JP2005222826A - 異方導電性シートの製造方法 - Google Patents

異方導電性シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005222826A
JP2005222826A JP2004030180A JP2004030180A JP2005222826A JP 2005222826 A JP2005222826 A JP 2005222826A JP 2004030180 A JP2004030180 A JP 2004030180A JP 2004030180 A JP2004030180 A JP 2004030180A JP 2005222826 A JP2005222826 A JP 2005222826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
material layer
magnetic field
conductive material
thickness direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004030180A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Igarashi
久夫 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2004030180A priority Critical patent/JP2005222826A/ja
Priority to PCT/JP2005/001419 priority patent/WO2005076418A1/ja
Priority to CN 200580004183 priority patent/CN1918756A/zh
Priority to TW94103240A priority patent/TW200527754A/zh
Publication of JP2005222826A publication Critical patent/JP2005222826A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/02Contact members
    • H01R13/22Contacts for co-operating by abutting
    • H01R13/24Contacts for co-operating by abutting resilient; resiliently-mounted
    • H01R13/2407Contacts for co-operating by abutting resilient; resiliently-mounted characterized by the resilient means
    • H01R13/2414Contacts for co-operating by abutting resilient; resiliently-mounted characterized by the resilient means conductive elastomers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/20Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder
    • H01F1/22Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder pressed, sintered, or bound together
    • H01F1/24Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder pressed, sintered, or bound together the particles being insulated
    • H01F1/26Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder pressed, sintered, or bound together the particles being insulated by macromolecular organic substances
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids
    • H01F1/447Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids characterised by magnetoviscosity, e.g. magnetorheological, magnetothixotropic, magnetodilatant liquids
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/02Contact members
    • H01R13/03Contact members characterised by the material, e.g. plating, or coating materials

Landscapes

  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】 小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示す異方導電性シートを製造することができる方法を提供する。
【解決手段】 本発明の異方導電性シートの製造方法は、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、異方導電性シートの製造方法に関し、更に詳しくはウエハに形成された集積回路などの回路装置の電気的検査に好適に用いることができる異方導電性シートの製造方法に関する。
異方導電性エラストマーシートは、厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するものであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を達成することが可能であること、機械的な衝撃やひずみを吸収してソフトな接続が可能であることなどの特長を有するため、このような特長を利用して、例えば電子計算機、電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピューターキーボードなどの分野において、回路装置、例えばプリント回路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間の電気的な接続を達成するためのコネクターとして広く用いられている。
また、パッケージIC、MCM等の半導体集積回路装置、集積回路が形成されたウエハ、プリント回路基板などの回路装置の電気的検査においては、検査対象である回路装置の一面に形成された被検査電極と、検査用回路基板の表面に形成された検査用電極との電気的な接続を達成するために、電気回路部品の被検査電極領域と検査用回路基板の検査用電極領域との間に異方導電性エラストマーシートを介在させることが行われている。
従来、このような異方導電性エラストマーシートとしては、種々の構造のものが知られており、例えば特許文献1等には、磁性を示す導電性粒子をエラストマー中に厚み方向に並ぶよう配向した状態で分散させて得られる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「分散型異方導電性シート」という。)が開示され、また、特許文献2等には、磁性を示す導電性粒子をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電路形成部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「偏在型異方導電性シート」という。)が開示され、更に、特許文献3等には、導電路形成部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性シートが開示されている。
これらの異方導電性エラストマーシートにおいては、弾性高分子物質中に導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されて導電性粒子の連鎖が形成されており、この導電性粒子の連鎖によって導電路が形成される。
このような異方導電性エラストマーシートは、従来、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、当該導電性材料層中の導電性粒子を厚み方向に並ぶよう配向させ、次いで、導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後または磁場の作用を継続しながら、当該導電性材料層を硬化処理する工程を経由して製造されている。
しかしながら、従来の異方導電性エラストマーシートの製造方法においては、以下のような問題があることが判明した。
小さい加圧力で高い導電性を示す異方導電性シートを製造するためには、導電性材料層に対して磁場を作用させる工程において、厚み方向すなわち導電性材料層の表面に対して垂直な方向に導電性粒子の連鎖を形成することが肝要である。
然るに、磁場を作用させる前の導電性材料層においては、導電性粒子が当該導電性材料層中に均一に分散した状態で存在するため、導電性材料層の厚み方向に磁場を作用させても、図26に示すように、導電性粒子Pの連鎖は、導電性材料層80の厚み方向のみならず、厚み方向に対して傾斜した方向にも形成されてしまう。しかも、この状態においては、磁気力学的に安定で、個々の導電性粒子が磁気力によって拘束されているため、磁場の作用を継続しても、導電性粒子が厚み方向に連鎖を形成するよう移動することがない。そして、この状態で、導電性材料層80が硬化処理されることにより、得られる異方導電性シートは、導電性粒子の連鎖が厚み方向に対して傾斜した方向にも形成されたものとなり、そのため、小さい加圧力で高い導電性を得ることが困難となる。
