JP2005222327A - 色信号処理装置および表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】個々の製品毎のばらつきを補正しつつ、階調の劣化を伴わずに低消費電力かつ低コストにより色空間変換を可能とする色信号処理装置および表示装置を提供する。
【解決手段】色空間変換のためのパラメータ(LUT)を記憶するROM102と、様々な色空間により表現された色信号を入力して逆ガンマ変換を行うことにより表示特性を線形とする入力補正部106と、線形化された表示特性をLUTに基づいて表示出力に応じた色空間変換を行う色空間変換部107と、色空間変換に伴って減少した階調を擬似的に増加させる階調生成部108と、必要に応じてLUTの書換を行うCPU100と、を含む色信号処理部10を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、様々な色空間を有する色信号を処理する色信号処理装置および表示装置に関するものである。
昨今、携帯電話機,PDAやディジタルカメラ等に代表される携帯機器の表示装置として、カラー液晶表示装置(以下、CLCDまたはLCD) 等のカラー表示装置が幅広く採用されている。
一方、上記携帯機器が入力する複数の色情報は、それぞれ個別の色再現領域を有していることから、入力した色情報によって携帯機器に表示される色が異なり、携帯機器において、簡便かつ柔軟にカラーマッチングを実現することが期待される。
上記携帯機器の表示装置は、NTSCやsRGB空間を表現するRGB加法混色で色を表現することが多く、これらの色空間に適合するアナログ特性で設計し、入力した色信号を直接表示部の入力として使用することが一般的である。
しかしながら、入力する色信号の色空間は、ブラウン管の表示特性に最適な空間であって、CLCD等の他の表示装置においては最適な空間ではない。このために、sRGB等の元のディジタルデータにより期待される色と実際に表示装置に表示される色に差異が生じたり、表示装置の性能を最大限に発揮することができない場合がある。
たとえば、従来は、システムにおける色空間(例えば、sRGB)を統一し、出力先である表示部では、統一された色空間に適合するように設計されていたが、現在では、例えばsRGBより広い空間を表現できるデバイスも多数存在するので、色空間を常にsRGBにあわせることは、携帯機器の持つ性能を十分発揮できていないことになる。
したがって、複数の色空間を有する信号を扱うことができる表示装置が要望される。
一方、CLCDを構成する表示部の個々の構成部品、たとえば、使用する光源の特性、ガラス、フィルター、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)の特性やばらつきにより、製品毎に光学特性が異なるため、CLCDが入力する色の再現性が製品個々により異なる。したがって、色空間の違いや製品毎の特性、ばらつきを吸収し、色の再現性が良い表示装置が要望される。
色空間変換については、後述する引用文献にも記載されているところであるが、以下に簡単に説明しておく。
色空間を表現方法として、CIE1931勧告のカラーモデルによるXYZの波長刺激値を用いて色再現範囲を表現する(XYZ色座標)手法が知られている。
図14は、XYZ色座標を下記数1に基づいて、xy色度座標で表現した図であり、(a)はNTSCおよびsRGBの色空間を、(b)は表示部の色空間を示す。
Figure 2005222327
図14において、三角形で表現された範囲は、色再現のための範囲であり、各色空間が表現可能な色の範囲が当該三角形の内側の範囲で示される。
図14(a)に示すとおり、NTSC, sRGB等の色空間は、それぞれ形の異なる三角形で表され、また、図14(b)に示すとおり、CLCD等の表示部は、NTSC, sRGB等の色空間と異なる三角形で表される。表示部の色空間は、前述したように、光学特性等によってばらつきを有している。
色空間を変換するためには、RGB空間からXYZ座標系へ変換してから、再度RGB空間へ変換し直すことが必要であり、この変換は、下記数2および数3の一次変換を行うことにより可能となる。
Figure 2005222327
Figure 2005222327
上述した色空間変換に関する技術として、従来より様々な技術が提案されている。
たとえば、下記特許文献1には、RGB信号をXYZ色座標に2次式を用いて色空間変換を行う手法が提案され、下記特許文献2には、3次元色変換テーブルおよび補間演算を用いて色空間変換を行う手法が提案され、下記特許文献3には、RGBに追加して複数の指定座標を用いて変換する手法が提案され、下記特許文献4には、LUT(ルックアップテーブル)と補正係数データを用いた手法が提案され、LUTと入力色の領域により補正係数を選択する手法が提案されている。
特許第3036823号公報 特開2000−165691号公報 特開2000−69306号公報 特許第2521182号公報 特開平7−226852号公報
しかしながら、上述した特許文献1乃至5に開示されている技術によれば、色空間を正確に変換することは可能であるものの、表示部の持つフィルタ、光源などの特性などの個々の製品毎のばらつきを補正することができない。
また、3次元LUTや、変換に演算を必要とする技術については、携帯機器などの小型ディジタル機器として重要となる低消費電力化および低コスト化を実現することが困難となるという問題がある。
一方、上記製品毎のばらつきに応じてディジタルデータの補正を行うと、入力の色階調に対して出力の色階調が減少してしまうため、階調を増加させる技術が必然的に必要となるが、一般に知られている技術は、画質およびコストの面で携帯機器に採用する場合には問題となる。
すなわち、アナログ回路、LCD駆動ドライバを制御することで階調を補正する場合には、パネル駆動回路、アナログ回路の変更が伴ってコストアップの要因となり、また、簡易的に階調を増加する手法としてフレームレートコントロールとディザーリングにより実現する場合には、階調生成に使用するビット数が増加すると、空間および時間に対する影響が大きくフリッカーが目立ち実用的ではない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、個々の製品毎のばらつきを補正しつつ、階調の劣化を伴わずに低消費電力かつ低コストにより色空間変換を可能とする色信号処理装置および表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の第1の観点は、第1の色信号の色空間を第2の色信号の色空間に変換するための変換係数を記憶する記憶手段と、前記変換係数に基づいて、第1の色信号を変換し、第2の色信号を生成する色信号変換手段と、前記色信号変換手段により生成された前記第2の色信号の階調を補正する階調補正手段とを有する色信号処理装置である。
