JP2005208361A - 静電荷像現像用磁性トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂、カーボンブラック、磁性体(A)を含有するトナー母粒子と磁性体(B)とを含有する静電荷像現像用磁性トナーであって、磁性体(A)は嵩密度が0.15〜0.30g/cm3、窒素吸着法によるBET比表面積が3.0〜8.0m2/gであり、かつ磁性体(B)は嵩密度が0.35〜0.55g/cm3、窒素吸着法によるBET比表面積が8.0〜12.0m2/gであることを特徴とする静電荷像現像用磁性トナーである。
Description
カーボンブラックは、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックが使用され、その種類、添加量により、トナーの電気的物性、摩擦帯電性が影響を受ける。一般的には塩基性のカーボンブラックは正帯電性トナーに、酸性のものは負帯電性トナーに用いられている。
磁性体は、マグネタイト、フェライト等が使用される。これらには適当な磁気特性(飽和磁化、残留磁化、保持力等)と着色力が要求される。これらの大部分はマグネタイト(四三酸化鉄:Fe3O4)が使用されている(例えば非特許文献1参照)。
例えば、特定の比表面積とDBP吸油量を有するカーボンブラックと非晶質磁性合金粒子を含有する磁性トナー粒子を用いることにより画像滲みのなく十分な画像濃度の得られることが知られている(例えば特許文献1参照)。
また色目調整剤、抵抗調整剤としてのカーボンブラックを用いてもかまわない磁性トナー粒子に特定の磁性粉を有する磁性トナーを用いることにより、トナー凝集が少なく、カ画像欠陥のない磁性トナーが得られることが知られている(例えば特許文献2、3参照)。
また、トナーにおいて見かけ嵩密度が0.3g/cm3以上の磁性体と特定の平均粒度を有する樹脂材料を用いることにより磁性粉の分散性が良好で、優れた画像が得られることが知られている(例えば特許文献4参照)。
本発明の磁性トナーは、カーボンブラック、磁性体(A)と結着樹脂とを少なくとも含有するトナー母粒子と外添剤としての磁性体(B)とを混合することにより得られる。
磁性体(A)のBET法による比表面積が8m2 /gを超えるものを用いると、カブリが増大して、かつトナーの機内飛散が増大して行く傾向があり複写画像の品質が悪化してしまう。更には電荷のリークによる画像のノイズである黒筋が生じ、また機内飛散も生じてしまう。これは磁性体の比表面積が8m2 /gを超えるとトナー母粒子中への均一な分散が困難になり分散不良を起こしやすく、これによりトナー母粒子中に磁性体の偏在が生じてしまいトナー粒子の抵抗値がばらついてしまい、均一な安定した電荷を保持することができなくなってしまうからである。
一方比表面積が3m2 /gより小さいものを用いると、磁性体粒子がトナー母粒子に十分な着色を行うことが困難になり、トナーとして所望の画像濃度を得ることができなくなる。 また磁性体(A)の嵩密度が0.15g/cm3よりも小さいと、磁性体どうしの凝集性が高く結着樹脂中に均一分散することが困難であり、また0.30g/cm3よりも大きいと磁性体は結着樹脂から脱落しやすくなり、使用することができない。
このように磁性体(A)は、比表面積と嵩密度の数値を上記範囲に特定することにより、優れた着色力を持ち、かつ結着樹脂中への均一な分散、配合を行なうことが可能となる。
嵩密度(g/cm3)=(カップ秤量値−カップ風袋重量)/カップ容量(100cm3)となる。
またBET法による比表面積は、気体吸着法(流動法)である、ユアサアイオニクス社製、マルチソーブ12を用いて行った。キャリアガスとしては窒素−ヘリウムの混合ガスを用いた。そして脱着ピークの値からBET比表面積を算出した。
また吸油量は、煮アマニ油を滴下し、磁性体と混合しながら練り、全体が固い均一なパテ状の固まりとなった時点を終点として、この時までに消費した煮アマニ油の量を求めた。
吸油量(ml/100g)=(煮アマニ油消費量(ml)/試料重量(g))x100となる。
この比率が2.5以下になると、カーボンブラックの添加量が過剰となりカーボンブラックの凝集体が生じ分散不良が生じやすく、特に高温高湿環境において現像性が低下し、カブリ、機内飛散が生じてしまう。また6.0よりも大きくなると磁性体の量が過剰となり、トナー表面に磁性粉が露出しやすくなり、帯電量がばらついてしまう。またトナーの定着性も損なわれることになってしまう。
このように磁性体(A)の添加量と密接な関わりを持つが、カーボンブラックの添加量は通常結着樹脂の100重量部に対し、0.5〜10.0重量部、好ましくは2.0〜8.0重量部の添加量がよい。
カーボンブラックの嵩密度が250g/1000ccよりも大きい値となってしまうと、カーボンブラックの抵抗が下がり、トナーの帯電量が低下し、画像上のカブリが増加したり、トナーの機内飛散を引き起こす危険性がある。また見掛密度が130g/1000ccよりも小さくなってしまうと、結着樹脂中へのカーボンブラックの分散性、分配性は顕著に悪くなってしまう。
嵩密度の測定は、1000ccあたりに充填されるカーボンブラックの質量を求めることにより算出した。JIS K 6219によるものとなる。
カーボンブラックのBET法による比表面積が230m2 /gを超えるものを用いると、結着樹脂中への分散、分配配合が困難になり、カブリが増大して、かつトナーの機内飛散が増大して行く傾向があり複写画像の品質が悪化してしまう場合がある。特に高温高湿環境では顕著にかぶりが生じ、機内中のトナー飛散が生じてしまう場合がある。また比表面積が30m2 /gより小さいものを用いると、着色剤の粒子がトナーに十分な着色を行うことが困難になり、トナーとして所望の画像濃度を得ることができなくなる場合がある。
カーボンブラックのDBP吸油量については、JIS K 6217の方法により測定を行なった。
これらのなかでも、スチレン単重合体、スチレン−スチレン誘導体共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタクリル酸系共重合体が特に好ましいものである。
エーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは2種以上用いられる。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、THFに溶解した試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
これらの代表的な例としては、トナーに正荷電を与えるものとして、例えばニグロシン系染料やトリアリールメタン系染料のような塩基性染料、第4級アンモニウム塩化合物、有機錫オキサイド、アミノ基を有するポリマー(スチレン−アミン系共重合体、四級アンモニウム塩を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマー)等の電子供与性物質が、またトナーに負荷電を与えるものとして、例えばモノアゾ染料の金属錯体、含クロム有機染料(銅フタロシアニングリーン、含クロムモノアゾ染料)のごとき含金属染料、サリチル酸などのアリールオキシカルボン酸の金属錯体、その二価または三価の金属塩化合物、スルホン基を有するポリマー(スルホン酸を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマー)などが挙げられる。
スチレン・アクリル系の結着樹脂とともに用いる場合の荷電制御樹脂としては、スチレン−アミン系共重合体を用いることが特に好ましい。以下にスチレン−アミン系共重合体の一般式を示す。
スチレン−アミン系共重合体としては、スチレン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン/ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体が挙げられる。
またこれらのスチレン−アミン系共重合体のアミン価は160〜200であることが良好な帯電性を得る上で好ましい。アミン価が160よりも小さいと、トナーとして良好な電荷を付与させることが困難になってしまう。また200よりも大きくなると、結着樹脂への相溶性が悪くなってしまい、帯電量分布が偏在し画像としてカブリが増えたり、機内飛散が生じることがある。
また結着樹脂と良好な相溶性を得るためには、スチレン−アミン系共重合体の数平均分子量が4000〜15000の範囲であることが好ましい。これは結着樹脂の低分子成分と好ましく相溶するために重要である。
磁性体のBET法による比表面積が12m2 /gを超えるものを用いると、感光体ドラムへの研磨効果が不十分であり、感光体上にトナー成分が付着してしまい画像欠陥を引き起こしてしまう。一方、8m2 /g以下であると、感光体表面を傷つけてしまい、画像欠陥を引き起こしてしまう危険性がある。
また嵩密度は、トナーとしての流動性をコントロールする上で重要な数値である。嵩密度が0.35〜0.55の範囲において良好な流動性を有するトナーを得ることができる。一般的には流動性付与の目的で用いる外添剤としてはシリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機酸化物(疎水化処理をされていても良い)が挙げられるが、併用することによりさらに流動性の優れたトナーを得ることができる。
そして、本発明のトナーにおいては、上記のシリカ、アルミナ、酸化チタン等の流動化剤としての外添剤を使用しなくても、この嵩密度を満足する磁性体(B)だけでもトナーに流動性を付与し良好な画像特性を得ることができる。
磁性体(B)はこのように、BET比表面積と嵩密度を規定することで感光体を傷つけることなく、感光体表面の付着物を研磨し、流動性の優れたトナーを得ることができる。
さらに内添した磁性体のトナー表面への露出程度をコントロールすることは非常に困難であるが、外添することによりトナー表面に磁性体を一定量存在させることは容易にコントロールできるため、研磨性の安定化、帯電量の安定化が可能となる。
キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリコーン含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂など、あるいはこれらの混合物があげられる。これらのなかでは、スペントトナーの形成が少ないためフッ素含有樹脂、シリコーン含有樹脂が特に好ましい。
また樹脂キャリアについては、マグネタイト、フェライトの如き磁性体、結着樹脂、目的の極性を得るための荷電制御剤等を混合し、溶融混練し、所望の粒径に粉砕、分級することによって得ることができる。
キャリアの粒径としてはフェライトキャリアの場合は50〜100μm、樹脂キャリアの場合は30〜60μmの(体積)平均粒径を有するものが好ましい。
また本実施例の磁性トナーに用いた磁性体(A)、(B)の一覧を表1に示す。
カーボンブラック(嵩密度150g/l) 4重量部
荷電制御樹脂(スチレン−アミン系共重合体:アミン価180) 2重量部
磁性体A−1 14重量部
をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸加熱混練機に投入し、混練、押し出されてきたものを室温で冷却し、ハンマーミルで粗粉砕してチップ状の粉砕物(以下「チップ」という。)を得た。次いで、これをジェットミル粉砕機で微粉砕し、分級機に導き、10μmに平均粒度を有する部分をトナー用微粉末として取り出して、トナー母粒子を得た。
さらにこれらのトナー母粒子100重量部に対し、磁性体B−1 0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、トナー1を得た。
磁性粉(マグネタイトEPT−500) 75重量部
荷電制御剤(ボントロンS−34) 13重量部
スチレン−アクリル酸nブチル共重合体 12重量部
をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸加熱混練機に投入し、混練、押し出されてきたものを室温で冷却し、ハンマーミルで粗粉砕してチップ状の粉砕物を得た。次いで、これをジェットミル粉砕機で微粉砕し、分級機に導き、50μmに平均粒度を有する部分をキャリア用微粉末として取り出して、樹脂キャリアを得た。
そして前記得られたトナー1 16重量部、樹脂キャリア84重量部をボールミルを用いて混合し(2成分)現像剤を得た。
実施例1に用いた磁性体A−1、磁性体B−1を用いる代わりに、表1、2に記載される材料を用い、それ以外は実施例1と同様の条件にてトナーを作製し評価を行った。同様に結果を表2に示す。
Claims (8)
- 少なくとも結着樹脂、カーボンブラック、磁性体(A)を含有するトナー母粒子と磁性体(B)とを含有する静電荷像現像用磁性トナーであって、磁性体(A)は嵩密度が0.15〜0.30g/cm3、BET法による比表面積が3.0〜8.0m2/gであり、かつ磁性体(B)は嵩密度が0.35〜0.55g/cm3、BET法による比表面積が8.0〜12.0m2/gであることを特徴とする静電荷像現像用磁性トナー。
- カーボンブラックの添加量と磁性体(A)の添加量との比率、[磁性体(A)]/[カーボンブラック添加量]の数値が2.5〜5.0であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用磁性トナー。
- 磁性体(B)の吸油量が15〜27ml/100gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用磁性トナー。
- カーボンブラックの嵩密度が130〜250g/lであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用磁性トナー。
- 磁性体(A)の吸油量が20〜35ml/100gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用磁性トナー。
- トナー母粒子中にさらに荷電制御樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用磁性トナー。
- 荷電制御樹脂がスチレン−アミン系共重合体であることを特徴とする請求項6に記載の静電荷像現像用磁性トナー。
- スチレン−アミン系共重合体のアミン価が160〜200であることを特徴とする請求項7に記載の静電荷像現像用磁性トナー。
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