−3/sec細胞が、インビボでの全ての腫瘍形成能力を喪失したかどうかを決定するために、4つのDA−3細胞株の全てを、nu/nuBALB/cマウスに移植し、そして種々の時点における腫瘍出現の発生率および腫瘍の大きさを評価した。図3は、DA−3細胞、DA−3/neo細胞、およびDA−3/TM細胞が、BALB/cヌードマウスにおいて、移植後7日までに触知可能な腫瘍を生じ、これらの細胞は、インタクトなBALB/c動物の様式と類似する様式で増殖したことを示す。表1および図1の結果を対照的に、DA−3/sec腫瘍細胞は、全てのヌードマウスにおいて、14日までに腫瘍を生じ、そして25日までに、これらの全ての動物が腫瘍を有した。従って、DA−3/sec細胞を移植されたインタクトなBALB/cマウスにおいて腫瘍増殖が生じないことは、免疫学的に制御されるように見える。なぜなら、たとえ出現の時間がより遅くとも、ヌードマウスにおけるこの腫瘍の移植は、100%の腫瘍の獲得を生じるからである。これらの結果は、MUC1の分泌形態を保持する発現プラスミドで別々にトランスフェクトされた他の2つのDA−3腫瘍細胞を使用して、繰り返された。表2に見られるように、MUC1−sec遺伝子でトランスフェクトされた3つの別個のDA−3細胞はいずれも、インタクトなBALB/cマウスにおいて、増殖し得なかった。
(表2.異なるDA−3/secトランスフェクト体のBALB/cマウスにおける腫瘍発生率)
Figure 2005247861
図4は、免疫欠損マウスにおいてこれら3つの異なるDA−3/sec細胞トランスフェクト体(すなわち、DA−3/sec、DA−3/sec11、およびDA−3/sec22)の増殖速度論がいくらか異なるとはいえ、これらトランスフェクト体全てが、BALB/cヌードマウスにおいて、インビボで増殖し得ることを示す。興味深いことに、ヌードBALB/c動物で増殖したDA−3/sec腫瘍は、免疫学的にインタクトなBALB/cマウスに移植された場合、増殖しなかったが、この腫瘍は、他のヌードBALB/c動物に接種された場合、増殖する(データ示さず)。これらの実験の結果によって、T細胞(および、より低い度合いで、別の型の非T細胞エフェクター)が、分泌形態のMUC1を用いてトランスフェクトされた腫瘍の増殖の制御に関与することが示唆される。
(実施例4)
本発明者らは、BALB/cマウスのDA−3/sec細胞での移植が、他のMUC1腫瘍細胞に対して保護を付与するかどうかを評価した。ムチンを発現しないDA−3細胞(DA−3/neo)もまた、本研究に含んだ。実験群は、1×10細胞のDA−3/TM細胞またはDA−3/neo細胞を単独またはDA−3/sec細胞と混合してチャレンジする前に、1週間の間隔で2回または3回の1×10のDA−3/sec細胞の注射を受けた。コントロールとして、ワクチン接種されない動物を、DA−3/neo細胞またはDA−3/TM細胞のいずれかを用いてチャレンジをした。DA−3 sec(10細胞)を混合されない2回の注射を受ける動物は、DA−3/TM細胞単独でチャレンジされた場合、腫瘍の出現のほんの短い遅延(すなわち、コントロール群における1週間での腫瘍を有する13/14匹の動物に比べて、2週間で13/22匹の腫瘍を有する動物)を引き起こした。チャレンジ前に10のDA−3/sec細胞の3回の注射を受けたマウスは、DA−3/TM細胞の増殖だけでなくDA−3/neo細胞の増殖も、ワクチン接種されなかったコントロール群に比べて、予想外に遅延した。注目すべきことに、チャレンジのために使用されたDA−3/TM腫瘍細胞が、移植の時にDA−3/sec細胞と混合された場合(図5)、コントロール群に比べて腫瘍出現の時間が遅延しただけでなく、ワクチン接種されたマウスの50%においてDA−3/TM腫瘍細胞を増殖させない実際の実質的な防御が存在した。さらに、この防御は、MUC1分子の認識に起因しないように見えた。なぜなら、同様の効果が、DA−3/sec細胞でワクチン接種され、かつDA−3/neo乳腺腫瘍細胞およびDA−3/sec乳腺腫瘍細胞の混合物を用いてチャレンジされた動物において見出され得るからである。
(実施例5)
