JP2005230683A - 塗装鋼板の製造方法及び鋼板の塗装設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数層の液膜からなるカーテンを落下させ、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法及び鋼板の塗装装置において、たとえ鋼板の蛇行量に変動があったとしても鋼板のトリム代を最小にする。
【解決手段】 塗覆部位において幅狭層13の幅は走行する鋼板11の幅よりも狭い幅であり、鋼板端部と幅狭層端部との間の距離(端部薄層幅14)の変動の大きさに応じて、サイドトリマー8によるトリム代17を調整することを特徴とする塗装鋼板の製造方法及び塗装装置。端部薄層幅14の変動の大きさを検出装置20を用いて検出し、設定した時間内、または設定したコイル長内における端部薄層幅14の変動量の最大値に応じて、トリム代17を決定する。カーテン塗覆を行う部位における鋼板11の蛇行の大きさに応じて、トリム代17を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数層の液膜からなるカーテンを落下させ、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法及び鋼板の塗装設備に関するものである。
鋼板表面に塗料をカーテン塗覆するカーテン塗覆方法においては、カーテン吐出装置によって液膜を形成し、液膜をカーテンとして自由落下させ、走行する鋼板上にカーテンを衝突させ、板の表面に塗料膜をコーティングすることができる。自由落下するカーテンの幅方向端部は案内装置によって規制され、自由落下中におけるカーテンの幅が所定の幅に保持される。案内装置を用いずに、カーテンの幅両端を自由端とすることもできる。特許文献1には、カーテンを複数層の液膜として形成し、走行する板の表面に複数層の膜を塗覆するカーテン塗覆方法が記載されており、特に多層写真材料の製造を取り扱っている。
カーテンを複数層の液膜として形成する場合、カーテンの幅が板の幅よりも広いと、板の幅両端より外側に位置するカーテンは下方に落下する。この液膜を回収しても、複数層の液膜成分が混合しているために再利用することが困難となる。従って、カーテンを複数の同一幅の液膜を重ねた複数層として形成する場合、通常はカーテンの幅を板の幅よりも狭くする。
板への塗覆位置において、カーテンの幅が板の幅と同等あるいは板の幅よりも狭い場合、板の表面に塗覆された膜の厚さが幅方向端部において厚くなる傾向があり、膜厚の均一性が保たれない場合がある。それに対し、板への塗覆部位においてカーテンの幅を板の幅よりも広くすると、板に塗覆される膜の厚さは幅方向で均一にすることができる。
カーテンの幅を板の幅よりも広くする場合、上述のとおり板の幅両端の外側に位置するカーテン部分は板の下方に落下することとなる。この落下するカーテン部分については、カーテンが単一層の液膜であれば、回収してカーテン液膜原料として再使用することができる。ところが、特許文献1に記載のように複数層の液膜を塗覆する場合、板の幅両端の外側に落下するカーテン部分においてもカーテンが複数層の液膜であるため、これを回収しても2種以上の異なる組成物の混合物となり、カーテン液膜原料として再使用することができない。
特許文献2に記載の発明においては、カーテンを構成する複数層の液膜のうち、1つの層がウエブ(板)の幅よりも大であり、他の層はウエブを溢れ出ない幅を有する。これにより、ウエブの縁から溢れ出る液膜は単一層であるため、この溢れ出る組成物を収集し、同一組成の層の液供給原料中に再循環させることができるとしている。ここでは、ウエブの幅よりも大であってカーテン幅と同等の幅を有する層を幅広層、ウエブを溢れ出ない幅を有する層を幅狭層と呼ぶこととする。
特公昭49−24133号公報 特公昭62−47075号公報
帯鋼のような鋼板に多層の塗装皮膜をカーテン塗装する方法においては、鋼板を走行させ、走行する鋼板表面にカーテンを落下させてカーテン塗装を行う。走行する鋼板は幅方向に蛇行することがある。
特許文献1に記載の方法を適用するに際し、カーテンの端部が板の両端から外側にはみ出さないように塗装を行う必要がある。一方で、上記のように走行する板が幅方向に蛇行することがある。従って、カーテンの端部が板の両端から外にはみ出さないようにするためには、板の蛇行の程度を想定し、カーテンの幅を板の幅よりも狭い幅に設定することが必要となる。その結果として、板の両端には液膜が塗布されない領域が存在することとなる。液膜が塗布されていない板の両端部分については良品とすることができないので、塗装終了後においてこの部分をトリムして切り捨てる必要がある。
また、特許文献2に記載の方法を適用するに際し、板の幅両端外側から落下するカーテン部分を常に単一の層とするためには、幅狭層の端部が板の両端から外側にはみ出さないように塗装を行う必要がある。一方で、上記のように走行する板が幅方向に蛇行することがある。従って、幅狭層の端部が板の両端から外にはみ出さないようにするためには、板の蛇行の程度を想定し、幅狭層の幅を板の幅よりも狭い幅に設定することが必要となる。その結果として、板の両端には幅狭層によって形成されるべき層が塗布されない領域が存在することとなる。幅狭層が塗布されていない板の両端部分については良品とすることができないので、塗装終了後においてこの部分をトリムして切り捨てる必要がある。