好適には、前記記憶手段は、前記第1の色信号の表示特性を線形にするための第2の変換係数を記憶し、前記第2の変換係数に基づいて、表示特性を変更するように前記第1の色信号を調整する色信号調整手段を有し、前記色信号変換手段は、前記色信号調整手段により調整された第1の色信号を変換し、第2の色信号を生成する。
好適には、前記変換係数は、第1の複数のパラメータ、第2の複数のパラメータおよび第3の複数のパラメータからなり、各パラメータは、第2の色信号のビット列が第1の色信号のビット列より増加するように設定され、第1の色信号は、R信号、G信号およびB信号を含み、前記色信号変換手段は、前記第1の色信号に含まれる各信号と前記第1の複数のパラメータとに基づいて、第2の色信号のR信号を生成し、前記第1の色信号に含まれる各信号と前記第2の複数のパラメータとに基づいて、第2の色信号のG信号を生成し、前記第1の色信号に含まれる各信号と前記第3の複数のパラメータとに基づいて、第2の色信号のB信号を生成する。
好適には、前記階調補正手段は、第2の色信号に対応する画像データにおいて、隣接する画素の階調を、前記画像データのフレーム周期単位でそれぞれ異なる変化タイミングをもって変化させる。
上記目的を達成するために本発明の第2の観点は、第1の色信号の色空間を第2の色信号の色空間に変換するための変換係数を記憶する記憶手段と、前記変換係数に基づいて、第1の色信号を変換し、第2の色信号を生成する色信号変換手段と、前記色信号変換手段により生成された前記第2の色信号の階調を補正する階調補正手段と表示手段と、前記階調補正手段により階調補正された第2の色信号に基づいて、前記表示手段を駆動する表示駆動手段とを有する表示装置である。
好適には、前記表示駆動手段は、第2の色信号に含まれる各色信号を順次選択する色信号選択手段と、前記色信号選択手段により選択された色信号を順次アナログ信号に変換するアナログ信号生成手段とを有し、前記アナログ信号生成手段が生成するアナログ信号に基づいて、前記変換係数を変更する。
好適には、前記表示手段に配設され、明度を検出する明度検出手段を有し、前記表示手段は、複数の色再現特性を含み、前記記憶手段は、前記複数の色再現特性に対応する複数の変換係数を含み、前記明度検出手段により検出された明度に応じて、前記記憶手段が記憶する複数の変換係数から一の変換係数を選択する。
好適には、周囲温度を検出する温度検出手段を有し、前記変換係数は、予め所定の温度条件により設定され、前記記憶手段は、温度変化に応じた変換係数の変化の度合いを表す補正係数を記憶し、前記温度検出手段により検出された温度と前記補正係数とに基づいて、起動時に前記変換係数を変更する。
本発明の第1の観点に係る色信号処理装置によれば、記憶手段は、第1の色信号の色空間を第2の色信号の色空間に変換するための変換係数を記憶し、色信号変換手段は、前記変換係数に基づいて、第1の色信号を変換して、第2の色信号を生成し、階調補正手段は、前記色信号変換手段により生成された前記第2の色信号の階調を補正するので、複数の異なる色信号の色空間に対応して信号処理することが可能となる。
本発明によれば、個々の製品毎のばらつきを補正しつつ、階調の劣化を伴わずに低消費電力かつ低コストにより色空間変換を可能となるので、表示対象の色空間に依存せず、同じ色を再現することが可能となり、表示性能が向上するという利点がある。
また、CLCD等の表示部のばらつきを吸収することが可能となるので、表示装置の各製品に対して同一の表示性能が得られる利点がある。
実施形態
以下、本発明の表示装置に係る実施形態について、添付図面に関連付けて説明する。
図1は、本実施形態における表示装置1が適用されるシステムの一例を示す図である。 本システムは、複数の画像ソースを入力し、入力画像の印刷、表示等の処理を行う。入力する画像ソースは、それぞれ別々の色空間で表現されていてもよく、たとえば、TVチューナ3から入力するTV映像は、NTSCにより規定される色空間を有し、画像データ格納部4に記録されたJPEG画像は、sRGBで規定される色空間を有している。
一方、入力した画像データの出力先である表示装置1およびプリンタ5についても、それぞれ個別の色空間を有している。
ホスト制御部2は、CPU22により全体の制御が司られる。
CPU22は、必要に応じて、入力した複数の画像ソースを、記憶部24に格納し、または、プリンタ5へ出力し、または、入出力I/F25を介して、表示装置1が有するLCDへ画像を表示させるために、表示装置1へRGBの各ディジタル信号を出力する。
なお、表示装置1は本発明に係る表示装置に対応し、ホスト制御部2よりRGBの各ディジタル信号を入力して処理する色信号処理部10(後述する)は、本発明に係る色信号処理装置に対応する。
図2は、本発明に係る表示装置の一実施形態を示すブロック図である。
以下の説明においては、表示素子アレイとして、TFTのLCDパネル、色信号処理部を大規模集積回路(LSI)により実現する場合を例として説明する。
なお、表示アレイは、LCDに限らず、有機EL(Electroluminescence) や、PDP(Prasma Display Panel)等、ディジタル信号を処理できる表示手段に適用可能であり、また、LSIで実現する回路の一部は、TFTを用いてLCDパネル上に形成することも可能である。
色信号処理部10は、RGBの色信号を入力して、画像表示部11の表示部に応じた色信号を生成する。その際、入力した色信号の色空間に基づいて、画像表示部11の表示に適合した色空間へ色空間変換を行った後に色信号を出力する(信号S10)。
また、色信号処理部10は、画像表示部11の光学特性等のばらつきを補正するために、表示駆動用アナログ信号(信号S11)に基づいてフィードバック制御を行ったり、画像表示部11のフォトセンサ1121の出力(信号S11)に応じてLUT(ルックアップテーブル)の書換等を行う。