また、分散型異方導電性シートにおいては、導電性粒子の連鎖が厚み方向に対して傾斜した方向に形成されている場合には、高い分解能、すなわち隣接する電極間に必要な絶縁性が確保された状態で当該電極の各々に対する電気的な接続を高い信頼性で達成する性能を得ることが困難である。
更に、偏在型異方導電性シートの製造方法においては、以下のような問題がある。
偏在型異方導電性シートの製造プロセスにおいては、図27に示すように、基板91上に、形成すべき導電路形成部と同一のパターンに従って強磁性体層92が形成され、それ以外の領域に非磁性体層93が形成されてなる上型90と、基板96上に、上型90の強磁性体層92と対掌なパターンに従って強磁性体層97が形成され、それ以外の領域に非磁性体層98が配置されてなる下型95との間に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子Pが分散されてなる導電性材料層80を形成する。次いで、上型90の上面および下型95の下面に一対の電磁石(図示せず)を配置してこれを作動させることにより、導電性材料層80における上型90の強磁性体層92と下型95の強磁性体層97との間に位置する部分に、それ以外の部分より大きい強度の磁場を作用させる。その結果、導電性材料層80中に分散されていた導電性粒子Pが、上型90の強磁性体層92と下型95の強磁性体層97との間に位置する部分すなわち導電路形成部となる部分に集合すると共に、厚み方向に並ぶよう配向する。そして、この状態で、導電性材料層80の硬化処理が行われる。
然るに、導電性材料層80における、互いに隣接する導電路形成部となる部分の間の中央位置に存在する導電性粒子Pは、当該導電性粒子Pに作用する磁場のバランスにより、導電路形成部となる部分に向かって移動せずに滞留することがあり、このような導電性粒子Pに他の導電性粒子Pが連なることにより、図28に示すように、上型90の強磁性体層92とこれに対応する下型95の強磁性体層97に隣接する強磁性体層97との間に、導電性粒子Pの連鎖が形成され、その結果、隣接する導電路形成部間に所要の絶縁性が確保された異方導電性シートを得ることが困難となる。このような現象は、導電路形成部のピッチが小さければ小さい程、顕著である。
特開昭51−93393号公報 特開昭53−147772号公報 特開昭61−250906号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示す異方導電性シートを製造することができる方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を相互に絶縁する絶縁部とを有する異方導電性シートの製造方法であって、小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示し、しかも、導電路形成部のピッチが小さいものであっても、隣接する導電路形成部間に所要の絶縁性が確実に得られる異方導電性シートを製造することができる方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる異方導電性シートの製造方法であって、小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示し、しかも、高い分解能を有する異方導電性シートを製造することができる方法を提供することにある。
本発明の異方導電性シートの製造方法は、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、
この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を相互に絶縁する絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部とを有する異方導電性シートを製造する方法であって、
硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、導電路形成部となる部分にそれ以外の部分より大きい強度の磁場を当該導電性材料層の厚み方向に作用させることにより、当該導電路形成部となる部分に導電性粒子を集合させて当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、
この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる異方導電性シートを製造する方法であって、
硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、
この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を相互に絶縁する絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部とを有する異方導電性シートを製造する方法であって、
形成すべき導電路形成部のパターンに対応するパターンに従って複数の貫通孔が形成された、絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部用シート体を用意し、
この絶縁部用シート体の貫通孔の各々に充填された、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、
この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする。
本発明の異方導電性シートの製造方法においては、導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作において、導電性材料層に再度作用させる磁場の磁束線の方向が、停止前の磁場の磁束線の方向と逆方向であることが好ましい。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法においては、導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を繰り返して行うことが好ましい。
このような製造方法においては、導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を5回以上行うことが好ましい。
本発明の異方導電性シートの製造方法によれば、導電性材料層に対する磁場の作用を一旦停止するため、この停止状態においては、導電性材料層中の個々の導電性粒子が磁気力による拘束から開放される。そして、再度、導電性材料層に対して厚み方向に磁場を作用させることにより、この動作がトリガーとなって、導電性粒子の移動が再度開始するため、導電性材料層の厚み方向に対してより忠実な方向に導電性粒子の連鎖が形成される。
このように、厚み方向に対して傾斜した方向に導電性粒子の連鎖が形成されることを抑制することができるので、小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示す異方導電性シートを製造することができる。
また、複数の導電路形成部が絶縁部によって相互に絶縁されてなる偏在型異方導電性シートを製造する場合には、隣接する導電路形成部間を結ぶような導電性粒子の連鎖が形成されることが防止されるので、導電路形成部のピッチが小さいものであっても、隣接する導電路形成部間に所要の絶縁性が確実に得られる異方導電性シートを製造することができる。
また、分散型異方導電性シートを製造する場合には、厚み方向に対して傾斜した方向に導電性粒子の連鎖が形成されることが抑制されるので、高い分解能を有する異方導電性シートを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の方法]
第1の方法は、図1に示すような構成の異方導電性シート10を製造する方法である。 異方導電性シート10について説明すると、この異方導電性シート10は偏在型異方導電性シートであって、接続すべき電極例えば検査対象である回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成部11と、これらの導電路形成部11を相互に絶縁する絶縁部12とにより構成されている。導電路形成部11の各々は、図2に拡大して示すように、絶縁性の弾性高分子物質E中に導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなるものであって、厚み方向に加圧されることにより、厚み方向に導電性粒子Pの連鎖による導電路が形成されるものである。図示の例では、導電路形成部11の各々は、絶縁部12の両面の各々から突出するよう形成されている。これに対して、絶縁部12は、絶縁性の弾性高分子物質よりなり、導電性粒子Pが全く或いは殆ど含有されていないものであって、厚み方向および面方向に導電性を示さないものである。
また、この例の異方導電性シートにおいては、枠状のフレーム板15が絶縁部12の周縁部分に一体的に設けられている。
ここで、導電路形成部11における導電性粒子Pの含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%であることが好ましい。この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電路形成部11が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる導電路形成部11は脆弱なものとなりやすく、導電路形成部11として必要な弾性が得られないことがある。
また、導電路形成部11のピッチは、例えば60〜500μmであるが、このピッチが200μm以下である異方導電性シート10を製造する場合には、本発明の製造方法は極めて有効である。
このような異方導電性シート10を製造するための第1の方法においては、図3に示すような金型が用いられる。図3に示す金型について具体的に説明すると、この金型は、上型50およびこれと対となる下型55が、それぞれの成形面が互いに対向するよう配置されて構成され、上型50の成形面(図3において下面)と下型55の成形面(図3において上面)との間にキャビティが形成されている。
上型50においては、強磁性体基板51の下面に、製造すべき異方導電性シート10の導電路形成部11の配置パターンに対掌なパターンに従って強磁性体層52が形成され、この強磁性体層52以外の個所には、当該強磁性体層52の厚みより大きい厚みを有する非磁性体層53が形成されており、これにより、上型50の成形面における強磁性体層52が位置する個所には、凹所が形成されている。
