JP2005224765A - マイクロリアクターを用いた反応方法及びマイクロリアクター - Google Patents

マイクロリアクターを用いた反応方法及びマイクロリアクター Download PDF

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Abstract

【課題】等価直径が例えば1mm以下の微細なマイクロ流路内の液液反応によって発生する副生ガスをマイクロ流路から効率的に脱ガスすることができる。
【解決手段】複数の液体L1,L2をそれぞれの液体供給路28,28を通してマイクロ流路26に合流させてこれらの液体L1,L2を薄片状の層流として流通させつつ、液体L1,L2同士をその接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行わせるマイクロリアクター10を用いて、副生ガスの発生を伴う液液反応を行わせる場合には、液体供給路28及びマイクロ流路26のうちの少なくともマイクロ流路26の流路壁の一部又は全部が、液体は通さずに気体を通す気体透過部材18で形成し、マイクロ流路26で発生した副生ガスを気体透過部材18を介してマイクロ流路26外に排出する。
【選択図】 図2

Description

本発明はマイクロリアクターを用いた反応方法及びマイクロリアクターに係り、特に微細なマイクロ流路で副生ガスの発生を伴う液液反応を行うことが可能なマイクロリアクター、及びそれを用いた反応方法に関する。
複数の液体の液液反応の結果として副生ガスを発生する化学反応は多数知られている。例えば、磁気記録媒体を構成する磁性層に含有される金属微粒子の製造においては、金属微粒子を形成する液液反応で副生ガス(例えば水素ガス)の発生を伴う場合がある。
一方、特許文献1及び特許文献2に見られるように、反応生成物の生成物収率や純度を上げたり、危険性や爆発性の試薬を用いた反応を安全に実施したりするための反応装置として、流路幅が1mm以下の極めて微細なマイクロ流路を使用して複数の流体を反応させるマイクロリアクターが注目されている。このマイクロリアクターは、反応を行うマイクロ流路が上記の通りマイクロスケールのサイズであることに起因して、マイクロ流路を流れる流体は層流支配の流れとなり、これにより反応を行う液体同士は機械的な攪拌を行わなくてもマイクロ流路を層流状態となって流れながら分子の自発的挙動だけで拡散しながら反応を速やかに行うことができる。
特表2001−521913号公報 特表2001−521816号公報
しかしながら、マイクロリアクターでは副生ガスの発生を伴う液液反応を行えないという問題がある。その理由は、1モルの副生ガスが生成されたとすると、その副生ガスの体積は22.4Lの大きな体積になる為、微細なマイクロ流路を塞いでしまい均一な反応を行えないからである。即ち、副生ガスをマイクロ流路から効率的に除去できないと、発生した副生ガスの気泡がマイクロ流路に溜まって塊となるために、マイクロ流路の流れが気液混合相流、例えば図7に示すスラグ流が発生する。このスラグ流は気泡の塊Bと反応させるべき液体Lとがマイクロ流路26の流れ方向に交互に存在する。この結果、液体Lの連続処理の流れを妨げたり、乱したりすることで連続処理の流れが不安定になって反応場が不均一になると共に、反応の平衡が反応促進側に進みにくくなる。また、反応のための液温制御を行う場合、副生ガスを連続処理の流れの中で効率的に除去できないと、気体は熱伝導率が小さいので、反応温度を精度良く制御できなくなる。
非特許文献1(Wolfgang Ehrfeld他、「Microreactors 」、発行元:WILEY-VCH 、発行年月日:2000 年)の第8章(Gas/Liquid Microreactors) には、気液反応のマイクロリアクターとしてFalling-film ReactorやBubble-Column Reactor が開示されているが、このような装置は気液反応を行うための装置であり、液液反応で発生する副生ガスの除去に関しては何ら考慮されていない。従って、気液反応のマイクロリアクターを使用して副生ガスを伴う液液反応を適切に行うことはできない。
このような事情から、マイクロリアクターで副生ガスを発生する化学反応を実施した例は聞いたことがなく、このことはマイクロリアクターを利用できる化学反応の種類を大幅に減少させることとなる。このことからマイクロリアクターでも副生ガスを発生する化学反応を実施できるようにすることが、大きな課題になっている。
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、等価直径が例えば1mm以下の微細なマイクロ流路内の液液反応によって発生する副生ガスをマイクロ流路から効率的に脱ガスすることができるので、マイクロリアクターを用いて副生ガスが発生する液液反応を行っても、マイクロ流路における液体の流れを不安定化させることなく液液反応を行うことができるマイクロリアクターを用いた反応方法及びマイクロリアクターを提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、複数の液体をそれぞれの液体供給路を通してマイクロ流路に合流させて、これらの液体を薄片状の層流として流通させつつ、液体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行わせる薄片状流型のマイクロリアクターを用いて、副生ガスの発生を伴う液液反応を行うマイクロリアクターの反応方法において、前記液液反応の進行に伴って発生する副生ガスを、液体を通さずに気体を通す気体透過部材を介して前記マイクロ流路外に随時透過しながら前記液液反応を行わせることを特徴とする。
本発明の請求項1は、薄片状流型のマイクロリアクターを用い、液液反応によりマイクロ流路に副生ガスの発生を伴う反応を行う方法である。
マイクロリアクターの特徴として、マイクロ流路を流れる液体同士がその接触界面の法線方向へ拡散することで反応が進行するので、反応による副生ガスも反応の進行に伴って少しずつ発生する。従って、発生した副生ガスが集まってマイクロ流路を塞ぐような塊にならないうちに副生ガスを如何に速やかにマイクロ流路外に除去するかが重要になる。
本発明の請求項1によれば、液液反応の進行に伴って発生する副生ガスを、液体を通さずに気体を通す気体透過部材を介してマイクロ流路外に随時透過しながら液液反応を行わせるようにしたので、等価直径が例えば1mm以下の微細なマイクロ流路を有するマイクロリアクターで副生ガスを発生する液液反応を行っても、マイクロ流路における液体の流れを不安定化させることなく液液反応を行うことができる。
