JP2005237188A - 回転電機の巻線の製造方法 - Google Patents

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【課題】 固定子巻線を構成する電気導体間に絶縁シートを効率よく挿入することができる回転電機の巻線の製造方法を提供すること。
【解決手段】 固定子鉄心32に形成された複数のスロットのそれぞれに複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、串部材140の先端部に設けた凸部を電気導体間に挿入することで、複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて固定子鉄心32の端面から突出する複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、互いに離間させた隣接する電気導体の間に円環状の絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、串部材140の先端部に設けた凸部を抜き取ることで、互いに離間させた各電気導体間の距離を減少させる電気導体離間解除工程とを備えている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、自動車やトラックに搭載される車両用交流発電機等の回転電機の巻線を製造する回転電機の巻線の製造方法に関する。
近年、安全制御機器等の電気負荷の増加に伴って、車両用交流発電機にはますます発電能力の向上が求められている。このような発電能力向上の要請に応えるものとして、U字状の電気導体を規則的に並べて固定子のスロット内の電気導体を高占積率化することにより高出力化を図った回転電機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような回転電機では、U字状の電気導体の各直線部を固定子鉄心の異なるスロットに挿入した後、固定子鉄心の端面から突出した各直線部の先端側を周方向反対側に折り曲げ、さらに異なるスロットから突出した各直線部の先端部同士を接合することにより固定子巻線が形成されている。
特許第3178468号公報(第4−7頁、図1−15)
ところで、U字状の電気導体を用いて形成された固定子巻線を備える従来の回転電機では、固定子鉄心の端面から突出した各直線部の先端側を互いに周方向反対側に折り曲げているため、一の直線部の先端側に着目すると、他のスロットから突出して周方向反対側に折り曲げられた他の複数の直線部の先端側と交差することになる。一般に、異なるスロットから突出する各直線部は異なる電位を有しており、電位差を有する2つの直線部が接近する部分ではコロナ放電が発生しやすくなるため、電気絶縁の確保が難しい。電気絶縁が不十分でコロナ放電が発生すると、電気導体の損傷や発熱の原因になる。特に、最近では高出力への対応として高電圧化の要求も高まっており、電位差の拡大に伴ってコロナ放電がさらに発生しやすくなっている。コロナ放電を防止するためには、隣接する電気導体の近接箇所に絶縁シートを介在させる手法が有効であるが、車両用交流発電機のような回転電機では、小型化・高出力化に伴う高占積率化の要請から固定子鉄心の周方向および径方向に配列された各電気導体間の隙間がほとんどなく、絶縁シートを挿入するための十分な作業スペースを確保することが難しいため、電気導体間に絶縁シートを効率よく挿入することができないという問題があった。
なお、絶縁シートを介在させる方法以外には、液状の絶縁樹脂を熱処理して硬化させる手法があるが、熱処理が必要になって工程が複雑になるとともに、液状の絶縁樹脂を用いるため扱いが面倒であるため、回転電機を量産化しようとした場合に採用は難しい。
また、高出力化、高電圧化の要求に伴って固定子巻線の巻数が増加すると、径方向に沿った電気導体の本数も増加するため、絶縁シートをこれらの電気導体間に効率よく挿入することがますます困難になってくる。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、固定子巻線を構成する電気導体間に絶縁シートを効率よく挿入することができる回転電機の巻線の製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の回転電機の巻線の製造方法は、固定子鉄心に形成された複数のスロットのそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて固定子鉄心の端面から突出する複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間に絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間の距離
を減少させる電気導体離間解除工程とを備えている。固定子鉄心の端面から突出する電気導体の径方向位置を離間させてから絶縁シートを挿入しているため、ほとんど隙間なく配列された電気導体間に絶縁シートを効率よく挿入することができる。
また、上述した電気導体離間解除工程の後に、固定子鉄心の端面から突出する複数の電気導体のそれぞれを固定子鉄心の周方向に沿って捻る電気導体捻り工程をさらに備えることが望ましい。電気導体を捻ることにより電気導体の径方向隙間が減少するが、その前に電気導体間に絶縁シートを挿入することにより、さらに絶縁シートの挿入が容易になる。
また、上述した電気導体は、U字状の導体セグメントの各直線部によって形成されていることが望ましい。これにより、2本の電気導体を同時にスロット内に挿入することができるとともにこれら2本の電気導体の収納位置を維持することが容易となる。
また、上述した電気導体は、電気導体離間工程における離間方向と反対方向に弾性変形に伴う復元力が作用し、隣接する2本の電気導体によってこの復元力によって絶縁シートを押圧して保持することが望ましい。これにより、絶縁シートの位置を固定することが容易となり、固定子あるいは車両用交流発電機の途中工程における絶縁シートの脱落による絶縁不良を防止することができる。
また、上述した電気導体は、円環状に複数列に配置されていることが望ましい。これにより、電気導体の径方向位置を離間させることにより、円環状に配置された電気導体の内周部分あるいは外周部分に円環状の隙間を形成することが可能になり、この円環状の隙間に容易に絶縁シートを挿入することができる。
また、上述した電気導体は、固定子鉄心の円周方向に沿って等間隔で配置されていることが望ましい。これにより、挿入した後の絶縁シートを径方向両側から電気導体で挟み込んでその位置および形状を維持することが容易になる。
また、上述した絶縁シートは、帯状で一周以上にわたって延在することが望ましい。これにより、絶縁シートの形状を維持することが容易となり、電気導体間への挿入をさらに容易に行うことが可能になる。また、電気導体の径方向の隙間全体に確実に絶縁シートを挿入することが可能になり、絶縁シートによる電気絶縁を確実に行うことが可能になる。
また、本発明の回転電機の巻線の製造方法は、固定子鉄心に形成された複数のスロットのそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて固定子鉄心の端面から突出する複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間に絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間の距離を減少させる電気導体離間解除工程とを備え、電気導体離間工程、絶縁シート挿入工程、電気導体離間解除工程を径方向位置が異なる電気導体に対して複数回に分けて繰り返し行うことにより、複数の電気導体が相互に隣接する位置に絶縁シートを挿入している。
径方向に多数本の電気導体を配列する場合にこれらの電気導体の間を同時に離間させて絶縁シートを挿入しようとすると、電気導体を径方向に移動させる距離が長くなり、挿入時の絶縁シートの径と電気導体の離間を解除したときの絶縁シートの径とが大きく変動することになるため、絶縁シートのたるみの発生や絶縁シートの破れのおそれがでてくる。これに対し、絶縁シートの挿入を複数回に分けて繰り返し行う場合には、径方向に移動させる電気導体の移動量が少なくなるため、絶縁シートのたるみや破れの発生を防止することができる。
