JP2005235918A - 電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ Download PDF

Info

Publication number
JP2005235918A
JP2005235918A JP2004041304A JP2004041304A JP2005235918A JP 2005235918 A JP2005235918 A JP 2005235918A JP 2004041304 A JP2004041304 A JP 2004041304A JP 2004041304 A JP2004041304 A JP 2004041304A JP 2005235918 A JP2005235918 A JP 2005235918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon material
electric double
layer capacitor
double layer
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004041304A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5025890B2 (ja
Inventor
Tetsuya Kume
哲也 久米
Yasuyuki Higashionno
靖之 東恩納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cataler Corp
Original Assignee
Cataler Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cataler Corp filed Critical Cataler Corp
Priority to JP2004041304A priority Critical patent/JP5025890B2/ja
Publication of JP2005235918A publication Critical patent/JP2005235918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5025890B2 publication Critical patent/JP5025890B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】静電容量が大きく且つ内部抵抗の小さい電気二重層キャパシタ及びその分極性材料に用いる炭素材料を提供すること。
【解決手段】本発明の炭素材料は、電気二重層キャパシタ1の電極材料として使用する炭素材料21であって、硫黄含量が0.2重量%以下であるか、或いは、110面についてX線回折法によって測定した回折線の半価幅β(ラジアン)と、その回折角θと、それに使用したX線の波長λと、定数K=1.84とを用いて、等式:La=Kλ/βcosθから算出される結晶子の大きさLaが1nm乃至3nmの範囲内にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気二重層キャパシタ用炭素材料及びこれを分極性電極に用いた電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、一対の分極性電極を向かい合わせに配置し、それらの間に非水電解質溶液を介在させた構造を有している。電気二重層キャパシタは、エネルギーデバイスとして利用されており、充電時間が短い、放電が速く瞬時に大きなエネルギーを取り出すことができる、サイクル寿命が長い、環境にやさしい、メンテナンスフリーであるなどの特徴を有している。
この電気二重層キャパシタでは、分極性電極と電解液との界面に形成される界面電気二重層へのイオンの吸着・脱着現象を利用してエネルギーの出し入れを行う。そのため、静電容量の観点では、分極性電極の単位重量当りの表面積が大きいことが有利であると考えられている。
このような理由から、従来、分極性電極の材料としては、賦活処理の条件を最適化することにより比表面積を大きくした活性炭,例えばBET吸着等温式を利用して得られる比表面積(以下、単に比表面積という)が1000m2/g以上の活性炭,を使用していた。しかしながら、活性炭の比表面積を増大させることにより実現され得る静電容量は、限界に達しつつある。
より高い静電容量を実現すべく、分極性電極の材料として、002面の格子面間隔をコントロールした炭素材料を使用することが提案されている。
例えば、以下の特許文献1には、分極性電極の材料として、黒鉛類似の微結晶炭素を有し、002面の格子面間隔が0.360nm乃至0.380nmである非多孔性炭素を使用することが記載されている。この非多孔性炭素は、比表面積が270m2/g以下と小さいにも拘らず、電気二重層キャパシタの電極材料として用いた場合に比較的高い静電容量を実現可能とする。なお、引用文献1には、この炭素材料を使用した場合に高い静電容量が得られる理由に関連して、微結晶炭素の層間に電解質イオンが溶媒を伴ってインターカレートすることが記載されている。