本発明の変換係数としてのLUTは、後述する入力補正部106における入力補正処理、および、後述する色空間変換部107における色空間変換に必要な複数のパラメータにより構成され、記憶手段としてのROM102に記憶される。LUTはROM102に格納され、必要に応じてCPU100からアクセスされて書換が可能に構成される。
色信号処理部10において、CPU100はROM102に記述されたプログラムに従って動作し、電源投入時の初期化処理や、ROM102に格納されるLUTの書き換えを行う。
I/Fレジスタ104は、ホスト制御部2より制御コマンドを入力し、バスを介してCPU100へ制御コマンドを通知する。
温度検出手段としての温度センサ12または温度差感知回路103は、周辺温度を検出し、これによって後述するように温度補償が可能となる。温度センサ12の出力値に応じて、CPU100は、ROM102に格納されるLUTの書き換えを行う。
色信号調整手段としての入力補正部106,色信号変換手段としての色空間変換部107および階調補正手段としての階調生成部108は、ホスト制御部2より色信号を入力し、画像表示部11に応じた色信号(信号S10)に変換する。その際、色の階調が劣化しないように階調生成処理を行う。
ROM102が記憶するプログラムを変更することにより、容易にLUTの初期値や書き換えアルゴリズムを変更し、また、ROM102としてEEPROM等の不揮発メモリを搭載した場合に工場出荷時において初期値を書き込むことにより、コストと精度に柔軟に対応することが可能な構成となっている。
次に、色信号処理部10において実行される色空間変換処理について述べる。
色空間は、CIE規格に基づいたRGBそれぞれのXYZ座標、ホワイトポイント、およびガンマ(γ)値により指定され、RGB空間からXYZ空間に対しては、以下の数4で変換することができる。
Figure 2005222327
上記変換行列Aが定行列であるためにはRGBは線形である必要があるが、通常、NTSC, sRGBなど入力色信号は、非線形な表示特性(ガンマカーブ)を有するため、後述するように、入力補正部106により入力色信号の表示特性を線形とするような入力補正を行う。
入力補正後のデータに基づいて、それぞれの色空間毎にRGB各点とホワイトポイントを上記の数4に代入することにより、変換行列Aの各要素を決定することができる。
一方、XYZ空間を表示部の色信号に変換するための変換行列Bは下記数5に示すとおりである。
Figure 2005222327
変換行列Aと同様に、それぞれの色空間毎にRGB各点とホワイトポイントを上記の数5に代入することにより、変換行列Bの各要素を決定することができる。
したがって、上記数4および5から、入力した色信号に対する表示出力への色信号の変換式は、下記数6に示す通りとなる。
Figure 2005222327
次に、上述した色空間変換処理に関し、色信号処理部10において行われる実際の処理について述べる。かかる処理は、入力補正部106,色空間変換部107および階調生成部108より実行される。
なお、以下の説明においては、入力色信号がRGB各8ビットのディジタル信号であり、また、LCDアレイ112の表示階調がRGB各6ビットである場合を例として、以下説明するが、これより少ないまたは多い階調の場合も、任意に適用可能である。
また、以下の説明および添付図面においては、たとえば、Rの8ビット色信号をR〔7:0〕と表記し、その下位2ビットをR〔1:0〕と表記し、また、上位5ビット目をR〔5〕と表記する。
図3は、入力補正部106および色空間変換部107の構成の一例を説明するためのブロック図である。
図3において、ホスト制御部2より表示装置1が入力するNTSC, sRGBなど色信号は、一般にガンマカーブを有する非線形なデータであるため、これを線形な(リニア)データとするように入力補正を行う。
具体的には、入力補正部106を構成する乗算器1061〜1063は、RGBの各入力信号に対応し、それぞれROM102に格納される8ビットのLUTを入力信号に乗算して出力する。8ビットの各LUTは、所定のガンマカーブを有する色信号の表示特性を線形特性とするような係数により設定される。
なお、非線形データと線形データの変換は、上記8ビットのLUTをCPU100により書き換えることにより対応する。
色空間変換部107は、上述した数6に示す演算を実現するように構成し、RGBの各色信号を色空間変換した10ビットの出力色信号Rc,Gc,Bcを生成する。
色空間変換部107においては、それぞれ8ビット入力11ビット出力を有する9個のLUTを用いて構成されている。
ここで、色空間変換部107における変換処理に伴って、色の階調が減少してしまうので、階調の劣化を最小限にするため、要求精度に応じてLUTのビット幅を増やすことにしている。
図3において、たとえば、Rの色信号を色空間変換した出力R信号Rcは、入力補正された色信号R,G,Bを、それぞれ乗算器1071〜1073において、対応する11ビットLUTであるRRLUT,RGLUT,RBLUTと乗算し、さらに、その乗算結果を加算器107aおよび107bにより合計加算する。この合計加算結果は、数6のRdに相当する。
色空間変換された色信号は、後段処理の入力範囲を超えないように、飽和処理部107gにおいて、10ビットデータ(0〜1023)に飽和処理されて、色信号Rcとして出力される。
他の色信号GcおよびBcについても、同様に生成されて出力される。
なお、色空間変換部107に使用されるLUTの各要素決めるためには、まず上述した数4および数5に示す行列から、リニアな色信号における変換データを作成する。
たとえば、乗算器1071において使用されるRRLUTは、上記数6に示すab11から作成し、乗算器1072において使用されるRGLUTは、上記数6に示すab21から作成する。さらに、作成された変換データに対して、表示部の各色の非線形(ノンリニア)表示特性に従って補正する。たとえば、Rの特性に対しては、図3に示すRRLUT,RGLUT,RBLUTの変換データを同じ係数によって書き換えることにより補正する。
また、入力補正部106において使用されるLUTを、色空間変換部107において使用されるLUTに取り込むことも可能ではあるが、その場合には、ばらつきのための自動補正処理(後述する)時においてLUTを構成するテーブルの書き換えの演算が複雑になるという不利益がある。
