JP2005208621A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】量子効率が0.50よりも大きい電子写真感光体であっても、ゴースト抑制効果に優れ、カラー電子写真装置や除電手段を有さない電子写真装置に搭載してもゴースト現象が生じにくい電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】 電荷発生層が、該電荷発生物質に対して21〜50質量%の電子輸送物質を含有し、該電子写真感光体1cmあたりの静電容量が135pF以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、複写機やプリンターなどの電子写真装置には、有機の電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体(有機電子写真感光体)が広く用いられている。このような感光層としては、耐久性の観点から、支持体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層、電荷輸送物質(正孔輸送物質)を含有する電荷輸送層(正孔輸送層)の順に積層してなる積層型(順層型)の層構成を有するものが主流となっている。
電荷発生物質のうち、赤または赤外領域に感度を有する電荷発生物質は、近年進歩の著しいレーザービームプリンターなどに搭載される電子写真感光体に使用され、その需要頻度は高くなってきている。赤外領域に感度を有する電荷発生物質としては、例えば、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどが知られている。感度に関する尺度の1つとして、「量子効率=減少電荷量/(単位面積単位時間あたりの入射フォトン数×素電荷)」で定義される量子効率というものがあり、一般的に、量子効率が大きい電子写真感光体ほど、高感度な電荷発生物質を用いた電子写真感光体である。
しかしながら、電荷発生物質の中でも特に感度の高いものを用いた電子写真感光体の場合、特には量子効率が0.50よりも大きい電子写真感光体の場合、電荷発生物質からの電荷の発生量が多く、正孔が正孔輸送層中に注入した後の電子が電荷発生層中に滞留しやすく、メモリーが引き起こされやすいという問題があった。具体的には、出力画像中、前回転時に光が照射された部分のみ濃度が濃くなる、いわゆるポジゴーストや、前回転時に光が照射された部分のみ濃度が薄くなる、いわゆるネガゴーストが見られる。
このようなゴースト現象を抑制する従来技術として、特開平11−172142号公報(特許文献1)や特開2002−091039号公報(特許文献2)には、電荷発生物質としてII型クロロガリウムフタロシアニンを用いる技術が開示されており、特開平07−104495号公報(特許文献3)には、オキシチタニウムフタロシアニンを用いた電荷発生層にアクセプター化合物を含有させる技術が開示されている。
特開平11−172142号公報 特開2002−091039号公報 特開平07−104495号公報
今日の電子写真技術の発展は著しく、電子写真感光体にも、より優れた特性が要求されている。
例えば、従来、文字などの白黒画像が中心であったが、近年、写真などのカラー画像の需要が高まってきており、それらの画質に対する要求は年々高まっている。
上述のゴースト現象は、ハーフトーン画像に特に現れやすく、ハーフトーン画像の重ね合わせであることが多いカラー画像では、特に重要な問題となる。
また、カラー画像の場合、1色1色ではゴーストレベルが白黒画像のそれと同などであっても、複数の色を重ね合わせることで、ゴースト現象が顕在化しやすい。
また、ゴースト現象を抑制する方法として、電子写真装置に前露光などの除電手段を設ける方法もあるが、電子写真装置本体の低コスト化や小型化の観点から、除電手段が省略されることが多くなってきている。
上記の従来技術は、このようなゴースト現象に厳しい状況に対して十分に効果があるとはいえなかった。
本発明の目的は、高感度な電荷発生物質を用いた電子写真感光体であっても、具体的には量子効率が0.50よりも大きい電子写真感光体であっても、ゴースト抑制効果に優れ、カラー電子写真装置や除電手段を有さない電子写真装置に搭載してもゴースト現象が生じにくい電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体であって、
初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該電子写真感光体の表面に照射した際の減少電荷量を△Q[C]、単位面積単位時間あたりの入射フォトン数n[cm−1・s−1]とし、また、素電荷をe[C]としたとき、Φ=△Q/(n×e)で定義される量子効率Φが0.50よりも大きい電子写真感光体において、
該電荷発生層が、該電荷発生物質に対して21〜50質量%の電子輸送物質を含有し、
該電子写真感光体1cmあたりの静電容量が135pF以上である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
本発明によれば、高感度な電荷発生物質を用いた電子写真感光体であっても、具体的には量子効率が0.50よりも大きい電子写真感光体であっても、ゴースト抑制効果に優れ、カラー電子写真装置や除電手段を有さない電子写真装置に搭載してもゴースト現象が生じにくい電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、量子効率Φが0.50よりも大きく、高感度である反面、ゴースト現象が顕著に発生しやすい電子写真感光体を対象にするものである。
量子効率Φは、Φ=△Q/(n×e)で定義される。
本発明において、△Qは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を電子写真感光体の表面に照射した際の減少電荷量[C]であり、nは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を電子写真感光体の表面に照射した際の単位面積(1cm)単位時間(1秒)あたりの入射フォトン数[cm−1・s−1]である。
△Qは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を電子写真感光体の表面に照射した際の該電子写真感光体の表面電位の変化量の絶対値を△Vとし、該電子写真感光体の1cmの静電容量(詳細は後述)をCとしたとき、△Q=△V×Cで導き出される。
また、eは、電子1個が持っている電荷の大きさ、すなわち素電荷であって、その値は1.6×10−19[C](定数)である。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着することによって形成された被膜からなる層を有する上記金属製支持体やプラスチック(ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂やポリイミド樹脂など)製支持体やガラス製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状などが挙げられるが、円筒状が好ましい。
また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理(ホーニング処理やブラスト処理など)、アルマイト処理などを施してもよいし、アルカリリン酸塩またはリン酸またはタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施してもよい。
ホーニング処理としては、乾式ホーニング処理と湿式ホーニング処理とがある。湿式ホーニング処理は、水などの液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で支持体の表面に吹き付けて支持体の表面を粗面化する方法であり、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度などによって制御することができる。乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーによって高速度で支持体の表面に吹き付けて支持体の表面を粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。ホーニング処理に用いられる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズなどの粒子が挙げられる。
支持体と電荷発生層または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。好適な金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、硫酸バリウムの粒子を用いることもできる。導電性粒子には、被覆層を設けてもよい。
導電性粒子の体積抵抗率は0.1〜1000Ω・cmの範囲が好ましく、特には1〜1000Ω・cmの範囲がより好ましい(この体積抵抗率は、三菱油化(株)製の抵抗測定装置ロレスタAPを用いて測定して求めた値である。測定サンプルは49MPaの圧力で固めてコイン状としたもの。)。また、導電性粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmの範囲が好ましく、特には0.07〜0.7μmの範囲がより好ましい(この平均粒径は、遠心沈降法により測定した値である。)。導電層中の導電性粒子の割合は、導電層全質量に対して1.0〜90質量%の範囲が好ましく、特には5.0〜80質量%の範囲がより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは単独で、または、2種以上の混合物もしくは共重合体として用いることができる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性を向上させ、かつ、成膜後の耐溶剤性が良好である。これらの中でも、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂が好ましい。
導電層の膜厚は0.1〜30μmであることが好ましく、特には0.5〜20μmであることがより好ましい。
導電層の体積抵抗率は1013Ω・cm以下であることが好ましく、特には10〜1012Ω・cmの範囲であることがより好ましい(この体積抵抗率は、測定対象の導電層と同じ材料によってアルミニウム板上に被膜を形成し、この皮膜上に金の薄膜を形成して、アルミニウム板と金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定して求めた値である。)。
また、導電層には、必要に応じてフッ素あるいはアンチモンを含有させてもよいし、導電層の表面特性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
また、支持体または導電層と電荷発生層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層(下引き層、接着層とも呼ばれる)を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層は、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。
中間層の膜厚は0.1〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜2μmであることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質は、上述の量子効率Φの規定を逸脱しない限りにおいて、各種公知のものを1種または2種以上用いることができる。高感度な電荷発生物質を用いることによって、上述の量子効率Φの規定を満足させることができる。高感度な電荷発生物質としては、例えば、構造にもよるが、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、フタロシアニン顔料などが挙げられる。
上記の各種電荷発生物質の中でも、高感度である反面、ゴースト現象が発生しやすく、本発明がより有効に作用するという点で、フタロシアニン顔料が好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、金属フタロシアニン顔料が好ましく、特には、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましく、その中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
電荷発生物質の粒径は0.5μm以下であることが好ましく、特には0.3μm以下であることがより好ましく、さらには0.01〜0.2μmであることがより一層好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、セルロース樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。特に、ブチラール樹脂が好ましい。これらは単独で、または、2種以上の混合物もしくは共重合体として用いることができる。
本発明においては、電子写真感光体の電荷発生層に電荷発生物質に対して21〜50質量%の電子輸送物質を含有させる。電子輸送物質が少なすぎると、電子輸送能力が不十分となり、ゴースト抑制効果が乏しくなる場合がある。電子輸送物質が多すぎると、他層とのコンタミネーションや層のクラック発生など、成膜性に問題が発生する場合がある。
このような電荷発生層は、あらかじめ電荷発生物質、結着樹脂および溶剤を含有させた溶液に該電荷発生物質に対して21〜50質量%の電子輸送物質を添加することによって電荷発生層用塗布液を調製し、この電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷発生物質、結着樹脂および溶剤を含有する溶液は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、0.5:1〜4:1(質量比)の範囲が好ましく、特には1:1〜3:1(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷発生層中に電子輸送物質を含有させることでゴーストが抑制される理由の詳細は不明であるが、本発明者らは以下のように考えている。
すなわち、ゴースト現象は、露光光(画像露光光)が照射された部分に残存する電子の数と照射されなかった部分に残存する電子の数との差によって次回転時露光光照射後の電位差が生じ、これによって起きる現象である。
露光光の照射により電荷発生物質で電荷(正孔および電子)が発生し、分離された正孔および電子は、電荷発生層が電荷発生物質と結着樹脂とを含む層である場合、該結着樹脂中を移動していくため、該結着樹脂の特性を大きく受けると考えられる。本発明の電子写真感光体のように、電荷発生層上に正孔輸送層が設けられた電子写真感光体、すなわち、負帯電型積層型電子写真感光体の場合、正孔は正孔輸送層側へ注入されていくが、電子は電荷発生層中に残存しやすく、上記電位差を生じさせ、ゴースト現象を発生させてしまう。
本発明では、電荷発生層に電子輸送物質を含有させているため、電荷発生層中に残存する電子の量を低減できていると考えられる。
また、電子は結着樹脂中を移動していくと考えられ、その移動をスムーズにすることによってゴースト抑制効果が得られるものと考えられるため、電荷発生層中、電子輸送物質は結着樹脂に分子分散させた状態で存在させることが好ましい。
電子輸送物質としては、例えば、トリニトロフルオレノンなどのフルオレノン化合物、ピロメリットイミド、ナフチルイミドなどのイミド化合物、ベンゾキノン、ジフェノキノン、ジイミノキノン、ナフトキノン、スチルベンキノン、アントラキノンなどのキノン化合物、フルオレニリデンアニリン、フルオレニリデンマロノニトリルなどのフルオレニリデン化合物、フタル酸無水物などのカルボン酸無水物、チオピランジオキシドなどの環状スルホン化合物、オキサジアゾール化合物、トリアゾール化合物などが挙げられる。これらの中でも、イミド化合物が好ましく、特には下記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物がより好ましい。
Figure 2005208621
上記式(1)中、R101およびR104は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、または、1価の置換もしくは無置換の複素環基を示す。R102およびR103は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアルコキシ基を示す。
上記のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などの鎖状のアルキル基や、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの環状のアルキル基が挙げられる。上記のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基などが挙げられる。上記のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などが挙げられる。上記のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。上記の1価の複素環基としては、ヒリジル基、フラル基などが挙げられる。上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。上記のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのアルキル基や、ビニル基、アリル基などのアルケニル基や、ニトロ基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、パーフルオロアルキル基などのハロゲン化アルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。
上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の中でも、R101およびR104の少なくとも一方が、置換もしくは無置換の直鎖のアルキル基、または、置換のアリール基であるものが好ましい。また、置換もしくは無置換の直鎖のアルキル基の中でも、ハロゲン原子置換の直鎖のアルキル基が好ましく、置換のアリール基の中でも、ハロゲン原子置換のアリール基、アルキル基置換のアリール基、または、ハロゲン化アルキル基置換のアリール基が好ましい。また、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、溶剤への溶解性の観点から、非対称形の構造であること(例えば、R101とR104とが異なる基。)、または、炭素数4以上のアルキル基などの嵩高い基が導入されていることが好ましい。
電荷発生層に含有させる電子輸送物質としては、その還元電位(飽和カロメル電極に対する還元電位)が−0.80〜0.00Vの範囲にあるものが好ましく、特には−0.65〜−0.25Vの範囲にあるものがより好ましく、さらには−0.60〜−0.25Vの範囲にあるものがより一層好ましい。また、電子輸送物質の最低空軌道準位(LUMOレベル)は、併用する電荷発生物質の最低空軌道準位(LUMOレベル)の±0.2eVの範囲にあることが好ましく、±0.1eVの範囲にあることがより好ましい。
本発明において、還元電位の測定は、以下のように3電極式のサイクリックボルターメトリーにて行った。
測定装置:ボルタンメトリックアナライザーBAS100B(BAS製)
作用電極:グラッシーカーボン電極
対極:白金電極
参照電極:飽和カロメル電極(0.1mol/l 塩化カリウム水溶液)
測定溶液:測定対象の電子輸送物質を0.001mol、電解質として過塩素酸t−ブチルアンモニウムを0.1mol、溶剤としてアセトニトリルを1リットル用いた溶液。
測定結果の第一還元電位のピークトップをその電子輸送物質の還元電位とした。
以下に、電子輸送物質の具体例を示す。
Figure 2005208621
Figure 2005208621
Figure 2005208621
Figure 2005208621
上記式(E−1)〜(E−19)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)の還元電位はそれぞれ以下のとおりである。
(E−1):−0.49V
(E−2):−0.47V
(E−3):−0.51V
(E−4):−0.54V
(E−5):−0.52V
(E−6):−0.68V
(E−7):−0.61V
(E−8):−0.47V
(E−9):−0.51V
(E−10):−0.54V
(E−11):−0.25V
(E−12):−0.30V
(E−13):−0.25V
(E−14):−0.54V
(E−15):−0.58V
(E−16):−0.58V
(E−17):−0.58V
(E−18):−0.51V
(E−19):−0.37V
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性の観点から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜2μmであることがより好ましく、さらには0.05〜0.5μmであることがより一層好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明の電子写真感光体に用いられる正孔輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物などが挙げられる。これら正孔輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、カーボネート結合を有する樹脂、例えばポリアリレート樹脂やポリカーボネート樹脂などが好ましい。これらは単独で、または、2種以上の混合物もしくは共重合体として用いることができる。また、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましく、一方、300000以下であることが好ましい。また、樹脂の比誘電率は、2.6〜3.5の範囲が好ましく、2.8〜3.2の範囲がより好ましい。
正孔輸送層は、正孔輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる正孔輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。正孔輸送物質と結着樹脂との割合は、10:5〜5:10(質量比)の範囲が好ましく、10:8〜6:10(質量比)の範囲がより好ましい。
正孔輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
正孔輸送層の膜厚は10〜30μmであることが好ましく、特には10〜19μmであることがより好ましい。
また、正孔輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
なお、正孔輸送層上には、該正孔輸送層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、結着樹脂のモノマー・オリゴマーを溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを硬化および/または乾燥させることによって保護層を形成してもよい。硬化には、光、熱または放射線(電子線など)を用いることができる。
保護層の結着樹脂としては、上記の各種樹脂を用いることができる。
保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
また、作製された電子写真感光体の1cmあたりの静電容量は、上述のとおり、135pF以上でなければならない。静電容量が小さすぎると、トラップなどにより蓄積された電荷が電子写真感光体の表面に移行した際、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像に影響を及ぼし、ゴースト現象が発生しやすくなる。好ましくは150pF以上であり、さらに好ましくは170pF以上である。一方、静電容量が大きすぎると、帯電不良などの問題が生じる場合があるため、400pF以下であることが好ましい。
本発明において、電子写真感光体1cmあたりの静電容量は、以下のようにして測定した。
すなわち、電子写真感光体(除く、支持体)を2cm×2cmに切り取り、切り取り片の表面に電極を金スパッタリングによって作製し、LCRメーターとしてインピーダンスアナライザー4192A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて切り取り片の静電容量を測定した。周波数が1kHzのときの切り取り片の静電容量の測定値を電極の面積で除した値を電子写真感光体1cmあたりの静電容量とした。
図1に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
図2に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の別の例を示す。
図2に示す構成の電子写真装置は、コロナ放電器を用いた帯電手段3’およびコロナ放電器を用いた転写手段6’を有している。動作については、図1に示す構成の電子写真装置と同様である。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製)25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部、および、シリコーン化合物(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間150℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、アルコール可溶性ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)15部をメタノール150部/ブタノール200部の混合溶媒に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)5部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2.5部、テトラヒドロフラン25部、および、シクロヘキサノン10部、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で5時間分散し、これにテトラヒドロフラン200部、シクロヘキサノン100部、および、上記式(E−1)で示される構造を有する化合物1.5部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した(電荷発生物質の平均粒径は0.20μmであり、(株)堀場製作所製CAPA700を用いて遠心沈降法で測定した)。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間95℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。電荷発生層は、析出などが見られない均一な膜だった。
次に、下記式(2)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)50部、
Figure 2005208621
および、下記式(3)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量(Mw):100000(東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーHLC−8120で測定し、ポリスチレン換算で計算した値;展開溶媒としてテトラヒドロフラン0.1重量%溶液を用い、カラムとして東ソー(株)製TSKgel Super HM−Nを用い、検出器としてRIを用い、カラムの温度を40℃とし、インジェクション量を20μlとし、流速を1.0ml/minとした);繰り返し構造単位中のテレフタル酸骨格とイソフタル酸骨格との質量比=50:50)60部
Figure 2005208621
を、モノクロロベンゼン350部/テトラヒドロフラン100部の混合溶媒に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が10μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、ならびに、該支持体上に導電層、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体の量子効率Φは0.51であり、静電容量は269pFであった。
作製した電子写真感光体を、以下の評価装置に装着して画像出力を行い、出力画像の評価を行った。
・評価装置
評価装置は、概略、図1に示す構成の反転現像方式のキヤノン(株)製デジタル複写機GP55の改造機(露光量および帯電値は可変に改造。解像度は600dpiに改造。)である。
・評価用の画像パターン
評価用の画像パターンとして、図3に示すゴースト用パターンを用意した。図3中、301の部分(黒塗り長方形)はベタ黒、302の部分はベタ白、303の部分はベタ黒301に起因するゴーストが出現し得る部分、304はハーフトーン(1ドット桂馬パターン。図4参照。)の部分である。マゼンタ、シアン、イエロー、黒のそれぞれ単色で作製した。
・評価方法
暗部電位−500V、明部電位−120Vに設定し、15℃/10%RHの低温低湿環境下、画像濃度12%画像を5000枚出力直後、ゴースト用パターンを用いて評価を行った。
まず、1枚目にベタ白画像を出力し、次に、上記のゴースト用パターンを連続5枚出力し、次に、ベタ黒画像を1枚出力した後、再度、上記のゴースト用パターンを連続5枚出力した。このように、ゴースト用パターンは計10枚である。
ゴーストの評価としては、マクベス社製マクベス濃度計RD−918を用いた。ゴースト用パターン中、ゴーストが出現し得る部分903の濃度からハーフトーンの部分904の濃度を差し引いた濃度を測定し、この測定を10点行い、10点の平均値を求めた(1枚あたりの平均値)。これを10枚分行い、それらの平均値を求めた(10枚の平均値)。値が大きいほどゴーストレベルが悪いことになる。結果を表3に示す。
(実施例2〜8)
実施例1において、電荷発生層に用いた電荷発生物質の種類および量、電荷発生層に用いた結着樹脂の種類および量、電荷発生層に用いた電子輸送物質の種類および量、正孔輸送層に用いた正孔輸送物質の種類、正孔輸送層に用いた結着樹脂の種類および重量平均分子量、ならびに、正孔輸送層の膜厚を表1に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
(実施例9〜15)
実施例1において、電荷発生層に用いた電荷発生物質の種類および量、電荷発生層に用いた結着樹脂の種類および量、電荷発生層に用いた電子輸送物質の種類および量、正孔輸送層に用いた正孔輸送物質の種類、正孔輸送層に用いた結着樹脂の種類および重量平均分子量、ならびに、正孔輸送層の膜厚を表1に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、評価装置を反転現像方式のキヤノン(株)製デジタル複写機GP405の改造機(露光量および帯電値は可変に改造。)に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
(比較例1〜4)
実施例1において、電荷発生層に用いた電荷発生物質の種類および量、電荷発生層に用いた結着樹脂の種類および量、電荷発生層に用いた電子輸送物質の種類および量、正孔輸送層に用いた正孔輸送物質の種類、正孔輸送層に用いた結着樹脂の種類および重量平均分子量、ならびに、正孔輸送層の膜厚を表2に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして評価した。ただし、比較例3の電子写真感光体はクラックが発生して量子効率の測定および出力画像の評価ができなかった。
(比較例5〜10)
実施例1において、電荷発生層に用いた電荷発生物質の種類および量、電荷発生層に用いた結着樹脂の種類および量、電荷発生層に用いた電子輸送物質の種類および量、正孔輸送層に用いた正孔輸送物質の種類、正孔輸送層に用いた結着樹脂の種類および重量平均分子量、ならびに、正孔輸送層の膜厚を表2に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例9〜15と同様にして評価した。ただし、比較例8の電子写真感光体はクラックが発生して量子効率の測定および出力画像の評価ができなかった。
(参考例1〜3)
実施例1において、電荷発生層に用いた電荷発生物質の種類および量、電荷発生層に用いた結着樹脂の種類および量、電荷発生層に用いた電子輸送物質の種類および量、正孔輸送層に用いた正孔輸送物質の種類、正孔輸送層に用いた結着樹脂の種類および重量平均分子量、ならびに、正孔輸送層の膜厚を表2に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した3つの電子写真感光体について、実施例1と同様の評価をするために、暗部電位−500V、明部電位−120Vに設定しようとしたところ、参考例1の電子写真感光体は設定電位に到達はしたものの露光手段のLDの発光が不安定になったため、また、参考例2および3の電子写真感光体は設定電位に到達する前にLDが発光を停止したため、いずれも画像出力には至らなかった。また、参考例2および3の電子写真感光体は量子効率の測定ができなかった。
Figure 2005208621
Figure 2005208621
表1および2中、「HOGaPc」は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を意味し、「TiOPc」は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を意味し、「BX−1」は、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)を意味し、「(2)」は、上記式(2)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)を意味し、「(3)」は、上記式(3)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(繰り返し構造単位中のテレフタル酸骨格とイソフタル酸骨格との質量比=50:50)を意味し、「(4)」は、下記式(4)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)を意味し、「(5)」は、下記式(5)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を意味し、「(6)」は、下記式(6)で示される構造を有するアゾ顔料を意味する。また、「CGM」は、電荷発生物質を意味し、「CGB」は、電荷発生層の結着樹脂を意味する。樹脂の重量平均分子量(Mw)は、いずれも、実施例1で用いた上記式(3)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂の重量平均分子量と同じ方法で測定した値である。
Figure 2005208621
Figure 2005208621
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の別の例を示す図である。 評価用の画像パターンである。 実施例および比較例で用いた1ドット桂馬パターン画像である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
3’ 帯電手段
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段
6’ 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
301 ベタ黒
302 ベタ白
303 ベタ黒301に起因するゴーストが出現し得る部分
304 ハーフトーン(1ドット桂馬パターン)

Claims (7)

  1. 支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体であって、
    初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該電子写真感光体の表面に照射した際の減少電荷量を△Q[C]、単位面積単位時間あたりの入射フォトン数n[cm−1・s−1]とし、また、素電荷をe[C]としたとき、Φ=△Q/(n×e)で定義される量子効率Φが0.50よりも大きい電子写真感光体において、
    該電荷発生層が、該電荷発生物質に対して21〜50質量%の電子輸送物質を含有し、
    該電子写真感光体1cmあたりの静電容量が135pF以上である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記電子写真感光体1cmあたりの静電容量が、170pF以上である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記正孔輸送層が、結着樹脂として、重量平均分子量(Mw)100000以上のポリカーボネート樹脂、または、重量平均分子量(Mw)100000以上のポリアリレート樹脂を含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷発生物質が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンである請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記電子輸送物質が、下記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 2005208621
    (式(1)中、R101およびR104は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、または、1価の置換もしくは無置換の複素環基を示す。R102およびR103は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアルコキシ基を示す。)
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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