また、上述した電気導体離間工程は、既に挿入されている絶縁シートに隣接する側の電気導体についてはその位置を固定した状態で行われることが望ましい。これにより、既に挿入済みの絶縁シートが径方向に移動して周方向長さが変動することを抑制することができ、絶縁シートのたるみや破れの発生をさらに防止することができる。
また、上述した絶縁シートの挿入は、径方向に隣接する電気導体間隙間に対して順番に行うことが望ましい。特に、上述した絶縁シートの挿入は、径方向に沿って内径側から外径側に向かって順番に行うことが望ましい。絶縁シートの挿入が終了した内径側の電気導体が、次の絶縁シート挿入のために内径側に移動した場合には、この挿入が終了した絶縁シートの径が小さくなって一時的にたるみが生じるが、その後の電気導体離間解除工程においてこの電気導体が元の位置に戻ったときにこのたるみも解消する。このため、内径側に配置された絶縁シートは、一時的にたるみを生じるだけでその後良好な状態を維持することができる。
また、本発明の回転電機の巻線の製造方法は、固定子鉄心に形成された複数のスロットのそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて固定子鉄心の端面から突出する複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間に絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間の距離を減少させる電気導体離間解除工程とを備え、絶縁シートは、帯状シートを円環形状に周回させて一方端を内径側に引き出した内径側引出部と、他方端を外径側に引き出した外径側引出部とを有している。特に、上述した電気導体離間解除工程と並行して、あるいは電気導体離間解除工程の後に、既に絶縁シート挿入工程によって挿入された絶縁シートについて、内径側引出部と外径側引出部を周方向であって円環形状の径が小さくなる向きに移動させることが望ましい。これにより、絶縁シートの両端部である内径側引出部と外径側引出部のそれぞれを把持して引っ張ることにより絶縁シートのたるみをなくすことが容易となる。
また、上述した絶縁シートは、帯状で一周以上にわたって延在し、その両端が重なった状態で円環状に形成され、内径側引出部および外径側引出部のそれぞれは、周方向に隣接する2本の電気導体の間に配置されていることが望ましい。内径側引出部と外径側引出部のそれぞれを、隣接する電気導体間の隙間に配置することにより、各引出部が電気導体と干渉することを防止することができる。
また、本発明の回転電機の巻線の製造方法は、固定子鉄心に形成された複数のスロットのそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて固定子鉄心の端面から突出する複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間に絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間の距離を減少させる電気導体離間解除工程とを備え、電気導体配列工程と電気導体離間工程との間に、径方向に沿って配列された複数の電気導体を径方向に沿って互い違いに周方向反対側に傾斜させる電気導体捻り工程を行っている。捻り工程以降であって接合工程前であれば、電気導体の離間を確実に行うことが可能になる。
また、上述した絶縁シートに隣接する電気導体の径方向側面には絶縁シートを収容する凹部が形成されており、凹部の固定子鉄心に近い側の段差部は面取り形状またはR形状を有することが望ましい。これにより、凹部を形成することにより、絶縁シートを介在させることによって隣接電気導体間に隙間が生じることを防止して、電気導体同士の接合を確実に行うことができるとともに、この凹部の段差部に生じる鋭利な部位をなくすことで段差部において発生するコロナ放電を防止することができる。特に、段差部の全幅にわたって面取り形状またはR形状を形成することにより、コロナ放電の発生を確実に防止することができる。
以下、本発明を適用した一実施形態の回転電機の巻線の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態の回転電機としての車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、ハウジング4、整流器5等を含んで構成されている。
回転子3は、界磁として作用し、シャフト6と一体になって回転しており、ランデル型ポールコア7、界磁コイル8、スリップリング9、10、斜流ファン11および遠心ファン12を備えている。シャフト6は、プーリ20に連結されており、車両に搭載された走行用のエンジン(図示せず)により回転駆動される。
ハウジング4は、フロントハウジング4aとリアハウジング4bからなっており、その軸方向端面には吸入孔41が、外周両肩部には、固定子2の第1コイルエンド群31aと第2コイルエンド群31bのそれぞれの径方向外側に対応して冷却風の排出孔42が設けられている。
整流器5は、固定子2から出力される交流電圧を直流に変換する整流作用を行っており、車両用交流発電機1の反プーリ側の端部に設けられている。
次に、固定子2の詳細について説明する。図2は、固定子2の部分的な断面図であり、固定子鉄心32のスロット35内でのセグメント導体33の配置状態が示されている。また、図3は固定子2に装着されるセグメント導体33の模式的形状を示す斜視図である。
固定子2は、電機子として作用し、固定子鉄心32と、固定子鉄心32に形成された複数のスロット35内に配置された複数の電気導体としてのセグメント導体33によって構成された固定子巻線31と、固定子鉄心32と固定子巻線31との間を電気絶縁するインシュレータ34とを備えている。
図2に示すように、固定子鉄心32には、内径側に開口を有する複数のスロット35が形成されている。本実施形態では、回転子3の磁極数に対応して、三相の固定子巻線31を収容するために、96個のスロット35が、等間隔に配置されている。
固定子鉄心32のスロット35に装備された固定子巻線31は、1本1本の電気導体として把握することができ、複数のスロット35のそれぞれには、偶数本(本実施形態では4本)の電気導体が収容されている。また、一のスロット35内の4本の電気導体は、固定子鉄心32の径方向に関して内側から内端層、内中層、外中層、外端層の順で一列に配列されている。これらの電気導体には、絶縁被膜37として、ポリアミドイミド等の被膜材が塗布されている。
これら電気導体が所定のパターンで接続されることにより、固定子巻線31が形成される。なお、本実施形態では、スロット35内の電気導体は、第1コイルエンド群31a側においては、連続線を配置することにより一端が接続され、また、第2コイルエンド群31b側においては、接合によって他端が接続される。
各スロット35内の1本の電気導体は、所定の磁極ピッチ離れた他のスロット35内の1本の他の電気導体と対をなしている。特に、コイルエンド部における複数の電気導体間の隙間を確保し、整列して配置するために、一のスロット35内の所定の層の電気導体は、所定の磁極ピッチ離れた他のスロット35内の他の層の電気導体と対をなしている。
例えば、一のスロット内の内端層の電気導体331aは、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット内の外端層の電気導体331bと対をなしている。同様に、一のスロット内の内中層の電気導体332aは固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット内の外中層の電気導体332bと対をなしている。そして、これらの対をなす電気導体は、固定子鉄心32の軸方向の一方の端部において連続線を用いることにより、ターン部331c、332cを経由することで接続される。したがって、固定子鉄心32の一方の端部においては、外中層の電気導体と内中層の電気導体とを接続する連続線を、外端層の電気導体と内端層の電気導体とを接続する連続線が囲むこととなる。このように、固定子鉄心32の一方の端部においては、対をなす電気導体の接続部が、同じスロット内に収容された他の対をなす電気導体の接続部により囲まれる。外中層の電気導体と内中層の電気導体との接続により中層コイルエンドが形成され、外端層の電気導体と内端層の電気導体との接続により端層コイルエンドが形成される。
一方、一のスロット35内の内中層の電気導体332aは、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の内端層の電気導体331a’とも
対をなしている。同様に、一のスロット35内の外端層の電気導体331b’は、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の外中層の電気導体332bと対をなしている。そして、これらの電気導体は固定子鉄心32の軸方向の他方の端部において接合により接続される。
したがって、固定子鉄心32の他方の端部においては、外端層の電気導体と外中層の電気導体とを接続する接合部と、内端層の電気導体と内中層の電気導体とを接続する接合部とが、径方向に並んでいる。外端層の電気導体と外中層の電気導体との接続、および内端層の電気導体と内中層の電気導体との接続により隣接層コイルエンドが形成される。このように固定子鉄心32の他方の端部においては、対をなす電気導体の接続部が、重複することなく並べて配置される。
さらに、複数の電気導体は、ほぼ矩形断面(平角断面)をもった一定の太さの電気導体を所定形状に成形したU字状のセグメント導体により提供される。図3に示すように、内端層の電気導体と外端層の電気導体とが、一連の電気導体をほぼU字状に成形してなる大セグメント331により提供される。また、内中層の電気導体と外中層の電気導体とが一連の電気導体をほぼU字状に成形してなる小セグメント332により提供される。
大セグメント331と小セグメント332のそれぞれは、基本となるセグメント導体33を形成する。そして、セグメント導体33を規則的にスロット35に配置して、固定子鉄心32の周りを2周するコイルが形成される。
ところで、第2コイルエンド群31bを構成する各層の電気導体に着目すると、径方向に沿って隣接する各電気導体が互いに周方向反対側に傾斜しており、固定子鉄心32の軸方向端面と各電気導体先端の接合部との間で交差している。本実施形態では、径方向に沿って隣接する各電気導体の間には、交差箇所において互いを電気的に絶縁する円環状の絶縁シート36−1、36−2、36−3が挿入されている。これらの絶縁シート36−1等は帯状の絶縁シートが一周以上にわたって延在するような形状を有している。具体的には、内端層の電気導体と内中層の電気導体の間には、少なくともこれらの電気導体間の交差箇所を隔離可能な軸方向に沿った幅を有する絶縁シート36−1が挿入されている。同様に、内中層の電気導体と外中層の電気導体の間には、少なくともこれらの電気導体間の交差箇所を隔離可能な軸方向に沿った幅を有する絶縁シート36−2が挿入されている。外中層の電気導体と外端層の電気導体の間には、少なくともこれらの電気導体間の交差箇所を隔離可能な軸方向に沿った幅を有する絶縁シート36−3が挿入されている。
車両用交流発電機1の発電時には、異なるスロット35に収容された各電気導体は異なる電位を有している。これらの各電気導体が互いに交差する場合に、この交差箇所における各電気導体の隣接間距離が小さく、電位差が大きいと、コロナ放電を発生して絶縁不良に至るおそれがある。しかし、本実施形態の車両用交流発電機1では、隣接する電気導体間に絶縁シート36−1、36−2、36−3が挿入されているため、隣接する電気導体間でのコロナ放電の発生を防止することができる。
次に、固定子巻線31の製造工程を説明する。
(電気導体配列工程)セグメント導体33は、U字状の小セグメント332のターン部332cをU字状の大セグメント331のターン部331cが囲むように揃えられ、固定子鉄心32の一方の軸方向端面側から挿入される。その際、大セグメント331の一方の電気導体331aは固定子鉄心32の一のスロット35の内端層に、小セグメント332の一方の電気導体332aは一のスロット35の内中層に、そして、大セグメント331の他方の電気導体331bは固定子鉄心32の一のスロット35から時計方向に1磁極ピ
ッチ離れた他のスロット35の外端層に、小セグメント332の他方の電気導体332bも他のスロット35の外中層に挿入される。なお、この電気導体配列工程の前に、大セグメント331の反ターン部側の先端部および332の反ターン部側の先端部は、部分的に絶縁皮膜37が剥離されて素線が露出した剥離部が形成されている。
上述した電気導体配列工程が終了すると、図2に示すように一のスロット35には内端層側から、上述した電気導体331a、332a、332b’、331b’が径方向に沿って一列に配列される。ここで、電気導体332b’、331b’は、1磁極ピッチずれた他のスロット35内の電気導体と対をなしている大小のセグメントの電気導体である。
次に、電気導体離間工程、絶縁シート挿入工程、電気導体離間解除工程を用いて、径方向に沿って配列された4本の電気導体の間に絶縁シート36−1、36−2、36−3が挿入される。
(電気導体離間工程)まず、各スロット35において径方向に配列されて固定子鉄心32の端面から突出している直線状の4本の電気導体の径方向位置を互いに離間させる。径方向に隣接する各電気導体を離間させることにより、絶縁シート36−1、36−2、36−3の挿入に必要な隙間が確保される。なお、各電気導体を離間させる工程は、全てのスロット35に挿入される各電気導体について同時に行われる。
(絶縁シート挿入工程)次に、径方向に沿って互いに離間した状態の4本の電気導体の間に、円環状の3枚の絶縁シート36−1、36−2、36−3が挿入される。この挿入は、固定子鉄心32から突出した各電気導体の延在方向に沿って、その先端側から行われる。
(電気導体離間解除工程)絶縁シート36−1、36−2、36−3が挿入された後、径方向に沿った各電気導体間の距離を減少させることにより、各電気導体間の離間状態が解除される。
(電気導体捻り工程)このようにして絶縁シート36−1、36−2、36−3を挿入するための電気導体離間工程、絶縁シート挿入工程、電気導体離間解除工程が終了すると、次に、第2コイルエンド群31bにおいて、端層側に位置している電気導体331a、331bは、大セグメント331が開く方向に接合部331d、331eが半磁極ピッチ分(本実施形態では1.5スロット分)捻られて折り曲げられる。そして、中層側に位置している電気導体332a、332bは、小セグメント332が閉じる方向に接合部332d、332eが半磁極ピッチ分捻られて折り曲げられる。その結果、第2コイルエンド群31bにおいては、径方向に隣接する電気導体は周方向の逆向きに傾斜している。以上の構成を、全てのスロット35のセグメント導体33について繰り返す。
(電気導体接合工程)そして、第2コイルエンド群31bにおいて、外端層と外中層の各変形部H、並びに内中層と内端層の各変形部Hとが、溶接、超音波溶着、アーク溶接、ろう付け等の手段によって電気的導通を得るように接合され、図4に示すような固定子2が得られる。
このようにして固定子巻線31が巻装された固定子2が製造される。次に、上述した電気導体離間工程、絶縁シート挿入工程、電気導体離間解除工程を実施する絶縁シート挿入装置について説明する。
図5は、絶縁シート挿入装置の詳細な断面図である。また、図6は図5に示したR部の詳細を示す部分拡大図、図7はさらにその詳細を示す部分拡大図である。図8は図5に示
したL部の詳細を示す部分拡大図、図9はさらにその詳細を示す部分拡大図である。図10は矢印P方向から見た絶縁シート挿入装置の部分的な側面図である。
これらの図に示す絶縁シート挿入装置100は、固定子位置決めホルダ110と昇降部120を含んで構成されている。固定子位置決めホルダ110は、第2コイルエンド群31a側の固定子鉄心32の外周部近傍を全周にわたって保持することにより、固定子2の位置決めをする。昇降部120は、位置決めされ固定された固定子2に対して、上述した電気導体離間工程、絶縁シート挿入工程、電気導体離間解除工程のそれぞれを実施するために必要な各構成部を含んでおり、全体あるいは一部が上下方向に昇降可能な構造を有している。この昇降部120は、上部プレート130、下部プレート132、ボルト134、串先端位置決めリング136、串部材140、絶縁シート把持部150、151、152、153、154、155、ピン収納プレート160、ピン押さえプレート162、カム付プレート164、中間部ホルダ166、中間部押さえプレート168を含んで構成されている。