DA−3/sec細胞をワクチン接種することが、DA−3乳腺腫瘍バックグラウンドにおける腫瘍以外の腫瘍の増殖に対する防御を付与し得るかどうかを決定するために、さらなる研究を実施した。BALB/cマウスに同系である2つの無関係な腫瘍(すなわち、腎細胞癌株(RENCA)、および骨肉腫(K7細胞株))を、使用した。図7は、DA−3/sec細胞で2回、BALB/cマウスをワクチン接種し、その後RENCA細
胞とDA−3/sec細胞との混合物を用いてチャレンジすることによって、ワクチン接種されないコントロールに比べて、腫瘍の増殖が実質的に減少したことを示す。チャレンジ時におけるDA−3/secの添加は、DA−3/TM細胞実験およびDA−3/neo細胞実験の場合と同様、必要であった。なぜなら、混合されていないRENCA細胞の増殖が、損なわれなかったからである。同様の結果を、K7骨肉腫細胞を使用した実験において得た。図8に見られるように、K7細胞とDA3/sec細胞との混合物を移植されたワクチン接種されないマウスの80%は、チャレンジの21日後までに、腫瘍を出現した。しかし、10のDA−3/sec乳腺腫瘍細胞で2回ワクチン接種されたマウスは、腫瘍の出現がチャレンジの40日後までに遅延し、腫瘍の発達に対する防御を有した。実際、チャレンジの70日後、50%未満のワクチン接種されたマウスが、腫瘍を有した。
(実施例6)
分泌形態MUC1がなぜ防御を与えるかについての可能性のある手掛かりは、MUC1膜貫通アイソフォームおよびMUC1分泌アイソフォームの構造の分析から得られた。MUC1/TMアイソフォームおよびMUC1/SECアイソフォーム由来のcDNAの模式図を、図9に示す。これらのcDNAを、図の左側でその5’末端から描く。縦列反復アレイを、縦縞領域によって示し、シグナルペプチド、膜貫通ドメイン、および細胞質ドメインをコードする領域は、それぞれSP、TM、およびCYTによって示され、そして2つの形態において同じ濃淡を有する。MUC1/secアイソフォームの末端のアミノ酸配列は、VSIGLSFPMLPである(3)。重要なことには、これら11アミノ酸の高ストリンジェンシーでのBLASTP1.4.11(6)分析は、任意の公知のタンパク質配列との同一性を有さないヒトLy49Eリガンドと、約50%の同一性を明らかにした。低ストリンジェンシーでは、2つのEchinococcus種由来のグルタチオンS−トランスフェラーゼが、Mycobacterium lepraeの推定タンパク質MLCB4.30および2つの植物種のEFハンドタンパク質(EF hand protein)に対して、いくらかの親和性を示した。このペプチドは、その親水性特性に起因して、高度に抗原性でありそうである。分泌型MUC1アイソフォームでトランスフェクトされたDA−3細胞中のこのペプチドの存在を確かめるために、KLHに結合した独特の11アミノ酸ペプチドに対するニワトリIgY抗体を調製した。この試薬を利用する直接的ELISAを、DA−3/sec培養物の上清中のこのペプチドを検出するために開発した。簡単には、1mlあたり0.2〜10.0μgのタンパク質または無血清培地からの組織培養物上清を含むコーティング緩衝液50μlを、4℃で一晩プレートした。ブロッキング緩衝液を37℃で1時間加え、プレートを3回洗浄し、一次抗体を1時間または一晩インキュベートし;3回洗浄し;二次抗体を(必要な場合1時間)加え、3回洗浄し;可視化溶液を加え;インキュベートし、そして読み取った。既知濃度の精製ペプチドのポジティブコントロールを、全てのアッセイにおいて使用した。試験された全ての培養物は、この分子について陽性であった(データ示さず)。
(実施例7)
このペプチドを用いたワクチン接種の潜在的な有利な効果を評価するための実験を、実施した(図10)。DA−3/TM細胞またはDA−3/neo細胞(10細胞)での注射を受けたコントロールマウスは、アジュバント単独の存在下または非存在下に関わらず、100%の腫瘍増殖を生じた。実験マウスは、アジュバントの存在下でKLH結合した独特なペプチドでの注射を、8日間隔で2回受けた。第2の注射の8日後、この動物に、KLH結合ペプチドと腫瘍細胞との混合物を用いて、チャレンジした。DA−3/TM細胞と混合されたペプチドを用いたチャレンジによって、12匹のマウスのうちたった7匹で腫瘍増殖を生じ、さらなる動物が、4週間で腫瘍を発生した。KLH結合ペプチドとDA−3/neo細胞との混合物でワクチン接種されたマウスのチャレンジは、より多くの防御さえももたらし、ほんの40%の動物が腫瘍を生じ、その上、さらに1匹のマウス