ところが、鋼板の蛇行量はそのときどきで変動する。鋼板のトリム代は、蛇行量が大きいときでもカーテンまたは幅狭層が塗布されていない部分を十分にトリムできる必要があるので、想定される最大蛇行量が発生したものとしてトリム代を決定している。そのため、実際には鋼板の蛇行量が小さい場合においても、大きなトリム代を採用しており、鋼板及び塗料の歩留を低下させる原因となっていた。
幅広層と幅狭層を有するカーテン塗覆において、使用する塗料の種類によっては、鋼板に塗覆された幅狭膜の厚さにおいて、端部の厚さがそれ以外の部分の厚さと比べて厚くなることがある。幅狭膜の厚さが厚い端部については、焼き付け乾燥時に生焼けになる可能性があり、生焼けになるとその後のインラインロールへ塗料が転写することがある。このような場合には、厚さが厚い幅狭膜の端部は一部剥がれたりして品質がさらに不安定になるので、トリム代が増加することになる。たとえ厚いままで塗料が乾燥し、インラインロールへ塗料が転写しなくても、幅狭膜端部でのみ鋼板の厚さが厚くなることとなり、リコイル時に巻き形状が異常になることから、この部分はトリムしなければならず、トリム代が増大して鋼板及び塗料の歩留をますます悪化させる原因となっていた。
本発明は、複数層の液膜からなるカーテンを落下させ、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法及び鋼板の塗装設備において、たとえ鋼板の蛇行量に変動があったとしても鋼板のトリム代を最小にすることのできるものを提供することを第1の目的とする。さらに、鋼板表面に塗布した幅狭膜の端部が厚くなる現象があっても均一な塗装が可能となるものを提供することを第2の目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)複数層の液膜からなるカーテン10を落下させ、走行する鋼板11の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法において、塗覆部位においてカーテン10の幅は走行する鋼板11の幅よりも狭い幅であり、鋼板端部とカーテン端部との間の距離(以下「端部無塗装幅54」という。)の変動の大きさに応じて、サイドトリマー8によるトリム代を調整することを特徴とする塗装鋼板の製造方法。
(2)複数層の液膜からなるカーテン10を落下させ、走行する鋼板11の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法において、落下するカーテン10を構成する液膜の少なくとも1層(以下「幅狭層13」という。)の幅はカーテン全幅よりも狭い幅であり、塗覆部位においてカーテン全幅は走行する鋼板11の幅よりも広く幅狭層13の幅は走行する鋼板11の幅よりも狭い幅であり、鋼板端部と幅狭層端部との間の距離(以下「端部薄層幅14」という。)の変動の大きさに応じて、サイドトリマー8によるトリム代17を調整することを特徴とする塗装鋼板の製造方法。
(3)端部無塗装幅54若しくは端部薄層幅14の変動の大きさを検出装置20を用いて検出し、設定した時間内、または設定したコイル長内における端部無塗装幅54若しくは端部薄層幅14の変動量の最大値に応じて、トリム代17を決定することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の塗装鋼板の製造方法。
(4)カーテン塗覆を行う部位における鋼板11の蛇行の大きさに応じて、トリム代17を調整することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の塗装鋼板の製造方法。
(5)カーテン塗覆した鋼板11の表面から塗料を吸引するための吸引装置7を有し、吸引装置7はカーテン塗覆した液膜層端部又は幅狭層端部付近の塗料を吸引することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の塗装鋼板の製造方法。
(6)複数の液膜を吐出し、該吐出した複数層の液膜からなるカーテンを落下させるカーテン吐出装置1を有し、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する鋼板の塗装設備において、鋼板端部とカーテン端部との間の距離(端部無塗装幅54)の変動の大きさを検出する検出装置20を有していることを特徴とする鋼板の塗装設備。
(7)複数の液膜を吐出し、該吐出した複数層の液膜からなるカーテンを落下させるカーテン吐出装置1を有し、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する鋼板の塗装設備において、落下するカーテン10を構成する液膜の少なくとも1層(幅狭層13)の幅はカーテン全幅よりも狭い幅とすることができ、塗覆部位におけるカーテン全幅は走行する板の幅よりも広く幅狭層13の幅は走行する鋼板の幅よりも狭い幅とすることができ、鋼板端部と幅狭層端部との間の距離(端部薄層幅14)の変動の大きさを検出する検出装置20を有していることを特徴とする鋼板の塗装設備。
(8)検出装置20で検出した端部無塗装幅54又は端部薄層幅14の変動の大きさに応じて、サイドトリマー8によるトリム代17を算出することを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の鋼板の塗装設備。