上部プレート130および下部プレート132は、ともに段付きの円筒形状を有しており、外周部近傍において互いにボルト134によって連結固定されている。上部プレート130を上部プレート昇降駆動部190によって昇降させることにより、上部プレート130および下部プレート132等の全体が上下方向(固定子2の軸方向)に沿って昇降可能になっている。また、上部プレート130は、周方向に沿って等間隔に複数の貫通孔が円筒形状の中心軸に対して放射状に形成されている。この貫通孔は、串部材140を回転可能な状態で保持するためのものであり、固定子鉄心32に設けられたスロット35の数と同じ数が形成されている。串部材140は、下部プレート132に形成された貫通孔に径方向外側から、先端が串先端位置決めリング136に当接するまで挿入されて下部プレート132に取り付けられる。
図11は、串部材140の先端部の詳細形状を示す部分的な側面図である。図12は、串部材140の先端部の詳細形状を示す部分的な底面図である。図13は、図11のIII−III線断面図である。図14は、図11のIV−IV線断面図である。図15は、図11のV−V線断面図である。図16は、串部材140の先端部の部分的な展開図である。
これらの図に示すように、串部材140は先端に向かって径が小さくなる円錐台形状の先端部142を有している。この先端部142には、串部材140の延在方向に沿って所定間隔を有する3つの凸部144、146、148が形成されている。図16に展開形状を示すように、中央の凸部146は、周方向に沿って長方形部分と二等辺三角形部分(くさび形状部分)とを隣接させた形状を有しており、周方向に沿った長さが他の突起144、148の約2倍となっている。また、他の突起144、148は、ともに直角三角形形状を有している。他の突起144、148は、直角三角形の直交する二辺の一方が中央の凸部146の長方形部分の一辺と平行になるように配置されている。
図17、図18、図19は、串部材140とセグメント導体33との関係を示す図である。これらの図において、直線上に並んだ4本の電気導体331a、332a、332b’、331b’は、図2に示した一のスロット35に収容された各電気導体に対応している。
電気導体離間工程において4本の電気導体331a、332a、332b’、331b’を互いに離間させる場合に、まず、図17に示すように、串部材140の先端部142の凸部144、146、148が形成されていない面を、4本の電気導体が接する位置に配置する。串部材140は、周方向に隣接するこれらの各電気導体と過干渉して傷つけな
いように、各凸部144、146、148の最大幅や、各角度における幅や回転状態が設定されている。本実施形態においては、図6に示すように、串部材140は、固定子2の径方向に移動するため、周方向に隣接する各電気導体との間のクリアランスは、この移動に伴って各電気導体に干渉しないように設定する必要がある。これらの凸部144、146、148を図13〜図15に示した回転状態に維持しながら、串部材140を内径側に移動させることが好ましい。なお、これらの図では、図面上側が電気導体の先端側(反ターン部側)に、図面下側が固定子鉄心32側に対応している。また、図13および図15に示したように、凸部144、146の角度範囲がほぼ45°に設定されているが、これは単に串部材140を径方向に移動する際に周方向に隣接する各電気導体との間で十分なクリアランスを確保するための具体的な設定値であり、適宜変更することがが可能である。図17では、中央の凸部146の端部が電気導体332a、332b’にほぼ接するように串部材140の回転状態が設定されている。
次に、先端部142を45°回転させる。これにより、中央の凸部146が電気導体332a、332b’を押し広げる。このとき、凸部146よりも短い他の凸部144、148は電気導体に当接していないため、中央の2本の電気導体332a、332b’のみが互いに離間する。
次に、先端部142を45°回転させる。これにより、凸部144が電気導体331a、332aを押し広げるととともに、凸部148が電気導体332b’、331b’を押し広げる。この状態では、中央の凸部146は幅が一定の部分が電気導体332a、332b’に当接するため、凸部144、148による電気導体の離間のみが進行する。
このようにして4本の電気導体331a、332a、332b’、331b’を互いに離間させて隙間を確保した後、絶縁シート挿入工程が実施される。また、絶縁シート36−1、36−2、36−3が挿入されると、電気導体離間解除工程が実施されて串部材140の先端部142が図17に示す回転位置まで戻される。
なお、図17〜図19では、1つのスロット35に収納された4本の電気導体331a、332a、332b’、331b’と1本の串部材140との関係に着目したが、この関係は他の全てのスロット35についても同様であり、全ての串部材140を同時に回転させることにより、各スロット35に収納された全ての電気導体が同時に離間および離間解除される。
絶縁シート把持部150〜155は、2本1組となって3枚の絶縁シート36−1、36−2、36−3を把持したりこの把持状態を解放するためのものである。最も内径側に配置された2本の絶縁シート把持部150、151は、内端層の電気導体と内中層の電気導体の間に挿入される絶縁シート36−1を把持するために用いられる。一方の絶縁シート把持部150は、周方向に隣接する内端層の電気導体の間にほぼ対応する位置に配置されている。この絶縁シート把持部150と一体に形成された操作部150aを固定子2の径方向外側に移動させることにより、ピン150bを支点として絶縁シート把持部150の先端側(絶縁シート36−1を把持する側)が径方向内側に移動する。また、他方の絶縁シート把持部151は、周方向に隣接する内中層の電気導体の間にほぼ対応する位置に配置されている。この絶縁シート把持部151と一体に形成された操作部151aを固定子2の径方向内側に移動させることにより、ピン151bを支点として絶縁シート把持部151の先端側(絶縁シート36−1を把持する側)が径方向外側に移動する。このようにして2本の絶縁シート把持部150、151が閉じた状態から開いた状態に移行する。なお、操作部150a、151aの移動を解除すると、Oリング150c、151cの張力によってこれらの操作部150a、151aが元の位置に戻り、2本の絶縁シート把持部150、151が開いた状態から元の閉じた状態に復帰する。
同様に、最も外径側に配置された2本の絶縁シート把持部154、155は、外中層の電気導体と外端層の電気導体の間に挿入される絶縁シート36−3を把持するために用いられる。一方の絶縁シート把持部154は、周方向に隣接する外中層の電気導体の間にほぼ対応する位置に配置されている。この絶縁シート把持部154と一体に形成された操作部154aを固定子2の径方向外側に移動させることにより、ピン154bを支点として絶縁シート把持部154の先端側(絶縁シート36−3を把持する側)が径方向内側に移動する。また、他方の絶縁シート把持部155は、周方向に隣接する外端層の電気導体の間にほぼ対応する位置に配置されている。この絶縁シート把持部155と一体に形成された操作部155aを固定子2の径方向内側に移動させることにより、ピン155bを支点として絶縁シート把持部155の先端側(絶縁シート36−3を把持する側)が径方向外側に移動する。このようにして2本の絶縁シート把持部152、153が閉じた状態から開いた状態に移行する。なお、操作部152a、153aの移動を解除すると、Oリング152c、153cの張力によってこれらの操作部152a、153aが元の位置に戻り、2本の絶縁シート把持部152、153が開いた状態から元の閉じた状態に復帰する。
また、上述した内径側の絶縁シート把持部150、151と外径側の絶縁シート把持部154、155の中間位置に配置された2本の絶縁シート把持部152、153は、内中層の電気導体と外中層の電気導体の間に挿入される絶縁シート36−2を把持するために用いられる。一方の絶縁シート把持部152は、周方向に隣接する内中層の電気導体の間にほぼ対応する位置に配置されている。この絶縁シート把持部152と一体に形成された操作部152aを固定子2の径方向外側に移動させることにより、ピン152bを支点として絶縁シート把持部152の先端側(絶縁シート36−2を把持する側)が径方向内側に移動する。また、他方の絶縁シート把持部153は、周方向に隣接する外中層の電気導体の間にほぼ対応する位置に配置されている。この絶縁シート把持部153と一体に形成された操作部153aを固定子2の径方向内側に移動させることにより、ピン153bを支点として絶縁シート把持部153の先端側(絶縁シート36−2を把持する側)が径方向外側に移動する。このようにして2本の絶縁シート把持部154、155が閉じた状態から開いた状態に移行する。なお、操作部154a、155aの移動を解除すると、Oリング154c、155cの張力によってこれらの操作部154a、155aが元の位置に戻り、2本の絶縁シート把持部154、155が開いた状態から元の閉じた状態に復帰する。
ピン収納プレート160は、絶縁シート把持部150〜155の操作の支点となるピン150b〜155bを収納する。この収納は、ピン収納プレート160の端面の所定位置に形成された溝部に置かれたピン150b〜155bの両端部を、ピン押さえプレート162の端面に形成された溝部で覆って固定することにより行われる。
カム付プレート164は、6本の絶縁シート把持部150〜155の操作部150a〜155aを同時に径方向外側あるいは径方向内側に移動させる円盤状部材である。カム付プレート164は、各操作部150a〜155aが別々に挿入されるカム孔が形成されたプレート本体164aと、このプレート本体164aから径方向に延びてプレート本体164aを回転させるために用いられるアーム部164bとを有している。ピン押さえプレート162、ピン収納プレート160、カム付プレート164の順で積層され、その全体を中間部ホルダ166内に収容した状態で下部から中間部押さえプレート168で押さえることで保持している。カム付プレート164のアーム部164bがカムプレート回転駆動部194によって回転駆動され、ピン収納プレート160、ピン押さえプレート162、カム付プレート164を収納した中間部ホルダ166および中間部押さえプレート168の全体が中間部材昇降駆動部192によって上下方向に昇降駆動される。
図20は、カム付プレート164のプレート本体164aの詳細を示す部分拡大図である。図20に示すように、プレート本体164は、絶縁シート把持部150〜155の操作部150a〜155aが別々に挿入されるカム孔170〜175を有している。
最も内径側に形成されたカム孔170には、絶縁シート把持部150の操作部150aが挿入される。また、このカム孔170の外径側に隣接するカム孔171は、絶縁シート把持部151の操作部151aが挿入される。アーム部164bを操作してプレート本体164aを図20に示す位置から反時計回り方向に回転させることにより、カム孔170の内径側の辺に沿って操作部150aが外径側に移動し、カム孔171の外径側の辺に沿って操作部151aが内径側にわずかに移動する。このため、2本の絶縁シート把持部150、151の先端部分を開くことができる。この開いた先端部分の間に絶縁シート36−1を挿入した後、プレート本体164aを時計回り方向に回して元の位置に戻すことにより、再び2本の絶縁シート把持部150、151の先端部分を閉じて絶縁シート36−1を把持することができる。
同様に、カム孔172には、絶縁シート把持部152の操作部152aが挿入される。また、このカム孔172の外径側に隣接するカム孔173は、絶縁シート把持部153の操作部153aが挿入される。アーム部164bを操作してプレート本体164aを図20に示す位置から反時計回り方向に回転させることにより、カム孔172の内径側の辺に沿って操作部152aが外径側に移動し、カム孔173の外径側の辺に沿って操作部153aが内径側にわずかに移動する。このため、2本の絶縁シート把持部152、153の先端部分を開くことができる。この開いた先端部分の間に絶縁シート36−2を挿入した後、プレート本体164aを時計回り方向に回して元の位置に戻すことにより、再び2本の絶縁シート把持部152、153の先端部分を閉じて絶縁シート36−2を把持することができる。
さらに、カム孔174には、絶縁シート把持部154の操作部154aが挿入される。また、このカム孔174の外径側に隣接するカム孔175は、絶縁シート把持部155の操作部155aが挿入される。アーム部164bを操作してプレート本体164aを図20に示す位置から反時計回り方向に回転させることにより、カム孔174の内径側の辺に沿って操作部154aが外径側に移動し、カム孔175の外径側の辺に沿って操作部155aが内径側にわずかに移動する。このため、2本の絶縁シート把持部154、155の先端部分を開くことができる。この開いた先端部分の間に絶縁シート36−3を挿入した後、プレート本体164aを時計回り方向に回して元の位置に戻すことにより、再び2本の絶縁シート把持部154、155の先端部分を閉じて絶縁シート36−3を把持することができる。
本実施形態では、図20に示すように、内径側の絶縁シート36−1を把持する絶縁シート把持部150、151と外径側の絶縁シート36−3を把持する絶縁シート把持部154、155とが同一直線上に配置され、他の絶縁シート36−2を把持する絶縁シート把持部152、153が1スロット分ずらした直線上に配置されている。
絶縁シート挿入装置100はこのような構造を有しており、この絶縁シート挿入装置100を用いて電気導体離間工程、絶縁シート挿入工程、電気導体離間解除工程のそれぞれが実施される。
電気導体離間工程は、図6および図8に示す位置に昇降部120の位置を固定して行われる。この位置において、各セグメント導体33に接するように配置されている串部材140の先端部142を、図17に示した位置から図18および図19に示した位置に達するまで回転させる。これにより、径方向に隣接する4本の電気導体331a、332a、
332b’、331b’の間に絶縁シート36−1、36−2、36−3のそれぞれが挿入可能な隙間が生じるように径方向に離間させることができる。
次の絶縁シート挿入工程は、図6および図8等に示す位置にあった昇降部120の全体を、串部材140の先端部142が固定子鉄心32の上端面近傍に達する位置まで降下させた後、カム付プレート164のアーム部164bを回転させることにより絶縁シート把持部150〜155を開いて絶縁シート36−1、36−2、36−3を把持状態から解除することにより行われる。
次の電気導体離間解除工程は、串部材140の先端部142を再び図17に示した回転位置に戻して径方向外側に引き抜いた後、昇降部120の全体を上昇させることにより行われる。その後、固定子位置決めホルダ110から固定子2を取り外して、次工程の電気導体捻り工程に送られる。
ところで、上述したように、本実施形態では円環状の絶縁シート36−1、36−2、36−3を用いている。次に、これらの絶縁シートの製造方法の具体例を説明する。
図21は、絶縁シート製造装置の構造を示す断面図である。また、図22は絶縁シート製造装置の平面図である。これらの図に示すように、絶縁シート製造装置400は、円盤部材410の外周部近傍に円周方向に設けられた多数の爪部材412と、一部の爪部材412の外周側であって互いに接近した位置に設けられた2つの絶縁シート把持部420、430と、一方の絶縁シート把持部420の近傍であって周方向に移動可能に取り付けられた絶縁シート押さえ部440とを備えている。
図23は、絶縁シート把持部420の詳細構造を示す平面図である。また、図24は絶縁シート把持部420の詳細構造を示す側面図である。絶縁シート把持部430も同じ構造を有しており、詳細な説明は省略する。これらの図に示すように、絶縁シート把持部420は、固定部422にボルト426を始点として回転可能に取り付けられた可動部424を有している。可動部424を初期位置から90°回転させることにより、爪部材412の外側に導かれた直線状の絶縁シート436を可動部424で挟み込んで把持することができる。なお、一方の絶縁シート把持部420の固定部422は円盤部材410に固定されていて円盤部材410とともに回転されるが、他方の絶縁シート把持部430は円盤部材410以外の部材(図示せず)に円盤部材410とともに回転しないように固定されている。
図25、図26は円環状の絶縁シート36−1等の製造手順を示す図である。円環状の絶縁シート36−1等を製造する場合に、まず、直線状の絶縁シート436を円環状に配列された爪部材412の外周部に導いてその端部を少し突き出した状態で一方の絶縁シート把持部420で把持する(図22)。この状態で、円盤部材410を1周未満(例えば7/8周)回転させて各爪部材412の外周部で絶縁シート436を巻き取り、巻き取り終端部に巻き緩みが生じないように絶縁シート押さえ部440で押さえた後、1周分と若干の余裕を見て絶縁シート436を切断する(図25)。その後、切断された端部側の絶縁シート436に巻き緩みが生じないように絶縁シート押さえ部440を円周方向に沿って移動させ、円環状に巻かれた絶縁シート436の端部同士の重複部分を他方の絶縁シート把持部430で把持すると同時に接着等によって固定する(図26)。このようにして1枚の円環状の絶縁シート36−1が完成する。他の円環状の絶縁シート36−2、36−3も同様にして製造される。