このように、分極性電極の材料として、002面の格子面間隔を広げた炭素材料を使用すると、比較的高い静電容量を実現することができる。しかしながら、電気二重層キャパシタには、さらに大きな静電容量が要求されている。また、本発明者らは、分極性電極の材料として002面の格子面間隔を広げた炭素材料を使用した電気二重層キャパシタは、活性炭を使用した通常の電気二重層キャパシタと比較して、内部抵抗が高いことを見出している。
特開2002−25867号公報
本発明の目的は、静電容量が大きく且つ内部抵抗の小さい電気二重層キャパシタ及びその分極性材料に用いる炭素材料を提供することにある。
本発明の第1側面によると、電気二重層キャパシタの電極材料として使用する炭素材料であって、硫黄含量が0.2重量%以下であることを特徴とする炭素材料が提供される。
本発明の第2側面によると、電気二重層キャパシタの電極材料として使用する炭素材料であって、110面についてX線回折法によって測定した回折線の半価幅β(ラジアン)と、その回折角θと、それに使用したX線の波長λと、定数K=1.84とを用いて、等式:La=Kλ/βcosθから算出される結晶子の大きさLaが1nm乃至3nmの範囲内にあることを特徴とする炭素材料が提供される。
本発明の第3側面によると、互いに対向した一対の分極性電極と、それらの間に介在した非水電解質溶液とを具備し、前記一対の分極性電極の少なくとも一方は第1側面または第2側面に係る炭素材料を含有したことを特徴とする電気二重層キャパシタが提供される。
本発明によると、静電容量が大きく且つ内部抵抗の小さい電気二重層キャパシタ及びその分極性材料に用いる炭素材料が提供される。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様または類似する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る電気二重層キャパシタを概略的に示す断面図である。
この電気二重層キャパシタ1は、互いに対向した一対の分極性電極2a,2bを含んでいる。分極性電極2a,2b間には、セパレータ3が介在している。分極性電極2a,2bの外面には、それぞれ、集電体4a,4bが設けられている。これら分極性電極2a,2b、セパレータ3、及び集電体4a,4bは、非水電解質溶液5とともに、図示しない容器内に封入されている。
この電気二重層キャパシタ1には、さらに、充放電に利用するための一対の外部取出電極(図示せず)が設けられている。これら外部取出電極の一端はそれぞれ集電体4a及び4bに接続されており、他端は容器の外側に位置している。
分極性電極2a,2bは、電極材料として粉体状の炭素材料21を含有している。分極性電極2a,2bは、これら炭素材料21を凝集させてなる多孔質体であり、非水電解質溶液5を含浸している。分極性電極2a,2bの少なくとも一方,典型的にはそれらの双方,の炭素材料21としては、例えば、以下の方法により製造したものを使用することができる。
まず、原料として、硫黄含量CSが0.5重量%未満の石油または石炭系コークスを準備する。なお、従来から、電気二重層キャパシタの電極材料の製造では、硫黄含量CSが0.5重量%よりも遥かに高いコークスやピッチを使用している。したがって、従来と同様に比較的高い濃度で硫黄を含有している石油または石炭系コークスを使用する場合は、例えば、水素化処理を施して脱硫することにより、石油または石炭系コークスの硫黄含量CSを0.5重量%未満にまで減少させる。或いは、比較的高価ではあるが、硫黄含量CSが0.5重量%未満の石油または石炭系コークスを購入し、これを炭素材料の原料として使用する。
この硫黄含量CSは、例えば、以下の方法により測定することができる。
まず、試料を燃焼させて酸化ガスを発生させ、この酸化ガスの一定量を採取する。次に、採取した酸化ガス中の酸化硫黄ガスを澱粉水溶液に吸収させる。次いで、この水溶液に所定量のヨウ化カリウムを添加し、その吸光度を測定する。この吸光度を、検量線に参照することにより、試料中の硫黄含量CSを求める。なお、この検量線は、例えば、高純度のグラファイトと硫黄とを混合して硫黄濃度が互いに異なる複数の混合物を調製し、これら混合物を試料として用いること以外は先と同様の測定を行うことにより得る。
次いで、硫黄含量CSが0.5重量%未満の石油または石炭系コークスを不活性雰囲気中で炭化処理する。この炭化処理は、これにより得られる生成物が以下の物理的性質を有するように実施する。
002=0.34nm〜0.35nm
a=0.5nm〜3.0nm
c=1.0nm〜3.0nm
ここで、d002は002面の格子面間隔を示している。この格子面間隔d002は、例えば、X線回折法を利用して測定することができる。
また、La及びLcは、それぞれ、結晶子の大きさ及び厚さを示している。結晶子の大きさLaは、X線回折法によって得られる110面についての回折線の半価幅β(ラジアン)及び回折角θと、それに使用したX線の波長λ(nm)と、定数K=1.84とを用いて、等式:La=Kλ/βcosθから算出される。他方、結晶子の厚さLcは、X線回折法によって得られる002面についての回折線の半価幅β(ラジアン)及び回折角θと、それに使用したX線の波長λ(nm)と、定数K=0.9とを用いて、等式:Lc=Kλ/βcosθから算出される。
炭化処理により得られる生成物の物理的性質,すなわち002面の格子面間隔d002並びに結晶子の大きさLa及び厚さLc,は、原料の物理的及び化学的性質と炭化処理の条件とに応じて変化する。典型的には、この炭化処理の温度は600℃乃至900℃の範囲内とし、時間は0.5時間乃至4時間の範囲内とする。