(9)検出装置20は、CCDカメラ21と画像処理装置22を用いて端部薄層幅14を検出することを特徴とする上記(6)乃至(8)のいずれかに記載の鋼板の塗装設備。
(10)検出装置20は、光電管センサー23で検出した鋼板端部位置から端部無塗装幅54又は端部薄層幅14を検出することを特徴とする上記(6)乃至(8)のいずれかに記載の鋼板の塗装設備。
(11)複数の液膜を吐出し、該吐出した複数層の液膜からなるカーテン10を落下させるカーテン吐出装置1を有し、鋼板のカーテン塗覆を行うのと同一ラインの中に鋼板11の幅端部をトリムするサイドトリマー8を有していることを特徴とする鋼板の塗装設備。
(12)カーテン塗覆した鋼板の表面から塗料を吸引するための吸引装置7を有し、吸引装置7はカーテン塗覆した液膜層端部又は幅狭層端部付近の塗料を吸引することを特徴とする上記(6)乃至(11)のいずれかに記載の鋼板の塗装設備。
本発明は、複数層の液膜からなるカーテンを落下させ、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法において、鋼板端部とカーテン端部との間の距離(端部無塗装幅)の変動の大きさに応じて、サイドトリマーによるトリム代を調整するので、鋼板の蛇行が少ないときはそれに応じてトリム代を小さくすることができ、常に鋼板の歩留を最大限に確保することが可能になる。
本発明はまた、複数層の液膜からなるカーテンを落下させ、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法において、落下するカーテンを構成する液膜の少なくとも1層(幅狭層)の幅はカーテン全幅よりも狭い幅であり、鋼板端部と幅狭層端部との間の距離(端部薄層幅)の変動の大きさに応じて、サイドトリマーによるトリム代を調整するので、鋼板の蛇行が少ないときはそれに応じてトリム代を小さくすることができ、常に鋼板と塗料の歩留を最大限に確保することが可能になる。
また、カーテン塗覆した鋼板の表面から塗料を吸引するための吸引装置を有する本発明は、吸引装置によってカーテン塗覆した液膜層端部又は幅狭層端部付近の塗料を吸引することができるので、鋼板表面に塗布した幅狭膜の端部が厚くなる現象があっても均一な塗装が可能となる。
本発明の塗装鋼板の製造方法あるいは鋼板の塗装設備においては、図1に示すように、コイル状に巻き取った帯鋼をアンコイラー41で巻きほどし、巻きほどした鋼板11はラインを走行し、このライン上の1箇所においてカーテン吐出装置1を用いて鋼板表面上に連続的に複数層の膜をカーテン塗覆する。カーテン塗覆を行った後、鋼帯はリコイラー44において再度コイルの形状に巻き取られる。
液膜を形成するカーテン吐出装置1としては、例えば図2に示す装置を用いることができる。カーテン吐出装置1は2以上の吐出スリット2を有し、各吐出スリット2から液体を吐出させると、吐出した液体は液膜となり、カーテン吐出装置1の傾斜面に沿って流下する。図2に示すカーテン吐出装置1は第1層から第3層までの3つの吐出スリット(2a〜2c)を有している。第3層吐出スリット2cから吐出した液膜は、第2層吐出スリット2bの位置まで流下して第2層吐出スリット2bから吐出した液膜に接して2層の液膜を形成し、さらにその2層の液膜は第1層吐出スリット2aまで流下して第1層吐出スリット2aから吐出した液膜に接して3層の液膜を形成する。3層の液膜は傾斜面に沿って流下し、傾斜端において傾斜面から離れ、3層のカーテン10として自由落下する。
カーテン吐出装置1の下方には、カーテン塗覆を行う対象物としての鋼板11が走行している。鋼板の表面に落下した多層のカーテン10は、多層の状態を保持したまま鋼板の表面に付着し、鋼板の表面に複数層の膜が塗覆される。
図2(a)に示す場合においては、落下するカーテン10を構成する液膜の幅はすべてカーテン全幅と同じ幅であり、塗覆部位におけるカーテン全幅32は走行する鋼板の幅34よりも狭い幅である。結果としてカーテン10は鋼板端部の外側から下方に流下することがない。
図2(b)に示す場合においては、落下するカーテン10を構成する液膜の少なくとも1層の幅はカーテン全幅よりも狭い幅であり、塗覆部位におけるカーテン全幅32は走行する鋼板の幅34よりも広い幅である。カーテン全幅よりも狭い幅の層を幅狭層13と呼び、カーテン全幅と同じ幅を有する層を幅広層12と呼ぶ。また、幅狭層13によって構成される膜を幅狭膜と呼ぶ。図2に示すカーテン吐出装置1の例では、第1層がカーテン全幅と同じ幅を有する幅広層12を構成し、第2層と第3層が幅狭層13(幅狭膜)を構成する。塗覆部位におけるカーテン全幅32(幅広層の幅)は走行する鋼板の幅34よりも広い幅であり、結果として鋼板の幅両端の外側部分に位置するカーテンは、鋼板表面に塗覆されずに下方に流下することとなる。また、塗覆部位において幅狭層の幅33は走行する鋼板の幅34よりも狭い幅であり、結果として幅狭層13の部分は鋼板端部の外側から下方に流下することがない。下方に流下するのが幅広層12のみであるため、幅広層12を単層の液膜としておけば、流下した液を回収して再度幅広層12を吐出するための原料として使用することができる。
