JP2005238883A - 列車検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化に適し電力消費量の多くないフェールセーフな列車検知装置を実現する。
【解決手段】列車からのATS信号Aを受信する受信コイル10と、励磁/非励磁を列車の有/無とする列車検知信号を出力する検知リレー24と、ATS信号Aの第一周波数f1と他の第二周波数f2との周波数弁別を行う周波数弁別回路11+32と、第二周波数f2検出時に検知リレー24を励磁し非検出時に励磁を中断するリレー駆動回路13〜15と、受信コイル10を含めたインダクタンスとの共振周波数を第二周波数f2にするキャパシタンス部材を有するLC発振回路40とを備える。また、常態の第二周波数f2も、列車接近時の第三周波数f3も、第一周波数f1より低くする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鉄道分野における列車検知装置に関し、詳しくは、ATS信号(自動列車停止装置の空間伝播信号)を利用した列車検知をフェールセーフに行う列車検知装置に関する。
例えば点制御軌道回路を使用して列車検知を行っている踏切では、無警報や無遮断といった不所望な事象が発生するのを確実に防止して安全性の向上を図るために、列車からのATS信号を利用して列車検知を行う列車検知装置を並設して列車検知をバックアップすることが行われている(例えば非特許文献1参照)。
そして、そのようなATS信号利用列車検知の方式として、開電路形(例えば特許文献1参照)と閉電路形(例えば特許文献2参照)が知られているので、それぞれについて本発明の説明に役立つ部分を抜粋して説明する。
図4は、開電路形の列車検知装置を示し、(a)が地上装置の全体ブロック図、(b)が受信検知状態およびリレー励磁状態の時間変化である。
この列車検知装置は(図4(a)参照)、軌道を走行する列車の車上装置から常時発信されているATS信号Aを受信するために軌道内に地上子として設置された受信コイル10(L)と、その受信状態に応じて列車の有無を示す列車検知信号を出力する受信回路11〜16とを備えたものである。受信回路11〜16には、アッテネータ11(ATT)とバンドパスフィルタ12(BPF)とからなる周波数弁別回路と、整流部13とレベル検知部14(SCH)と復旧時間延長回路15とからなるリレー駆動回路と、列車検知信号を出力する検知リレー16とが設けられている。
アッテネータ11は、受信コイル10の受信信号のレベルをバンドパスフィルタ12の入力に適したレベルに調整するためのものであり、信号レベルの増幅が必要なときにはアンプで置き換えられ、レベル調整が不要であれば省略される。バンドパスフィルタ12は、ATS信号Aの第一周波数f1成分を通過させるように通過周波数帯域幅が設定されている。そのため、これらの回路を具えた周波数弁別回路は、ATS信号Aの第一周波数f1成分と、その他の周波数成分との周波数弁別を行うものとなっている。
整流部13は、例えばダイオードスタックを用いた全波整流回路や半波整流回路に包絡線波形抽出回路等を付加したものであり、レベル検知部14は、パルス波(矩形波・方形波)に波形整形するためのシュミット回路からなり、復旧時間延長回路15は、レベル検知部14の出力パルスを検知リレー16の電磁駆動可能なレベルに増幅すると共に、そのパルス幅を検知リレー16の確実な動作のために所定時間だけ引き延ばす波形整形処理を行うものである。これらの回路にてバンドパスフィルタ12の出力信号を処理するリレー駆動回路は、第一周波数f1成分の検出時には検知リレー16を励磁し非検出時には検知リレー16の励磁を中断するものとなっている。
検知リレー16は、リレー駆動回路にて駆動される例えば直流5V駆動の電磁リレーであり、励磁状態(動作状態)では「列車有り」で非励磁状態(復旧状態)では「列車無し」の列車検知信号を出力するようになっている。