が、1ヶ月遅れて腫瘍増殖を示した。重要なことには、生存動物は、DA−3/TM細胞またはDA−3/neo細胞いずれかでの最初のチャレンジの6ヶ月後に、腫瘍の徴候を示さなかった。
(実施例8)
さらなる研究において、ペプチドワクチン接種の効果を、2つの他の腫瘍において評価した。図11Aにおいて、このプロトコルが、RENCA細胞がBALB/cマウスに移植された場合、わずかな防御および腫瘍出現の遅延のみを提供することが見られ得る。重要なことには、KLH結合免疫強化ペプチドが、別のマウス株(C57/BL6マウス)でのワクチン接種プロトコルで使用され、非常に侵襲性のLewis肺癌腫でチャレンジされた場合、図11Bにみられるように、防御効果がまた、観察された。
(実施例9)
DA−3/sec細胞と混合されたより少数のチャレンジ細胞が、腫瘍増殖に対する防御を提供するためにDA−3/sec細胞に前もってさらす必要性を取り除くかどうかを決定するために、5×10のDA−3/TM細胞を、同量のDA−3/sec細胞と混合し、そしてマウスに投与した。図12に示されるように、この処置によって、いすれのあらかじめのワクチン接種がなくとも、腫瘍発生に対して60%の防御が提供された。
(実施例10)
エフェクター細胞がDA−3/sec腫瘍細胞増殖に対して観察された防御に関与するかどうかを決定するために、この細胞を獲得する2週間前に、DA−3/sec腫瘍細胞の接種を受けたマウス由来の脾臓細胞を使用して、51Cr標識化細胞に対する細胞傷害性アッセイを実施した。10×10の脾細胞を、2×10〜2×10のマイトマイシンC(MMC)処理したDA−3/sec細胞の存在下で、5日間培養した。DA−3/secで感作された脾細胞は、DA−3/sec細胞に対して強い細胞溶解活性を示した(図13)。DA−3/secで感作された脾細胞は、DA−3/TM標的、DA−3/neo標的およびDA−3標的に対して、低いレベルの細胞傷害性を有した。これらの結果は、リンパ球の集団が、DA−3/secを用いた刺激の際にインビトロで広がることを示唆し、この刺激は、DA−3/sec標的に対して、強力なエフェクター機能を有する。
(実施例11)
免疫系の細胞は、多数の殺傷機構を有し、この殺傷機構には、Fas−Fasリガンド相互作用(7)およびパーフォリン−グランザイム媒介性殺傷(8)が挙げられる。DA−3/sec感作脾細胞を、抗Fas抗体またはコンカナマイシン(Concanamycin)A(CMA)(パーフォリン媒介性殺傷をブロックするH ATPアーゼのブロックを介する小胞酸性化のインヒビター(9))で処理した。CMAは、用量依存様式で、DA−3/sec標的の殺傷を効率的にブロックした(図14)のに対して、細胞傷害性に対する効果は、抗Fas抗体の添加では観察されなかった(図15)。これらの結果は、Fas/FasLが、DA−3/sec細胞の細胞傷害性において役割を果たさないが、Fas/FasLが、パーフォリン−グランザイム経路を介して媒介されることを示す。
(実施例12)
インビボでのDA−3/sec細胞への曝露によって、YAC−1標的細胞(古典的なマウスNK標的細胞)(10)に対してより高いNK活性を生じるかどうかを決定するために、正常な脾細胞を、溶解を誘導するその能力に関して、DA−3/sec細胞にインビボで3日間または10日間曝された脾細胞と比較する実験を実施した。図16に見られるように、アッセイ3日前にDA−3/sec細胞を注射されたBALB/cマウス由来
の脾臓細胞は、正常なマウス由来の脾臓細胞と比較して、いくらかより高いレベルのYAC−1細胞に対する溶解活性を有する。この強化されたNK反応性は、試験10日前にDA−3/sec細胞でワクチン接種されたマウスにおいて、より明白である。
(実施例13)
本発明者らの実験室における他の予備的な研究によって、ヒトMUC1分泌形態によってトランスフェクトされたDA−3細胞が、インビボおよびインビトロの両方で、エフェクター細胞をDA−3/sec細胞に対して応答するように刺激するが、膜貫通形態は刺激しないことが示唆された。上に挙げられたように、MUC1/secタンパク質のC末端上には、独特な11アミノ酸ペプチドが存在するが、MUC1/TMタンパク質上には存在しない。このペプチド(「免疫強化ペプチド」、すなわちIEPと称される)に対応する合成ペプチドが作製され、このペプチドは、それがワクチン接種プロトコルで使用される場合、DA3、DA−3/neo、DA3−TM、K7骨肉種、RENCA、およびLewis肺癌腫細胞に対する防御効果を有することが見出された。本発明者らは、細胞傷害性に対するこのペプチドの潜在的な効果を調査した。本発明者らは、このペプチドを、なお別の腫瘍モデル(すなわち、D1−DMBA−3乳腺腫瘍保有マウス)で試験した。このDA−3細胞株は、もともとこの腫瘍から得られ、本発明者らの実験室で同系のBALB/cマウスにおいてインビボで、慣用的に経代される。図17において、正常なマウスまたはD1−DMBA−3腫瘍保有マウスのいずれかから得た脾細胞へのインビトロでのMUC1/secの独特なペプチドの5日間の添加によって、DA−3/sec腫瘍標的に対する有意なレベルの細胞傷害性が生じたことが見られ得る。重要なことには、上記のプロトコルに類似するワクチン接種プロトコルは、D1−DMBA−3腫瘍の増殖に対する有意な防御を与えた。このNK細胞アッセイにおいて、このペプチドが免疫細胞を刺激する能力を、試験した。このアッセイは、DA−3/sec腫瘍がヌードマウス中での増殖の初期段階の間に抑制されるという観察に基づいて選択され、この観察は、生得的な免疫成分が、DA−3/secに対する即座の反応に関与し得ることを示唆した。従って、免疫強化ペプチド(IEP)の免疫調節活性を試験するために、BALB/c脾細胞を、10μgのIEPを用いて、30〜45分間前処理し、その後クロム標識YAC−1標的またはクロム標識EL−4標的を、以前に記載される(11)ように4時間のアッセイに添加した。図18に見られるように、ペプチド添加によって、古典的なマウスNK標的細胞(YAC−1)に対する正常な脾細胞からの、細胞傷害性レベルの上昇を生じた。さらに、EL−4標的細胞(これは、正常な脾臓細胞によるNK型の細胞傷害性に対して感受性ではない)は、免疫強化ペプチドに前もって曝露された場合、これらのエフェクターによって容易に溶解可能であった。他の実験において、本発明者らは、正常なBALB/cマウスまたはC57 BL/6(B6)マウス由来の脾臓エフェクター細胞を活性化して、MUC1/sec独特ペプチドへの前もっての曝露によって、DA−3/sec標的細胞を殺傷し得た(図19)。
(実施例14)
観察された細胞傷害性が、この独特の11アミノ酸ペプチドの腫瘍細胞に対する直接の毒性効果に起因することを議論し得る。この可能性を試験するために、本発明者らは、高レベルのIEPを、いくつかの腫瘍標的にインビトロで加え、4日後の培養物中での細胞生存性を決定した。表3に見られるように、細胞がインビボで曝されるペプチドレベル、すなわちエフェクター細胞媒介性細胞傷害性アッセイにおけるペプチドレベルよりもずっと高いペプチドレベルでのそのような処置によって、腫瘍細胞に対する増殖の阻害も細胞殺傷活性も引き起こされなかった。
(表3.インビトロでの腫瘍増殖に対するSecペプチドの効果)
Figure 2005247861
ウェル当たり50μg
4日後の培養物中の総細胞
(結論)
本明細書中に開示されるデータによって、MUC1遺伝子の新規分泌型アイソフォーム(MUC1/sec)のトランスフェクションが、BALB/cマウスにおいて、侵襲性の免疫原性を確立された腫瘍細胞株の増殖が防止することが示される。ワクチン接種プロトコルで使用される場合、このMUC1/secは、非特異的な様式で、同系腫瘍に対する防御を提供し得る。MUC1/sec分子に存在する独特の11アミノ酸ペプチドは、この防御効果に関与し、そしてワクチン接種プロトコルで使用される場合、このペプチドは、種々の腫瘍細胞株に対して効果的に作用し得る。このデータはまた、生来の免疫系および/または適応性免疫系のエフェクター細胞による細胞傷害性が、この観察された結果に関与することを示唆する。このペプチドの効果は、所定の型の腫瘍またはマウス株に限定されないので、このペプチドは、単独での使用および/または種々の広範な腫瘍に対する他の免疫調節分子と組合わせての使用が可能であるはずである。このペプチドを注射された動物において、毒性は検出されなかった。このIEPの広い範囲の作用によって、腫瘍に対してだけでなく、HIV、B型肝炎およびC型肝炎のようなウイルス性または細菌性の疾患、ならびに他の微生物感染(例えば、結核)に対してのこの薬剤の使用もまた可能になり得、ここで免疫応答の強化は、曝露された個体において陽性の効果を有し得る、
