JP2005226460A - 内燃機関の混合気濃度推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関の燃焼室内に噴射された燃料と筒内ガスとが混ざり合って形成される混合気の濃度(相当値)をスキッシュ流からの影響を考慮して精度良く推定すること。
【解決手段】 この混合気濃度推定方法では、筒内ガスにスキッシュ流がないと仮定した場合での混合気先頭部の拡散速度Vを所定の実験式から求めるとともに、スキッシュ流速Sを所定の理論式から求め、これらの値からスキッシュ流が混合気先頭部の混合気濃度相当値(空気過剰率)に影響を与える程度を表す速度変化率γ=(V+S)/Vを求める。そして、筒内ガスにスキッシュ流がないと仮定した場合での混合気先頭部の空気過剰率を求める実験式を速度変化率γで補正した式に基づいて、スキッシュ流(スキッシュ流速S)の影響を考慮した混合気先頭部の空気過剰率λを求める。これにより、スキッシュ流に大きく影響される混合気(先頭部)の空気過剰率(混合気濃度相当値)λが精度良く推定できた。
【選択図】 図13

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内に噴射された燃料と同燃焼室内に吸入されている筒内ガスとが混ざり合って形成される混合気の濃度(或いは、同濃度に相当する値)を推定する内燃機関の混合気濃度推定方法に関する。
火花点火式内燃機関、ディーゼル機関等の内燃機関から排出されるNOx等のエミッションの量は、着火後の火炎温度(燃焼温度)に強い相関を有している。また、この火炎温度は、着火前の混合気の温度(以下、単に「混合気温度」と云うこともある。)に大きく依存する。従って、NOx等のエミッションの排出量を低減するためには、火炎温度、或いは混合気温度を所定温度に制御することが有効である。
一般に、この火炎温度、或いは混合気温度は検出され得ないから、火炎温度、或いは混合気温度を所定温度に制御するためには同火炎温度、或いは同混合気温度を推定する必要がある。一方、このような火炎温度、或いは混合気温度は、着火前の混合気の濃度(以下、単に「混合気濃度」と云うこともある。)に強い相関を有している。よって、火炎温度、或いは混合気温度を推定するためには混合気濃度を推定することが効果的である。
また、特に、圧縮による自己着火により混合気が燃焼を開始するディーゼル機関においては、機関の運転状態に応じて着火時期を適切に制御する必要がある。この着火時期は混合気濃度に大きく依存する。従って、着火時期を適切に制御するためにも混合気濃度を推定する必要がある。
係る混合気濃度を推定する手法としては種々のものが知られている。例えば、下記非特許文献1には、燃料の噴霧角、筒内ガスの密度、有効噴射圧力等に基づいて混合気濃度を噴射後の経過時間の関数として求める実験式が紹介されていて、係る実験式に従って混合気濃度を求める手法が紹介されている。
機械学会論文集 25-156(1959年),820頁 「ディーゼル機関の噴霧到達距離に関する研究」 和栗雄太郎,藤井勝,網谷竜夫,恒屋礼次郎
ところで、一般に、燃焼室内に吸入されている筒内ガスには、例えば、ピストンの移動に伴うスキッシュにより流動(以下、「スキッシュ流」と称呼する。)が発生する。そして、噴射された燃料が燃焼室内において拡散していく過程において係るスキッシュ流のような筒内ガスの流動が発生していると、同噴射された燃料の拡散の程度が変化し、この結果、混合気濃度は大きく変化する。即ち、混合気濃度は、筒内ガスの流動状態に大きく依存する。
しかしながら、上記文献に紹介された手法を含む従来の混合気濃度推定手法により計算される混合気濃度は、噴射された燃料が燃焼室内において拡散していく過程において筒内ガスの流動が存在しないとの仮定のもとで計算される値である。従って、上記従来の混合気濃度推定手法を使用すると、筒内ガスの流動状態が考慮されていないことから、計算される混合気濃度に誤差が発生し、この結果、同混合気濃度を精度良く推定することができないという問題がある。
本発明は、かかる課題に対処するためになされたものであって、本発明による内燃機関の混合気濃度推定方法は、内燃機関の燃焼室内の状態量を取得し、前記取得された燃焼室内の状態量に基づいて混合気の濃度に相当する値を混合気濃度相当値として推定する方法であって、筒内ガスの流動状態を推定するとともに、前記推定された筒内ガスの流動状態を考慮して前記混合気濃度相当値を推定する方法である。ここにおいて、燃焼室内の状態量とは、例えば、燃料の噴霧角、筒内ガスの密度等であり、これらに限定されない。また、混合気濃度相当値とは、混合気濃度そのもの、或いは、空気過剰率等に代表される混合気濃度と等価な値を意味する。
これによれば、燃焼室内に吸入されている筒内ガスの流動状態が考慮されて混合気濃度が推定されるから、混合気濃度が精度良く推定され得る。従って、例えば、本発明により推定された混合気濃度(相当値)が所定時期に所定濃度(目標濃度)になるように機関制御パラメータを制御するように構成すれば、例えば、火炎温度、混合気温度、或いは(自己着火による)着火時期等を目標値に精度良く一致させることができ、この結果、最適な燃焼状態を得ることでNOx等のエミッションの排出量を低減することができる。ここで、機関制御パラメータとは、例えば、燃料噴射時期、燃料噴射圧力、燃料噴射量(燃料噴射時間)、EGR弁の開度、スロットル弁の開度等であって、これらに限定されない。
この場合、前記筒内ガスの流動状態として、スキッシュ流の流速であるスキッシュ流速が推定されることが好適である。例えば、ディーゼル機関においては、一般に、圧縮上死点近傍で燃焼室内に向けて燃料が噴射されるようになっている。また、一般に、上記スキッシュ流速は、圧縮上死点の直前及び直後において大きい値となる傾向がある。従って、スキッシュ流は、噴射された燃料の拡散の程度に大きな影響を与え、この結果、混合気濃度にも大きな影響を与え得る。よって、上記のように、係るスキッシュ流速を考慮して混合気濃度を推定すれば、スキッシュ流が混合気濃度に与える上記大きな影響が反映されて混合気濃度が推定され得るから、混合気濃度がより一層精度良く推定され得る。
上記スキッシュ流速の推定は、ピストンの移動に伴って発生する、前記燃焼室内のスキッシュエリアの体積変化と、同燃焼室内のキャビティエリアの体積変化と、を利用して行われることが好適である。より具体的には、上記スキッシュエリアの体積変化と上記キャビティエリアの体積変化とに基づいて算出される同スキッシュエリアから同キャビティエリアへの前記筒内ガスの移動体積と、同スキッシュエリアと同キャビティエリアとの境界を形成する境界面の面積と、に基づいて前記スキッシュ流速を推定することが好適である。
スキッシュ流は、ピストンの移動に伴って発生する、燃焼室内のスキッシュエリアの体積変化と、同燃焼室内のキャビティエリアの体積変化により、同ピストンの位置(シリンダに対する相対位置、従って、クランク角度)に応じてスキッシュエリアの体積とキャビティエリアの体積の割合が変化することに起因して発生する。換言すれば、スキッシュエリアの体積変化とキャビティエリアの体積変化とに基づいて、スキッシュによる同スキッシュエリアから同キャビティエリアへの筒内ガスの(単位時間あたりの)移動体積を求めることができる。