このような開電路形の列車検知装置にあっては(図4(b)参照)、受信コイル10の設置された軌道を列車が走行して受信コイル10のところを通過すると、車上装置から発信された第一周波数f1のATS信号Aが受信コイル10にて受信され、これに応じて受信回路11〜15が検知リレー16を励磁駆動するので、検知リレー16が動作して列車検知信号を「列車有り」の状態にする。列車の通過後や列車の来ないときには、受信コイル10での受信が無くて受信回路11〜15が検知リレー16を励磁駆動しないので、検知リレー16が復旧して列車検知信号を「列車無し」の状態にする。
このように開電路形の場合、列車検知信号を出力する検知リレー16が、常態では復旧しており(非励磁状態)、列車からのATS信号Aを受信したときのみ動作する(励磁状態)。なお、ATS信号Aの受信検知状態Bはレベル検知部14のパルス出力で示され、そのパルス幅を定めるATS信号Aの受信時間Dは一般に短いため(図4(b)における時刻t1〜t2参照)、検知リレー16のリレー励磁状態Cにおけるパルス幅は復旧時間延長回路15によって延長時間Eだけ引き延ばされ(図4(b)における時刻t2〜t3参照)、これによって検知リレー16が確実に動作する。
また、このような開電路形の列車検知装置では、受信コイル10の断線や受信回路11〜16の故障があれば、ATS信号Aの受信があっても、検知リレー16は励磁されないので復旧状態を継続し続け(図4(b)における時刻t4以降の波線部分を参照)、列車検知信号は「列車無し」のままである。
図5は、閉電路形の列車検知装置を示し、(a)が地上装置の全体ブロック図、(b)が受信検知状態およびリレー励磁状態の時間変化である。
この閉電路形列車検知装置(図5(a)参照)が上述した開電路形列車検知装置と相違するのは、送信コイル20が軌道内の受信コイル10近傍に設置された点と、アンプ21(AMP)と発振回路22(OSC)とからなり第二周波数f2の発振信号を生成して送信コイル20に送出する送信回路が追加された点と、第二周波数f2成分を通過させるように通過周波数帯域幅の設定されているバンドパスフィルタ23(BPF)がバンドパスフィルタ12に代えて導入されている点と、励磁状態(動作状態)では「列車無し」で非励磁状態(復旧状態)では「列車有り」の列車検知信号を出力する検知リレー24が検知リレー16に代えて導入されている点である。
バンドパスフィルタ23が第二周波数f2は通過させるが第一周波数f1は遮断するものなので、これを含んだ周波数弁別回路は、ATS信号Aの第一周波数f1成分と、他の第二周波数f2成分との周波数弁別を行うものとなっている。
また、検知リレー24は、検知リレー16同様の電磁リレーであるが、励磁/非励磁と列車の有/無との対応付けが逆になっている。
そのため、閉電路形では、列車検知信号を出力する検知リレー24が、常態では動作しており(励磁状態)、列車からのATS信号Aを受信したときのみ復旧するので(非励磁状態)、リレー励磁状態Cの波形が受信時間Dばかりか延長時間Eも含めて開電路形のときと反転する(図4(b),図5(b)参照)。このように検知リレー24の励磁されていない復旧状態を「列車有り」と位置づけることで、機器故障時でも安全側の動作(フェールセーフ)が行われるのである。
詳述すると、閉電路形の場合、常時、第二周波数f2の発振信号が送信コイル20から受信コイル10へ空間伝播にて送信される(図5(a)参照)。そして、それが受信コイル10により一定レベル以上で受信されている間は、受信信号がバンドパスフィルタ23を通過し、これに応じて検知リレー24が励磁されて動作状態となり、列車検知信号が「列車無し」の状態となる。これに対し、列車が通過して、受信コイル10が列車からのATS信号Aを受信すると(図5(b)参照)、第一周波数f1のATS信号Aによって第二周波数f2の信号が抑圧されて、バンドパスフィルタ23を通過する受信信号が減り又は無くなり、これに応じて検知リレー24の励磁が中断され、検知リレー24が復旧して、列車検知信号が「列車有り」の状態となる。
このように検知リレー24の動作状態・励磁状態を「列車無し」とし復旧状態・非励磁状態を「列車有り」と位置づけておけば、送受信コイルの断線や機器の故障時には検知リレー24の励磁が停止して検知リレー24が動作状態から復旧状態になるので(図5(b)における時刻t4以降の波線部分を参照)、列車検知信号は「列車有り」となる。そのため、閉電路形の列車検知装置にあっては、安全側の動作(フェールセーフ)を確保することができる。