次いで、図4乃至図6に関連付けて、階調生成部108の構成および処理について述べる。
上記入力補正部106および色空間変換部107の処理を行うことにより、階調が減少してしまうため、階調生成処理が必要となる。すなわち、sRGB等の色空間はCRTの特性に合った色空間およびガンマ特性を有しているので、このデータを線形変換すると低輝度時の階調が低下するため、これを補正する必要がある。
図4は、階調生成部108の構成の一例を示すブロック図である。
階調生成部108は、色空間変換部107からの各色信号Rc,Gc,Bc毎に、図4に示す回路を有しているが、各色信号に対して構成および動作は同一なので、図4においては、R信号の場合についてのみ記載している。なお、フレームカウンタ1081は、各色信号に対して共通に使用される。
図4に示すとおり、階調生成部108は多段で実装可能に構成され、図4に示す例では、2段の回路構成により、順に10ビットの入力色信号から表示部に適合した6ビットの色信号を生成する。
図4に示す回路は、隣接する2階調を時間的にずらし交互に表示させることによって、階調を擬似的に増やし、かつ、隣接する2階調を切り替えることによって、フリッカーを最小限に抑えることを目的としている。
階調生成部108は、フレームカウンタ1081と、ビットデータ生成手段としての階調フラグ生成部1082,1084と、ビット列データ生成手段としてのビット列生成部1083,1085とを含んで構成される。
階調フラグ生成部1082とビット列生成部1083を含んで構成される前段と、階調フラグ生成部1084とビット列生成部1085を含んで構成される後段とは、構成および処理が同様であるため、以下、後段(8ビット→6ビットの処理)についてのみ説明する。
階調フラグ生成部1084は、8ビットの色信号(R1)の下位2ビットR1[1:0]と、対応する表示アレイのX, Y座標の下位1ビットX[0],Y[0] と、フレーム毎に更新するフレームカウンタの出力下位2ビットF[1:0] とを入力して、階調フラグを生成する。
階調フラグ生成部1084は、上記の6ビットから1ビットを得る組み合わせ回路で実現でき、この組み合わせ回路の真理値表の一例を図5に示す。
図5において、(a)〜(d)は4ビットのフレームカウンタ1081の各タイミングを示し、(1)〜(4)は各タイミングそれぞれにおいて、入力する色信号(R1)の値である。
すなわち、図5においては、フレームのタイミング毎に入力する色信号(R1)の値に応じて、2×2の真理値表が一意に決定され、決定された真理値表において、隣接する画素に対する階調フラグ(Flag)が規定される。そして、階調フラグが「1」を示す場合には、1つ上の階調を使用することを示す。
また、図5に示すとおり、色信号(R1)の下位2ビットR1[1:0]が「0」の場合、階調フラグは常時0であり、R1[1:0]が「1」の場合には、各画素4フレームに1度、階調フラグが「1」になり(セットされ)、R1[1:0]が「2」の場合には、各画素4フレームに2度、階調フラグがセットされ、R1[1:0]が「3」の場合には、各画素4フレームに3度、階調フラグがセットされるように、真理値表は設定される。
なお、図5に示す真理値表は一例であって、他の組み合わせにより構成することもできる。
たとえば、R1[7:2]= 27 であり、かつ、R1[1:0]= 1の場合には、出力はフレーム周期毎に、下記表1に示すように変化する。
(表1)
X=0,Y=0 Rd[5:0]= 27 -> 27 -> 27 -> 28 -> 27 -> 27 -> 27 -> 28 ...
X=1,Y=0 Rd[5:0]= 28 -> 27 -> 27 -> 27 -> 28 -> 27 -> 27 -> 27 ...
X=0,Y=1 Rd[5:0]= 27 -> 27 -> 28 -> 27 -> 27 -> 27 -> 28 -> 27 ...
X=1,Y=1 Rd[5:0]= 27 -> 28 -> 27 -> 27 -> 27 -> 28 -> 27 -> 27 ...
フレームを十分高速で変化させれば、見かけの明るさは平均化されるので、擬似的に中間階調を表現することが可能となる。表1に示す例では、R1[5:0] = 27.25となる。
また、階調フラグ生成部1082においては、各座標のXYの最下位ビットを使用しているため、表1に示すように、出力の変化のタイミングは、空間的にずれた位置において発生する。
したがって、同じ階調の色が空間的に広がっている場合には、空間的にディザーをかけたのと同じ効果が得られる。実際にはディザーをかけていないため、画像の解像度が低下することはない。
ビット列生成部1085は、飽和処理付きの半加算器であり、階調フラグ生成部1084から入力した階調フラグ(Flag)と、入力した色信号R1の上位ビット[7:2] から6ビットの色信号Rd[5:0] を出力する。
図6は、ビット列生成部1083の回路構成の一例を示す図である。
図6に示すように、ビット列生成部1083は、色信号R1の上位6ビットに対して、階調フラグを順に加算するための6つの半加算器と、6つのOR論理ゲートとから構成される。
入力色信号R1[7:2]が最大階調の場合には、その最大階調より大きい階調は表現できないので、R1[7]のキャリー(桁上げ)と各半加算器の出力のORをとることにより、最大階調に飽和するように構成している。
以上、階調生成部108の構成について説明した。
なお、図4に示すように、階調生成部108を多段により構成する場合は、フレームカウンタは段数×2ビット必要であり、また、最終段から順番に下位から2ビットづつ使用する。これは、入力信号の下位ビットほど階調差が小さいため、時間的に長い期間で変化させても、色斑が認識しにくいためである。
階調生成部108は、色信号の下位2ビット入力、または、階調フラグ(Flag)を「0」に固定することにより、簡単に無効化することが可能であり、低消費電力モードを設定して消費電力を低減させる場合や、フレームレートを低下させることにより上述した階調変化が視認しやすい場合には、有効である。
また、階調生成部108は、小規模なロジック回路で実現可能であるので、TFTを使用してLCDパネル上に形成することも可能である。