次に、炭化処理後の材料に、例えば水酸化カリウムなどの苛性アルカリを用いた賦活処理を施す。次いで、この材料に、例えば加圧濾過洗浄等を施すことにより、余分なアルカリ成分などを除去する。この洗浄は、炭素材料中のアルカリ成分が10000ppm以下になるまで行う。その後、必要に応じ、先の材料に、水素化処理などの表面処理を施す。さらに、この材料を、例えば平均粒径が1μm乃至50μm程度となるように粉砕する。以上のようにして、分極性電極2a,2bに使用する炭素材料21が得られる。
上記の賦活処理から粉砕までの工程は、最終製品が以下の物理的性質を有するように実施する。なお、SSAは、BET吸着等温式を利用して得られる比表面積を示している。
SSA≦500m2/g
002=0.355nm〜0.385nm
a=1.0nm〜3.0nm
c=1.0nm〜2.0nm
S≦0.2重量%
最終製品の物理的及び化学的性質,すなわち、比表面積SSA、002面の格子面間隔d002、結晶子の大きさLa及び厚さLc、並びに硫黄含量CS,は、炭化処理後の材料の物理的及び化学的性質、賦活処理の条件、必要に応じて行う表面処理の条件などに応じて変化する。賦活処理については、典型的には、苛性アルカリ添加量は炭化処理後の材料に対して1.5倍乃至2.5倍(重量比)の範囲内とし、不活性雰囲気中で行う熱処理の温度は700℃乃至900℃の範囲内とし、時間は1時間乃至10時間の範囲内とする。
分極性電極2a,2bは、この炭素材料21に加え、例えばカーボンブラックなどの導電性補助剤や、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの結着剤をさらに含有することができる。
セパレータ3は、イオン透過性の誘電体からなり、分極性電極2a,2b間の短絡を防止する。セパレータ3としては、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレンなどからなる微多孔質セパレータなどを使用することができる。
集電体4a,4bの材料としては、例えば、アルミニウムなどの金属や合金を使用することができる。
非水電解質溶液5は、電解質と有機溶媒とを含有した非プロトン溶液である。この電解質としては、例えば、電離することにより、テトラアルキルアンモニウムイオンなどのカチオンと、テトラフルオロ硼酸イオンやヘキサフルオロ燐酸イオンや過塩素酸イオンなどのアニオンとを生じるものを使用することができる。テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、例えば、Me4+、EtnMe4-n+、Et4+、n−Bu4+などを挙げることができる。なお、ここで、「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「Bu」はブチル基を示している。
非水電解質溶液5の有機溶媒としては、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、それらの混合物などを使用することができる。この有機溶媒には、例えば、プロピオニトリル、炭酸エチレン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、それらの混合物などをさらに添加することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例では、以下の方法により図1の電気二重層キャパシタ1を作成した。
まず、硫黄含量CSが0.4重量%の市販の石油系コークスに炭化処理を施し、その後、これを粉砕することにより平均粒径を約100μmに調整した。具体的には、この石油系コークス粉末に対し、N2気流中、750℃で1時間の熱処理を行った。これにより、上記コークスの硫黄含量CSを0.25重量%にまで減少させた。
この炭化処理により得られた生成物について各種測定を実施したところ、以下の結果が得られた。
002=0.342nm
a=1.40nm
c=2.33nm
S=0.25重量%
次いで、炭化処理後の材料を賦活処理に供した。具体的には、炭化処理後の材料に、重量比で2倍の水酸化カリウムを添加し、この混合物を、不活性雰囲気中、800℃で8時間の熱処理に供した。
次に、この材料に加圧濾過機等による洗浄を施し、余分なアルカリ成分を除去した。この洗浄は、炭素材料中のアルカリ成分が10000ppm以下になるまで行った。
その後、先の材料に、水素化処理を施した。具体的には、この石油系コークス粉末に対し、水素気流中、700℃で4時間の熱処理を行った。
さらに、この材料を、平均粒径が12μm程度となるように粉砕した。以上のようにして、分極性電極2a,2bに使用する炭素材料21を得た。
このようにして得られた炭素材料21について各種測定を実施したところ、以下の結果が得られた。
SSA=150m2/g
002=0.357nm
a=2.39nm
c=1.23nm
S=0.08重量%
次に、上記の炭素材料21を80重量部と、カーボンブラック10重量部と、10重量部のPTFEを含有したPTFE溶液とを十分に混練した。次いで、この混合物を圧延して厚さ0.1mmのシート状とし、面積が2cm2の円形形状に切り出した。
その後、このようにして得られた分極性電極2a,2bに、非水電解質溶液5として、1mol/Lの濃度でEt4N・BF4を含有したプロピレンカーボネート溶液を含浸させた。この非水電解質溶液5は、微多孔質セパレータ3にも包含させた。