実開昭62−148466号公報、実公平5−41975号公報 特開平11−321651号公報 日本鉄道電気技術協会編「鉄道技術者のための電気概論 信号シリーズ8 踏切保安装置」社団法人日本鉄道電気技術協会出版、平成7年4月、p.50−51
このような従来の列車検知装置では、図4の開電路形の場合、ATS信号を受信して検知リレーを動作させている間こそ消費電力が大きいが、それ以外のときは消費電力が小さいので、長時間に亘って均した消費電力は典型例で1W程度と小さめである。また、部品点数が少ないため、小型化にも適している。ただし、機器が故障したときには、ATS信号を受信しても検知リレーが動作しないため、列車を検出することができない。
これに対し、図5の閉電路形の場合、機器が故障したときには、列車検知信号が「列車有り」となるので、安全側の動作(フェールセーフ)が確保されている。ただし、送信回路から常に一定の信号を無線送信していることや、常態で検知リレーを動作させていること等に起因して、消費電力が典型例で8W程度と大きい。このため、電源容量の小さな踏切等には適用が困難である。また、受信コイルだけでなく送信コイルも要るといったことから、部品点数も多いため、小型化が難しい。
そこで、両者の利点を兼備した列車検知装置を実現すべく、即ち閉電路形のフェールセーフ性の確保を前提として、それに開電路形における電力の小ささ及び部品点数の少なさを加味することが、望まれる。そして、そのためには、閉電路形の列車検知装置から送信コイルを省いても受信コイルを利用してATS信号受信時の第一周波数受信対応の信号処理に加えて常態での第二周波数受信対応の信号処理が行われるように受信回路を改造することが技術的な課題となる。
本発明の列車検知装置は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、上述した閉電路形の列車検知装置をベースにして、そこから送信コイルと送信回路を取り除き、その代わりに、特定のLC発振回路を受信回路の特定箇所に導入している。
地上装置に車上装置も加えたシステム物については(出願当初請求項1)、列車に搭載されて列車走行中は常に第一周波数のATS信号を発信する車上装置と、軌道内に設置されて前記ATS信号を受信する受信コイルと、周波数弁別回路とリレー駆動回路と検知リレーとを有し前記受信コイルの受信状態に応じて列車の有無を示す列車検知信号を出力する受信回路とを備え、前記周波数弁別回路が前記第一周波数成分と他の第二周波数成分との周波数弁別を行うものであり、前記リレー駆動回路が前記第二周波数成分の検出時には前記検知リレーを励磁し非検出時には前記検知リレーの励磁を中断するものであり、前記検知リレーが前記列車検知信号を出力するリレーであって励磁されている励磁状態のときには前記列車検知信号を「列車無し」状態にし励磁されていない非励磁状態では前記列車検知信号を「列車有り」状態にするものである列車検知装置において、前記受信コイルを含めたインダクタンスとの共振周波数を前記第二周波数にするキャパシタンス部材を有するLC発振回路が、前記受信コイルと前記受信回路との接続に随伴して前記受信コイルと前記周波数弁別回路とに介挿される形で、前記受信回路に設けられている、というものである。
また、本発明の列車検知装置は(解決手段2、出願当初請求項2)、上記解決手段1の列車検知装置であって、前記第二周波数成分が前記第一周波数より低くなるよう前記LC発振回路の共振周波数が設定されており、さらに、前記第二周波数成分を通過させるバンドパスフィルタが前記周波数弁別回路に含まれてその周波数弁別機能を担っている、というものである。
また、本発明の列車検知装置は(解決手段3、出願当初請求項3)、上記解決手段2の列車検知装置であって、前記バンドパスフィルタの通過周波数帯域幅が、列車接近による前記受信コイルのインダクタンスの変化に対応した前記LC発振回路の共振周波数変動の幅よりも、広くなっている、というものである。
このような本発明の列車検知装置にあっては(解決手段1)、リレー駆動方式等に閉電路形を踏襲しているので、受信コイルや受信回路に機器故障が発生すると、検知リレーの励磁が止まって、列車検知信号が安全側の「列車有り」となるため、安全動作(フェールセーフ)が確保されている。