一方、下型55においては、強磁性体基板56の上面に、製造すべき異方導電性シート10の導電路形成部11の配置パターンと同一のパターンに従って強磁性体層57が形成され、この強磁性体層57以外の個所には、当該強磁性体層57の厚みより大きい厚みを有する非磁性体層58が形成されており、これにより、下型55の成形面における強磁性体層57が位置する個所には、凹所が形成されている。
上型50および下型55の各々における強磁性体基板51,56を構成する材料としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属を用いることができる。この強磁性体基板51,56は、その厚みが0.1〜50mmであることが好ましく、表面が平滑で、化学的に脱脂処理され、また、機械的に研磨処理されたものであることが好ましい。
また、上型50および下型55の各々における強磁性体層52,57を構成する材料としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属を用いることができる。この強磁性体層52,57は、その厚みが10μm以上であることが好ましい。この厚みが10μm未満である場合には、金型内に形成される導電性材料層に対して、十分な強度分布を有する磁場を作用させることが困難となり、この結果、当該導電性材料層における導電路形成部を形成すべき部分に導電性粒子を高密度に集合させることが困難となるため、良好な異方導電性を有するシートが得られないことがある。
また、上型50および下型55の各々における非磁性体層53,58を構成する材料としては、銅などの非磁性金属、耐熱性を有する高分子物質などを用いることができるが、フォトリソグラフィーの手法により容易に非磁性体層53,58を形成することができる点で、放射線によって硬化された高分子物質を用いることが好ましく、その材料としては、例えばアクリル系のドライフィルムレジスト、エポキシ系の液状レジスト、ポリイミド系の液状レジストなどのフォトレジストを用いることができる。
また、非磁性体層53,58の厚みは、強磁性体層52,57の厚み、目的とする異方導電性シート10の導電路形成部11の突出高さに応じて設定される。
そして、第1の方法においては、
金型内に、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層を形成する工程(a−1)と、
前記導電性材料層に対して、導電路形成部となる部分にそれ以外の部分より大きい強度の磁場を当該導電性材料層の厚み方向に作用させることにより、当該導電路形成部となる部分に導電性粒子を集合させて当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程(b−1)と、
前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後または磁場の作用を継続しながら、当該導電性材料層を硬化処理する工程(c−1)と
を経由して、異方導電性シート10が製造される。
以下、各工程について具体的に説明する。
工程(a−1):
工程(a−1)においては、先ず、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子を分散させることにより、導電性材料を調製する。
導電性材料を調製するための高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムなどが挙げられる。
これらの中では、耐久性、成形加工性、電気特性などの観点から、シリコーンゴムが好ましい。
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
また、付加型の液状シリコーンゴムとしては、ビニル基とSi−H結合との反応によって硬化するものであって、ビニル基およびSi−H結合の両方を含有するポリシロキサンからなる一液型(一成分型)のもの、およびビニル基を含有するポリシロキサンおよびSi−H結合を含有するポリシロキサンからなる二液型(二成分型)のもののいずれも用いることができるが、二液型の付加型液状シリコーンゴムを用いることが好ましい。
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる異方導電性シート10の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる異方導電性シート10の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
また、回路装置のプローブ試験またはバーンイン試験などに用いられる異方導電性シート10を製造する場合には、液状シリコーンゴムとして、その硬化物の150℃における圧縮永久歪みが10%以下であるものを用いることが好ましく、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下である。この圧縮永久歪みが10%を超える場合には、得られる異方導電性シート10を多数回にわたって繰り返し使用したとき或いは高温環境下において繰り返し使用したときには、導電路形成部11に永久歪みが発生しやすく、これにより、導電路形成部11における導電性粒子の連鎖に乱れが生じる結果、所要の導電性を維持することが困難となることがある。
ここで、液状シリコーンゴムの硬化物の圧縮永久歪みは、JIS K 6249に準拠した方法によって測定することができる。
また、液状シリコーンゴムとしては、その硬化物の23℃におけるデュロメーターA硬度が10〜60のものを用いることが好ましく、さらに好ましくは15〜60、特に好ましくは20〜60のものである。このデュロメーターA硬度が10未満である場合には、加圧されたときに、導電路形成部11を相互に絶縁する絶縁部12が過度に歪みやすく、導電路形成部11間の所要の絶縁性を維持することが困難となることがある。一方、このデュロメーターA硬度が60を超える場合には、導電路形成部11に適正な歪みを与えるために相当に大きい荷重による加圧力が必要となるため、例えば検査対象物の変形や破損が生じやすくなる。
ここで、液状シリコーンゴムの硬化物のデュロメーターA硬度は、JIS K 6249に準拠した方法によって測定することができる。
また、液状シリコーンゴムとしては、その硬化物の23℃における引き裂き強度が8kN/m以上のものを用いることが好ましく、さらに好ましくは10kN/m以上、より好ましくは15kN/m以上、特に好ましくは20kN/m以上のものである。この引き裂き強度が8kN/m未満である場合には、異方導電性シート10に過度の歪みが与えられたときに、耐久性の低下を起こしやすい。
ここで、液状シリコーンゴムの硬化物の引き裂き強度は、JIS K 6249に準拠した方法によって測定することができる。
また、液状シリコーンゴムとしては、その23℃における粘度が100〜1,250Pa・sのものを用いることが好ましく、さらに好ましくは150〜800Pa・s、特に好ましくは250〜500Pa・sのものである。この粘度が100Pa・s未満である場合には、得られる導電性材料において、当該液状シリコーンゴム中における導電性粒子の沈降が生じやすく、良好な保存安定性が得られず、また、後述する工程(b−1)において、導電性材料層に対して厚み方向に磁場を作用させたときに、導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向せず、均一な状態で導電性粒子の連鎖を形成することが困難となることがある。一方、この粘度が1,250Pa・sを超える場合には、得られる導電性材料が粘度の高いものとなるため、金型内に導電性材料層を形成しにくいものとなることがあり、また、導電性材料層に対して厚み方向に磁場を作用させても、導電性粒子が十分に移動せず、そのため、導電性粒子を厚み方向に並ぶよう配向させることが困難となることがある。
ここで、液状シリコーンゴムの粘度は、B型粘度計によって測定することができる。
高分子物質形成材料中には、当該高分子物質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
高分子物質形成材料は、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材が含有されてなるものが含有されてなるものであってもよい。このような無機充填材が含有されることにより、得られる導電性材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子Pの分散安定性が向上すると共に、硬化処理されて得られる異方導電性シート10の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、多量に使用すると、後述する工程(b−1)において、磁場による導電性粒子Pの移動が大きく阻害されるため、好ましくない。
導電性材料を調製するための導電性粒子としては、磁性を示すものが用いられ、その具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキにより行うことができる。
導電性粒子として、芯粒子の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは3.5〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3.5〜25重量%、さらに好ましくは4〜20重量%である。また、被覆される導電性金属が銀である場合には、その被覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましくは5〜23重量%、特に好ましくは6〜20重量%である。
また、導電性粒子の粒子径は、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2〜300μm、さらに好ましくは3〜200μm、特に好ましくは5〜150μmである。