カーテン塗覆部位において、走行する鋼板は幅方向に蛇行することがある。図2(b)に示す例の場合、蛇行の結果、鋼板の幅範囲におさめるべき幅狭層13の部分が鋼板の幅端部よりも外側にはみ出てしまうと、はみ出た部分については幅狭層13を含む液が下方に流下することとなり、回収液には幅狭層13の成分が混合してしまい、回収液の再使用が困難となる。従って、幅狭層の幅は、たとえ最大量の鋼板蛇行が発生しても幅狭層13が鋼板端部よりも外側にはみ出ないような幅が採用される。その結果、図3(b)に示すように、カーテン塗覆を行った鋼板の幅両端には、幅狭層13を含まない幅広層12のみが塗覆された領域が形成される。この領域の幅方向距離、即ち鋼板端部26と幅狭層端部24との間の距離を、以下「端部薄層幅14」という。
図2(a)に示す例の場合、通常はカーテンの幅を板の幅よりも狭くする。鋼板が蛇行した場合、鋼板の幅範囲におさめるべきカーテンが鋼板の幅端部よりも外側にはみ出てしまうと、はみ出た部分についてはカーテンの液膜が下方に流下することとなる。回収液には複数層の液膜成分が混合してしまい、回収液の再使用は困難である。従って、カーテンの幅は、たとえ最大量の鋼板蛇行が発生してもカーテンが鋼板端部よりも外側にはみ出ないような幅が採用される。その結果、カーテン塗覆を行った鋼板の幅両端には、図3(a)に示すようにカーテン塗覆されない領域が形成される。この領域の幅方向距離、即ち鋼板端部26とカーテン端部との間の距離を、以下「端部無塗装幅54」という。
鋼板の位置とカーテン吐出装置の位置を調整するに際しては、端部薄層幅14又は端部無塗装幅54が鋼板11の幅両側で同一の値となるように調整が行われる。そして鋼板の蛇行が発生していないとき、端部薄層幅14は(鋼板の幅−幅狭層の幅)/2の値で一定となる。この幅をここでは「平均端部薄層幅16」という。以下、端部薄層幅14を有する場合について説明を行うが、端部無塗装幅54を有する場合も以下の説明と同様に扱うことができる。
鋼板の蛇行が発生すると、端部薄層幅14は、平均端部薄層幅16を中心として広くなったり狭くなったりを繰り返す。蛇行が発生したときの端部薄層幅の変動15の大きさを、平均端部薄層幅16を基準とした振れの大きさとして定義する。例えば、蛇行によって端部薄層幅14が平均端部薄層幅16を中心として±3mmの変動が生じたとき、端部薄層幅の変動15の大きさは3mmであるという。
カーテン塗覆が完了した鋼板については、幅全長にわたって幅狭膜に覆われた状態とすることが必要である。幅端部に幅狭層を含まない幅広層12のみの領域があってはならない。そのため、カーテン塗覆が終わった後の鋼板幅両端をトリム除去し、トリム後の鋼板については幅広層12のみの領域が除去されている必要がある。幅両端のトリム代決定に際しては、鋼板の蛇行発生を考慮し、蛇行発生時の端部薄層幅14が一番大きい部分、即ち平均端部薄層幅16に端部薄層幅の変動15の大きさを加えた幅をすべて含むように決定することが必要である。
鋼板の蛇行の程度は、そのときどきで変化する。従来は、発生し得る蛇行量のうちで最大の蛇行量を経験的に把握し、最大蛇行量が発生したときでも鋼板の幅両端に幅広層12のみの領域が発生しないよう、トリム代17を決定していた。これにより、鋼板の蛇行の程度が大きいときでも小さいときでも、トリム後の鋼板の幅全長に渡って常に幅狭層に覆われた状態とすることができる一方、常に大きなトリム代を適用することが必要であり、鋼板及び塗料の歩留まりを悪化させる原因となっていた。
本発明においては、端部薄層幅の変動15の大きさに応じて、サイドトリマー8によるトリム代17を調整する。端部薄層幅の変動15が大きいときにはトリム代17を大きくし、端部薄層幅の変動15が小さいときにはトリム代17を小さくするように調整するので、トリム後に幅端部に幅広層12のみの領域が発生しない範囲で最も少ないトリム代17を採用することができる。これにより、従来に比較して鋼板及び塗料の歩留まりを改善することができる。
例えば、カーテン塗覆を行う際の鋼板の幅34が1010mm、カーテン塗覆部位における幅狭層の幅33が1000mmの場合、平均端部薄層幅16は5mmとなる。端部薄層幅の変動15の大きさが1mmであれば、トリム代17を6mmとすることにより、トリム後に幅広層12のみの領域を発生させない範囲で最小のトリム代とすることができる。端部薄層幅の変動の大きさが3mmに増大したときには、トリム代を8mmに増大し、これによってやはりトリム後に幅広層のみの領域を発生させない範囲で最小のトリム代とすることができる。
鋼板が蛇行するに際しては、比較的短い周期で左右に蛇行を繰り返すような場合の他、鋼板の位置は予定されている鋼板位置から幅方向にずれているものの、比較的長い時間にわたってほぼ同一の位置から動かないような傾向の蛇行も発生する。このような場合には、一方の端部では端部薄層幅が平均端部薄層幅よりも広く、他方の側では端部薄層幅が平均端部薄層幅よりも狭く、この傾向がしばらく継続することとなる。そしてこの場合、端部薄層幅が狭い側の端部はトリム代を小さくし、端部薄層幅が広い側の端部はトリム代を大きくし、蛇行の傾向が変化するまでは同じトリム代を継続することが可能である。これにより、たとえ蛇行が発生していてもトリム代を最低にし、鋼板及び塗料の歩留まりを大幅に改善することが可能になる。
鋼板表面に塗覆された多層膜において、幅狭膜の端部付近には多層不安定層18が発生することがある。図4(a)は、正常な多層膜が形成された鋼板11の端部付近の部分断面図を示すものである。下層に幅狭膜13が、上層に幅広膜12が形成され、鋼板11の端部には端部薄層幅14の幅で幅広層12のみの層が形成されている。これに対し、多層不安定層18とは、図4(b)に示すように幅狭膜の端部に約0.5mmの幅で発生する不安定部分であり、塗料の組み合わせによって発生することがある。このような多層不安定層18がトリム後の鋼板に残存すると品質が不安定となるため、多層不安定層18が存在する場合にはこの部分も含めてトリム除去する必要がある。従って、上記トリム代17の調整に際しては、多層不安定層18の有無及びその幅を考慮し、多層不安定層18がトリム後の鋼板表面に残存しないようにトリム代を決定することが必要である。
本発明でトリム代を決定するに際しては、端部薄層幅の変動の大きさを検出装置20を用いて検出すると好ましい。これにより、検出装置で検出した端部薄層幅の変動の大きさに応じて、サイドトリマーによるトリム代を算出することができる。端部薄層幅の変動を検出するにおいては、設定した時間内、または設定したコイル長内における端部薄層幅の変動の最大値をもって端部薄層幅の変動量とすると好ましい。より具体的には、設定した時間内、または設定したコイル長内における端部薄層幅の最大値をもってトリム代とする。幅狭層の端部に上記多層不安定層が存在する場合には、多層不安定層の幅の分だけトリム代を大きくする。設定した時間内、または設定したコイル長ごとにトリム代の調整を行うので、同一のコイル内において部位毎にトリム代を変更し、常に最小のトリム代とすることが可能となる。
検出装置20は、図5に示すように、CCDカメラ21と画像処理装置22を用いて端部薄層幅14を検出することとできる。カーテン塗覆後の鋼板表面にLED等の照明装置48によって照明をあて、照明を照らされた鋼板表面の画像をCCDカメラ21でとらえる。鋼板中央部の幅狭層13が塗覆された領域と、鋼板端部の幅狭層を含まない幅広層12のみが塗覆された領域とでは、CCDカメラ21でとらえる画像の色調や明度が異なるので、鋼板表面における幅狭層端部24の位置を検出することが可能である。また、鋼板端部26の位置もCCDカメラ21でとらえる画像から検出することができる。従って、CCDカメラ21でとらえた画像を画像処理装置22で画像処理することにより、端部薄層幅14を直接検出して、上記トリム代の調整を行うことができる。
鋼板端部と幅狭層端部との間の距離(端部薄層幅)の変動の大きさを検出する検出装置20においては、鋼板端部位置の検出によって鋼板の蛇行量を検出し、これから端部薄層幅を検出することとできる。塗覆を行う部位における自由落下カーテンの幅方向位置は基本的に変動しないので、端部薄層幅の変動の大きさは鋼板の蛇行量から推定することが可能だからである。鋼板端部位置については、ステアリングロールにてCPC制御を実施する際に、検出器によって検出することができる。検出器としては、検出分解能±0.2mm程度の光電管センサーによる幅位置センサー(例えば株式会社ニコレ製のもの)を使用することができる。例えば、カーテン塗覆を行う際の鋼板の幅が1010mm、カーテン塗覆部位における幅狭層の幅が1000mmの場合、平均端部薄層幅は5mmとなる。検出装置で検出した鋼板端部位置の変動が±3mmであれば、端部薄層幅の変動の大きさも±3mmであると推定できる。従って、この場合にはトリム代を8mm(5+3mm)とすることにより、トリム後に幅広層のみの領域を発生させない範囲で最小のトリム代とすることができる。前述の多層不安定層が発生しているときは、その分だけトリム代を大きくする必要がある。
本発明においては、図1に示すように、鋼板のカーテン塗覆を行うのと同一ラインの中に鋼板の幅端部をトリムするサイドトリマー8を有していることとすると好ましい。この場合、検出装置20で検出した端部薄層幅の変動15の大きさに応じて、サイドトリマー8の幅方向の移動量を連動させて幅狭層の端部を狙ってトリムすることも可能である。
本発明でトリム代17を決定するに際してはまた、カーテン塗覆を行う部位における鋼板の蛇行の大きさに応じて、トリム代17を調整することとしてもよい。前述のとおり、塗覆を行う部位における自由落下カーテンの幅方向位置は基本的に変動しないので、端部薄層幅の変動15の大きさは鋼板の蛇行量から推定することが可能だからである。蛇行量の大きさはオペレータの目視観察で推定することが可能であり、該推定した蛇行量が大きければトリム代を大きくし、蛇行量が小さければトリム代を小さくすることができる。これにより、従来に比較して鋼板と塗料との歩留まりを向上することができる。この場合、上記のように鋼板のカーテン塗覆を行うのと同一ラインの中に鋼板の幅端部をトリムするサイドトリマー8を有していることとするとより好ましい。オペレータが目視観察でとらえた蛇行量の大きさに応じて、即座にサイドトリマー8のトリム代を修正し、常に最適なトリム代を実現することができるからである。
さらに、サイドトリマー8を別ラインに設置する場合と比較し、同一ラインにサイドトリマー8を配置すると、トリム後の鋼板がリコイラー44で直接得ることができ、製造時間を短縮することができること、納期を短縮できること、人員の配置が少なくて済むことなどの効果を得ることができる。
同一ライン内にサイドトリマー8を設置するに際しては、カーテン塗覆した塗料が乾燥してからトリムできるような位置に設置することが必要である。また、鋼板の蛇行がなるべく少ない位置でトリムを実施する方がコイル内の形状が安定する。この観点からは、サイドトリマー8をリコイラー44の前面に設置するのが望ましい。
サイドトリマー8の形式としては、同一ライン内に設置する場合もそうでない場合も、上下に丸刃をセットして1工程でスリットする方法が通常であるが、この方法では裏面に返りが生じてエッジの塗装膜を傷つけることがある。そこで、スリッター工程とピンチロール工程を組み合わせたロール分断方式を用いることとすると好ましい。この方法では、スリッター工程で被スリット材を80〜90%切り込み、引き続くピンチロール工程で切り込みと逆方向に圧下して分断させる工程であり、返りを生じない効果がある。
鋼板表面にカーテン塗覆された複数層あるいは単数層の各層の液膜は、図4(a)に示すように鋼板11の幅方向いずれの部位においても厚みが均一で品質が安定していることが必要である。ところが、幅狭層の端部付近においては、上述のように多層不安定層が発生する場合があり(図4(b))、さらには図4(c)に示すように鋼板表面に塗覆された幅狭層の厚さが幅狭層の端部付近で厚くなることがある。前述の通り、幅狭膜の厚さが厚い端部については、焼き付け乾燥時に生焼けになる可能性があり、生焼けになるとその後のインラインロールへ塗料が転写することがなる。このような場合には、厚さが厚い幅狭膜の端部は一部剥がれたりして品質がさらに不安定になる。たとえ厚いままで塗料が乾燥し、インラインロールへ塗料が転写しなくても、幅狭膜端部でのみ鋼板の厚さが厚くなることとなり、リコイル時に巻き形状が異常になる。従って、幅狭層端部が厚くなった場合には、この部分はトリムしなければならず、トリム代が増大して鋼板及び塗料の歩留をますます悪化させる原因となっていた。また、このような状況において同一ライン内にサイドトリマーを設置する場合には、サイドトリマーを誘導加熱炉43の手前側に配置することも必要となる。
本発明においては、図6に示すように、カーテン塗覆した鋼板11の表面から塗料を吸引するための吸引装置7を有することとすると好ましい。吸引装置7はカーテン塗覆した幅狭層端部付近の塗料を吸引することができる。幅狭層端部付近の幅狭膜の厚さが厚くなった場合には、吸引装置7によって厚くなった部分の塗料を吸引する。これにより、幅狭層の厚さを鋼板幅方向いずれの部位においても均一な厚さとすることができる。
同一の幅を有する複数膜によってカーテンを形成し、カーテンの幅が板の幅と同等あるいは板の幅よりも狭い場合、板の表面に塗覆された膜の厚さが幅方向端部において厚くなる傾向があり、膜厚の均一性が保たれない場合がある。このような場合にも、上記吸引装置7によってカーテン端部の厚くなった部分の塗料を吸引すると良い。これにより、カーテンの厚さを鋼板幅方向いずれの部位においても均一な厚さとすることができる。
図1に示す塗装鋼板の製造処理ラインにおいて、鋼板幅1010mmの帯鋼に多層膜をカーテン塗覆するに際し、本発明を適用した。処理ラインにおける帯鋼の走行速度は50〜70m/minである。
図1の設備において、アンコイラー41でコイルに巻いた帯鋼を巻きほどし、シャー50、アキュムレーター42、化成処理47、プライムコーター45、誘導加熱炉43、トップコーター49を経由する。その後の位置にカーテン吐出装置1として図2(b)に示す装置を配置し、走行する鋼板11の表面に最大3層の多層膜をカーテン塗覆することができる。本実施例においては、鋼板表面に2層の膜をコーティングする。下層にはWet比重が1.2、Dry比重が1.9、NV:49で層厚14μmの層をコーティングする。上層にはWet比重が1.02、Dry比重が1.4、NV:36で層厚16μmの層をコーティングする。各層の液膜流量は、下層:40〜55ml/m/sとし、上層:50〜70ml/m/sとし、これによって鋼板表面における塗覆膜厚を所期の膜厚とすることができる。
カーテン塗覆に際しては、上記下層を幅広層12とし、塗覆部位における幅広層の幅(カーテン全幅32)を1050mmとした。また上層を幅狭層13とし、塗覆部位における幅狭層の幅33を1000mmとした。鋼板の幅両端部より外側に流下する幅広層の液膜は、回収して再度下層の原料として用いることとした。
カーテン吐出装置の下流側には、塗覆した塗料を乾燥するための乾燥設備として誘導加熱炉43を設けており、乾燥速度は3.48〜4.89℃/sである。
アキュムレーター42を経由し、処理を完了した帯鋼を巻き取るリコイラー44の手前には、サイドトリマー8が配置されている。サイドトリマー8は回転刃によって鋼板の幅端部をトリムすることが可能であり、トリム代は最大60mmである。
なお、カーテン吐出装置1でカーテン塗覆する部位の手前側には、プライマーコーター45、トップコーター49として4箇所にロールコーターが配置され、カーテン塗覆するのと同じ側の鋼板表面に塗料を塗布することができる。また、カーテン吐出装置1の下流側には、カーテン塗覆するのと反対側の鋼板表面に塗料を塗布するためのロールコーターが配置されている。
鋼板処理ラインの2箇所にはステアリングロール46が配置され、各ステアリングロール46の手前には光電管センサー23による検出装置が配置されている。光電管センサー23によって鋼板の幅端部位置を検出することが可能であり、検出装置で鋼板の蛇行が検出された場合には、ステアリングロール46の角度を制御することによって蛇行を修正することができる。
実施例1においては、光電管センサー23の検出結果によって鋼板11の蛇行の大きさを検出し、蛇行の大きさに応じてオペレータがサイドトリマー8のトリム代の調整を行った。蛇行の大きさと端部薄層幅の変動15の大きさとがほぼ同じ大きさとなる。鋼板の幅34が1010mm、カーテン塗覆部位における幅狭層の幅33が1000mmであるから、平均端部薄層幅16は5mmとなる。平均端部薄層幅16と端部薄層幅の変動15の大きさとを加算した値をトリム代17とすることにより、トリム代17を最小にしつつ、トリム後の鋼板表面に幅広層(下層)のみの領域が存在しない均一な品質の塗装鋼板を製造することができる。
材料1では、鋼板の蛇行量は3mm程度であった。この場合には、端部薄層幅の変動の大きさは相対的に±3mm程度の振れを生じるので、オペレータの判断によりサイドトリマー8でのトリム代を8mm(5+3mm)とした。
次の材料(材料2)では、ステアリングロール46の制御によって鋼板の蛇行量を1mmに制御することができた。この際には、端部薄層幅の変動の大きさも1mm以内に収まっているので、オペレータの判断によりサイドトリマー8でのトリム代を6mm(5+1mm)に修正してトリムを行った。
このように、カーテン塗覆と同一のライン(インライン)にサイドトリマー8を設けることで、鋼板の状況に応じてトリム代を修正することが可能であり、トリム後の鋼板として使用できる幅をできるかぎり増加させることが可能であり、この結果鋼板及び塗料の歩留まりを向上することができる。
実施例1と同様の設備において、サイドトリマー8のみはカーテン塗覆と同一のラインには配置せず、カーテン塗覆後に一度リコイラー44で帯鋼を巻き取り、別のラインに配置されたサイドトリマーでトリムを行った。
光電管センサー23による検出装置で検出した結果、コイル内での鋼板の蛇行量が最大で2mmであった。鋼板の幅が1010mm、カーテン塗覆部位における幅狭層の幅が1000mmであるから、平均端部薄層幅は5mmとし、これに鋼板の最大蛇行量2mmを加え、オフラインのサイドトリマーにおけるトリム代を7mmとしてトリムを行った。
実施例1と同様の設備において、カーテン吐出装置1の下流側に、図5に示すようなCCDカメラ21を用いた検出装置20を配置し、カーテン塗覆後の鋼板表面の画像を撮像した。撮像データを画像処理装置22に送り、鋼板端部26の位置と幅狭層端部24の位置とを読み取り、これらの位置の差を端部薄層幅14として算出した。
実施例3においては、幅狭層の端部に図4(b)に示すような多層不安定層18が0.5mmの幅で発生していた。そのため、サイドトリマー8でのトリム代としては、平均端部薄層幅5mmに端部薄層幅の変動の大きさを加え、さらに多層不安定層幅0.5mmを加えた値とした。
塗装開始から60秒間の間では、左側の端部薄層幅14の変動は4〜5mmであり、右側の端部薄層幅の変動は2〜3mmであった。この間のトリム代を左側のトリム代を5mm、右側のトリム代を3mmとして、製品幅が一定になるようにトリムを行った。
その後、当該コイルの終了までは蛇行の傾向が変化し、左側の端部薄層幅14の変動は2〜3mmであり、右側の端部薄層幅の変動は4〜5mmであった。この間のトリム代を左側のトリム代を3mm、右側のトリム代を5mmとして、製品幅が一定になるように同一ラインでのサイドトリマー8でトリムを行った。
実施例3と同様の設備において、カーテン吐出装置1の下流側に、図5に示すような吸引装置7を設けた。吸引装置7は、カーテン塗覆した鋼板の表面から塗料を吸引するためのものであり、カーテン塗覆した幅狭層端部付近の塗料を吸引することができる。
CCDカメラ21と画像処理装置22によって鋼板表面を観察したところ、端部薄層幅の変動15の大きさは1mmであった。平均端部薄層幅5mmに変動の大きさ1mmを加え、トリム代を6mmとしてサイドトリムを行っていた。
実施例4において使用した塗料では、実施例3の塗料に対して幅狭膜の塗料の添加剤を調整した。その結果、鋼板表面に塗覆した幅狭膜の端部において、図4(c)に示すような膜厚が厚くなる現象が発生した。このままの状態で処理を継続したところ、インラインローラーへ塗料が付着する現象が生じた。この結果、幅狭膜端部付近における塗膜の性状が乱れたので、サイドトリマー8によるトリム代は、上記6mmにさらに10mm加えた16mmのトリムが必要となった。また、1トン程度の鋼板に塗装した段階で、インラインローラへの塗料付着が多くなり、塗装を中止することとなった。
そこで、吸引装置7を作動させて、鋼板表面の厚くなった塗料を吸引した。その結果、幅狭層端部の厚さが厚くなる現象を解消することができた。ただし、この場合幅狭層端部の多層不安定層は約0.5mmの幅で残存することとなった。そこで、トリム代として多層不安定層の幅0.5mmを加え、6.5mmのトリム代でトリムを行った。この結果、インラインロールへの塗料付着はなくなり、良好な品質の塗装鋼板を少ないトリム代で製造することが可能になった。
本発明の塗装設備を有する鋼板の処理ラインを示す図である。 本発明で使用するカーテン吐出装置を示す図である。 本発明でカーテン塗覆を行う状況を示す斜視図である。 カーテン塗覆した鋼板の端部付近を示す部分断面図である。 本発明の検出装置を示す斜視図である。 本発明の吸引装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 カーテン吐出装置
2 吐出スリット
5 案内装置
6 エッジガイド
7 吸引装置
8 サイドトリマー
10 カーテン
11 鋼板
12 幅広層
13 幅狭層
14 端部薄層幅
15 端部薄層幅の変動
16 平均端部薄層幅
17 トリム代
18 多層不安定層
19 厚い部分
20 検出装置
21 CCDカメラ
22 画像処理装置
23 光電管センサー
24 幅狭層端部
25 カーテン端部
26 鋼板端部
27 板走行方向
32 カーテン全幅(塗覆位置)
33 幅狭層の幅(塗覆位置)
34 鋼板の幅
41 アンコイラー
42 アキュムレーター
43 誘導加熱炉
44 リコイラー
45 ロールコーター
46 ステアリングロール
47 化成装置
48 照明装置
50 シャー
54 端部無塗装幅

Claims (12)

  1. 複数層の液膜からなるカーテンを落下させ、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法において、塗覆部位においてカーテンの幅は走行する鋼板の幅よりも狭い幅であり、鋼板端部とカーテン端部との間の距離(以下「端部無塗装幅」という。)の変動の大きさに応じて、サイドトリマーによるトリム代を調整することを特徴とする塗装鋼板の製造方法。
  2. 複数層の液膜からなるカーテンを落下させ、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する塗装鋼板の製造方法において、落下するカーテンを構成する液膜の少なくとも1層(以下「幅狭層」という。)の幅はカーテン全幅よりも狭い幅であり、塗覆部位においてカーテン全幅は走行する鋼板の幅よりも広く幅狭層の幅は走行する鋼板の幅よりも狭い幅であり、鋼板端部と幅狭層端部との間の距離(以下「端部薄層幅」という。)の変動の大きさに応じて、サイドトリマーによるトリム代を調整することを特徴とする塗装鋼板の製造方法。
  3. 前記端部無塗装幅若しくは端部薄層幅の変動の大きさを検出装置を用いて検出し、設定した時間内、または設定したコイル長内における端部無塗装幅若しくは端部薄層幅の変動量の最大値に応じて、前記トリム代を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装鋼板の製造方法。
  4. カーテン塗覆を行う部位における鋼板の蛇行の大きさに応じて、前記トリム代を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装鋼板の製造方法。
  5. カーテン塗覆した鋼板の表面から塗料を吸引するための吸引装置を有し、該吸引装置はカーテン塗覆した液膜層端部又は幅狭層端部付近の塗料を吸引することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗装鋼板の製造方法。
  6. 複数の液膜を吐出し、該吐出した複数層の液膜からなるカーテンを落下させるカーテン吐出装置を有し、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する鋼板の塗装設備において、鋼板端部とカーテン端部との間の距離(端部無塗装幅)の変動の大きさを検出する検出装置を有していることを特徴とする鋼板の塗装設備。
  7. 複数の液膜を吐出し、該吐出した複数層の液膜からなるカーテンを落下させるカーテン吐出装置を有し、走行する鋼板の表面に複数層の膜をカーテン塗覆する鋼板の塗装設備において、落下するカーテンを構成する液膜の少なくとも1層(幅狭層)の幅はカーテン全幅よりも狭い幅とすることができ、塗覆部位におけるカーテン全幅は走行する板の幅よりも広く幅狭層の幅は走行する鋼板の幅よりも狭い幅とすることができ、鋼板端部と幅狭層端部との間の距離(端部薄層幅)の変動の大きさを検出する検出装置を有していることを特徴とする鋼板の塗装設備。
  8. 前記検出装置で検出した端部無塗装幅又は端部薄層幅の変動の大きさに応じて、サイドトリマーによるトリム代を算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の鋼板の塗装設備。
  9. 前記検出装置は、CCDカメラと画像処理装置を用いて端部無塗装幅又は端部薄層幅を検出することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の鋼板の塗装設備。
  10. 前記検出装置は、光電管センサーで検出した鋼板端部位置から端部無塗装幅又は端部薄層幅を検出することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかにに記載の鋼板の塗装設備。
  11. 複数の液膜を吐出し、該吐出した複数層の液膜からなるカーテンを落下させるカーテン吐出装置を有し、鋼板のカーテン塗覆を行うのと同一ラインの中に鋼板の幅端部をトリムするサイドトリマーを有していることを特徴とする鋼板の塗装設備。
  12. カーテン塗覆した鋼板の表面から塗料を吸引するための吸引装置を有し、該吸引装置はカーテン塗覆した液膜層端部又は幅狭層端部付近の塗料を吸引することを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の鋼板の塗装設備。
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