上述したように、ホスト制御部2から入力されたRGBの各8ビットの色信号は、色信号処理部10において、入力補正部106により入力補正(線形変換)され、色空間変換部107により色空間変換され、階調生成部108により階調生成されて、RGBの各6ビットの色信号(図2の信号S10)として画像表示部11へ出力される。
次に、色信号処理部10より出力されたRGBの各6ビットの色信号(信号S10)に基づいて、LCDを駆動する処理について述べる。
通常、RGBそれぞれについて光学特性が異なるため、RGBそれぞれの特性に適合したD/A変換器を有する場合が多いが、その場合、各D/A変換器毎に異なるトランジスタを使用するために、TFTのばらつきによって同一のLCDパネルであっても特性がばらついてしまうという不利益がある。
そこで、本実施形態においては、RGBに対して共通のD/A変換器を使用することによって、カラーチャンネル毎のTFTのばらつきを抑制しつつ、色信号処理部10のLUTを適宜書き換えることで、RGB毎の光学特性を補正して上記ばらつきを吸収する。
図7は、RGB共通のD/A変換器を使用する場合の効果を示す特性を示し、(a)はRGB個別のD/A変換器を使用した場合の表示特性を、(b)は1つのD/A変換器によってRGBの各信号を駆動する場合の表示特性を、それぞれ示す。図7から明らかなように、1つのD/A変換器によってRGBの各信号を駆動する場合(図7(b))の方が、D/A変換器に使用されるトランジスタのばらつきが少ないために、生成される階調のばらつきが少ない。
図8は、信号S10に基づいて処理する表示駆動部111の構成の一例を示すブロック図である。
表示駆動手段としての表示駆動部111では、入力した色信号(信号S10)が順次、色信号選択手段としてのマルチプレクサ1111により選択され(V[5:0])、次いで、アナログ信号生成手段としての6ビットのD/A変換部1112によりLCDを駆動するためのアナログ信号が生成される。したがって、上述したように、RGBの各色についてばらつきが少ないアナログ信号が得られる。
さらに、図8に示すように、出力されるアナログ信号は、アナログスイッチ1113,1114を介し、所定のタイミングで色信号処理部10へフィードバックされる(図8に示す信号S11)。これにより、色信号処理部10において、D/A変換部1112のばらつきがモニタされ、そのばらつきを吸収するようにLUTが書き換えられる。
ここで、D/A変換部1112は、通常、LCDアレイ112の表示素子を駆動することに最適化された設計がなされ、TFTによってLCDパネル上に形成されることが多い。
一方、色信号処理部10はLSIにより構成され、フィードバックされたアナログ信号を処理する色信号処理部10のA/D変換部105は、上記LSI上に形成されるので、微細加工プロセスを使用することができ、変換速度や駆動能力等設計上の制約が多いD/A変換器1112に比べて、精度の高いA/D変換を実現することが可能である。
また、A/D変換部105は、常時駆動する必要がないので、消費電力を抑制することが可能である。
表示駆動部111のD/A変換部1112による出力電圧は、温度による影響を受けることから、色信号処理部10に接続された温度センサ12によって検出された温度と、フィードバックされたアナログ信号とに基づいて、温度による影響をキャンセルするように、LUTを書き換えてもよい。
独立した温度センサでなくとも、MOSトランジスタの温度特性差を利用して簡便に温度差を感知する回路(温度差感知回路103)を追加してもよい。
なお、LSI上に上記の温度差感知回路103を設ける場合には、正確な温度を推定することが難しいので、温度補正は必要な精度とコストのバランスにより、外部の温度センサを使用するか否かを決定する。
さらに、図8に示す表示駆動部111においては、LCDアレイ112に配設された明度検出手段としてのフォトセンサ1121の出力信号が、アナログスイッチ1114を介し、所定のタイミングで色信号処理部10へフィードバックされる。そして、フィードバックされたフォトセンサ出力に応じて、LUTの書換がなされる。
一般に、LCDの種類として、全ての光をバックライトから得る透過型LCDのほか、一部を反射光から得る半透過型LCD、すべてを反射光から得る反射型LCD等がある。半透過型LCDでは、反射モードと透過モードによってそれぞれ光学特性が異なり、周囲の明るさにより出力される色が変化してしまう。また、反射型LCDにおいても,フロントライトを使用することが多く、外光とフロントライトの強さによって、その光学特性が変化する。
したがって、本実施形態においては、フォトセンサ1121をTFTの構成によりLCDパネル上に形成し、その出力をアナログスイッチ1114を介して色信号処理部10へフィードバックすることによって、LCD周辺の外光の強さを把握し、外光の強さに応じてLUTを書き換える構成としている。これにより、上述のように複数の光学特性に対して、出力される色の変化を最小限に押さえることが可能となる。
なお、フォトセンサは、LCDアレイ112の外側に複数個設けることが望ましく、図2に示す例では、LCDアレイ112の四隅に設置されている。これにより、複数個のフォトセンサのうち、一部のセンサが表示部の外枠の影に隠れ、外光を十分に検出できない場合であっても、残りのセンサにより周辺の明るさを知ることができる。
画面領域の一部が他の部分と比べて明るさが大きく異なることは考えられないので、上記複数のフォトセンサの出力のうち、低輝度の値は無視するようにしてもよい。
検出精度がそれ程必要ない場合には、表示駆動部111側に2個のフォトセンサを設置し、また、フォトセンサの設置場所が確保できない場合には、LCDパネルの隅の画素を削って配置する。
以上、本実施形態に係る表示装置の構成および動作について説明した。
次に、色信号処理部10において設定されるLUTの標準パラメータの決定フローについて述べる
図9は、LUTの標準パラメータの決定処理を示すフローチャートである。
図9において、先ず論理値の設定が行われる(ステップST10)。すなわち、LUTの各パラメータの論理的な値を設定する。
入力補正部106において使用されるRGB各色信号に対応するLUT(図3参照)は、入力の色空間と共に指定されるガンマ値(たとえば、sRGB,γ=2.2)に応じて、逆ガンマ変換を行い、線形変換が実行されるように設定される。
さらに、NTSC, sRGB等の入力信号の色空間に応じて、数4に示す行列Aの各項(a11〜a33)を算出する。