続いて、アルミニウムからなる集電体4a、分極性電極2a、セパレータ3、分極性電極2b、アルミニウムからなる集電体4bを順次積層し、この積層体を図示しない容器内に封入した。以上のようにして、コイン型の電気二重層キャパシタ1を完成した。
(実施例2)
本例では、以下の方法により図1の電気二重層キャパシタ1を作成した。
まず、硫黄含量CSが0.4重量%の市販の石油系コークスに炭化処理を施し、その後、粉砕することにより平均粒径を約100μmに調整した。具体的には、この石油系コークス粉末に対し、水素気流中、750℃で2時間の熱処理を行った。これにより、上記コークスの硫黄含量CSを0.12重量%にまで減少させた。
この炭化処理により得られた生成物について各種測定を実施したところ、以下の結果が得られた。
002=0.340nm
a=1.41nm
c=2.61nm
S=0.12重量%
次いで、炭化処理後の材料を賦活処理に供した。具体的には、炭化処理後の材料に、重量比で2倍の水酸化カリウムを添加し、この混合物を、不活性雰囲気中、800℃で4時間の熱処理に供した。
次に、この材料に加圧濾過機等による洗浄を施し、余分なアルカリ成分を除去した。この洗浄は、炭素材料中のアルカリ成分が10000ppm以下になるまで行った。
その後、先の材料に、水素化処理を施した。具体的には、この石油系コークス粉末に対し、水素気流中、700℃で4時間の熱処理を行った。
さらに、この材料を、平均粒径が12μm程度となるように粉砕した。以上のようにして、分極性電極2a,2bに使用する炭素材料21を得た。
このようにして得られた炭素材料21について各種測定を実施したところ、以下の結果が得られた。
SSA=80m2/g
002=0.359nm
a=1.79nm
c=1.12nm
S=0.02重量%
その後、この炭素材料21を用いたこと以外は、実施例1で説明したのと同様の方法により、電気二重層キャパシタ1を完成した。
(比較例1)
本例では、以下の方法により電気二重層キャパシタを作成した。
まず、硫黄含量CSが1.05重量%の市販の石油系コークスに炭化処理を施し、その後、これを粉砕して平均粒径を約100μmに調整した。具体的には、石油系コークス粉末を、窒素気流中、750℃で1時間の炭化処理に供した。この炭化処理により得られた生成物について各種測定を実施したところ、以下の結果が得られた。
002=0.344nm
a=1.28nm
c=1.63nm
S=1.01重量%
次いで、炭化処理後の材料を賦活処理に供した。具体的には、炭化処理後の材料に、重量比で2倍の水酸化カリウムを添加し、この混合物を、不活性雰囲気中、800℃で6時間の熱処理に供した。
次に、この材料に加圧濾過機等を用いた洗浄を施し、余分なアルカリ成分を除去した。この洗浄は、炭素材料中のアルカリ成分が10000ppm以下になるまで行った。
その後、先の材料に、水素化処理を施した。具体的には、この石油系コークス粉末に対し、水素気流中、700℃で4時間の熱処理を行った。
さらに、この材料を、平均粒径が12μm程度となるように粉砕した。以上のようにして、分極性電極に使用する炭素材料を得た。
このようにして得られた炭素材料について各種測定を実施したところ、以下の結果が得られた。
SSA=20m2/g
002=0.361nm
a=0.75nm
c=1.23nm
S=0.24重量%
その後、この炭素材料を用いたこと以外は、実施例1で説明したのと同様の方法により、電気二重層キャパシタを完成した。
(比較例2)
本例では、以下の方法により電気二重層キャパシタを作成した。
まず、硫黄含量CSが5.8重量%の市販の石油系コークスに炭化処理を施し、その後、これを粉砕して平均粒径を約100μmに調整した。具体的には、石油系コークス粉末を、窒素気流中、750℃で1時間の炭化処理に供した。この炭化処理により得られた生成物について各種測定を実施したところ、以下の結果が得られた。
002=0.342nm
a=2.08nm
c=1.33nm
S=4.1重量%
次いで、炭化処理後の材料を賦活処理に供した。具体的には、炭化処理後の材料に、重量比で2倍の水酸化カリウムを添加し、この混合物を、不活性雰囲気中、800℃で2時間の熱処理に供した。
次に、この材料に加圧濾過機等を用いた洗浄を施し、余分なアルカリ成分を除去した。この洗浄は、炭素材料中のアルカリ成分が10000ppm以下になるまで行った。
さらに、この材料を、平均粒径が12μm程度となるように粉砕した。以上のようにして、分極性電極に使用する炭素材料を得た。
このようにして得られた炭素材料について各種測定を実施したところ、以下の結果が得られた。
SSA=350m2/g
002=0.364nm
a=3.36nm
c=0.91nm
S=0.43重量%
その後、この炭素材料を用いたこと以外は、実施例1で説明したのと同様の方法により、電気二重層キャパシタを完成した。
以上のようにして得られた実施例1及び2並びに比較例1及び2に係る電気二重層キャパシタのそれぞれについて、まず、充電圧を2V、2.5V、3V、3.5V、4Vへと順次上昇させて、各充電圧毎に静電容量を測定した。次いで、充電圧を4V、3.5V、3V、2.5V、2Vへと順次低下させて、各充電圧毎に静電容量を測定した。ここでは、充放電電流は2mA/cm2とした。