一方、故障等が無く機器の動作が正常であれば、常態では即ち列車の来ていないときには、LC発振回路が第二周波数で発振し、これに周波数弁別回路およびリレー駆動回路が応動して、検知リレーが励磁され、列車検知信号は「列車無し」となる。
これに対し、列車の通過等により列車の車上装置から発信されたATS信号が受信コイルに届き、それを受信コイルが受信すると、受信コイルに流れる電流の周波数がATS信号の第一周波数になり、これに引き込まれてLC発振回路の発振周波数も第一周波数となる。そして、それに周波数弁別回路およびリレー駆動回路が応動して、検知リレーの励磁が中断され、列車検知信号は「列車有り」となる。
このようにLC発振回路の引き込み現象を利用してATS信号の受信状態で発振周波数が変化するようにしたことにより、列車検知が的確になされる。
しかも、閉電路形でありながら送信コイル等が必要ないので、部品点数が少なくて済む。さらに、第二周波数の発振信号を空間伝播可能に増幅する必要もないことから、その無線送信に消費されていた電力が消費されないで済むので、地上装置での消費電力がかなり節約される。
したがって、この発明によれば、小型化に適し電力消費量の多くないフェールセーフな列車検知装置を実現することができる。
また、本発明の列車検知装置にあっては(解決手段2)、共振周波数および周波数弁別の選定により、列車到来時の検知ばかりか列車未到来時の誤検知防止までも的確に行われる。すなわち、LC発振回路の引き込み現象には共振周波より高い周波数の信号には引き込まれ易いが低い周波数の信号には引き込まれ難いという性質がみられるところ、LC発振回路の共振周波数である第二周波数をATS信号の第一周波数より低くしたことにより、列車からのATS信号には敏感に応動するが、低周波中心の電車電流にはほとんど感応しない。しかも、第二周波数より更に低くて不要な周波数成分はバンドパスフィルタでカットされるようにしたことと相俟って、電車電流の不所望な影響は確実に避けられる。
さらに、本発明の列車検知装置にあっては(解決手段3)、バンドパスフィルタの通過周波数帯域幅をLC発振回路の共振周波数変動幅より広くしたことにより、列車がATS信号を発信しなければ、列車が接近して受信コイルの実効インダクタンスが変化し、これに伴ってLC発振回路の発振周波数が第二周波数から多少偏倚しても、それはバンドパスフィルタで第一周波数から弁別される範囲にとどまるので、列車検知信号が「列車有り」になることがない。これにより、ATS信号を利用した列車検知を望まない例えば試験車などに対しても所望の動作が行われることとなる。
このような本発明の列車検知装置について、これを実施するための具体的な形態を、図面を引用して説明する。図1は、列車検知装置の構造を示し、(a)が地上装置の全体ブロック図、(b)がLC発振回路と周辺の詳細ブロック図、(c)及び(d)が受信コイル及びLC発振回路の特性を示すブロック図、(e)が受信コイル及びLC発振回路の特性を示すグラフである。なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
この列車検知装置(図1(a)参照)が既述した図5の閉電路形列車検知装置と相違するのは、送信コイル20とアンプ21と発振回路22とが省かれて無くなっている点と、LC発振回路40(OSC)が導入された点と、バンドパスフィルタ23に代えて通過周波数帯域幅の異なるバンドパスフィルタ32(BPF)が採用されている点である。なお、既述した図4の開電路形列車検知装置と対比すると、LC発振回路40が追加された点と、第一周波数f1通過用のバンドパスフィルタ12に代えて第二周波数f2通過用のバンドパスフィルタ32が採用されている点と、励磁状態(動作状態)では「列車無し」で非励磁状態(復旧状態)では「列車有り」の列車検知信号を出力する検知リレー24が検知リレー16に代えて導入されている点が、相違する。
LC発振回路40は(図1(a)参照)、周波数弁別回路11+32や,リレー駆動回路13+14+15,検知リレー24と共に受信回路30に組み込まれて、アッテネータ11の前に即ち受信信号上流側に置かれる。具体的には、アッテネータ11の入力端とシールドケーブル31との間に介挿接続される。シールドケーブル31は接続受信回路30と受信コイル10とを受信信号伝搬可能に接続するので、受信コイル10やシールドケーブル31を介して不所望なサージノイズ等が受信回路30に入るのを防止・緩和するために、図示は割愛したが、適宜な避雷器・保安器などもLC発振回路40と共に又はその上流に設けられている。
また、一般にLC発振回路は同調回路と電流帰還回路とからなるが(例えば高木昇他編集「電子工学ポケットブック第3版」株式会社オーム社発行p7−50など参照)、このLC発振回路40は(図1(b)参照)、同調回路におけるインダクタンス部材としての絶縁トランス41と、その同調回路におけるキャパシタンス部材としてのコンデンサ42と、発振を強化持続させると共に発振信号をアッテネータ11へ送出する電流帰還回路43とを具えている。
絶縁トランス41の一次側は、シールドケーブル31を介して受信コイル10に並列接続されるようになっており、二次側は、コンデンサ42と接続されて同調回路を構成し、更に電流帰還回路43にも接続されている。
コンデンサ42の容量については、インダクタンスの大きい受信コイル10とインダクタンスの小さいシールドケーブル31とを絶縁トランス41の一次側に接続したとき、その状態で絶縁トランス41の二次側インダクタンスとの共振周波数が第二周波数f2になるように、コンデンサ42が選定さている。合計容量がそのようになれば、コンデンサ42は、図示のような二個に限られる訳でなく、一個でも三個以上でも良い。
このようなLC発振回路40は、受信コイル10が何も受信しなければ第二周波数f2中心の発振信号を出力するが(図1(c)及び図1(e)の太実線グラフ参照)、受信コイル10がATS信号Aを受信すると第一周波数f1中心の発振信号を出力する(図1(d)及び図1(e)の長破線グラフ参照)ものとなっている。なお、受信コイル10に受信の無い状態であっても、受信コイル10に列車等が接近すると、それによって受信コイル10の実効インダクタンスが多少増加するため、LC発振回路40の発振周波数が第二周波数f2より少し高めの第三周波数f3になる(図1(e)の短破線グラフ参照)。
そこで(図1(e)参照)、第二周波数f2も第三周波数f3も第一周波数f1より弁別可能なだけ低くなるよう、コンデンサ42の容量が決定されている。また、バンドパスフィルタ32の通過周波数帯域幅fb等が第二周波数f2と第三周波数f3を通過させ第一周波数f1は通過させないように設定される。すなわち、バンドパスフィルタ32の上限周波数が第一周波数f1と第三周波数f3との間に設定され、下限周波数が第二周波数f2より低いところに設定される。温度変動での周波数ドリフトも考慮すると、上限は第二周波数f2の20%増、下限は第二周波数f2の10%減、などが目安となる。
例えば、共振周波数変動幅(f3−f2)は1kHz程度なので、ATS信号の第一周波数f1が103kHzや105kHzであれば、LC発振回路40の共振周波数である第二周波数f2は96kHzに設定され、バンドパスフィルタ32の通過周波数帯域は下限が94kHzで上限が98kHzに設定される。第一周波数f1が74kHzなら、第二周波数f2は70kHzにされ、フィルタ通過周波数帯域は下限が68kHzで上限が72kHzにされる、といった具合である。
このような構成の列車検知装置について、その使用態様を、図面を引用して説明する。図2は、踏切への設置例を示し、(a)が鉄道の踏切周辺の記号図、(b)が上り部分の詳細図、(c)が受信コイル設置箇所の一部縦断面の模式図である。
ここでは(図2(a)参照)、並走する上り線のレール54(軌道)と下り線のレール55(軌道)とに亘って踏切52が設けられているところに、上述した図1の列車検知装置を踏切バックアップ装置として設置する場合を述べる。上り側では踏切52手前の始動点51から踏切52後方の終動点53までに列車60が入っている間は踏切を閉め、下り側では踏切52手前の始動点56から踏切52後方の終動点57までに列車60が入っている間は踏切を閉めるために、軌道回路を利用した列車検知装置に加えて、ATS信号を利用したバックアップ用の列車検知装置が設置される。
軌道回路を利用した列車検知装置は(図2(b)参照)、例えばレール54における検知対象区間またはその部分区間の一端部に軌道回路用送信器71(T)が接続され他端部に軌道回路用受信器72(R)が接続されており、その状態で軌道回路用送信器71からレール54へ送出された信号が、列車60の車輪61及び車軸62でのレール54の短絡によって、軌道回路用受信器72で受信できなくなったとき、列車の進入があったことを検知するようになっている。
ATS信号を利用した本発明の列車検知装置は(図2(b),(c)参照)、受信コイル10が二本のレール54の中間位置で枕木58等に固定され、受信回路30は軌道外の接続箱等に格納され、両者はシールドケーブル31で接続される。列車60の中にはATS装置(自動列車停止装置)のATS送受信器64が搭載され、列車60の下面には送信アンテナである車上子63が装着されていて、列車60の走行中は常に車上子63から第一周波数f1のATS信号Aが発信されるようになっている。
このように設置された列車検知装置について、その動作を、図面を引用して説明する。図3は、(a)が受信コイルの受信状態およびLC発振回路の発振周波数の時間変化、(b)がATS信号受信時の受信検知状態およびリレー励磁状態の時間変化、(c)が受信回路故障時の受信検知状態およびリレー励磁状態の時間変化を示している。
このような閉電路形の列車検知装置にあっては(図3(a)参照)、列車60が踏切52から遠くを走行している間は、ATS信号Aが受信コイル10に届かないので、LC発振回路40は第二周波数f2で発振し、これが通過周波数帯域幅fbに入っていることから、検知リレー24が励磁されるので、列車検知信号は「列車無し」になる。
そして、列車60が踏切52に近づき車体が受信コイル10の上方に来ると(図3(a)の時間ta部分を参照)、LC発振回路40の発振周波数が第三周波数f3に変化するが、第三周波数f3も通過周波数帯域幅fbに入っていることから、検知リレー24の励磁が継続されるので、列車検知信号は「列車無し」のままである。
列車60が更に走行して車体だけでなく車上子63が受信コイル10の上方に来ると(図3(a)の時間tb部分を参照)、ATS送受信器64から車上子63を介して発信された第一周波数f1のATS信号Aが受信コイル10にて受信され、これに引き込まれてLC発振回路40の発振周波数が第一周波数f1に変化する。この第一周波数f1は通過周波数帯域幅fbから外れているため、検知リレー24の励磁が中断されるので、列車検知信号は「列車有り」になる。
その後、車上子63が受信コイル10から遠ざかると(図3(a)の時間tc部分を参照)、ATS信号Aがコイル10で受信されなくなるので、LC発振回路40の発振周波数が第三周波数f3に戻る。さらに、列車60の車体も受信コイル10から遠ざかると、LC発振回路40の発振周波数が第一周波数f1に戻る。もっとも、この列車検知装置の場合も従来装置同様(図3(b)参照)、受信検知状態Bに係るパルス幅を定める受信時間Dが短いため(図3(b)における時刻t1〜t2参照)、検知リレー24のリレー励磁状態Cに係るパルス幅は復旧時間延長回路15によって延長時間Eだけ引き延ばされるので(図3(b)における時刻t2〜t3参照)、検知リレー24が確実に動作する。
また(図3(c)参照)、受信コイル10の断線や受信回路30の故障が発生するとそれが回復するまでは(図3(c)における時刻t4〜t5参照)、受信検知状態Bの如何に拘わらず、リレー励磁状態Cは非励磁状態(復旧状態)となる。上述の如くLC発振回路40が常態では第二周波数f2で発振しこれに応動して検知リレー24が励磁されるようになっているため、安全側の動作(フェールセーフ)が行われる。
さらに、従来の図4の開電路形列車検知装置と比べればLC発振回路40が増えているが、従来の図5の閉電路形列車検知装置と比べれば、LC発振回路40の規模は発振回路22と大差なく、アンプ21と送信コイル20が減っているため、本発明の図1の列車検知装置は従来の図5の閉電路形列車検知装置より小型になり従来の図4の開電路形列車検知装置に近いものとなる。また、消費電力に関しても、LC発振回路40の消費電力は発振回路22のそれと大差なく、無線送信のために大きな電力を消費するアンプ21の分だけ電力消費量が少ないので、常態で発振しない図1の開電路形列車検知装置の1W程度には及ばないが、従来の図5の閉電路形列車検知装置の8W程度よりも可成り消費電力が小さくて、本発明の図1の列車検知装置の消費電力は3W程度になる。