本発明の好ましい実施形態を記載することにおいて、特定の用語を明瞭さのために使用する。しかし、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図しない。各特定の要素が、全ての技術的等価物を含み、類似する目的を達成するために同様の様式で影響を作用することが理解されるべきである。
本明細書中で示されかつ議論された実施形態は、当業者に、本発明を作製しそして使用するための本発明者らに既知である最良の方法を教示することのみのために意図され、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。本発明の例示された実施形態は、上記教示の観点から当業者に理解されるように、本発明から逸脱することなく、改変または変更され得、そして要素を添加または削除され得る。従って、特許請求の範囲の範囲およびこれらに等価な範囲内で、本発明が、具体的に記載される範囲とは異なるように実施され得ることが理解されるべきである。
本明細書中に引用される全ての特許、公開特許刊行物および他の刊行された参考文献は、参考として本明細書中に援用される。参考文献を、便宜上以下に列挙する。
(参考文献)
Figure 2005247861
Figure 2005247861
図1 トランスフェクトされていないDA−3乳癌細胞(10)移植後のインタクトなBALB/cマウスの生存率、またはネオマイシンベクターのみでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/neo)、または膜貫通MUC1アイソフォームでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/TM)もしくは分泌MUC1アイソフォームでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/sec)。 図2 トランスフェクトされていないDA−3乳癌細胞もしくはネオマイシンベクターのみでトランスフェクトしたDA−3細胞(DA−3/neo)のインビトロにおける成長反応速度、または膜貫通MUC1アイソフォームでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/TM)、または分泌MUC1アイソフォームでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/sec)。 図3 トランスフェクトされていないDA−3乳癌細胞(10)を移植されたBALB/c(nu/nu)マウスにおける腫瘍の成長、またはネオマイシンベクターのみでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/neo)、または膜貫通MUC1アイソフォームでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/TM)もしくは分泌MUC1アイソフォームでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/sec)。 図4 トランスフェクトされていないDA−3乳癌細胞(10)もしくはネオマイシンベクターのみでトランスフェクトしたDA−3細胞(DA−3/neo)接種後のヌードBALB/cマウスにおける腫瘍の成長、または膜貫通MUC1アイソフォームでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/TM)もしくは分泌MUC1アイソフォームの3つの別個のトランスフェクタントでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いた場合(DA−3/sec)。 図5 膜貫通MUC1アイソフォームでトランスフェクトしたDA−3細胞(DA−3/TM)およびDA−3 sec細胞の混合物のBALB/cマウスにおける成長に対する、分泌MUC1アイソフォーム(DA−3/sec)細胞でトランスフェクトしたDA−3細胞を用いるワクチン接種の効果。 