また、導電性粒子の粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、得られる異方導電性シート10は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該異方導電性シート10における導電路形成部11において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子の形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
また、導電性粒子の含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、後述する工程(c−1)において、導電性材料層を硬化処理する際に、当該導電性材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
このような導電性材料を、例えばスクリーン印刷法によって、図3に示す金型における上型50の成形面および下型55の成形面のいずれか一方または両方に塗布し、その後、図4に示すように、導電性材料が塗布された下型55に、下側スペーサー59、フレーム板15、上側スペーサー54および導電性材料が塗布された上型50を下からこの順で重ね合わせることにより、金型における上型50および下型55の間のキャビティ内に、高分子形成材料中に導電性粒子Pが含有されてなる導電性材料層10Aが形成される。この導電性材料層10Aにおいては、図5に示すように、導電性粒子Pは当該導電性材料層10A中に分散された状態である。
以上において、フレーム板15を構成する材料としては、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料などの種々の材料を用いることができ、その具体例としては、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト、マグネシウム、マンガン、モリブデン、インジウム、鉛、パラジウム、チタン、タングステン、アルミニウム、金、白金、銀などの金属またはこれらを2種以上組み合わせた合金若しくは合金鋼などの金属材料、窒化珪素、炭化珪素、アルミナなどのセラミックス材料、アラミッド不繊布補強型エポキシ樹脂、アラミッド不繊布補強型ポリイミド樹脂、アラミッド不繊布補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂などの樹脂材料が挙げられる。
また、バーンイン試験に用いられる異方導電性シート10を製造する場合には、フレーム板15を構成する材料としては、線熱膨張係数が検査対象であるウエハを構成する材料の線熱膨張係数と同等若しくは近似したものを用いることが好ましい。具体的には、ウエハを構成する材料がシリコンである場合には、線熱膨張係数が1.5×10-4/K以下、特に、3×10-6〜8×10-6/Kのものを用いることが好ましく、その具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42アロイなどの金属材料、アラミッド不繊布補強型有機樹脂材料が挙げられる。
また、フレーム板15の厚みは、例えば0.03〜1mm、好ましくは0.05〜0.25mmである。
工程(b−1):
工程(b−1)においては、工程(a−1)において形成された導電性材料層10Aに対して、導電路形成部となる部分にそれ以外の部分より大きい強度の磁場を当該導電性材料層10Aの厚み方向に作用させることにより、当該導電路形成部となる部分に導電性粒子を集合させて当該導電性材料層10Aの厚み方向に並ぶよう配向させる。
具体的に説明すると、図6に示すように、上側電磁石61および下側電磁石65を有してなり、それぞれの磁極62,66が互いに対向するよう配置された電磁石装置60を用意し、この電磁石装置60における上側電磁石61の磁極62と下側電磁石65の磁極66との間に、キャビティ内に導電性材料層10Aが形成された金型を配置する。次いで、電磁石装置60を作動させることにより、上型50の強磁性体層52とこれに対応する下型55の強磁性体層57との間には、上型50の非磁性体層53と下型55の非磁性体層との間より強度の大きい磁場が形成される。すなわち、導電性材料層10Aに、導電路形成部となる部分にそれ以外の部分より大きい強度の磁場を作用させ、これにより、導電性材料層10A中に分散されている導電性粒子Pを導電路形成部となる部分に集合させて当該導電性材料層10Aの厚み方向に並ぶよう配向させる。
ここで、導電性材料層10Aに作用させる磁場の強度は、平均で0.02〜2.5テスラとなる大きさが好ましい。
また、この工程(b−1)は、導電性材料層10Aの硬化を促進しない条件下、例えば室温下で行われることが好ましい。
そして、第1の方法においては、この工程(b−1)において、導電性材料層10Aに対する磁場の作用を一旦停止し、その後、再度、導電性材料層10Aに対して磁場を作用させる操作(以下、この操作を「再作動操作」という。)が少なくとも1回行われる。この再作動操作は、具体的には、電磁石装置60の作動を停止した後、再度、電磁石装置60を作動させることによって行われる。
この再作動操作において、導電性材料層10Aに対する磁場の作用を停止してから、再度、導電性材料層10Aに対して磁場を作用させるまでの時間(以下、「作動停止時間」という。)は、導電性材料層10Aの粘度、導電性材料層10A中の導電性粒子の割合、導電性粒子の平均粒子径などを考慮して適宜設定されるが、200秒間以下であることが好ましく、より好ましくは60秒間以下である。
この作動停止時間が過大である場合には、工程(b−1)に要する時間が長くなりすぎて製造工程全体を通しての生産効率が極めて低いものとなると共に、液状の高分子物質形成材料の硬化が開始するため、導電性材料層10Aの粘度が変化する結果、十分な効果が得られないことがある。
また、再作動操作において、導電性材料層10Aに再度作用させる磁場は、その磁束線の方向が停止前の磁場の磁束線の方向と同方向のものであっても、停止前の磁場の磁束線の方向と逆方向のものであってもよいが、残留磁場の影響が少ない点で、停止前の磁場の磁束線の方向と逆方向のものであることが好ましい。
また、磁束線の方向が停止前の磁場の磁束線と逆方向の磁場を作用させる場合には、当該磁場の強度は、停止前の磁場の強度と同程度であることが好ましい。
磁束線の方向が停止前の磁場の磁束線の方向と逆方向である磁場を作用させるためには、電磁石装置60における上型電磁石61の磁極62の極性および下型電磁石65の磁極66の極性を変更すればよい。
具体的に説明すると、導電性材料層10Aに対して最初に磁場を作用させるときに、例えば上型電磁石61の磁極62がN極および下型電磁石65の磁極66がS極となる条件で、電磁石装置60を作動させる。この状態においては,上型50の強磁性体層52がN極、下型55の強磁性体層57がS極として機能するため、図7に示すように、導電性材料層10Aに作用する磁場における磁束線の方向は、上型50の強磁性体層52からこれに対応する下型55の強磁性体層57に向う方向、すなわち上から下に向かう方向である。このようにして、導電性材料層10Aに磁場を作用させた状態で所定の時間が経過した後、電磁石装置60の作動を一旦停止する。その後、上型電磁石61の磁極62がS極および下型電磁石65の磁極66がN極となる条件で、再度、電磁石装置60を作動させる。この状態においては,上型50の強磁性体層52がS極、下型55の強磁性体層57がN極として機能するため、図8に示すように、導電性材料層10Aに作用する磁場における磁束線の方向は、下型55の強磁性体層57からこれに対応する上型50の強磁性体層52に向う方向、すなわち下から上に向かう方向である。
このような方法によれば、電磁石装置60の作動を停止したときに、残留磁場が生じていても、電磁石装置60を再度作動させることによって消磁されるので、残留磁場による影響が少なくなる。
また、再作動操作は、工程(b−1)において少なくとも1回行われればよいが、繰り返して行われることが好ましく、具体的には、再作動操作の回数が5回以上であることが好ましく、より好ましくは10〜500回である。
再作動操作の回数が過小である場合には、導電性材料層10A中の個々の導電性粒子Pが磁気力による拘束から開放される機会が少なく、従って、導電性粒子Pの移動が再度開始する機会が少ないため、導電性材料層10Aの厚み方向に対してより忠実な方向に導電性粒子Pの連鎖が形成されにくくなり、その結果、得られる異方導電性シートにおいて、隣接する導電路形成部間を結ぶような導電性粒子Pの連鎖が形成されることを確実に防止することが困難となることがある。
このように、再作動操作を繰り返して行う場合においては、再度、導電性材料層に対して磁場を作用させてから、当該導電性材料層に対する磁場の作用を停止するまでの時間(以下、「再作動時間」という。)は、導電性材料層10Aの粘度、導電性材料層10A中の導電性粒子の割合、導電性粒子の平均粒子径などを考慮して適宜設定されるが、10〜300秒間であることが好ましく、より好ましくは10〜200秒間である。
この再作動時間が過小である場合には、高い強度の磁場が形成されず、そのため、導電性材料層10A中の導電性粒子Pが十分に移動せず、その結果、導電性材料層10Aの厚み方向に対してより忠実な方向に導電性粒子Pの連鎖が形成されにくくなることがある。一方、再作動時間が過大である場合には、工程(b−1)に要する時間が長くなりすぎて製造工程全体を通しての生産効率が極めて低いものとなると共に、液状の高分子物質形成材料の硬化が開始するため、導電性材料層10Aの粘度が変化する結果、十分な効果が得られないことがある。
以上のようにして、工程(b−1)においては、図9に示すように、上型50の強磁性体層52とこれに対応する下型55の強磁性体層57との間の部分、すわなち導電路形成部となる部分に導電性粒子Pが厚み方向に配向した状態で密に含有された導電性材料層10Aが形成される。
工程(c−1):
工程(c−1)においては、導電路形成部となる部分に導電性粒子Pが厚み方向に配向した状態で密に含有された導電性材料層10Aに対して、硬化処理を行う。
導電性材料層10Aの硬化処理は、当該導電性材料層10Aに対する磁場の作用を停止した後に行われても、導電性材料層10Aに対して磁場を作用させながら行われてもよいが、磁場を作用させながら行われることが好ましい。
また、導電性材料層10Aの硬化処理は、使用される材料によって異なるが、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、導電性材料層10Aを構成する高分子物質形成材料の種類などを考慮して適宜設定される。
そして、導電性材料層10Aの硬化処理が終了した後、例えは室温に冷却して金型から取り出すことにより、図1および図2に示す異方導電性シート10が得られる。
以上のような第1の方法によれば、導電性材料層10Aに対する磁場の作用を一旦停止するため、この停止状態においては、導電性材料層10A中の個々の導電性粒子Pが磁気力による拘束から開放される。そして、導電性材料層10Aに対して、再度、厚み方向に磁場を作用させることにより、この動作がトリガーとなって、導電性粒子Pの移動が再度開始するため、導電性材料層10Aの厚み方向に対してより忠実な方向に導電性粒子Pの連鎖が形成される。
このように、厚み方向に対して傾斜した方向に導電性粒子Pの連鎖が形成されることを抑制することができるので、小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示し、しかも、隣接する導電路形成部間を結ぶような導電性粒子Pの連鎖が形成されることが防止されるので、導電路形成部11のピッチが小さいものであっても、隣接する導電路形成部11間に所要の絶縁性が確実に得られる異方導電性シート10を製造することができる。
[第2の方法]
第2の方法は、図10に示すような構成の異方導電性シート20を製造する方法である。
異方導電性シート20について説明すると、この異方導電性シート20は分散型異方導電性シートであって、図11にも拡大して示すように、絶縁性の弾性高分子物質E中に、導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向して導電性粒子Pの連鎖が形成された状態で、かつ、導電性粒子Pの連鎖が面方向に均一に分布した状態で含有されてなり、表面の任意の箇所を厚み方向に加圧することにより、当該箇所において厚み方向に導電性粒子Pの連鎖による導電路が形成されるものである。
ここで、異方導電性シート20における導電性粒子Pの含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%であることが好ましい。この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電路形成部11が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる異方導電性シート20は脆弱なものとなりやすく、異方導電性シート20として必要な弾性が得られないことがある。
そして、第2の方法においては、
適宜の支持体上に、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層を形成する工程(a−2)と、
前記導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程(b−2)と、
前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後または磁場の作用を継続しながら、当該導電性材料層を硬化処理する工程(c−2)と
を経由して、異方導電性シート20が製造される。
以下、各工程について具体的に説明する。
工程(a−2):
工程(a−2)においては、先ず、第1の方法における工程(a−1)と同様にして、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子を分散させることにより、導電性材料を調製する。
そして、図12に示すように、一方の支持体26、他方の支持体27およびスペーサー28からなる成形部材25を用意し、この成形部材25における他方の支持体27上に、導電性材料を、例えばスクリーン印刷法によって塗布し、その後、一方の支持体26をスペーサー27を介してを重ね合わせることにより、図13に示すように、一方の支持体26と他方の支持体27との間に導電性材料層20Aが形成される。この導電性材料層20Aにおいては、図14に示すように、導電性粒子Pは当該導電性材料層20A中に分散された状態である。
工程(b−2):
工程(b−2)においては、工程(a−2)において形成された導電性材料層20Aに対して、その厚み方向に作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層20Aの厚み方向に配向させる。
具体的に説明すると、図15に示すように、上側電磁石61および下側電磁石65を有してなり、それぞれの磁極62,66が互いに対向するよう配置された電磁石装置60を用意し、この電磁石装置60における上側電磁石61の磁極62と下側電磁石65の磁極66との間に、導電性材料層20Aが形成された成形部材25を配置する。次いで、電磁石装置60を作動させることにより、導電性材料層20Aに対してその厚み方向に磁場を作用させ、これにより、導電性材料層20A中に分散されている導電性粒子Pを当該導電性材料層20Aの厚み方向に並ぶよう配向させる。
ここで、導電性材料層20Aに作用させる磁場の強度は、平均で0.02〜2.5テスラとなる大きさが好ましい。
また、この工程(b−2)は、導電性材料層20Aの硬化を促進しない条件下、例えば室温下で行われることが好ましい。
そして、第2の方法においては、この工程(b−2)において、電磁石装置60の作動を停止した後、再度、電磁石装置60を作動させることによって、再作動操作が行われる。
この再作動操作において、導電性材料層20Aに再度作用させる磁場は、その磁束線の方向が停止前の磁場の磁束線の方向と同方向のものであっても、停止前の磁場の磁束線の方向と逆方向のものであってもよいが、残留磁場の影響が少ない点で、逆方向のものであることが好ましい。また、磁束線の方向が停止前の磁場の磁束線と逆方向の磁場を作用させる場合には、当該磁場の強度は、停止前の磁場の強度と同程度であることが好ましい。 また、再作動操作は、工程(b−2)において少なくとも1回行われればよいが、繰り返して行われることが好ましく、具体的には、再作動操作の回数が5回以上であることが好ましく、より好ましくは10〜500回である。
再作動操作の具体的な条件および再作動操作を繰り返す場合の具体的な条件は、前述の第1の方法における工程(b−1)で示したものと同様である。
以上のようにして、工程(b−2)においては、図16に示すように、導電性粒子Pが厚み方向に配向した状態で含有された導電性材料層20Aが形成される。
工程(c−2):
工程(c−2)においては、導電性粒子Pが厚み方向に配向した状態で含有された導電性材料層20Aに対して、硬化処理を行う。
導電性材料層20Aの硬化処理は、当該導電性材料層20Aに対する磁場の作用を停止した後に行われても、導電性材料層20Aに対して磁場を作用させながら行われてもよいが、磁場を作用させながら行われることが好ましい。
また、導電性材料層20Aの硬化処理は、使用される材料によって異なるが、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、導電性材料層20Aを構成する高分子物質形成材料の種類などを考慮して適宜設定される。
そして、導電性材料層20Aの硬化処理が終了した後、例えは室温に冷却して成形部材から取り出すことによって、図10および図11に示す異方導電性シート20が得られる。
このような第2の方法によれば、導電性材料層20Aに対する磁場の作用を一旦停止するため、この停止状態においては、導電性材料層20A中の個々の導電性粒子Pが磁気力による拘束から開放される。そして、導電性材料層20Aに対して、再度、厚み方向に磁場を作用させることにより、この動作がトリガーとなって、導電性粒子Pの移動が再度開始するため、導電性材料層20Aの厚み方向に対してより忠実な方向に導電性粒子Pの連鎖が形成される。
このように、厚み方向に対して傾斜した方向に導電性粒子Pの連鎖が形成されることを抑制することができるので、小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示し、しかも、高い分解能を有する異方導電性シート20を製造することができる。
[第3の方法]
第3の方法は、図17に示すような構成の異方導電性シート30を製造する方法である。
異方導電性シート30について説明すると、この異方導電性シート30は偏在型異方導電性シートであって、接続すべき電極例えば検査対象である回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成部31と、これらの導電路形成部31を相互に絶縁する絶縁部32とにより構成されている。導電路形成部31の各々は、図18に拡大して示すように、絶縁性の弾性高分子物質E中に導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなるものであって、厚み方向に加圧されることにより、厚み方向に導電性粒子Pの連鎖による導電路が形成されるものである。これに対して、絶縁部32は、絶縁性の弾性高分子物質よりなり、導電性粒子Pが全く含有されていないものであって、厚み方向および面方向に導電性を示さないものである。また、この例の異方導電性シート30においては、導電路形成部31の各々は、絶縁部32の一面(図において上面)から突出するよう形成されている。
ここで、導電路形成部31における導電性粒子Pの含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%であることが好ましい。この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電路形成部31が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる導電路形成部31は脆弱なものとなりやすく、導電路形成部31として必要な弾性が得られないことがある。
そして、第3の方法においては、
形成すべき導電路形成部のパターンに対応するパターンに従って複数の貫通孔が形成された、絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部用シート体を用意し、当該絶縁部用シート体の各貫通孔内に充填された、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層を形成する工程(a−3)と、
前記導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程(b−3)と、
前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後または磁場の作用を継続しながら、当該導電性材料層を硬化処理する工程(c−3)と
を経由して、異方導電性シート30が製造される。
以下、各工程について具体的に説明する。
工程(a−3):
工程(a−3)においては、先ず、図19に示すように、形成すべき導電路形成部31のパターンに対応するパターンに従って複数の貫通孔31Hが形成された、絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部用シート体32Aを製造する。
具体的に説明すると、図20に示すように、絶縁性の弾性高分子物質よりなるシート体32Bを用意し、このシート体32B上に、形成すべき導電路形成部のパターンに対応するパターンに従って複数の開口36が形成されたレーザー用マスク35を配置し、当該シート体32Bに、レーザー用マスク35の開口36を介してレーザー加工を施すことにより、図21に示すように、形成すべき導電路形成部のパターンに対応するパターンに従って複数の貫通孔31Hが形成された絶縁部用シート体32Aが得られる。
一方、第1の方法における工程(a−1)と同様にして、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子を分散させることにより、導電性材料を調製する。
そして、絶縁部用シート体32A上に配置されたレーザー用マスク35の表面に、導電性材料20Bを、例えばスクリーン印刷法によって塗布することにより、図22に示すように、絶縁部用シート体32の各貫通孔31Hおよびレーザー用マスク35の各開口36内に導電性材料層31Aが形成され、これにより、絶縁部用シート体32Aと、その一面に配置されたレーザー用マスク35と、絶縁部用シート体32の各貫通孔31Hおよびレーザー用マスク35の各開口36内に形成された導電性材料層31Aとからなる中間複合体34が得られる。この中間複合体34における導電性材料層31Aにおいては、図23に示すように、導電性粒子Pは当該導電性材料層31A中に分散された状態である。
工程(b−3):
工程(b−3)においては、工程(a−3)において形成された導電性材料層31Aに対して、その厚み方向に作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層31Aの厚み方向に配向させる。
具体的に説明すると、図24に示すように、上側電磁石61および下側電磁石65を有してなり、それぞれの磁極62,66が互いに対向するよう配置された電磁石装置60を用意し、この電磁石装置60における上側電磁石61の磁極62と下側電磁石65の磁極66との間に、中間複合体34を配置する。次いで、電磁石装置60を作動させることにより、中間複合体34における導電性材料層31Aの各々に対してその厚み方向に磁場を作用させ、これにより、導電性材料層31A中に分散されている導電性粒子Pを当該導電性材料層31Aの厚み方向に並ぶよう配向させる。
ここで、導電性材料層31Aに作用させる磁場の強度は、平均で0.02〜2.5テスラとなる大きさが好ましい。
また、この工程(b−3)は、導電性材料層31Aの硬化を促進しない条件下、例えば室温下で行われることが好ましい。
そして、第3の方法においては、この工程(b−3)において、電磁石装置60の作動を停止した後、再度、電磁石装置60を作動させることによって、再作動操作が行われる。
この再作動操作において、導電性材料層31Aに再度作用させる磁場は、その磁束線の方向が停止前の磁場の磁束線の方向と同方向のものであっても、停止前の磁場の磁束線の方向と逆方向のものであってもよいが、残留磁場の影響が少ない点で、逆方向のものであることが好ましい。また、磁束線の方向が停止前の磁場の磁束線と逆方向の磁場を作用させる場合には、当該磁場の強度は、停止前の磁場の強度と同程度であることが好ましい。 また、再作動操作は、工程(b−3)において少なくとも1回行われればよいが、繰り返して行われることが好ましく、具体的には、再作動操作の回数が5回以上であることが好ましく、より好ましくは10〜500回である。
再作動操作の具体的な条件および再作動操作を繰り返す場合の具体的な条件は、前述の第1の方法における工程(b−1)で示したものと同様である。
以上のようにして、工程(b−3)においては、図25に示すように、導電性粒子Pが厚み方向に配向した状態で密に含有された導電性材料層31Aが形成される。
工程(c−3):
工程(c−2)においては、導電性粒子Pが厚み方向に配向した状態で含有された導電性材料層31Aの各々に対して、硬化処理を行う。
導電性材料層31Aの硬化処理は、当該導電性材料層31Aの各々に対する磁場の作用を停止した後に行われても、導電性材料層31Aの各々に対して磁場を作用させながら行われてもよいが、磁場を作用させながら行われることが好ましい。
また、導電性材料層31Aの硬化処理は、使用される材料によって異なるが、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、導電性材料層31Aを構成する高分子物質形成材料の種類などを考慮して適宜設定される。
以上のようにして、導電性材料層31Aの各々が硬化処理されることにより、複数の導電路形成部が絶縁部によって相互に絶縁された状態で当該絶縁部に一体的に形成される。 そして、導電性材料層31Aの硬化処理が終了した後、例えは室温に冷却し、レーザー用マスク35を除去することによって、図17および図18に示す異方導電性シート30が得られる。
このような第3の方法によれば、導電性材料層31Aに対する磁場の作用を一旦停止するため、この停止状態においては、導電性材料層31A中の個々の導電性粒子Pが磁気力による拘束から開放される。そして、導電性材料層31Aに対して、再度、厚み方向に磁場を作用させることにより、この動作がトリガーとなって、導電性粒子Pの移動が再度開始するため、導電性材料層31Aの厚み方向に対してより忠実な方向に導電性粒子Pの連鎖が形成される。
このように、厚み方向に対して傾斜した方向に導電性粒子Pの連鎖が形成されることを抑制することができるので、小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示す異方導電性シート30を製造することができる。
また、絶縁部用シート体32Aの各貫通孔31H内に導電路形成部31を形成するため、導電性粒子Pが全く存在しない絶縁部32が形成されるので、導電路形成部31のピッチが小さいものであっても、隣接する導電路形成部31間に所要の絶縁性が確実に得られる異方導電性シート30を製造することができる。
本発明の異方導電性シートの製造方法は、上記の第1の方法〜第3の方法に限定されるものではなく、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有する全ての製造方法に適用することができる。
以下、本発明に係る異方導電性シートの製造方法の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
(1)フレーム板の作製:
以下の仕様のフレーム板を作製した。
フレーム板は、材質が4,2アロイで、寸法が25mm×25mm×0.03mmの矩形であり、その中央位置には、10.0mm×10.0mmの矩形の開口が形成されている。
(2)スペーサーの作製:
以下の仕様の上側スペーサーおよび下側スペーサーを作製した。
上側スペーサーおよび下側スペーサーは、材質がステンレス(SUS−304)で、寸法が25mm×25mm×0.03mmの矩形であり、その中央位置には、11.0mm×11.0mmの矩形の開口が形成されている。
(3)金型の作製:
図3に示す構成に従い、下記の仕様の金型を作製した。
上型(50)および下型(55)は、それぞれ厚みが6mmの4,2アロイよりなる強磁性体基板(51,56)を有し、各強磁性体基板(51,56)の表面上には、それぞれニッケル−コバルトよりなる2000個の矩形の強磁性体層(52,57)が形成されている。強磁性体層(52,57)の各々の寸法は80μm(縦)×80μm(横)×50μm(厚み)で、配置ピッチが130μmである。また、強磁性体基板(51,56)の表面における強磁性体層(52,57)が形成された以外の領域には、ドライフィルムレジストが硬化処理されてなる厚みが80μmの非磁性体層(53,58)が形成されている。
(4)工程(a−1):
付加型液状シリコーンゴム100重量部に、平均粒子径が8.7μmの導電性粒子140重量部を添加して混合した後、減圧による脱泡処理を行うことにより、導電性材料を調製した。
この導電性材料を、スクリーン印刷法によって、上記の金型における上型の成形面および下型の成形面に塗布し、その後、下型に、下側スペーサー、フレーム板、下側スペーサーおよび上型を下からこの順で重ね合わせることにより、上型および下型の間のキャビティ内に導電性材料層を形成した。
以上において、導電性粒子としては、ニッケル粒子を芯粒子とし、この芯粒子に無電解金メッキが施されてなるもの(平均被覆量:芯粒子の重量の25重量%となる量)を用いた。
また、付加型液状シリコーンゴムとしては、A液の粘度が250Pa・sで、B液の粘度が250Pa・sである二液型のものであって、硬化物の150℃における永久圧縮歪みが5%、硬化物のデュロメーターA硬度が35、硬化物の引裂強度が25kN/mのものを用いた。
また、上記の付加型液状シリコーンゴムおよびその硬化物の特性は、次のようにして測定した。
(i)付加型液状シリコーンゴムの粘度:
B型粘度計により、23±2℃における粘度を測定した。
(ii)シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪み:
二液型の付加型液状シリコーンゴムにおけるA液とB液とを等量となる割合で攪拌混合した。次いで、この混合物を金型に流し込み、当該混合物に対して減圧による脱泡処理を行った後、120℃、30分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚みが12.7mm、直径が29mmのシリコーンゴム硬化物よりなる円柱体を作製し、この円柱体に対して、200℃、4時間の条件でポストキュアを行った。このようにして得られた円柱体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して150±2℃における圧縮永久歪みを測定した。
(iii)シリコーンゴム硬化物の引裂強度:
上記(ii)と同様の条件で付加型液状シリコーンゴムの硬化処理およびポストキュアを行うことにより、厚みが2.5mmのシートを作製した。このシートから打ち抜きによってクレセント形の試験片を作製し、JIS K 6249に準拠して23±2℃における引裂強度を測定した。
(iv)デュロメーターA硬度:
上記(iii)と同様にして作製されたシートを5枚重ね合わせ、得られた積重体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して23±2℃におけるデュロメーターA硬度を測定した。
(5)工程(b−1):
上側電磁石および下側電磁石を有してなり、それぞれの磁極が互いに対向するよう配置された電磁石装置を用意し、この電磁石装置における上側電磁石の磁極と下側電磁石の磁極との間に、上記の導電性材料層が形成された金型をセットした。次いで、室温で、電磁石装置を15秒間作動させることにより、導電性材料層における導電路形成部となる部分に1.6Tの強度の磁場を作用させ、更に、再作動操作を合計で200回行いながら、導電路形成部となる部分に磁場を作用させた。ここで、再作動操作の条件は、作動停止時間が5秒間、再作動時間が15秒間、再度作用させる磁場の磁束線の方向が停止前の磁場の磁束線の方向と逆方向であり、再度、導電性材料層における導電路形成部となる部分に対して磁場を作用させたときの当該磁場の強度は、いずれも1.6Tである。
(6)工程(c−1):
電磁石装置における上側電磁石の磁極と下側電磁石の磁極との間に、金型をセットしたままの状態で、当該電磁石装置を作動させることにより、導電性材料層における導電路形成部となる部分に1.6Tの強度の磁場を作用させながら、100℃で2時間の条件で、当該導電性材料の硬化処理を行い、次いで、室温に冷却した後、金型から取り出すことにより、絶縁部の周縁部分にフレーム板が一体的に設けられた異方導電性シートを製造した。
得られた異方導電性シートにおいては、2000個の矩形の導電路形成部が130μmのピッチで配置されており、導電路形成部は、縦横の寸法が80μm×80μm、厚みが150μm、絶縁部の両面からの突出高さがそれぞれ30μmであり、絶縁部の厚みが90μmであった。
また、導電路形成部中の導電性粒子の含有割合を調べたところ、全ての導電路形成部について体積分率で約30%であった。
〈比較例1〉
工程(b−1)において、再作動操作を行わずに、電磁石装置を4000秒間作動させることにより、導電性材料層における導電路形成部となる部分に1.6Tの強度の磁場を作用させたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁部の周縁部分にフレーム板が一体的に設けられた異方導電性シートを製造した。
得られた異方導電性シートにおいては、2000個の矩形の導電路形成部が130μmのピッチで配置されており、導電路形成部は、縦横の寸法が80μm×80μm、厚みが150μm、絶縁部の両面からの突出高さがそれぞれ30μmであり、絶縁部の厚みが90μmであった。
また、導電路形成部中の導電性粒子の含有割合を調べたところ、全ての導電路形成部について体積分率で約30%であった。
〔異方導電性シートの評価〕
導電路形成部の導電性:
異方導電性シートの全ての導電路形成部を、その厚み方向の歪み率が10%、20%、30%および40%となるよう加圧した状態で、当該導電路形成部の各々の厚み方向の電気抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
導電路形成部間の絶縁性:
異方導電性シートの全ての導電路形成部を、その厚み方向の歪み率が20%となるよう加圧した状態で、隣接する導電路形成部間の電気抵抗値を測定し、その値が1MΩ未満のものの数を求めた。その結果を表1に示す。

Figure 2005222826
表1の結果から明らかなように、実施例1によれば、小さい加圧力で加圧しても、電気抵抗値が低くて安定な導電性を示す導電路形成部を有し、しかも、隣接する導電路形成部間に所要の絶縁性を有する異方導電性シートが得られることが確認された。
本発明の製造方法によって得られる異方導電性シートの一例における構成を示す説明用断面図である。 図1に示す異方導電性シートの要部を拡大して示す説明用断面図である。 図1に示す異方導電性シートを製造するために用いられる金型の構成を示す説明用断面図である。 図1に示す金型おける上型および下型の成形面に導電性材料が塗布された状態を示す説明用断面図である。 金型のキャビティ内に導電性材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。 金型が電磁石装置にセットされた状態を示す説明用断面図である。 停止前の磁場における磁束線の方向を示す説明用断面図である。 再度作用させた磁場における磁束線の方向を示す説明用断面図である。 導電性材料層中の導電性粒子が導電路形成部となる部分に集合して厚み方向に並ぶよう配向した状態を示す説明用断面図である。 本発明の製造方法によって得られる異方導電性シートの他の例における構成を示す説明用断面図である。 図10に示す異方導電性シートの要部を拡大して示す説明用断面図である。 図10に示す異方導電性シートを製造するために用いられる成形部材の構成を示す説明用断面図である。 成形部材における一方の支持体および他方の支持体の間に導電性材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。 導電性材料層を拡大して示す説明用断面図である。 成形部材が電磁石装置にセットされた状態を示す説明用断面図である。 導電性材料層中の導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態を示す説明用断面図である。 本発明の製造方法によって得られる異方導電性シートの更に他の例における構成を示す説明用断面図である。 図17に示す異方導電性シートの要部を拡大して示す説明用断面図である。 図17に示す異方導電性シートを製造するための絶縁部用シート体の構成を示す説明用断面図である。 絶縁部用シート体を得るためのシート体上にレーザー用マスクが配置された状態を示す説明用断面図である。 絶縁部用シート体が形成された状態を示す説明用断面図である。 レーザー用マスクと絶縁部用シート体と導電性材料層とからなる中間複合体を示す説明用断面図である。 中間複合体における導電性材料層を拡大して示す説明用断面図である。 中間複合体が電磁石装置にセットされた状態を示す説明用断面図である。 導電性材料層中の導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態を示す説明用断面図である。 従来の異方導電性シートの製造方法において、導電性材料層中の導電性粒子の連鎖が厚み方向に対して傾斜した方向に形成された状態を示す説明用断面図である。 従来の異方導電性シートの製造方法において、上型と下型との間に導電性材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。 従来の異方導電性シートの製造方法において、上型の強磁性体層とこれに対応する下型の強磁性体層に隣接する強磁性体層との間に、導電性粒子の連鎖が形成された状態を示す説明用断面図である。
符号の説明
10 異方導電性シート
10A 導電性材料層
11 導電路形成部
12 絶縁部
15 フレーム板
20 異方導電性シート
20A 導電性材料層
25 成形部材
26 一方の支持体
27 他方の支持体
28 スペーサー
30 異方導電性シート
31 導電路形成部
31A 導電性材料層
31H 貫通孔
32 絶縁部
32A 絶縁部用シート体
32B シート体
34 中間複合体
35 レーザー用マスク
36 開口
50 上型
51 強磁性体基板
52 強磁性体層
53 非磁性体層
54 上側スペーサー
55 下型
56 強磁性体基板
57 強磁性体層
58 非磁性体層
59 下側スペーサー
60 電磁石装置
61 上側電磁石
62 磁極
65 下側電磁石
66 磁極
90 上型
91 基板
92 強磁性体層
93 非磁性体層
95 下型
96 基板
97 強磁性体層
98 非磁性体層
80 導電性材料層
P 導電性粒子
E 弾性高分子物質

Claims (7)

  1. 硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、
    この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
  2. 絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を相互に絶縁する絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部とを有する異方導電性シートを製造する方法であって、
    硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、導電路形成部となる部分にそれ以外の部分より大きい強度の磁場を当該導電性材料層の厚み方向に作用させることにより、当該導電路形成部となる部分に導電性粒子を集合させて当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、
    この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
  3. 絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる異方導電性シートを製造する方法であって、
    硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、
    この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
  4. 絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を相互に絶縁する絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部とを有する異方導電性シートを製造する方法であって、
    形成すべき導電路形成部のパターンに対応するパターンに従って複数の貫通孔が形成された、絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部用シート体を用意し、
    この絶縁部用シート体の貫通孔の各々に充填された、硬化されて絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に導電性粒子が含有されてなる導電性材料層に対して、その厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性粒子を当該導電性材料層の厚み方向に配向させる工程を有し、
    この工程において、前記導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
  5. 導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作において、導電性材料層に再度作用させる磁場の磁束線の方向が、停止前の磁場の磁束線の方向と逆方向であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の異方導電性シートの製造方法。
  6. 導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を繰り返して行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の異方導電性シートの製造方法。
  7. 導電性材料層に対する磁場の作用を停止した後、再度、当該導電性材料層に対して磁場を作用させる操作を5回以上行うことを特徴とする請求項6に記載の異方導電性シートの製造方法。
JP2004030180A 2004-02-06 2004-02-06 異方導電性シートの製造方法 Pending JP2005222826A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004030180A JP2005222826A (ja) 2004-02-06 2004-02-06 異方導電性シートの製造方法
PCT/JP2005/001419 WO2005076418A1 (ja) 2004-02-06 2005-02-01 異方導電性シートの製造方法
CN 200580004183 CN1918756A (zh) 2004-02-06 2005-02-01 各向异性导电性薄板的制造方法
TW94103240A TW200527754A (en) 2004-02-06 2005-02-02 Process for producing anisotropic conductive sheet

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004030180A JP2005222826A (ja) 2004-02-06 2004-02-06 異方導電性シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005222826A true JP2005222826A (ja) 2005-08-18

Family

ID=34835983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004030180A Pending JP2005222826A (ja) 2004-02-06 2004-02-06 異方導電性シートの製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2005222826A (ja)
CN (1) CN1918756A (ja)
TW (1) TW200527754A (ja)
WO (1) WO2005076418A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005322492A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Polymatech Co Ltd 導電弾性体及びその製造方法
EP2942846A1 (en) * 2014-05-07 2015-11-11 ABB Technology Ltd Electrical device with low friction contact parts

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI700188B (zh) * 2018-04-18 2020-08-01 呂奇恩 異方性導電薄膜的製備方法及其產物
CN109867961A (zh) * 2019-02-14 2019-06-11 青岛科技大学 一种压阻复合膜
CN110767348A (zh) * 2019-11-12 2020-02-07 业成科技(成都)有限公司 异方性导电膜及其制作方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5193393A (en) * 1975-02-12 1976-08-16 Erasuteitsuku kontakutoshiitonoseizohoho
JPS6032285B2 (ja) * 1977-05-31 1985-07-27 ジェイエスアール株式会社 加圧導電性エラストマ−の製造方法
JPS61250906A (ja) * 1985-04-26 1986-11-08 ジェイエスアール株式会社 導電性エラストマ−シ−ト
JPH11260518A (ja) * 1998-03-13 1999-09-24 Jsr Corp 異方導電性シートの製造方法およびその製造装置
JPH11283718A (ja) * 1998-03-27 1999-10-15 Jsr Corp 異方導電性シートの製造方法及びその製造装置
JPH11354178A (ja) * 1998-06-08 1999-12-24 Jsr Corp 異方導電性シートおよびその製造方法並びに回路装置の検査装置および検査方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005322492A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Polymatech Co Ltd 導電弾性体及びその製造方法
EP2942846A1 (en) * 2014-05-07 2015-11-11 ABB Technology Ltd Electrical device with low friction contact parts
WO2015169622A1 (en) * 2014-05-07 2015-11-12 Abb Technology Ltd Electrical device with low friction contact parts
US9660405B2 (en) 2014-05-07 2017-05-23 Abb Schweiz Ag Electrical device with low friction contact parts

Also Published As

Publication number Publication date
WO2005076418A1 (ja) 2005-08-18
CN1918756A (zh) 2007-02-21
TW200527754A (en) 2005-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4930574B2 (ja) 異方導電性コネクター装置およびその製造方法並びに回路装置の検査装置
JPWO2007043350A1 (ja) 異方導電性コネクター装置および回路装置の検査装置
KR100756707B1 (ko) 이방 도전성 커넥터 및 도전성 페이스트 조성물, 프로우브 부재 및 웨이퍼 검사 장치
JP3543765B2 (ja) ウエハ検査用プローブ装置
KR101030360B1 (ko) 이방 도전성 커넥터 장치 및 회로 장치의 검사 장치
JP2002324600A (ja) 異方導電性コネクターおよびその応用製品
WO2005096368A1 (ja) プローブ装置およびこのプローブ装置を具えたウエハ検査装置並びにウエハ検査方法
WO2005101589A1 (ja) 異方導電性シート製造用型および異方導電性シートの製造方法
JP3726839B2 (ja) プローブ装置およびこのプローブ装置を具えたウエハ検査装置並びにウエハ検査方法
KR101167748B1 (ko) 웨이퍼 검사용 탐침 부재, 웨이퍼 검사용 프로브 카드 및웨이퍼 검사 장치
JP4507644B2 (ja) 異方導電性コネクター装置およびその製造方法並びに回路装置の検査装置
WO2005076418A1 (ja) 異方導電性シートの製造方法
JP2000243485A (ja) 異方導電性シート
JP4479477B2 (ja) 異方導電性シートおよびその製造方法並びにその応用製品
JP2008164476A (ja) 異方導電性コネクター装置およびその製造方法並びに回路装置の検査装置
JP3928607B2 (ja) 異方導電性シート、その製造方法およびその応用
JP3879464B2 (ja) 回路装置検査用異方導電性シートおよびその製造方法並びにその応用製品
JP4099905B2 (ja) 異方導電性シート用支持体および支持体付異方導電性シート
JP2005338066A (ja) シート状プローブの製造方法
JP2005327706A (ja) 異方導電性シート製造用型および異方導電性シートの製造方法
JP4273982B2 (ja) 異方導電性シートの製造方法および異方導電性コネクターの製造方法
JP3938117B2 (ja) 異方導電性コネクターおよびプローブ部材並びにウエハ検査装置およびウエハ検査方法
JP2001067940A (ja) 異方導電性シート
JP2004227828A (ja) 異方導電性コネクター装置および回路装置の検査装置
JP4161475B2 (ja) 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090616