図2は、充電圧と静電容量との関係を示すグラフである。図中、横軸は充電圧を示し、縦軸は、電気二重層キャパシタの単位体積当りの静電容量を示している。なお、図2には、実施例1及び比較例1に係る電気二重層キャパシタについて得られたデータのみを示している。
図2に示すように、これら電気二重層キャパシタの静電容量は、製造直後では極めて小さい値であったが、充電圧の上昇に伴って増大した。この静電容量は、充電圧を低下させることにより減少したが、初期の状態に戻ることはなかった。
次に、先の試験に供した電気二重層キャパシタについて、初期性能の評価を行った。具体的には、充電圧を3.0V、充放電電流を2mA/cm2として、実施例1及び2並びに比較例1及び2に係る電気二重層キャパシタについて、単位体積当りの静電容量及び内部抵抗を測定した。その結果を、電極材料として使用した炭素材料の物理的及び化学的性質とともに、以下の表に示す。
Figure 2005235918
図3及び図4は、実施例1及び2並びに比較例1及び2に係る電気二重層キャパシタの静電容量及び内部抵抗を示すグラフである。図3において、横軸は電極材料として使用した炭素材料の硫黄含量CSを示し、縦軸は電気二重層キャパシタの単位体積当りの静電容量及び内部抵抗を示している。他方、図4において、横軸は電極材料として使用した炭素材料の結晶子の大きさLaを示し、縦軸は電気二重層キャパシタの単位体積当りの静電容量及び内部抵抗を示している。
図3及び図4に示すように、電気二重層キャパシタの静電容量及び内部抵抗と、電極材料として使用した炭素材料の硫黄含量CS及び結晶子の大きさLaとには、相関が見られた。すなわち、図3に示すように、電極材料として使用した炭素材料の硫黄含量CSが0.2重量%以下,特には0.1重量%以下,の場合、硫黄含量CSが0.2重量%を超える場合と比較して、静電容量はより大きく、内部抵抗はより小さかった。また、図4に示すように、電極材料として使用した炭素材料の結晶子の大きさLaが1nm乃至3nmの範囲内,特には1.5nm乃至2.5nmの範囲内,の場合、結晶子の大きさLaが1nm未満である場合や3nmを超える場合と比較して、静電容量はより大きく、内部抵抗はより小さかった。
本発明の一態様に係る電気二重層キャパシタを概略的に示す断面図。 充電圧と静電容量との関係を示すグラフ。 実施例1及び2並びに比較例1及び2に係る電気二重層キャパシタの静電容量及び内部抵抗を示すグラフ。 実施例1及び2並びに比較例1及び2に係る電気二重層キャパシタの静電容量及び内部抵抗を示すグラフ。
符号の説明
1…電気二重層キャパシタ、2a…分極性電極、2b…分極性電極、3…セパレータ、4a…集電体、4b…集電体、5…非水電解質溶液、21…炭素材料。

Claims (7)

  1. 電気二重層キャパシタの電極材料として使用する炭素材料であって、硫黄含量が0.2重量%以下であることを特徴とする炭素材料。
  2. X線回折法によって得られる110面についての回折線の半価幅β(ラジアン)及び回折角θと、それに使用したX線の波長λ(nm)と、定数K=1.84とを用いて、等式:La=Kλ/βcosθから算出される結晶子の大きさLaが1nm乃至3nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の炭素材料。
  3. 電気二重層キャパシタの電極材料として使用する炭素材料であって、110面についてX線回折法によって測定した回折線の半価幅β(ラジアン)と、その回折角θと、それに使用したX線の波長λと、定数K=1.84とを用いて、等式:La=Kλ/βcosθから算出される結晶子の大きさLaが1nm乃至3nmの範囲内にあることを特徴とする炭素材料。
  4. 比表面積が500m2/g以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の炭素材料。
  5. 002面の格子面間隔が0.355nm乃至0.385nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の炭素材料。
  6. 前記炭素材料の原料は、石油或いは石炭系コークス類であり且つ硫黄含量が0.5重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の炭素材料。
  7. 互いに対向した一対の分極性電極と、それらの間に介在した非水電解質溶液とを具備し、前記一対の分極性電極の少なくとも一方は請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の炭素材料を含有したことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
JP2004041304A 2004-02-18 2004-02-18 電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ Expired - Fee Related JP5025890B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004041304A JP5025890B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004041304A JP5025890B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005235918A true JP2005235918A (ja) 2005-09-02
JP5025890B2 JP5025890B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=35018572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004041304A Expired - Fee Related JP5025890B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5025890B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007037523A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-05 Cataler Corporation 電気二重層キャパシタ用炭素材料および電気二重層キャパシタ
WO2009058226A3 (en) * 2007-10-31 2009-12-17 Corning Incorporated High energy density ultracapacitor
KR101166696B1 (ko) 2011-03-30 2012-07-19 한국세라믹기술원 슈퍼커패시터 및 그 제조방법
CN103021674A (zh) * 2012-12-08 2013-04-03 天津大学 炭基离子插层储能电极材料及其制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0297414A (ja) * 1988-10-01 1990-04-10 Kansai Coke & Chem Co Ltd 高品質活性炭の製造法
JPH10144320A (ja) * 1996-11-11 1998-05-29 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リチウム二次電池用正極材料
JP2001180923A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Petoca Ltd 活性炭、その製造方法、それを用いた電極及びそれを用いた電気二重層キャパシタ
JP2001262153A (ja) * 2000-03-22 2001-09-26 Nippon Steel Corp 低硫黄濃度コークスの製造方法
JP2003051430A (ja) * 2001-05-31 2003-02-21 Koa Oil Co Ltd 電気二重層キャパシタ用炭素材料の原料組成物及びその製造方法並びに電気二重層キャパシタ及びその製造方法
JP2003282369A (ja) * 2002-03-20 2003-10-03 Osaka Gas Co Ltd 電気二重層キャパシタ用炭素材及びその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0297414A (ja) * 1988-10-01 1990-04-10 Kansai Coke & Chem Co Ltd 高品質活性炭の製造法
JPH10144320A (ja) * 1996-11-11 1998-05-29 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リチウム二次電池用正極材料
JP2001180923A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Petoca Ltd 活性炭、その製造方法、それを用いた電極及びそれを用いた電気二重層キャパシタ
JP2001262153A (ja) * 2000-03-22 2001-09-26 Nippon Steel Corp 低硫黄濃度コークスの製造方法
JP2003051430A (ja) * 2001-05-31 2003-02-21 Koa Oil Co Ltd 電気二重層キャパシタ用炭素材料の原料組成物及びその製造方法並びに電気二重層キャパシタ及びその製造方法
JP2003282369A (ja) * 2002-03-20 2003-10-03 Osaka Gas Co Ltd 電気二重層キャパシタ用炭素材及びその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007037523A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-05 Cataler Corporation 電気二重層キャパシタ用炭素材料および電気二重層キャパシタ
JPWO2007037523A1 (ja) * 2005-09-30 2009-04-16 株式会社キャタラー 電気二重層キャパシタ用炭素材料および電気二重層キャパシタ
KR100978604B1 (ko) * 2005-09-30 2010-08-27 가부시키가이샤 캬타라 전기 이중층 캐패시터용 탄소 재료 및 전기 이중층캐패시터
JP4733707B2 (ja) * 2005-09-30 2011-07-27 株式会社キャタラー 電気二重層キャパシタ用炭素材料,電気二重層キャパシタ及び電気二重層キャパシタ用炭素材料の製造方法
CN102336402A (zh) * 2005-09-30 2012-02-01 株式会社科特拉 用于双电层电容器的碳材料和双电层电容器
CN102336402B (zh) * 2005-09-30 2014-07-09 株式会社科特拉 用于双电层电容器的碳材料和双电层电容器
EP1930921A4 (en) * 2005-09-30 2015-07-01 Cataler Corp CARBON MATERIAL FOR ELECTRICAL CAPACITOR WITH DOUBLE LAYER AND ELECTRICAL CAPACITOR WITH DOUBLE LAYER
WO2009058226A3 (en) * 2007-10-31 2009-12-17 Corning Incorporated High energy density ultracapacitor
US7976587B2 (en) 2007-10-31 2011-07-12 Corning Incorporated High energy density ultracapacitor
KR101166696B1 (ko) 2011-03-30 2012-07-19 한국세라믹기술원 슈퍼커패시터 및 그 제조방법
CN103021674A (zh) * 2012-12-08 2013-04-03 天津大学 炭基离子插层储能电极材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5025890B2 (ja) 2012-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hasegawa et al. Hierarchically porous Li4Ti5O12 anode materials for Li‐and Na‐ion batteries: effects of nanoarchitectural design and temperature dependence of the rate capability
EP2058828B1 (en) Electric double layer capacitor
EP2998973B1 (en) Capacitor and method for charging and discharging the same
EP2418664A1 (en) Carbon material for electric double layer capacitor electrode and method for producing same
KR101346975B1 (ko) 탄소 재료 및 그 제조 방법
KR102007131B1 (ko) 비수계 리튬 축전 소자
US10825616B2 (en) Nonaqueous lithium storage element
EP3544038B1 (en) Carbonaceous material for electric double layer capacitors and method for producing same
CN109074968B (zh) 碳质材料、以及双电层电容器用电极材料、双电层电容器用电极和双电层电容器
CN105900199A (zh) 含分子筛的碳基电极
CN110300728B (zh) 碳质材料、以及含有该碳质材料的双电层电容器用电极材料
JP2016531068A (ja) Co2活性化ココナッツ炭を含有する高電圧edlc電極
KR101901281B1 (ko) 커패시터용 탄소 재료 및 커패시터
JP2006004978A (ja) 電気二重層キャパシタ
JP6705899B2 (ja) 非水系アルカリ金属イオンキャパシタ
JP5025890B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ
JP4762424B2 (ja) 活性炭、その製造方法及び該活性炭を用いた電気二重層キャパシタ
WO2022196746A1 (ja) 電気化学キャパシタ
KR20170113611A (ko) 리튬이온 커패시터용 캐소드
WO2021241334A1 (ja) 電気化学デバイス
JP2017088443A (ja) 多孔質炭素材料、その製造方法、それを用いた電極及びキャパシタ
JP6698493B2 (ja) 非水系リチウム蓄電素子
WO2022181605A1 (ja) 電気化学キャパシタ
Widmaier Improvement of hybrid supercapacitors by optimization of electrode design and material properties
Wang New Chemistry for Electrochemical Energy Storage Applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090903

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120425

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120620

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees