JP2005219072A - 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置 - Google Patents

溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005219072A
JP2005219072A JP2004027514A JP2004027514A JP2005219072A JP 2005219072 A JP2005219072 A JP 2005219072A JP 2004027514 A JP2004027514 A JP 2004027514A JP 2004027514 A JP2004027514 A JP 2004027514A JP 2005219072 A JP2005219072 A JP 2005219072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
molten metal
gas
tundish
continuous casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004027514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4179180B2 (ja
Inventor
Hideo Mizukami
英夫 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2004027514A priority Critical patent/JP4179180B2/ja
Publication of JP2005219072A publication Critical patent/JP2005219072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4179180B2 publication Critical patent/JP4179180B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

【課題】金属化合物の高い添加歩留りを確保するとともに連続鋳造鋳片内に均一に分散させることが可能な連続鋳造方法および連続鋳造装置を提供する。
【解決手段】(1)タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、タンディッシュ内に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内に浸漬させた浸漬ランスから金属化合物を構成する金属蒸気および/または金属粒子を酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、炭化水素ガスおよび亜硫酸ガスのうちから選ばれた1種以上および不活性ガスを含む混合ガスとともに前記溶融金属中に供給する溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置。(2)前記(1)において、金属蒸気および/または金属粒子に替えて浸漬ランスの孔内に、金属化合物を構成する金属元素を含有するワイヤーまたはロッドを挿入する溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、溶融金属の連続鋳造の過程で、溶融金属中に金属元素の化合物を高い歩留りで添加し、鋳片内に均一に分散させることができる連続鋳造方法および連続鋳造装置に関する。
近年、金属製品の機械的特性を向上させるために、金属結晶粒の微細化や析出物の微細化が図られている。結晶粒や析出物の微細化を行うには微小な化合物を晶出または析出させることが有効であるが、結晶粒や析出物の微細化に有効な化合物は金属の種類により異なる。溶融金属中に金属元素を添加して所望の金属化合物を晶出させるためには、金属中の溶質成分の制御が必要であり、精錬工程におけるコストの増大、時間の増加などを招く。これらの負荷を軽減するためには、溶融金属中に予め金属元素の化合物を添加しておけばよい。
溶融金属中への金属元素化合物の添加には、塊状または粉末状の金属元素の化合物を溶融金属の湯面に投入する方法や、溶融金属中に不活性ガスや溶湯の流れを利用して投入する方法などが採用されている。しかしながら、溶融金属中に添加される金属元素の化合物の融点や沸点が溶融金属の温度よりも低い場合には、溶融金属の湯面近傍において、金属元素の化合物が溶融または分解、気化して大気中に放散されるため、溶融金属中への添加量を制御することが難しく、添加歩留りも低下して、均一に添加することは困難である。
また、金属元素が気化する際の体積膨張が大きいことから、溶融金属の湯面近傍で気化した場合には、溶融金属の飛散が激しく、操業上の安全の確保が困難である。さらに、添加金属元素の化合物の融点が低い場合には、添加前に溶融金属の輻射熱により軟化あるいは溶融し、所定量を添加することが困難である。溶融金属よりも密度の小さい金属元素の化合物を添加する場合には、添加された金属の化合物が溶融金属の表層部にのみに偏在し、溶融金属の内部にまで侵入しない。密度の大きな金属元素の化合物を添加する場合には、添加位置から溶融金属内部に沈降するのみで溶融金属全体に均一に混合させることは困難である。