本発明の請求項2は前記目的を達成するために、円環状なマイクロ流路に連通する複数の液体供給路を同心軸の多重筒構造にして、複数の液体を前記液体供給路を通して前記マイクロ流路に合流させることにより、これらの液体を同心軸状に積層させて該同心軸に直交する断面が円環状の層流として流通させつつ、液体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行わせる円環状流型のマイクロリアクターを用いて、副生ガスの発生を伴う液液反応を行うマイクロリアクターの反応方法において、前記液液反応の進行に伴って発生する副生ガスを、液体を通さずに気体を通す気体透過部材を介して前記マイクロ流路外に随時透過しながら前記液液反応を行わせることを特徴とする。
本発明の請求項2は、円環状流型のマイクロリアクターを用い、液液反応によりマイクロ流路に副生ガスの発生を伴う反応を行う方法である。この場合にも、液液反応の進行に伴って発生する副生ガスを、液体を通さずに気体を通す気体透過部材を介してマイクロ流路外に随時透過しながら液液反応を行わせることで、等価直径が例えば1mm以下の微細なマイクロ流路を有する環状型のマイクロリアクターで副生ガスが発生する液液反応を行っても、マイクロ流路における液体の流れを不安定化させることなく液液反応を行うことができる。
請求項3は請求項1又は2において、前記マイクロ流路の等価直径は1mm以下であることを特徴とする。
ここで、等価直径とは流路断面を円形に換算した場合の直径を言い、以下同じである。
これは、マイクロ流路の等価直径が小さければ小さいほど副生ガスによりマイクロ流路の流れが不安定化し易く、それだけ本発明が有効だからであり、特に本発明の有効なマイクロ流路の等価直径は500μm以下である。
請求項4は請求項1〜3の何れか1において、前記マイクロ流路側の第1の圧力が該マイクロ流路の外側の第2の圧力よりも大きくなるように、前記第1及び第2の圧力を相対的に制御することを特徴とする。
気体透過部材の気体透過性能や液液反応を行う液体の組成(例えば乳化剤を含む液体)によっては、液液反応によってマイクロ流路に発生した副生ガスが気体透過部材をスムーズに透過しにくい場合がある。請求項4では、マイクロ流路側の第1の圧力が該マイクロ流路の外側の第2の圧力よりも大きくなるように、第1及び第2の圧力を相対的に制御するようにしたので、気体透過部材の気体透過性能や液液反応を行う液体の組成に影響されずに副生ガスをスムーズに気体透過部材を透過させることができる。これにより、等価直径が例えば1mm以下の微細なマイクロ流路を有するマイクロリアクターで副生ガスを発生する液液反応を行っても、マイクロ流路における液体の流れを一層不安定化させることなく液液反応を行うことができる。
本発明の請求項5は前記目的を達成するために、複数の液体をそれぞれの液体供給路を通してマイクロ流路に合流させてこれらの液体を薄片状の層流として流通させつつ、液体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行わせるマイクロリアクターにおいて、前記液体供給路及び前記マイクロ流路のうちの少なくともマイクロ流路の流路壁の一部又は全部が、液体は通さずに気体を通す気体透過部材で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項5は、薄片状流型のマイクロリアクターの場合であり、液体供給路及びマイクロ流路のうちの少なくともマイクロ流路を形成する流路壁の一部又は全部が気体透過部材で形成されている。これにより、液液反応によりマイクロ流路に発生した副生ガスは気体透過部材を透過し、マイクロ流路外に排出される。薄片状流型のマイクロリアクターの場合、マイクロ流路で発生した副生ガスが液体中を浮上してマイクロ流路を形成する流路壁の上面に溜まることから、流路壁の上面部を気体透過部材で構成することが好ましい。流路壁の上面部のように流路壁の一部を気体透過部材で構成する場合には軟質材料でも問題なので、気体透過性を有する高分子膜、例えばゴアテックス膜(商標)を好適に使用することができる。
本発明の請求項6は前記目的を達成するために、円環状のマイクロ流路に連通する複数の液体供給路を同心軸の多重円筒構造にして、複数の液体を前記液体供給路を通して前記マイクロ流路に合流させることにより、これらの液体を同心軸状に積層させて該同心軸に直交する断面が円環状の層流として流通させつつ、液体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して副生ガスを伴う液液反応を行わせる円環状流型のマイクロリアクターにおいて、前記液体供給路及び前記マイクロ流路のうちの少なくとも円環状のマイクロ流路の流路壁の一部又は全部が、液体は通さずに気体を通す気体透過部材で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項6は、円環状流型のマイクロリアクターの場合であり、液体供給路及びマイクロ流路のうちの少なくとも円環状のマイクロ流路を形成する流路壁の一部又は全部が気体透過部材で形成されている。これにより、液液反応によりマイクロ流路に発生した副生ガスは気体透過部材を透過し、マイクロ流路外に排出される。円環状流型のマイクロリアクターの場合、円環状のマイクロ流路で発生した副生ガスが近くの気体透過部材を直ちに透過する構造の方が好ましいので、流路壁の全体を気体透過部材で構成することが好ましい。このように、流路壁全体を気体透過部材とする場合には高分子膜のような軟質材は使用できないので、マイクロマシンニング技術により、液体は通さないが気体は通す極めて微細な穴を開けた金属材料やプラスチック樹脂材料等の硬質材料を気体透過部材として使用することが好ましい。硬質材料の気体透過部材の場合には、マイクロ流路の流路壁全体を気体透過部材で構成することが可能であるので、円環状流型のマイクロリアクターの場合に好適である。いずれにしても本発明はこのような技術の進歩如何にかかわらず、液液反応によりマイクロ流路に発生する副生ガスだけを透過させる気体透過部材であればどのようなものでもよい。
請求項7は請求項5又は6において、前記マイクロ流路の等価直径は1mm以下であることを特徴とする。これは、マイクロ流路の等価直径が小さければ小さいほど副生ガスによりマイクロ流路の流れが不安定化し易く、それだけ本発明が有効だからであり、特に本発明の有効なマイクロ流路の等価直径は500μm以下である。
請求項8は請求項5〜7の何れか1において、前記気体透過部材を挟んで前記マイクロ流路反対側に形成され、前記液体供給路及び前記マイクロ流路のうちの少なくともマイクロ流路の流れ方向に沿った空洞部と、前記マイクロ流路側の第1の圧力が前記空洞部側の第2の圧力よりも大きくなるように、前記第1及び第2の圧力を相対的に制御する圧力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
気体透過部材の気体透過性能や液液反応を行う液体の組成(例えば乳化剤を含む液体)によって、副生ガスが気体透過部材をスムーズに透過しにくい場合であっても、圧力制御手段でマイクロ流路側の第1の圧力が空洞部側の第2の圧力よりも大きくなるようにすることで、副生ガスのスムーズな透過を達成することができる。
請求項9は請求項8において、前記圧力制御手段は、前記空洞部を吸引して該空洞部を減圧する吸引方式であることを特徴とする。
請求項10は請求項8において、前記圧力制御手段は、前記空洞部に高速気流を発生させてピトー管現象を生じさせる気体流方式であることを特徴とする。
請求項11は請求項8において、前記圧力制御手段は、前記副生ガスが前記気体透過部材を透過する際の圧力損失以上の圧力を前記マイクロ流路側に加える加圧方式であることを特徴とする。
請求項8〜11は、マイクロ流路側の第1の圧力が空洞部側の第2の圧力よりも大きくなるようにする圧力制御手段の各種の態様を示したものである。
請求項12は請求項5において、前記マイクロリアクターの装置本体を本体部材と蓋部材とで構成し、前記液体供給路から前記マイクロ流路の終端に至る液体流路及び前記空洞部の両方を前記本体部材に形成し、前記液体流路と前記空洞部との間に前記気体透過部材を設けたことを特徴とする。
請求項12は、液体流路を気体透過部材で仕切って一部を空洞部として兼用するように装置本体を構成した場合である。
請求項13は請求項5において、前記マイクロリアクターの装置本体を本体部材と蓋部材とで構成し、前記液体供給路から前記マイクロ流路の終端に至る液体流路を前記本体部材に形成し、前記空洞部を前記蓋部材に形成し、本体部材と蓋部材とで前記気体透過部材を挟むことを特徴とする。
請求項13によれば、液体流路を本体部材に形成し、空洞部を蓋部材に形成し、本体部材と蓋部材とで気体透過部材を挟むようにしたので、マイクロ流路を形成する流路壁の上面部を簡単に気体透過部材で形成することができ、請求項11に比べて装置本体の製作が容易になる。
請求項14は請求項5〜13の何れか1において、前記マイクロリアクターの装置本体を形成する材料は、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック樹脂、シリコンの何れかであることを特徴とする。
請求項14に示す材料が微細なマイクロ流路を形成する微細加工に適しているからである。また、マイクロ流路の流れ状態を観察できるように、透明ガラスや透明プラスチック樹脂を使用するのが一層好ましい。
以上説明したように、本発明のマイクロリアクターを用いた反応方法及びマイクロリアクターによれば、等価直径が例えば1mm以下の微細なマイクロ流路内の液液反応によって発生する副生ガスをマイクロ流路から効率的に脱ガスすることができるので、液液反応に伴って副生ガスが発生する化学反応をマイクロリアクターで行っても、マイクロ流路における液体の流れを不安定化させることなく液液反応を行うことができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係るマイクロリアクターを用いた反応方法及びマイクロリアクターの最良の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るマイクロリアクターの第1の実施の形態を概念的に示した斜視図であり、薄片状流型のマイクロリアクター10の場合である。図2(A)はマイクロリアクター本体(以下、装置本体12という)の上面図、図2(B)は断面図、図2(C)は下面図である。
図1に示すように、薄片状流型のマイクロリアクター10は、主として、気体透過部材18を備えた装置本体12と、副生ガスの発生を伴う液液反応を行う液体L1、L2を液体供給管14、14を介して装置本体12に供給する液体供給手段16、16と、気体透過部材18の気体透過性能を向上させる圧力制御手段46とで構成される。尚、本実施の形態では2種類の液体L1、L2で液液反応を行う例で説明する。
図2に示すように、装置本体12は、本体部材22と蓋部材24とで平板状の気体透過部材18をサンドイッチ状にした状態で互いに接着剤で接合し、その外側を上板20と下板21とで挟み込み、上板20と下板21の4角に形成されたボルト穴に通したボルト23とナット25とを締め付けることにより組み立てられる。本体部材22には2種類の液体L1、L2の液液反応を行うマイクロ流路26と該マイクロ流路26に液体L1、L2を合流させる2本の液体供給路28、28とから成るY字型液体流路30が形成される。一方、蓋部材24にはY字型液体流路30に対向してY字型空洞部36が形成され、Y字型液体流路30とY字型空洞部36とは気体透過部材18によって仕切られる。即ち、Y字型液体流路30を形成する流路壁の上面部が気体透過部材18によって構成され、気体透過部材18の上側にY字型空洞部36が形成されている。尚、本実施の形態では、気体透過部材18の上側にY字型空洞部36を形成して、後記するようにY字型空洞部36を減圧してマイクロ流路26で発生した副生ガスが気体透過部材18を透過し易いように構成したが、気体透過部材18の気体透過性能が優れており、減圧空洞部としてのY字型空洞部36を設ける必要がない場合には、気体透過部材18が大気に開放された構造の装置本体12でもよい。その場合には、マイクロ流路26で発生した副生ガスは気体透過部材18を透過して大気に直接放出される。また、本実施の形態では、液体供給路28とマイクロ流路26とからなるY字型液体流路30の上面部全体に気体透過部材18を設けることで説明したが、副生ガスが発生するマイクロ流路26の上面部のみに気体透過部材18を設けるようにしてもよい。
装置本体12を製作する上で、最も重要なポイントは如何に気体透過性能の良い気体透過部材18を使用するかであり、近年の高分子技術の進歩により例えばゴアテックス膜(商標)のような気体透過性能の良い膜が市販されており、このような膜を使用することができる。また、近年のマイクロマシンニング技術の進歩により、液体は通さないが気体は通す極めて微細な穴を金属やプラスチック樹脂等の硬質材料に開けることが可能になってきており、このような技術を使用して硬質材料を用いて気体透過部材18を製作することも可能である。いずれにしても本発明はこのような技術の進歩如何にかかわらず、液液反応によりマイクロ流路26に発生する副生ガスだけを透過させる気体透過部材18であればどのようなものでもよい。
装置本体12の内部に形成されるマイクロ流路26は、等価直径が1mm(1000μm)以下、好ましくは500μm以下のマイクロチャンネル状の微細流路であることが好ましい。また、マイクロ流路26は、径方向断面の形状が四角形状のものが一般的であるが四角形状に限定するものではない。そして、液体供給路28、28を2本で構成する場合には、1本の液体供給路28の等価直径はマイクロ流路26の半分になるように設計することが好ましい。例えば、径方向断面が四角形状のマイクロ流路26の幅を500μm、深さを200μmとした場合には、1本の液体供給路28の幅を250μm、深さを200μmとする。また、マイクロ流路26の長さL(図2参照)は、液液反応が終了するに足る長さに設定され、液液反応の種類によって異なる。
かかるマイクロオーダーの微細なY字型液体流路30やY字型空洞部36を有する装置本体12を製作するには微細加工技術が使用される。微細加工技術としては、例えば次のようなものがある。
(1) X線リソグラフィと電気メッキを組み合わせたLIGA技術
(2) EPON SU8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法
(3) 機械的マイクロ切削加工(ドリル径がマイクロオーダのドリルを高速回転するマイクロドリル加工等)
(4) Deep RIEによるシリコンの高アスペクト比加工法
(5) Hot Emboss加工法
(6) 光造形法
(7) レーザー加工法
(8) イオンビーム法
また、装置本体12を製作するのための材料としては、耐熱、耐圧及び耐溶剤性、加工容易性等の要求に応じて、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック、シリコン、及びテフロン等を好適に使用できる。装置本体12の製作においては、Y字型液体流路30やY字型空洞部36の製作は勿論重要であるが、気体透過部材18を挟んで蓋部材24を本体部材22に接合する接合技術も重要である。蓋部材24の接合方法は、高温加熱による材料の変質や変形によるY字型液体流路30やY字型空洞部36の破壊を伴わず寸法精度を保った精密な方法が望ましく、製作材料との関係から固相接合(例えば、圧接接合や拡散接合等)や液相接合(例えば、溶接、共晶接合、はんだ付け、接着等)を選択することが好ましい。例えば、材料としてシリコンを使用する場合にシリコン同士を接合するシリコン直接接合や、ガラス同士を接合する融接、シリコンとガラスを接合する陽極接合、金属同士を接合する拡散接合等がある。セラミックスの接合については、金属のようにメカニカルなシール技術以外の接合技術が必要であり、アルミナに対してglass solderなる接合剤をスクリーン印刷で80μmに印刷し、圧力をかけずに440〜500°Cで処理する方法がある。また、研究段階ではあるが、新しい接合技術として、表面活性化接合、水素結合を用いた直接結合、HF(フッ化水素)水溶液を用いた接合等がある。
また、図2に示すように、本体部材22に形成された液体供給路28、28の端部位置にはそれぞれ液体L1、L2の液体導入口34、34が下板21を貫通して形成され、液体導入口34、34に液体供給管14、14が連結される。これにより、液体供給手段16、16から液体L1、L2が装置本体12に供給される。また、マイクロ流路26の端部位置には液液反応による反応生成液LMを排出させる液体排出口32が下板21を貫通して形成される。一方、蓋部材24に形成されたY字型空洞部36の3つの端部位置には、それぞれ開口38、39、41が上板20を貫通して形成され、この開口38、39、41にそれぞれ短管38A、39A、41Aが連結される。
本発明のマイクロリアクター10で使用する液体供給手段16としては、液体L1、L2の供給圧力制御を兼ね備えた連続流動方式型のシリンジポンプを好適に使用することができ、以下シリンジポンプ16の例で説明する。マイクロリアクターの場合、液体L1、L2をマイクロ流路26に導入する流体制御技術が必要であり、特にマイクロオーダーの微細なマイクロ流路26での液体や気体の挙動は、マクロスケールとは異なる性質をもつため、マイクロスケールに適した流体制御方式を適用しなくてはならない。連続流動方式は、装置本体12の内部や装置本体12に至る流路内は全て液体L1、L2で満たされ、外部に用意したシリンジポンプ16によって、流体全体を駆動する方式であり、マイクロ流路26に供給する液体L1、L2の供給圧力、供給流量を任意に制御することができる。
図1に示すように、Y字型空洞部36の圧力を制御する圧力制御手段46は、主として、Y字型空洞部36を減圧する真空ポンプやアスピレータ等の吸引手段44と、Y字型空洞部36の圧力を測定する圧力計45と、圧力計45の測定値に基づいて吸引手段44の吸引力を調整するバルブ43の開度をコントロールするコントローラ47とで構成される。即ち、装置本体12の短管38A、39A、41Aのうち、短管38A、39Aは大気に開放された状態にされると共に、短管41Aには吸引管42を介して吸引手段44が連結される。そして、圧力計45で測定されたY字型空洞部36の圧力がコントローラ47に入力される。このように構成された圧力制御手段46によれば、吸引手段44を駆動すると、短管38A、39AからY字型空洞部36に吸い込まれたエアは短管41Aを通って排気されるので、Y字型空洞部36には図2の矢印33で示す高速の気流が発生し、ピトー管現象により気体透過部材18の微細な穴にY字型液体流路30側からY字型空洞部36側への気体透過力を発生させることができる。気流の速度はバルブ43の開度によって調整する。気体透過部材18の気体透過性能にもよるが、気流の速度は気体透過部材18による副生ガスのスムーズな透過を補助する程度でよく、Y字型空洞部36の穏やかな減圧が好ましい。従って、圧力制御手段46としてアスピレータを使用することも好ましい。圧力制御手段46で使用するバルブ43としては、10ミリ秒以下、より好ましくは5ミリ秒以下のレベルの応答速度で開閉動作を行ってバルブ開度を調整することのできるサーボバルブを使用することが好ましい。これにより、吸引手段44の吸引力を一定に維持することができるので、Y字型空洞部36に発生する気流速度を一定に維持することができる。
圧力制御手段46は、上記したY字型空洞部36の一端側から他端側への気体流を発生させる気体流方式に限定されるものではなく、短管38A、39Aを閉塞させた状態で吸引手段44を駆動してY字型空洞部36の圧力を減圧する吸引方式、あるいは副生ガスが気体透過部材18を透過する際の圧力損失以上の圧力をY字型液体流路30側に加える加圧方式も採用することができる。Y字型液体流路30の加圧は後記する液体供給手段16によって制御することができる。この加圧方式の場合、短管38A、39A、41Aを大気に開放してY字型空洞部36を大気圧状態にしてもよく、あるいは気流方式や吸引方式を併用してY字型空洞部36を減圧してもよい。
本実施の形態では特に示さないが、マイクロリアクター10での液液反応の温度を制御する温度制御手段を設けることが好ましい。マイクロリアクター10において反応を行う際の温度制御方法には、古典的な方法として、温水、冷水をマイクロリアクター内に供給する方法がある。この他にも、従来から行われている温度制御方法には、金属抵抗線やPolysilicon などのヒータ構造をマイクロリアクターに作り込む方法などがあり、金属抵抗線やPolysilicon などのヒータ構造の場合には、加熱についてはこれを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイクルを行うことで温度を制御する。この場合の温度のセンシングについては、金属抵抗線の場合には同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、その抵抗値の変化に基づいて温度検出を行い、Polysilicon の場合には、熱電対を用いて温度検出を行う方法が一般的に採用されている。また、近年においては、ペルチェ素子を用いた温度制御機能を装置本体12内に組み込むことで、反応の際の温度制御を精度良く行うことも試みられている。いずれにしても、温度制御そのものは、従来からの温度制御技術でもペルチェ素子に代表される新規な温度制御技術でも可能であり、用途や装置本体12の材料等に応じた加熱・冷却機構と温度センシング機構の選択、ならびに外部制御系の構成を組み合わせて最適な方法を選択することが重要である。
次に、上記の如く構成された薄片状流型のマイクロリアクター10を用いて副生ガスの発生を伴う液液反応を行う本発明の反応方法を説明する。
シリンジポンプ16、16から液体供給路28、28に供給された液体L1、L2は、合流部40で1本のマイクロ流路26に合流し、薄片状の層流として流通しつつ、液体L1、L2同士がその接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行う。かかる液液反応によって副生ガスが発生し、発生した副生ガスの気泡はマイクロ流路26に溜まって塊となるために、マイクロ流路26には気液混相流状態のスラグ流が発生する。これにより、反応させるべき液体L1、L2の連続処理の流れが妨げられたり、乱されたりすることで連続処理の流れが不安定になって反応場が不均一になると共に、反応の平衡が反応促進側に進みにくくなる。また、反応のための液温制御を行う場合、副生ガスを連続処理の流れの中で効率的に除去できないと、気体は熱伝導率が小さいので、反応温度を精度良く制御できなくなる。
そこで、本発明の薄片状流型のマイクロリアクター10によれば、Y字型液体流路30を形成する流路壁の上面部を、液体は通さないが気体は通す気体透過部材18で構成し、液液反応に伴ってマイクロ流路26に発生する副生ガスだけを気体透過部材18を介してY字型空洞部36に透過させながら液液反応を行わせるようにした。これにより、図3に示すように、液体L1、L2による液液反応で発生した副生ガスの気泡48は液体中を浮上して気体透過部材18を透過し、Y字型空洞部36に排出される。Y字型空洞部36に排出された副生ガスはY字型空洞部36を流れる気流に伴われて短管41Aから装置本体12外に排出される。
このように本発明によれば、等価直径が例えば1mm以下の微細なマイクロ流路26内の液液反応によって発生する副生ガスをマイクロ流路26から効率的に脱ガスすることができるので、液液反応に伴って副生ガスが発生する化学反応をマイクロリアクターで行っても、マイクロ流路26における液体L1、L2の流れを不安定化させることなく液液反応を行うことができる。従って、反応の平衡が反応促進側に進み易くなると共に、反応温度を精度良く制御し易くなる。
また、図2における装置本体12では、Y字型液体流路30を本体部材22に形成し、Y字型空洞部36を蓋部材24に形成したが、図4のようにY字型液体流路30とY字型空洞部36の両方を本体部材22に形成してもよい。即ち、図4に示すように、本体部材22にY字型の一体空間を形成し、この一体空間を気体透過部材18で上空間と下空間とに仕切ることによりY字型液体流路30とY字型空洞部36とを形成する方法である。この場合には、Y字型空洞部36の幅(W1)をY字型液体流路30の幅(W2)よりも一回り大きくすることでY字型液体流路30とY字型空洞部36との境界に段差49を形成し、この段差49に気体透過部材18を嵌め込んで接着剤等により接合するとよい。
次に、図5に従って本発明のマイクロリアクターの第2の実施の形態である、円環状流型のマイクロリアクター60の場合について説明する。第2の実施の形態の場合も液液反応を行う液体を2種類の液体L1、L2を使用した場合で説明する。
図5に示すように、薄片状流型のマイクロリアクター60は、主として、気体透過部材72を備えた装置本体61と、副生ガスの発生を伴う液液反応を行う液体L1、L2を液体供給管104、106を介して装置本体61に供給する液体供給手段16、16(図5では省略しており図1参照)と、気体透過部材72の気体透過性能を向上させる圧力制御手段118とで構成される。尚、第2の実施の形態の場合も、2種類の液体L1、L2で液液反応を行う例で説明する。
図5に示されるように、円環状型のマイクロリアクター60は、全体として略円柱状に形成されており、装置の外殻部を構成する円筒状の円管部材62を備えている。ここで、図中における直線Sは装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。この円管部材62の先端面には液体L1、L2が反応した後の反応生成液LMの吐出口64が開口し、また円管部材62の先端部には吐出口64の外周側に延出するようにリング状のフランジ部66が設けられる。このフランジ部66は反応生成液LMに対して次の処理を行う配管等に接続される。
円管部材62は、その基端部側に胴体部63よりも大径な大径部68を有すると共に、胴体部63の基端位置には、中心部が丸穴状に開口した第1仕切板70が円管部材62の内側に張り出すように設けられる。胴体部63内には、該胴体部63内の空間を軸方向に沿って仕切る円筒状の気体透過部材72が設けられ、気体透過部材72の両端が第1仕切板70の開口周縁とフランジ部66の開口周縁とに固着支持される。これにより、胴体部63内が気体透過部材72によって内側空間と外側空間の2つの空間に仕切られる。ここで、内側空間は液体L1、L2が流れる断面円環状の円環状液体流路74を形成すると共に、外側空間は円環状液体流路74で発生した副生ガスが気体透過部材72を介して透過する断面円環状の円環状空洞部76を形成する。即ち、円環状液体流路74を形成する流路壁全体が気体透過部材72で構成され、気体透過部材72の外側に円環状空洞部76が形成されている。胴体部63と気体透過部材72との間には、複数個のスペーサ78(本実施の形態では4個)が介装され、円環状空洞部76の幅W1(図5(A)参照)が設定される。円環状型のマイクロリアクター60のように、円環状液体流路74の流路壁全体を気体透過部材72で構成する場合には、マイクロマシンニング技術により、金属材料やプラスチック樹脂材料等の硬質材料に、液体は通さないが気体は通す極めて微細な穴を開けることにより気体透過部材72を製作するとよい。
円管部材62の基端面は円板状の蓋板80により閉塞されており、この蓋板80の中心部には円形の嵌挿穴82が穿設されている。円管部材62内には、その基端部側から円管部材62内へ挿入されるように円柱状の整流部材84が同軸的に設けられており、整流部材84の基端部は蓋板80の嵌挿穴82に嵌挿支持される。
円管部材62の大径部68部分は、中心部が丸穴状に開口した第2仕切板86によって大径部68内の空間が2等分されるように区画されており、液体L1が導入される第1ヘッダー部88、液体L2が導入される第2ヘッダー部90とされる。第2仕切板86の開口周縁から円管部材62の軸方向に突出するように円筒状の隔壁部材92が第2仕切板86に一体的に設けられる。この隔壁部材92により、円環状液体流路74の途中までが2分割され、気体透過部材72と隔壁部材92との間に第1ヘッダー部88に導入された液体L1の供給路である第1の液体供給路94が形成され、隔壁部材92と整流部材84との間に第2ヘッダー部90に導入された液体L2の供給路である第2の液体供給路96が形成される。そして、気体透過部材72の内周面と隔壁部材92の外周面との間に複数個(本実施の形態では4個)のスペーサ98が介装されると共に、隔壁部材92と整流部材84との間に複数個(本実施の形態では4個)のスペーサ100が介装される。これら複数個のスペーサ98、100はそれぞれ矩形プレート状に形成され、その表裏面部が円環状液体流路74における流通方向(矢印F方向)と平行になるように支持される。これにより、第1の液体供給路94の流路幅W2及び第2の液体供給路96の流路幅W3が設定される。
また、円管部材62内には、隔壁部材92よりも先端側であって整流部材84の円錐部84Aよりも基端部側に第1及び第2の液体供給路94、96に連通する断面円環状の空間が形成され、この断面円環状の空間は、液体L1、L2とが合流して副生ガスの発生を伴う液液反応を行う円環状マイクロ流路102とされる。この場合、円環状マイクロ流路102内の出口部で液体L1、L2の液液反応が完了している必要があるので、円環状マイクロ流路102の流通方向に沿った路長PL(図5(A)参照)は、液体L1、L2の液液反応が完了する長さに設定する必要がある。尚、上記したように円環状液体流路74の流路壁全体を気体透過部材72で構成するようにしたが、液体L1、L2が反応して副生ガスを発生する円環状マイクロ流路102の流路壁部分のみを気体透過部材72で構成してもよい。
また、円管部材62の基端面に設けられた蓋板80には、第1及び第2の液体供給路94、96に連通する嵌挿穴が穿設されており、これらの嵌挿穴に、それぞれ第1及び第2の液体供給管104、106が接続される。そして、2本の液体供給管104、106に、図1に示した液体L1、L2を供給するシリンジポンプ16、16がそれぞれ接続され、液体供給管104、106を通して第1及び第2のヘッダー部88、90には液液反応を行う液体L1、L2が加圧状態で供給される。図5(B)に示されるように、第1及び第2の液体供給路94、96の先端部には、それぞれ円環状マイクロ流路102内へ開口する第1及び第2の液体供給口108、110が形成される。これらの供給口108、110は、それぞれ軸心Sを中心とする円軌跡に沿って断面円環状に開口し、互いに同心円状となるように配設されている。ここで、前記した開口幅W2、W3は、それぞれの供給口108、110の開口面積を規定し、この供給口108、110の開口面積と液体L1、L2の供給量に応じて、供給口108、110を通して円環状マイクロ流路102へ導入される液体L1、L2の初期流速が定まる。
円管部材62内における円環状マイクロ流路102よりも先端側の空間は、円環状マイクロ流路102内で液体L1、L2の反応が行われた反応生成液LMが吐出口64に向かって流れる出液路112とされる。また、円管部材62周面の基端面側(蓋板側)には短管114が連結されると共に、円管部材62周面の先端面側(フランジ側)には短管116が連結される。
円環状空洞部76の圧力を制御する圧力制御手段118は、主として、円環状空洞部76を減圧する真空ポンプやアスピレータ等の吸引手段120と、円環状空洞部76の圧力を測定する圧力計122と、圧力計122の測定値に基づいて吸引手段120の吸引力を調整するバルブ124の開度をコントロールするコントローラ126とで構成される。即ち、装置本体61の短管114、116のうち、短管114は大気に開放された状態にされると共に、短管116には吸引管128を介して吸引手段120が連結される。そして、圧力計122で測定された円環状空洞部76の圧力がコントローラ126に入力される。このように構成された圧力制御手段118によれば、吸引手段120を駆動すると、短管114から円環状空洞部76に吸い込まれたエアは短管116を通って排気されるので、円環状空洞部76には図5の矢印130で示す高速の気流が発生し、ピトー管現象により気体透過部材72の微細な穴に円環状液体流路74側から円環状空洞部76側への気体透過力を発生させることができる。気流の速度はバルブ124の開度によって調整する。気体透過部材72の気体透過性能にもよるが、気流の速度は気体透過部材72による副生ガスのスムーズな透過を補助する程度でよく、円環状空洞部76の穏やかな減圧が好ましい。従って、圧力制御手段118としてアスピレータを使用することも好ましい。圧力制御手段118で使用するバルブ124としては、10ミリ秒以下、より好ましくは5ミリ秒以下のレベルの応答速度で開閉動作を行ってバルブ開度を調整することのできるサーボバルブを使用することが好ましい。これにより、吸引手段120の吸引力を一定に維持することができるので、円環状空洞部76に発生する気流速度を一定に維持することができる。
圧力制御手段118は、上記した円環状空洞部76の一端側から他端側への気体流を発生させる気体流方式に限定されるものではなく、短管114を閉塞させた状態で吸引手段120を駆動して円環状空洞部76の圧力を減圧する吸引方式、あるいは副生ガスが気体透過部材72を透過する際の圧力損失以上の圧力を円環状液体流路74側に加える加圧方式も採用することができる。円環状液体流路74の加圧は後記する液体供給手段16によって制御することができる。この加圧方式の場合、短管114、116を大気に開放して円環状空洞部76を大気圧状態にしてもよく、あるいは気流方式や吸引方式を併用して円環状空洞部76を減圧してもよい。
次に、上記の如く構成された円環状流型のマイクロリアクター60を用いて副生ガスを伴う液液反応を行う本発明の反応方法を説明する。
シリンジポンプ16,16から第1及び第2の液体供給路94、96に供給された液体L1、L2は、円環状マイクロ流路102で合流して同心円状に積層された断面円環状の層流となって流通する。そして、円環状マイクロ流路102内を流通する2つの液体L1、L2は、互いに隣接する層流間の接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行う。かかる液液反応によって発生した副生ガスの気泡は円環状マイクロ流路96に溜まって塊となるために、円環状マイクロ流路102にはスラグ流が発生する。これにより、反応させるべき液体L1、L2の連続処理の流れを妨げたり、乱したりすることで連続処理の流れが不安定になって反応場が不均一になると共に、反応の平衡が反応促進側に進みにくくなる。また、反応のための液温制御を行う場合、副生ガスを連続処理の流れの中で効率的に除去できないと、気体は熱伝導率が小さいので、反応温度を精度良く制御できなくなる。
そこで、本発明の円環状流型のマイクロリアクター60によれば、円環状液体流路74を形成する円筒状の流路壁の全体を、液体は通さないが気体は通す気体透過部材72で構成し、液液反応に伴って円環状マイクロ流路102に発生する副生ガスだけを気体透過部材72を介して円環状空洞部76に透過させながら液液反応を行わせるようにした。これにより、図6に示すように、液体L1、L2による液液反応で発生した副生ガスの気泡48は気体透過部材72を透過し、円環状空洞部76に排出される。円環状空洞部76に排出された副生ガスは円環状空洞部76を流れる気流に伴われて短管116から装置本体61外に排出される。
これにより、本発明の第2の実施の形態の場合にも、円環状液体流路74を流れる液体L1、L2の液液反応により、等価直径が例えば1mm以下の微細な円環状マイクロ流路102で副生ガスが発生しても、発生する副生ガスを円環状マイクロ流路102から効率的に脱ガスすることができる。従って、液液反応に伴って副生ガスが発生する化学反応をマイクロリアクターで行っても、円環状マイクロ流路102における液体L1、L2の流れを不安定化させることなく液液反応を行うことができる。従って、反応の平衡が反応促進側に進み易くなると共に、反応温度を精度良く制御し易くなる。
本発明の薄片状流型のマイクロリアクター10を用いて2つの液体L1、L2で副生ガスの発生を伴う液液反応を実施した実施例を以下に説明する。装置本体12は図2のように蓋部材20にY字型空洞部36を形成し、本体部材21にY字型液体流路30を形成するタイプのもので実施した。
[マイクロリアクターの製作]
マイクロリアクター10の装置本体12は、透明ガラス板を機械加工により切削加工することで製作した。先ず、本体部材22を製作するためのガラスプレートを準備し、PMT社製のマシニングセンター(MC機)にダイヤモンド焼結型のマイクロドリルを用いて2本の液体供給路28と1本のマイクロ流路26とでなるY字型液体流路30を切削加工した。液体供給路28は幅250μm、深さ200μmとし、マイクロ流路26は幅500μm、深さ200μmとした。また、マイクロ流路26の流路長を30cmとした。
一方、蓋部材24を製作するためのガラスプレートには、本体部材22と同じ機械加工によって、上記したY字型液体流路30に対向するようにY字型空洞部36を切削加工した。このY字型空洞部36の流路幅はY字型液体流路30の流路幅よりも大きめに形成した。そして、本体部材22と蓋部材24とでゴアテックス膜(気体透過部材18)をサンドイッチ状にした状態で、Y字型空洞部36やY字型液体流路30を塞がないように、接着剤で互いに接合した。更に、その外側を上板20と下板21とで挟み込み、上板20と下板21の4角に形成されたボルト穴に通したボルト23とナット25とを締め付け、装置本体12を組み立てた。
また、本体部材22及び下板21には、液体供給路28に連通する1000μmの液体導入口34、34を予め穿孔しておき、このそれぞれの液体導入口34、34に外径950μm、内径250μmのテフロンチューブ(液体供給管14)をそれぞれ差し込み接着剤で固定した。液体導入口34に接続されていないテフロンチューブの一端は、液体用のシリンジポンプ16に接続した。また、マイクロ流路26の終端部にガラスプレートを貫通するかたちで1000μmの液体排出口32を開け、この液体排出口32に外径950μm、内径250μmのテフロンチューブをそれぞれ差し込み接着剤で固定した。
一方、蓋部材24及び上板20には、Y字型空洞部36の3つの端部位置にそれぞれ開口38、39、41を予め穿孔しておき、それぞれの開口38、39、41にそれぞれ短管38A、39A、41Aを連結した。そして、この短管38A、39Aを大気に開放し、短管41Aには吸引管42を介してアスピレータ(吸引手段44)を連結した。アスピレータでY字型空洞部36を300Torrに減圧した。これにより、本発明の実施例を行う薄片状流型のマイクロリアクター10を作製した。
比較する従来のマイクロリアクターとしては、Y字型液体流路30を切削加工した本体部材22の開放された上面を、平板状の蓋部材24(Y字型空洞部36のない板状のもの)で蓋をして装置本体を組み立てた以外は本発明のマイクロリアクターと同様に製作した。
上記の如く製作した本発明のマイクロリアクター10と従来のマイクロリアクターとを使用して、液液反応によって副生ガスを発生させる2つの液体L1、L2を液体供給路28からマイクロ流路26に合流させて液液反応を行わせ、液液反応により発生する酸素ガスによってマイクロ流路26の流れがどのようになるかを観察した。
副生ガスの発生を伴う液液反応としては、二酸化マンガンの粉末1gを水100mlに分散した二酸化マンガン水溶液L1と過酸化水素水L2を反応させて、副生ガスとして酸素ガスを発生させる反応実験を行った。液体L1、L2の流量としては、二酸化マンガン水溶液L1及び過酸化水素水L2ともに100μl/分に設定した。
その結果、従来のマイクロリアクターは、液液反応により発生した酸素ガスの気泡48はマイクロ流路26内に溜まって大きな塊となり、その影響でマイクロ流路26の流れは非常に不安定なスラグ流状態となった。
これに対し、本発明のマイクロリアクターは、液液反応により発生した酸素ガスの気泡48は液体内を上昇してゴアテックス膜18からスムーズにY字型空洞部36に透過し、マイクロ流路26から脱ガスされた。これにより、マイクロ流路26の流れを安定させることができ、安定した液液反応を行うことができた。
本発明の第1の実施の形態である薄片状流型のマイクロリアクターを概念的に説明する斜視図 マイクロリアクターの装置本体の上面図、断面図及び下面図 本発明の薄片状流型のマイクロリアクターを用いて副生ガスの発生を伴う液液反応を行った場合の円環状マイクロ流路の流れを説明する説明図 本発明に係る薄片状流型のマイクロリアクターの装置本体の変形例を説明する上面図、断面図及び下面図 本発明の第2の実施の形態である円環状流型のマイクロリアクターを説明する断面図 本発明の円環状流型のマイクロリアクターを用いて副生ガスの発生を伴う液液反応を行った場合の円環状マイクロ流路の流れを説明する説明図 従来のマイクロリアクターで副生ガスを伴う反応を行ったときの円環状マイクロ流路の流れを説明する説明図
符号の説明
10…薄片状流型のマイクロリアクター、12…装置本体、14…液体供給管、16…液体供給手段、18…気体透過部材、20…上板、21…下板、22…本体部材、23…ボルト、24…蓋部材、25…ナット、26…マイクロ流路、28…液体供給路、30…Y字型液体流路、32…液体排出口、34…液体導入口、36…Y字型空洞部、38、39、41…開口、38A、39A、41A…短管、42…吸引管、43…バルブ、44…吸引手段、45…圧力計、46…圧力制御手段、47…コントローラ、48…気泡、60…円環状流型のマイクロリアクター、61…装置本体、62…円管部材、63…胴体部、64…吐出口、66…フランジ部、68…大径部、70…第1仕切板、72…気体透過部材、74…円環状液体流路、76…円環状空洞部、78、98、100…スペーサ、80…蓋板、82…嵌挿穴、84…整流部材、86…第2仕切板、88…第1ヘッダー部、90…第2ヘッダー部、92…隔壁部材、94…第1の液体供給路、96…第2の液体供給路、102…円環状マイクロ流路、104…第1の液体供給管、106…第2の液体供給管、108…第1の液体供給口、110…第2の液体供給口、112…出液路、114、116…短管、118…圧力制御手段、120…吸引手段、122…圧力計、124…バルブ、126…コントローラ、128…吸引管

Claims (14)

  1. 複数の液体をそれぞれの液体供給路を通してマイクロ流路に合流させて、これらの液体を薄片状の層流として流通させつつ、液体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行わせる薄片状流型のマイクロリアクターを用いて、副生ガスの発生を伴う液液反応を行うマイクロリアクターの反応方法において、
    前記液液反応の進行に伴って発生する副生ガスを、液体を通さずに気体を通す気体透過部材を介して前記マイクロ流路外に随時透過しながら前記液液反応を行わせることを特徴とするマイクロリアクターを用いた反応方法。
  2. 円環状なマイクロ流路に連通する複数の液体供給路を同心軸の多重筒構造にして、複数の液体を前記液体供給路を通して前記マイクロ流路に合流させることにより、これらの液体を同心軸状に積層させて該同心軸に直交する断面が円環状の層流として流通させつつ、液体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行わせる円環状流型のマイクロリアクターを用いて、副生ガスの発生を伴う液液反応を行うマイクロリアクターの反応方法において、
    前記液液反応の進行に伴って発生する副生ガスを、液体を通さずに気体を通す気体透過部材を介して前記マイクロ流路外に随時透過しながら前記液液反応を行わせることを特徴とするマイクロリアクターを用いた反応方法。
  3. 前記マイクロ流路の等価直径は1mm以下であることを特徴とする請求項1又は2のマイクロリアクターを用いた反応方法。
  4. 前記マイクロ流路側の第1の圧力が該マイクロ流路の外側の第2の圧力よりも大きくなるように、前記第1及び第2の圧力を相対的に制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか1のマイクロリアクターを用いた反応方法。
  5. 複数の液体をそれぞれの液体供給路を通してマイクロ流路に合流させてこれらの液体を薄片状の層流として流通させつつ、液体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して液液反応を行わせるマイクロリアクターにおいて、
    前記液体供給路及び前記マイクロ流路のうちの少なくともマイクロ流路の流路壁の一部又は全部が、液体は通さずに気体を通す気体透過部材で形成されていることを特徴とするマイクロリアクター。
  6. 円環状のマイクロ流路に連通する複数の液体供給路を同心軸の多重円筒構造にして、複数の液体を前記液体供給路を通して前記マイクロ流路に合流させることにより、これらの液体を同心軸状に積層させて該同心軸に直交する断面が円環状の層流として流通させつつ、液体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して副生ガスを伴う液液反応を行わせる円環状流型のマイクロリアクターにおいて、
    前記液体供給路及び前記マイクロ流路のうちの少なくとも円環状のマイクロ流路の流路壁の一部又は全部が、液体は通さずに気体を通す気体透過部材で形成されていることを特徴とするマイクロリアクター。
  7. 前記マイクロ流路の等価直径は1mm以下であることを特徴とする請求項5又は6のマイクロリアクター。
  8. 前記気体透過部材を挟んで前記マイクロ流路反対側に形成され、前記液体供給路及び前記マイクロ流路のうちの少なくともマイクロ流路の流れ方向に沿った空洞部と、
    前記マイクロ流路側の第1の圧力が前記空洞部側の第2の圧力よりも大きくなるように、前記第1及び第2の圧力を相対的に制御する圧力制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項5〜7の何れか1のマイクロリアクター。
  9. 前記圧力制御手段は、前記空洞部を吸引して該空洞部を減圧する吸引方式であることを特徴とする請求項8のマイクロリアクター。
  10. 前記圧力制御手段は、前記空洞部に高速気流を発生させてピトー管現象を生じさせる気体流方式であることを特徴とする請求項8のマイクロリアクター。
  11. 前記圧力制御手段は、前記副生ガスが前記気体透過部材を透過する際の圧力損失以上の圧力を前記マイクロ流路側に加える加圧方式であることを特徴とする請求項8のマイクロリアクター。
  12. 前記マイクロリアクターの装置本体を本体部材と蓋部材とで構成し、前記液体供給路から前記マイクロ流路の終端に至る液体流路及び前記空洞部の両方を前記本体部材に形成し、前記液体流路と前記空洞部との間に前記気体透過部材を設けたことを特徴とする請求項5のマイクロリアクター。
  13. 前記マイクロリアクターの装置本体を本体部材と蓋部材とで構成し、前記液体供給路から前記マイクロ流路の終端に至る液体流路を前記本体部材に形成し、前記空洞部を前記蓋部材に形成し、本体部材と蓋部材とで前記気体透過部材を挟むことを特徴とする請求項5のマイクロリアクター。
  14. 前記マイクロリアクターの装置本体を形成する材料は、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック樹脂、シリコンの何れかであることを特徴とする請求項5〜13の何れか1のマイクロリアクター。
JP2004038517A 2004-02-10 2004-02-16 マイクロリアクターを用いた反応方法及びマイクロリアクター Pending JP2005224765A (ja)

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