図6 ネオマイシンベクターのみでトランスフェクトしたDA−3細胞(DA−3/neo)およびDA−3 sec細胞の混合物のBALB/cマウスにおける成長に対する、分泌MUC1アイソフォーム(DA−3/sec細胞)でトランスフェクトしたDA−3細胞を用いるワクチン接種の効果。 図7 RENCA腎細胞癌およびDA−3/sec細胞の混合物のBALB/cマウスにおける成長に対する、分泌MUC1アイソフォーム(DA−3/sec細胞)でトランスフェクトしたDA−3乳癌細胞を用いるワクチン接種の効果。 図8 K7骨肉腫細胞およびDA−3/sec乳癌細胞の混合物のBALB/cマウスにおける成長に対する、分泌MUC1アイソフォーム(DA−3/sec細胞)でトランスフェクトしたDA−3乳癌細胞を用いるワクチン接種の効果。 図9 ヒト膜貫通MUC1アイソフォーム(MUC1/TM)およびヒト分泌MUC1(MUC1/sec)アイソフォームのcDNA配列の図示。 図10 ペプチドワクチン接種。ネオマイシンベクター単独(DA−3/neo)か、または膜貫通MUC1アイソフォーム(DA−3/TM)のいずれかでトランスフェクトしたDA−3細胞を用いる、KLH結合固有ペプチドの混合物の成長に対する、分泌ヒトMUC1アイソフォームのKLHに結合した固有の11個のアミノ酸ペプチドを用いるワクチン接種の効果。 図11Aおよび図11B BALB/cマウスにおけるRENCA腫瘍細胞(11A)か、またはC57/BL6マウスのLewis肺癌(11B)のいずれかを用いる、KLH結合固有ペプチドの混合物の成長に対する、分泌ヒトMUC1アイソフォーム由来のKLH結合固有アミノ酸ペプチドの効果。これらの図面は、MUC1/secペプチドワクチン接種の有効性が、系によって制限されないことを示す。 図12 腫瘍成長に対する、DA−3/sec細胞と共により少ない数のチャレンジ細胞(DA−3/TM)を含む混合物の投与の効果。この図は、より少ない数のチャレンジ細胞がワクチン接種無しに、効果的な防御を可能にすることを示す。 図13 DA−3腫瘍細胞標的に対する、DA−3/secを注射したマウス由来の脾(spenic)細胞の細胞傷害性活性。 図14 DA−3/sec脾細胞の細胞傷害性に対する、パーフォリンインヒビターのコンカナマイシンAの効果。図面は、パーフォリンが、活性化された脾細胞によるDA−3/sec腫瘍細胞の溶解を媒介することを示す。 図15 DA−3/sec標的およびポジティブコントロールに対するDA―3/secで活性化された脾細胞の細胞傷害性に対する抗Fas抗体の効果。図面は、Fas/FasLが、DA−3/sec細胞傷害性において役割を果たさないことを示す。 図16 YAC−1標的に対する古典的NK活性に対する、インビボでのDA−3/sec曝露の効果。図面は、インビボでのDA−3/sec曝露で、より高い古典的NK活性対YAC−1標的を生じることを示す。 図17Aおよび図17B インビトロ(17A)、およびインビボ(17B)におけるD1−DMBA−3腫瘍保有者(bearer)の免疫応答に対するMUC1/secペプチドの効果。図面は、MUC1/secペプチドが、D1−DMBA−3腫瘍保有者の免疫応答を刺激することを示す。 図18Aおよび図18B YAC−1(18A)およびEL―4(18B)標的細胞の溶解に対するMUC1/secペプチド有りおよび無しでの、正常BALB/c脾細胞の効果。図面は、MUC1/secペプチドが、正常BALB/c脾細胞を活性化して、複数の標的を殺傷することを示す。 図19Aおよび図19B DA−3/sec腫瘍細胞の溶解に対する、MUC1/secペプチド有りおよび無しでの、異なるマウス系由来の正常脾細胞の効果。図面は、正常脾細胞が、MUC1/secペプチド存在下で、DA−3/sec腫瘍細胞を殺傷することを示す。

Claims (1)

  1. アミノ酸配列VSIGLSFPMLP(配列番号1)を含む単離されたペプチドまたはポリペプチドあるいはそのアナログまたは誘導体であって、該ペプチドまたはポリペプチドは、哺乳動物に投与された場合、抗原に対する免疫応答を増強する特性を有する、ペプチドまたはポリペプチド。
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