また、スキッシュエリアからキャビティエリアへの筒内ガスの(単位時間あたりの)移動体積が求まれば、同移動体積を同スキッシュエリアと同キャビティエリアとの境界を形成する境界面の面積で除することでスキッシュ流の流速、即ち、スキッシュ流速を求めることができる。以上のことから、上記のように、上記(単位時間あたりの)移動体積と、上記境界面の面積とに基づいてスキッシュ流速を推定すれば、簡易、且つ正確に同スキッシュ流速を取得することができる。
更には、内燃機関の回転速度が所定の基本回転速度となっている場合におけるスキッシュ流速を求めるためのデータを予め取得しておき、スキッシュ流速の推定は、前記内燃機関の回転速度を取得するとともに、前記予め取得されているデータと、前記取得された前記内燃機関の回転速度と、を使用して行われることが好適である。
上述したように、スキッシュ流速は、ピストンの移動に伴って(即ち、クランク角度の変化に応じて)発生する、燃焼室内のスキッシュエリアの体積変化と、同燃焼室内のキャビティエリアの体積変化とを利用して求めることができる。即ち、スキッシュ流速は、燃焼室(或いはピストン)の形状、コンロッドの形状等の、スキッシュエリア及びキャビティエリアの体積変化量に影響を与える機関の各設計諸元と、機関の回転速度とに基づいて、予め計算により、クランク角度に対応させた形で取得することができる。他方、このように計算される上記スキッシュ流速は、機関の回転速度(即ち、クランク角度の変化速度)に比例する値である。
以上のことから、機関の回転速度が或る所定の基本回転速度である場合におけるクランク角度とスキッシュ流速との関係を規定するデータ(テーブル、マップ)を予め作成・取得しておけば、同取得されたデータに、上記基本回転速度に対する機関の現時点での回転速度の割合を乗じることで現時点でのスキッシュ流速がクランク角度に対応させた形で取得され得る。このようにして、上記のように、所定の基本回転速度となっている場合におけるスキッシュ流速を求めるための予め取得されたデータと、内燃機関の回転速度とに基づいてスキッシュ流速を推定すれば、テーブル(マップ)検索と単純な乗除算のみで、スキッシュ流速を取得できるから、マイクロコンピュータ(CPU)の計算負荷を少なくすることができる。
以下、本発明による内燃機関の混合気濃度推定方法を実施する内燃機関(ディーゼル機関)の制御装置の実施形態の一つについて図面を参照しつつ説明する。
図1は、この内燃機関の制御装置を4気筒内燃機関(ディーゼル機関)10に適用したシステム全体の概略構成を示している。このシステムは、燃料供給系統を含むエンジン本体20、エンジン本体20の各気筒の燃焼室(筒内)にガスを導入するための吸気系統30、エンジン本体20からの排ガスを放出するための排気系統40、排気還流を行うためのEGR装置50、及び電気制御装置60を含んでいる。
エンジン本体20の各気筒の上部(シリンダヘッド)には燃料噴射弁(噴射弁、インジェクタ)21が配設されている。各燃料噴射弁21は、図示しない燃料タンクと接続された燃料噴射用ポンプ22に燃料配管23を介して接続されている。燃料噴射用ポンプ22は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、同電気制御装置60からの駆動信号(後述する指令最終燃料噴射圧力Pcrfinに応じた指令信号)により燃料の実際の噴射圧力(吐出圧力)が同指令最終燃料噴射圧力Pcrfinになるように同燃料を昇圧するようになっている。
これにより、燃料噴射弁21には、燃料噴射用ポンプ22から前記指令最終燃料噴射圧力Pcrfinまで昇圧された燃料が供給されるようになっている。また、燃料噴射弁21は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、同電気制御装置60からの駆動信号(指令燃料噴射量qfinに応じた指令信号)により所定時間だけ開弁し、これにより各気筒の燃焼室内に前記指令最終燃料噴射圧力Pcrfinにまで昇圧された燃料を前記指令燃料噴射量qfinだけ直接噴射するようになっている。
吸気系統30は、エンジン本体20の各気筒の燃焼室にそれぞれ接続された吸気マニホールド31、吸気マニホールド31の上流側集合部に接続され同吸気マニホールド31とともに吸気通路を構成する吸気管32、吸気管32内に回動可能に保持されたスロットル弁33、電気制御装置60からの駆動信号に応答してスロットル弁33を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ33a、スロットル弁33の上流において吸気管32に順に介装されたインタクーラー34と過給機35のコンプレッサ35a、及び吸気管32の先端部に配設されたエアクリーナ36とを含んでいる。
排気系統40は、エンジン本体20の各気筒にそれぞれ接続された排気マニホールド41、排気マニホールド41の下流側集合部に接続された排気管42、排気管42に配設された過給機35のタービン35b、及び排気管42に介装されたディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPNR」と称呼する。)43を含んでいる。排気マニホールド41及び排気管42は排気通路を構成している。
DPNR43は、コージライト等の多孔質材料から形成されたフィルタ43aを備え、通過する排気ガス中のパティキュレートを細孔表面にて捕集するフィルタである。DPNR43は、担体としてのアルミナに、カリウムK,ナトリウムNa,リチウムLi,セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa,カルシウムCaのようなアルカリ土類金属、及びランタンLa、イットリウムYのような希土類金属から選ばれた少なくとも一つを白金とともに担持し、NOxを吸収した後に同吸収したNOxを放出して還元する吸蔵還元型NOx触媒としても機能するようになっている。
EGR装置50は、排気ガスを還流させる通路(EGR通路)を構成する排気還流管51と、排気還流管51に介装されたEGR制御弁52と、EGRクーラー53とを備えている。排気還流管51はタービン35bの上流側排気通路(排気マニホールド41)とスロットル弁33の下流側吸気通路(吸気マニホールド31)を連通している。EGR制御弁52は電気制御装置60からの駆動信号に応答し、再循環される排気ガス量(排気還流量、EGRガス流量)を変更し得るようになっている。
電気制御装置60は、互いにバスで接続されたCPU61、CPU61が実行するプログラム、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、及び定数等を予め記憶したROM62、CPU61が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM63、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM64、並びにADコンバータを含むインターフェース65等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース65は、空気流量(新気流量)計測手段であって吸気管32に配置された熱線式エアフローメータ71、スロットル弁33の下流であって排気還流管51が接続された部位よりも下流の吸気通路に設けられた吸気温センサ72、スロットル弁33の下流であって排気還流管51が接続された部位よりも下流の吸気通路に配設された吸気管圧力センサ73、クランクポジションセンサ74、及びアクセル開度センサ75と接続されていて、これらのセンサからの信号をCPU61に供給するようになっている。また、インターフェース65は、燃料噴射弁21、燃料噴射用ポンプ22、スロットル弁アクチュエータ33a、及びEGR制御弁52と接続されていて、CPU61の指示に応じてこれらに駆動信号を送出するようになっている。
熱線式エアフローメータ71は、吸気通路内を通過する吸入空気の質量流量(単位時間当りの吸入空気量、単位時間あたりの新気量)を計測し、同質量流量Ga(空気流量Ga)を表す信号を発生するようになっている。吸気温センサ72は、エンジン10のシリンダ(即ち、燃焼室、筒内)に吸入されるガスの温度(即ち、吸気温度)を検出し、同吸気温度Tbを表す信号を発生するようになっている。吸気管圧力センサ73は、エンジン10のシリンダに吸入されるガスの圧力(即ち、吸気管圧力)を検出し、同吸気管圧力Pbを表す信号を発生するようになっている。
クランクポジションセンサ74は、各気筒の絶対クランク角度を検出し、クランク角度CAを表すとともにエンジン10の回転速度であるエンジン回転速度NEをも表す信号を発生するようになっている。アクセル開度センサ75は、アクセルペダルAPの操作量を検出し、アクセル操作量Accpを表す信号を発生するようになっている。
(混合気濃度の推定方法の概要)
次に、上記のように構成された内燃機関の制御装置(以下、「本装置」と云うこともある。)による混合気濃度相当値(本例では、空気過剰率λ)の推定方法について説明する。図2は、機関10の或る一つの気筒のシリンダ内(燃焼室内、筒内)に吸気マニホールド31からガスが吸入され、燃焼室内に吸入されたガスが排気マニホールド41へ排出される様子を模式的に示した図である。
図2に示したように、燃焼室は、シリンダヘッドと、円筒状のシリンダ内壁面と、ピストン24とにより画定されている。ピストン24の頂面24aには、シリンダの軸心と同軸的に、側面24b、及び底面24cから構成される円柱状の凹部(以下、「キャビティ24d」と称呼する。)が形成されている。これにより、後述するようにスキッシュ流が発生するようになっている。また、燃料噴射弁21は、その軸心がシリンダの軸心と一致するようにシリンダヘッドに固定配置されていて、その噴孔から噴射された燃料は、燃焼室内においてシリンダの軸心を中心軸として円錐状に拡散していくようになっている。
燃焼室内に吸入されるガス(従って、筒内ガス)には、吸気管32の先端部からスロットル弁33を介して吸入された新気と、排気還流管51からEGR制御弁52を介して吸入されたEGRガスが含まれる。吸入される新気量(質量)と吸入されるEGRガス量(質量)の和に対するEGRガス量の割合(即ち、EGR率)は、運転状態に応じて電気制御装置60(CPU61)により適宜制御されるスロットル弁33の開度、及びEGR制御弁52の開度に応じて変化する。
かかる新気、及びEGRガスは、吸気行程において開弁している吸気弁Vinを介してピストン24の下降に伴って燃焼室内に吸入されて筒内ガスとなる。筒内ガスは、ピストン24が下死点に達した時点で吸気弁Vinが閉弁することにより燃焼室内に密閉され、その後の圧縮行程においてピストン24の上昇に伴って圧縮される。そして、ピストン24が上死点近傍に達っすると(具体的には、後述する最終燃料噴射時期finjfinが到来すると)、本装置は、前記指令燃料噴射量qfinに応じた所定時間だけ燃料噴射弁21を開弁することで燃料を燃焼室内に直接噴射する。この結果、噴射された(液体の)燃料は、圧縮により高温になっている筒内ガスから受ける熱により直ちに燃料蒸気になるとともに、時間の経過に伴って同筒内ガスと混ざり合いながら混合気となって燃焼室内において円錐状に拡散していく。
<筒内ガスに流動がないと仮定した場合における空気過剰率λの取得>
このように指令燃料噴射量qfinに応じた所定時間だけ継続して噴射される燃料のうちの先頭部における質量mfの燃料(燃料蒸気)について考える。この質量mfの燃料蒸気は、燃料噴射開始時点(即ち、噴射後経過時間t=0)において噴射された後、噴霧角θ(図2を参照)をもって円錐状に拡散していき、任意の噴射後経過時間tにおいては、筒内ガスの一部である質量maの筒内ガスと混ざり合って質量(mf+ma)の混合気先頭部となるものと仮定する。本装置は、この混合気先頭部の任意の噴射後経過時間tにおける濃度に相当する値(即ち、空気過剰率λ)を推定するものである。
いま、上記混合気先頭部における噴射後経過時間tにおける空気過剰率λを下記(1)式に示すように定義する。下記(1)式において、stoichは理論空燃比(例えば、14.6)である。
λ=(ma/mf)/stoich ・・・(1)
このように定義される空気過剰率λは、例えば、前記非特許文献1にて紹介された実験式である下記(2)式、及び下記(3)式に基づいて噴射後経過時間tの関数として求めることができる。下記(2)式、及び下記(3)式に基づいて求められる空気過剰率λは、混合気先頭部が燃焼室において拡散していく過程において筒内ガスが流動していないと仮定した場合における値である。
Figure 2005226460
上記(3)式において、tは上記噴射後経過時間であり、dλ/dtは噴射後経過時間tの関数である燃料希釈率である。また、cは収縮係数、dは燃料噴射弁21の噴孔径、ρfは(液体の)燃料密度、Lは論理希釈ガス量であって、これらの各値は全て定数である。
上記(3)式において、ΔPは有効噴射圧力であって、上記最終燃料噴射圧力Pcrfinから噴射開始時点(即ち、噴射後経過時間t=0)での筒内ガス圧力Pa0を減じた値である。筒内ガス圧力Pa0は、圧縮行程(及び膨張行程)における筒内ガスの状態がピストンが下死点に達した時点(以下、「ATDC-180°」と称呼する。)で密閉された後に断熱変化するとの仮定のもと、下記(4)式に従って求めることができる。
Pa0=Pbottom・(Vbottom/Va0)κ ・・・(4)
上記(4)式において、PbottomはATDC-180°における筒内ガス圧力である。ATDC-180°において筒内ガス圧力は吸気管圧力Pbと略等しいと考えられるから、Pbottomは、ATDC-180°において吸気管圧力センサ73により検出される吸気管圧力Pbとして取得することができる。VbottomはATDC-180°における筒内容積であり、Va0は噴射後経過時間t=0におけるクランク角度CAに対応する筒内容積である。筒内容積Vaは機関10の設計諸元に基づいてクランク角度CAの関数Va(CA)として取得することができるから、Vbottom,Va0も取得することができる。κは筒内ガスの比熱比である。これにより、有効噴射圧力ΔPを取得することができる。
また、上記(3)式において、θは図2に示した噴霧角である。噴霧角θは、噴射開始時点(即ち、噴射後経過時間t=0)における筒内ガスの密度ρa0、及び上記有効噴射圧力ΔPに応じて変化すると考えられるから、筒内ガスの密度ρa0、及び有効噴射圧力ΔPと噴霧角θとの関係を予め規定したテーブルMapθに基づいて取得することができる。筒内ガスの密度ρa0は、筒内ガスの全質量Maを、噴射後経過時間t=0における上記筒内容積Va0で除することで取得することができる。筒内ガスの全質量Maは、ATDC-180°における気体の状態方程式に基づく下記(5)式に従って取得され得る。下記(5)式において、TbottomはATDC-180°における筒内ガス温度である。ATDC-180°において筒内ガス温度は吸気温度Tbと略等しいと考えられるから、Tbottomは、ATDC-180°において吸気温センサ72により検出される吸気温度Tbとして取得することができる。Raは筒内ガスのガス定数である。これにより、噴霧角θを取得することができる。
Ma=Pbottom・Vbottom/(Ra・Tbottom) ・・・(5)
また、上記(3)式において、ρaは噴射後経過時間tにおける筒内ガス密度であって、前記筒内ガスの全質量Maを、噴射後経過時間tにおける上記筒内容積Va(CA)で除することで、噴射後経過時間tの関数として取得することができる。
以上、噴射後経過時間t=0において有効噴射圧力ΔPと噴霧角θとを先ず求め、以降、噴射後経過時間tの値と同噴射後経過時間tの関数である筒内ガス密度ρaの値とにより、上記(3)式に従って燃料希釈率dλ/dtを逐次求めていき、逐次求めた燃料希釈率dλ/dtの値を上記(2)式に従って時間で積分していくことで、混合気先頭部が燃焼室において拡散していく過程において筒内ガスが流動していないと仮定した場合における噴射後経過時間tにおける(混合気先頭部についての)空気過剰率λを取得することができる。
<スキッシュ流速Sの取得>
先に述べたように、ピストン24の頂面24aにはキャビティ24dが形成されている。ここで、燃焼室の周辺を部分的に拡大して示した模式図である図3に示すように、キャビティ24dの円筒状の側面24bの半径をr2、円筒状のシリンダ内壁面の半径をr1とする。また、シリンダの軸心を軸心とする半径r2の仮想円筒面、キャビティ24dの底面24c、及びシリンダヘッドにより画定される空間をキャビティエリアと定義し、シリンダの軸心を軸心とする半径r2の仮想円筒面、シリンダの軸心を軸心とする半径r1の円筒面(即ち、シリンダの内壁面)、ピストン24の頂面24a、及びシリンダヘッドにより画定される空間をスキッシュエリアと定義する。また、シリンダの軸心を軸心とする半径r2の仮想円筒面のうちスキッシュエリアとキャビティエリアとの境界を形成する部分を境界面Bとする。
そうすると、ピストン24の頂面24aにキャビティ24dが形成されていることに起因して、ピストン24の移動に伴って(即ち、クランク角度CAに応じて)スキッシュエリアの体積V1とキャビティエリアの体積V2の割合が変化し、この結果、スキッシュ流が発生する。
より具体的に述べると、図3(a)は、圧縮行程においてピストン24が上昇する過程における筒内ガスの流動(即ち、スキッシュ流)の様子を示している。この場合、ピストン24が上昇するほど、キャビティエリアの体積V2に対するスキッシュエリアの体積V1の割合が減少する。この結果、スキッシュエリア内に存在していた筒内ガスが境界面Bを介してキャビティエリア内に移動することで、図3(a)において太い矢印で示したように、スキッシュエリアからキャビティエリアへのスキッシュ流が発生する。この場合におけるスキッシュ流の流速(以下、「スキッシュ流速S」と称呼する。)は正の値とする。
一方、図3(b)は、膨張行程においてピストン24が下降する過程におけるスキッシュ流の様子を示している。この場合、ピストン24が下降するほど、キャビティエリアの体積V2に対するスキッシュエリアの体積V1の割合が増加する。この結果、キャビティエリア内に存在していた筒内ガスが境界面Bを介してスキッシュエリア内に移動することで、図3(b)において太い矢印で示したように、キャビティエリアからスキッシュエリアへのスキッシュ流が発生する。この場合におけるスキッシュ流速Sは負の値とする。
ところで、このようにして発生するスキッシュ流のスキッシュ流速S(の絶対値)は、後述する図5に示すように、圧縮上死点(以下、「ATDC0°」と称呼することもある。)の直前及び直後において大きい値となる傾向がある。また、機関10においてはATDC0°近傍で燃焼室内に向けて燃料が噴射される。従って、係るスキッシュ流は、噴射された燃料(従って、混合気先頭部)の拡散の程度に大きな影響を与え、この結果、混合気先頭部の上記空気過剰率λにも大きな影響を与える。
従って、係るスキッシュ流の影響を考慮していない上記(2)式、及び上記(3)式に従って混合気先頭部の空気過剰率λを求めると、スキッシュ流が混合気先頭部の拡散の程度に与える影響の分だけ誤差が発生することになる。また、スキッシュ流が混合気先頭部の拡散の程度に与える影響の大きさは、同スキッシュ流の流速(スキッシュ流速S)により決定されると考えることができる。以上のことから、混合気先頭部の空気過剰率λを正確に求めるためには、スキッシュ流速Sを正確に求め、同スキッシュ流速Sに基づいて上記(3)式を補正する必要がある。
以下、先ず、本装置によるスキッシュ流速Sを求める手法について、図4を参照しながら説明する。いま、上昇過程にあるピストン24が図4に示した位置にある状態でのスキッシュエリアの体積V1、及びキャビティエリアの体積V2が、微小時間dtが経過した後に、dV1、及びdV2だけそれぞれ減少して(V1-dV1)、及び(V2-dV2)に変化するものとする。そうすると、スキッシュエリアの体積とキャビティエリアの体積の比率は、微小時間dtの経過により、「V1:V2」から「(V1−dV1):(V2−dV2)」に変化することになる。
ここで、筒内ガスの圧力、及び温度は、燃焼室内において均一であるものと仮定する。換言すれば、キャビティエリア内の筒内ガスの圧力及び温度と、スキッシュエリア内の筒内ガスの圧力及び温度とは、それぞれ等しい値を採りながら変化していくものと仮定する。そうすると、スキッシュにより上記微小時間dtの間にスキッシュエリアから境界面Bを介してキャビティエリアに移動する筒内ガスの移動体積Vsは、微小時間dtの間におけるスキッシュエリアの体積とキャビティエリアの体積の比率の変化分に相当する体積となる。従って、下記(6)式が成立する。なお、下記(6)式において、移動体積Vsの値は、図4に示すように筒内ガスがスキッシュエリアからキャビティエリアに移動する場合に正となり、筒内ガスがキャビティエリアからスキッシュエリアに移動する場合に負となる値である。
V1:V2 = (V1−dV1+Vs):(V2−dV2−Vs) ・・・(6)
上記(6)式を移動体積Vsについて解くと下記(7)式が得られる。
Vs=(V2・dV1−V1・dV2)/(V1+V2) ・・・(7)
ここで、上記(7)式において、dV1 は (-dV1/dt)・dt と書き換え、dV2 は (-dV2/dt)・dt と書き換えることができ、上記(7)式にてこれらの置き換えを行った後の式の両辺をdtで除すると、下記(8)が成立する。下記(8)式において、Qsは境界面Bを通過するスキッシュ流の単位時間あたりの流量(スキッシュ流量)である。
Qs=dVs/dt=(V2・(-dV1/dt)−V1・(-dV2/dt))/(V1+V2) ・・・(8)
従って、境界面Bの面積(表面積)をAとすると、スキッシュ流速Sは、下記(9)式にて表すことができる。
S=Qs/A={(V2・(-dV1/dt)−V1・(-dV2/dt))/(V1+V2)}/A ・・・(9)
クランク角度CAは時間の関数であるから、上記(9)式において、dV1/dt,及びdV2/dtはそれぞれ、「(dV1/dCA)・(dCA/dt)」,及び「(dV2/dCA)・(dCA/dt)」と表すことができる。このdCA/dtはエンジン回転速度NEそのものを表す。従って、上記(9)式は下記(10)式に書き換えることができる。
S=[{(V2・(-dV1/dCA)−V1・(-dV2/dCA))/(V1+V2)}/A]・NE ・・・(10)
上記(10)式において、スキッシュエリアの体積V1、キャビティエリアの体積V2、境界面Bの面積A、V1をクランク角度CAで微分した値dV1/dCA,V2をクランク角度CAで微分した値dV2/dCAはそれぞれ、機関10の設計諸元に基づいてクランク角度CAの関数で表すことができる。即ち、上記(10)式の右辺における値[{(V2・(-dV1/dCA)−V1・(-dV2/dCA))/(V1+V2)}/A]は、機関10の設計諸元に基づいてクランク角度CAの関数で表すことができ、係るクランク角度CAの関数をF(CA)とすると、下記(11)式が成立する。
S=F(CA)・NE ・・・(11)
即ち、現時点でのスキッシュ流速Sは、上記(11)式に従って、現時点でのクランク角度CAと、現時点でのエンジン回転速度NEとの関数として求めることができる。上記(11)式において、スキッシュ流速Sの値は、図4に示すように筒内ガスがスキッシュエリアからキャビティエリアに移動する場合に正となり、筒内ガスがキャビティエリアからスキッシュエリアに移動する場合に負となる値である。
図5は、エンジン回転速度NEが値NE1である場合と、値(2・NE1)である場合とで、上記(11)式に従ってスキッシュ流速Sを求めるシミュレーションの結果の一例を示したグラフである。図5に示したように、スキッシュ流速Sの値は、圧縮行程で正となり、膨張行程で負となり、エンジン回転速度NEに比例する値である。また、スキッシュ流速Sの絶対値は、ATDC0°の直前及び直後においてピークとなる。
上記(11)式において、エンジン回転速度NEが所定の基本回転速度NEbase(定数)である場合におけるスキッシュ流速Sを基本スキッシュ流速Sbase(CA)とすると、下記(12)式が成立する。
Sbase(CA)=F(CA)・NEbase ・・・(12)
上記(12)式において、基本スキッシュ流速Sbase(CA)は、機関10の設計諸元に基づいてクランク角度CAの関数で表すことができる。そして、上記(11)式、及び上記(12)式から、F(CA)を消去すると、下記(13)式が得られる。現時点でのスキッシュ流速Sは、下記(13)式によっても、現時点でのクランク角度CAと、現時点でのエンジン回転速度NEとの関数として求めることができる。
S=Sbase(CA)・(NE/NEbase) ・・・(13)
そこで、本装置は、基本スキッシュ流速Sbase(CA)についての、クランク角度CAと基本スキッシュ流速Sbase(CA)との関係を規定するテーブル(マップ)と、現時点でのエンジン回転速度NEとから、上記(13)式に従って、現時点でのスキッシュ流速Sを求める。なお、係るテーブルは予めROM62に格納されている。以上、スキッシュ流速Sの取得方法について説明した。
<スキッシュ流速Sを考慮した場合の空気過剰率λの取得>
先に述べたように、混合気先頭部の空気過剰率λを正確に求めるためには、上記スキッシュ流速Sに基づいて上記(3)式を補正する必要がある。ここで、図3(a)から理解できるように、圧縮行程(即ち、スキッシュ流速S>0のとき)においては、スキッシュ流が混合気先頭部の移動速度(拡散速度)を助長する方向に働く。一方、図3(b)から理解できるように、膨張行程(即ち、スキッシュ流速S<0のとき)においては、スキッシュ流が混合気先頭部の移動速度(拡散速度)を抑制する方向に働く。従って、筒内ガスに流動がないと仮定した場合における混合気先頭部の噴射後経過時間tにおける拡散速度をVとすると、上記スキッシュ流速Sを考慮した場合における混合気先頭部の噴射後経過時間tにおける拡散速度は(V+S)と表すことができる。
ここで、筒内ガスに流動がないと仮定した場合における混合気先頭部の噴射後経過時間tにおける拡散速度Vは、例えば、上記非特許文献1にて紹介された実験式である下記(14)式に基づいて噴射後経過時間tの関数として求めることができる。下記(14)式において、上記(3)式における変数及び定数と同じ記号が付されている各種変数及び定数は総て、上記(3)式に使用されているものと同一である。
Figure 2005226460
また、混合気先頭部の空気過剰率λは、一般に、同混合気先頭部の拡散速度に比例する値となる。以上のことから、下記(15)式に従って速度変化率(補正係数)γを導入するとともに、上記(3)式の右辺に速度変化率γを乗じることで上記(3)式を補正すれば、スキッシュ流速Sを考慮した場合の空気過剰率λを求めることができる。
γ=(V+S)/V ・・・(15)
即ち、本装置は、実際には、上記(2)式と、上記(3)式の代わりの下記(16)式に従って、スキッシュ流速Sを考慮した場合の空気過剰率λを噴射後経過時間tの関数として求める。以上が、本装置による混合気先頭部についての混合気濃度に相当する値である空気過剰率λの推定方法の概要である。
Figure 2005226460
(燃料噴射制御の概要)
本装置は、目標着火時期を所定時期(ATDCθref、例えば、ATDC10°)に設定し、混合気(先頭部)の着火時期を目標着火時期ATDCθrefに一致させるため、クランク角度CAがATDCθrefとなる時点において取得された混合気先頭部の空気過剰率(以下、「制御用空気過剰率λc」と称呼する。)が所定の目標空気過剰率λtになるように、燃料噴射開始時期、及び燃料噴射圧力をフィードバック制御する。
具体的には、前回の燃料噴射気筒(燃料噴射の対象となる気筒)について取得された上記制御用空気過剰率λcの値が前記目標空気過剰率λtよりも高いとき、今回の燃料噴射気筒についての燃料噴射開始時期を基本燃料噴射時期よりも所定量だけ遅らせ、且つ、燃料噴射圧力を基本燃料噴射圧力よりも所定量だけ低くする。これにより、今回の燃料噴射気筒についての目標着火時期ATDCθrefにおける混合気先頭部の実際の空気過剰率が低くなるように制御され、この結果、今回の燃料噴射気筒の実際の着火時期が前記目標着火時期ATDCθrefに一致せしめられる。
一方、前回の燃料噴射気筒についての上記制御用空気過剰率λcの値が前記目標空気過剰率λtよりも低いとき、今回の燃料噴射気筒についての燃料噴射開始時期を基本燃料噴射時期よりも所定量だけ早め、且つ、燃料噴射圧力を基本燃料噴射圧力よりも所定量だけ高くする。これにより、今回の燃料噴射気筒についての目標着火時期ATDCθrefにおける混合気先頭部の実際の空気過剰率が高くなるように制御され、この結果、今回の燃料噴射気筒の実際の着火時期が前記目標着火時期ATDCθrefに一致せしめられる。以上が、燃料噴射制御の概要である。
(実際の作動)
次に、上述した内燃機関の混合気濃度推定方法を実施する制御装置の実際の作動について説明する。
<燃料噴射量等の制御>
CPU61は、図6にフローチャートにより示した燃料噴射量、燃料噴射時期、及び燃料噴射圧力を制御するためのルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU61はステップ600から処理を開始し、ステップ605に進んでアクセル開度Accp、エンジン回転速度NE、及び図7に示したテーブル(マップ)Mapqfinから指令燃料噴射量qfinを求める。テーブルMapqfinは、アクセル開度Accp及びエンジン回転速度NEと指令燃料噴射量qfinとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次いで、CPU61はステップ610に進み、指令燃料噴射量qfin、エンジン回転速度NE、及び図8に示したテーブルMapfinjbaseから基本燃料噴射時期finjbaseを決定する。テーブルMapfinjbaseは、指令燃料噴射量qfin及びエンジン回転速度NEと基本燃料噴射時期finjbaseとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
その後、CPU61はステップ615に進んで、指令燃料噴射量qfin、エンジン回転速度NE、及び図9に示したテーブルMapPcrbaseから基本燃料噴射圧力Pcrbaseを決定する。テーブルMapPcrbaseは、指令燃料噴射量qfin及びエンジン回転速度NEと基本燃料噴射圧力Pcrbaseとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次いで、CPU61はステップ620に進み、指令燃料噴射量qfin、エンジン回転速度NE、及び所定のテーブルから目標空気過剰率λtを決定する。この所定のテーブルは、指令燃料噴射量qfin及びエンジン回転速度NEと目標空気過剰率λtとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次に、CPU61はステップ625に進み、前記目標空気過剰率λtから後述するルーチンにより求められている最新の(従って、前回の燃料噴射気筒についての)制御用空気過剰率λcを減じた値を空気過剰率偏差Δλとして格納する。
続いて、CPU61はステップ630に進んで、噴射時期補正値Δθを、前記空気過剰率偏差Δλと図10に示したテーブルMapΔθとから決定する。テーブルMapΔθは、空気過剰率偏差Δλと噴射時期補正値Δθとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
その後、CPU61はステップ635に進んで、噴射圧力補正値ΔPcrを、前記空気過剰率偏差Δλと図11に示したテーブルMapΔPcrとから決定する。テーブルMapΔPcrは、空気過剰率偏差Δλと噴射圧力補正値ΔPcrとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次いで、CPU61はステップ640に進み、基本噴射時期finjbaseを噴射時期補正値Δθで補正して最終燃料噴射時期finjfinを決定する。これにより、空気過剰率偏差Δλに応じて噴射時期が補正されることになる。この場合、図10から明らかなように、空気過剰率偏差Δλが正の大きい値になるほど噴射時期補正値Δθが正の大きな値となって最終燃料噴射時期finjfinが進角側となり、同空気過剰率偏差Δλが負の大きい値(絶対値が大きい値)になるほど噴射時期補正値Δθは負の大きな値となって最終燃料噴射時期finjfinが遅角側に移行される。
続いて、CPU61はステップ645に進み、基本燃料噴射圧力Pcrbaseを噴射圧力補正値ΔPcrで補正して指令最終燃料噴射圧力Pcrfinを決定する。これにより、空気過剰率偏差Δλに応じて噴射圧力が補正されることになる。この場合、図11から明らかなように、空気過剰率偏差Δλが正の大きい値になるほど噴射圧力補正値ΔPcrが正の大きな値となって指令最終燃料噴射圧力Pcrfinが高圧側となり、同空気過剰率偏差Δλが負の大きい値(絶対値が大きい値)になるほど噴射圧力補正値ΔPcrは負の大きな値となって指令最終燃料噴射圧力Pcrfinが低圧側に移行される。この結果、燃料噴射用ポンプ22の吐出圧力が制御されることで、燃料噴射弁21には前記決定された指令最終燃料噴射圧力Pcrfinまで昇圧された燃料が供給される。
そして、CPU61は、続くステップ650にて現時点のクランク角度CAが上記決定された最終燃料噴射時期finjfinに相当する角度と一致しているか否かを判定し、一致している場合はステップ655に進んで、上記決定された指令燃料噴射量qfinの燃料を燃料噴射気筒についての燃料噴射弁21から上記決定された指令最終燃料噴射圧力Pcrfinをもって噴射し、続くステップ660にて同最終燃料噴射時期finjfinを制御用燃料噴射時期finjcとして格納するとともに同指令最終燃料噴射圧力Pcrfinを制御用燃料噴射圧力Pcrcとして格納した後、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。また、ステップ650にて「No」と判定される場合、直接ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。以上により、燃料噴射量、燃料噴射時期、及び燃料噴射圧力の制御が達成される。
<噴射開始時における各種物理量の計算>
次に、燃料噴射開始時における各種物理量の計算についての作動について説明する。CPU61は、図12にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU61はステップ1200から処理を開始し、ステップ1205に進んで、現時点のクランク角度CAがATDC-180°と一致しているか否か(即ち、燃料噴射気筒のピストンが圧縮行程の下死点に位置しているか否か)を判定する。
いま、燃料噴射気筒のピストンが圧縮行程の下死点に到達する前の状態にあるものとして説明を続けると、CPU61はステップ1205にて「No」と判定してステップ1215に進み、現時点のクランク角度CAが先のステップ660にて設定された制御用燃料噴射時期finjcに相当する角度と一致しているか否か(即ち、現時点が燃料噴射気筒の燃料噴射開始時であるか否か)を判定する。
現時点では、ピストンが圧縮行程の下死点に到達する前の状態にあって燃料噴射開始時が到来していないから、CPU61はステップ1215にて「No」と判定してステップ1295に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。以降、CPU61は、燃料噴射気筒のピストンが圧縮行程の下死点に到達するまでの間、ステップ1200、1205、1215、1295の処理を繰り返し実行する。
次に、この状態から、燃料噴射気筒のピストンが圧縮行程の下死点に到達したものとすると、CPU61はステップ1205に進んだとき「Yes」と判定してステップ1210に進み、現時点において吸気温センサ72により検出されている吸気温度Tbの値、及び、吸気管圧力センサ73により検出されている吸気管圧力Pbの値をそれぞれ、下死点時筒内ガス温度Tbottom、及び、下死点時筒内ガス圧力Pbottomとして格納した後、続くステップ1215にて「No」と判定してステップ1295に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。以降、CPU61は、燃料噴射開始時が到来するまでの間、ステップ1200、1205、1215、1295の処理を繰り返し実行する。
そして、所定時間が経過して燃料噴射開始時が到来したものとすると、CPU61はステップ1215に進んだとき「Yes」と判定してステップ1220以降に進み、燃料噴射開始時における各種物理量の計算を行うための処理を開始する。CPU61はステップ1220に進むと、上記(5)式に従って筒内ガスの全質量Maを求める。このとき、Tbottom,Pbottomとしては、ステップ1210にて設定された値が使用される。
次いで、CPU61はステップ1225に進んで、前記筒内ガスの全質量Maと、現時点での筒内容積Va(CA)と、ステップ1225内に記載の式とに基づいて燃料噴射開始時における筒内ガス密度ρa0を求める。
続いて、CPU61はステップ1230に進み、上記(4)式に相当するステップ1230内に記載の式に従って燃料噴射開始時における筒内ガス圧力Pa0を求め、続くステップ1235にて、先のステップ660にて設定した制御用燃料噴射圧力Pcrcから前記筒内ガス圧力Pa0を減じた値を有効噴射圧力ΔPとして設定する。
次に、CPU61はステップ1240に進んで、前記筒内ガス密度ρa0の値と、前記有効噴射圧力ΔPの値と、前記テーブルMapθとに基づいて噴霧角θを決定する。そして、CPU61はステップ1245に進んで噴射後経過時間tを「0」に初期化した後、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以降、次回の燃料噴射気筒についてのクランク角度CAがATDC-180°に一致するまでの間(即ち、次回の燃料噴射気筒のピストンが圧縮行程の下死点に達するまでの間)、CPU61は、ステップ1200、1205、1215、1295の処理を繰り返し実行する。以上により、燃料噴射開始時における各種物理量が計算される。
<空気過剰率の計算>
一方、CPU61は、空気過剰率の計算を行うための図13にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU61はステップ1300から処理を開始し、ステップ1305に進んで、現時点のクランク角度CAが、前記制御用燃料噴射時期finjcに相当する角度から前記目標着火時期ATDCθrefの間にあるか否かを判定し、「No」と判定する場合、ステップ1395に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
いま、燃料噴射開始時が到来していて、現時点のクランク角度CAが前記制御用燃料噴射時期finjcに相当する角度と一致しているものとすると(従って、先の図12のステップ1220〜1245の処理が実行された直後であるものとすると)、CPU61はステップ1305にて「Yes」と判定してステップ1310に進み、噴射後経過時間tが「0」以外であるか否かを判定する。
現時点は、先のステップ1245の処理が実行された直後であって噴射後経過時間tが「0」となっているから、CPU61はステップ1310にて「No」と判定してステップ1315に進んで空気過剰率λの値を「0」に初期化する。そして、CPU61はステップ1320に直ちに進んで、その時点での噴射後経過時間tの値(現時点では「0」である。)にΔtを加えた値を新たな噴射後経過時間tとして設定した後、ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。ここで、Δtは本ルーチンの演算周期である。
これにより、現時点における噴射後経過時間tが「0」以外となるから、以降、CPU61は本ルーチンを繰り返し実行する際においてステップ1310に進んだとき「Yes」と判定してステップ1325に進むようになる。CPU61はステップ1325に進むと、先の図12のステップ1220にて求めた筒内ガスの全質量Maと、現時点での筒内容積Va(CA)と、ステップ1325内に記載の式とに基づいて現時点での筒内ガス密度ρaを求める。
続いて、CPU61はステップ1330に進んで、前記筒内ガス密度ρaの値と、現時点における噴射後経過時間tの値と、上記(14)式とに基づいて混合気移動速度(拡散速度)Vを求め、続くステップ1335にて、現時点でのクランク角度CAの値と、現時点でのエンジン回転速度NEの値と、上述した基本スキッシュ流速Sbase(CA)についてのテーブルと、上記(13)式とに基づいて現時点でのスキッシュ流速Sを求める。
次いで、CPU61はステップ1340に進み、前記スキッシュ流速Sの値と、前記拡散速度Vの値と、上記(15)式とに基づいて速度変化率γを求め、続くステップ1345にて、前記筒内ガス密度ρaの値と、現時点における噴射後経過時間tの値と、前記速度変化率γの値と、上記(16)式とに基づいて燃料希釈率dλ/dtを求める。
次に、CPU61はステップ1350に進んで、上記(2)式に従って燃料希釈率dλ/dtを時間で積分することで現時点での空気過剰率λを求める。上記(16)式における有効噴射圧力ΔP、及び噴霧角θとしては、図12のステップ1235、及びステップ1240にて計算されている値がそれぞれ使用される。
次いで、CPU61はステップ1355に進み、クランク角度CAが前記目標着火時期ATDCθrefに一致しているか否かを判定する。現時点では、クランク角度CAが前記目標着火時期ATDCθrefに到達していないから、CPU61はステップ1355にて「No」と判定して前述したステップ1320に進み、噴射後経過時間tの値を再びΔtだけ増大した後、ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以降、クランク角度CAが前記目標着火時期ATDCθrefに到達しない限りにおいて、CPU61は、ステップ1300〜1310、1325〜1355、1320の処理を繰り返し実行し、これにより、ステップ1350にて逐次、空気過剰率λの値が更新されていく。
そして、クランク角度CAが前記目標着火時期ATDCθrefに到達すると、CPU61はステップ1355に進んだとき「Yes」と判定してステップ1360に進み、現時点にてステップ1350にて計算されている空気過剰率λの値を前記制御用空気過剰率λcとして設定した後、ステップ1320、1395へと進んで本ルーチンを一旦終了する。以降、CPU61はステップ1305に進んだとき「No」と判定して直ちにステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了するようになる。
このステップ1360にて設定された制御用空気過剰率λcの値は、次回の燃料噴射気筒について実行される図6のルーチンのステップ625の処理にて使用されることになる。これにより、次回の燃料噴射気筒内の混合気が着火する時期が前記目標着火時期ATDCθrefに一致するように燃料噴射時期等がフィードバック制御される。
以上のようにして、空気過剰率(具体的には、混合気先頭部の空気過剰率λ)が逐次求められ、前記目標着火時期ATDCθrefにおける同空気過剰率λの値に基づいて機関10の燃料噴射時期、及び燃料噴射圧力がフィードバック制御される。
以上、説明したように、本発明による内燃機関の混合気濃度推定方法を実施する制御装置の実施形態によれば、スキッシュ流速Sを理論式である上記(10)式に基づく上記(13)式から求めるとともに、筒内ガスに流動がない(スキッシュ流がない)と仮定した場合における混合気先頭部の拡散速度Vを実験式である上記(14)式から求め、これらの値と、上記(15)式とに基づいて、スキッシュ流が混合気先頭部の空気過剰率に影響を与える程度を表す速度変化率(補正係数)γを求める。そして、筒内ガスに流動がない(スキッシュ流がない)と仮定した場合における混合気先頭部の空気過剰率を求めるための実験式(上記(3)式)を速度変化率γで補正した上記(16)式(、及び上記(2)式)に基づいて、スキッシュ流(スキッシュ流速S)の影響を考慮した混合気先頭部の空気過剰率λを求める。これにより、スキッシュ流に大きく影響される混合気(先頭部)の空気過剰率(混合気濃度相当値)λが精度良く推定できた。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、スキッシュ流が混合気先頭部の空気過剰率に影響を与える程度を表す速度変化率(補正係数)γを、上記(15)式(γ=(V+S)/V)に基づいて求めているが、係数α(0<α<1)を導入して、速度変化率(補正係数)γを、(γ=(V+α・S)/V)に基づいて求めるように構成してもよい。この場合、係数αは、一定値であってもよいし、機関の運転状態(例えば、アクセル操作量Accp、エンジン回転速度NE等)に応じて変化する値であってもよい。
また、上記実施形態においては、スキッシュ流速sを、上記(13)式に基づいて求めているが、上記(9)式、(10)式、(11)式の何れかに基づいてスキッシュ流速Sを求めるように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、混合気濃度相当値として混合気の空気過剰率を求めている、混合気濃度相当値として混合気濃度そのものを求めるように構成してもよい。
本発明の実施形態に係る内燃機関の混合気濃度推定方法を実施する制御装置を4気筒内燃機関(ディーゼル機関)に適用したシステム全体の概略構成図である。 或る一つの気筒のシリンダ内(筒内)に吸気マニホールドからガスが吸入され、筒内に吸入されたガスが排気マニホールドへ排出される様子を模式的に示した図である。 燃焼室の周辺を部分的に拡大して示した模式図であり、図3(a)は、圧縮行程におけるスキッシュ流の様子を示していて、図3(b)は、膨張行程におけるスキッシュ流の様子を示している。 燃焼室の周辺を部分的に拡大して示した模式図であって、スキッシュ流速を求める式を導出する際の理解を容易にするための図である。 クランク角度に対するスキッシュ流速を求めるシミュレーションの結果の一例を示した図である。 図1に示したCPUが実行する燃料噴射量等を制御するためのルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが図6に示したルーチンを実行する際に参照する指令燃料噴射量を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図6に示したルーチンを実行する際に参照する基本燃料噴射時期を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図6に示したルーチンを実行する際に参照する基本燃料噴射圧力を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図6に示したルーチンを実行する際に参照する噴射時期補正値を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図6に示したルーチンを実行する際に参照する噴射圧力補正値を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが実行する噴射開始時における各種物理量の計算を行うためのルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行する空気過剰率の計算を行うためのルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
21…燃料噴射弁、22…燃料噴射用ポンプ、24…ピストン、24d…キャビティ、60…電気制御装置、61…CPU、72…吸気温センサ、73…吸気管圧力センサ、74…クランクポジションセンサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室内の状態量を取得し、
    前記取得された燃焼室内の状態量に基づいて、同燃焼室内に噴射された燃料が同燃焼室内に吸入されている筒内ガスと混ざり合うことで形成される混合気の濃度に相当する値を混合気濃度相当値として推定する内燃機関の混合気濃度推定方法であって、
    前記筒内ガスの流動状態を推定するとともに、
    前記推定された筒内ガスの流動状態を考慮して前記混合気濃度相当値を推定する内燃機関の混合気濃度推定方法。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の混合気濃度推定方法において、
    前記筒内ガスの流動状態として、スキッシュにより発生する前記筒内ガスの流速であるスキッシュ流速が推定される内燃機関の混合気濃度推定方法。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の混合気濃度推定方法において、
    前記スキッシュ流速の推定は、
    ピストンの移動に伴って発生する、前記燃焼室内のスキッシュエリアの体積変化と、同燃焼室内のキャビティエリアの体積変化と、を利用して行われる内燃機関の混合気濃度推定方法。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の混合気濃度推定方法において、
    前記スキッシュ流速の推定は、
    前記スキッシュエリアの体積変化と前記キャビティエリアの体積変化とに基づいて算出される同スキッシュエリアから同キャビティエリアへの前記筒内ガスの移動体積と、同スキッシュエリアと同キャビティエリアとの境界を形成する境界面の面積と、を使用して行われる内燃機関の混合気濃度推定方法。
  5. 請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の内燃機関の混合気濃度推定方法において、
    前記内燃機関の回転速度が所定の基本回転速度となっている場合における前記スキッシュ流速を求めるためのデータを予め取得しておき、
    前記スキッシュ流速の推定は、
    前記内燃機関の回転速度を取得するとともに、
    前記予め取得されているデータと、前記取得された前記内燃機関の回転速度と、を使用して行われる内燃機関の混合気濃度推定方法。
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