同様に、表示装置の光学測定によって行列Bの各項(b11〜b33)を算出する。その際、行列Bの各項がばらつきを有しないように、常温において光学測定を行う等ばらつきセンタとなる環境設定により行う。
以上から、行列A,Bの各項がそれぞれ決まるため、数6に従って、変換行列ABの線形変換テーブルの各項が一意に定まる(論理値の設定)。
上述したように、論理値の設定がなされると(ステップST10)、期待される表示特性に合致するように、LUTを変更する(ステップST11)。たとえば、sRGB入力に対し、表示部側においてsRGBの出力特性が得られるようにLUTを変更(補正)する。
さらに、補正後の表示部の光学特性を測定して(ステップST12)、表示部において期待された表示特性が得られるように、すなわち、実際の表示特性と期待される表示特性(入力時の表示特性)の誤差が最小となるように(ステップST13)、LUTを決定する。決定されたLUT(標準LUT)は、ROM102に格納される。
なお、図9のフローチャートが示すように、誤差が大きい場合には、ステップST11およびステップST12が繰り返し実行されることになるが、本処理に対してリアルタイム性は必要なく、表示装置1の製造段階において時間をかけて行えばよい。
図10は、入力したRGBの各色信号に応じて、設定したLUTに応じて表示特性が変化する一例であり、(1)はR入力について、(2)はG入力について、(3)はB入力について、それぞれ示す。
図10においては、入力信号Ri,Gi,Biがγ=2.2,sRGBの特性を有している場合であって、Rd=0.7Ri−0.15Gi+0.5Biの関係により線形変換を行う場合の例を示す。
図10(1)において、(1−a)は、R入力に対して期待される表示特性(γ=2.2)を、(1−b)は、(1−a)の表示特性を線形(リニア)に変換(逆ガンマ変換)した特性を、(1−c)は、(1−a)の表示特性に対して色空間変換(線形変換)を施した特性を、(1−d)は、予め測定したR表示素子の特性によって補正がされた後の特性を、それぞれ示す。図10(2)および(3)についても、(1)と同様である。
図10においては、(1−d)〜(3−d)により得られる表示特性が入力信号の表示特性と極力合致するように、図9に示すフローチャートに従ってLUTが設定される。
なお、図10では省略しているが、図3に示したように、図10(1−b)〜(3−b)に示す線形特性は、GdおよびBdの演算にも使用される。
次に、LUTを補正する際の補正係数の決定フローについて、図11に関連付けて述べる。
図9のフローチャートに示す処理により得られたLUTの値は、ばらつきを考慮しない標準値(標準LUT)であるため、温度やトランジスタの特性がばらつく場合に、標準LUTをどの程度補正すべきかを示す補正係数を予め決定しておく必要があり、そのための処理が図11に示すフローチャートである。
図11において、先ず、標準LUTを設定する(ステップST20)。
次いで、温度およびばらつき条件の設定を行う(ステップST21)。
たとえば、温度として、常温,高温,低温の3種類を考慮し、ばらつきとして、TFT LCDの場合には、PNトランジスタばらつきの範囲の最大最小の組み合わせ4種類(P最大/N最大, P最大/N最小,P最小/N最大,P最小/N最小)を考慮する。この場合には、3×4=12パターンの条件を設定して、以下のステップを処理する。
ステップST22〜24で行われる処理は、図9のフローチャートを用いて述べた処理と同一である。すなわち、上記12パターンの各条件毎に、実際の表示特性と期待される表示特性(入力時の表示特性)の誤差が最小となるように、LUT(最適LUT)を決定する(ステップST24)。
なお、誤差が大きい場合には、ステップST22およびステップST23が繰り返し実行されることになるが、本処理に対してリアルタイム性は必要なく、表示装置1の製造段階等において時間をかけて行えばよい。
ステップST22〜24により、ステップST21で設定した各条件毎に最適LUTが決定されると、標準LUTとの差分を記録する(ステップST25)とともに、その差分を数値化して所定の近似式による係数を求める。さらに、D/A変換器1112のばらつきを吸収できるように、各条件時のD/A変換器1112の出力特性を記録する。
所定の近似式は、要求精度に応じて様々考えられるところであるが、たとえば、下記数7に示すような比較的簡単な式を各LUT毎に適用することができる。
Figure 2005222327
ステップST21において設定された各条件毎に、上記数7の各係数を算出すると、温度の変動およびばらつきに応じて、どの程度LUTを補正させる必要があるかについて決定できることになる。
これにより、後述する自動補正のための基礎データが得られる。上述した処理(ステップST21〜25)は、表示特性の特性(反射光が支配的な場合、透過光が支配的な場合等)および入力信号の色空間毎(たとえば、sRGBやNTSC)に必要であるが、リアルタイム性は要求されず、表示装置毎に十分時間をかけて実行することが可能である。
次に、表示装置1の起動時に実行される自動補正の処理について、図12に関連付けて説明する。
自動補正の処理においては、図11のフローチャートに示す処理によって得られたデータに基づいて、表示装置1の起動時に標準LUTからの補正処理を行う。以下、自動補正の処理の各ステップについて順に述べる。
先ず、LCDの周辺の明るさを測定する(ステップST30)。具体的には、表示駆動部111のアナログスイッチ1114を制御して、LCDアレイ112に設置されたフォトセンサ1121の出力を色信号処理部10が取り込む。
次いで、LUTの標準値(標準LUT)をROM102から読み出す(ステップST31)。すなわち、ROM102に設定した標準の入力色空間、あるいは、外部のホスト制御部2よりコマンドで指定された色空間に応じて複数のLUTから一のLUTを選択して、使用する標準LUTを決定する。
ステップST32において、表示駆動部111のD/A変換器特性の測定を行う。
具体的には、図8に示したように、表示駆動部111のアナログスイッチ1113,1114を制御して、D/A変換部1112のアナログ信号出力を、色信号処理部10のA/D変換部105へフィードバックさせることにより、モニタする。
次に、周辺温度を測定する(ステップST33)。表示駆動部111のD/A変換部1112による出力電圧は、温度による影響を受けることから、後段で周辺温度に応じたLUTの設定を行うためである。
具体的には、色信号処理部10に接続された温度センサ12、または、独立した温度センサでなくとも、MOSトランジスタの温度特性差を利用して簡便に温度差を感知する回路(温度差感知回路103)を追加することによって、周辺温度を検出する。
なお、LSI上に上記の温度差感知回路103を設ける場合には、正確な温度を推定することが難しいので、温度補正は必要な精度とコストのバランスにより、外部の温度センサを使用するか否かを決定する。
次に、TFTのばらつき推定を行う(ステップST34)。すなわち、ROMに記録されたD/A変換器特性と実際に搭載されたD/A変換器1112の特性を比較し、TFTのばらつき傾向(標準からのばらつき)を推定する。
なお、TFTのトランジスタのばらつきに関し、あらかじめ工場出荷時にEEPROM等の不揮発メモリにばらつき量を記録することで精度を上げることも可能であるが、コストが増加する不利益がある。
以上のステップによって、LUTを補正するためのデータ(温度,TFTばらつき)が取得されたので、前述した数7に基づいて、LUTの各パラメータを決定する(ステップST35)。
さらに、外部のホスト制御部2からの要求や、所定周期毎のCPU100からの要求に応じて、上記ステップST30〜35を実行する(ステップST36)。
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1によれば、色空間変換のためのパラメータ(LUT)を記憶するROM102と、様々な色空間により表現された色信号を入力して逆ガンマ変換を行うことにより表示特性を線形とする入力補正部106と、線形化された表示特性をLUTに基づいて表示出力に応じた色空間変換を行う色空間変換部107と、色空間変換に伴って減少した階調を擬似的に増加させる階調生成部108と、必要に応じてLUTの書換を行うCPU100と、を含む色信号処理部10を有するように構成した。
したがって、ROM102に記憶させるLUTの初期値を追加することで、sRGB,
NTSC RGB等の複数の異なる色空間を有する入力信号に対応することができる。
標準的に設定される標準LUT(標準パラメータ)は、ROM102に有し、表示素子の光学特性毎に変更することができる。すなわち表示素子に使用する光源やフィルタを変更しても、設計変更の必要はなく、標準パラメータをROMに書き込むことで対応することができる。これにより、表示素子の設計の簡略化が可能となり、設計上の制限が緩和されより広い色空間を実現する表示素子を実現できる。
また、LUTの書換は、十分短時間で可能である。たとえば、垂直ブランキング期間、または、極短時間表示を中断しその間に、LUTの書換を行うことが可能で、外部のホスト制御部2からのコマンドで瞬時に、LUTを切り替えることが可能となる。したがって、異なる色空間を有する入力信号に対応した複数組のLUTを有し、たとえば図13に示すように、表示アレイのxy座標に応じて、同一画面上で複数の入力色空間を切り替えることも可能である。
応用例として、たとえば、ディジタルカメラで撮影したsRGB空間のJPEG映像を鑑賞した直後に、NTSC空間を持つTV映像を表示したり、sRGB画面上にNTSC空間のTV画像をピクチャインピクチャで表示したりすることが可能である。
本実施形態に係る表示装置1によれば、外部のホスト制御部2からコマンドを受信するI/Fレジスタ104を有し、ホスト制御部2(ホスト)からの指示に応じて、表示装置1の色信号処理部10が入力信号を色空間変換する構成とした。
したがって、ホスト側での事前に、表示装置1の表示部に応じた色空間変換を行う必要がない。このため、動画等のデータ量が膨大な場合にも容易に対応可能でき、また、ホスト側で色空間変換の必要がないため、色空間変換によるデータ色階調の劣化がない。
本実施形態に係る表示装置1によれば、階調生成部108を、所定の真理値表に基づくディジタル回路の組み合わせからなる階調フラグ生成部1082と、複数の半加算器とOR論理回路を含むビット列生成部1083と、により構成しているので、容易にLSI上に実装可能である。
また、表示品質より低消費電力が重要である場合には、階調生成部108を簡単に無機能化にすることができるので、柔軟な設計が可能である。
本実施形態に係る表示装置1によれば、色信号処理部10による色空間変換された色信号出力をD/A変換してLCDを駆動するアナログ信号を生成する表示駆動部111を有し、起動時の自動補正処理において、当該アナログ信号をモニタすることによりLUTを補正する構成とした。また、LCDアレイ112にフォトセンサ1121を設置し、色信号処理部10に温度センサ12を接続する等により得られる、外光強度および温度に応じて、LUTを補正する構成とした。
したがって、たとえば、表示装置1が搭載された携帯機器を屋内から屋外に移動した場合等に、光学特性を透過が支配的なモードから、反射が支配的なモードに切り替えることによって、反射モード特有の色の劣化を最小限に押さえることができる。また夕方屋外での使用時など反射光のホワイトバランスが変化した時にも、それに応じた対応が可能である。
また、上記自動補正処理により、表示装置1の工場出荷時の調整コストの削減と色再現の正確さ、すなわち、低コストと性能向上が両立できる。
以上述べたように、本実施形態に係る表示装置1によれば、低コストと低消費電力を実現しつつ、所望の色空間変換が可能であるので、特に、携帯装置向けの表示装置として有用である。
本実施形態における表示装置が適用されるシステムの一例を示す図である。 本発明に係る表示装置の一実施形態を示すブロック図である。 入力補正部および色空間変換部の構成の一例を説明するためのブロック図である。 階調生成部の構成の一例を示すブロック図である。 階調フラグ生成部における組み合わせ回路の真理値表の一例であり、(a)〜(d)は4ビットのフレームカウンタの各タイミングを示し、(1)〜(4)は各タイミングそれぞれにおいて、入力する色信号(Rc)の値を示す。 半加算器の回路構成の一例を示す図である。 RGB共通のD/A変換器を使用する場合の効果を示す特性を示し、(a)はRGB個別のD/A変換器を使用した場合の表示特性を、(b)は1つのD/A変換器によってRGBの各信号を駆動する場合の表示特性を、それぞれ示す。 色信号処理部の出力信号に基づいて処理される表示駆動部の構成の一例を示すブロック図である。 LUTの標準パラメータの決定処理を示すフローチャートである。 入力したRGBの各色信号に応じて、表示特性の変化を示す一例であり、(1)はR入力について、(2)はG入力について、(3)はB入力について、それぞれ示す。 LUTを補正する際の補正係数の決定方法を示すフローチャートである。 表示装置の起動時に実行される自動補正の処理を示すフローチャートである。 表示装置の出力画像の一例を示す。 XYZ色座標をxy色度座標で表現した図であり、(a)はNTSCおよびsRGBの色空間を、(b)は表示部の色空間を示す。
符号の説明
1…表示装置、2…ホスト制御部、21…A/D変換部、22…CPU、23…入出力I/F、24…記憶部、25…入出力I/F、3…TVチューナ、4…画像データ格納部、5…プリンタ、10…色信号処理部、100…CPU、101…RAM、102…ROM、103…温度差感知回路、104…I/Fレジスタ、105…A/D変換部、106…入力補正部、1061〜1063…乗算器、107…色空間変換部、1071〜1079…乗算器、107a〜107f…加算器、107g〜107i…飽和処理部、108…階調生成部、1081…フレームカウンタ、1082,1084…階調フラグ生成部、1083,1085…ビット列生成部、11…画像表示部、111…表示駆動部、1111…マルチプレクサ、1112…D/A変換部、1113,1114…アナログスイッチ、112…LCDアレイ、1121…フォトセンサ、12…温度センサ。

Claims (11)

  1. 第1の色信号の色空間を第2の色信号の色空間に変換するための変換係数を記憶する記憶手段と、
    前記変換係数に基づいて、第1の色信号を変換し、第2の色信号を生成する色信号変換手段と、
    前記色信号変換手段により生成された前記第2の色信号の階調を補正する階調補正手段と
    を有する色信号処理装置。
  2. 前記記憶手段は、前記第1の色信号の表示特性を線形にするための第2の変換係数を記憶し、
    前記第2の変換係数に基づいて、表示特性を変更するように前記第1の色信号を調整する色信号調整手段を有し、
    前記色信号変換手段は、
    前記色信号調整手段により調整された第1の色信号を変換し、第2の色信号を生成する
    請求項1記載の色信号処理装置。
  3. 前記変換係数は、第1の複数のパラメータ、第2の複数のパラメータおよび第3の複数のパラメータからなり、各パラメータは、第2の色信号のビット列が第1の色信号のビット列より増加するように設定され、
    第1の色信号は、R信号、G信号およびB信号を含み、
    前記色信号変換手段は、
    前記第1の色信号に含まれる各信号と前記第1の複数のパラメータとに基づいて、第2の色信号のR信号を生成し、
    前記第1の色信号に含まれる各信号と前記第2の複数のパラメータとに基づいて、第2の色信号のG信号を生成し、
    前記第1の色信号に含まれる各信号と前記第3の複数のパラメータとに基づいて、第2の色信号のB信号を生成する
    請求項2記載の色信号処理装置。
  4. 前記階調補正手段は、
    第2の色信号に対応する画像データにおいて、隣接する画素の階調を、前記画像データのフレーム周期単位でそれぞれ異なる変化タイミングをもって変化させる
    請求項3記載の色信号処理装置。
  5. 前記階調補正手段は、
    第2の色信号に応じて、前記画像データのフレーム周期のタイミングでビットデータを生成するビットデータ生成手段と、
    前記第2の色信号と、前記ビットデータ生成手段により生成されるビットデータと、に基づいて、所定のビット列からなるデータを生成するビット列データ生成手段と
    を有し、
    前記ビットデータ生成手段は、
    前記画像データのうち、隣接する画素に対応するビットデータがそれぞれ異なるようにビットデータを生成する
    請求項4記載の色信号処理装置。
  6. 前記階調補正手段は、
    生成するデータのビット列に応じて、複数段からなる
    請求項5記載の色信号処理装置。
  7. 第1の色信号の色空間を第2の色信号の色空間に変換するための変換係数を記憶する記憶手段と、
    前記変換係数に基づいて、第1の色信号を変換し、第2の色信号を生成する色信号変換手段と、
    前記色信号変換手段により生成された前記第2の色信号の階調を補正する階調補正手段と
    表示手段と、
    前記階調補正手段により階調補正された第2の色信号に基づいて、前記表示手段を駆動する表示駆動手段と
    を有する表示装置。
  8. 前記表示駆動手段は、
    第2の色信号に含まれる各色信号を順次選択する色信号選択手段と、
    前記色信号選択手段により選択された色信号を順次アナログ信号に変換するアナログ信号生成手段と
    を有し、
    前記アナログ信号生成手段が生成するアナログ信号に基づいて、前記変換係数を変更する
    請求項7記載の表示装置。
  9. 前記表示手段に配設され、明度を検出する明度検出手段を有し、
    前記表示手段は、複数の色再現特性を含み、
    前記記憶手段は、前記複数の色再現特性に対応する複数の変換係数を含み、
    前記明度検出手段により検出された明度に応じて、前記記憶手段が記憶する複数の変換係数から一の変換係数を選択する
    請求項7記載の表示装置。
  10. 周囲温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記変換係数は、予め所定の温度条件により設定され、
    前記記憶手段は、温度変化に応じて変換係数を変化させる度合いを表す補正係数を記憶し、
    前記温度検出手段により検出された温度と前記補正係数とに基づいて、起動時に前記変換係数を変更する
    請求項7記載の表示装置。
  11. 前記変換係数は、予め前記アナログ信号生成手段の所定の生成特性により設定され、
    前記記憶手段は、前記生成特性の変化に応じて変換係数を変化させる度合いを表す補正係数を有し、
    前記アナログ信号生成手段により生成されたアナログ信号と前記補正係数とに基づいて、起動時に前記変換係数を変更する
    請求項7記載の表示装置。
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