このように、本実施形態の回転電機の巻線の製造方法では、固定子鉄心32に形成された複数のスロット35のそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体
配列工程と、複数のスロット35のそれぞれにおいて配列されて固定子鉄心32の端面から突出する複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間に絶縁シート36−1、36−2、36−3を挿入する絶縁シート挿入工程と、電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する電気導体の間の距離を減少させる電気導体離間解除工程とを備えている。固定子鉄心32の端面から突出する電気導体の径方向位置を離間させてから絶縁シート36−1、36−2、36−3を挿入しているため、ほとんど隙間なく配列された電気導体間にこれらの絶縁シートを効率よく挿入することができる。
また、電気導体離間解除工程の後に、固定子鉄心32の端面から突出する複数の電気導体のそれぞれを固定子鉄心32の周方向に沿って捻る電気導体捻り工程をさらに備えている。電気導体を捻ることにより電気導体の径方向隙間が減少するが、その前に電気導体間に絶縁シート36−1等を挿入することにより、さらに絶縁シート36−1等の挿入が容易になる。
また、電気導体は、U字状の導体セグメントの各直線部によって形成されているため、2本の電気導体を同時にスロット35内に挿入することができるとともにこれら2本の電気導体の収納位置を維持することが容易となる。
また、電気導体が円環状に複数列に配置されているため、電気導体の径方向位置を離間させることにより、円環状に配置された電気導体の内周部分あるいは外周部分に円環状の隙間を形成することが可能になり、この円環状の隙間に容易に絶縁シートを挿入することができる。
また、電気導体が固定子鉄心32の円周方向に沿って等間隔で配置されているため、挿入した後の絶縁シート36−1等を径方向両側から電気導体で挟み込んでその位置および形状を維持することが容易になる。
また、絶縁シート36−1等は、帯状で一周以上にわたって延在するため、絶縁シート36−1等の形状を維持することが容易となり、電気導体間への挿入をさらに容易に行うことが可能になる。また、電気導体の径方向の隙間全体に確実に絶縁シート36−1等を挿入することが可能になり、絶縁シート36−1等による電気絶縁を確実に行うことが可能になる。
〔第2の実施形態〕
ところで、上述した第1の実施形態では、各電気導体間に絶縁シートを挿入する工程は、全ての電気導体について同時に行ったが、同一スロット内に径方向に配置される電気導体の数が多い場合には、電気導体離間工程、絶縁シート挿入工程、電気導体離間解除工程を径方向位置が異なる電気導体に対して複数回に分けて繰り返し行うようにしてもよい。
図27は、複数の電気導体に対する絶縁シートの挿入を複数回に分けて行う絶縁シート挿入装置200の詳細な断面図である。図27に示す絶縁シート挿入装置200によって絶縁シートが挿入される固定子2Aは、固定子鉄心32の各スロットに径方向に沿って12本の電気導体が挿入されている。本実施形態では、12本の電気導体間に11枚の絶縁シートが挿入されるが、これら11枚の絶縁シートの挿入は3枚あるいは2枚を1セットにして、各セットの挿入が繰り返し行われる。例えば、図27に示す絶縁シート挿入装置200は最外径側に配置される3枚の絶縁シートを挿入するためのものであり、同じように挿入位置が異なる3枚あるいは2枚の絶縁シート挿入用に図27に示した構造と同じ構造を有する絶縁シート挿入装置が3台用意されている。具体的には、1台目の絶縁シート挿入装置を用いて最内径側の2枚の絶縁シートが挿入され、2台目の絶縁シート挿入装置を用いて次の3枚の絶縁シートが挿入され、3台目の絶縁シート挿入装置を用いてさらに次の3枚の絶縁シートが挿入され、最後に図27に示す4台目の絶縁シート挿入装置200を用いて最外径側の3枚の絶縁シートが挿入される。
図28は、図27に示した絶縁シート挿入装置200の部分的な拡大図である。図29は、絶縁シート挿入装置200による絶縁シート挿入時の状態を示す図である。図30は、絶縁シート挿入装置200による絶縁シート挿入終了時の状態を示す図である。
図27〜図30に示す本実施形態の絶縁シート挿入装置200は、固定子位置決めホルダ210と昇降部220を含んで構成されている。固定子位置決めホルダ210は、第2コイルエンド群31a側の固定子鉄心32の外周部近傍を全周にわたって保持することにより、固定子2の位置決めをする。昇降部220は、位置決めされ固定された固定子2Aに対して、外径側の3枚の絶縁シート用に電気導体離間工程、絶縁シート挿入工程、電気導体離間解除工程のそれぞれを実施するために必要な各構成部を含んでおり、全体あるいは一部が上下方向に昇降可能な構造を有している。この昇降部220は、上部プレート230、下部プレート232、串先端位置決めリング236、串部材240、絶縁シート把持部250、251、252、253、254、255、ピン収納プレート260、ピン押さえプレート262、内接カムプレート264〜269、駆動伝達アーム部270、271、272、カム駆動ピン273、274、275、駆動ピンレバー276を含んで構成されている。
図31は、内接カムプレート264〜269とカム駆動ピン273〜275との関係を示す部分図であり、一のスロットに対応する一組の構成を抜き出して示したものである。
本実施形態の絶縁シート挿入装置200の基本動作は図5等に示した絶縁シート挿入装置100と同じであるが、電気導体離間工程において各電気導体を傾斜させたときにその傾斜方向に合わせて絶縁シートも傾斜状態を維持しながら絶縁シート挿入工程を実施することができる点に特徴がある。
以下では、最外径側に配置された絶縁シート236−3に着目して絶縁シート挿入装置200の動作を説明する。絶縁シート236−3を把持する一方の絶縁シート把持部254は、ピン254aを介して回転自在に連結された2本の可動把持部254b、254cに分割されており、一方の可動把持部254bの先端にはピン254dが取り付けられている。可動把持部254bの先端に取り付けられたピン254dは内接カムプレート268の端部に収容されており、内接カムプレート268を径方向に移動させたときにこの動きに連動して、ピン254dが取り付けられた可動把持部254bの一方端が他方端を回転中心として径方向に移動(回転)するようになっている。また、可動把持部254dの他方端に設けられたピン254aは、駆動伝達アーム部270の端部に収容されている。駆動伝達アーム部270は径方向に移動可能であり、この伝達駆動アーム部270を径方向に移動させてピン254aの径方向位置を可変することにより、可動把持部254dの回転中心位置を径方向に沿ってずらすことが可能になる。これにより、伝達駆動アーム部270を径方向に移動させることにより、絶縁シート236−3を直接把持する可動把持部254cの回転中心を径方向に移動させることができ、内接カムプレート268の径方向位置を移動させることによりこの可動把持部254cをピン254aを回転中心として回転させることができる。絶縁シート把持部254と組み合わされる絶縁シート把持部255についても同様である。このようにして内接カムプレート268、269および伝達アーム部270を径方向に移動させることにより、絶縁シート把持部254、255を傾斜および開閉する動作は、駆動ピンレバー276を回転させてこれに固定されたカム駆動ピン275の周方向位置を変更することにより可能になる。
このように、図28に示した絶縁シート挿入装置200を用いることにより、3枚の絶縁シートを傾斜させた状態を維持しながら把持しつつ、この傾斜方向に沿って各電気導体間に挿入することが可能になる。特に、径方向に多数本の電気導体を配列する場合にこれらの電気導体の間を同時に離間させて絶縁シートを挿入しようとすると、電気導体を径方向に移動させる距離が長くなり、挿入時の絶縁シートの径と電気導体の離間を解除したときの絶縁シートの径とが大きく変動することになるため、絶縁シートのたるみの発生や絶縁シートの破れのおそれがでてくる。これに対し、絶縁シートの挿入を複数回に分けて繰り返し行う場合には、径方向に移動させる電気導体の移動量が少なくなるため、絶縁シートのたるみや破れの発生を防止することができる。
また、絶縁シートの挿入を、径方向に隣接する電気導体間隙間に対して順番に(第2の実施形態では内径側から外径側に向けて順番に)行うことにより、絶縁シートの挿入が終了した内径側の電気導体が、次の絶縁シート挿入のために内径側に移動した場合であっても、この挿入が終了した絶縁シートの径が小さくなって一時的にたるみが生じるが、その後の電気導体離間解除工程においてこの電気導体が元の位置に戻ったときにこのたるみも解消する。このため、内径側に配置された絶縁シートは、一時的にたるみを生じるだけでその後良好な状態を維持することができる。
特に、既に挿入されている絶縁シートに隣接する側の電気導体についてはその位置を固定した外径側の絶縁シートの挿入を行うようにすれば(この変更は、串部材240に形成する凸部(図11等に示した凸部144、146、148)の形状(傾斜)を変更することにより容易に行うことができる)、既に挿入済みの絶縁シートが径方向に移動して周方向長さが変動することを抑制することができ、絶縁シートのたるみや破れの発生をさらに防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、帯状の絶縁シートが一周以上にわたって延在するように円環状の絶縁シート36−1、36−2、36−3が形成されているが、一周未満の絶縁シートを用いて部分的に電気導体の絶縁を行うようにしてもよい。例えば、シャフト6が地面とほぼ平行となるように車両用交流発電機1が車両に搭載された場合に、地面に近い側の固定子巻線31に含まれる電気導体に対応するように絶縁シートを装備し、地面と遠い側(天方向側)の固定子巻線31に含まれる電気導体には絶縁シートを装備しないようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、電気導体離間解除工程時における絶縁シート36−1、36−2、36−3の拘束方法については特に説明していないが、径方向内側および外側からプランジャ等を用いて径方向に沿って電気導体を加圧して各絶縁シートを隣接する電気導体によって加圧拘束し、軸方向に沿った位置決めを行うようにしてもよい。
あるいは、セグメント導体33の2つの直線部が互いに間隔を狭くする向きに弾性変形に伴う復元力が作用するようにそれらの径方向間隔を狭く設定しておいて、径方向に沿っ
て隣接する各電気導体間で絶縁シート36−1、36−2、36−3を押圧して挟み込むようにしてもよい。これにより、絶縁シート36−1等の位置を固定することが容易となり、固定子2あるいは車両用交流発電機1の途中工程における絶縁シート36−1等の脱落による絶縁不良を防止することができる。
上述した各実施形態では、電気導体間に挿入された絶縁シートはそのままの状態を維持してその後の電気導体捻り工程に移行するようにしたが、電気導体捻り工程の前に、絶縁シートを周方向に締め上げてたるみを除去するようにしてもよい。この場合には、図32(A)に示すように、絶縁シートは、帯状シートを円環形状に周回させて一方端を内径側に引き出した内径側引出部36aと、他方端を外径側に引き出した外径側引出部36bとを有する絶縁シート36−1等を用いることが望ましい。特に、電気導体離間解除工程と並行して、あるいは電気導体離間解除工程の後に、既に絶縁シート挿入工程によって挿入された絶縁シートについて、内径側引出部36aと外径側引出部36bを周方向であって円環形状の径が小さくなる向きに移動させることが望ましい。これにより、絶縁シート36−1等の両端部である内径側引出部36aと外径側引出部36bのそれぞれを把持して引っ張ることにより絶縁シート36−1のたるみをなくすことが容易となる。
また、図32(A)に示すように、内径側引出部36aおよび外径側引出部36bのそれぞれは、周方向に隣接する2本の電気導体の間に配置されていることが望ましい。内径側引出部36aと外径側引出部36bのそれぞれを、隣接する電気導体間の隙間に配置することにより、各引出部が電気導体と干渉することを防止することができる。なお、電気導体間の径方向隙間および周方向隙間に余裕がある場合には、図32(B)や図32(C)に示すように、帯状で一周以上にわたって延在し、その両端が重なった状態で円環状に形成された絶縁シートを用いるようにしてもよい。
また、上述した各実施形態では、電気導体捻り工程の前に電気導体間に絶縁シートを挿入したが、絶縁シートを挿入する順番を変更して、電気導体配列工程と電気導体離間工程との間に電気導体捻り工程を行うようにしてもよい。これにより、第1の実施形態と同様に絶縁シートを挿入することができる。
また、絶縁シートに隣接する電気導体の径方向側面に絶縁シートを収容する凹部を形成しておいて、この凹部の固定子鉄心32に近い側の段差部を面取り形状またはR形状とするようにしてもよい。このような凹部を形成することにより、絶縁シートを凹み部に収容することによって隣接電気導体間に隙間が生じることを防止して、電気導体同士の接合を確実に行うことができるとともに、この凹部の段差部に生じる鋭利な部位をなくすことで段差部において発生するコロナ放電を防止することができる。また、段差部によって絶縁シート端部の移動を制限することができるため、絶縁シート位置のずれを防止することも可能になる。特に、段差部の全幅にわたって面取り形状やR形状を形成することにより、これらの効果を確実なものにすることができる。
一実施形態の回転電機としての車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。 固定子の部分的な断面図である。 固定子に装着されるセグメント導体の模式的形状を示す斜視図である。 固定子巻線のコイルエンドを示す斜視図である。 絶縁シート挿入装置の詳細な断面図である。 図5に示したR部の詳細を示す部分拡大図である。 図5に示したR部のさらに詳細を示す部分拡大図である。 図5に示したL部の詳細を示す部分拡大図である。 図5に示したL部のさらに詳細を示す部分拡大図である。 絶縁シート挿入装置の部分的な側面図である。 串部材の先端部の詳細形状を示す部分的な側面図である。 串部材の先端部の詳細形状を示す部分的な底面図である。 図11のIII−III線断面図である。 図11のIV−IV線断面図である。 図11のV−V線断面図である。 串部材の先端部の部分的な展開図である。 串部材とセグメント導体との関係を示す図である。 串部材とセグメント導体との関係を示す図である。 串部材とセグメント導体との関係を示す図である。 カム付プレートのプレート本体の詳細を示す部分拡大図である。 絶縁シート製造装置の構造を示す断面図である。 絶縁シート製造装置の平面図である。 絶縁シート把持部の詳細構造を示す平面図である。 絶縁シート把持部の詳細構造を示す側面図である。 円環状の絶縁シートの製造手順を示す図である。 円環状の絶縁シートの製造手順を示す図である。 複数の電気導体に対する絶縁シートの挿入を複数回に分けて行う絶縁シート挿入装置の詳細な断面図である。 図27に示した絶縁シート挿入装置の部分的な拡大図である。 絶縁シート挿入装置による絶縁シート挿入時の状態を示す図である。 絶縁シート挿入装置による絶縁シート挿入終了時の状態を示す図である。 内接カムプレートとカム駆動ピンとの関係を示す部分図である。 絶縁シートの変形例を示す図である。
符号の説明
1 車両用交流発電機
2 固定子
3 回転子
4 ハウジング
5 整流器
32 固定子鉄心
33 セグメント導体
35 スロット
36−1、36−2、36−3 絶縁シート
100 絶縁シート挿入装置
110 固定子位置決めホルダ
120 昇降部
130 上部プレート
132 下部プレート
134 ボルト
136 串先端位置決めリング
140 串部材
142 先端部
150、151、152、153、154、155 絶縁シート把持部
160 ピン収納プレート
162 ピン押さえプレート
164 カム付プレート
166 中間部ホルダ
168 中間部押さえプレート
190 上部プレート昇降駆動部
192 中間部材昇降駆動部
194 カムプレート回転駆動部

Claims (17)

  1. 固定子鉄心に形成された複数のスロットのそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、
    前記複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて前記固定子鉄心の端面から突出する前記複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、
    前記電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する前記電気導体の間に絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、
    前記電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する前記電気導体の間の距離を減少させる電気導体離間解除工程と、
    を備えることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記電気導体離間解除工程の後に、前記固定子鉄心の端面から突出する前記複数の電気導体のそれぞれを前記固定子鉄心の周方向に沿って捻る電気導体捻り工程をさらに備えることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記電気導体は、U字状の導体セグメントの各直線部によって形成されていることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記電気導体は、前記電気導体離間工程における離間方向と反対方向に弾性変形に伴う復元力が作用し、隣接する2本の前記電気導体によってこの復元力によって前記絶縁シートを押圧して保持することを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記電気導体は、円環状に複数列に配置されていることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記電気導体は、前記固定子鉄心の円周方向に沿って等間隔で配置されていることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記絶縁シートは、帯状で一周以上にわたって延在することを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  8. 固定子鉄心に形成された複数のスロットのそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、
    前記複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて前記固定子鉄心の端面から突出する前記複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、
    前記電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する前記電気導体の間に絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、
    前記電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する前記電気導体の間の距離を減少させる電気導体離間解除工程と、
    を備え、前記電気導体離間工程、前記絶縁シート挿入工程、前記電気導体離間解除工程を径方向位置が異なる前記電気導体に対して複数回に分けて繰り返し行うことにより、前記複数の電気導体が相互に隣接する位置に前記絶縁シートを挿入することを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  9. 請求項8において、
    前記電気導体離間工程は、既に挿入されている前記絶縁シートに隣接する側の前記電気導体についてはその位置を固定した状態で行われることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  10. 請求項8または9において、
    前記絶縁シートの挿入は、径方向に隣接する電気導体間隙間に対して順番に行うことを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  11. 請求項10において、
    前記絶縁シートの挿入は、径方向に沿って内径側から外径側に向かって順番に行うことを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  12. 固定子鉄心に形成された複数のスロットのそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、
    前記複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて前記固定子鉄心の端面から突出する前記複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、
    前記電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する前記電気導体の間に絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、
    前記電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する前記電気導体の間の距離を減少させる電気導体離間解除工程と、
    を備え、前記絶縁シートは、帯状シートを円環形状に周回させて一方端を内径側に引き出した内径側引出部と、他方端を外径側に引き出した外径側引出部とを有していることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  13. 請求項12において、
    前記電気導体離間解除工程と並行して、あるいは前記電気導体離間解除工程の後に、既に前記絶縁シート挿入工程によって挿入された前記絶縁シートについて、前記内径側引出部と前記外径側引出部を周方向であって前記円環形状の径が小さくなる向きに移動させることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  14. 請求項12または13において、
    前記絶縁シートは、帯状で一周以上にわたって延在し、その両端が重なった状態で円環状に形成され、
    前記内径側引出部および前記外径側引出部のそれぞれは、周方向に隣接する2本の前記電気導体の間に配置されていることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  15. 固定子鉄心に形成された複数のスロットのそれぞれに、複数の電気導体を径方向に沿って配列する電気導体配列工程と、
    前記複数のスロットのそれぞれにおいて配列されて前記固定子鉄心の端面から突出する前記複数の電気導体の径方向位置を互いに離間させる電気導体離間工程と、
    前記電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する前記電気導体の間に絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入工程と、
    前記電気導体離間工程によって互いに離間させた隣接する前記電気導体の間の距離を減少させる電気導体離間解除工程と、
    を備え、前記電気導体配列工程と前記電気導体離間工程との間に、径方向に沿って配列された前記複数の電気導体を径方向に沿って互い違いに周方向反対側に傾斜させる電気導体捻り工程を行うことを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  16. 請求項1〜15のいずれかにおいて、
    前記絶縁シートに隣接する前記電気導体の径方向側面には前記絶縁シートを収容する凹部が形成されており、前記凹部の前記固定子鉄心に近い側の段差部は面取り形状またはR形状を有することを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
  17. 請求項1〜15のいずれかにおいて、
    前記絶縁シートに隣接する前記電気導体の径方向側面には前記絶縁シートを収容する凹部が形成されており、前記凹部の前記固定子鉄心に近い側の段差部は全幅にわたって面取り形状またはR形状を有することを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
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