本発明の一実施形態について、列車検知装置の構造を示し、(a)が地上装置の全体ブロック図、(b)がLC発振回路と周辺の詳細ブロック図、(c)及び(d)が受信コイル及びLC発振回路の特性を示すブロック図、(e)が受信コイル及びLC発振回路の特性を示すグラフである。 列車検知装置の使用状況を示し、(a)が鉄道の踏切周辺の記号図、(b)が上り部分の詳細図、(c)が受信コイル設置箇所の一部縦断面の模式図である。 列車検知装置の動作状態を示し、(a)が受信コイルの受信状態およびLC発振回路の発振周波数の時間変化、(b)がATS信号受信時の受信検知状態およびリレー励磁状態の時間変化、(c)が受信回路故障時の受信検知状態およびリレー励磁状態の時間変化である。 開電路形の従来装置を示し、(a)が地上装置の全体ブロック図、(b)が受信検知状態およびリレー励磁状態の時間変化である。 閉電路形の従来装置を示し、(a)が地上装置の全体ブロック図、(b)が受信検知状態およびリレー励磁状態の時間変化である。
符号の説明
10…受信コイル(L、地上子)、
11…アッテネータ(ATT、レベル調整、周波数弁別回路、受信回路)、
12…バンドパスフィルタ(BPF、周波数弁別回路、受信回路)、
13…整流部(ダイオードスタック、検波器、リレー駆動回路、受信回路)、
14…レベル検知部(SCH、波形整形回路、リレー駆動回路、受信回路)、
15…復旧時間延長回路(波形整形回路、リレー駆動回路、受信回路)、
16…検知リレー(開電路形、受信回路)、
20…送信コイル、21…アンプ(AMP)、22…発振回路(OSC)、
23…バンドパスフィルタ(BPF、周波数弁別回路、受信回路)、
24…検知リレー(閉電路形、受信回路)、
30…受信回路、31…シールドケーブル、
32…バンドパスフィルタ(BPF、周波数弁別回路、受信回路)、
40…LC発振回路(OSC、受信回路)、
41…絶縁トランス(インダクタンス部材、同調回路、LC発振回路)、
42…コンデンサ(キャパシタンス部材、同調回路、LC発振回路)、
43…電流帰還回路(LC発振回路)、
51…始動点(上り側)、52…踏切、53…終動点(上り側)、
54…レール(上り線、軌道)、55…レール(下り線、軌道)、
56…終動点(下り側)、57…始動点(下り側)、58…枕木、
60…列車、61…車輪、62…車軸、
63…車上子(車上装置)、64…ATS送受信器(車上装置)、
71…軌道回路用送信器(T)、72…軌道回路用受信器(R)

Claims (3)

  1. 列車に搭載されて列車走行中は常に第一周波数のATS信号を発信する車上装置と、軌道内に設置されて前記ATS信号を受信する受信コイルと、周波数弁別回路とリレー駆動回路と検知リレーとを有し前記受信コイルの受信状態に応じて列車の有無を示す列車検知信号を出力する受信回路とを備え、前記周波数弁別回路が前記第一周波数成分と他の第二周波数成分との周波数弁別を行うものであり、前記リレー駆動回路が前記第二周波数成分の検出時には前記検知リレーを励磁し非検出時には前記検知リレーの励磁を中断するものである列車検知装置において、前記受信コイルを含めたインダクタンスとの共振周波数を前記第二周波数にするキャパシタンス部材を有するLC発振回路が、前記受信コイルと前記受信回路とに介挿される形で、前記受信回路に設けられていることを特徴とする列車検知装置。
  2. 前記LC発振回路の共振周波数が前記第一周波数より低いものであり、前記第二周波数成分を通過させるバンドパスフィルタが前記周波数弁別回路に含まれていることを特徴とする請求項1記載の列車検知装置。
  3. 列車接近による前記受信コイルのインダクタンスの変化に対応した前記LC発振回路の共振周波数変動の幅よりも前記バンドパスフィルタの通過周波数帯域幅が広いことを特徴とする請求項2記載の列車検知装置。
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