溶融金属中に添加される金属元素の化合物の融点や沸点が溶融金属の温度よりも高い場合には、上記のように、金属元素の化合物が溶融金属への添加前に、溶融あるいは気化するといった問題はなく、溶融金属に添加される際には固体状態を保っている。しかしながら、金属元素の化合物の粒径が小さくなると、粒子同士が凝集し、溶融金属中に微細に分散させることが困難になる。このように、金属元素の化合物を溶融金属中に添加するには多くの困難がともなう上に、溶融金属中に添加する金属元素の化合物を事前に製造するには、そのための製造設備が必要となり、多大な費用が発生する。
特許文献1には、取鍋を出てタンディッシュ内溶鋼浴面へ移動中の溶鋼流にビスマスを添加する方法が開示されている。しかし、ビスマスは沸点が低く、溶鋼流と接触すると爆発的に反応し、蒸気となって雰囲気中に飛散するため、添加歩留まりが低く、溶鋼中に均一に添加できず、したがって、連続鋳造鋳片内に均一に分散しない。
特許文献2には、取鍋内の溶鋼にランスを用いてインジェクションにより鉛、ビスマス、鉛・ビスマス含有物質を添加するとともに、取鍋底部のポーラスプラグからガスを噴出させて攪拌する方法が開示されている。同文献で開示された方法においても、融点あるいは沸点の低い鉛およびビスマスを添加する場合には、これらの金属が溶鋼と接触すると爆発的な反応が生じ、溶鋼中への金属の添加が不均一になるとともに歩留りが低く、金属が連続鋳造鋳片内に均一に分散しない。また、溶鋼中に添加した鉛やビスマスの反応生成物を任意に調整することは難しい。
非特許文献1には、マグネシウム蒸気をアルゴンガスをキャリアーガスとして溶銑中に吹き込むことによりマグネシウムを添加し、溶銑を脱硫する方法が記載されている。マグネシウム溶解炉あるいは取鍋中にランスを浸漬してマグネシウム蒸気を添加しているため、溶銑中に吹き込まれたマグネシウム蒸気を含むアルゴンガスの気泡が大きく、この気泡が湯面に浮上するまでにマグネシウムと溶銑との反応が完了しない。したがって、添加歩留りが低く、添加後の濃度分布が不均一となるだけでなく、未反応のマグネシウムが大気中に放散されて発煙するため、環境上の問題がある。さらに、添加したマグネシウムと溶銑との反応による生成物を特定することが難しい。
特開2001−1116号公報(特許請求の範囲および段落[0013])
特開平9−13119号公報(特許請求の範囲および段落[0004]および[0005]) 特願2003−41399号公報(特許請求の範囲および段落[0012]〜[0015]) 特願2003−408822号公報(特許請求の範囲および段落[0012]〜[0015]) G.A.Iron and R.I.Guthrie;Ironmaking Steelmaking, 1981, No.3, p114〜121,"Kinetic aspects of magnesium desulphurization of blast furnace iron"
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、金属元素の化合物を溶融金属中に添加する場合に、上記金属化合物の高い添加歩留りを確保するとともに連続鋳造鋳片内に均一に分散させることが可能な連続鋳造方法および連続鋳造装置を提供することにある。
本発明者は、上述の課題を解決するために、前記した従来の問題点を踏まえて、金属元素の化合物を溶融金属中に高歩留りで均一に添加する方法および装置を検討した結果、タンディッシュまたは鋳型中の溶融金属にランスを浸漬し、そのランス孔から、酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、炭化水素ガスおよび亜硫酸ガスのうちの1種以上および不活性ガスを含む混合ガスとともに、溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属の蒸気もしくは粒子、または添加金属を含有するワイヤーもしくはロッドを供給することにより、課題が解決できることを見出した。
本発明は、上記の知見に基いて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(3)に示す溶融金属の連続鋳造方法および(4)に示す溶融金属の連続鋳造装置にある。
(1)タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属蒸気および/または金属粒子を酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、炭化水素ガスおよび亜硫酸ガスのうちから選ばれた1種以上および不活性ガスを含む混合ガスとともに前記溶融金属中に供給する溶融金属の連続鋳造方法。
(2)タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属元素を含有するワイヤーまたはロッドを、酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、炭化水素ガスおよび亜硫酸ガスのうちから選ばれた1種以上および不活性ガスを含む混合ガスとともに前記溶融金属中に供給する溶融金属の連続鋳造方法。
(3)前記の溶融金属が溶鋼であり、前記の溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属がマグネシウム、ビスマス、カルシウム、テルル、鉛、マンガン、イッテリビウムおよびタリウムから選ばれた1種以上を含む金属である前記(1)または(2)に記載の溶融金属の連続鋳造方法。
(4)タンディッシュと、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給するための浸漬ノズルと、タンディッシュの下方に位置する鋳型と、前記タンディッシュ内の溶融金属にワイヤーもしくはロッドを供給するための浸漬ランスまたは前記鋳型内の溶融金属にワイヤーもしくはロッドを供給するための浸漬ランスと、前記浸漬ランスの孔内に前記ワイヤーまたはロッドを供給するためのワイヤーまたはロッド供給装置とを有する溶融金属の連続鋳造装置。
本発明において、「溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属」とは、溶融金属に添加する金属酸化物や金属窒化物などを構成する金属元素を意味し、例えば、金属酸化物がMgOの場合にはMgを、金属窒化物がCa32の場合にはCaをいう。
「金属蒸気および/または金属粒子」とは、金属蒸気および/または、蒸発が不十分なために液体または固体粒子として存在する金属粒子、もしくは金属蒸気が凝縮して形成される金属粒子を意味する。なお、「金属」とは、純金属および金属の合金を含む。
また、「不活性ガス」とは、周期律表の18族の元素を意味し、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどのガス、またはそれらの混合ガスをいう。
本発明の溶融金属の連続鋳造方法によれば、金属元素の化合物を高歩留りで溶融金属中に添加でき、連続鋳造鋳片内に均一に分散させることができる。また、本発明の連続鋳造装置は、溶融金属に前記金属元素の化合物を添加するための好適な装置である。
前述のとおり、本発明は、タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属蒸気もしくは金属粒子、または前記金属化合物を構成する金属元素を含有するワイヤーもしくはロッドを、反応性を有するガスと不活性ガスとの混合ガスとともに前記溶融金属中に供給する溶融金属の連続鋳造方法、および連続鋳造装置である。
本発明者は、先に特許文献3および特許文献4において、溶融金属中に添加する金属元素の蒸気を発生させて、この蒸気を不活性ガスとともにタンディッシュ内または連続鋳造鋳型内の溶融金属中に添加する方法を提案した。この方法により、金属元素を溶融金属中に均一に、しかも歩留り良く添加することが可能になった。なお、提案された方法では、金属蒸気発生装置により金属蒸気を発生させて溶融金属中に供給する場合、およびワイヤーまたはロッドを溶融金属中に供給する場合のいずれの場合においても、溶融金属中に侵入する時点では、金属は金属蒸気または金属微粒子となっている。したがって、この方法は、金属蒸気などの粒子が溶融金属中に侵入する際に、その粒子サイズが数十オングストローム〜数千オングストロームであり、従来のような塊状の金属元素を添加する場合に比較して、微細な粒子サイズの金属元素を添加できる点で、従来の方法とは大きく異なる。
本発明者は、これらの結果を踏まえてさらに研究を重ね、上記の金属蒸気を溶融金属中に添加する際に用いる不活性ガスに替えて、前記の反応性を有するガスと不活性ガスとの混合ガスを用いることにより、金属蒸気の粒子サイズとほぼ同程度の粒子サイズを有する金属とガスとの化合物の微粒子を生成させることができ、かつ、この微粒子を溶融金属中に添加できることを見出して、本発明を完成させた。
なお、金属化合物として金属酸化物を形成させて溶融金属中に添加する場合には、酸素ガスまたは炭酸ガスを用いればよく、水素化物を形成させる場合には、水素または炭化水素を用いればよい。また、炭化物を形成させる場合には、炭化水素を用いればよく、硫化物を形成させる場合には、亜硫酸ガスを用いればよい。さらに、同種の化合物であっても、その形態を調整する場合には、上記の反応性ガスの組成などを制御すればよい。
溶融金属中にガスを吹き込む場合には、吹き込みノズルのノズル孔の内径を小さくしても、ノズルが溶融金属に濡れると、ノズルから吹き込まれる気泡の直径はノズルの内径により決定される以上に大きくなる。また、アルゴンガスが高温の溶融金属中に吹き込まれると、急激に膨張することから直径の大きな気泡が発生し、未反応の金属蒸気を含む気泡が湯面に浮上して添加歩留まりが低下するだけでなく、この金属蒸気が大気に放散されるため、作業環境を悪化させる。このような状況を改善するには、気泡の直径を小さくし、溶融金属と金属蒸気との反応を促進させる必要がある。
溶融金属中に吹き込むアルゴンガスなどの不活性ガス気泡の直径を小さくするには、ガス吹き込みノズルの前方を通過する溶融金属の流速を増大させ、ノズルから出る気泡を溶融金属流によりで破断すればよい。例えば、溶鋼中で直径1mm以下の気泡を得ようとする場合には、ノズル前方における溶鋼の流速を約1m/s以上にすればよいことが判明した。
また、金属元素の化合物、例えば酸化物、窒化物、硫化物などが溶融金属中に添加された場合に、これらの化合物の密度が溶融金属の密度よりも小さいと、化合物が溶融金属の表面に浮上するので、これらの化合物を連続鋳造鋳片内に留めることはできない。したがって、これらの蒸気や化合物を連続鋳造鋳片内に留まらせるためには、連続鋳造鋳型内またはタンディッシュ内の浴面から充分に深い位置、または溶融金属の流動による気泡の破断効果などを有効に利用できる位置から金属蒸気や金属化合物の粒子を吹き込む必要がある。
本発明の連続鋳造方法および連続鋳造装置の効果を確認するため、以下に示す連続鋳造試験を実施して、その結果を評価した。
(実施例1)
〔試験条件〕
溶融金属:低炭素鋼(成分組成は質量%で、C:0.04%、Ti:0.12%、N :0.004%)
溶融金属量:4トン/分で連続鋳造
添加金属:マグネシウム、ビスマス、カルシウム
添加形態:金属蒸気および/または金属粒子
添加量 :溶鋼1トン当たり各添加金属を50g
添加位置:タンディッシュ内
キャリアガス:酸素(0.5NL/分)とアルゴンガス(20L/分)との混合ガス
図1は、金属蒸気発生装置により発生させた金属蒸気および/または金属粒子を混合ガスとともに、タンディッシュ内の溶鋼中に浸漬させたランスを通して、溶鋼中に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。
取鍋3からタンディッシュ2に供給された溶鋼1は、タンディッシュ内で湯面のレベル制御を受け、浸漬ノズル6を経て連続鋳造鋳型8内に注入され、さらに鋳型下方に引き抜かれて凝固シェル7を形成し、鋳片となる。このとき、添加金属化合物の微粒子が、金属蒸気供給装置40から供給され、タンディッシュ内の溶鋼1に浸漬させた浸漬ランス4を通して溶鋼1内に吹き込まれる。
金属化合物供給装置40は、金属蒸気発生装置41、金属蒸気発生装置を加熱するバーナー44、温度測定装置(熱電対)46、温度測定装置による温度測定結果に基いて蒸気発生装置の温度を制御する温度制御装置45、混合ガス供給配管42および金属化合物吹き込み配管43からなっている。金属蒸気発生装置41内で発生した金属蒸気および/または金属粒子は、混合ガス供給配管42から供給された混合ガス54と反応して金属化合物を形成し、前記混合ガスをキャリヤーガスとして、金属化合物吹き込み配管43を通して浸漬ランス4に供給され、溶鋼1中に吹き込まれた。
一方、実施例1における比較例として、予め製造したマグネシウム、ビスマスおよびカルシウムの酸化物の微粉(平均粒子径:0.05mm)を溶鋼中に添加することを試みた。なお、微粉の添加に当たっては、前記の金属化合物供給装置に替えて粉体供給装置を取り付け、微粉を粉体供給装置の容器に装入し、この容器内の微粉を不活性ガスのアルゴンガスをキャリアガスとして溶鋼中に浸漬したランスに供給し、溶鋼中に添加することを試みた。
しかし、比較例においては、容器内に装入した金属酸化物の微粉が凝集して粗大な粒子を形成したため、溶鋼内に微粉を均一に添加することはおろか、不活性ガスとともに金属化合物吹き込み配管に送ることすらできなかった。
表1に、本発明例および比較例についての連続鋳造試験で得られた金属酸化物中の金属元素の添加歩留りおよび連続鋳造鋳片内における金属酸化物中の金属元素の濃度変動を示した。
Figure 2005219072
ここで、連続鋳造鋳片内における金属酸化物中の金属元素の濃度変動指数は、鋳片幅中央部から1m間隔で10個の分析用サンプルを採取し、各位置の金属元素濃度(質量%)とこれらのサンプルの平均濃度(質量%)との偏差を前記の平均濃度で除して相対変動量(%)を求め、そのうちの最大値により表示した。また、金属酸化物中の金属元素の添加歩留まりは、連続鋳造鋳片で測定した金属酸化物中の金属元素の平均濃度に基いて鋳片内の金属元素の総質量を求め、この値を添加した金属酸化物中の金属元素の総質量で除して百分率により表示した。
同表の結果から、本発明例では、金属酸化物中の金属元素の添加歩留りが高く、また、金属酸化物は鋳片内に均一に分散されていることがわかる。
(実施例2)
〔試験条件〕
溶融金属:低炭素鋼(成分組成は質量%で、C:0.04%、Ti:0.12%、N :0.004%)
溶融金属量:4トン/分で連続鋳造
添加金属:マグネシウム、ビスマス、カルシウム
添加形態:金属ワイヤー(ワイヤー直径はいずれも3mmφ)
添加量 :溶鋼1トン当たり各添加金属を50g
添加位置:タンディッシュ内
混合ガス:酸素(0.5NL/分)とアルゴンガス(20L/分)との混合ガス
図2は、金属ワイヤーを混合ガスとともに浸漬ランスを通してタンディッシュ内の溶鋼中に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。
取鍋3からタンディッシュ2に供給された溶鋼1は、浸漬ノズル6を経て連続鋳造鋳型8内に注入され、さらに下方に引き抜かれながら凝固シェル7を形成して鋳片となる。添加する金属酸化物を構成する金属は、金属ワイヤー50によりタンディッシュ2内の溶鋼1中に供給される。
タンディッシュ2内の溶鋼1中に浸漬ランス4が浸漬され、浸漬ランス4の一端は、金属ワイヤー供給機5に接続されている。金属ワイヤー供給機5にはワイヤーリール51が装填されており、金属ワイヤー50は、ワイヤー繰出しロール52により制御された速度で浸漬ランス内に挿入される。ワイヤー繰出しロールの回転速度はワイヤー繰出し速度制御装置53からの信号により制御される。金属ワイヤー供給機には混合ガス54が導入され、金属ワイヤー50とともに浸漬ランス内に供給される。なお、金属ワイヤー供給機内の圧力は圧力計55により測定され、混合ガス54の流量は流量調整弁56により制御される。
実施例2では、実施例1において行った比較試験を比較例として用い、結果の対比を行った。比較例では、前述のとおり、金属酸化物の微粉を金属化合物吹き込み配管に送ることすらできなかった。
表2に、本発明例および比較例についての連続鋳造試験で得られた金属酸化物中の金属元素の添加歩留りおよび連続鋳造鋳片内における金属酸化物中の金属元素の濃度変動を示した。
Figure 2005219072
同表において、金属酸化物中の金属元素の濃度変動指数および添加歩留りは、実施例1の場合と同様の方法により求めた。同表の結果から、本発明例では、金属元素の添加歩留まりが高く、また、金属酸化物は鋳片内に均一に分散されていることが分かる。
(実施例3)
〔試験条件〕
溶融金属:中炭素鋼(成分組成は質量%で、C:0.10%、Mn:1.0%)
溶融金属量:4トン/分で連続鋳造
添加金属:マグネシウム、カルシウム
添加形態:金属ワイヤー(ワイヤー直径はいずれも2mmφ)
添加量 :溶鋼1トン当たり各添加金属を50g
添加位置:連続鋳造鋳型内
混合ガス:窒素(0.5NL/分)とアルゴンガス(10NL/分)との混合ガス
図3は、金属ワイヤーを混合ガスとともに浸漬ランスを通して鋳型内の溶融金属に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。
連続鋳造鋳型8内の溶鋼1中に浸漬ランス4を浸漬し、浸漬ランス4の一端は、金属ワイヤー供給機5に接続した。前記の実施例2で説明したのと同様の方法で、浸漬ランスを通して、金属ワイヤーを連続鋳造鋳型内の溶鋼1中に供給した。
実施例3における比較例として、予め製造したマグネシウムおよびカルシウムの窒化物の微粉(平均粒子径:0.05mm)を容器に装入し、この容器内の微粉を不活性ガスのアルゴンガスをキャリアガスとして溶鋼中に浸漬したランスに供給して溶鋼中に添加することを試みた。
しかし、この比較例においても、容器内に装入した金属窒化物の微粉が凝集して粗大な粒子を形成したため、溶鋼内に微粉を均一に添加することはおろか、不活性ガスとともに浸漬ランス内に送ることさえも不可能であった。
表3に、連続鋳造試験で得られた金属窒化物中の金属元素の添加歩留りおよび連続鋳造鋳片内における金属元素の濃度変動を示した。
Figure 2005219072
同表に示した結果から、本発明例では、金属元素の添加歩留まりが高く、また、金属窒化物は鋳片内に均一に分布していることが分かる。
本発明の溶融金属の連続鋳造方法によれば、金属元素の化合物を高歩留りで溶融金属中に添加でき、連続鋳造鋳片内に均一に分散させることができる。また、本発明の連続鋳造装置は、溶融金属に前記金属元素の化合物を添加するための好適な装置である。
よって、本発明の連続鋳造方法および連続鋳造装置は、鋳片品質の均質化、ひいては金属加工製品の品質向上に広く貢献できる。
金属蒸気発生装置により発生させた金属蒸気を混合ガスとともに浸漬ランスを通して、タンディッシュ内の溶鋼に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。 金属ワイヤーを混合ガスとともに浸漬ランスを通してタンディッシュ内の溶融金属に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。 金属ワイヤーを混合ガスとともに浸漬ランスを通して鋳型内の溶融金属に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。
符号の説明
1:溶鋼
2:タンディッシュ
3:取鍋
4:浸漬ランス
40:金属化合物供給装置
41:金属蒸気発生装置
42:混合ガス供給配管
43:金属化合物吹き込み配管
44:バーナー
45:温度調節装置
46:温度測定装置
5:金属ワイヤー供給機
50:金属ワイヤー
51:ワイヤーリール
52:ワイヤー繰出しロール
53:ワイヤー繰出し速度制御装置
54:混合ガス
55:圧力計
56:流量制御弁
6:浸漬ノズル
7:凝固シェル
8:連続鋳造鋳型

Claims (5)

  1. タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属蒸気および/または金属粒子を酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、炭化水素ガスおよび亜硫酸ガスのうちから選ばれた1種以上および不活性ガスを含む混合ガスとともに前記溶融金属中に供給することを特徴とする溶融金属の連続鋳造方法。
  2. タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属元素を含有するワイヤーまたはロッドを、酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、炭化水素ガスおよび亜硫酸ガスのうちから選ばれた1種以上および不活性ガスを含む混合ガスとともに前記溶融金属中に供給することを特徴とする溶融金属の連続鋳造方法。
  3. 前記の溶融金属が溶鋼であり、前記の溶融金属に添加する金属化合物を構成する金属がマグネシウム、ビスマス、カルシウム、テルル、鉛、マンガン、イッテリビウムおよびタリウムから選ばれた1種以上を含む金属であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属の連続鋳造方法。
  4. タンディッシュと、タンディッシュ内の溶融金属にワイヤーまたはロッドを供給するための浸漬ランスと、前記浸漬ランスの孔内に前記ワイヤーまたはロッドを供給するためのワイヤーまたはロッド供給装置と、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給するための浸漬ノズルと、タンディッシュの下方に位置する鋳型とを有することを特徴とする溶融金属の連続鋳造装置。
  5. タンディッシュと、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給するための浸漬ノズルと、タンディッシュの下方に位置する鋳型と、鋳型内の溶融金属にワイヤーまたはロッドを供給するための浸漬ランスと、前記浸漬ランスの孔内に前記ワイヤーまたはロッドを供給するためのワイヤーまたはロッド供給装置とを有することを特徴とする溶融金属の連続鋳造装置。
JP2004027514A 2004-02-04 2004-02-04 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置 Expired - Fee Related JP4179180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004027514A JP4179180B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004027514A JP4179180B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005219072A true JP2005219072A (ja) 2005-08-18
JP4179180B2 JP4179180B2 (ja) 2008-11-12

Family

ID=34995126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004027514A Expired - Fee Related JP4179180B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4179180B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008018453A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造用浸漬ランス
JP2008290103A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 表層部に等軸デンドライトを有する鋼の連続鋳造鋳片およびその連続鋳造方法
JP2009220163A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Sumitomo Metal Ind Ltd 凝固組織が等軸デンドライトを有する鋼の連続鋳造鋳片およびその連続鋳造方法
JP2010529297A (ja) * 2007-06-05 2010-08-26 アフィヴァル 鉛及び/又は鉛合金を含む溶鋼浴処理用の新規な添加剤
KR101115699B1 (ko) 2010-03-09 2012-03-06 주식회사 키텍엔지니어링 산소 랜싱장치
JP2013141699A (ja) * 2012-01-12 2013-07-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 溶鋼中での気泡の発生方法
KR101913410B1 (ko) * 2016-12-21 2018-10-31 주식회사 포스코 고청정 용강의 제조 방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008018453A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造用浸漬ランス
JP2008290103A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 表層部に等軸デンドライトを有する鋼の連続鋳造鋳片およびその連続鋳造方法
JP4656088B2 (ja) * 2007-05-24 2011-03-23 住友金属工業株式会社 表層部に等軸デンドライトを有する鋼の連続鋳造鋳片およびその連続鋳造方法
JP2010529297A (ja) * 2007-06-05 2010-08-26 アフィヴァル 鉛及び/又は鉛合金を含む溶鋼浴処理用の新規な添加剤
JP2009220163A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Sumitomo Metal Ind Ltd 凝固組織が等軸デンドライトを有する鋼の連続鋳造鋳片およびその連続鋳造方法
KR101115699B1 (ko) 2010-03-09 2012-03-06 주식회사 키텍엔지니어링 산소 랜싱장치
JP2013141699A (ja) * 2012-01-12 2013-07-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 溶鋼中での気泡の発生方法
KR101913410B1 (ko) * 2016-12-21 2018-10-31 주식회사 포스코 고청정 용강의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4179180B2 (ja) 2008-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4298377A (en) Vortex reactor and method for adding solids to molten metal therewith
JP4228901B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JP7167646B2 (ja) 溶鋼への合金添加方法
JPH0368926B2 (ja)
JP4179180B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置
US20120024112A1 (en) Composition and process for improved efficiency in steel making
JP2002120050A (ja) ベルト&ホイール式連続鋳造圧延法による無酸素銅線材の製造方法および銅合金線材の製造方法
US5758706A (en) Process control of compacted graphite iron production in pouring furnaces
US4481032A (en) Process for adding calcium to a bath of molten ferrous material
US5376160A (en) Agent for the treatment of metal melts
US3322530A (en) Method for adding additives to molten steel
US4286646A (en) Method for inoculating or refining metal melts
JP6816777B2 (ja) スラグのフォーミング抑制方法および転炉精錬方法
JP4007209B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置
JP4475166B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
KR20020080409A (ko) 합금 첨가제용으로 철과 주기율표의 5족 또는 6족 원소 중적어도 하나를 추가로 함유하는 괴상물
JPS6347329A (ja) メタル浴の加熱と精錬を同時に行う方法およびそのための装置
JP4844376B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
US2874038A (en) Method of treating molten metals
KR100268331B1 (ko) 철을 함유하는 재료의 제조방법
JP2007023355A (ja) 溶融鋳鉄の溶製方法及び溶融鋳鉄の脱酸・脱硫剤
US4371392A (en) Process for refining a molten metal
JP5136989B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5142215B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
RU2195503C1 (ru) Способ подогрева жидкой стали

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080805

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4179180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees